JP5326151B2 - パワーmosトランジスタ - Google Patents
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パワーMOSトランジスタは、通常、トランジスタサイズが大きいので複数個に分割されたものの集合体で構成される。格子状に交互に配列された複数のソース及びドレインの拡散領域は、チップ表面から見ると、それぞれ斜め方向に並行している。これら拡散領域は、コンタクトを介して第1層メタル配線に接続される。第1層メタル配線は、第2層メタル配線に接続される。第2層メタル配線は、入出力端子としてICパッケージ外部と接続される場合にはパッド(PAD)に接続される。
電流の流れるルートを考慮すると、第1層メタル配線の細長い形状配線と迂回ルートの配線は、配線抵抗を大きくし、トランジスタの電力損失になる。
トランジスタのソース及びドレインに接続される第2層メタル配線は、そのトランジスタ上の配線領域を2分するようにレイアウトされる。従って、その両方がパッドに接続される場合、ソース用パッドとドレイン用パッドは、ソースとドレインに接続されるそれぞれの第2層メタル配線(ソース配線、ドレイン配線)間の境界領域を除く外周部分に互いに対向するように配置しなければならない。また、そのトランジスタに並列、若しくは直列に接続する素子が存在する場合にも同様に配置制約を生じる。
また、本発明のパワーMOSトランジスタの一態様は、半導体基板と、前記半導体基板に形成されたソース領域及びドレイン領域が、格子状に形成されたゲートを挟んで互いに隣接するように配置されたMOSトランジスタであって、前記半導体基板上に順次形成され、前記ソース領域またはドレイン領域に接続された複数のメタル配線を具備し、前記一方の領域に接続されたメタル配線と前記他方の領域に接続されたメタル配線の配線抵抗が同一となるように前記メタル配線を前記ソース領域もしくはドレイン領域に接続し、前記メタル配線は、前記ソース領域を最上層の第3層メタル配線に接続する場合は、前記ドレイン領域を第2層メタル配線及び当該第2層メタル配線より下層の第1層メタル配線に接続し、前記ドレイン領域を前記第3層メタル配線に接続する場合は、前記ソース領域を第2層メタル配線及び前記第1層メタル配線に接続することを特徴としている。前記第1層メタル配線及び前記第2層メタル配線は、平坦化処理が行われているようにしても良い。前記最上層の第3層メタル配線は、前記第1層メタル配線及び前記第2層メタル配線より膜厚であるようにしても良い。
図1は、この実施例に係るパワーMOSトランジスタ(格子状MOSトランジスタ)が形成された半導体基板表面の状態を説明する平面図及びA−A′線に沿う部分の断面図、図2は、図1の半導体基板表面に形成された第1層メタル配線の状態を説明する平面図及びB−B′線に沿う部分の断面図、図3は、図1の半導体基板表面に形成された第2層メタル配線の状態を説明する平面図及びC−C′線に沿う部分の断面図、図4は、図1の半導体基板表面に形成された第3層メタル配線の状態を説明する平面図及びD−D′線に沿う部分の断面図、図5は、図1の半導体基板表面に形成されたメタル配線の状態を説明する平面図である。
この実施例のパワーMOSトランジスタは、シリコンなどの半導体基板1に形成された格子状MOSトランジスタと、半導体基板1上に順次形成された3層のメタル配線とを備えている。格子状MOSトランジスタのソース領域2は、コンタクト8もしくはコンタクト8及びビア10を介して第1層及び第2層のメタル配線5、6に接続され、ドレイン領域3は、最上層の第3層メタル配線7に接続される。
図4に示すように、ソース領域2とドレイン領域3との間のチャンネル領域上には、ゲート酸化膜(図示しない)を介してポリシリコンなどからなるゲート4が形成されている。ゲート4が形成された半導体基板1の表面は、下層の層間絶縁膜(図示しない)で被覆されている。下層の層間絶縁膜は、平坦化された表面に第1層メタル配線5が形成されている。第1層メタル配線5は、中層の層間絶縁膜(図示しない)で被覆されている。中層の層間絶縁膜は、平坦化された表面に第2層メタル配線6が形成されている。第2層メタル配線6は、上層の層間絶縁膜(図示しない)で被覆されている。上層の層間絶縁膜は、表面に第3層メタル配線7が形成されている。第1層メタル配線5は、下層の層間絶縁膜に埋め込まれたコンタクト8、9を介してそれぞれソース領域2、ドレイン領域3に電気的に接続されている。第2層メタル配線6は、中層の層間絶縁膜に埋め込まれたビア10、11を介して第1層メタル配線5に電気的に接続されている。また、第3層メタル配線7は、上層の層間絶縁膜に埋め込まれたビア12を介して第2層メタル配線6に電気的に接続されている。
第2層メタル配線6は、図3に示すように、殆どはソース配線として用いられ、一部の島領域は、ドレイン配線に電気的に接続する中継ぎ配線として用いられる。ソース配線領域は、ビア10を介して第1層メタル配線5のソース配線領域に接続されている。島領域は、ビア11を介して第1層メタル配線5のドレイン配線領域に接続されている。
第3層メタル配線7は、図4に示すように、ドレイン配線として用いられる。ドレイン配線は、ビア12を介して第2層メタル配線6の島領域に電気的に接続されている。第3層メタル配線7のドレイン配線は、半導体基板1の全領域を覆うように配置され、第3層メタル配線7→ビア12→第2層メタル配線6→ビア11→第1層メタル配線5→コンタクト9→ドレイン領域3と接続されるように構成されている。ソース配線は、第1層メタル配線と第2層メタル配線の島領域を避けた領域を覆うように配置される。
3層のメタル配線を用いる製品において、ソース領域及びドレイン領域へのメタルの配分方法を考えた場合、上記理由により、第3層メタル配線(最上層メタル配線)をソース配線とするときは、第1層メタル配線および第2層メタル配線はドレイン配線とし、第3層メタル配線をドレイン配線とするときは、第1層メタル配線および第2層メタル配線はソース配線とする組み合わせが最適である。
この実施例では、ソース、ドレインの電流特性、配線抵抗、エレクトロマイグレーションの点でバランスをとるために、第1層及び第2層メタル配線をソース(ドレイン)配線とし、第3層メタル配線をドレイン(ソース)配線とする組み合わせにした。このことは、平坦化処理が行われない場合においても、有効であるといえる。
実施例1では、メタル配線が3層の場合を説明したが、例えば、メタル配線4層の場合は、ソース(ドレイン)を1層+2層とし、ドレイン(ソース)を3層+4層とすることが出来る。また、ソース(ドレイン)を1層+2層+3層とし、ドレイン(ソース)を4層とすることも出来る。メタル配線5層以上の場合も抵抗値のバランスをとるべくソース、ドレインを最適に組み合わせることが出来る。
この実施例は、エレクトロマイグレーションの制約を受けず、配線抵抗が小さくトランジスタの電力損失が少ない、パッド配置の制約の少ない格子状MOSトランジスタが得られる。
図6は、この実施例のパワーMOSトランジスタである格子状MOSトランジスタが形成された半導体基板表面に設けられた第1層、第2層および第3層メタル配線の状態を説明する断面図である。この実施例では、ソースを第3層メタル配線とし、ドレインを第1層及び第2層メタル配線で構成する。
パワーMOSトランジスタは、半導体基板21に形成された格子状MOSトランジスタと、半導体基板21上に順次形成された3層のメタル配線とを備えている。格子状MOSトランジスタのソース領域22は、コンタクト及びビアを介して最上層の第3層メタル配線27に接続され、ドレイン領域23は、コンタクト及びビアを介して第1層及び第2層のメタル配線25、26に接続される。シリコンなどの半導体基板21にはソース領域22及びドレイン領域23が、格子状に形成されたゲート24を挟んで、互いに隣接して配置されている。
第1層及び第2層メタル配線の各々の配線は、第3層メタル配線より配線領域が小さくなっており、それを補うために、この実施例では、第1層及び第2層メタル配線をソース(ドレイン)配線、第3層メタル配線をドレイン(ソース)配線とする組み合わせとし、配線抵抗とエレクトロマイグレーションの点でバランスをとるようにした。
MOSトランジスタは、ソースとドレインの電流が等しく、それぞれのソース、ドレイン配線の抵抗、許容電流値は同等であることが望ましいので、第3層メタル配線をソース配線とし、第1層+第2層メタル配線をドレイン配線とした。また、ソース配線、ドレイン配線は、トランジスタの配線領域に分割して配分されていないので、ソース、ドレイン用パッドの配置が制約を受けることはない。
この実施例は、エレクトロマイグレーションの制約を受けにくく、配線抵抗が小さくトランジスタの電力損失が少ない、パッド配置の制約の少ない格子状MOSトランジスタが得られる。
パワーMOSトランジスタのソース、ドレインに電気的に接続するソース配線及びドレイン配線をn層のメタル配線で構成するものとし、このときの各層のメタル配線のシート抵抗値を求める。ここで、多層配線の最上層にある平坦化処理が行なわれない配線(Topメタル)のシート抵抗値をRtop とする。また、平坦化処理が行なわれるそれ以外のメタル配線について、下層配線又は上層配線に接続するために設けられた島領域を避けるスリットによる配線領域の縮小分による抵抗増加分を考慮した上での実質的なメタル配線のシート抵抗Rx(メタル配線の膜厚は最上層以外全て同じとする) とする。
1/Ra =1/Rtop +1/Rn-1 +1/Rn-2 +・・・+1/Rn-k =1/Rtop +k/Rx ・・・(1)
よって、Ra =(Rx ×Rtop)/(Rx +k×Rtop ) ・・・(2)
ドレイン配線の合成シート抵抗Rb は、次式で表される。
1/Rb =1/Rn-1-k +1/Rn-2-k +・・・+1/R1 =(n-1-k) /Rx ・・・(3)
よって、Rb =Rx /(n-1-k) ・・・(4)
パワーMOSトランジスタの配線抵抗(Ra +Rb )は勿論出来るだけ小さいことが望ましい。さらに、エレクトロマイグレーションを考慮し、ソース、ドレイン電流のバランスをとるために、RaとRbのそれぞれの合成抵抗値が近い値になるようにすることが必要である。そのため、(2)式と(4)式とは等しいこと(Ra =Rb )が望ましい。つまり、Ra =Rb を実現するためにメタル配線の組み合わせの選択をすることが最適である。
2、22・・・ソース領域
3、23・・・ドレイン領域
4、24・・・ゲート
5、25・・・第1層メタル配線
6、26・・・第2層メタル配線
7、27・・・第3層メタル配線
8、9、13、14・・・コンタクト
10、11、12、15、16、17・・・ビア
Claims (4)
- 半導体基板と、前記半導体基板に形成されたソース領域及びドレイン領域が、格子状に形成されたゲートを挟んで互いに隣接するように配置されたMOSトランジスタであって、前記半導体基板上に順次形成され、前記ソース領域またはドレイン領域に接続された複数のメタル配線を具備し、前記一方の領域に接続されたメタル配線と前記他方の領域に接続されたメタル配線の配線抵抗が同一となるように前記メタル配線を前記ソース領域もしくはドレイン領域に接続し、前記複数のメタル配線が積層されたn層の多層配線からなる場合において、前記ソース領域に接続されるソース配線として前記多層配線の最上層のメタル配線と組み合わせるメタル配線数をk(n>k≧0の整数) とすると、前記ソース配線の合成シート抵抗Ra は(Rx ×Rtop)/(Rx +k×Rtop )(Rtop は前記最上層メタル配線のシート抵抗、Rx は最上層メタル配線以外のメタル配線のシート抵抗である)で表され、前記ドレイン領域に接続されるドレイン配線の合成シート抵抗Rb はRx /(n-1-k)表され、前記合成シート抵抗Ra と前記合成シート抵抗Rb とは等しいことを特徴とするパワーMOSトランジスタ。
- 半導体基板と、前記半導体基板に形成されたソース領域及びドレイン領域が、格子状に形成されたゲートを挟んで互いに隣接するように配置されたMOSトランジスタであって、前記半導体基板上に順次形成され、前記ソース領域またはドレイン領域に接続された複数のメタル配線を具備し、前記一方の領域に接続されたメタル配線と前記他方の領域に接続されたメタル配線の配線抵抗が同一となるように前記メタル配線を前記ソース領域もしくはドレイン領域に接続し、前記メタル配線は、前記ソース領域を最上層の第3層メタル配線に接続する場合は、前記ドレイン領域を第2層メタル配線及び当該第2層メタル配線より下層の第1層メタル配線に接続し、前記ドレイン領域を前記第3層メタル配線に接続する場合は、前記ソース領域を第2層メタル配線及び前記第1層メタル配線に接続することを特徴とするパワーMOSトランジスタ。
- 前記第1層メタル配線及び前記第2層メタル配線は、平坦化処理が行われていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパワーMOSトランジスタ。
- 前記最上層の第3層メタル配線は、前記第1層メタル配線及び前記第2層メタル配線より膜厚であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のパワーMOSトランジスタ。
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