JP2015101698A - アンチブロッキング剤及びハードコート用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンチブロッキング性に優れ、且つ、ハードコートの塗膜の外観が良好な、アンチブロッキング剤及びハードコート用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル酸脂環式エステル単量体(A)及び架橋性単量体(B)を含む重合性成分を重合して得られる樹脂微粒子を必須とするアンチブロッキング剤であり、前記単量体(A)100重量部に対する、前記単量体(B)の重量割合が1.0〜3000重量部であり、前記樹脂微粒子の平均粒子径が10〜80nmである、アンチブロッキング剤。
【選択図】なし
【解決手段】(メタ)アクリル酸脂環式エステル単量体(A)及び架橋性単量体(B)を含む重合性成分を重合して得られる樹脂微粒子を必須とするアンチブロッキング剤であり、前記単量体(A)100重量部に対する、前記単量体(B)の重量割合が1.0〜3000重量部であり、前記樹脂微粒子の平均粒子径が10〜80nmである、アンチブロッキング剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、アンチブロッキング剤及びハードコート用樹脂組成物に関する。
液晶ディスプレイや樹脂フィルムの耐擦傷性を向上させるために、表面にハードコート膜が塗工される。近年、PETやPC、アクリル等の透明プラスチック基材の上にハードコートを塗工し、ガラスに替わってディスプレイ材料として用いられるようになっている。
ハードコート処理した透明プラスチック基材の製造工程において、基材を巻き取る際に、基材とハードコート表面が密着し、剥離が困難になる問題がある。
そのような問題点を解決する手段として、ハードコート剤に微小な粒子を添加してハードコート表面に微細な凹凸を付与し、基材とハードコート表面の接触面積を減らしてアンチブロッキング性を発現させる検討が行われている。
特許文献1には、ハードコートに用いられるアンチブロッキング剤として、有機樹脂粒子が開示されているが、アンチブロッキング剤の添加量が少ない場合には、アンチブロッキング性が発現しないという問題があった。
ハードコート処理した透明プラスチック基材の製造工程において、基材を巻き取る際に、基材とハードコート表面が密着し、剥離が困難になる問題がある。
そのような問題点を解決する手段として、ハードコート剤に微小な粒子を添加してハードコート表面に微細な凹凸を付与し、基材とハードコート表面の接触面積を減らしてアンチブロッキング性を発現させる検討が行われている。
特許文献1には、ハードコートに用いられるアンチブロッキング剤として、有機樹脂粒子が開示されているが、アンチブロッキング剤の添加量が少ない場合には、アンチブロッキング性が発現しないという問題があった。
本発明の目的は、アンチブロッキング性に優れ、且つ、ハードコートの塗膜の外観が良好な、アンチブロッキング剤及びハードコート用樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造を有した単量体と架橋性単量体とを特定の比率で重合して得られる樹脂微粒子を必須とするアンチブロッキング剤又はハードコート用樹脂組成物であれば、驚くべきことに、アンチブロッキング剤の添加量が少ない場合にでも、アンチブロッキング性が発現することを見出した。
すなわち、本発明に係るアンチブロッキング剤は、(メタ)アクリル酸脂環式エステル単量体(A)及び架橋性単量体(B)を含む重合性成分を重合して得られる樹脂微粒子を必須とするアンチブロッキング剤であって、前記単量体(A)100重量部に対する、前記単量体(B)の重量割合が1.0〜3000重量部である、アンチブロッキング剤である。
すなわち、本発明に係るアンチブロッキング剤は、(メタ)アクリル酸脂環式エステル単量体(A)及び架橋性単量体(B)を含む重合性成分を重合して得られる樹脂微粒子を必須とするアンチブロッキング剤であって、前記単量体(A)100重量部に対する、前記単量体(B)の重量割合が1.0〜3000重量部である、アンチブロッキング剤である。
本発明のアンチブロッキング剤は、
前記樹脂微粒子の平均粒子径が10〜80nmであると好ましい。
前記重合性成分が、芳香族系ビニル単量体(C)をさらに含み、前記単量体(A)100重量部に対する前記単量体(C)の重量割合が2.0〜5000重量部であると好ましい。
前記単量体(A)が、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であると好ましい。
さらに有機溶剤を含むと好ましい。
前記樹脂微粒子の平均粒子径が10〜80nmであると好ましい。
前記重合性成分が、芳香族系ビニル単量体(C)をさらに含み、前記単量体(A)100重量部に対する前記単量体(C)の重量割合が2.0〜5000重量部であると好ましい。
前記単量体(A)が、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であると好ましい。
さらに有機溶剤を含むと好ましい。
すなわち、本発明に係るハードコート用樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸脂環式エステル単量体(A)及び架橋性単量体(B)を含む重合性成分を重合して得られる樹脂微粒子と、紫外線硬化性樹脂のモノマーと、光重合開始剤とを含み、前記単量体(A)100重量部に対する、前記単量体(B)の重量割合が1.0〜3000重量部である、ハードコート用樹脂組成物である。
本発明のハードコート用樹脂組成物は、
前記樹脂微粒子の平均粒子径が10〜80nmであると好ましい。
前記重合性成分が、芳香族系ビニル単量体(C)をさらに含み、前記単量体(A)100重量部に対する前記単量体(C)の重量割合が2.0〜5000重量部であると好ましい。
前記単量体(A)が、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であると好ましい。
さらに有機溶剤を含むと好ましい。
前記樹脂微粒子の平均粒子径が10〜80nmであると好ましい。
前記重合性成分が、芳香族系ビニル単量体(C)をさらに含み、前記単量体(A)100重量部に対する前記単量体(C)の重量割合が2.0〜5000重量部であると好ましい。
前記単量体(A)が、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であると好ましい。
さらに有機溶剤を含むと好ましい。
本発明のハードコート樹脂基材は、前記ハードコート用樹脂組成物を硬化させてなる塗膜を樹脂基材の表面に有する。
本発明のアンチブロッキング剤は、アンチブロッキング性に優れ、且つ、当該アンチブロッキング剤を含むハードコートの塗膜の外観が良好である。
本発明のハードコート用樹脂組成物を硬化させてなる塗膜を樹脂基材の表面に有する、ハードコート樹脂基材は、アンチブロッキング性に優れ、且つ、外観が良好である。
本発明のハードコート樹脂基材は、アンチブロッキング性に優れ、外観が良好である。
本発明のハードコート用樹脂組成物を硬化させてなる塗膜を樹脂基材の表面に有する、ハードコート樹脂基材は、アンチブロッキング性に優れ、且つ、外観が良好である。
本発明のハードコート樹脂基材は、アンチブロッキング性に優れ、外観が良好である。
本発明のアンチブロッキング剤は、樹脂微粒子を必須とする。以下詳細に説明する。
〔樹脂微粒子〕
上記樹脂微粒子の平均粒子径は、10nm〜80nmが好ましく、20nm〜70nmがより好ましく、30nm〜60nmがさらに好ましい。10nm未満であると、表面に析出する微粒子の形成する凹凸の度合いが、ハードコートのアンチブロッキング性を発現させる上で十分でない場合がある。また80nmを超えると、ハードコートの透明性が損なわれる場合がある。
上記樹脂微粒子の平均粒子径は、10nm〜80nmが好ましく、20nm〜70nmがより好ましく、30nm〜60nmがさらに好ましい。10nm未満であると、表面に析出する微粒子の形成する凹凸の度合いが、ハードコートのアンチブロッキング性を発現させる上で十分でない場合がある。また80nmを超えると、ハードコートの透明性が損なわれる場合がある。
樹脂微粒子の形状としては、特に限定はないが、球状、非球状等が挙げられる。透明性の観点から、球状粒子であることが好ましい。また、樹脂微粒子は透明性を損なわない程度で、中空あるいは多孔質の形状であっても構わない。
樹脂微粒子の屈折率は、特に限定はないが、ハードコート樹脂の屈折率に近い程、透明性が向上する。樹脂微粒子の屈折率は1.40〜1.60が好ましく、1.45〜1.58がより好ましく、1.48〜1.55がさらに好ましい。
樹脂微粒子の比重は、特に限定はないが、比重が高すぎると、樹脂微粒子のハードコート表面へのブリードが効率よく発現しなくなる可能性があるため、比重は1.00〜1.30が好ましく、1.05〜1.28がより好ましく、1.10〜1.25がさらに好ましい。
樹脂微粒子の屈折率は、特に限定はないが、ハードコート樹脂の屈折率に近い程、透明性が向上する。樹脂微粒子の屈折率は1.40〜1.60が好ましく、1.45〜1.58がより好ましく、1.48〜1.55がさらに好ましい。
樹脂微粒子の比重は、特に限定はないが、比重が高すぎると、樹脂微粒子のハードコート表面へのブリードが効率よく発現しなくなる可能性があるため、比重は1.00〜1.30が好ましく、1.05〜1.28がより好ましく、1.10〜1.25がさらに好ましい。
<樹脂微粒子の製造方法>
樹脂微粒子の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、重合性成分を含む油性混合物(油相)を水系分散媒(水相)中に分散させた水系懸濁液を調製し、次いで、油性混合物中の重合性成分を重合させる工程を含む製造方法が挙げられる。
重合性成分は、(好ましくは重合開始剤存在下で)重合することによって、樹脂微粒子となる成分である。重合性成分は、重合性二重結合を1個有する(ラジカル)重合性単量体を含む成分である。
樹脂微粒子の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、重合性成分を含む油性混合物(油相)を水系分散媒(水相)中に分散させた水系懸濁液を調製し、次いで、油性混合物中の重合性成分を重合させる工程を含む製造方法が挙げられる。
重合性成分は、(好ましくは重合開始剤存在下で)重合することによって、樹脂微粒子となる成分である。重合性成分は、重合性二重結合を1個有する(ラジカル)重合性単量体を含む成分である。
重合性成分は、(メタ)アクリル酸脂環式エステル単量体(A)、架橋性単量体(B)を必須とし、芳香族系ビニル単量体(C)、単量体(A)を除く(メタ)アクリル酸エステル(D)又はその他の重合性単量体を含有しても良い。
まず、各重合性成分について説明する。
まず、各重合性成分について説明する。
((メタ)アクリル酸脂環式エステル単量体(A))
(メタ)アクリル酸脂環式エステル単量体(A)(以後、単量体(A)ということがある。)は、上記重合性成分に必須である。
単量体(A)を含む重合性成分を重合して得られた樹脂微粒子は、アンチブロッキング性に優れている。
(メタ)アクリル酸脂環式エステル単量体(A)(以後、単量体(A)ということがある。)は、上記重合性成分に必須である。
単量体(A)を含む重合性成分を重合して得られた樹脂微粒子は、アンチブロッキング性に優れている。
その理由は、樹脂微粒子が分子内に脂環式構造を有することにより、後述する紫外線硬化樹脂のモノマーとの親和性が適度に低下することで、ハードコートの塗膜乾燥時に樹脂微粒子がハードコート表面にブリードし、表面に微細な凹凸が形成されてアンチブロッキング性を発現するものと考えている。
単量体(A)は、単環又は多環の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。当該炭化水素基の炭素数は、3〜20が好ましく、4〜18がさらに好ましく、5〜16が特に好ましい。21以上では、得られる樹脂微粒子がハードコート用樹脂組成物に分散しないことがある。
単量体(A)としては特に限定はないが、例えばシクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、その中でもイソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートがアンチブロッキング性発現の観点から、特に好ましい。これらの単量体(A)は、1種または2種以上を併用してもよい。
なお、(メタ)とは、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレートの場合には、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレートを表す。
なお、(メタ)とは、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレートの場合には、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレートを表す。
(架橋性単量体(B))
架橋性単量体(B)(以後、単量体(B)ということがある。)は、上記重合性成分に必須である。
単量体(B)を含む重合性成分を重合して得られた樹脂微粒子は、架橋構造を形成することにより機械的強度が高いため、アンチブロッキング性に優れる。
単量体(B)は、重合性二重結合を2個以上有する重合性単量体である。
架橋性単量体(B)(以後、単量体(B)ということがある。)は、上記重合性成分に必須である。
単量体(B)を含む重合性成分を重合して得られた樹脂微粒子は、架橋構造を形成することにより機械的強度が高いため、アンチブロッキング性に優れる。
単量体(B)は、重合性二重結合を2個以上有する重合性単量体である。
単量体(B)としては、特に限定はないが、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート、PEG#400ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、亜鉛及び/またはカルシウムのジ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアネート、あるいは置換若しくは非置換のジビニルベンゼン、グリセロール、トリメチロールプロパン及び/またはアルコキシル化誘導体のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ−またはテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールのペンタ−またはヘキサ(メタ)アクリレート、メタクリル酸アリル、トリアクリルホルマール等が挙げられる。これらの単量体(B)は、1種または2種以上を併用してもよい。
(芳香族系ビニル単量体(C))
芳香族系ビニル単量体(C)(以後、単量体(C)ということがある。)は、上記重合性成分に含まれると屈折率制御が容易になるため、得られた樹脂微粒子をハードコート用樹脂組成物に混合して塗膜を形成すると、塗膜の外観が良化するので好ましい。
単量体(C)の例としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、アルキルスチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレン、ビニルトルエン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
アルキルスチレンとしては、特に限定はないが、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン及びオクチルスチレン等が挙げられる。これらの単量体(C)は、1種または2種以上を併用してもよい。
芳香族系ビニル単量体(C)(以後、単量体(C)ということがある。)は、上記重合性成分に含まれると屈折率制御が容易になるため、得られた樹脂微粒子をハードコート用樹脂組成物に混合して塗膜を形成すると、塗膜の外観が良化するので好ましい。
単量体(C)の例としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、アルキルスチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレン、ビニルトルエン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
アルキルスチレンとしては、特に限定はないが、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン及びオクチルスチレン等が挙げられる。これらの単量体(C)は、1種または2種以上を併用してもよい。
((メタ)アクリル酸エステル(D))
(メタ)アクリル系単量体(D)(以後、単量体(D)ということがある。)は、単量体(A)を除く(メタ)アクリル系単量体である。
単量体(D)が上記重合性成分に含まれると、重合して得られる樹脂微粒子がハードコート用樹脂組成物への分散性が向上するため、アンチブロッキング性がさらに向上し、且つ、ハードコート塗膜の外観が良好になるため、好ましい。
単量体(D)としては、脂肪族(メタ)アクリル単量体、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体、エポキシ基を有する(メタ)アクリル系単量体、イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系単量体、トリアルコキシシラン基を有する(メタ)アクリル系単量体又はアミノ基を有する(メタ)アクリル系単量体等が挙げられる。
脂肪族(メタ)アクリル単量体としては、特に限定はないが、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルまたは(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
(メタ)アクリル系単量体(D)(以後、単量体(D)ということがある。)は、単量体(A)を除く(メタ)アクリル系単量体である。
単量体(D)が上記重合性成分に含まれると、重合して得られる樹脂微粒子がハードコート用樹脂組成物への分散性が向上するため、アンチブロッキング性がさらに向上し、且つ、ハードコート塗膜の外観が良好になるため、好ましい。
単量体(D)としては、脂肪族(メタ)アクリル単量体、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体、エポキシ基を有する(メタ)アクリル系単量体、イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系単量体、トリアルコキシシラン基を有する(メタ)アクリル系単量体又はアミノ基を有する(メタ)アクリル系単量体等が挙げられる。
脂肪族(メタ)アクリル単量体としては、特に限定はないが、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルまたは(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、特に限定はないが、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、特に限定はないが、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、オキシエチレン及び/またはオキシプロピレン及び/またはオキシテトラメチレンから選択されるエーテル単位を有するポリエーテルジオール、ポリエステルジオールまたはポリウレタンジオールのような、ポリカプロラクトンまたはジオールのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、特に限定はないが、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、オキシエチレン及び/またはオキシプロピレン及び/またはオキシテトラメチレンから選択されるエーテル単位を有するポリエーテルジオール、ポリエステルジオールまたはポリウレタンジオールのような、ポリカプロラクトンまたはジオールのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、特に限定はないが、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、特に限定はないが、(メタ)アクリル酸イソシアナトエチル、ウレタンイソシアネートのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、特に限定はないが、(メタ)アクリル酸イソシアナトエチル、ウレタンイソシアネートのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
トリアルコキシシラン基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、特に限定はないが、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
アミノ基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、特に限定はないが、(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチルまたは(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等が挙げられる。これらの単量体(D)は、1種または2種以上を併用してもよい。
アミノ基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、特に限定はないが、(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチルまたは(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等が挙げられる。これらの単量体(D)は、1種または2種以上を併用してもよい。
上記重合性成分は、人体への影響が懸念されるという観点から、フッ素含有重合性単量体を実質的に含有しないことが好ましい。
フッ素含有重合性単量体の前記重合性成分に対する重量割合が3重量%以下であるとより好ましく、1重量%以下であるとさらに好ましい。
フッ素含有重合性単量体の前記重合性成分に対する重量割合が3重量%以下であるとより好ましく、1重量%以下であるとさらに好ましい。
樹脂微粒子の重合方法は乳化重合、ミニエマルション重合、懸濁重合、シード重合、二段階膨潤法、ソープフリー重合等既知の方法を用いることができる。その中でも、小粒子径の微粒子の製造の容易さから、ミニエマルション重合または乳化重合であることが好ましい。
<ミニエマルション重合>
ミニエマルション重合は、まず、乳化剤及びハイドロホーブ(コスタビライザー)を含む水系分散媒(水相)と、重合性成分を含む油性混合物(油相)とを調製する。
次いで、水系分散媒(水相)と油性混合物(油相)とを混合し、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波照射などによって、油性混合物(油相)の油滴に高剪断力を与えることによって粒子径1μm未満、好ましくは、0.5μm未満に微小化する。
重合開始剤(ラジカル重合開始剤)が油溶性である場合には、その微小でかつ安定な重合性ビニルモノマーの油滴内で、重合開始剤が分解して生成したラジカルにより、あるいは、重合開始剤が水溶性である場合には、ラジカルが水相から油滴に侵入して、侵入したラジカルにより重合が開始し、ラジカル重合が進行する重合法である。
ミニエマルション重合は、まず、乳化剤及びハイドロホーブ(コスタビライザー)を含む水系分散媒(水相)と、重合性成分を含む油性混合物(油相)とを調製する。
次いで、水系分散媒(水相)と油性混合物(油相)とを混合し、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波照射などによって、油性混合物(油相)の油滴に高剪断力を与えることによって粒子径1μm未満、好ましくは、0.5μm未満に微小化する。
重合開始剤(ラジカル重合開始剤)が油溶性である場合には、その微小でかつ安定な重合性ビニルモノマーの油滴内で、重合開始剤が分解して生成したラジカルにより、あるいは、重合開始剤が水溶性である場合には、ラジカルが水相から油滴に侵入して、侵入したラジカルにより重合が開始し、ラジカル重合が進行する重合法である。
<乳化重合>
乳化重合は、まず、乳化剤を含む水系分散媒と、重合性成分を含む油性混合物(油相)とを調製する。重合開始剤が水溶性である場合には、重合開始剤は水系分散媒(水相)に含まれる。重合開始剤が油溶性である場合には、重合開始剤は油性混合物(油相)に含まれる。
次いで、水系分散媒(水相)と油性混合物(油相)とを混合し、重合開始剤が分解して生成したラジカルにより重合を開始させる。
水相と油相の混合方法には特に制限はなく、予め両者を混合して重合を開始させる方法、油相を水相に滴下して重合を開始させる方法が挙げられる。油相を滴下する場合は、油相をそのまま滴下して重合を開始させてもよく、水相の一部を用いて油相を乳化させたものを、残りの水相に滴下して重合を開始させてもよい。または、油相の一部を水相と混合して重合を開始させてシード粒子を形成させ、その後残りの油相を混合して重合を進行させてもよい。
乳化重合は、まず、乳化剤を含む水系分散媒と、重合性成分を含む油性混合物(油相)とを調製する。重合開始剤が水溶性である場合には、重合開始剤は水系分散媒(水相)に含まれる。重合開始剤が油溶性である場合には、重合開始剤は油性混合物(油相)に含まれる。
次いで、水系分散媒(水相)と油性混合物(油相)とを混合し、重合開始剤が分解して生成したラジカルにより重合を開始させる。
水相と油相の混合方法には特に制限はなく、予め両者を混合して重合を開始させる方法、油相を水相に滴下して重合を開始させる方法が挙げられる。油相を滴下する場合は、油相をそのまま滴下して重合を開始させてもよく、水相の一部を用いて油相を乳化させたものを、残りの水相に滴下して重合を開始させてもよい。または、油相の一部を水相と混合して重合を開始させてシード粒子を形成させ、その後残りの油相を混合して重合を進行させてもよい。
上記乳化剤としては、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤が挙げられ、ミニエマルション重合または乳化重合で通常用いられる乳化剤を用いることができる。
上記アニオン系乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ノニルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物ナトリウム塩等が上げられる。
中でも、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムが、乳化力が優れ、少量の添加で樹脂微粒子を製造できるという観点から好ましい。
上記アニオン系乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ノニルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物ナトリウム塩等が上げられる。
中でも、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムが、乳化力が優れ、少量の添加で樹脂微粒子を製造できるという観点から好ましい。
上記ノニオン系乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアラルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー等のポリオキシアルキレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンアリールエーテル等のポリオキシアルキレンアリールエーテルが挙げられる。
樹脂微粒子を製造する際に用いる重合開始剤には特に制限はなく、水溶性、油溶性いずれのものを用いてもよい。
水溶性重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物などの水溶性アゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩化合物、過酸化水素などの水溶性無機過酸化物、tert−ブチルパーオキサイド、クメンパーオキサイドなどの水溶性有機過酸化物、水溶性アゾ化合物を除く水溶性重合開始剤と、アスコルビン酸、次亜硫酸水素ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトルム、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム(ロンガリット)、二酸化チオ尿素、チオ硫酸ナトリウム、2価鉄塩、1価銅塩、アミン類などの水溶性還元剤とを組み合わせたレドックス系水溶性重合開始剤等が挙げられる。
水溶性重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物などの水溶性アゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩化合物、過酸化水素などの水溶性無機過酸化物、tert−ブチルパーオキサイド、クメンパーオキサイドなどの水溶性有機過酸化物、水溶性アゾ化合物を除く水溶性重合開始剤と、アスコルビン酸、次亜硫酸水素ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトルム、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム(ロンガリット)、二酸化チオ尿素、チオ硫酸ナトリウム、2価鉄塩、1価銅塩、アミン類などの水溶性還元剤とを組み合わせたレドックス系水溶性重合開始剤等が挙げられる。
油溶性重合開始剤としては、ジラウロイルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキシドなどの有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物などが挙げられる。
単量体(A)の重合性成分に対する重量割合は、1〜99重量%が好ましく、2〜60重量%がより好ましく、3〜49重量%がさらに好ましく、4〜40重量%が特に好ましい。1重量%未満であると、微粒子の疎水性が十分でない可能性があり、微粒子がハードコートの表面にブリードアウトしない可能性がある。また、99%超であると、微粒子表面の疎水性が高すぎて、ハードコート樹脂と混合すると微粒子同士が凝集する可能性がある。
単量体(B)の重合性成分に対する重量割合は、0.1〜30重量%が好ましく、0.2〜20重量%がより好ましく、0.3〜15重量%がさらに好ましく、0.4〜10重量%が特に好ましい。0.1%未満では、樹脂微粒子の架橋が十分でない可能性があり、溶剤あるいはハードコート樹脂に分散させる際に、樹脂微粒子が溶解する可能性がある。30%超では架橋度の違いによる影響はみられなくなる可能性がある。
単量体(A)100重量部に対する、単量体(B)の重量割合は、1.0〜3000重量部であり、好ましくは2.0〜2000重量部であり、さらに好ましくは3.0〜1500重量部であり、特に好ましくは5.0〜1000重量部である。3000重量部を超えると、アンチブロッキング性が発現しない。また、1.0重量部未満では、微粒子表面の疎水性が高すぎて、紫外線硬化樹脂のモノマーと混合すると微粒子同士が凝集する。
重合性成分が単量体(C)をさらに含む場合は、単量体(A)100重量部に対する、単量体(C)の重量割合は、2.0〜5000重量部が好ましく、3.0〜4000重量部がより好ましく、4.0〜3000重量部がさらに好ましく、5.0〜2000重量部が特に好ましい。2.0重量部未満では紫外線硬化樹脂のモノマーと混合すると微粒子同士が凝集する可能性があり、5000重量部を超えるとアンチブロッキング性が発現しない可能性がある。
重合性成分が単量体(D)をさらに含む場合は、単量体(D)の重合性成分に対する重量割合は、2〜60重量%が好ましく、5〜50重量%が好ましく、10〜45重量%が特に好ましい。
重合性成分が単量体(A)、単量体(B)、単量体(C)及び単量体(D)を含む場合には、各単量体の重合性成分に対する割合は、アンチブロッキング性がさらに向上し、得られた樹脂微粒子をハードコート用樹脂組成物に混合して塗膜を形成すると、塗膜の外観が良化するという理由から、次の(1)、(2)、(3)の順に好ましい。
(1)単量体(A)が2〜40重量%、単量体(B)が1〜25重量%、単量体(C)が4〜40重量%、単量体(D)が2〜60重量%。
(2)単量体(A)が4〜35重量%、単量体(B)が2〜20重量%、単量体(C)が5〜40重量%、単量体(D)が5〜60重量%。
(3)単量体(A)が6〜30重量%、単量体(B)が3〜15重量%、単量体(C)が15〜35重量%、単量体(D)が20〜60重量%。
(1)単量体(A)が2〜40重量%、単量体(B)が1〜25重量%、単量体(C)が4〜40重量%、単量体(D)が2〜60重量%。
(2)単量体(A)が4〜35重量%、単量体(B)が2〜20重量%、単量体(C)が5〜40重量%、単量体(D)が5〜60重量%。
(3)単量体(A)が6〜30重量%、単量体(B)が3〜15重量%、単量体(C)が15〜35重量%、単量体(D)が20〜60重量%。
本発明のアンチブロッキング剤は、有機溶剤を含んでもよい。アンチブロッキング剤が有機溶剤を含有すると、後述するハードコート用樹脂組成物への分散性が向上し、ハードコート樹脂組成物が塗膜化した場合に、アンチブロッキング剤が、塗膜上で均一に分散しているため、アンチブロッキング性に優れる。
本発明のアンチブロッキング剤は、有機溶剤を含む場合、有機溶剤に均一に分散されていると、後述するハードコート用樹脂組成物への分散性がさらに優れるため、ハードコート樹脂組成物が塗膜化した場合に、アンチブロッキング剤が、塗膜上で均一に分散しているため、アンチブロッキング性に優れる。
アンチブロッキング剤100重量部に対する、有機溶剤の重量割合は50〜9900重量部が好ましく、100〜4900重量部がより好ましく、150〜2900重量部がさらに好ましく、250〜1900重量部が特に好ましい。50重量部未満では、ハードコート樹脂組成物の粘度が高くなり、作業性が低下する可能性がある。9900重量部を超えると、ハードコート樹脂組成物に添加した場合に、紫外線硬化樹脂モノマーの濃度が極度に低下し、ハードコート性が発現しない可能性がある。
本発明のアンチブロッキング剤は、有機溶剤を含む場合、有機溶剤に均一に分散されていると、後述するハードコート用樹脂組成物への分散性がさらに優れるため、ハードコート樹脂組成物が塗膜化した場合に、アンチブロッキング剤が、塗膜上で均一に分散しているため、アンチブロッキング性に優れる。
アンチブロッキング剤100重量部に対する、有機溶剤の重量割合は50〜9900重量部が好ましく、100〜4900重量部がより好ましく、150〜2900重量部がさらに好ましく、250〜1900重量部が特に好ましい。50重量部未満では、ハードコート樹脂組成物の粘度が高くなり、作業性が低下する可能性がある。9900重量部を超えると、ハードコート樹脂組成物に添加した場合に、紫外線硬化樹脂モノマーの濃度が極度に低下し、ハードコート性が発現しない可能性がある。
上記有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の脂肪族ケトン類、セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸2−メトキシ1−メチルエチル等のグリコールエステル類等が挙げられる。
樹脂微粒子を有機溶剤に分散する方法としては、重合後の樹脂微粒子スラリーを乾燥させて有機溶剤に分散させる方法、重合後の樹脂微粒子スラリーを溶剤置換することにより目的の有機溶剤に分散させる方法が挙げられる。一般に、樹脂微粒子を一旦乾燥させると、凝集物が発生してハードコートの透明性に影響することから、溶剤置換による分散方法が好ましい。
溶剤置換の方法としては特に限定はないが、重合後の樹脂微粒子スラリーに共沸用有機溶媒を加えて水を除去し、その後所望の有機溶媒を加えて共沸用有機溶媒を留去して得る方法、重合後の樹脂微粒子スラリーをアルコール等の親水性有機溶剤で洗浄して遠心分離等によりケーキとして回収し、その後所望の有機溶媒を加えて分散させ、親水性有機溶剤を留去して得る方法が挙げられる。
溶剤置換の方法としては特に限定はないが、重合後の樹脂微粒子スラリーに共沸用有機溶媒を加えて水を除去し、その後所望の有機溶媒を加えて共沸用有機溶媒を留去して得る方法、重合後の樹脂微粒子スラリーをアルコール等の親水性有機溶剤で洗浄して遠心分離等によりケーキとして回収し、その後所望の有機溶媒を加えて分散させ、親水性有機溶剤を留去して得る方法が挙げられる。
〔ハードコート用樹脂組成物〕
本発明のハードコート用樹脂組成物は、上記樹脂微粒子、紫外線硬化樹脂のモノマー、及び光重合開始剤を含む。更に、上記有機溶剤を含有してもよい。
本発明のハードコート用樹脂組成物は、上記樹脂微粒子、紫外線硬化樹脂のモノマー、及び光重合開始剤を含む。更に、上記有機溶剤を含有してもよい。
上記紫外線硬化樹脂のモノマーは、多官能(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート系モノマー、ウレタンアクリレート系オリゴマー等である。
上記多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、特に限定されないが、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びこれらの変性体が挙げられる。
ウレタンアクリレート系モノマーおよびウレタンアクリレート系オリゴマーの具体例としては、特に限定されないが、多価イソシアネート(またはそのプレポリマー)と水酸基含有(メタ)アクリレート(またはそのオリゴマー)とを反応させたものが挙げられる。
上記紫外線硬化樹脂のモノマーは、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタンアクリレート系モノマーおよびウレタンアクリレート系オリゴマーの具体例としては、特に限定されないが、多価イソシアネート(またはそのプレポリマー)と水酸基含有(メタ)アクリレート(またはそのオリゴマー)とを反応させたものが挙げられる。
上記紫外線硬化樹脂のモノマーは、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記光重合開始剤は、光照射により分解されて、ラジカルを発生してラジカル重合を進行させるものである。光重合開始剤は、光照射及によりラジカル重合を開始させる物質を放出することが可能であればよい。
前記光重合開始剤の具体例としては、特に限定はされないが、例えば、ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のアルキルフェノン類、キサントン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等どのキサントン、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類、ベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類、テトラメチルチウラムジスルフィド、p−トリルジスルフィド等のスルフィド類、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸類等が挙げられる。これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤の具体例としては、特に限定はされないが、例えば、ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のアルキルフェノン類、キサントン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等どのキサントン、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類、ベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類、テトラメチルチウラムジスルフィド、p−トリルジスルフィド等のスルフィド類、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸類等が挙げられる。これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ハードコート用樹脂組成物に対する、上記樹脂微粒子の重量割合は、1〜20重量%が好ましく、2〜15重量%がさらに好ましく、3〜10重量%が特に好ましい。1重量%未満であるとアンチブロッキング性の発現が十分でない可能性があり、20重量%を超えるとハードコート樹脂と相容しなくなる場合がある。
ハードコート用樹脂組成物に対する、紫外線硬化樹脂のモノマーの重量割合は、20〜60重量%であることが好ましく、25〜55重量%であることがさらに好ましく、30〜50重量%であることが特に好ましい。20重量%以下であるとハードコート性が劣り、60重量%以上であると硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり塗工時の作業性に問題がある。
硬化性樹脂組成物に対する光重合開始剤の割合は、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.2〜8重量%であることがさらに好ましく、0.5〜7重量%であることが特に好ましい。0.1重量%以下であると紫外線硬化が十分に進まず、10重量%以上である場合はコストの面から好ましくない。
ハードコート用樹脂組成物を硬化する方法については特に制限はないが、熱あるいは光による硬化が用いられる。光照射の際の光源に特に制限はなく、高圧水銀ランプ等が挙げられる。
ハードコート用樹脂組成物に対する、紫外線硬化樹脂のモノマーの重量割合は、20〜60重量%であることが好ましく、25〜55重量%であることがさらに好ましく、30〜50重量%であることが特に好ましい。20重量%以下であるとハードコート性が劣り、60重量%以上であると硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり塗工時の作業性に問題がある。
硬化性樹脂組成物に対する光重合開始剤の割合は、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.2〜8重量%であることがさらに好ましく、0.5〜7重量%であることが特に好ましい。0.1重量%以下であると紫外線硬化が十分に進まず、10重量%以上である場合はコストの面から好ましくない。
ハードコート用樹脂組成物を硬化する方法については特に制限はないが、熱あるいは光による硬化が用いられる。光照射の際の光源に特に制限はなく、高圧水銀ランプ等が挙げられる。
〔ハードコート樹脂基材〕
本発明のハードコート樹脂基材は、前記ハードコート用樹脂組成物を硬化させてなる塗膜を樹脂基材の表面に有する。該ハードコート樹脂基材は、アンチブロッキング剤が樹脂基材上にある塗膜の表面に凹凸を形成するため、アンチブロッキング性に優れる。
本発明のハードコート樹脂基材は、前記ハードコート用樹脂組成物を硬化させてなる塗膜を樹脂基材の表面に有する。該ハードコート樹脂基材は、アンチブロッキング剤が樹脂基材上にある塗膜の表面に凹凸を形成するため、アンチブロッキング性に優れる。
前記樹脂基材の樹脂は、熱硬化性樹脂であっても、熱可塑性樹脂であってもよい。前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
前記樹脂基材の基材は、形状は特に限定されるものではなく、平面状であっても、凹凸状であっても、曲面状であってもよい。本願発明の目的である、アンチブロッキング性を良好にするという観点から、平面状が好ましい。
基材の厚さは、特に限定はないが、本願のアンチブロッキング性が得られ易い観点から、10〜1000μmが好ましく、15〜500μmがさらに好ましく、20〜200μmが特に好ましい。
基材の厚さは、特に限定はないが、本願のアンチブロッキング性が得られ易い観点から、10〜1000μmが好ましく、15〜500μmがさらに好ましく、20〜200μmが特に好ましい。
樹脂基材に、ハードコート用樹脂組成物を塗布する方法は、特に限定されないが、例えば、スピンコート法、デイップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビードコーター法等の各種方法で基材上に塗布することができる。塗工物は、通常は、必要に応じて乾燥し、その後、紫外線を照射して硬化させることにより塗膜が形成される。均一に塗布する観点から、バーコート法による方法が好ましい。
塗膜の厚さは、0.1〜100μmが好ましく、1〜70μmがより好ましく、5〜50μmがさらに好ましい。0.1μm未満では、アンチブロッキング性が十分に発現しない可能性があり、100μmを超えると塗膜の外観が悪化する可能性がある。
前記ハードコート用樹脂組成物を塗布した後、紫外線にて硬化させる前に、ハードコート用樹脂組成物中の揮発成分を除くために乾燥させることが好ましい。紫外線照射による硬化前に、有機溶媒がハードコート用樹脂組成物中に残存していると、硬化が阻害される可能性がある。
前記乾燥方法としては、例えば、減圧乾燥または加熱乾燥、更にはこれらの乾燥を組み合わせる方法等が挙げられる。また、常圧で乾燥させる場合は、30〜110℃で乾燥させることが好ましい。例えば、有機溶媒として酢酸ブチルを用いる場合は、通常室温〜80℃、好ましくは40℃〜70℃の範囲内の温度で、20秒〜20分、好ましくは30秒〜15分の時間で乾燥工程が行われる。
前記乾燥方法としては、例えば、減圧乾燥または加熱乾燥、更にはこれらの乾燥を組み合わせる方法等が挙げられる。また、常圧で乾燥させる場合は、30〜110℃で乾燥させることが好ましい。例えば、有機溶媒として酢酸ブチルを用いる場合は、通常室温〜80℃、好ましくは40℃〜70℃の範囲内の温度で、20秒〜20分、好ましくは30秒〜15分の時間で乾燥工程が行われる。
紫外線硬化方法としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用する。エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜5000mJ/cm2程度である。照射時間は、1〜60秒が好ましい。
前記ハードコート樹脂基材は、偏光板、タッチパネル等の平面状の物品を保護する保護フィルムとしてだけでなく、前記平面状の物品以外のプラスチック物品、例えば、携帯電話等の家電製品や自動車のバンパー等の成形品の表面を保護する為にも好適に用いられる。
以下の実施例及び比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
<ミニエマルション重合による架橋微粒子の作製>
イオン交換水472gとラウリル硫酸ナトリウム3.9gを混合し水相を調製した。(メタ)アクリル酸脂環式エステル単量体(A)としてイソボルニルアクリレート6g、架橋性単量体(B)としてエチレングリコールジメタクリレート10g、芳香族ビニル系単量体(C)としてスチレン26g、(メタ)アクリル系単量体(D)としてメタクリル酸メチル58g、重合開始剤としてラウリルパーオキサイド(日油(株)製パーロイルL)1.9gを混合し、油相を調製した。水相と油相を混合し、超音波照射器を用いて20分間超音波を照射し、重合性成分の懸濁液を得た。これを1Lのオートクレーブに入れ、窒素置換後0.2MPaの初期圧で80℃5時間反応を行った。反応終了後、やや青みがかった乳白色の懸濁液が得られた。平均粒子径は77nmであった。
得られたスラリー120mLにエタノール300mLを加え攪拌し、遠心分離により樹脂微粒子を回収した。この樹脂微粒子を再度エタノール300mLに分散し、遠心分離により樹脂微粒子を回収した。この操作を3回繰り返し、得られたウエットケーキを酢酸ブチル200mLに分散させた。エバポレーターを用いて分散液中のエタノールを除去し、アンチブロッキング剤として、樹脂微粒子の酢酸ブチル分散液150mLを得た。固形分は14.8%であった。
(実施例1)
<ミニエマルション重合による架橋微粒子の作製>
イオン交換水472gとラウリル硫酸ナトリウム3.9gを混合し水相を調製した。(メタ)アクリル酸脂環式エステル単量体(A)としてイソボルニルアクリレート6g、架橋性単量体(B)としてエチレングリコールジメタクリレート10g、芳香族ビニル系単量体(C)としてスチレン26g、(メタ)アクリル系単量体(D)としてメタクリル酸メチル58g、重合開始剤としてラウリルパーオキサイド(日油(株)製パーロイルL)1.9gを混合し、油相を調製した。水相と油相を混合し、超音波照射器を用いて20分間超音波を照射し、重合性成分の懸濁液を得た。これを1Lのオートクレーブに入れ、窒素置換後0.2MPaの初期圧で80℃5時間反応を行った。反応終了後、やや青みがかった乳白色の懸濁液が得られた。平均粒子径は77nmであった。
得られたスラリー120mLにエタノール300mLを加え攪拌し、遠心分離により樹脂微粒子を回収した。この樹脂微粒子を再度エタノール300mLに分散し、遠心分離により樹脂微粒子を回収した。この操作を3回繰り返し、得られたウエットケーキを酢酸ブチル200mLに分散させた。エバポレーターを用いて分散液中のエタノールを除去し、アンチブロッキング剤として、樹脂微粒子の酢酸ブチル分散液150mLを得た。固形分は14.8%であった。
<アンチブロッキング性の評価>
紫外線硬化性樹脂のモノマーとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.8g、上記樹脂微粒子の酢酸ブチル分散液0.60g(紫外線硬化性樹脂のモノマーに対する樹脂微粒子の重量比率;5重量%)、酢酸ブチル3.0g、光重合開始剤としてベンゾフェノン0.060g及び1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン0.060gを混合し、硬化性樹脂組成物を得た。この組成物を易接着PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャインA4300)にバーコーターNo.5を用いて塗布し、70℃で10分間乾燥後、1000mJ/Wの照射条件でUV硬化を行った。
得られたハードコートは透明であり、塗工面どうしを擦り合わせたところ、ひっかかり等は認められず、アンチブロッキング性は良好であった。
紫外線硬化性樹脂のモノマーとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.8g、上記樹脂微粒子の酢酸ブチル分散液0.60g(紫外線硬化性樹脂のモノマーに対する樹脂微粒子の重量比率;5重量%)、酢酸ブチル3.0g、光重合開始剤としてベンゾフェノン0.060g及び1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン0.060gを混合し、硬化性樹脂組成物を得た。この組成物を易接着PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャインA4300)にバーコーターNo.5を用いて塗布し、70℃で10分間乾燥後、1000mJ/Wの照射条件でUV硬化を行った。
得られたハードコートは透明であり、塗工面どうしを擦り合わせたところ、ひっかかり等は認められず、アンチブロッキング性は良好であった。
(実施例2)
実施例1において、ラウリル硫酸ナトリウム3.9gをジオクチルスルホコハク酸ナトリウム4.2gに置き換えた以外は同様にして評価を行った。
実施例1において、ラウリル硫酸ナトリウム3.9gをジオクチルスルホコハク酸ナトリウム4.2gに置き換えた以外は同様にして評価を行った。
(比較例1)
実施例1において、メタクリル酸メチルを64gとし、イソボルニルアクリレートを用いなかった以外は、同様にして評価を行った。
実施例1において、メタクリル酸メチルを64gとし、イソボルニルアクリレートを用いなかった以外は、同様にして評価を行った。
DOSSNa:ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム
IBXA:イソボルニルアクリレート
CHA:シクロヘキシルアクリレート
DCPA:ジシクロペンタニルアクリレート
EDMA:エチレングリコールジメタクリレート
1,6−HDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
TMP:トリメチロールプロパントリメタクリレート
ST:スチレン
MMA:メタクリル酸メチル
HPA:ヒドロキシプロピルアクリレート
BA:ブチルアクリレート
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
DDA:ドデシルアクリレート
ODA:オクタデシルアクリレート
(実施例3)
<乳化重合による樹脂微粒子の作製>
滴下漏斗、窒素導入口、コンデンサー、温度計を備えたフラスコ(容量2L)に、イオン交換水472gとジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1.5gを投入して混合し水相を調製した。(メタ)アクリル酸脂環式エステル単量体(A)としてイソボルニルアクリレート18g、架橋性単量体(B)としてエチレングリコールジメタクリレート10g、芳香族ビニル系単量体(C)としてスチレン26g、(メタ)アクリル系単量体(D)としてメタクリル酸メチル46gを混合し、油相を調製した。窒素気流下、水相を攪拌しながら75℃に昇温し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.48gを加え、そのまま10分間攪拌した。その後油相を滴下漏斗より3時間かけて滴下し、滴下終了後さらに3時間反応を行った。反応終了後、やや青みがかった乳白色の懸濁液が得られた。平均粒子径は76nmであった。
得られたスラリー100gにイソプロピルアルコール(IPA)100gを加え、エバポレーターにて濃縮し100gとした。この操作を3回繰り返した。得られた濃縮液に酢酸ブチル100gを加えエバポレーターで100gに濃縮する操作を3回繰り返し、IPAを留去した。
アンチブロッキング剤分散体として、樹脂微粒子の酢酸ブチル分散液100gを得た。固形分は16.0%であった。
<乳化重合による樹脂微粒子の作製>
滴下漏斗、窒素導入口、コンデンサー、温度計を備えたフラスコ(容量2L)に、イオン交換水472gとジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1.5gを投入して混合し水相を調製した。(メタ)アクリル酸脂環式エステル単量体(A)としてイソボルニルアクリレート18g、架橋性単量体(B)としてエチレングリコールジメタクリレート10g、芳香族ビニル系単量体(C)としてスチレン26g、(メタ)アクリル系単量体(D)としてメタクリル酸メチル46gを混合し、油相を調製した。窒素気流下、水相を攪拌しながら75℃に昇温し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.48gを加え、そのまま10分間攪拌した。その後油相を滴下漏斗より3時間かけて滴下し、滴下終了後さらに3時間反応を行った。反応終了後、やや青みがかった乳白色の懸濁液が得られた。平均粒子径は76nmであった。
得られたスラリー100gにイソプロピルアルコール(IPA)100gを加え、エバポレーターにて濃縮し100gとした。この操作を3回繰り返した。得られた濃縮液に酢酸ブチル100gを加えエバポレーターで100gに濃縮する操作を3回繰り返し、IPAを留去した。
アンチブロッキング剤分散体として、樹脂微粒子の酢酸ブチル分散液100gを得た。固形分は16.0%であった。
<アンチブロッキング性の評価>
上記樹脂微粒子の酢酸ブチル分散液を0.36g(紫外線硬化性樹脂のモノマーに対する樹脂微粒子の重量比率;3重量%)とした以外は、実施例1と同様の方法でハードコートを作製した。得られたハードコートは透明であり、塗工面どうしを擦り合わせたところ、ひっかかり等は認められず、アンチブロッキング性は非常に良好であった。
上記樹脂微粒子の酢酸ブチル分散液を0.36g(紫外線硬化性樹脂のモノマーに対する樹脂微粒子の重量比率;3重量%)とした以外は、実施例1と同様の方法でハードコートを作製した。得られたハードコートは透明であり、塗工面どうしを擦り合わせたところ、ひっかかり等は認められず、アンチブロッキング性は非常に良好であった。
(実施例4〜18及び比較例2〜12)
実施例4〜18及び比較例2〜12において、表2〜5に記載の単量体を用いて重合を行った以外は、実施例3と同様の方法で評価を行った。
実施例4〜18及び比較例2〜12において、表2〜5に記載の単量体を用いて重合を行った以外は、実施例3と同様の方法で評価を行った。
<平均粒子径の測定>
反応終了後の樹脂微粒子スラリーについて、大塚電子製動的光散乱法粒度分布測定装置(ELSZ−1000)を用いて測定し、キュムラント解析結果の数値を樹脂微粒子の平均粒子径とした。
反応終了後の樹脂微粒子スラリーについて、大塚電子製動的光散乱法粒度分布測定装置(ELSZ−1000)を用いて測定し、キュムラント解析結果の数値を樹脂微粒子の平均粒子径とした。
<塗膜外観の評価>
各実施例及び比較例で得られた硬化膜の外観を目視にて確認した。判定は以下のように行った。
○:透明、ヘイズは認められない
×:ヘイズが認められる
<アンチブロッキング性の評価>
各実施例及び比較例で得られた硬化膜の塗工面どうしを指で押え合わせながら摺りあわせ、引っかかりの有無を確認した。紫外線硬化樹脂のモノマーに対し、樹脂微粒子の添加量を3重量%または5重量%として評価を行った。アンチブロッキング性の判定は、3重量%で全く引っかかりが無い場合を非常に良好、5重量%で全く引っかかりが無い場合を良好、5重量%で明らかな引っかかりがある場合を不良とした。
◎:非常に良好
○:良好
×:不良
各実施例及び比較例で得られた硬化膜の外観を目視にて確認した。判定は以下のように行った。
○:透明、ヘイズは認められない
×:ヘイズが認められる
<アンチブロッキング性の評価>
各実施例及び比較例で得られた硬化膜の塗工面どうしを指で押え合わせながら摺りあわせ、引っかかりの有無を確認した。紫外線硬化樹脂のモノマーに対し、樹脂微粒子の添加量を3重量%または5重量%として評価を行った。アンチブロッキング性の判定は、3重量%で全く引っかかりが無い場合を非常に良好、5重量%で全く引っかかりが無い場合を良好、5重量%で明らかな引っかかりがある場合を不良とした。
◎:非常に良好
○:良好
×:不良
表1〜5から分かるように、実施例1〜18では、単量体(A)、単量体(B)を必須に含み、単量体(A)100重量部に対する単量体(B)の重量割合が1.0〜3000重量部である条件を満足する重合性成分を重合して得られた樹脂微粒子を必須とするアンチブロッキング剤は、ハードコート用樹脂組成物に配合して塗膜を形成すると、アンチブロッキング性に優れる。
一方、単量体(A)を含まない場合(比較例1、2及び7〜9)、単量体(B)を含まない場合(比較例12)、単量体(A)と単量体(B)の比率が1.0〜3000重量部の範囲にない場合(比較例10及び11)、単量体(A)のような(メタ)アクリル酸脂環式エステルではなく、(メタ)アクリル酸エステルを重合性単量体として用いた場合(比較例3〜6)では、本願の効果が得られない。
一方、単量体(A)を含まない場合(比較例1、2及び7〜9)、単量体(B)を含まない場合(比較例12)、単量体(A)と単量体(B)の比率が1.0〜3000重量部の範囲にない場合(比較例10及び11)、単量体(A)のような(メタ)アクリル酸脂環式エステルではなく、(メタ)アクリル酸エステルを重合性単量体として用いた場合(比較例3〜6)では、本願の効果が得られない。
本発明のアンチブロッキング剤を、紫外線硬化樹脂のモノマーなどに配合して塗布し、硬化させて得られるハードコート樹脂基材は、アンチブロッキング性に優れ、且つ塗膜の外観が良好であるため、液晶ディスプレイや樹脂フィルム等の透明保護材料として好適に用いられる。また、偏光板、タッチパネル等の平面状の物品を保護する保護フィルムとしてだけでなく、前記平面状の物品以外のプラスチック物品、例えば、携帯電話等の家電製品や自動車のバンパー等の成形品の表面を保護する為にも好適に用いられる。
Claims (11)
- (メタ)アクリル酸脂環式エステル単量体(A)及び架橋性単量体(B)を含む重合性成分を重合して得られる樹脂微粒子を必須とするアンチブロッキング剤であって、
前記単量体(A)100重量部に対する、前記単量体(B)の重量割合が1.0〜3000重量部である、アンチブロッキング剤。 - 前記樹脂微粒子の平均粒子径が10〜80nmである、請求項1に記載のアンチブロッキング剤。
- 前記重合性成分が、芳香族系ビニル単量体(C)をさらに含み、
前記単量体(A)100重量部に対する前記単量体(C)の重量割合が2.0〜5000重量部である、
請求項1又は2に記載のアンチブロッキング剤。 - 前記単量体(A)が、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載のアンチブロッキング剤。
- 有機溶剤をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載のアンチブロッキング剤。
- (メタ)アクリル酸脂環式エステル単量体(A)及び架橋性単量体(B)を含む重合性成分を重合して得られる樹脂微粒子と、紫外線硬化性樹脂のモノマーと、光重合開始剤とを含む、ハードコート用樹脂組成物であって、
前記単量体(A)100重量部に対する、前記単量体(B)の重量割合が1.0〜3000重量部である、ハードコート用樹脂組成物。 - 前記樹脂微粒子の平均粒子径が10〜80nmである、請求項6に記載のハードコート用樹脂組成物。
- 前記重合性成分が、芳香族系ビニル単量体(C)をさらに含み、
前記単量体(A)100重量部に対する前記単量体(C)の重量割合が2.0〜5000重量部である、
請求項6又は7に記載のハードコート用樹脂組成物。 - 前記単量体(A)が、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種である、請求項6〜8のいずれかに記載のハードコート用樹脂組成物。
- 有機溶剤をさらに含む、請求項6〜9のいずれかに記載のハードコート用樹脂組成物。
- 請求項6〜10のいずれかに記載のハードコート用樹脂組成物を硬化させてなる塗膜を樹脂基材の表面に有する、ハードコート樹脂基材。
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---|---|---|---|
JP2013245040A JP2015101698A (ja) | 2013-11-27 | 2013-11-27 | アンチブロッキング剤及びハードコート用樹脂組成物 |
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JP (1) | JP2015101698A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018119054A (ja) * | 2017-01-25 | 2018-08-02 | 株式会社クラレ | 分散液 |
KR20220118505A (ko) | 2020-03-04 | 2022-08-25 | 세키스이가세이힝코교가부시키가이샤 | 수지 미립자 및 그 제조 방법 |
-
2013
- 2013-11-27 JP JP2013245040A patent/JP2015101698A/ja active Pending
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