JP5324742B2 - 光学フィルタ - Google Patents

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本発明は、所定の範囲に含まれる波長の光の透過を制限し、特に近赤外線及び紫外線を好適にカットする光学フィルタに関するものである。
固体撮像素子は人間の眼に対応する機能を有しているが、撮像素子そのものの光応答性は必ずしも人間の眼と同一ではない。従って、人間の眼とほぼ同一の光応答性を得るには、幾つかの光学的な工夫が必要となってくる。
その第1の工夫として、固体撮像素子の表面に色再現に必要な波長域の光のみを到達させることがある。固体撮像素子自体は撮像に不要な近赤外領域にまで高い感度を有しており、何らの工夫もせずに固体撮像素子に光を入射させると、近赤外領域に高い感度を有したまま信号処理を行うこととなり、光量調整、色バランス調整が困難となる。従って、赤外線が入射した固体撮像素子は、実際に人が眼で見るときの明るさや色あいとは異なる画像を映し出してしまう。そこで、一般的には近赤外波長領域の光の透過を制限する赤外線カットフィルタを設けることにより、近赤外線が固体撮像素子に入射するのを防止している。
第2の工夫として紫外線カットフィルタを用いている。一般的に、固体撮像素子は近赤外領域ほどではないが、紫外領域にも感度を有している。従って、近赤外線と同様に光がそのまま固体撮像素子に入射した場合には、紫外線により実際に人が眼で見るときの明るさや色あいとは異なる画像を映し出してしまうために、紫外線カットフィルタを設けている。更には、紫外線カットフィルタを設けることにより、紫外線及び短波長の可視光の一部の光を遮光することにより部品の劣化を防止している。これらの理由から、一般的に紫外波長領域の光の透過を制御する紫外線カットフィルタを設け、紫外線が固体撮像素子又はカメラ等の光学系に入射することを防止している。
光学フィルタを形成するための基板の材質によっては、不純物の影響から基板そのものに紫外線カットの性質を有する材料も存在するが、一般に紫外線カットフィルタは更に長い波長までの紫外線カットの性質を有している。
これらの光学フィルタの製造方法としては、基板にそれぞれの波長の光を吸収する物質を混入させる方法や、基板上に光を吸収する物質を塗布する方法、基板上に薄膜を形成し反射又は吸収させる方法等が知られている。
近年では、真空蒸着法やスパッタ法等における薄膜生成方法の精度向上に伴い、1枚の基板上に近赤外波長領域と紫外波長領域の光の透過を、同時に制限できる薄膜を成膜することも可能となっている。
上述の方法のうち、紫外線や近赤外線のカットを複数層から成る蒸着膜により行うタイプの光学フィルタの場合には、一般的にはガラス基板を使用することが多い。しかし、近年の小型化・軽量化の要求により、光学系においても更なる省スペース化が求められており、より薄いガラス基板を使用することが要求されている。光学フィルタとして使用されるガラス基板は、機械的強度が低いため、作業中にガラス基板そのものが割れてしまう可能性が高い。ガラス基板は概して板厚が0.3mm以下になると、機械的強度が極度に低下し、破損の可能性が著しく高くなり、量産性等に大きな問題が生ずる。
その対策として、基板に柔軟性が高い合成樹脂基板を用いることにより、薄い基板であっても、基板そのものが破損してしまうことを防止できる。光学フィルタへの薄型化の要求から、現在では板厚が0.1mm以下の基板への蒸着も強く望まれるようになり始めている。
また、合成樹脂基板を使用しても、特に基板の板厚が0.1mm以下の基板に蒸着膜を成膜した場合には、基板が変形する問題がある。基板と蒸着膜との線膨張係数の差が大きいため、合成樹脂のガラス転移温度よりも基板が高温となった状態で成膜すると、熱せられた基板が応力に耐えられず、成膜後の基板が大きく変形してしまう。
しかしながら近年の低温成膜法の進歩により、成膜プロセスにおける合成樹脂基板の最高到達温度を概ね70℃程度にまで抑制することも可能となっている。つまり、ガラス転移温度が70℃以上の合成樹脂基板を使用し、蒸着膜の層数が少ない比較的単純な構成であれば、基板と蒸着膜との線膨張係数の差による影響は殆ど無視できる程度の問題である。
このように、合成樹脂基板を用いても層数が少ない蒸着膜を成膜する場合には、成膜時の温度により基板が変形することを防止できる。具体的には、上述したガラス転移温度の観点から生産性等を考えた場合に、ガラス転移温度が70℃以上であっても、ガラス転移温度が70℃に近い材料よりも、更にガラス転移温度の高いノルボルネン系の樹脂等がより好ましいと考えられる。
また、特許文献1においては、基板にノルボルネン系樹脂等を使用して、蒸着法により製造された可視光線を減衰させるためのNDフィルタが開示されている。
上述した低温成膜法としては、各種の様々な方法が考案されているが、一般的には成膜と同時に基板の成膜面の裏面側を冷却する方法や、蒸発源と成膜面との距離を通常よりも離して配置する方法等が知られている。
また、ガラス基板と比較して剛性が低い合成樹脂基板を用いると、膜応力による基板の反りに関する問題が発生する。しかし、これは積層する蒸着物質の各条件下での応力を予め測定し、蒸着物質やプロセス条件等による膜応力の値を反映させて膜を設計する方法を用いて解決することができる。或いは、特許文献2に開示されているようなプロセス上で膜応力の少ない膜質に制御する方法や、これらを合わせて制御することにより解決することができる。特に、基板の両面に蒸着膜を成膜して、両方の蒸着膜の透過特性を総合して、所望の透過特性を得る方法により反りの問題を大きく改善することができる。
特開平10−133253号公報 特開2000−248356号公報
しかし、ガラス転移温度が70℃以上の合成樹脂基板を用いても、概ね20層以上の多層膜により形成された光学フィルタの場合においては、基板上に成膜された蒸着膜の応力分布を小さくすることには限界がある。蒸着膜が少しずつ積み重なり、特に基板の板厚が0.1mm以下の基板においては、膜応力に起因する成膜面の微妙な応力分布によって、基板に凹凸が生ずるという別の不具合が発生する。
また、紫外波長領域における所望する透過制限波長は、製品仕様や画像処理方法等により多種多様であるが、概略350〜450nmまでの波長領域内の任意の特定波長を上限として、それ以下の波長の光を制限することが一般的である。しかし、合成樹脂基板においては、基板自体に短波長側の光を吸収する特性を有する材料が多い。材質によっては400nm前後の波長を上限として、それよりも波長が短い光を吸収してしまい、透過を制限しない透過帯域の波長の光までも減衰させてしまう場合がある。
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、蒸着膜の成膜中及び成膜後の作業中に、光学基板の変形や破損の生ずる可能性を著しく低減することができる光学フィルタを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る光学フィルタは、透明合成樹脂基板の両面にそれぞれ複数層から成る蒸着膜を成膜し、少なくとも紫外波長領域の範囲に含まれる波長の光の透過を制限する光学フィルタであって、前記透明合成樹脂基板は厚さを0.1mm以下、前記透明合成樹脂基板を形成する合成樹脂の曲げ弾性率を2400MPa以上、350〜450nmの範囲内の波長領域の光の透過率が90%以上ノルボルネン系樹脂とし、前記複数層の蒸着膜を前記透明合成樹脂基板の両面にほぼ同等の膜厚でそれぞれ成膜することにより前記350〜450nmの範囲内の波長領域の光のうち350〜370nmの近紫外波長領域の光の透過率を1.0%以下、前記350〜450nmの範囲内の波長領域の一部を含む395〜680nmの可視波長領域の光の透過率を90%以上、710〜1000nmの波長領域の透過率を1.0%以下としたことを特徴とする。
本発明に係る光学フィルタによれば、蒸着膜の成膜中及び成膜後の作業中に、皺やクラック、反りや凹凸等基板が変形することがなく、フィルタの基板そのものが破損する可能性が低い。また、蒸着膜の熱等によるフィルタ全体の反り等の変形や、成膜応力に起因するフィルタ内の部分的な微妙な凹凸も生ずることはない。
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の光学フィルタを製造する場合の蒸着時に用いる冷却機構の底面図、図2は断面図を示している。銅製の円板から成る冷却板1の裏面には溝が設けられ、この溝内に冷媒を流す冷却パイプ2が渦巻状に配置されている。そして、冷却板1上には合成樹脂基板3が配置される。
図1に示した冷却パイプ2の引き回しは1つの例であり、基板3の設置位置や、蒸着傘の形状や大きさ等の諸条件により最適な配置は様々であり、冷媒の流量等により冷却パイプ2の径等は適宜に変更することができる。
冷却板1はその機構上、蒸着傘と一体又は組み合わせることで、一体として使用されるものであり、蒸着傘との密着面は蒸着傘と同様の形状である必要がある。冷却板1を平板の形状として冷媒を流す構造を簡略化するため、蒸着傘も図3に示すような一般的に広く用いられているドーム型の蒸着傘11ではなく、実施例では図4に示すような平面型の蒸着傘12を用いている。成膜を行っている間に、冷却パイプ2に温度を調整された冷媒を流すことにより、成膜中の基板3の温度上昇を抑制し、基板3と蒸着膜との線膨張係数の差による基板3の反りや、この反りに伴うクラック等の発生を防止することができる。
冷媒による冷却効果を確認するための予備実験として、−10℃の食塩水を冷媒とし、冷却の有無以外は全て同一条件で、基板3上に33層の蒸着膜を成膜して近赤外線カットフィルタを作成した。冷却をしない場合の成膜面の最高温度が約170℃であったのに対して、冷却した場合の成膜面の最高温度は約70℃である。この温度測定は、基板3の成膜面側に貼り付けたサーモラベルによって行っている。
このように、冷却を行いながらの成膜においては、成膜中の基板の温度が通常の成膜と比較して低温となるため、何らかのアシストをしながら成膜することがより好ましい。本実施例においては、成膜方法はイオンプレーティング法を用いているが、他の成膜方法と比較して、膜に起因する応力を小さい値に制御することができる。
また、本実施例においては、基板3の両面に同程度の膜厚を形成する手法を採用しており、膜に起因する応力による基板3の反りを改善するには極めて有効である。
ただし、基板3の両面に蒸着膜を成膜した場合に、曲げ弾性率が低い合成樹脂材料による剛性の低い基板3では反りが発生してしまう。このため、基板3上の各個所において発生する膜応力の僅かな差から、微妙な応力分布が存在してしまい、曲げ弾性率が小さい合成樹脂で基板3を形成すると、蒸着膜の応力に耐えられる個所と耐えることができない個所とが発生する。つまり、基板3上の様々な個所で、様々な方向からの応力による影響を受けることになり、その結果、基板3に凹凸が生じ、光学フィルタとしての用途を満足することは極めて困難になる。
更に、350〜450nmまでの任意の波長を上限として、それ以下の波長を有する光の透過を制限する紫外線カット機能を有する光学フィルタを製作する場合には、少なくとも350〜700nm程度までの範囲の波長域の光を吸収し難い合成樹脂材料が必須であり、合成樹脂フィルムの状態で90%以上の透過率が必要である。
このような条件を全て満足できる合成樹脂基板となると、光学用フィルム基板を形成する合成樹脂材料の中では、ノルボルネン系の合成樹脂が最適である。曲げ弾性率が2400MPa以上であるノルボルネン系の合成樹脂材料で形成した板厚0.1mmの基板3の両面に、蒸着膜を成膜し紫外線及び近赤外線をカットする光学フィルタを作成した実施例について次に説明する。
基板3として、板厚0.1mmのノルボルネン系樹脂のArton(JSR製、商品名)フィルムに後述する蒸着膜を形成し、図5に示すような透過率特性を設計値として、紫外線及び近赤外線をカットする光学フィルタを作成する。Artonは約3000MPa程度の曲げ弾性率を有しており、このArtonで形成した板厚0.1mmのフィルムは紫外波長領域に含まれる350nmの波長の光を始めとして可視波長領域(概略400〜700nm程度)までの範囲の波長を有する全ての光の透過率が90%以上となる。
図6は縦横共に60mmの正方形状のArtonフィルムから成る合成樹脂基板3上にマスク21を配置し、蒸着膜を成膜した状態の平面図を示している。図6に示すように、マスク21には縦横共に10mmの正方形の孔部22が数個所穿けられている。図7は蒸着膜を成膜し、マスク21を取り外し、光学フィルタ31を切り抜いた状態を示している。
複数層から成る蒸着膜を形成する蒸着材料には、図8に示すように高屈折率材料であるNb25と、低屈折率材料であるSiO2を使用し、基板3の両面にSiO2膜41とNb25膜42を交互に積層し、それぞれの面において19層又は23層を積層し、両面で42層の膜構成とした。このように、両面の膜厚をほぼ同等に設計することにより、膜応力を相殺して基板3の反りの発生を低減することができる。なお、成膜においては、表面に19層を成膜後に基板3を裏返して、表面と同様に図6に示す形状を有するマスク21を裏面に配置し、23層から成る蒸着膜を成膜した。Nb25膜42は屈折率が高く膜設計上有利な材料である。SiO2膜41は成膜条件によって勿論微妙に異なりはするものの、Nb25膜42と膜応力の発生方向が反対であり、屈折率も低く膜設計上有利なために採用している。
なお、成膜方法としてはDC及びRFのイオンプレーティング法を用い、DC電圧は400V、RFパワーは500Wに設定し、成膜中の基板3の最大温度は両面共に70℃以下であった。この温度は基板3の表面に予め設置しておいた真空中専用のサーモラベルによって測定した。
成膜中は成膜開始から成膜終了までの全層において、図1に示す冷却板1により冷却しながら蒸着を行った。冷却冷媒には食塩水を使用し−10℃で温度制御を行い、冷媒流量は6リットル/分とした。
このようにして製作された紫外線及び近赤外線をカットする光学フィルタは、図9に示すような分光透過率特性が得られた。図5の設計値と比較すると、全く同様な光学特性を得ることはできないが、紫外線及び近赤外線をカットする光学フィルタの目的を達成できるレベルの特性が得られた。
図9において、685nmを半値波長に710〜1000nmの波長領域では透過率は1%以下となっている。また、350〜370nmまでの近紫外波長領域では1.0%以下の透過率であり、更に395〜680nmまでの可視波長領域では90%以上の透過率である。また、樹脂フィルム自体は350〜700nmまでの波長の光の透過率が90%以上であり、蒸着膜の透過特性を変えれば350nm以上の波長の光の透過率を80%以上とすることもできる。
このように、設計値と作製した光学フィルタの特性が異なる理由は、両面共に成膜開始直後の数層における光学定数が理論値とは若干異なるためと考えられる。より高精度に理論値に近付けた光学フィルタを作製するためには、各層それぞれでの光学定数をより正確に把握することや、成膜温度を一定に制御したり、アシストのパワーを調整して、全ての層でより均一な光学定数を得るように制御することが必要である。
上述の方法により製作されたサンプルに対して、温度60℃、湿度90%の環境試験を行った結果、480時間後では環境試験開始前と比較し半値波長である685nmでの透過率変化はシフト量が3nm以下となった。これと同様な環境試験を数サンプルで行ったが、全てのサンプルにおいて同様の良好な結果となった。
光学フィルタは外観に関しても良好であり、反りや凹凸、更に皺やクラック等は発生しておらず、環境試験後も皺やクラック等の発生は確認されなかった。
比較例として、基板3を曲げ弾性率が2400MPa未満である様々な合成樹脂材料で形成し、板厚が0.1mmの基板の両面に蒸着膜を成膜し、紫外線及び近赤外線をカットする光学フィルタを製作した。
この比較例の基板には、曲げ弾性率が80MPa程度のZeonor(日本ゼオン株式会社製、製品名)で形成した板厚0.1mmのフィルムを使用し、紫外波長領域及び近赤外波長領域の光の透過を制限し、図5に示した分光透過率特性とほぼ同様の設計値とした紫外線及び近赤外線をカットする光学フィルタを製作した。
成膜条件を本実施例と同様にして製作された比較例の光学フィルタの外観に関しては、分光特性の測定や環境試験を行う以前に、基板3の変形が非常に大きく、反りや凹凸が形成されており、図7に示すように切り抜く以前、つまり成膜直後であっても、既に膜にクラックが発生しているサンプルが多く確認された。紫外線及び近赤外線をカットする光学フィルタとしての用途を考慮すると、その使用に耐えることは困難である。
更に、板厚が略0.1mmの様々な合成樹脂基板3について、上述した実施例、比較例と同様の実験を行った。例えば、外観に関する検討だけの目的で、曲げ弾性率が2400MPa程度のポリカーボネートで形成した板厚0.1mmの基板を用いた場合は、基板両面へ同一条件下で成膜した場合には、外観形状としては使用に耐え得る光学フィルタを作製することができた。
また、曲げ弾性率2000MPa程度のポリオレフィン系樹脂で形成した板厚0.1mmの基板の両面に同様の成膜を行った比較例について、上述した80MPa程度のZeonorフィルム等と比較すると、同一成膜バッチ内でのバラツキがあるものの、数サンプルで外観が大きく改善された。しかし、安定的に歩留まり良く製品を供給できると云う量産性の観点からは問題のある結果となり、また2400MPa程度のPCで形成したフィルムへの成膜と比較すると、同様に凹凸も大きい結果となった。
このように、基板3の板厚が0.1mmの場合、基板3の両面にそれぞれほぼ同等の蒸着膜を成膜して、本実施例の紫外線及び近赤外線をカットする光学フィルタと同程度の膜厚とした場合は、2400MPa以上の曲げ弾性率を有する合成樹脂材料で形成した基板3を使用しないと、基板3の変形が非常に大きくなってしまう。この場合には、光学フィルタとして使用することは困難であり、量産性等の観点も含めて問題がある。また、基板3の板厚が0.1mmよりも薄ければ基板3の剛性が更に低下するため、より曲げ弾性率の高い合成樹脂材料で基板3を形成する必要がある。
本実施例においては、イオンプレーティング法を用いた場合について説明したが、EB法、スパッタリング法、IAD法、IBS法、クラスタ蒸着法等においても同様であり、本発明にはこれらの方法によって成膜した蒸着膜を含んでいる。
冷却機構の底面図である。 冷却機構の断面図である。 ドーム型の蒸着傘の外観図である。 本実施例で使用した平板型の蒸着傘の外観図である。 作製する光学フィルタの設計値である。 本実施例におけるマスクの平面図である。 本実施例における成膜後の基板の平面図である。 膜構成図である。 本実施例により作製された光学フィルタの分光特性図である。
符号の説明
1 冷却板
2 冷却パイプ
3 合成樹脂基板
21 マスク
22 孔部
31 光学フィルタ
41 SiO2
42 Nb25

Claims (3)

  1. 透明合成樹脂基板の両面にそれぞれ複数層から成る蒸着膜を成膜し、少なくとも紫外波長領域の範囲に含まれる波長の光の透過を制限する光学フィルタであって、前記透明合成樹脂基板は厚さを0.1mm以下、前記透明合成樹脂基板を形成する合成樹脂の曲げ弾性率を2400MPa以上、350〜450nmの範囲内の波長領域の光の透過率が90%以上ノルボルネン系樹脂とし、前記複数層の蒸着膜を前記透明合成樹脂基板の両面にほぼ同等の膜厚でそれぞれ成膜することにより前記350〜450nmの範囲内の波長領域の光のうち350〜370nmの近紫外波長領域の光の透過率を1.0%以下、前記350〜450nmの範囲内の波長領域の一部を含む395〜680nmの可視波長領域の光の透過率を90%以上、710〜1000nmの波長領域の透過率を1.0%以下としたことを特徴とする光学フィルタ。
  2. 前記透明合成樹脂基板を形成する合成樹脂のガラス転移温度は70℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルタ。
  3. 前記基板の両面に、それぞれ19層以上の前記蒸着膜を成膜したことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルタ。
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