JP3937823B2 - 光線カットフィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の波長帯域の光線を不透過とする光線カットフィルタに係る。特に、本発明は、紫外域の光線カットを良好に行うための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なビデオカメラやデジタルスチルカメラ等に代表される電子カメラの光学系は、光軸に沿って被写体側より、結合光学系、赤外線カットフィルタ、光学ローパスフィルタ、CCD(Charge Coupled Device)やMOS(Metal Oxide Semiconductor)等の撮像デバイスが順に配設されている(例えば、特開2000−209510号公報参照)。この種の撮像デバイスは、人の目が視認可能な波長帯域の光(可視光線)よりも広い波長帯域の光に応答する感度特性を有している。つまり、上記可視光線に加えて、赤外域や紫外域の光にも応答してしまう。
【0003】
具体的に、図16(a)は人の目の感度特性を示しており、図16(b)は一般的なCCDの感度特性を示している。このように、人の目は暗所では400〜620nm程度の範囲の波長の光に応答し、明所では420〜700nm程度の範囲の波長の光に応答する。これに対し、CCDでは、400nm未満の波長の光や700nmを越える波長の光にも応答する。
【0004】
このため、上記赤外線カットフィルタを設けて、撮像デバイスに赤外域の光を到達させないようにし、人の目に近い撮像画像が得られるようにしている。
【0005】
これまで、上記赤外線カットフィルタの種類としては、可視光線を透過し且つ赤外線を吸収する赤外線吸収ガラスや、可視光線を透過し且つ赤外線を反射する赤外線カットコートが掲げられる。また、赤外線吸収ガラスとしては、銅イオン等の色素を分散させた青色ガラスが掲げられる。赤外線カットコートとしては、TiO2、ZrO2、Ta25、Nb25等の高屈折率物質と、SiO2、MgF2等の低屈折率物質とを透明基板上に交互に積層して数十層とした誘電体多層膜が掲げられる。
【0006】
図17(a)は赤外線吸収ガラスを使用した場合の透過率特性を示し、図17(b)は赤外線カットコートを使用した場合の透過率特性を示している。
【0007】
先ず、赤外線吸収ガラスを使用した場合、図17(a)に示すように、可視域から赤外域に亘って、人の目の感度特性に近い「緩やかに透過率が下降する特性」を得ることができる。しかしながら、この場合、透過率を略0%とするポイントを700nmに合わせ込むことが難しく、図17(a)に示すものでは750nm程度の光をも透過させてしまうことになる。つまり、赤外域の光線のカットが不完全で、この赤外域の画像を撮像デバイスが撮像してしまうことになる。
【0008】
また、赤外線カットコートを使用した場合には、図17(b)に示すように、可視域から赤外域に亘って「透過率が急峻に下降する特性」を得ることができるので、透過率を略0%とするポイントを700nmに合わせ込むことが容易である。しかしながら、このように急峻に透過率が変化するものでは、人の目が感じる色合いとは異なった色合いで撮像デバイスでの撮像が行われてしまうことになる。
【0009】
これらの課題を解消するものとして、赤外線吸収ガラスと赤外線カットコートとを併用することが掲げられる。図17(c)はこれらを併用した場合の透過率特性を示している。これによれば、可視域から赤外域に亘って、なだらかに透過率を下降させることができ、且つ透過率を略0%とする波長を700nmのポイント合わせ込むことが容易であって赤外域の光線を完全にカットすることが可能になる。一般に、420nm〜550nmの範囲が透過帯域(透過率が90%以上の帯域)となり、550nm〜700nmの範囲で透過率が徐々に下降して、700nmでは透過率が略0%となる透過率特性が最も好ましいと言われている。上述の如く赤外線吸収ガラスと赤外線カットコートとを併用した場合、可視域から赤外域に亘る帯域において、この最適な透過率特性を実現することが可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、可視域から赤外域に亘る帯域のフィルタ技術としては、人の目の感度特性に近い「緩やかに透過率が下降する特性」を得ることができ、且つ赤外域の光線を完全にカットできるものが既に構築されている。
【0011】
しかしながら、紫外域から可視域に亘る帯域においては、このような感度特性について提案されたものはなく、紫外域の画像を撮像デバイスが撮像してしまったり、この紫外域から可視域に亘る帯域において「透過率が急峻に上昇する特性(例えば420nmで透過率が急峻に上昇する特性)」であるために、人の目が感じる色合いとは異なった色合いで撮像デバイスでの撮像が行われてしまうといったことがあり、これらの課題については未だ解決されていない。
【0012】
例えば、図17(a)及び図17(c)に示すものでは、400nm以下の紫外域の光をカットできておらず、紫外域の画像を撮像デバイスが撮像してしまう。また、図17(b)に示すものでは、400nm以下の紫外域の光をカットできていないばかりでなく、380nm付近で透過率が急峻に上昇しており、人の目が感じる色合いとは異なった色合いで撮像デバイスでの撮像が行われてしまう。
【0013】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、紫外域から可視域に亘る帯域において、人の目に近い透過率特性を得ることができると共に、紫外域の光線を良好にカットすることが可能な光線カットフィルタを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、基板と、この基板上に形成された多層膜とからなる光線カットフィルタを前提とする。そして、この光線カットフィルタに対し、紫外域の光線がカット可能であると共に、波長が400nm〜500nmの範囲において、波長が長くなるに従って透過率が次第に上昇する透過率特性を有するよう、上記多層膜を、高屈折率材料としての二酸化チタンから成る薄膜と低屈折率材料としての二酸化ケイ素から成る薄膜とが交互に複数積層されたカットコート膜で成し、互いに隣り合う二酸化チタンで成る薄膜と二酸化ケイ素で成る薄膜とを一対とした各薄膜対のうち、二酸化チタンで成る各薄膜のなかで最も膜厚の薄い膜を基板から最も遠い位置に形成されている薄膜対に存在させ、二酸化チタンで成る各薄膜のなかで二番目に膜厚の薄い膜を基板に最も近い位置に形成されている薄膜対に存在させている。
また、他の構成として、基板と、この基板上に形成された多層膜とからなる光線カットフィルタを前提とする。そして、この光線カットフィルタに対し、紫外域の光線がカット可能であると共に、波長が400nm〜500nmの範囲において、波長が長くなるに従って透過率が次第に上昇する透過率特性を有するよう、上記多層膜を、高屈折率材料としての二酸化チタンから成る薄膜と低屈折率材料としての二酸化ケイ素から成る薄膜とが交互に複数積層されたカットコート膜で成し、互いに隣り合う二酸化チタンで成る薄膜と二酸化ケイ素で成る薄膜とを一対とした各薄膜対のうち、二酸化ケイ素で成る各薄膜のなかで最も膜厚の薄い膜を基板に最も近い位置に形成されている薄膜対に存在させ、二酸化ケイ素で成る各薄膜のなかで二番目に膜厚の薄い膜を基板から最も遠い位置に形成されている薄膜対に存在させている。
また、波長が400nm〜500nmの範囲において、波長が長くなるに従って、透過率が1%〜5%の範囲内の所定値から90%〜98%の範囲内の所定値まで次第に上昇する透過率特性を有するように構成している。
【0015】
この特定事項により、紫外域から可視域の低波長側に亘って、人の目の感度特性に近い「緩やかに透過率が上昇する特性」を得ることができ、且つ紫外域の光を完全にカットすることが可能な光線カットフィルタを得ることができる。このため、人の目が感じる色合いに近い色合いで撮像デバイスでの撮像を行うことができると共に、紫外域の画像を撮像デバイスが撮像してしまうことを回避でき、色の再現性の向上を図ることができる。
【0016】
上記光線カットフィルタの具体的な構成としては以下の種々のものが掲げられる。先ず、上記カットコート膜を、紫外線カットコート膜として上記基板の相対向する両面にそれぞれ形成した構成とするものである。更には、上記カットコート膜を、紫外線カットコート膜として上記基板の片面に形成する一方、上記基板の他の片面に赤外域の光線をカット可能な赤外線カットコート膜を形成する構成とするものである。加えて、上記カットコート膜を、基板の片側の面に形成し、紫外域の光線をカットする機能だけでなく赤外域の光線をカットする機能をも有するよう二酸化チタンから成る薄膜と二酸化ケイ素から成る薄膜とを交互に複数積層させた構成とするものである。
【0017】
特に、基板の片面に紫外線カットコート膜を、他の片面に赤外線カットコート膜をそれぞれ形成したものにあっては、上述した作用効果に加えて、透過率を略0%とするポイントを所定の波長(例えば700nm)に合わせ込むことが容易になる。このため、光線カットフィルタに紫外線カット機能と赤外線カット機能とを兼用させながら赤外域の光線を完全にカットすることができる。また、紫外域の光線及び赤外域の光線を共にカット可能なカットコート膜を形成した場合には、紫外線カットコート膜及び赤外線カットコート膜をそれぞれ個別に設計する必要がなくなり、一つのカットコート膜の設計によって紫外線カット機能と赤外線カット機能とを兼ね備えた光線カットフィルタを得ることができる。
【0018】
基板の両面にカットコート膜を形成する場合の好ましい構成としては以下のものが掲げられる。つまり、基板の片面に形成されているカットコート膜と、基板の他方の片面に形成されているカットコート膜とを、応力が互いに略一致するようにそれぞれ形成する。これによれば、フィルタの歪みを無くすことができ、分光特性を良好に得ることができる。
【0019】
上記基板として赤外線吸収ガラスを適用した場合には、可視域と赤外域との間においては、人の目の感度特性に近い「緩やかに透過率が下降する特性」を得ることができ、可視域の高波長側においても人の目が感じる色合いに近い色合いで撮像デバイスでの撮像を行うことができる。
【0020】
また、基板として水晶複屈折板を適用したり、複数枚の透明板を貼り合わせて基板を構成する場合においてそのうちの少なくとも1枚を水晶複屈折板とした場合には、光学的疑似信号を濾波して画質の劣化を防止する光学ローパスフィルタとしての機能を併せ持たせることができる。つまり、1枚のフィルタに光学ローパスフィルタとしての機能と光線カットフィルタとしての機能とを兼用させることができ、電子カメラ等の機器の光学系の構成の簡素化を図ることができ、機器の小型化が図れる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
−第1実施形態−
先ず、第1実施形態について説明する。本形態では、本発明に係る光線カットフィルタを紫外線カットフィルタとして構成した場合について説明する。つまり、ビデオカメラ等の電子カメラに適用される場合には、赤外線カットフィルタとは独立して配置される紫外線カットフィルタとして構成した場合について説明する。
【0023】
図1は本形態に係る紫外線カットフィルタの構成を示す模式図である。表1はこの紫外線カットフィルタの光学的多層膜の組成及び各層の物理膜厚を示している。
【0024】
【表1】
Figure 0003937823
【0025】
これら図1及び表1に示すように、本形態に係る紫外線カットフィルタは、透明基板1上に、高屈折率材料からなる透明薄膜2と低屈折率材料からなる透明薄膜3とが交互に複数積層されて構成されている。透明基板1側から数えて奇数番目の層が高屈折率材料により構成されており、偶数番目の層が低屈折率材料により構成されている。具体的に本形態においては、透明基板1として、厚さが1.6mmの方形薄板状のガラスを採用している。また、上記高屈折率材料として二酸化チタン(TiO2)を、低屈折率材料として二酸化ケイ素(SiO2)をそれぞれ採用している。これらの透明薄膜は、表1に示す物理膜厚となるように、透明基板1側から二酸化チタン薄膜2と二酸化ケイ素薄膜3とが交互に20層まで積層されて多層膜4を形成している
【0026】
この紫外線カットフィルタ(多層膜4)の製造方法としては、透明基板1であるガラスの片面に対して、二酸化チタンと二酸化ケイ素とが周知の真空蒸着装置によって交互に真空蒸着される。これより、図1及び表1に示すような多層膜4が形成される。尚、各透明薄膜の膜厚調整は、膜厚をモニタしながら蒸着動作を行い、所定の膜厚に達したところで蒸着源近傍に設けられたシャッターを閉じるなどして蒸着物質の蒸着を停止することにより行われる。
【0027】
本形態に係る紫外線カットフィルタの透過率特性を図2に示す。この図2に示すように、本紫外線カットフィルタは、波長が400nmの光に対しては透過率が3%程度であり、波長が長くなるに従って透過率が徐々に上昇していき、波長が450nmの光に対しては透過率が50%程度であり、波長が500nmの光に対しては透過率が98%程度となっている。つまり、紫外域の光をカットすると共に、可視域の低波長側において波長が長くなるに従って透過率が緩やかに上昇する透過率特性を有する紫外線カットフィルタとなっている。
【0028】
このように、本形態に係る紫外線カットフィルタにあっては、紫外域から可視域の低波長側に亘って、人の目の感度特性に近い「緩やかに透過率が上昇する特性」を得ることができ、且つ紫外域の光を完全にカットすることができる。このため、人の目が感じる色合いに近い色合いで撮像デバイスでの撮像を行うことができると共に、紫外域の画像を撮像デバイスが撮像してしまうことを回避でき、色の再現性の向上を図ることができる。
【0029】
−第2実施形態−
次に、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、本発明に係る光線カットフィルタを、赤外線カットフィルタとは独立して配設される紫外線カットフィルタとして構成した場合について説明した。本第2実施形態のものは、図3に示すように、赤外線吸収ガラス1Cに第1実施形態に係る多層膜4で成る紫外線カットコートUVCを形成したものである。
【0030】
本形態で採用される赤外線吸収ガラス1Cとしては、銅イオン等の色素を分散させた青色ガラスが掲げられ、例えば、HOYA製のC5000や、旭テクノグラス製のCF50等が採用可能である。尚、この赤外線吸収ガラス1Cに蒸着される紫外線カットコートUVCは上記第1実施形態と同様のものである。
【0031】
図4は、厚さが1.2mmの赤外線吸収ガラス1Cの片面に上記紫外線カットコートUVCを形成して成る光線カットフィルタの透過率特性を示している。この図4に示すように、本光線カットフィルタにおいては、波長が400nmの光に対しては透過率が1%程度であり、波長が長くなるに従って透過率が徐々に上昇していき、波長が500nmの光に対しては透過率が95%程度となっている。つまり、本形態のものにおいても、可視域の低波長側において透過率が緩やかに上昇する透過率特性を得ることができ、人の目が感じる色合いに近い色合いで撮像デバイスでの撮像を行うことができる。また、紫外域の光を完全にカットすることができるため、紫外域の画像を撮像デバイスが撮像してしまうことを回避できる。
【0032】
更に、本形態のものでは、透明基板1として赤外線吸収ガラス1Cを採用しているため、可視域と赤外域との間においては、人の目の感度特性に近い「緩やかに透過率が下降する特性」を得ることができ、可視域の高波長側においても人の目が感じる色合いに近い色合いで撮像デバイスでの撮像を行うことができる。
【0033】
−第3実施形態−
次に、第3実施形態について説明する。本形態のものは、図5に示すように、ガラス製の透明基板1の片面に第1実施形態に係る多層膜4で成る紫外線カットコートUVCを形成し、且つこの透明基板1の他の片面に赤外線カットコートIRCを形成したものである。
【0034】
本形態で採用する赤外線カットコートIRCとしては、TiO2、ZrO2、Ta25、Nb25等の高屈折率物質と、SiO2、MgF2等の低屈折率物質とを交互に積層して数十層とした誘電体多層膜が掲げられる。具体的に本形態では、40層の多層膜で厚さ5μm程度の赤外線カットコートIRCを透明基板1の片面に形成している。
【0035】
本形態に係る光線カットフィルタの透過率特性を図6に示す。この図6に示すように、本光線カットフィルタにおいても、波長が400nmの光に対しては透過率が1%程度であり、波長が長くなるに従って透過率が徐々に高くなっていき、波長が500nmの光に対しては透過率が95%程度となっている。つまり、本形態のものにおいても、可視域の低波長側において透過率が緩やかに上昇する透過率特性を得ることができ、人の目が感じる色合いに近い色合いで撮像デバイスでの撮像を行うことができると共に、紫外域の画像を撮像デバイスが撮像してしまうことを回避できる。
【0036】
また、本形態のものでは、赤外線カットコートIRCを併用しているため、透過率を略0%とするポイントを700nmに合わせ込むことが容易である。つまり、赤外域の画像を撮像デバイスが撮像してしまうことを良好に回避することができる。
【0037】
−第4実施形態−
次に、第4実施形態について説明する。本形態は上述した第2実施形態の構成と及び第3実施形態の構成とを併用したものである。つまり、図7に示すように、赤外線吸収ガラス1Cの片面に第1実施形態に係る多層膜4で成る紫外線カットコートUVCを形成し、且つこの赤外線吸収ガラス1Cの他の片面に赤外線カットコートIRCを形成したものである。赤外線吸収ガラス1C及び各コート層UVC,IRCは上述したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0038】
図8は、厚さが1.2mmの赤外線吸収ガラス1Cの片面に上記紫外線カットコートUVCを、他の片面に20層の多層膜で成る赤外線カットコートIRCをそれぞれ形成して成る光線カットフィルタの透過率特性を示している。この図8に示すように、本光線カットフィルタにおいても、波長が400nmの光に対しては透過率が1%程度であり、波長が長くなるに従って透過率が徐々に高くなっていき、波長が500nmの光に対しては透過率が90%程度となっている。つまり、本形態のものにおいても、可視域の低波長側において透過率が緩やかに上昇する透過率特性を得ることができ、人の目が感じる色合いに近い色合いで撮像デバイスでの撮像を行うことができると共に、紫外域の画像を撮像デバイスが撮像してしまうことを回避できる。
【0039】
また、本形態のものでは、透明基板1として赤外線吸収ガラス1Cを採用しているため、可視域と赤外域との間においては、人の目の感度特性に近い「緩やかに透過率が下降する特性」を得ることができる。また、赤外線カットコートIRCを併用しているため、透過率を略0%とするポイントを700nmに合わせ込むことが容易であり、赤外域の画像を撮像デバイスが撮像してしまうことを良好に回避することができる。
【0040】
−第5実施形態−
次に、第5実施形態について説明する。上述した第3及び第4実施形態では、紫外線カットフィルタとして機能する紫外線カットコートUVCと、赤外線カットフィルタとして機能する赤外線カットコートIRCとを個別(透明基板1の異なる面)に設けていた。本形態では、図9に示すように、これら両機能を一つの多層膜4に備えさせ、この多層膜4をガラス1または赤外線吸収ガラス1Cの片面に備えさせるようにしたものである。
【0041】
表2は本形態に係るカットコートを構成する光学的多層膜の組成及び各層の物理膜厚を示している。
【0042】
【表2】
Figure 0003937823
【0043】
この表2に示すように、本形態に係る光線カットフィルタは、ガラス製の透明基板1上に成膜された二酸化チタン薄膜2と二酸化ケイ素薄膜3とが交互に40層まで積層されて多層膜4として構成されたカットコートとして形成されている。
【0044】
本形態に係る光線カットフィルタの透過率特性を図10に示す。この図10に示すように、本光線カットフィルタにおいても、波長が400nmの光に対しては透過率が1%程度であり、波長が長くなるに従って透過率が徐々に高くなっていき、波長が500nmの光に対しては透過率が98%程度となっている。つまり、本形態のものにおいても、可視域の低波長側において透過率が緩やかに上昇する透過率特性を得ることができ、人の目が感じる色合いに近い色合いで撮像デバイスでの撮像を行うことができると共に、紫外域の画像を撮像デバイスが撮像してしまうことを回避できる。
【0045】
また、本形態のものでは、多層膜4が赤外線カットフィルタとしても機能するため、可視域の高波長側においては、人の目の感度特性に近い「緩やかに透過率が下降する特性」を得ることができる。また、透過率を略0%とするポイントを700nmに合わせ込むことが容易であり、赤外域の画像を撮像デバイスが撮像してしまうことを良好に回避することができる。
【0046】
−第6実施形態−
次に、第6実施形態について説明する。上述した各実施形態では、透明基板1をガラスまたは赤外線吸収ガラスとしていた。本形態では、透明基板1として水晶複屈折板を採用している。以下、具体的に説明する。
【0047】
図11に示すものは、上述した第1実施形態に係る紫外線カットフィルタの透明基板1としてガラスに代えて水晶複屈折板を適用したものである。この水晶複屈折板1上に形成される多層膜4は上記第1実施形態のものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0048】
また、本第6実施形態の第1の変形例として、図12に示すものは、透明基板として水晶複屈折板1Aを採用し、この水晶複屈折板1Aの片面に第1実施形態に係る多層膜4で成る紫外線カットコートUVCを形成し、且つこの水晶複屈折板1Aの他の片面に赤外線カットコートIRCを形成したものである。
【0049】
更に、本第6実施形態の第2の変形例として、図13に示すものは、透明基板1を複数枚の透明板を貼り合わせた構成とし、そのうちの少なくとも1枚を水晶複屈折板としたものである。具体的には、この図13に示すように、2枚の水晶複屈折板1A,1Bの間にガラスまたは赤外線吸収ガラス1Cを挟み込み、これらを一体的に接着することによって透明基板1を構成している。そして、この図13に示すものでは、一方の水晶複屈折板1Aの表面に例えば第1実施形態に係る紫外線カットコートUVCを形成し、他方の水晶複屈折板1Bの表面に例えば第3実施形態に係る赤外線カットコートIRCを形成している。
【0050】
本第6実施形態及びその変形例のように透明基板1として水晶複屈折板を採用したことにより、光線カットフィルタに光学ローパスフィルタとしての機能を併せ持たせることができる。つまり、1枚のフィルタに光学ローパスフィルタとしての機能と光線カットフィルタとしての機能とを兼用させることができ、電子カメラ等の機器の光学系の構成の簡素化を図ることができ、機器の小型化が図れる。
【0051】
また、透明基板1として水晶複屈折板を採用する場合、以下に述べる構成の水晶複屈折板を用いることが好ましい。
【0052】
先ず、上記図11及び図12に示すように1枚の水晶複屈折板1Aによって透明基板を構成するものにあっては、図14(a)に示すように、主面が正方形状であり、各辺に対して45°方向に光分離するよう切断加工された45°分離複屈折板1Aを採用することが好ましい。この45°分離複屈折板1Aは入射した単位光束を45°方向の2点に分離する(図14(a)の右側に示した分離パターン参照)。そして、この45°分離複屈折板1Aは、図14(b)に示すように90°回転させた状態で電子カメラ等の機器の光学系へ組み込んだとしても、中心線Tに対して左右の分離パターンが入れ替わるのみであって(図14(b)の右側に示した分離パターン参照)、入射した単位光束は同様に2点に分離される。つまり、同様のフィルタ特性が得られるものである。このような水晶複屈折板1Aに対して、上述した紫外線カットコートUVCや赤外線カットコートIRCを形成して光線カットフィルタを構成することが好ましい。
【0053】
一方、複数枚の水晶複屈折板によって透明基板(光学ローパスフィルタ)を構成するものにあっては、図15(a)に示すように、主面が正方形状であり、水平方向に光分離するよう切断加工された水平分離複屈折板1Dと、45°方向に光分離するよう切断加工された45°分離複屈折板1Aと、垂直方向に光分離するよう切断加工された垂直分離複屈折板1Eとが貼り合わされて構成された透明基板を採用することが好ましい。この場合、水平分離複屈折板1Dと垂直分離複屈折板1Eとは厚みが等しく設定されている。このような構成の光学ローパスフィルタは、入射した単位光束を正方形を2つ組み合わせた7点に分離する(図15(a)の右側に示した分離パターン参照)。つまり、45°方向で点接触し、且つ同一の対角線方向にて2つの正方形のパターンに配置して組み合わされたような7点の分離パターンを構成する。そして、この光学ローパスフィルタは、図15(b)に示すように90°回転させた状態で電子カメラ等の機器の光学系へ組み込んだとしても、中心線Tに対して左右の分離パターンが入れ替わるのみであって(図15(b)の右側に示した分離パターン参照)、入射した単位光束は同様に7点に分離される。つまり、同様のフィルタ特性が得られるものである。このような光学ローパスフィルタに対して、上述した紫外線カットコートUVCや赤外線カットコートIRCを形成して光線カットフィルタを構成することが好ましい。尚、図15に示すものは単位光束を7点に分離するものであったが、45°分離複屈折板1Aの厚みを変更することにより単位光束を8点に分離させることもできる。また、上述したような正方形に配置される分離パターンの他に、菱形に配置される分離パターン(例えば4点や12点や16点の分離パターンを実現するもの)であって光学ローパスフィルタを90°回転させても同様のフィルタ特性が得られるものであれば本発明に適用可能である。
【0054】
以上のような各構成の水晶複屈折板(光学ローパスフィルタ)を採用して光線カットフィルタを構成することにより、縦横の向きや表裏の向きを間違えないようにするためのマーキングなどを付しておくことは必要なくなり、工数の削減とコストダウンを図ることができる。言い換えると、縦横の向きや表裏の向きを間違えて機器に組み込んでも、同様のフィルタ特性あるいは同一のフィルタ特性を得ることができて、疑似信号を良好に除去することが可能な光学ローパスフィルタとなっている。
【0055】
また、透明基板1として水晶複屈折板を採用した場合、この水晶複屈折板の正面視を正方形状に形成することが好ましい。何故なら、このような形状とした場合には、水晶複屈折板の光線分離方向を何れの方向に設定しても光線カットフィルタの外形(縦寸法及び横寸法)は一定であり、電子カメラ等の機器の光学系へ組み込む際の組み付け方向を考慮する必要が無くなって、組み付け作業の簡素化が図れるからである。
【0056】
尚、本形態の如く透明基板1として水晶複屈折板を採用した光線カットフィルタとしては上述のものに限らず、上述した各実施形態におけるガラスや赤外線吸収ガラスに代えて水晶複屈折板を適用したり、1/4波長板を貼り合わせた構成を採用することも可能である。
【0057】
また、複屈折板としては水晶に限らず、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウム等を採用することも可能である。
【0058】
−変形例−
次に、上述した各実施形態の変形例について説明する。本例は、1枚の透明基板1の両面にカットコート層を形成する場合に、各カットコート層の応力を略一致させてフィルタの歪みを無くし、分光特性を良好に得るようにしたものである。以下、具体的に説明する。
【0059】
先ず、第1及び第2の実施形態の変形例として透明基板1の両面に紫外線カットコートを形成する。つまり、透明基板1の各面に、二酸化チタン薄膜2と二酸化ケイ素薄膜3とを交互に積層して多層膜4を形成する。そして、各面の紫外線カットコートの層数を一致させる。これにより、各カットコート層の応力を略一致させることができ、フィルタの歪みを無くすことが可能になる。尚、上述した第1及び第2の実施形態では、透明基板1に形成される紫外線カットコートの層数を20としたが、本例においてこれら第1及び第2の実施形態のものと同様のフィルタ機能を発揮させるためには透明基板1の各面に形成する紫外線カットコートの層数としては少なくとも12層程度は必要となる。
【0060】
次に、第3実施形態の変形例について説明する。上述した第3実施形態では、透明基板1の片面に紫外線カットコートを形成し、且つこの透明基板1の他の片面に赤外線カットコートを形成している。この場合、紫外線カットコートを構成する各層の膜厚は赤外線カットコートを構成する各層の膜厚よりも薄い。このため、紫外線カットコートの層数を赤外線カットコートの層数よりも多くし、各コートの全体の膜厚を略一致させる。これにより、フィルタの歪みを無くすことが可能になる。
【0061】
具体的には、紫外線カットコートを構成する各層の膜厚は、赤外線カットコートを構成する各層の膜厚の半分程度である。このため、紫外線カットコートの層数を赤外線カットコートの層数の倍または倍に近い数で構成する。これにより、各コートの全体の膜厚が略一致することになり、各カットコート層の応力を略一致させることで、フィルタの歪みを無くすことができる。
【0062】
尚、透明基板1の各面におけるカットコート全体の膜厚が略一致していない場合であっても、紫外線カットコートを構成する材料と赤外線カットコートを構成する材料とを異ならせたり、各カットコートを形成する際の蒸着法を異ならせたりすることによって各カットコート層の応力を略一致させることも可能である。この場合にもフィルタの歪みが無くなり、分光特性を良好に得ることができる。
【0063】
また、第4〜第6実施形態の構成においても上述と同様の構成を採用することによりフィルタの歪みを無くすことが可能である。
【0064】
−その他の実施形態−
上述した各実施形態では、ビデオカメラ等の電子カメラに適用される光線カットフィルタに本発明を適用した場合について説明した。本形態はこれに限らず種々の光学機器に適用可能である。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、紫外域の光線がカット可能であると共に、可視域の低波長側において波長が長くなるに従って透過率が緩やかに上昇する透過率特性を有するように光線カットフィルタを構成している。このため、これまでにない透過率特性を有する光線カットフィルタを提供でき、この撮像光線カットフィルタをデバイスの入射側に配設した場合には、この波長帯域において人の目が感じる色合いに近い色合いで撮像デバイスでの撮像を行うことができると共に、紫外域の画像を撮像デバイスが撮像してしまうことを回避でき、色の再現性の向上を図ることができる。
【0067】
また、基板の片面に紫外線カットコート膜を、他の片面に赤外線カットコート膜をそれぞれ形成した場合には、上記効果に加えて、透過率を略0%とするポイントを所定の波長に合わせ込むことが容易になり、透過させる波長帯域の設計が容易になる。
【0068】
また、紫外域の光線及び赤外域の光線を共にカット可能なカットコート膜を形成した場合には、一つのカットコート膜の設計によって紫外線カット機能と赤外線カット機能とを兼ね備えた光線カットフィルタを得ることができ、光線カットフィルタの小型化及び高性能化を図ることができる。
【0069】
更に、基板の両面にカットコート膜を形成する場合に、基板の片面に形成されているカットコート膜と、基板の他方の片面に形成されているカットコート膜とを、応力が互いに略一致するようにそれぞれ形成した場合には、フィルタの歪みを無くすことができ、分光特性を良好に得ることができ、光線カットフィルタの更なる高性能化を図ることができる。
【0070】
加えて、基板として赤外線吸収ガラスを適用した場合には、可視域と赤外域との間において、人の目の感度特性に近い特性を得ることができ、可視域の高波長側においても人の目が感じる色合いに近い色合いで撮像デバイスでの撮像を行うことが可能になる。
【0071】
更に、基板として水晶複屈折板を適用した場合には、1枚のフィルタに、光学ローパスフィルタとしての機能と光線カットフィルタとしての機能とを兼用させることが可能になる。このため、電子カメラ等の機器の光学系の構成の簡素化及び部品点数の削減を図ることができて、機器の小型化を図ることが可能な、実用性に優れたフィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る紫外線カットフィルタの構成を示す模式図である。
【図2】第1実施形態に係る紫外線カットフィルタの透過率特性を示す図である。
【図3】第2実施形態に係る光線カットフィルタの構成を示す模式図である。
【図4】第2実施形態に係る光線カットフィルタの透過率特性を示す図である。
【図5】第3実施形態に係る光線カットフィルタの構成を示す模式図である。
【図6】第3実施形態に係る光線カットフィルタの透過率特性を示す図である。
【図7】第4実施形態に係る光線カットフィルタの構成を示す模式図である。
【図8】第4実施形態に係る光線カットフィルタの透過率特性を示す図である。
【図9】第5実施形態に係る光線カットフィルタの構成を示す模式図である。
【図10】第5実施形態に係る光線カットフィルタの透過率特性を示す図である。
【図11】第6実施形態に係る紫外線カットフィルタの構成を示す模式図である。
【図12】第6実施形態の第1変形例に係る光線カットフィルタの構成を示す模式図である。
【図13】第6実施形態の第2変形例に係る光線カットフィルタの構成を示す模式図である。
【図14】45°分離複屈折板の分離パターンを説明するための図である。
【図15】水平分離複屈折板、45°分離複屈折板、垂直分離複屈折板を貼り合わせた光学ローパスフィルタの分離パターンを説明するための図である。
【図16】(a)は人の目の感度特性を示す図であり、(b)は一般的なCCDの感度特性を示す図である。
【図17】(a)は赤外線吸収ガラスの透過率特性を示す図であり、(b)は赤外線カットコートの透過率特性を示す図であり、(c)は赤外線吸収ガラスと赤外線カットコートとを併用した場合の透過率特性を示す図である。
【符号の説明】
1 透明基板
2 高屈折率材料
3 低屈折率材料
4 多層膜

Claims (10)

  1. 基板と、この基板上に形成された多層膜とからなる光線カットフィルタにおいて、
    紫外域の光線がカット可能であると共に、波長が400nm〜500nmの範囲において、波長が長くなるに従って透過率が次第に上昇する透過率特性を有するよう、上記多層膜は、高屈折率材料としての二酸化チタンから成る薄膜と低屈折率材料としての二酸化ケイ素から成る薄膜とが交互に複数積層されたカットコート膜で成り、互いに隣り合う二酸化チタンで成る薄膜と二酸化ケイ素で成る薄膜とを一対とした各薄膜対のうち、二酸化チタンで成る各薄膜のなかで最も膜厚の薄い膜が基板から最も遠い位置に形成されている薄膜対に存在し、二酸化チタンで成る各薄膜のなかで二番目に膜厚の薄い膜が基板に最も近い位置に形成されている薄膜対に存在していることを特徴とする光線カットフィルタ。
  2. 基板と、この基板上に形成された多層膜とからなる光線カットフィルタにおいて、
    紫外域の光線がカット可能であると共に、波長が400nm〜500nmの範囲において、波長が長くなるに従って透過率が次第に上昇する透過率特性を有するよう、上記多層膜は、高屈折率材料としての二酸化チタンから成る薄膜と低屈折率材料としての二酸化ケイ素から成る薄膜とが交互に複数積層されたカットコート膜で成り、互いに隣り合う二酸化チタンで成る薄膜と二酸化ケイ素で成る薄膜とを一対とした各薄膜対のうち、二酸化ケイ素で成る各薄膜のなかで最も膜厚の薄い膜が基板に最も近い位置に形成されている薄膜対に存在し、二酸化ケイ素で成る各薄膜のなかで二番目に膜厚の薄い膜が基板から最も遠い位置に形成されている薄膜対に存在していることを特徴とする光線カットフィルタ。
  3. 請求項1または2記載の光線カットフィルタにおいて、
    波長が400nm〜500nmの範囲において、波長が長くなるに従って、透過率が1%〜5%の範囲内の所定値から90%〜98%の範囲内の所定値まで次第に上昇する透過率特性を有するように構成されていることを特徴とする光線カットフィルタ。
  4. 請求項1記載の光線カットフィルタにおいて、
    上記カットコート膜は、紫外線カットコート膜であって、上記基板の相対向する両面に、この紫外線カットコート膜がそれぞれ形成された構成となっていることを特徴とする光線カットフィルタ。
  5. 請求項1記載の光線カットフィルタにおいて、
    上記カットコート膜は、紫外線カットコート膜であって、上記基板の片面に、この紫外線カットコート膜が形成されている一方、上記基板の他の片面には赤外域の光線をカット可能な赤外線カットコート膜が形成された構成となっていることを特徴とする光線カットフィルタ。
  6. 請求項2記載の光線カットフィルタにおいて、
    上記カットコート膜は、基板の片側の面に形成され、紫外域の光線をカットする機能だけでなく赤外域の光線をカットする機能をも有するよう二酸化チタンから成る薄膜と二酸化ケイ素から成る薄膜とが交互に複数積層された構成となっていることを特徴とする光線カットフィルタ。
  7. 請求項4または5記載の光線カットフィルタにおいて、
    上記基板の一方の片面に形成されているカットコート膜と、その基板の他方の片面に形成されているカットコート膜とは、応力が互いに略一致するようにそれぞれ形成されていることを特徴とする光線カットフィルタ。
  8. 請求項1〜7のうち何れか一つに記載の光線カットフィルタにおいて、
    上記基板は赤外線吸収ガラスであることを特徴とする光線カットフィルタ。
  9. 請求項1〜7のうち何れか一つに記載の光線カットフィルタにおいて、
    上記基板は水晶複屈折板であることを特徴とする光線カットフィルタ。
  10. 請求項1〜7のうち何れか一つに記載の光線カットフィルタにおいて、
    上記基板は複数枚の透明板が貼り合わされて構成されており、そのうちの少なくとも1枚が水晶複屈折板であることを特徴とする光線カットフィルタ。
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