JPH09243935A - 多層膜フィルター付きのレンズ - Google Patents

多層膜フィルター付きのレンズ

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JPH09243935A
JPH09243935A JP8056441A JP5644196A JPH09243935A JP H09243935 A JPH09243935 A JP H09243935A JP 8056441 A JP8056441 A JP 8056441A JP 5644196 A JP5644196 A JP 5644196A JP H09243935 A JPH09243935 A JP H09243935A
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JP
Japan
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lens
endoscope
optical system
objective optical
multilayer
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JP8056441A
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Hiroshi Ikeda
浩 池田
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、観察範囲の自由度を大きくするこ
とができるような内視鏡を実現し得る多層膜フィルター
付きのレンズを提供する。 【解決手段】 本発明は、内視鏡の試料観察用対物光学
系に使用される多層膜フィルター付きのレンズにおい
て、特定の光を透過し、特定の光を透過させない多層膜
フィルター層2を、一つのレンズの少なくとも一つの光
学面として機能する透明レンズ基板3の面上に設けたこ
とを特徴とする。これにより、内視鏡の観察範囲の自由
度を大きくし、医療用内視鏡においては内視鏡先端の硬
質部を短く小さくすることができ、観察される被検査者
の負担を軽減することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、主として医療
用、工業用等の内視鏡の観察部に挿入される部位で使用
される光学系、即ち、試料観察用対物光学系に使用さ
れ、特定の光を透過し、特定の光を透過させないような
多層膜フィルター付きのレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、内視鏡の中でも、撮像素子を対物
光学系に内蔵したいわゆるビデオスコープと称される装
置が実用化され使用されるようになってきた。このよう
な対物光学系の構成の一例を図11に示す。
【0003】図11に示す従来の対物光学系30は、多
層膜フィルター部33を含む第1対物レンズ系31と、
複合レンズを用いた第2対物レンズ系32とを有してい
る。
【0004】第1対物レンズ系31は、第1レンズ41
と、第2レンズ42との間に多層膜フィルター部33を
介在させた構成となっている。第1レンズ41は、図示
しない観察部(被検査部)に対向している。また、第2
レンズ42と第2対物レンズ系32との間に赤外吸収ガ
ラス34を配置するとともに、第2対物レンズ系32の
図11において右側にはCCDカバーガラス35を配置
している。
【0005】前記多層膜フィルター部33は、透明なフ
ロートガラス、即ち、平行平面基板36上に酸化亜鉛薄
膜を形成した上で特開平4−133004号公報に記載
されているように多層膜フィルター層37を形成した構
造となっている。
【0006】前記第1対物レンズ系31及び第2対物レ
ンズ系32は、観察部の像を結像させるための光学系で
あり、前記多層膜フィルター部33は、紫外線や赤外線
等の特定の波長をカットするためのものであり、赤外吸
収ガラス34は、赤外光を吸収するために色ガラスで作
られた平行平板である。
【0007】前記赤外光は、観察部を照明するために用
いられる観察部照明用の白色光源から発せられるもの、
又は、被検部の治療処置用のレーザメスとともに、YA
Gレーザー光や半導体レーザー光として発せられるが、
いずれもCCD等の撮像素子に影響を与えるものであ
り、特にレーザー光は、出力が大きいため、観察像に与
える影響も大きく、前記多層膜フィルター部33による
カット量が不十分な場合、被検部(又は観察部)の画像
を画像モニターの画面に表示すると、フレアが著しくな
るという不具合が生じる。
【0008】この不具合の解消のために、前記多層膜フ
ィルター部33や赤外吸収ガラス34が内視鏡の挿入側
先端部の硬質部内に収納されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おける先端部にCCD等の撮像素子を組み込んだ内視鏡
の場合には、赤外光等をカットするために用いられる多
層膜フィルター層37を、該多層膜フィルター部33専
用の平行平面基板36上に形成して上述したような対物
光学系30を構成する。この結果、内視鏡の先端部の硬
質部の長さが大きくなってしまう。
【0010】このため、内視鏡による被検部の管状内壁
面の観察中に、先端部の向きを内視鏡本体での遠隔操作
により変えて観察部位(被検査位置)を変更しようとし
た場合、管状内壁面に先端部が当接し易くなり、観察範
囲の狭小化、即ち、観察の自由度低下を招くという課題
があった。
【0011】また、医療用内視鏡においては、体腔内壁
面を挿入先端部が押圧して観察される被検者の負担が増
大するという課題があった。
【0012】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
ものであり、内視鏡先端の硬質部を短く小さくすること
によって、上記不具合を解消し、かつ、観察範囲の自由
度を大きくすることができるような内視鏡を実現し得る
多層膜フィルター付きのレンズを提供することを目的と
している。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
内視鏡の試料観察用対物光学系に使用される多層膜フィ
ルター付きのレンズにおいて、特定の光を透過し、特定
の光を透過させない多層膜フィルターを、一つのレンズ
の少なくとも一つの光学面として機能する面上に設けた
ことを特徴とするものである。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明における前記多層膜フィルターは、可視域の光を透過
し、近赤外域の光を透過させないことを特微とするもの
である。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明における前記多層膜フィルターは、特定の波長の光を
吸収する色ガラスを基板に使用することを特徴とするも
のである。
【0016】請求項1記載の発明によれば、対物光学系
のうち、結像に寄与する部材であるレンズを、多層膜フ
ィルター付きのレンズとすることによって、不要な光を
カットする機能を持たせた。従って、内視鏡の観察範囲
の自由度を大きくし、医療用内視鏡においては内視鏡先
端の硬質部を短く小さくすることができ、これにより観
察される被検査者の負担を軽減できる。
【0017】請求項2記載の発明によれば、対物光学系
のうち、結像に寄与するレンズに対し、可視光を透過
し、レーザーメス等で使用される近赤外域の光をカット
する機能を持たせることことにより、内視鏡先端の硬質
部を短く小さくすることが可能になった。従って、内視
鏡の観察範囲の自由度を大きくし、医療用内視鏡におい
ては観察される被検者の負担を軽減できる。
【0018】請求項3記載の発明によれば、対物光学系
のうち、結像に寄与するレンズと赤外光等をカットする
ための赤外吸収ガラス等の色ガラス、さらに不要な光を
カットするための多層膜フィルターという3種の光学部
材を僅か1部品で構成することができ、内視鏡先端の硬
質部をさらに短く小さくすることが可能になる。
【0019】ここで、色ガラスと多層膜フィルターはそ
れぞれ、異なる波長の光をカットするものであってもよ
く、また、カット率は多層膜フィルターほどではないが
カット特性の角度依存性のない色ガラスと、カット率は
高いが入射角度が異なるとカット特性の異なる多層膜フ
ィルターとで補完しながら同じ波長をカットするもので
あってもよい。
【0020】これによって、内視鏡の観察範囲の自由度
をより大きくし、医療用内視鏡において観察される被検
者の負担をより軽減できるような内視鏡を実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0022】(実施の形態1)本発明の実施の形態1の
対物光学系1における多層膜フィルター付きのレンズを
図1に示す。図1に示す対物光学系1において、図11
に示す従来の対物光学系30と同一の機能を有するもの
には同一の符号を付して示す。
【0023】本実施の形態1では、従来の対物光学系3
0の多層膜フィルター部33及び第2レンズ42の代り
に、第1対物レンズ系31に、片面が平面、もう片面が
R(半径)=2.0mmの曲率を持った透明レンズ基板
3の平面側に多層膜フィルター層2を形成した第2レン
ズ4を用いたことが特徴である。多層膜フィルター層2
の膜組成を表1に、多層膜フィルター層2の分光透過率
特性を図2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】以下、表1乃至表5に示す膜厚は、光学的
膜厚ndである。本実施の形態1の多層膜フィルター層2
を形成する多層膜は、真空蒸着法により、SiO2 とT
iO 2 とを合計24層成膜することによって得た。ま
た、透明レンズ基板3の曲率を持った面側には通常の反
射防止膜を形成した。この多層膜は、波長1060nm
のYAGレーザー光の透過率を0.1%以下にすること
ができた。
【0026】また、第1レンズ41、第2レンズ4、第
2対物レンズ系32の他には、赤外光をカットする赤外
吸収ガラス(色ガラス)34と、撮像素子であるCCD
保護用のCCDカバーガラス35とによって対物光学系
1は構成され、CCDカバーガラス35側の図1におい
て右側の面には図示しないCCDを接着している。
【0027】本実施の形態1の多層膜フィルター付きの
レンズを用いた対物光学系1の全長(第1レンズ41の
先端部からCCDカバーガラス35の終端部までの長
さ)は、4.3mmであり、後述する比較例1の対物光
学系に比較すると、長さで1.0mmの短縮、割合にし
て81%の長さにすることが可能になった。
【0028】また、前記対物光学系1を組み込んだ内視
鏡によって試料観察を行ったところ、YAGレーザーに
よって治療処置を行った場合でも比較例1の対物光学系
を用いた内視鏡と撮影される画像の質に変化はなく、操
作面では先端部の動きの自由度が上したことから、より
広い範囲の試料観察をすることができた。
【0029】(比較例1)比較例1として、従来例で説
明した図11のような対物光学系30を示す。この比較
例1では、平行平板の透明基板34に実施の形態1の多
層膜と同じ多層膜を成膜し、図11に示すような対物光
学系30に組み込んだ。本比較例1の対物光学系の全長
は5.3mmとなった。
【0030】(実施の形態2)本発明の実施の形態2で
は、対物光学系1Aとして、実施の形態1と同様な構成
とし、前記透明レンズ基板3の反対側の面、即ち、曲率
を持つ側の面に実施の形態1と同じ多層膜フィルター層
2を設け、多層膜フィルター付きのレンズとしたことが
特徴である。
【0031】本実施の形態2の多層膜フィルター層2を
組み込んだ対物光学系1Aを図3に示す。この対物光学
系1Aを用いた内視鏡は、実施の形態1の内視鏡と同等
の性能を発揮した。
【0032】(実施の形態3)本発明の実施の形態3の
多層膜フィルター付きのレンズを用いた対物光学系1B
を図4に示す。本実施の形態3では、対物光学系1Bと
して、片面が平面、もう片面がR=1.7mmの曲率を
持った赤外吸収ガラス基板5を研磨し、この赤外吸収ガ
ラス基板5の平面側に多層膜フィルター層2aを形成し
て第2対物レンズ系32としている。
【0033】前記赤外吸収ガラス基板5としては、赤外
線吸収フィルター(HOYA製C5000基板)を用い
た。前記多層膜フィルター層2aの多層膜の膜組成を表
2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】本実施の形態3の多層膜は、真空蒸着法に
より、SiO2 とTa2 5 とを合計32層成膜するこ
とによって得た。また、赤外吸収ガラス基板5の曲率を
持った側の面には通常の反射防止膜を設けた。本実施の
形態3の多層膜の分光透過率特性を図5に示す。
【0036】また、前記多層膜と赤外吸収ガラス基板5
の両方を透過した場合の分光透過率特性を図6に示す。
この多層膜は、波長1060nmのYAGレーザー光の
透過率を赤外線吸収フィルターのみの場合の0.1%以
下にすることができた。
【0037】また、第1レンズ41、第2レンズ4、第
2の対物光学系32の他は、撮像素子であるCCD保護
用のCCDカバーガラス35とによって本対物光学系1
Bは構成され、CCDカバーガラス35の図4における
右側の面には図示しないCCDが接着されている。
【0038】本実施の形態3の対物光学系1Bの全長
(第1レンズ41の先端部からCCDカバーガラス35
の終端部までの長さ)は、3.0mmであり、比較例1
の対物光学系30に比較すると、長さで2.3mmの短
縮、割合にして57%の長さにすることが可能になった
【0039】また、本対物光学系1Bを組み込んだ内視
鏡によって試料観察を行ったところ、YAGレーザーに
よって治療処置を行った場合でも、比較例1の対物光学
系30を用いた内視鏡と撮影される画像の質に変化はな
く、にもかかわらず先端部の動きの自由度が向上したこ
とから、より広い範囲の試料観察をすることが可能とな
った。
【0040】(実施の形態4)本発明の実施の形態4で
は、実施の形態1と同じ対物光学系1を採用し、透明レ
ンズ基板3の同じ面に、表3に示すような膜組成の多層
膜フィルター層を設け、多層膜フィルター付きのレンズ
としている。本実施の形態4の多層膜フィルター付きの
レンズを組み込んだ対物光学系の構成は図1に示す対物
光学系1の場合と同様となる。
【0041】
【表3】
【0042】本実施の形態4の多層膜は、真空蒸着によ
り、SiO2 とTa2 5 とを合計32層成膜すること
によって得た。また、透明レンズ基板3の曲率を持った
側の面は通常の反射防止膜を設けた。
【0043】本実施の形態4の多層膜の分光透過率特性
を図5に示す。また、多層膜フィルター付きのレンズで
ある第2レンズ4と、赤外吸収ガラス34の両方を透過
した場合の分光透過率特性を図6に示す。
【0044】この多層膜は、波長780nmの半導体レ
ーザーのレーザー光の透過率を0.1%以下にすること
ができた。本実施の形態4の多層膜フィルター付きのレ
ンズを用いた対物光学系を組み込んだ内視鏡によって試
料観察を行なったところ、波長780nmの半導体レー
ザーのレーザー光によって治療処置を行った場合でも後
述する比較例2の対物光学系を用いた内視鏡と撮影され
る画像の質に変化はなく、にもかかわらず先端部の動き
の自由度が向上したことから、より広い範囲の試料観察
を行うことが可能となった。
【0045】(比較例2)比較例2として、比較例1と
同じ構成で多層膜の膜組成のみを実施の形態4の多層膜
に変えたものを挙げる。YAGレーザー光ではなく波長
780nmの半導体レーザーのレーザー光をCCDまで
透過させないこと以外は比較例1の場合と同様である。
【0046】(実施の形態5)本発明の実施の形態5の
多層膜フィルター付きのレンズを用いた対物光学系1C
を図7に示す。本実施の形態4では、片面R=2.8m
m、もう片面がR=1.9mmの曲率を持った色ガラス
基板15を研磨してレンズとし、この色ガラス基板15
の両面に多層膜フィルター層2c、2dを設けている。
色ガラス基板15としては、赤外線吸収フィルター(H
OYA製C5000基板)を用いた。R=1.9mmの
片面に設けられた多層膜2cの膜組成を前記表2に、R
=2.8mmの面に設けられた多層膜2dの膜組成を表
4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】本実施の形態5の多層膜2cは、真空蒸着
法により、SiO2 とTa2 5 とを合計32層成膜す
ることによって得た。また多層膜2dは、真空蒸着法に
より、SiO2 とTiO2 とを合計24層成膜すること
によって得た。多層膜2c及び2dの分光透過率特性を
図5及び図8に示す。
【0049】また、多層膜2c、2dと赤外吸収ガラス
基板15の両方を透過した場合の分光透過率特性を図9
に示す。この多層膜2c、2dは、波長1060nmの
YAGレーザー光及び波長780nmの半導体レーザー
のレーザー光の両方の透過率をともに赤外線吸収フィル
ターのみの場合の0.1%以下にすることができた。
【0050】図7において、第1レンズ41、第2レン
ズ4、赤外吸収ガラス基板15及び多層膜2c、2dか
らなる多層膜フィルター付きのレンズの他には、撮像素
子であるCCD保護用のCCDカバーガラス35によっ
て対物光学系1Cは構成され、CCDカバーガラス35
の図7において右側の面には図示しないCCDが接着さ
れている。
【0051】本実施の形態5の多層膜フィルター付きレ
ンズを用いた対物光学系1Cの全長(第1レンズ41の
先端部からCCDカバーガラス35の終端部までの長
さ)は、2.8mmであり、比較例2の対物光学系に比
較すると、長さで2.5mmの短縮、割合にして53%
の長さとすることが可能になった。
【0052】また、前記対物光学系1Cを組み込んだ内
視鏡により試料観察を行ったところ、YAGレーザー、
波長780nmの半導体レーザーのレーザー光のそれぞ
れによって治療処置を行ったどちらの場合でも、比較例
1でYAGレーザーによって治療処置を行った場合、あ
るいは比較例2で波長780nmの半導体レーザーのレ
ーザー光によって治療処置を行った場合の内視鏡撮影像
の質と変化はなく、にもかかわらず先端部の動きの自由
度が向上したことから、より広い範囲の試料観察を行う
ことが可能となった。
【0053】(実施の形態6)本発明の実施の形態6で
は、実施の形態1と同じ透明レンズ基板3の同じ面に、
表5に示すような多層膜フィルター層を設け、多層膜フ
ィルター付きのレンズとしている。本実施の形態6の多
層膜フィルター付きのレンズを組み込んだ対物光学系の
構成は図1に示す場合と同様になる。本実施の形態6の
多層膜は、真空蒸着法により、SiO2 とTiO2 とを
合計24層成膜することによって得た。また、透明レン
ズ基板3の曲率を持った側の面には通常の反射防止膜を
設けた。多層膜の分光透過率特性を図10に示す。この
多層膜は、波長400乃至455nmの青色光の透過率
を0.1%以下にすることができた。
【0054】
【表5】
【0055】本実施の形態6の多層膜フィルター付きの
レンズを用いた対物光学系を組み込んだ内視鏡によって
試料観察を行ったところ、比較例1の対物光学系を用い
た内視鏡と撮影される面像の質に変化はなく、にもかか
わらず先端部の動きの自由度か向上したことから、より
広い範囲の試料観察をすることができた。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
対物光学系のうち、結像に寄与するための部材に同時に
多層膜フィルターによって不要な光をカットする機能を
持たせることができ、内視鏡先端の硬質部を短く小さく
することが可能になり、従って、内視鏡の観察範囲の自
由度を大きくし、医療用内視鏡においては観察される被
験者の負担を軽減できるような内視鏡を実現するための
多層膜フィルター付きのレンズを提供することが可能に
なる。またこの応用として、内視鏡以外でもCCD等の
撮像素子を用いた光学系で使用することも可能である。
【0057】また、本発明によれば、対物光学系のう
ち、結像に寄与するための部材に同時に近赤外光をカッ
トするための多層膜フィルター付きのレンズによってレ
ーザーメス等で使用される近赤外域のレーザー光をカッ
トする機能を持たせることができるため、内視鏡先端の
硬質部を短く小さくすることが可能になる。
【0058】従って、内視鏡の観察範囲の自由度を大き
くし、医療用内視鏡においては観察される被験者の負担
を軽減できるような内視鏡を実現するための多層膜フィ
ルター付きレンズを提供することができる。
【0059】さらに、本発明によれば、対物光学系のう
ち、結像に寄与するための部材と赤外光等をカットする
ための色ガラス、さらに不要な光をカットするための多
層膜フィルターという3種の部材を僅か1部品で提供す
ることができるため、内視鏡先端の硬質部をさらに短く
小さくすることが可能になった。従って、内視鏡の観察
範囲の向由度をより大きくし、医療用内視鏡においては
観察される被験者の負担がより軽減できるような内視鏡
を実現するための多層膜フィルター付きレンズを提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の対物光学系を示す光学
配置図である。
【図2】本発明の実施の形態1の多層膜フィルター層の
分光透過率特性を示す特性図である。
【図3】本発明の実施の形態2の対物光学系を示す光学
配置図である。
【図4】本発明の実施の形態3の対物光学系を示す光学
配置図である。
【図5】本発明の実施の形態3の多層膜フィルター層の
分光透過率特性を示す特性図である。
【図6】本発明の実施の形態3の多層膜及び赤外吸収ガ
ラス基板の両方をレーザ光が透過した場合の分光透過率
特性を示す特性図である。
【図7】本発明の実施の形態5の対物光学系を示す光学
配置図である。
【図8】本発明の実施の形態5の多層膜の分光透過率特
性を示す特性図である。
【図9】本発明の実施の形態6の多層膜及び赤外吸収ガ
ラス基板の両方をレーザ光が透過した場合の分光透過率
特性を示す特性図である。
【図10】本発明の実施の形態6の多層膜の分光透過率
特性を示す特性図である。
【図11】従来の対物光学系を示す光学配置図である。
【符号の説明】
1 対物光学系 1A 対物光学系 1B 対物光学系 2 多層膜フィルター層 3 透明レンズ基板 4 第2レンズ 5 赤外吸収ガラス基板 15 赤外吸収ガラス基板 31 第1対物レンズ系 32 第2対物レンズ系 34 赤外吸収ガラス 35 CCDカバーレンズ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内視鏡の試料観察用対物光学系に使用さ
    れるレンズにおいて、特定の光を透過し、特定の光を透
    過させない多層膜フィルターを、一つのレンズの少なく
    とも一つの光学面として機能する面上に設けたことを特
    徴とする多層膜フィルター付きのレンズ。
  2. 【請求項2】 前記多層膜フィルターは、可視域の光を
    透過し、近赤外域の光を透過させないことを特微とする
    請求項1記載の多層膜フィルター付きのレンズ。
  3. 【請求項3】 前記多層膜フィルターは、特定の波長の
    光を吸収する色ガラスを基板に使用することを特徴とす
    る請求項1記載の多層膜フィルター付きのレンズ。
JP8056441A 1996-03-13 1996-03-13 多層膜フィルター付きのレンズ Pending JPH09243935A (ja)

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