JP6853769B2 - 偏波分離素子、光学系及び光学機器 - Google Patents

偏波分離素子、光学系及び光学機器 Download PDF

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Description

本発明は、偏波分離素子、光学系及び光学機器に関するものである。

従来、偏波分離素子は、誘電体多層膜を用いたものが知られている。そして、幅広い入射角度に対応し、誘電体多層膜を用いた構成は、例えば、特許文献1に提案されたものがある。
特開2010−152391号公報
しかしながら、従来の構成では、構造複屈折層を格子方向が直交するように複数層積層する技術である。このため、複雑な積層技術が要求されるという問題点がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、構造複屈折層を必要とせず、単純な多層膜(積層膜)により幅広い入射角度に対応する偏波分離素子、光学系及び光学機器を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る偏波分離素子は、1対の透光性基板の間に形成され、波長A1(nm)から波長A2(nm)の波長区間全域において、P偏光の透過率とS偏光の透過率が少なくともB%以上異なる偏波分離素子であって、
ここで、
設計波長λ(nm)において、
A1=λ×0.86、
A2=λ×1.7、
B(%)=22.5、
であり、
偏波分離素子は、第1の屈折率を有する第1の誘電体と、第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を有する第2の誘電体を交互に積層した誘電体交互積層構造を有し、誘電体交互積層構造は、P偏光の透過率の透過率高低差と、S偏光の透過率の透過率高低差が、それぞれ少なくとも15%以内の分光特性である広帯域偏波分離膜構成を、少なくとも波長A1(nm)から波長A2(nm)の波長区間全域のうちの1/4の波長区間範囲において有し、
さらに、誘電体交互積層構造は、波長区間全域の波長範囲に含まれ、前記波長範囲よりも狭い第1の波長範囲において、P偏光の透過率とS偏光の透過率が少なくとも30%以上異なる分光特性を、少なくとも波長A1(nm)から波長A2(nm)の波長区間全域のうちの1/8の波長区間範囲において有する第1の狭帯域偏波分離膜構成と、
さらに、誘電体交互積層構造は、波長区間全域の波長範囲に含まれ、波長範囲よりも狭く、第1の波長範囲とは重複しない第2の波長範囲において、P偏光の透過率とS偏光の透過率が少なくとも30%以上異なる分光特性を、少なくとも波長A1(nm)から波長A2(nm)の波長区間全域のうちの1/8の波長区間範囲において有する第2の狭帯域偏波分離膜構成と、を少なくとも有し、
偏波分離素子において、広帯域偏波分離膜構成は、第1の広帯域偏波分離膜構成と第2の広帯域偏波分離膜構成の2つ以下であり、透光性基板より順に、第1の誘電体、第2の誘電体、第1の誘電体、第2の誘電体の構成をしており、第1の誘電体の膜厚と第2の誘電体の膜厚は、以下の式(1)を満足することを特徴とする。
第1の誘電体の膜厚 (0.24±a1)×d
第2の誘電体の膜厚 (0.8±a2)×e
第1の誘電体の膜厚 (0.45±a3)×f
第2の誘電体の膜厚 (3.3±a4)×g (1)
ここで、
係数a1=0.15、
係数a2=0.2、
係数a3=0.2、
係数a4=0.6、
係数dは、第1の広帯域偏波分離膜構成=1、第2の広帯域偏波分離膜構成=1.2〜1.5、
係数eは、第1の広帯域偏波分離膜構成=1、第2の広帯域偏波分離膜構成=0.9〜1.2、
係数fは、第1の広帯域偏波分離膜構成=1、第2の広帯域偏波分離膜構成=0.4〜0.8、
係数gは、第1の広帯域偏波分離膜構成=1、第2の広帯域偏波分離膜構成=0.6〜0.95、
また、第2の広帯域偏波分離膜構成以降の広帯域偏波分離膜構成において、d=e=f=gとならず、計算値は光学膜厚(QWOT)である。
また、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る光学系は、上述の偏波分離素子を有することを特徴とする。
また、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る光学機器は、上述の光学系を有することを特徴とする。
本発明は、構造複屈折層を必要とせず、単純な多層膜(積層膜)により幅広い入射角度に対応する偏波分離素子、光学系及び光学機器を提供することという効果を奏する。
実施例1に係る偏波分離素子の層構成を示す図である。 実施例1に係る偏波分離素子の透過率特性を示す図である。 実施例1に係る偏波分離素子の透過率特性を示す別の図である。 実施例1に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに別の図である。 実施例1に係る偏波分離素子の透過率特性を示す他の図である。 実施例1に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに他の図である。 実施例2に係る偏波分離素子の層構成を示す図である。 実施例2に係る偏波分離素子の透過率特性を示す図である。 実施例2に係る偏波分離素子の透過率特性を示す別の図である。 実施例2に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに別の図である。 実施例2に係る偏波分離素子の透過率特性を示す他の図である。 実施例2に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに他の図である。 実施例3に係る偏波分離素子の層構成を示す図である。 実施例3に係る偏波分離素子の透過率特性を示す図である。 実施例3に係る偏波分離素子の透過率特性を示す別の図である。 実施例3に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに別の図である。 実施例3に係る偏波分離素子の透過率特性を示す他の図である。 実施例3に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに他の図である。 実施例4に係る偏波分離素子の層構成を示す図である。 実施例4に係る偏波分離素子の透過率特性を示す図である。 実施例4に係る偏波分離素子の透過率特性を示す別の図である。 実施例4に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに別の図である。 実施例4に係る偏波分離素子の透過率特性を示す他の図である。 実施例4に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに他の図である。 実施例5に係る偏波分離素子の層構成を示す図である。 実施例5に係る偏波分離素子の透過率特性を示す図である。 実施例5に係る偏波分離素子の透過率特性を示す別の図である。 実施例5に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに別の図である。 実施例5に係る偏波分離素子の透過率特性を示す他の図である。 実施例5に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに他の図である。 実施例6に係る偏波分離素子の層構成を示す図である。 実施例6に係る偏波分離素子の透過率特性を示す図である。 実施例6に係る偏波分離素子の透過率特性を示す別の図である。 実施例6に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに別の図である。 実施例6に係る偏波分離素子の透過率特性を示す他の図である。 実施例6に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに他の図である。 実施例7に係る偏波分離素子の層構成を示す図である。 実施例7に係る偏波分離素子の透過率特性を示す図である。 実施例7に係る偏波分離素子の透過率特性を示す別の図である。 実施例7に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに別の図である。 実施例7に係る偏波分離素子の透過率特性を示す他の図である。 実施例7に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに他の図である。 実施例7に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに他の図である。 実施例8に係る偏波分離素子の層構成を示す図である。 実施例8に係る偏波分離素子の透過率特性を示す図である。 実施例8に係る偏波分離素子の透過率特性を示す別の図である。 実施例8に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに別の図である。 実施例8に係る偏波分離素子の透過率特性を示す他の図である。 実施例8に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに他の図である。 実施例8に係る偏波分離素子の透過率特性を示すさらに他の図である。 各実施例の透光性基板側4層の平均屈折率を示す図である。 各実施例に係る偏波分離素子を有するプリズム素子の構成を示す図である。 実施例9に係る光学系の構成を示す図である。 実施例10に係る光学機器の構成を示す図である。 実施例10に係る光学機器の構成を示す別の図である。
以下に、実施形態に係る偏波分離素子、偏波分離素子設計方法、光学系及び光学機器を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により、この発明が限定されるものではない。
実施形態に係る偏波分離素子について説明する。偏波分離素子は、1対の透光性基板の間に、第1の屈折率を有する第1の誘電体と、第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を有する第2の誘電体を交互に積層した誘電体交互積層構造を有する。
そして、偏波分離素子は、1対の透光性基板の間に形成され、波長A1(nm)から波長A2(nm)の波長区間全域において、P偏光の透過率とS偏光の透過率が少なくともB%以上異なる。
ここで、
設計波長λ(nm)において、
A1=λ×0.86、
A2=λ×1.7、
B=22.5、
である。
誘電体交互積層構造は、P偏光の透過率の透過率高低差と、S偏光の透過率の透過率高低差が、それぞれ少なくとも15%以内の分光特性である広帯域偏波分離膜構成を、少なくとも波長A1(nm)から波長A2(nm)の波長区間全域のうちの1/4の波長区間範囲において有している。
さらに、誘電体交互積層構造は、波長区間全域の波長範囲に含まれ、波長範囲よりも狭い第1の波長範囲において、P偏光の透過率とS偏光の透過率が少なくとも30%以上異なる分光特性を、少なくとも波長A1(nm)から波長A2(nm)の波長区間全域のうちの1/8の波長区間範囲において有する第1の狭帯域偏波分離膜構成を有する。
さらに、誘電体交互積層構造は、波長区間全域の波長範囲に含まれ、波長範囲よりも狭く、第1の波長範囲とは重複しない第2の波長範囲において、P偏光の透過率とS偏光の透過率が少なくとも30%以上異なる分光特性を、少なくとも波長A1(nm)から波長A2(nm)の波長区間全域のうちの1/8の波長区間範囲において有する第2の狭帯域偏波分離膜構成と、を少なくとも有する。
上述の膜構成により、構造複屈折層を必要とせず、単純な多層膜(積層膜)により幅広い入射角度に対応し、リップルの少ない偏光分離素子を得ることができる。
以下、式(1)及び以下すべての説明において、符号「H」は、第1の誘電体の膜厚(高屈折率材料層)、「L」は、第2の誘電体の膜厚(低屈折率材料層)であることを示す。
偏波分離素子において、広帯域偏波分離膜構成は、第1の広帯域偏波分離膜構成と第2の広帯域偏波分離膜構成の2つ以下であり、透光性基板より順に、第1の誘電体、第2の誘電体、第1の誘電体、第2の誘電体の構成をしており、第1の誘電体の膜厚Hと第2の誘電体の膜厚Lは、以下の式(1)を満足することが望ましい。
H (0.24±a1)×d
L (0.8±a2)×e
H (0.45±a3)×f
L (3.3±a4)×g (1)
ここで、
係数a1=0.15、
係数a2=0.2、
係数a3=0.2、
係数a4=0.6、
係数dは、第1の広帯域偏波分離膜構成=1、第2の広帯域偏波分離膜構成=1.2〜1.5、
係数eは、第1の広帯域偏波分離膜構成=1、第2の広帯域偏波分離膜構成=0.9〜1.2、
係数fは、第1の広帯域偏波分離膜構成=1、第2の広帯域偏波分離膜構成=0.4〜0.8、
係数gは、第1の広帯域偏波分離膜構成=1、第2の広帯域偏波分離膜構成=0.6〜0.95である。
また、第2の広帯域偏波分離膜構成以降の広帯域偏波分離膜構成において、d=e=f=gとはならない。
光学膜厚は、参照波長をλとしたとき、λ/4=1.0(QWOT)として表している。
また、本実施形態の好ましい態様によれば、
第1の狭帯域偏波分離膜構成と第2の狭帯域偏波分離膜構成は、それぞれ、
透光性基板側から順に、
第1の誘電体と、
第2の誘電体と、
第1の誘電体と、
第2の誘電体と、
第1の誘電体と、
または、
透光性基板側から順に、
第2の誘電体と、
第1の誘電体と、
第2の誘電体と、
第1の誘電体と、
第2の誘電体と、
が積層されている構成を有している。
第1の誘電体の膜厚Hと第2の誘電体の膜厚Lは、以下の式(2−1)又は(2−2)を満足することが望ましい。
H (1.975±b1)×h、
L (1.975±b2)×i、
H (1.825±b3)×j、
L (1.675±b4)×k、
H (1.675±b5)×l (2−1)、
ここで、
係数b1=0.4、
係数b2=0.4、
係数b3=0.3、
係数b4=0.3、
係数b5=0.3、
及び、
L (1.975±b1)×h、
H (1.975±b2)×i、
L (1.825±b3)×j、
H (1.675±b4)×k、
L (1.675±b5)×l (2−2)、
ここで、
係数b1=0.4、
係数b2=0.4、
係数b3=0.3、
係数b4=0.3、
係数b5=0.3、
のいずれか一方である。
係数hは、第1の狭帯域偏波分離膜構成=1、第2の狭帯域偏波分離膜構成=0.37±0.05、
係数iは、第1の狭帯域偏波分離膜構成=1、第2の狭帯域偏波分離膜構成=0.46±0.11、
係数jは、第1の狭帯域偏波分離膜構成=1、第2の狭帯域偏波分離膜構成=0.46±0.2、
係数kは、第1の狭帯域偏波分離膜構成=1、第2の狭帯域偏波分離膜構成=0.42±0.16、
係数lは、第1の狭帯域偏波分離膜構成=1、第2の狭帯域偏波分離膜構成=0.28±0.1、である。
上述したように、計算値は光学膜厚(QWOT)である。
第2の広帯域偏波分離膜構成以降の狭帯域偏波分離膜構成において、h=i=j=k=lとはならない。
また、本実施形態の好ましい態様によれば、第1の狭帯域偏波分離膜構成と、第2の狭帯域偏波分離膜構成と、は異なる第3の狭帯域偏波分離膜構成を有することが望ましい。
また、本実施形態の好ましい態様によれば、誘電体交互積層構造の両端に配置された1対の透光性基板に接する偏波分離膜構成のうち、それぞれ透光性基板側から4層の平均屈折率が、透光性基板の屈折率に対して、±0.2の範囲に入っていることが望ましい。
また、本実施形態の好ましい態様によれば、広帯域偏波分離膜構成は、使用する入射角度範囲の最大値において、P偏光の透過率TpとS偏光の透過率Tsの差が10%以上である波長範囲を、少なくとも波長A1(nm)から波長A2(nm)の波長区間全域のうちの1/2の波長区間範囲で有し、
さらに使用する入射角度範囲において、少なくとも波長A1(nm)から波長A2(nm)の波長区間全域のうちの1/4の波長区間範囲内において、P偏光の透過率高低差TTpとS偏光の透過率高低差TTsがそれぞれ15%以内である分光特性を有し、
少なくとも何れかの狭帯域偏波分離膜構成が、使用する入射角度範囲において、P偏光の透過率TpとS偏光の透過率Tsが以下の関係を満足する。
P偏光の透過率Tp>S偏光の透過率Ts
かつ、P偏光の透過率TpとS偏光の透過率Tsの差が30%以上となる分光特性を示す波長範囲として、少なくとも波長A1(nm)から波長A2(nm)の波長区間全域のうちの1/8の波長区間範囲において有することが望ましい。
また、本実施形態の好ましい態様によれば、透光性基板と接する層、広帯域偏波分離膜構成と何れかの狭帯域偏波分離膜構成の間の層、少なくとも第1の狭帯域偏波分離膜構成と第2の狭帯域偏波分離膜構成同士の間の層に関して、マッチングを取ることが望ましい。
ここで、マッチングの際、上述した比率及び計算方法による値とは異なる他の値の膜厚を用いることもできる。
また、本実施形態の好ましい態様によれば、透光性基板は、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、水晶、BK7(商品名)、Tempax(商品名)等の光学ガラス、結晶材料、半導体基板、合成樹脂から選択することが望ましい。
また、本実施形態の好ましい態様によれば、第1の誘電体の材料(高屈折率材料)と第2の誘電体の材料(低屈折率材料)は、TiO、TiO2、Y23、Ta25、ZrO、ZrO2、Si、SiO2、HfO2、Ge、Nb25、Nb26、CeO2、Cef3、ZnS、ZnO、Fe23、MgF2、AlF3、CaF2、LiF、Na3AlF6、Na5 314、Al23、MgO、LaF、PbF2、NdF3、又はこれらの混合材料の中から、少なくとも2種類以上を選択することが望ましい。
また、本実施形態の好ましい態様によれば、第1の誘電体の材料(高屈折率材料)と第2の誘電体の材料(低屈折率材料)との、2種類以上の誘電体が積層する方法は、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティングの物理膜厚気相成長法、抵抗加熱蒸着、電子ビーム加熱蒸着、高周波加熱蒸着、レーザービーム加熱蒸着、イオン化スパッタ、イオンビームスパッタ、プラズマスパッタ、イオンアシスト、ラジカルアシストスパッタの何れかを採用することが望ましい。
また、本実施形態の好ましい態様によれば、1対の透光性基板の間に、高屈折率材料と低屈折率材料を含め、2種類以上の誘電体が積層する誘電体交互積層構造(偏光分離膜構成)を有し、偏波分離素子は、最大で35〜60度の入射角度で偏波分離特性を示すことが望ましい。
また、本実施形態の好ましい態様によれば、1対の透光性基板の間に、第1の誘電体の材料と第2の誘電体の材料を含む2種類以上の誘電体が積層する誘電体交互積層構造(偏光分離膜構成)を有し、1対の透光性基板のどちらか一方の面と誘電体交互積層構成の間に、接着剤を含む接着層を有することが望ましい。
実施形態に係る偏波分離素子を設計する方法によれば、1対の透光性基板の間に構成される、所定の波長範囲でP偏光とS偏光を分離する偏波分離素子を設計する方法であり、
所定の波長範囲に含まれる第1の波長範囲でP偏光の透過率とS偏光の透過率が所定値以上異なる分光特性を有する広帯域偏波分離膜構成を設計する広帯域偏波分離膜構成設計工程と、
第1の波長範囲に含まれ、第1の波長範囲よりも狭い第2の波長範囲において、P偏光の透過率とS偏光の透過率が所定値以上異なる分光特性を有する第1の狭帯域偏波分離膜構成を設計する第1の狭帯域偏波分離膜構成設計工程と、
第1の波長範囲に含まれ、第1の波長範囲よりも狭く、第2の波長範囲とは重複しない、第3の波長範囲において、P偏光の透過率とS偏光の透過率が所定値以上異なる分光特性を有する第2の狭帯域偏波分離膜構成を設計する第2の狭帯域偏波分離膜構成設計工程と、を少なくとも有することを特徴とする。
また、本実施形態に係る光学系は、上述の偏波分離素子を有することを特徴とする。
また、本実施形態に係る光学機器は、上述の光学系を有することを特徴とする。
本実施形態に係る偏波分離素子は、内視鏡用の対物光学系に用いることが好ましい。これに限られず、例えば、顕微鏡用の対物レンズ、カメラ、眼鏡、望遠鏡等のレンズ、プリズム、フィルタにも適用することが出来る。本実施形態に係る光学機器は、例えば、これらの光学機器であり、本実施形態に係る光学系は、例えば、これらの光学機器が有する光学系である。
ここで、上記各式を正確に満足する必要はなく、偏波分離素子に要求される性能と製造誤差を鑑み、本発明の実施者は適宜許容誤差を設定できるのは言うまでも無い。例えば、発明者の試算によれば、5%の誤差でも実用可能であり、3%の誤差なら良好な特性が得られた。しかしながら、特に精密性を要求される場合には、1%以内の誤差が好ましい。
(実施例1)
図1は、実施例1に係る偏波分離素子の層構成を示す表である。光学膜厚は、参照波長をλとしたとき、λ/4=1.0(QWOT)として表している。本実施例の偏波分離素子は、図1に示すように、透光性基板上に、低屈折率物質としてのSiO(屈折率nL=1.47)と、高屈折率物質としてのTa(屈折率nH=2.24)と、を交互に積層して成る多層膜を有し、交互に積層させた19層の偏波分離膜構成である。
高屈折率物質としてのTaは、図1に示す上側の透光性基板側から順に、第1、第3、第5、第7、第9、第11、第13、第15層、第17及び第19層に配置されている。低屈折率物質としてのSiOは、第2、第4、第6、第8、第10、第12、第14、第16層及び第18層に配置されている。
図2は、実施例1に係る偏波分離素子の透過率特性を示す図である。
図3は、実施例1に係る偏波分離素子の広帯域偏波分離構成(1)の透過率特性を示す図である。
図4は、実施例1に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(1)の透過率特性を示す図である。
図5は、実施例1に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(2)の透過率特性を示す図である。
図6は、実施例1に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(3)の透過率特性を示す図である。以下、全ての透過率特性の図は、横軸に波長(nm)、縦軸に透過率(%)を示す。
実施例1では、広帯域偏波分離構成の各構成は、
波長400nm〜850nmの1/2の波長範囲、即ち波長225nm以上で、広帯域偏波分離構成は、P偏光の透過率とS偏光の透過率の差が10%以上を達成し、
波長400nm〜850nmの1/4の波長範囲、即ち波長112.5nm以上で、広帯域偏波分離構成は、透過率高低差が15%以内を達成している。
また、2つの狭帯域偏波分離構成(1)、狭帯域偏波分離構成(2)は、波長400nm〜850nmの1/8の波長範囲、即ち56.25nmにより、第1の狭帯域偏光分離、第2の狭帯域偏光分離を達成している。
さらに、狭帯域偏光分離が、P偏光の透過率TpとS偏光の透過率TsがTp>Ts、かつTpとTsの差が30%以上となる偏波分離特性を波長400nm〜850nmの1/8の波長範囲、すなわち52nm以上(56.25nm)を達成している。
さらに19層の多層膜が組み合わさった構成で、図1の入射角35°〜53°の分光特性を示す。このように、波長400nm〜850nmの波長範囲で35°〜53°の広角度で偏光分離特性が得られる。
また、1対の両側の透光性基板に接する多層膜構造のうち、それぞれ透光性基板側から4層の平均屈折率を図51に示す。本実施例では、透光性基板の屈折率に対して、±0.2の範囲に入っていることがわかる。
また、透光性基板の材質として、例えば無アルカリガラスやホウケイ酸ガラス、石英ガラス、水晶、BK7(商品名)、Tempax(商品名)等の光学ガラス、その他にサファイア等の結晶材料、半導体基板、合成樹脂などを使用できる。
さらに、第1の誘電体(高屈折率層)の材料Hと第2の誘電体(低屈折率層)の材料Lは、例えばTiO、TiO、Y、Ta、ZrO、ZrO、Si、SiO、HfO、Ge、Nb、Nb、CeO、Cef、ZnS、ZnO、Fe、MgF、AlF、CaF、LiF、NaAlF、NaAL14、Al、MgO、LaF、PbF、NdF、又はこれらの混合材料の中から、少なくとも2種類以上を選択した材料を使用できる。
また、第1の誘電体の材料と第2の誘電体の材料との、2種類以上の誘電体が積層する方法は、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティングの物理膜厚気相成長法、抵抗加熱蒸着、電子ビーム加熱蒸着、高周波加熱蒸着、レーザービーム加熱蒸着、イオン化スパッタ、イオンビームスパッタ、プラズマスパッタ、イオンアシスト、ラジカルアシストスパッタの何れかを採用することが望ましい。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。上述の実施例1と重複する部分は、説明を省略する。
図7は、実施例2に係る偏波分離素子の層構成を示す表である。光学膜厚は、参照波長をλとしたとき、λ/4=1.0(QWOT)として表している。本実施例の偏波分離素子は、図7に示すように、透光性基板上に、低屈折率物質としてのSiO(屈折率nL=1.47)と、高屈折率物質としてのTa(屈折率nH=2.24)と、を交互に積層して成る多層膜を有し、交互に積層させた19層の偏波分離膜構成である。
高屈折率物質としてのTaは、図7に示す上側の透光性基板側から順に、第1、第3、第5、第7、第9、第11、第13、第15層、第17及び第19層に配置されている。低屈折率物質としてのSiOは、第2、第4、第6、第8、第10、第12、第14、第16層及び第18層に配置されている。
図8は、実施例2に係る偏波分離素子の透過率特性を示す図である。
図9は、実施例2に係る偏波分離素子の広帯域偏波分離構成(1)の透過率特性を示す図である。
図10は、実施例2に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(1)の透過率特性を示す図である。
図11は、実施例2に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(2)の透過率特性を示す図である。
図12は、実施例2に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(3)の透過率特性を示す図である。
実施例2では、広帯域偏波分離構成の各構成は、
波長400nm〜850nmの1/2の波長範囲、即ち波長225nm以上で、広帯域偏波分離構成は、P偏光の透過率とS偏光の透過率の差が10%以上を達成し、
波長400nm〜850nmの1/4の波長範囲、即ち波長112.5nm以上で、広帯域偏波分離構成は、透過率高低差が15%以内を達成している。
また、2つの狭帯域偏波分離構成(1)、狭帯域偏波分離構成(2)は、波長400nm〜850nmの1/8の波長範囲、即ち56.25nmにより、第1の狭帯域偏光分離、第2の狭帯域偏光分離を達成している。
さらに、狭帯域偏光分離が、P偏光の透過率TpとS偏光の透過率TsがTp>Ts、かつTpとTsの差が30%以上となる偏波分離特性を波長400nm〜850nmの1/8の波長範囲、すなわち52nm以上(56.25nm)を達成している。
さらに19層の多層膜が組み合わさった構成で、図8の入射角35°〜60°の分光特性を示す。このように、波長400nm〜850nmの波長範囲で35°〜60°の広角度で偏光分離特性が得られる。
また、1対の両側の透光性基板に接する多層膜構造のうち、それぞれ透光性基板側から4層の平均屈折率を図51に示す。本実施例では、透光性基板の屈折率に対して、±0.2の範囲に入っていることがわかる。
(実施例3)
次に、実施例3について説明する。上述の各実施例と重複する部分は、説明を省略する。
図13は、実施例3に係る偏波分離素子の層構成を示す表である。光学膜厚は、参照波長をλとしたとき、λ/4=1.0(QWOT)として表している。本実施例の偏波分離素子は、図13に示すように、透光性基板上に、低屈折率物質としてのSiO(屈折率nL=1.47)と、高屈折率物質としてのTa(屈折率nH=2.24)と、を交互に積層して成る多層膜を有し、交互に積層させた19層の偏波分離膜構成である。
高屈折率物質としてのTaは、図13に示す上側の透光性基板側から順に、第1、第3、第5、第7、第9、第11、第13、第15層、第17及び第19層に配置されている。低屈折率物質としてのSiOは、第2、第4、第6、第8、第10、第12、第14、第16層及び第18層に配置されている。
図14は、実施例3に係る偏波分離素子の透過率特性を示す図である。
図15は、実施例3に係る偏波分離素子の広帯域偏波分離構成(1)の透過率特性を示す図である。
図16は、実施例3に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(1)の透過率特性を示す図である。
図17は、実施例3に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(2)の透過率特性を示す図である。
図18は、実施例3に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(3)の透過率特性を示す図である。
実施例3では、広帯域偏波分離構成の各構成は、
波長430nm〜850nmの1/2の波長範囲、即ち波長210nm以上で、広帯域偏波分離構成は、P偏光の透過率とS偏光の透過率の差が10%以上を達成し、
波長430nm〜850nmの1/4の波長範囲、即ち波長105nm以上で、広帯域偏波分離構成は、透過率高低差が15%以内を達成している。
また、2つの狭帯域偏波分離構成(1)、狭帯域偏波分離構成(2)は、波長430nm〜850nmの1/8の波長範囲、即ち52.5nmにより、第1の狭帯域偏光分離、第2の狭帯域偏光分離を達成している。
さらに、狭帯域偏光分離が、P偏光の透過率TpとS偏光の透過率TsがTp>Ts、かつTpとTsの差が30%以上となる偏波分離特性を波長430nm〜850nmの1/8の波長範囲、すなわち52nm以上(52.5nm)を達成している。
さらに19層の多層膜組み合わさった構成で、図14の入射角35°〜60°の分光特性を示す。このように、波長430nm〜850nmの波長範囲で35°〜60°の広角度で偏光分離特性が得られる。
また、1対の両側の透光性基板に接する多層膜構造のうち、それぞれ透光性基板側から4層の平均屈折率を図51に示す。本実施例では、透光性基板の屈折率に対して、±0.2の範囲に入っていることがわかる。
(実施例4)
次に、実施例4について説明する。上述の各実施例と重複する部分は、説明を省略する。
図19は、実施例4に係る偏波分離素子の層構成を示す表である。光学膜厚は、参照波長をλとしたとき、λ/4=1.0(QWOT)として表している。本実施例の偏波分離素子は、図19に示すように、透光性基板上に、低屈折率物質としてのSiO(屈折率nL=1.47)と、高屈折率物質としてのTa(屈折率nH=2.24)と、を交互に積層して成る多層膜を有し、交互に積層させた19層の偏波分離膜構成である。
高屈折率物質としてのTaは、図19に示す上側の透光性基板側から順に、第1、第3、第5、第7、第9、第11、第13、第15層、第17及び第19層に配置されている。低屈折率物質としてのSiOは、第2、第4、第6、第8、第10、第12、第14、第16層及び第18層に配置されている。
図20は、実施例4に係る偏波分離素子の透過率特性を示す図である。
図21は、実施例4に係る偏波分離素子の広帯域偏波分離構成(1)の透過率特性を示す図である。
図22は、実施例4に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(1)の透過率特性を示す図である。
図23は、実施例4に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(2)の透過率特性を示す図である。
図24は、実施例4に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(3)の透過率特性を示す図である。
実施例4では、広帯域偏波分離構成の各構成は、
波長430nm〜850nmの1/2の波長範囲、即ち波長210nm以上で、広帯域偏波分離構成は、P偏光の透過率とS偏光の透過率の差が10%以上を達成し、
波長430nm〜850nmの1/4の波長範囲、即ち波長105nm以上で、広帯域偏波分離構成は、透過率高低差が15%以内を達成している。
また、2つの狭帯域偏波分離構成(1)、狭帯域偏波分離構成(2)は、波長430nm〜850nmの1/8の波長範囲、即ち52.5nmにより、第1の狭帯域偏光分離、第2の狭帯域偏光分離を達成している。
さらに、狭帯域偏光分離が、P偏光の透過率TpとS偏光の透過率TsがTp>Ts、かつTpとTsの差が30%以上となる偏波分離特性を波長430nm〜850nmの1/8の波長範囲、すなわち52nm以上(52.5nm)を達成している。
さらに19層の多層膜組み合わさった構成で、図20の入射角35°〜55°の分光特性を示す。このように、波長430nm〜850nmの波長範囲で35°〜55°の広角度で偏光分離特性が得られる。
また、1対の両側の透光性基板に接する多層膜構造のうち、それぞれ透光性基板側から4層の平均屈折率を図51に示す。本実施例では、透光性基板の屈折率に対して、±0.2の範囲に入っていることがわかる。
(実施例5)
次に、実施例5について説明する。上述の各実施例と重複する部分は、説明を省略する。
図25は、実施例5に係る偏波分離素子の層構成を示す表である。光学膜厚は、参照波長をλとしたとき、λ/4=1.0(QWOT)として表している。本実施例の偏波分離素子は、図25に示すように、透光性基板上に、低屈折率物質としてのSiO(屈折率nL=1.47)と、高屈折率物質としてのTa(屈折率nH=2.24)と、を交互に積層して成る多層膜を有し、交互に積層させた19層の偏波分離膜構成である。
高屈折率物質としてのTaは、図25に示す上側の透光性基板側から順に、第1、第3、第5、第7、第9、第11、第13、第15層、第17及び第19層に配置されている。低屈折率物質としてのSiOは、第2、第4、第6、第8、第10、第12、第14、第16層及び第18層に配置されている。
図26は、実施例5に係る偏波分離素子の透過率特性を示す図である。
図27は、実施例5に係る偏波分離素子の広帯域偏波分離構成(1)の透過率特性を示す図である。
図28は、実施例5に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(1)の透過率特性を示す図である。
図29は、実施例5に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(2)の透過率特性を示す図である。
図30は、実施例5に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(3)の透過率特性を示す図である。
実施例5では、広帯域偏波分離構成の各構成は、
波長430nm〜850nmの1/2の波長範囲、即ち波長210nm以上で、広帯域偏波分離構成は、P偏光の透過率とS偏光の透過率の差が10%以上を達成し、
波長430nm〜850nmの1/4の波長範囲、即ち波長105nm以上で、広帯域偏波分離構成は、透過率高低差が15%以内を達成している。
また、2つの狭帯域偏波分離構成(1)、狭帯域偏波分離構成(2)は、波長430nm〜850nmの1/8の波長範囲、即ち52.5nmにより、第1の狭帯域偏光分離、第2の狭帯域偏光分離を達成している。
さらに、狭帯域偏光分離が、P偏光の透過率TpとS偏光の透過率TsがTp>Ts、かつTpとTsの差が30%以上となる偏波分離特性を波長430nm〜850nmの1/8の波長範囲、すなわち52nm以上(52.5nm)を達成している。
さらに19層の多層膜組み合わさった構成で、図26の入射角35°〜60°の分光特性を示す。このように、波長430nm〜850nmの波長範囲で35°〜60°の広角度で偏光分離特性が得られる。
また、1対の両側の透光性基板に接する多層膜構造のうち、それぞれ透光性基板側から4層の平均屈折率を図51に示す。本実施例では、透光性基板の屈折率に対して、±0.2の範囲に入っていることがわかる。
(実施例6)
次に、実施例6について説明する。上述の各実施例と重複する部分は、説明を省略する。
図31は、実施例6に係る偏波分離素子の層構成を示す表である。光学膜厚は、参照波長をλとしたとき、λ/4=1.0(QWOT)として表している。本実施例の偏波分離素子は、図31に示すように、透光性基板上に、低屈折率物質としてのSiO(屈折率nL=1.47)と、高屈折率物質としてのTiO(屈折率nH=2.54)と、を交互に積層して成る多層膜を有し、交互に積層させた19層の偏波分離膜構成である。
高屈折率物質としてのTiOは、図31に示す上側の透光性基板側から順に、第1、第3、第5、第7、第9、第11、第13、第15層、第17及び第19層に配置されている。低屈折率物質としてのSiOは、第2、第4、第6、第8、第10、第12、第14、第16層及び第18層に配置されている。
図32は、実施例6に係る偏波分離素子の透過率特性を示す図である。
図33は、実施例6に係る偏波分離素子の広帯域偏波分離構成(1)の透過率特性を示す図である。
図34は、実施例6に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(1)の透過率特性を示す図である。
図35は、実施例6に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(2)の透過率特性を示す図である。
図36は、実施例6に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(3)の透過率特性を示す図である。
実施例6では、広帯域偏波分離構成の各構成は
波長430nm〜850nmの1/2の波長範囲、即ち波長210nm以上で、広帯域偏波分離構成は、P偏光の透過率とS偏光の透過率の差が10%以上を達成し、
波長430nm〜850nmの1/4の波長範囲、即ち波長105nm以上で、広帯域偏波分離構成は、透過率高低差が15%以内を達成している。
また、2つの狭帯域偏波分離構成(1)、狭帯域偏波分離構成(2)は、波長430nm〜850nmの1/8の波長範囲、即ち52.5nmにより、第1狭帯域偏光分離、第2の狭帯域偏光分離を達成している。
さらに、狭帯域偏光分離が、P偏光の透過率TpとS偏光の透過率TsがTp>Ts、かつTpとTsの差が30%以上となる偏波分離特性を波長430nm〜850nmの1/8の波長範囲、すなわち52nm以上(52.5nm)を達成している。
さらに19層の多層膜組み合わさった構成で、図32の入射角35°〜60°の分光特性を示す。このように、波長430nm〜850nmの波長範囲で35°〜60°の広角度で偏光分離特性が得られる。
また、1対の両側の透光性基板に接する多層膜構造のうち、それぞれ透光性基板側から4層の平均屈折率を図51に示す。本実施例では、透光性基板の屈折率に対して、±0.2の範囲に入っていることがわかる。
(実施例7)
次に、実施例7について説明する。上述の各実施例と重複する部分は、説明を省略する。
図37は、実施例7に係る偏波分離素子の層構成を示す表である。光学膜厚は、参照波長をλとしたとき、λ/4=1.0(QWOT)として表している。本実施例の偏波分離素子は、図37に示すように、透光性基板上に、低屈折率物質としてのSiO(屈折率nL=1.47)と、高屈折率物質としてのTa(屈折率nH=2.24)と、を交互に積層して成る多層膜を有し、交互に積層させた23層の偏波分離膜構成である。
高屈折率物質としてのTaは、図37に示す上側の透光性基板側から順に、第1、第3、第5、第7、第9、第11、第13、第15層、第17、第19層、第21層及び第23層に配置されている。低屈折率物質としてのSiOは、第2、第4、第6、第8、第10、第12、第14、第16層、第18層、第20層及び第22層に配置されている。
図38は、実施例7に係る偏波分離素子の透過率特性を示す図である。
図39は、実施例7に係る偏波分離素子の広帯域偏波分離構成(1)の透過率特性を示す図である。
図40は、実施例7に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(1)の透過率特性を示す図である。
図41は、実施例7に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(2)の透過率特性を示す図である。
図42は、実施例7に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(3)の透過率特性を示す図である。
図43は、実施例7に係る偏波分離素子の広帯域偏波分離構成(2)の透過率特性を示す図である。
実施例7では、広帯域偏波分離構成の各構成は、
波長430nm〜850nmの1/2の波長範囲、即ち波長210nm以上で、広帯域偏波分離構成は、P偏光の透過率とS偏光の透過率の差が10%以上を達成し、
波長430nm〜850nmの1/4の波長範囲、即ち波長105nm以上で、広帯域偏波分離構成は、透過率高低差が15%以内を達成している。
また、2つの挟帯域偏波分離構成(1)、挟帯域偏波分離構成(2)は、波長430nm〜850nmの1/8の波長範囲、即ち52.5nmにより、第1の狭帯域偏光分離、第2の狭帯域偏光分離を達成している。
さらに、狭帯域偏光分離が、P偏光の透過率TpとS偏光の透過率TsがTp>Ts、かつTpとTsの差が30%以上となる偏波分離特性を波長430nm〜850nmの1/8の波長範囲、すなわち52nm以上(52.5nm)を達成している。
さらに23層の多層膜組み合わさった構成で、図38の入射角35°〜60°の分光特性を示す。このように、波長430nm〜850nmの波長範囲で35°〜60°の広角度で偏光分離特性が得られる。
また、1対の両側の透光性基板に接する多層膜構造のうち、それぞれ透光性基板側から4層の平均屈折率を図51に示す。本実施例では、透光性基板の屈折率に対して、±0.2の範囲に入っていることがわかる。
(実施例8)
次に、実施例8について説明する。上述の各実施例と重複する部分は、説明を省略する。
図44は、実施例8に係る偏波分離素子の層構成を示す表である。光学膜厚は、参照波長をλとしたとき、λ/4=1.0(QWOT)として表している。本実施例の偏波分離素子は、図44に示すように、透光性基板上に、低屈折率物質としてのSiO(屈折率nL=1.47)と、高屈折率物質としてのTa(屈折率nH=2.24)と、を交互に積層して成る多層膜を有し、交互に積層させた23層の偏波分離膜構成である。
高屈折率物質としてのTaは、図44に示す上側の透光性基板側から順に、第1、第3、第5、第7、第9、第11、第13、第15層、第17、第19層、第21層及び第23層に配置されている。低屈折率物質としてのSiOは、第2、第4、第6、第8、第10、第12、第14、第16層、第18層、第20層及び第22層に配置されている。
図45は、実施例8に係る偏波分離素子の透過率特性を示す図である。
図46は、実施例8に係る偏波分離素子の広帯域偏波分離構成(1)の透過率特性を示す図である。
図47は、実施例8に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(1)の透過率特性を示す図である。
図48は、実施例8に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(2)の透過率特性を示す図である。
図49は、実施例8に係る偏波分離素子の狭帯域偏波分離構成(3)の透過率特性を示す図である。
図49は、実施例8に係る偏波分離素子の広帯域偏波分離構成(2)の透過率特性を示す図である。
実施例8では、広帯域偏波分離構成の各構成は、
波長430nm〜850nmの1/2の波長範囲、即ち波長210nm以上で、広帯域偏波分離構成は、P偏光の透過率とS偏光の透過率の差が10%以上を達成し、
波長430nm〜850nmの1/4の波長範囲、即ち波長105nm以上で、広帯域偏波分離構成は、透過率高低差が15%以内を達成している。
また、2つの狭帯域偏波分離構成(1)、狭帯域偏波分離構成(2)は、波長430nm〜850nmの1/8の波長範囲、即ち52.5nmにより、第1狭帯域偏光分離、第2の狭帯域偏光分離を達成している。
さらに、狭帯域偏光分離が、P偏光の透過率TpとS偏光の透過率TsがTp>Ts、かつTpとTsの差が30%以上となる偏波分離特性を波長430nm〜850nmの1/8の波長範囲、すなわち52nm以上(52.5nm)を達成している。
さらに23層の多層膜組み合わさった構成で、図45の入射角35°〜60°の分光特性を示す。このように、波長430nm〜850nmの波長範囲で35°〜60°の広角度で偏光分離特性が得られる。
また、1対の両側の透光性基板に接する多層膜構造のうち、それぞれ透光性基板側から4層の平均屈折率を図51に示す。本実施例では、透光性基板の屈折率に対して、±0.2の範囲に入っていることがわかる。
なお、実施例7、8では、広帯域偏波分離膜構成を2枚の透光性基板(第1基材と第2基材)それぞれに接する位置に構成されている。
以下、表1は、実施例1−8における波長帯域幅を示す。
表2は、誘電体交互積層構造が、P偏光の透過率の透過率高低差TTpと、S偏光の透過率の透過率高低差TTsが、それぞれ少なくとも15%以内の分光特性である広帯域偏波分離膜構成を、少なくとも1/4の波長区間範囲において有することを示す数値例である。
表3は、誘電体交互積層構造が、波長区間全域の波長範囲に含まれ、波長範囲よりも狭い第1の波長範囲において、P偏光の透過率TpとS偏光の透過率Tsが少なくとも30%以上異なる分光特性を、少なくとも波長区間全域のうちの1/8の波長区間範囲において有する狭帯域偏波分離膜構成を有することを示す数値例である。
表4は、誘電体交互積層構造が、P偏光の透過率TpとS偏光の透過率Tsの差が10%以上異なる分光特性を、少なくとも波長区間全域のうちの1/2の波長区間範囲において有する広帯域偏波分離膜構成を有することを示す数値例である。
[表1]
単位nm
全域A1-A2 広帯域(1) 狭帯域(1) 狭帯域(2) 狭帯域(3) 広帯域(2)
実施例1 400-850 400-850 620-850 450-630 400-460 -
実施例2 400-850 400-850 620-850 450-630 400-460 -
実施例3 430-850 430-850 700-850 460-650 (-380) -
実施例4 430-850 430-850 650-850 455-610 430-485 -
実施例5 430-850 430-850 645-850 580-700 430-460 -
実施例6 430-850 520-850 700-850 480-615 (-420) -
実施例7 430-850 520-850 700-850 480-615 (-385) 520-850
実施例8 430-850 520-850 695-850 500-700 (-385) 550-850

ここで、狭帯域(3)の「( )」で表記したところはA1-A2の範囲外である。
[表2]
単位nm
λ/4おきの最大最小差が「15%以内」である範囲

入射角度(度) 35 35 45 45 60 60
波長範囲 波長範囲/4 P S P S P S
実施例1 400-850nm 112.5 440 439 450 450 450 336
実施例2 400-850nm 112.5 420 420 420 420 420 306
実施例3 430-850nm 105 191 194 420 420 238 420
実施例4 430-850nm 105 420 420 420 420 420 420
実施例5 430-850nm 105 311 327 387 404 420 420
実施例6 430-850nm 105 191 382 402 420 420 420
実施例7 430-850nm 105 350 342 420 282 191 382
実施例8 430-850nm 105 363 205 420 237 123 420
[表3]
単位nm
各狭帯域波長範囲における「30%以上異なる」波長範囲

波長範囲 波長範囲/8 狭帯域1 狭帯域2 狭帯域3
実施例1 400-850nm 56.25 230 180 60
実施例2 400-850nm 56.25 230 180 60
実施例3 430-850nm 52.5 150 190 -
実施例4 430-850nm 52.5 200 155 55
実施例5 430-850nm 52.5 205 120 30
実施例6 430-850nm 52.5 150 135 -
実施例7 430-850nm 52.5 150 135 -
実施例8 430-850nm 52.5 155 200 -
[表4]
単位nm
各広帯域域波長範囲における「10%以上異なる」波長範囲

波長範囲 波長範囲/2 広帯域1 広帯域2
実施例1 400-850nm 225 450 -
実施例2 400-850nm 225 450 -
実施例3 430-850nm 210 420 -
実施例4 430-850nm 210 420 -
実施例5 430-850nm 210 420 -
実施例6 430-850nm 210 330 -
実施例7 430-850nm 210 330 330
実施例8 430-850nm 210 330 300
(プリズム素子)
次に、上記各実施例に係る偏波分離素子を有するプリズム素子を説明する。図52は、各実施例に係る偏波分離素子を有するプリズム素子100の構成を示す図である。
プリズム素子100は、プリズム部101と、λ/4板101cと、反射ミラー101bと、撮像素子102a、102bと、から構成される。プリズム部101は、さらにプリズム101aと101dから構成されている。
ここで、プリズム101aとプリズム101dとの間の斜面に、上記各実施例の偏波分離素子101eが形成されている。
図面左方からプリズム101aへ入射する光のうち、P偏光光は、偏波分離素子101eを透過し、プリズム斜面で反射された後、撮像素子102bへ入射する。
これに対して、図面左方からプリズム101aへ入射する光のうち、S偏光光は、偏波分離素子101eを反射ミラー101bの方向へ反射する。反射ミラー101bで反射された光は、λ/4板101cを往復2回透過して、偏光方向がP偏光へ変換される。P偏光光は偏波分離素子101eを透過して、撮像素子102aへ入射する。
これにより、入射光を2光路に分割する素子において、広い波長領域において、単純な多層膜(積層膜)により幅広い入射角度に対応する良好な特性を得られるという効果を奏する。
(光学系)
次に、上記各実施例に係る偏波分離素子を有する光学系について説明する。図53は、実施例9に係る光学系の構成を示す図である。本実施形態は、内視鏡用の光学系である。
本実施形態に係る内視鏡201は、図53に示されるように、被検体内に挿入される挿入部202内に配置される対物光学系203と、対物光学系203により集光された光を2つの光路に分割する光路分割部204と、光路分割部204により分割された光を同時に撮像して2つの画像を取得する撮像素子205と、撮像素子205上に結像される2つの光学像を部分的に切り欠くフレア絞り(遮蔽部)206と、を備えている。
対物光学系203は、図53に示されるように、物体側から順に、物体側に平面を向けた平凹負レンズ207aを有する負レンズ群207と正レンズ群208とを備えている。広い視野範囲から負レンズ群207によって屈折した光は、正レンズ群208によって集光された後に、後段の光路分割部204に向けて出力されるようになっている。
光路分割部204は、大小2つの三角プリズム209、210と、ミラー211と、λ/4板212とを組み合わせて構成されている。第1プリズム209は、対物光学系203の光軸に直交する第1面209aと光軸に対して45°の角度をなした第2面209bと、光軸に平行な第3面209cとを備えている。第2プリズム210は、対物光学系203の光軸に対して45°の角度をなした第1面210aおよび第2面210bと、光軸に平行な第3面210cとを備えている。第2プリズム210の第1面210aと第2面210bとは相互に直交している。
第1プリズム209の第1面209aは、対物光学系203から入射されてくる光束を入射させる入射面を構成している。第1プリズム209の第2面209bと第2プリズム210の第1面210aとは間に偏向分離膜(図示略)を挟んで隙間無く密着させられることにより、偏光分離面を構成している。第2プリズム210の第2面210bは、第2プリズム210内を光軸方向に進行してきた光を90°偏向する偏向面を構成している。
ミラー211は第1プリズム209の第3面209cとの間にλ/4板212を挟んで配置されている。これにより、対物光学系203から射出された光束は、第1プリズム209の第1面209aから第1プリズム209内に入射した後に、偏向分離膜が配置された偏光分離面(209b、210a)においてP偏光(透過光)と、S偏光(反射光)とに分離される。
偏光分離面(209b、210a)における反射光は、第1プリズム209の第3面209cからλ/4板212を透過させられ、ミラー211で180°折り返されるように偏向され、λ/4板212を再度透過させられることで、偏光方向を90°回転させられ、今度は偏光分離膜を透過して第2プリズム210の第3面210cから外部に射出されるようになっている。一方、偏光分離面(209b、210a)における透過光は、第2プリズム210内を進行して第2プリズム210の第2面210bにおいて90°偏向され、第2プリズム210の第3面210cから外部に射出されるようになっている。
第1プリズム209の第1面209aから第1プリズム209内に入射した後、第2プリズム210の第3面210cから射出されるまでの、分割された2つの光路を進行する光の光路長は若干、例えば、数μm〜数十μm程度の光路長差dを有している。これにより、第2プリズム210の第3面210cに対向して配置された撮像素子205に入射される2つの光束による光学像は、ピント位置が若干異なるようになっている。
撮像素子205は、第2プリズム210の第3面210cに平行間隔をあけて対向させられる撮像面205aを有し、第2プリズム210の第3面210cから射出されてくる2つの光束を同時に入射させるようになっている。すなわち、撮像素子205は、ピント位置が異なる2つの光学像を同時に撮像するために、撮像素子205の全画素領域の中に、2つの矩形状の受光領域(有効画素領域)を備えている。
これにより、内視鏡用の入射光を2光路に分割する光学系において、広い波長領域において、単純な多層膜(積層膜)により幅広い入射角度に対応する良好な特性を得られるという効果を奏する。
(光学機器)
次に、上記各実施例に係る偏波分離素子を有する光学機器について説明する。図54は、実施例10に係る光学機器である内視鏡システムの構成を示す図である。また、図55は、内視鏡システムの偏光ビームスプリッタを示す図である。本内視鏡システムは、上述の内視鏡用の対物光学系を有している。
図54に示すように本実施形態の内視鏡システム301は、被検体内に挿入される内視鏡302と、内視鏡302に照明光を供給する光源装置303と、内視鏡302に設けられた撮像素子により取得された画像信号に対する画像処理を行うプロセッサ装置304と、プロセッサ装置304により所定の画像処理がなされた画像信号を内視鏡画像として表示する画像表示装置305とを有する。
内視鏡302は、被検体内に挿入される細長の挿入部306と、挿入部306の後端に設けられた操作部307と、操作部307から延出する第1ケーブル308とを有し、第1ケーブル308には、照明光を伝送するライトガイド309が挿通されている。
内視鏡302の挿入部306の先端部306aには、ライトガイド309から出射された照明光を拡散する照明レンズ315、被写体像を取得する対物光学系316、被写体像を撮像する撮像ユニット319aが設けられている。第1ケーブル308の端部のライトガイドコネクタ308aは、第1ケーブル308に挿通されたライトガイド309の後端部が照明光の入射端となるように光源装置303に着脱自在に接続されている。
光源装置303は、光源として例えばキセノンランプ等のランプ311を内蔵する。なお、光源として、キセノンランプ等のランプ311に限定されるものでなく、発光ダイオード(LEDと略記)を用いても良い。
ランプ311により発生した白色光は絞り312により通過光量が調整された後、コンデンサレンズ313により集光されてライトガイド309の入射端面に入射(供給)される。なお、絞り312は、絞り駆動部314により、絞り312の開口量が可変される。
ライトガイド309は、光源装置303から入射端(後端側)に入射された照明光を挿入部306の先端部306a側に導光する。先端部306aに導光された照明光は、ライトガイド309の出射端(先端側)から先端部306aの先端面に配置された照明レンズ315により拡散されて照明窓315aを介して出射され、被検体内部の観察対象部位を照明する。
照明された観察対象部位は、先端部306aの照明窓315aに隣接して設けられた観察窓320に取り付けられた対物光学系316により、その後方側に配置した撮像素子317(図55)に被写体像を結像する。
対物光学系316は、複数の光学素子からなる光学素子群316a、遠方観察と近接観察の2つの観察領域にピント又は焦点を選択的に合わせられるように焦点切替機構としてのフォーカスレンズ321及びフォーカスレンズ321を駆動するアクチュエータ322を備えている。
撮像ユニット319aは、対物光学系316の挿入部306の後端部側に設けられ、被写体像をピントの異なる2つの光学像に分割する偏光ビームスプリッタ319と、2つの光学像を撮像して2つの画像を取得する撮像素子317を備えている。
偏光ビームスプリッタ319は、図55に示すように、第1プリズム318a、第2プリズム318b、ミラー318c、及びλ/4板318dを備えている。第1プリズム318a及び第2プリズム318bは共に光軸に対して45度の斜度であるビームスプリット面を有し、第1プリズム318aのビームスプリット面には偏光分離膜318eが設けられている。そして、第1プリズム318a及び第2プリズム318bは、互いのビームスプリット面を上記各実施例の偏光分離膜318eを介して当節させて偏光ビームスプリッタ319を構成している。また、ミラー318cは、第1プリズム318aの端面近傍にλ/4板318dを介して設けられ、第2プリズム318bの端面には撮像素子317が取り付けられている。
対物光学系316からの被写体像は、第1プリズム318aにおいてビームスプリット面に設けられた偏光分離膜318eによりP偏光成分(透過光)とS偏光成分(反射光)とに分離され、反射光側の光学像と透過光側の光学像との2つの光学像に分離される。
S偏光成分の光学像は、偏光分離膜318eで撮像素子317に対して対面側に反射されA光路を通り、λ/4板318dを透過後、ミラー318cで撮像素子317側に折り返される。折り返された光学像はλ/4板318dを再び透過する事で偏光方向が90°回転し、偏光分離膜318eを透過して撮像素子317に結像される。
P偏光成分の光学像は、偏光分離膜318eを透過してB光路を通り、撮像素子317に向かって垂直に折り返す第2プリズム318bのビームスプリット面と反対側に設けられたミラー面によって反射され、撮像素子317に結像される。この際、A光路とB光路で、例えば、数十μm程度の所定の光路差を生じさせるようにプリズム硝路を設定しておき、ピントが異なる2つの光学像を撮像素子317の受光面に結像させる。
すなわち、第1プリズム318a及び第2プリズム318bを、被写体像をピント位置が異なる2つの光学像に分離できるように、第1プリズム318aにおける撮像素子317に至る透過光側の光路長(硝路長)に対して反射光側の光路長が短く(小さく)なるように配置する。
撮像素子317は、ピント位置が異なる2つの光学像を夫々個別に受光して撮像するために、撮像素子317の全画素領域の中に、2つの受光領域(有効画素領域)が設けられている。2つの受光領域は、2つの光学像を撮像するために、これらの光学像の結像面と夫々一致するように配置されている。そして、撮像素子317において、一方の受光領域は、他方の受光領域に対してそのピント位置が相対的に近点側にシフトしており(ずれており)、他方の受光領域は一方の受光領域に対してそのピント位置が相対的に遠点側にシフトしている。これにより、ピントが異なる2つの光学像を撮像素子317の受光面に結像させるようになっている。
なお、第1プリズム318aと第2プリズム318bにおける両者の屈折率を異ならせることにより、撮像素子317に至る光路長を変えて2つの受光領域に対するピント位置を相対的にずらすようにしても良い。
また、撮像素子317の受光領域の周囲には、2つに分割された光学像の幾何的なズレを補正するための補正画素領域が設けられている。補正画素領域内において製造上の誤差を抑え、後述する画像補正処理部332にて画像処理による補正を行なうことで、上記した光学像の幾何学的なズレを解消するようになっている。
フォーカスレンズ321は、光軸の方向における2つの位置に移動可能となっており、アクチュエータ322により2つの位置間で一方の位置から他方の位置、他方の位置から一方の位置に移動するように駆動される。フォーカスレンズ321を前方側(物体側)の位置に設定した状態においては遠方観察する場合の観察領域の被写体にピントが合うように設定され、フォーカスレンズ321を後方側の位置に設定した状態においては近接観察する場合の観察領域の被写体にピントが合うように設定されている。
なお、アクチュエータ322は、挿入部306内を挿通された信号線323と接続され、この信号線323はさらに操作部307から延出された第2のケーブル324内を挿通される。この第2のケーブル324の端部の信号コネクタ324aは、プロセッサ装置304に着脱自在に接続され、上記信号線323は、プロセッサ装置304内に設けたアクチュエータ制御部325に接続される。
このアクチュエータ制御部325は、例えば内視鏡302の操作部307に設けた切替操作スイッチ326からの切替操作信号も入力される。アクチュエータ制御部325は、切替操作スイッチ326の操作に応じてアクチュエータ322を電気的に駆動する駆動信号を印加して、フォーカスレンズ321を移動する。
なお、切替操作信号を発生する切替操作部は、切替操作スイッチ326に限らず、切替操作レバー等でも良い。上記フォーカスレンズ321と、アクチュエータ322と、アクチュエータ制御部325とにより、焦点切替機構が形成される。ところで、本実施形態におけるフォーカス部は、前述の光軸方向にフォーカスレンズを移動させる手段に限定するものではない。例えば、レンズやフィルターを対物光学系に挿脱してフォーカスを切替える手段でも構わない。
撮像素子317は挿入部306、操作部307、第2のケーブル324内を挿通された信号線327aと接続され、信号コネクタ324aがプロセッサ装置304に接続されることにより、プロセッサ装置304内に設けた画像処理部としての画像プロセッサ330と接続される。
画像プロセッサ330は、撮像素子317により撮像されたピント位置が異なる2つの光学像に係る画像を夫々読み出す画像読出部331と、画像読出部331により読み出された2つの画像に対する画像補正を行う画像補正処理部332と、補正された2つの画像を合成する画像合成処理を行う画像合成処理部333とを有する。
画像補正処理部332は、撮像素子317の2つの受光領域にそれぞれ結像される2つの光学像に係る画像に対し、互いのピント以外の差異が略同一となるように補正する。すなわち、2つの画像の各光学像における相対的な位置、角度及び倍率が略同一となるように2つの画像に対して補正を行う。
被写体像を2つに分離して撮像素子317に夫々結像させる場合、幾何的な差異が生じる場合がある。すなわち、撮像素子317の2つの受光領域にそれぞれ結像される夫々の光学像は、相対的に倍率ズレ、位置ズレ、角度すなわち回転方向のズレ等が発生する場合がある。これらの差異を製造時などにおいて、完全に解消することは困難であるが、それらのズレ量が大きくなると、合成画像が2重画像となったり、不自然な明るさムラ等を生じたりする。このため、画像補正処理部332にて上述した幾何的な差異、明るさ差異を補正する。
画像合成処理部333は、画像補正処理部332により補正された2つの画像間の対応する所定領域において、相対的にコントラストが高い画像を選択して合成画像を生成する。つまり、2つの画像における空間的に同一の画素領域それぞれにおけるコントラストを比較し、相対的にコントラストが高い方の画素領域を選択することにより、2つの画像から合成された1つの画像としての合成画像を生成する。なお、2つの画像の同一の画素領域におけるコントラスト差が小さい又は略同一である場合は、その画素領域に所定の重み付けして加算する合成画像処理により、合成画像を生成する。
また、画像プロセッサ330は、画像合成処理部333により合成された1つの画像に対して、色マトリクス処理、輪郭強調、ガンマ補正等の後段画像処理を行う後段画像処理部334と、後段画像処理された画像を出力する画像出力部335とを有し、画像出力部335から出力される画像は画像表示装置305に出力される。
さらに、この画像プロセッサ330は、画像読出部331により読み出された画像から基準の明るさに調光するための調光信号を生成する調光部336を有し、調光部336により生成した調光信号を光源装置303の絞り駆動部314に出力する。絞り駆動部314は、調光信号に従って、基準の明るさを維持するように絞り312の開口量を調整する。
また、本実施形態は、画像補正処理部332において、画像を補正する場合に使用する補正パラメータ(の情報)を格納した補正パラメータ格納部337を設けている。
内視鏡302にはその内視鏡302に固有の内視鏡識別情報(内視鏡ID)を格納したIDメモリ338を有すると共に、その内視鏡302において補正すべき固有の補正パラメータがある場合には、その内視鏡302に対応した補正パラメータを格納した補正パラメータ格納部337が設けてある。
ここで、補正パラメータとは、例えば、光路分割素子や撮像素子のシェーディング特性、λ/4板の波長特性によって2つの光学像にかかる画像には上述した幾何的な差異や明
るさの差異、もしくは色の差異が生じることがある。2画像間にこのような差異があると、合成画像に不自然な明るさムラや色ムラが生じてしまうため、これを補正するために光路分割素子や撮像素子、λ/4板の特性を考慮して決定されたものである。
なお、画像補正処理部332は予め設定された補正パラメータを補正パラメータ格納部337から受け取り補正が行なわれるようにしても良い。例えば、工場出荷時に、予めそのズレ量を補正パラメータ格納部337に設定しておき、内視鏡302が画像プロセッサ330に接続された際に、内視鏡302が接続されたことを認識して補正パラメータ格納部337から対応する補正パラメータを呼び出して補正を行なうようにすることができる。
なお、補正すべき固有の補正パラメータがない場合には、補正パラメータ格納部337を設けることが不必要になる。また、補正パラメータ格納部337をIDメモリ338の内部に設ける場合に限定されるものでなく、IDメモリ338と別のメモリに設けるようにしても良い。
そして、画像プロセッサ330の制御部339は補正の有無を内視鏡302側に設けた内視鏡IDで識別して、補正有りの場合には内視鏡302側に格納されているIDメモリ338内の補正パラメータ格納部337から補正パラメータを読み取り、この補正パラメータを画像補正処理部332に送る。
画像補正処理部332は、制御部339から転送された補正パラメータに基いて各内視鏡302に搭載された撮像ユニット319aに対応した画像補正を行う。
また、画像補正処理部332は、補正パラメータを用いて、2つの像または画像における1つを基準像または基準画像として上述した倍率の差異の補正、位置の差異の補正等、画像の補正を行う。例えば、2つの画像で倍率ズレが生じる場合は、対物光学系316の仕様による場合がある。
対物光学系316のサイズを比較的小さくしようとした場合、テレセントリック性を崩して撮像素子317への光線が斜めに入射するような設計が行なわれる場合がある。例えば、光軸とのなす角を入射角として、時計回りをプラス、反時計回りをマイナスとすると、マイナスの入射角となるような設計が行なわれる。
このようなテレセントリック性が崩れた対物光学系でピント位置をずらすと2つの画像間で倍率ズレが生じる事になる。
このような設計上の仕様であれば、予めそのズレ量を補正パラメータ格納部337に格納しておき、対象の内視鏡302がプロセッサ装置304に接続された場合、その内視鏡302を認識して補正パラメータ格納部337から対応する補正パラメータを呼び出して補正を行なうようにする。
撮像ユニット319aの組立て時に2つの画像の相対的な画素の位置が微小にズレる場合がある。この場合、製造時のズレ量を補正パラメータ格納部337に格納しておき、画像補正処理部332にてそのズレ補正を行なうようにする。位置のズレ補正は例えば撮像素子317の一方の受光領域で撮像された画像と他方の受光領域で撮像された画像との相対的な位置が合致するように2つの画像の読出し位置を修正するような処理が行なわれ、位置ズレが補正された後、画像合成処理部333に出力される。
なお、本実施形態における予め設定された補正パラメータによる補正を行う代わりに、内視鏡使用時に、別途用意されるアジャスト用基準チャートによって補正を行なっても良い。例えば基準チャートを内視鏡302の先端部306aに所望の位置に配置するようにし、基準チャートに対する2つの画像のズレを画像補正処理部332にて読み取り、そのズレ補正をするようにしても良い。
これにより、内視鏡システムにおいて、広い波長領域において、単純な多層膜(積層膜)により幅広い入射角度に対応する良好な特性の2つの画像を得られ、この2つの画像を合成して被写界深度が大きい画像を取得できるという効果を奏する。
なお、上述の偏波分離素子は、複数の構成を同時に満足してもよい。このようにすることが、良好な偏波分離素子、偏波分離素子設計方法、光学系、及び光学機器を得る上で好ましい。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態のみに限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、これら実施形態の構成を適宜組合せて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
以上のように、本発明は、構造複屈折層を必要とせず、単純な多層膜(積層膜)により幅広い入射角度に対応する偏波分離素子、偏波分離素子設計方法、光学系及び光学機器に有用である。
100 プリズム素子
101 プリズム部
101c λ/4板
101b 反射ミラー
102a、102b 撮像素子
101a、101d プリズム
101e 偏波分離素子
201 内視鏡
202 挿入部
203 対物光学系
204 光路分割部
205 撮像素子
205a 撮像面
206 フレア絞り(遮蔽部)
207 負レンズ群
208 正レンズ群
209b 第2面(偏光分離面)
210a 第1面(偏光分離面)
210b 第2面(偏向面)
211 ミラー
212 λ/4板
301 内視鏡システム
302 内視鏡
303 光源装置
304 プロセッサ装置
305 画像表示装置
306 挿入部
316 対物光学系
317 撮像素子
318a 第1プリズム
318b 第2プリズム
318c ミラー
318d λ/4板
318e 偏光分離膜
319 偏光ビームスプリッタ
319a 撮像ユニット
330 画像処理部(画像プロセッサ)
332 画像補正処理部
333 画像合成処理部

Claims (11)

  1. 1対の透光性基板の間に形成され、波長A1(nm)から波長A2(nm)の波長区間全域において、P偏光の透過率とS偏光の透過率が少なくともB%以上異なる偏波分離素子であって、
    ここで、
    設計波長λ(nm)において、
    A1=λ×0.86、
    A2=λ×1.7、
    B(%)=22.5、
    であり、
    前記偏波分離素子は、第1の屈折率を有する第1の誘電体と、前記第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を有する第2の誘電体を交互に積層した誘電体交互積層構造を有し、 前記誘電体交互積層構造は、P偏光の透過率の透過率高低差と、S偏光の透過率の透過率高低差が、それぞれ少なくとも15%以内の分光特性である広帯域偏波分離膜構成を、少なくとも前記波長A1(nm)から前記波長A2(nm)の波長区間全域のうちの1/4の波長区間範囲において有し、
    さらに、前記誘電体交互積層構造は、前記波長区間全域の波長範囲に含まれ、前記波長範囲よりも狭い第1の波長範囲において、P偏光の透過率とS偏光の透過率が少なくとも30%以上異なる分光特性を、少なくとも前記波長A1(nm)から前記波長A2(nm)の波長区間全域のうちの1/8の波長区間範囲において有する第1の狭帯域偏波分離膜構成と、
    さらに、前記誘電体交互積層構造は、前記波長区間全域の波長範囲に含まれ、前記波長範囲よりも狭く、前記第1の波長範囲とは重複しない第2の波長範囲において、P偏光の透過率とS偏光の透過率が少なくとも30%以上異なる分光特性を、少なくとも前記波長A1(nm)から前記波長A2(nm)の前記波長区間全域のうちの1/8の波長区間範囲において有する第2の狭帯域偏波分離膜構成と、を少なくとも有し、
    前記偏波分離素子において、前記広帯域偏波分離膜構成は、第1の広帯域偏波分離膜構成と第2の広帯域偏波分離膜構成の2つ以下であり、前記透光性基板より順に、前記第1の誘電体、前記第2の誘電体、前記第1の誘電体、前記第2の誘電体の構成をしており、前記第1の誘電体の膜厚と前記第2の誘電体の膜厚は、以下の式(1)を満足することを特徴とする偏波分離素子。
    前記第1の誘電体の膜厚 (0.24±a1)×d
    前記第2の誘電体の膜厚 (0.8±a2)×e
    前記第1の誘電体の膜厚 (0.45±a3)×f
    前記第2の誘電体の膜厚 (3.3±a4)×g (1)
    ここで、
    係数a1=0.15、
    係数a2=0.2、
    係数a3=0.2、
    係数a4=0.6、
    係数dは、前記第1の広帯域偏波分離膜構成=1、前記第2の広帯域偏波分離膜構成=1.2〜1.5、
    係数eは、前記第1の広帯域偏波分離膜構成=1、前記第2の広帯域偏波分離膜構成=0.9〜1.2、
    係数fは、前記第1の広帯域偏波分離膜構成=1、前記第2の広帯域偏波分離膜構成=0.4〜0.8、
    係数gは、前記第1の広帯域偏波分離膜構成=1、前記第2の広帯域偏波分離膜構成=0.6〜0.95、
    また、前記第2の広帯域偏波分離膜構成以降の前記広帯域偏波分離膜構成において、d=e=f=gとならず、計算値は光学膜厚(QWOT)である。
  2. 前記第1の狭帯域偏波分離膜構成と、前記第2の狭帯域偏波分離膜構成と、は異なる第3の狭帯域偏波分離膜構成を有することを特徴とする請求項1に記載の偏波分離素子。
  3. 前記広帯域偏波分離膜構成は、
    使用する入射角度範囲の最大値において、P偏光の透過率とS偏光の透過率の差が10%以上である波長範囲を、少なくとも前記波長A1(nm)から前記波長A2(nm)の波長区間全域のうちの1/2の波長区間範囲で有し、
    さらに使用する入射角度範囲において、少なくとも前記波長A1(nm)から前記波長A2(nm)の波長区間全域のうちの1/4の波長区間範囲内において、P偏光の透過率高低差及びS偏光の透過率高低差が15%以内である分光特性を有し、
    少なくとも何れかの前記狭帯域偏波分離膜構成が、使用する前記入射角度範囲において、P偏光の透過率>S偏光の透過率の関係を満たし、
    かつ、P偏光の透過率とS偏光の透過率の差が30%以上となる分光特性を示す波長範囲として、少なくとも前記波長A1(nm)から前記波長A2(nm)の前記波長区間全域のうちの1/8の波長区間範囲において有することを特徴とする請求項1に記載の偏波分離素子。
  4. 前記透光性基板と接する層、前記広帯域偏波分離膜構成と何れかの前記狭帯域偏波分離膜構成の間の層、少なくとも前記第1の狭帯域偏波分離膜構成と前記第2の狭帯域偏波分離膜構成同士の間の層に関して、マッチングを取ることを特徴とする請求項1に記載の偏波分離素子。
  5. 前記透光性基板は、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、水晶、結晶材料、半導体基板、合成樹脂から選択することを特徴とする請求項1から2の何れか1項に記載の偏波分離素子。
  6. 前記第1の誘電体の材料と前記第2の誘電体の材料は、TiO、TiO 2 、Y 2 3 、Ta 2 5 、ZrO、ZrO 2 、Si、SiO 2 、HfO 2 、Ge、Nb 2 5 、Nb 2 6 、CeO 2 、Cef 3 、ZnS、ZnO、Fe 2 3 、MgF 2 、AlF 3 、CaF 2 、LiF、Na 3 AlF 6 、Na 5 Al 3 14 、Al 2 3 、MgO、LaF、PbF 2 、NdF 3 、又はこれらの混合材料の中から、少なくとも2種類以上を選択することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の偏波分離素子。
  7. 前記第1の誘電体の材料と前記第2の誘電体の材料との、2種類以上の誘電体が積層する方法は、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティングの物理膜厚気相成長法、抵抗加熱蒸着、電子ビーム加熱蒸着、高周波加熱蒸着、レーザービーム加熱蒸着、イオン化スパッタ、イオンビームスパッタ、プラズマスパッタ、イオンアシスト、ラジカルアシストスパッタの何れかを採用することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の偏波分離素子。
  8. 1対の前記透光性基板の間に、前記第1の誘電体の材料と前記第2の誘電体の材料を含め、2種類以上の誘電体が積層する前記誘電体交互積層構造を有し、
    前記偏波分離素子は、最大で35〜60度の入射角度で偏波分離特性を示すことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の偏波分離素子。
  9. 1対の前記透光性基板の間に、前記第1の誘電体の材料と前記第2の誘電体の材料を含む2種類以上の誘電体が積層する前記誘電体交互積層構造を有し、
    1対の前記透光性基板のどちらか一方の面と前記誘電体交互積層構造の間に、接着剤を含む接着層を有することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の偏波分離素子。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載の偏波分離素子を有することを特徴とする光学系。
  11. 請求項10に記載の光学系を有することを特徴とする光学機器。
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