JP5323752B2 - ガスセンサのポンプ電極、導電性ペーストの製造方法、およびガスセンサ - Google Patents

ガスセンサのポンプ電極、導電性ペーストの製造方法、およびガスセンサ Download PDF

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Description

本発明は、NOxセンサなどのガスセンサのポンプ電極、およびその形成に用いられる導電性ペーストに関する。
従来より、被測定ガス中の所望のガス成分の濃度を知るために、各種の測定装置が用いられている。例えば、燃焼ガス等の被測定ガス中のNOx濃度を測定する装置として、ジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性固体電解質を用いて形成したNOxセンサが公知である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献1あるいは特許文献2に開示されているような、限界電流方式を利用したNOxセンサにおいては、測定電極においてNOxが還元ないし分解されることによって生じた酸素イオンが、電気化学的ポンプセルである測定ポンプセルによって汲み出される際に生じる電流(NOx電流)の電流値と、NOx濃度との間に、線型関係があることに基づいて、被測定ガス中のNOx濃度が求められる。
ただし、係る限界電流方式を利用したNOxセンサにおいては、NOx濃度の測定精度を確保するために、導入した被測定ガスを十分な低酸素分圧状態としたうえで、測定電極に供する必要がある。特許文献1あるいは特許文献2に開示の、いわゆる直列二室構造型のNOxセンサの場合であれば、まず、第一の内部空室(内部空所ともいう)に導入された被測定ガスは、電気化学的ポンプセルである主ポンプセルのポンピング作用(酸素の汲み入れ或いは汲み出し)によってその酸素濃度が略一定に調整されたうえで、第二の内部空室に導入される。第二の内部空室においては、同じく電気化学的ポンプセルである補助ポンプセルのポンピング作用により酸素が汲み出されて、被測定ガスは十分な低酸素分圧状態とされる。
一方で、係る構成のNOxセンサにおいては、主ポンプセルや補助ポンプセルなどの酸素ポンピングセルにおいてNOxが一定以上還元ないし分解されてしまうと、当然ながら正確なNOx濃度を得ることはできない。また、他の酸化物気体が分解されてしまう場合も、内部空室内の酸素濃度の制御が実質的に乱れ、測定精度が低下する。そのため、主ポンプセルを構成する内部空室内の主ポンプ電極および補助ポンプセルを構成する内部空室内の補助ポンプ電極は、通常、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた材料を用いて形成される。例えば、Ptを主成分としてAuを添加した貴金属粉末やPtとAuとの合金粉末を用いるのが好適な一例である(例えば、特許文献3および特許文献4参照)。
特開2006−284223号公報 特許第3537983号公報 特開平11−64272号公報 特開2001−66289号公報
上述の原理によってNOx濃度を求める限界電流方式のNOxセンサにおいて、測定精度を向上させるには、NOxの還元ないし分解を低減し、測定電極に供される被測定ガスの酸素分圧を(つまりは酸素濃度を)、NOxの測定に影響しない程度にまで十分に低める必要がある。そのためには、酸素ポンピングセルを、酸素ガスが選択的に分解されてポンピングされるように構成する必要がある。
また、本発明の発明者は、係る酸素濃度の精密制御の実現に向けて鋭意検討している過程で、従来の製法で作製したNOxセンサにおいては、同一の製造条件で製造されたロット間であるにもかかわらず、主ポンプセルおよび補助ポンプセルにおける酸素ポンピング能にばらつきがあること、および、係る酸素ポンピング能のばらつきは、主ポンプ電極および補助ポンプ電極における電極間インピーダンスのばらつきとして現れることを見出した。このようなロット間での酸素ポンピング能のばらつきは、NOxセンサの品質の安定化を妨げる要因となるので、解消されなければならない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、酸素ガスに対する選択的分解能が高いポンプ電極を内部空所内に備えたガスセンサ、およびそのようなポンプ電極を安定的に形成することができる導電性ペーストの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、限界電流方式により被測定ガス中のガス成分の濃度を測定するガスセンサの内部空所に設けられた、前記内部空所における酸素分圧調整用の電気化学的ポンプセルを構成するポンプ電極であって、貴金属と酸素イオン導電性を有する酸化物とのサーメットからなり、前記貴金属が、触媒活性を有する第1の貴金属と、前記第1の貴金属の酸素以外の酸化物ガスに対する触媒活性を抑制させる触媒活性抑制能を有する第2の貴金属と、を含んでおり、前記ポンプ電極に存在する前記第1の貴金属の粒子の表面のうち、前記第2の貴金属によって被覆されておらず前記第1の貴金属の粒子自体が露出している部分に対する前記第2の貴金属が被覆している部分の面積比率である前記第2の貴金属の存在比が0.01以上0.3以下である、ことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のガスセンサのポンプ電極であって、前記ポンプ電極に存在する前記第1の貴金属の粒子の表面における前記第1の貴金属に対する前記第2の貴金属の存在比が0.1以上0.25以下である、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のガスセンサのポンプ電極であって、前記第1の貴金属が白金であり、前記第2の貴金属が金である、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のガスセンサのポンプ電極の形成に用いる導電性ペーストを製造する方法であって、前記第1の貴金属の粉末と、前記第2の貴金属のイオンを含む塩もしくは有機金属錯体を溶媒へ溶解させてなるイオン含有液体と、を出発原料に含むことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載のガスセンサのポンプ電極の形成に用いる導電性ペーストの製造方法であって、前記第2の貴金属のイオンを含む塩が、テトラクロロ金(III)酸、塩化金(III)ナトリウム、二シアノ金(I)カリウムのいずれかである、ことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4に記載のガスセンサのポンプ電極の形成に用いる導電性ペーストの製造方法であって、前記第2の貴金属のイオンを含む有機金属錯体が、ジエチレンジアミン金(III)塩化物([Au(en)2]Cl3)、ジクロロ(1,10-フェナントロリン)金(III)塩化物([Au(phen)Cl2]Cl)、ジメチル(トリフルオロアセチルアセトナト)金あるいはジメチル(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)金のいずれかである、ことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のガスセンサのポンプ電極の形成に用いる導電性ペーストを製造する方法であって、前記第1の貴金属の粉末に前記第2の貴金属をコーティングしたコーティング粉末を出発原料に含むことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7に記載のガスセンサのポンプ電極の形成に用いる導電性ペーストを製造する方法であって、前記第1の貴金属の粉末の粒子表面を前記第2の貴金属の膜にて被覆してなる前記コーティング粉末を出発原料に含むことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項7に記載のガスセンサのポンプ電極の形成に用いる導電性ペーストを製造する方法であって、前記第1の貴金属の粉末の粒子に前記第2の貴金属の粒子を付着させてなる前記コーティング粉末を出発原料に含むことを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項4ないし請求項9のいずれかに記載のガスセンサのポンプ電極の形成に用いる導電性ペーストの製造方法であって、前記導電性ペーストの貴金属成分中の前記第2の貴金属の重量比率が0.5重量%以上0.95重量%以下となるように、前記出発原料を作製する、ことを特徴とする。
請求項11の発明は、限界電流方式により被測定ガス中のガス成分の濃度を測定するガスセンサであって、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のポンプ電極を内部空所に備えることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項11に記載のガスセンサであって、前記ポンプ電極が、請求項4ないし請求項10のいずれかに記載の製造方法を用いて製造された導電性ペーストを用いて形成されてなる、ことを特徴とする。
請求項1ないし請求項12の発明によれば、酸素ガス以外に対する触媒活性が低減されることで酸素に対する選択的分解能が高められたポンプ電極を内部空所に有するガスセンサが、実現される。

また、請求項4ないし請求項6の発明によれば、内部空所に設けるポンプ電極の触媒活性を好適に低減しつつ、当該ポンプ電極に存在する第1の貴金属の粒子の表面における第1の貴金属に対する第2の貴金属の存在比率のロット間ばらつきおよび酸素に対する選択的分解能のロット間ばらつきを、好適に抑制させることができる。これにより、品質の安定したガスセンサが実現される。
また、請求項7ないし請求項9の発明によれば、内部空所に設けるポンプ電極の触媒活性を好適に低減しつつ、当該ポンプ電極に存在する第1の貴金属の粒子の表面における第1の貴金属に対する第2の貴金属の存在比率のロット間ばらつきを、好適に抑制させることができる。これにより、品質の安定したガスセンサが実現される。
ガスセンサ100の構成の一例を概略的に示した断面模式図である。 センサ素子101を作製する際の処理の流れを示す図である。 直線率について説明するための図である。 直線率をAu存在比に対してプロットした図である。 外側ポンプ電極23と内側ポンプ電極22との間の電極間インピーダンスをAu存在比に対してプロットした図である。 Pt露出量測定の結果を示す図である。 XPS測定により得られたAu存在比を示す図である。 電極インピーダンスの測定結果を示す図である。
<第1の実施の形態>
<ガスセンサの概略構成>
はじめに、ガスセンサ100の概略構成について説明する。
図1は、ガスセンサ100の構成の一例を概略的に示した断面模式図である。センサ素子101は、それぞれがジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性固体電解質層からなる第1基板層1と、第2基板層2と、第3基板層3と、第1固体電解質層4と、スペーサ層5と、第2固体電解質層6との6つの層が、図面視で下側からこの順に積層された構造を有する細長な長尺の板状体形状の素子である。また、これら6つの層を形成する固体電界質は緻密な気密のものである。係るセンサ素子101は、例えば、各層に対応するセラミックスグリーンシートに所定の加工および回路パターンの印刷などを行った後にそれらを積層し、さらに、焼成して一体化させることによって製造される。
センサ素子101の一先端部であって、第2固体電解質層6の下面と第1固体電解質層4の上面との間には、ガス導入口10と、第1拡散律速部11と、緩衝空間12と、第2拡散律速部13と、第1内部空所20と、第3拡散律速部30と、第2内部空所40とが、この順に連通する態様にて隣接形成されてなる。
ガス導入口10と、緩衝空間12と、第1内部空所20と、第2内部空所40とは、スペーサ層5をくり抜いた態様にて設けられた上部を第2固体電解質層6の下面で、下部を第1固体電解質層4の上面で、側部をスペーサ層5の側面で区画されたセンサ素子101内部の空間である。
第1拡散律速部11と、第2拡散律速部13と、第3拡散律速部30とはいずれも、2本の横長の(図面に垂直な方向に開口が長手方向を有する)スリットとして設けられる。なお、ガス導入口10から第2内部空所40に至る部位をガス流通部とも称する。
また、ガス流通部よりも先端側から遠い位置には、第3基板層3の上面と、スペーサ層5の下面との間であって、側部を第1固体電解質層4の側面で区画される位置に基準ガス導入空間43が設けられている。基準ガス導入空間43には、NOx濃度の測定を行う際の基準ガスとして、例えば大気が導入される。
大気導入層48は、多孔質アルミナからなる層であって、大気導入層48には基準ガス導入空間43を通じて基準ガスが導入されるようになっている。また、大気導入層48は、基準電極42を被覆するように形成されている。
基準電極42は、第3基板層3の上面と第1固体電解質層4とに挟まれる態様にて形成される電極であり、上述のように、その周囲には、基準ガス導入空間43につながる大気導入層48が設けられている。また、後述するように、基準電極42を用いて第1内部空所20内や第2内部空所40内の酸素濃度(酸素分圧)を測定することが可能となっている。
ガス流通部において、ガス導入口10は、外部空間に対して開口してなる部位であり、該ガス導入口10を通じて外部空間からセンサ素子101内に被測定ガスが取り込まれるようになっている。
第1拡散律速部11は、ガス導入口10から取り込まれた被測定ガスに対して、所定の拡散抵抗を付与する部位である。
緩衝空間12は、第1拡散律速部11より導入された被測定ガスを第2拡散律速部13へと導くために設けられた空間である。
第2拡散律速部13は、緩衝空間12から第1内部空所20に導入される被測定ガスに対して、所定の拡散抵抗を付与する部位である。
被測定ガスが、センサ素子101外部から第1内部空所20内まで導入されるにあたって、外部空間における被測定ガスの圧力変動(被測定ガスが自動車の排気ガスの場合であれば排気圧の脈動)によってガス導入口10からセンサ素子101内部に急激に取り込まれた被測定ガスは、直接第1内部空所20へ導入されるのではなく、第1拡散律速部11、緩衝空間12、第2拡散律速部13を通じて被測定ガスの濃度変動が打ち消された後、第1内部空所20へ導入されるようになっている。これによって、第1内部空間へ導入される被測定ガスの濃度変動はほとんど無視できる程度のものとなる。
第1内部空所20は、第2拡散律速部13を通じて導入された被測定ガス中の酸素分圧を調整するための空間として設けられている。係る酸素分圧は、主ポンプセル21が作動することによって調整される。
主ポンプセル21は、第1内部空所20に面する第2固体電解質層6の下面のほぼ全面に設けられた天井電極部22aを有する内側ポンプ電極22と、第2固体電解質層6の上面の天井電極部22aと対応する領域に外部空間に露出する態様にて設けられた外側ポンプ電極23と、これらの電極に挟まれた第2固体電解質層6とによって構成されてなる電気化学的ポンプセルである。
内側ポンプ電極22は、第1内部空所20を区画する上下の固体電解質層(第2固体電解質層6および第1固体電解質層4)、および、側壁を与えるスペーサ層5にまたがって形成されている。具体的には、第1内部空所20の天井面を与える第2固体電解質層6の下面には天井電極部22aが形成され、また、底面を与える第1固体電解質層4の上面には底部電極部22bが形成され、そして、それら天井電極部22aと底部電極部22bとを接続するように、側部電極部(図示省略)が第1内部空所20の両側壁部を構成するスペーサ層5の側壁面(内面)に形成されて、該側部電極部の配設部位においてトンネル形態とされた構造において配設されている。
内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23とは、多孔質サーメット電極(例えば、Auを1%含むPtとジルコニアとのサーメット電極)として形成される。なお、被測定ガスに接触する内側ポンプ電極22は、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた材料を用いて形成される。内側ポンプ電極22の詳細については後述する。
主ポンプセル21においては、内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23との間に所望のポンプ電圧Vp0を印加して、内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23との間に正方向あるいは負方向にポンプ電流Ip0を流すことにより、第1内部空所20内の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間の酸素を第1内部空所20に汲み入れることが可能となっている。
また、第1内部空所20における雰囲気中の酸素濃度(酸素分圧)を検出するために、内側ポンプ電極22と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、基準電極42によって、電気化学的なセンサセル、すなわち、主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80が構成されている。
主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80における起電力V0を測定することで第1内部空所20内の酸素濃度(酸素分圧)がわかるようになっている。さらに、起電力V0が一定となるようにVp0をフィードバック制御することでポンプ電流Ip0が制御されている。これによって、第1内部空所20内の酸素濃度は所定の一定値に保つことができる。
第3拡散律速部30は、第1内部空所20で主ポンプセル21の動作により酸素濃度(酸素分圧)が制御された被測定ガスに所定の拡散抵抗を付与して、該被測定ガスを第2内部空所40に導く部位である。
第2内部空所40は、第3拡散律速部30を通じて導入された被測定ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定に係る処理を行うための空間として設けられている。NOx濃度の測定は、主として、補助ポンプセル50により酸素濃度が調整された第2内部空所40において、さらに、測定用ポンプセル41の動作によりNOx濃度が測定される。
第2内部空所40では、あらかじめ第1内部空所20において酸素濃度(酸素分圧)が調整された後、第3拡散律速部を通じて導入された被測定ガスに対して、さらに補助ポンプセル50による酸素分圧の調整が行われるようになっている。これにより、第2内部空所40内の酸素濃度を高精度に一定に保つことができるため、係るガスセンサ100においては精度の高いNOx濃度測定が可能となる。
補助ポンプセル50は、第2内部空所40に面する第2固体電解質層6の下面の略全体に設けられた天井電極部51aを有する補助ポンプ電極51と、外側ポンプ電極23(外側ポンプ電極23に限られるものではなく、センサ素子101の外側の適当な電極であれば足りる)と、第2固体電解質層6とによって構成される、補助的な電気化学的ポンプセルである。
係る補助ポンプ電極51は、先の第1内部空所20内に設けられた内側ポンプ電極22と同様なトンネル形態とされた構造において、第2内部空所40内に配設されている。つまり、第2内部空所40の天井面を与える第2固体電解質層6に対して天井電極部51aが形成され、また、第2内部空所40の底面を与える第1固体電解質層4には、底部電極部51bが形成され、そして、それらの天井電極部51aと底部電極部51bとを連結する側部電極部(図示省略)が、第2内部空所40の側壁を与えるスペーサ層5の両壁面にそれぞれ形成されたトンネル形態の構造となっている。
なお、補助ポンプ電極51についても、内側ポンプ電極22と同様に、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた材料を用いて形成される。補助ポンプ電極51の詳細については、内側ポンプ電極22と併せて後述する。
補助ポンプセル50においては、補助ポンプ電極51と外側ポンプ電極23との間に所望の電圧Vp1を印加することにより、第2内部空所40内の雰囲気中の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間から第2内部空所40内に汲み入れることが可能となっている。
また、第2内部空所40内における雰囲気中の酸素分圧を制御するために、補助ポンプ電極51と、基準電極42と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3とによって電気化学的なセンサセル、すなわち、補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル81が構成されている。
なお、この補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル81にて検出される起電力V1に基づいて電圧制御される可変電源52にて、補助ポンプセル50がポンピングを行う。これにより第2内部空所40内の雰囲気中の酸素分圧は、NOxの測定に実質的に影響がない低い分圧にまで制御されるようになっている。
また、これとともに、そのポンプ電流Ip1が、主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80の起電力の制御に用いられるようになっている。具体的には、ポンプ電流Ip1は、制御信号として主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80に入力され、その起電力V0が制御されることにより、第3拡散律速部30から第2内部空所40内に導入される被測定ガス中の酸素分圧の勾配が常に一定となるように制御されている。NOxセンサとして使用する際は、主ポンプセル21と補助ポンプセル50との働きによって、第2内部空所40内での酸素濃度は約0.001ppm程度の一定の値に保たれる。
測定用ポンプセル41は、第2内部空所40内において、被測定ガス中のNOx濃度の測定を行う。測定用ポンプセル41は、第2内部空所40に面する第1固体電解質層4の上面であって第3拡散律速部30から離間した位置に設けられた測定電極44と、外側ポンプ電極23と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4とによって構成された電気化学的ポンプセルである。
測定電極44は、多孔質サーメット電極である。測定電極44は、第2内部空所40内の雰囲気中に存在するNOxを還元するNOx還元触媒としても機能する。さらに、測定電極44は、第4拡散律速部45によって被覆されてなる。
第4拡散律速部45は、アルミナ(Al23)を主成分とする多孔体にて構成される膜である。第4拡散律速部45は、測定電極44に流入するNOxの量を制限する役割を担うとともに、測定電極44の保護膜としても機能する。
測定用ポンプセル41においては、測定電極44の周囲の雰囲気中における窒素酸化物の分解によって生じた酸素を汲み出して、その発生量をポンプ電流Ip2として検出することができる。
また、測定電極44の周囲の酸素分圧を検出するために、第2固体電界質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、測定電極44と、基準電極42とによって電気化学的なセンサセル、すなわち、測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82が構成されている。測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82にて検出された制御電圧V2に基づいて可変電源46が制御される。
第2内部空所40内に導かれた被測定ガスは、酸素分圧が制御された状況下で第4拡散律速部45を通じて測定電極44に到達することとなる。測定電極44の周囲の被測定ガス中の窒素酸化物は還元されて(2NO→N2+O2)酸素を発生する。そして、この発生した酸素は測定用ポンプセル41によってポンピングされることとなるが、その際、測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82にて検出された制御電圧V2が一定となるように可変電源の電圧Vp2が制御される。測定電極44の周囲において発生する酸素の量は、被測定ガス中の窒素酸化物の濃度に比例するものであるから、測定用ポンプセル41におけるポンプ電流Ip2を用いて被測定ガス中の窒素酸化物濃度が算出されることとなる。
また、測定電極44と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、基準電極42とを組み合わせて、電気化学的センサセルとして酸素分圧検出手段を構成するようにすれば、測定電極44の周りの雰囲気中のNOx成分の還元によって発生した酸素の量と基準大気に含まれる酸素の量との差に応じた起電力を検出することができ、これによって被測定ガス中のNOx成分の濃度を求めることも可能である。
また、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、外側ポンプ電極23と、基準電極42とから電気化学的なセンサセル83が構成されており、このセンサセル83によって得られる起電力Vrefによりセンサ外部の被測定ガス中の酸素分圧を検出可能となっている。
このような構成を有するガスセンサ100においては、主ポンプセル21と補助ポンプセル50とを作動させることによって酸素分圧が常に一定の低い値(NOxの測定に実質的に影響がない値)に保たれた被測定ガスが測定用ポンプセル41に与えられる。したがって、被測定ガス中のNOxの濃度に略比例して、NOxの還元によって発生する酸素が測定用ポンプセル41より汲み出されることによって流れるポンプ電流Ip2に基づいて、被測定ガス中のNOx濃度を知ることができるようになっている。
さらに、センサ素子101は、固体電解質の酸素イオン伝導性を高めるために、センサ素子101を加熱して保温する温度調整の役割を担うヒータ部70を備えている。ヒータ部70は、ヒータ電極71と、ヒータ72と、スルーホール73と、ヒータ絶縁層74、圧力放散孔75とを備えている。
ヒータ電極71は、第1基板層1の下面に接する態様にて形成されてなる電極である。ヒータ電極71を外部電源と接続することによって、外部からヒータ部70へ給電することができるようになっている。
ヒータ72は、第2基板層2と第3基板層3とに上下から挟まれた態様にて形成される電気抵抗体である。ヒータ72は、スルーホール73を介してヒータ電極71と接続されており、該ヒータ電極71を通して外部より給電されることにより発熱し、センサ素子101を形成する固体電解質の加熱と保温を行う。
また、ヒータ72は、第1内部空所20から第2内部空所40の全域に渡って埋設されており、センサ素子101全体を上記固体電解質が活性化する温度に調整することが可能となっている。
ヒータ絶縁層74は、ヒータ72の上下面に、アルミナ等の絶縁体によって形成されてなる絶縁層である。ヒータ絶縁層74は、第2基板層2とヒータ72との間の電気的絶縁性、および、第3基板層3とヒータ72との間の電気的絶縁性を得る目的で形成されている。
圧力放散孔75は、第3基板層3を貫通し、基準ガス導入空間43に連通するように設けられてなる部位であり、ヒータ絶縁層74内の温度上昇に伴う内圧上昇を緩和する目的で形成されてなる。
<センサ素子の製造プロセス>
次に、上述のような構造を有するセンサ素子101を製造するプロセスについて説明する。本実施の形態においては、ジルコニアなどの酸素イオン伝導性固体電解質をセラミックス成分として含むグリーンシートからなる積層体を形成し、該積層体を切断・焼成することによってセンサ素子101を作製する。
以下においては、図1に示した6つの層からなるセンサ素子101を作製する場合を例として説明する。係る場合、第1基板層1と、第2基板層2と、第3基板層3と、第1固体電解質層4と、スペーサ層5と、第2固体電解質層6とに対応する6枚のグリーンシートが用意されることになる。
図2は、センサ素子101を作製する際の処理の流れを示す図である。センサ素子101を作製する場合、まず、パターンが形成されていないグリーンシートであるブランクシート(図示せず)を用意する(ステップS1)。6つの層からなるセンサ素子101を作製する場合であれば、各層に対応させて6枚のブランクシートが用意される。ブランクシートは、印刷時や積層時の位置決めに用いる複数のシート穴が設けられている。係るシート穴は、パターン形成に先立つブランクシートの段階で、パンチング装置による打ち抜き処理などで、あらかじめ形成されている。なお、対応する層が内部空間を構成するグリーンシートの場合、該内部空間に対応する貫通部も、同様の打ち抜き処理などによってあらかじめ設けられる。また、センサ素子101の各層に対応するそれぞれのブランクシートの厚みは、全て同じである必要はない。
各層に対応したブランクシートが用意できると、それぞれのブランクシートに対して種々のパターンを形成するパターン印刷・乾燥処理を行う(ステップS2)。具体的には、内側ポンプ電極22、外側ポンプ電極23、基準電極42、測定電極44、補助ポンプ電極51などの電極パターンや、第4拡散律速部45や、大気導入層48や、図示を省略している内部配線などが形成される。なお、第1基板層1に対しては、後工程において積層体を切断するときに切断位置の基準とされるカットマークも印刷される。
各々のパターンの印刷は、それぞれの形成対象に要求される特性に応じて用意したパターン形成用ペーストを、公知のスクリーン印刷技術を利用してブランクシートに塗布することにより行う。印刷後の乾燥処理についても、公知の乾燥手段を利用可能である。
なお、本実施の形態においては、第1内部空所20および第2内部空所40に設けられるポンプ電極である、内側ポンプ電極22および補助ポンプ電極51の形成に用いる導電性ペーストの調製態様が特徴的である。その詳細については後述する。
パターン印刷が終わると、各層に対応するグリーンシート同士を積層・接着するための接着用ペーストの印刷・乾燥処理を行う(ステップS3)。接着用ペーストの印刷には、公知のスクリーン印刷技術を利用可能であり、印刷後の乾燥処理についても、公知の乾燥手段を利用可能である。
続いて、接着剤が塗布されたグリーンシートを所定の順序に積み重ねて、所定の温度・圧力条件を与えることで圧着させ、一の積層体とする圧着処理を行う(ステップS4)。具体的には、図示しない所定の積層治具に積層対象となるグリーンシートをシート穴により位置決めしつつ積み重ねて保持し、公知の油圧プレス機などの積層機によって積層治具ごと加熱・加圧することによって行う。加熱・加圧を行う圧力・温度・時間については、用いる積層機にも依存するものであるが、良好な積層が実現できるよう、適宜の条件が定められればよい。
上述のようにして積層体が得られると、続いて、係る積層体の複数個所を切断してセンサ素子101個々の単位(素子体と称する)に切り出す(ステップS5)。切り出された素子体を、所定の条件下で焼成することにより、上述のような外形形状を有するセンサ素子101が生成される(ステップS6)。このようにして得られたセンサ素子101は、所定のハウジングに収容され、ガスセンサ100の本体(図示せず)に組み込まれる。
<空所内ポンプ電極の詳細構成>
次に、本実施の形態において特徴的である、内側ポンプ電極22および補助ポンプ電極51の詳細構成について説明する。なお、以降の説明においては、内側ポンプ電極22および補助ポンプ電極51を空所内ポンプ電極と総称する。
上述のように、本実施の形態においては、空所内ポンプ電極を、被測定ガス中のNO成分に対する還元能力を弱めた材料を用いて形成する。これは、空所内ポンプの導電性成分(貴金属成分)として、主成分である白金(Pt)に加えて金(Au)を含有させることで実現される。なお、貴金属成分とジルコニアとの体積比率は5:5から8:2程度が好ましい。
Auの添加には、空所内ポンプ電極における酸素以外の酸化物ガス種に対する触媒活性を低減させ(電極での分解を抑制させ)、空所内ポンプ電極における酸素に対する選択的分解能を高めるという効果がある。ここで、酸素以外の酸化物ガス種に対する触媒活性の大小は、電極におけるPtの露出量によって判断することができ、Ptの露出量が小さいほど、当該触媒活性が小さいといえる。なお、Ptの露出量は、例えばCOパルス吸着法によって求めることができる。以降においては、特に断らない限り、「触媒活性」とは、酸素以外の酸化物ガス種に対する触媒活性のことを指し示すものとする。
具体的には、本実施の形態においては、空所内ポンプ電極に存在するPt粒子の表面におけるAuの存在比(Au存在比)が0.01以上0.3以下となるようにAuを添加して、空所内ポンプ電極を形成するのが好ましい。係る場合、空所内ポンプ電極における触媒活性が好適に低減され、酸素に対する選択的分解能が高められる。
なお、本実施の形態において、Au存在比とは、空所内ポンプ電極に存在するPt粒子の表面のうち、Auによって被覆されておらずPt粒子自体が露出している部分に対する、Auが被覆している部分の面積比率を意味している。本実施の形態においては、XPS(X線光電子分光法)により得られるAuとPtとについての検出ピークのピーク強度から、相対感度係数法を用いてAu存在比を算出するものとする。
Au存在比を0.01以上とするのは、触媒活性の低減効果を好適に得るためであるとともに、NO濃度とポンプ電流Ip2との線型関係(直線性)を良好に確保するためである。なお、本実施の形態においては、係る線型関係の善し悪しを、直線率という指標にて評価する。
図3は、直線率について説明するための図である。ガスセンサ100が理想的な特性を有する場合、NO濃度とポンプ電流Ip2との間には完全な線型関係が成り立つが、実際のガスセンサ100においては、NO濃度が大きくなるにつれてこの線型関係からのズレが生じる。そこで、完全な線型関係にどの程度近似しているかを表す指標として直線率を用いる。
具体的には、以下の式によって、直線率を求める。
Figure 0005323752
この式は、図3において点Aが示すNO濃度が2000ppmのときのポンプ電流の値Ip2(2000)が、点Bが示すNO濃度が0ppmのときのポンプ電流の値Ip2(0)と点Cが示す500ppmのときのポンプ電流の値Ip2(500)とを結んだ線分の延長線である破線L上の点A’が示す理想的なポンプ電流の値Ip2(2000)iに対してどの程度であるのかを表している。
上式で得られる直線率が95%以上であれば、NO濃度とポンプ電流Ip2との間に線型関係が実質的に成り立ち、実用上は十分な測定精度が得られることが、本発明の発明者によって確認されている。
図4は、Au存在比が異なる種々のガスセンサについて、上式より求めた直線率を、Au存在比に対してプロットした図である。図4からは、Au存在比が0.01以上である場合に、直線率が95%以上となっている一方で、Au存在比が0.01を下回ると直線率が急激に低下することが確認される。係る結果は、Au存在比は0.01以上が好ましいことを示している。
一方、Au存在比を0.3以下とするのは、各ポンプセルにおける電極間インピーダンスの増大を抑制するためである。電極間インピーダンスが大きいほど、ある一定の電流を流すためにポンプセルに印加すべき電圧の値が大きくなるが、本実施の形態に係るガスセンサ100のような限界電流方式のガスセンサの場合、ポンプセルへの過大な電圧の印加は、本来は分解の必要がない酸素以外の物質の分解を招来して酸素に対する選択的分解能を不安定なものとするため、好ましくない。
図5は、Au存在比が異なる種々のガスセンサについて、外側ポンプ電極23と内側ポンプ電極22との間の電極間インピーダンスを、Au存在比に対してプロットした図である。図5からは、Au存在比が0.3以下の場合には電極間インピーダンスはほぼ一定に保たれるが、0.3を上回ると急激に電極間インピーダンスが増大することが確認される。係る結果は、Au存在比は0.3以下が好ましいことを示している。
より好ましくは、Au存在比は、0.1以上0.25以下とされ、さらに好ましくは、Au存在比は、0.2以上0.25以下とされる。この場合、空所内ポンプ電極におけるPtの露出量が、Au存在比が0.01以下の場合の4/5〜3/4程度にまで減少する。すなわち、触媒活性の低減効果をより十分に得ることができる。
<空所内ポンプ電極用の導電性ペースト>
次に、空所内ポンプ電極の形成に用いる導電性ペーストについて説明する。従来、空所内ポンプ電極用の導電性ペーストは、PtとAuの合金粉末と、ジルコニア粉末と、バインダーとを混合することによって作製されていた。あるいは、Pt粉末と、PtとAuとの合金粉末とをあわせて、所定のAu添加量を実現する場合もあった。すなわち、いずれの場合も、導電性ペースト中のAuの出発原料はPtとの合金粉末であった。係る態様での導電性ペーストの作製を、Au合金粉末混合と称することとする。しかしながら、係るAu合金粉末混合により得られた導電性ペーストを用いて形成した空所内ポンプ電極においては、電極のPt粒子の表面におけるAu存在比が、0.01を上回ることがなかった。すなわち、従来公知の態様にて調製された導電性ペーストを用いたとしても、空所内ポンプ電極において0.01以上0.3以下というAu存在比を実現することは困難である。
本実施の形態においては、Auを合金粉末にて混合することに代えて、Auの出発原料としてAuイオン含有液体を用い、該Auイオン含有液体を、Pt粉末と、ジルコニア粉末と、バインダーとを混合することによって、空所内ポンプ電極用の導電性ペーストを作製する。なお、バインダーとしては、他の原料を印刷可能な程度に分散させることができ、焼成によりすべて焼失するものを適宜選べばよい。係る態様での導電性ペーストの作製を、Au液体混合と称することとする。ここで、Auイオン含有液体とは、Auイオンを含む塩もしくは有機金属錯体を、溶媒へ溶解させたものである。Auイオンを含む塩としては、例えばテトラクロロ金(III)酸(HAuCl4)、塩化金(III)ナトリウム(NaAuCl4)、二シアノ金(I)カリウム(KAu(CN)2)などを用いることができる。Auイオンを含む有機金属錯体としては、ジエチレンジアミン金(III)塩化物([Au(en)2]Cl3)、ジクロロ(1,10-フェナントロリン)金(III)塩化物([Au(phen)Cl2]Cl)、ジメチル(トリフルオロアセチルアセトナト)金あるいはジメチル(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)金などを用いることができる。なお、NaやKなどの不純物が電極中に残留しない、取り扱いが容易である、あるいは溶媒へ溶解しやすい、などの観点からは、テトラクロロ金(III)酸やジエチレンジアミン金(III)塩化物([Au(en)2]Cl3)を用いることが好ましい。また、溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類の他、アセトン、アセトニトリル、ホルムアミドなどを用いることができる。なお、混合は、滴下などの公知の手段を用いて行うことができる。また、得られた空所内ポンプ電極用の導電性ペースト中においては、Auはイオン(もしくは錯イオン)の状態で存在しているが、上述した作製プロセスを経て得られたセンサ素子に形成されてなる空所内ポンプ電極においては、Auは主として単体あるいはPtとの合金の状態で存在することになる。
係るAu液体混合にて作製した空所内ポンプ電極用の導電性ペーストを用いることで、Au合金粉末混合によって作製した従来の導電性ペーストを用いる態様では実現が困難であった、Pt粒子の表面におけるAu存在比が0.01以上0.3以下となる空所内ポンプ電極を形成することができる。しかも、Au存在比のロット間ばらつきが平均値の約10%以下にまで抑制される。
さらに、この場合、形成された空所内ポンプ電極におけるPt露出量が、従来のAu合金粉末混合にて作製した導電性ペーストを用いた場合の1/5以下にまで抑制される。また、前者のロット間ばらつきが後者の1/3程度に抑制される。すなわち、Au液体混合にて作製した空所内ポンプ電極用の導電性ペーストを用いて空所内ポンプ電極を形成することが、空所内ポンプ電極における触媒活性の低減において効果的であるといえる。
また、この場合、電極間インピーダンスのロット間ばらつきが、Au合金粉末混合にて作製した導電性ペーストを用いた場合の約1/5程度に低減される。これにより、酸素ポンピング能のロット間ばらつきが好適に抑制される。
通常、1つの空所内ポンプ電極の形成に使用される導電性ペーストの量は、一度に作製される導電性ペーストの量に比して十分に小さい。このことを鑑みると、ロット間でAu存在比のばらつきが小さいということは、本実施の形態に係るAu液体混合にて作製した空所内ポンプ電極用の導電性ペーストにおいては、従来のAu合金粉末混合にて作製した導電性ペーストに比して、Au原子がより分散性の高い状態で存在していることを意味している。そして、Au液体混合を用いる手法が、このようなAu原子の分散性の高い導電性ペーストの作製、ひいてはポンプセルにおける電極間インピーダンスばらつきの抑制に、好適なものであるといえる。
また、Au存在比のばらつきが小さいということは、空所内ポンプ電極用の導電性ペーストにおける全貴金属元素中のAuの重量比率と空所内ポンプ電極のPt粒子の表面におけるAu存在比との相関が高いということである。そして、電極間インピーダンスのばらつきが小さいということは、当該重量比率と電極間インピーダンスとの相関が高いということである。この場合、導電性ペースト作製時の原料混合時の組成が特定されれば、これに応じて、ポンプ電極における電極粒子の表面組成さらには電極間インピーダンスが定まることになる。このことは、空所内ポンプ電極用の導電性ペーストを作製する際にAu液体混合を採用することで、空所内ポンプ電極の組成制御をより精密に行うことができ、結果として、主ポンプ電極および補助ポンプ電極のポンピング能を精密に制御することを意味している。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、センサ素子の空所内ポンプ電極(内側ポンプ電極および補助ポンプ電極)のPt粒子の表面におけるAu存在比を0.01以上0.3以下とすることで、NO濃度とポンプ電流Ip2との線型関係が保たれ、かつ、主ポンプセルおよび補助ポンプセルにおける電極間インピーダンスが抑制されてなるとともに、空所内ポンプ電極における触媒活性が低減されて酸素の選択的分解能が高められたガスセンサが、実現される。
また、空所内ポンプ電極の形成は、Auイオン含有液体を含む導電性ペーストを用いることで実現される。しかも、係るAuイオン含有液体を含んだ導電性ペーストを用いることで、空所内ポンプ電極のPt粒子の表面におけるAu存在比のロット間ばらつきおよび酸素ポンピング能のロット間ばらつきが、好適に抑制される。すなわち、導電性ペーストにおける全貴金属元素中のAuの重量比率と空所内ポンプ電極のPt粒子の表面におけるAu存在比との間、および当該重量比率と電極インピーダンスとの間に、高い相関関係が得られる。ゆえに、Auイオン含有液体を含む導電性ペーストを用いるようにすることで、ガスセンサの空所内ポンプ電極の組成制御および設計を、より精密に行うことができるようになる。その結果、ガスセンサの品質の安定化が実現される。
<第2の実施の形態>
上述した第1の実施の形態においては、Au液体混合にて作製した導電性ペーストを用いて空所内ポンプ電極を形成するようにしているが、本実施の形態においては、空所内ポンプ電極用の導電性ペーストの別の作製態様について説明する。
本実施の形態においては、空所内ポンプ電極用の導電性ペーストを作製する際の出発原料として、Ptの粉末にAuをコーティングしたコーティング粉末を用いるようにする。すなわち、係るコーティング粉末と、ジルコニア粉末と、バインダーとを混合することによって、空所内ポンプ電極用の導電性ペーストを作製する。ここで、コーティング粉末としては、Pt粉末の粒子表面をAu膜にて被覆してなる態様のものを用いるようにしてもよいし、Pt粉末粒子にAu粒子を付着させてなる態様のものを用いるようにしてもよい。
係るコーティング粉末を用いて作製した導電性ペーストを用いた場合も、第1の実施の形態と同様に、Pt粒子の表面におけるAu存在比が0.01以上0.3以下であり、かつPt露出量についても第1の実施の形態と同程度にまで低減された空所内ポンプ電極を、形成することができる。
すなわち、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、センサ素子の空所内ポンプ電極のPt粒子の表面におけるAu存在比を0.01以上0.3以下とすることで、NO濃度とポンプ電流Ip2との線型関係が保たれ、かつ、主ポンプセルおよび補助ポンプセルにおける電極間インピーダンスが抑制されてなるとともに、空所内ポンプ電極における触媒活性が低減されて酸素の選択的分解能が高められたガスセンサが、実現される。
また、本実施の形態に係る導電性ペーストを用いて形成した空所内ポンプ電極においても、Pt粒子の表面におけるAu存在比のロット間ばらつきは好適に抑制される。すなわち、本実施の形態の場合も、第1の実施の形態と同様に、導電性ペースト中のAuの重量比率と空所内ポンプ電極のPt粒子の表面におけるAu存在比との間に高い相関関係が得られる。ゆえに、本実施の形態に係る導電性ペーストを用いるようにすることで、ガスセンサのポンプ電極の組成制御および設計を、より精密に行うことができるようになる。その結果、ガスセンサの品質の安定化が実現される。
<変形例>
空所内ポンプ電極の形成に、Auイオン含有液体を含む導電性ペーストを用いる態様は、限界電流方式を利用した酸素センサに対しても有効である。係る酸素センサの場合も、酸素以外の酸化物ガス(NO、CO2、H2Oなど)が分解されることで生成した酸素イオンが酸素ポンプ電流として流れてしまうと、測定精度が低下することになる。すなわち、酸素センサの場合も、酸素ポンピングセルが、酸素ガスのみを選択的にポンピングするように構成されることが求められる。係る酸素センサについても、上述の実施の形態と同様にAuイオン含有液体を含む導電性ペーストを用いて空所内ポンプ電極を形成することで、該空所内ポンプ電極の触媒活性を低減させ、酸素ガスに対する選択的分解能を高めることができる。
上述の実施の形態に係るセンサ素子101の実施例1として、Auイオン含有液体としてジエチレンジアミン金(III)塩化物([Au(en)2]Cl3)を用いて作製した導電性ペーストを空所内ポンプ電極の形成に使用した、複数のセンサ素子を作製した。また、実施例2として、Pt粉末の粒子表面をAu膜にて被覆してなるAuコーティング粉末を用いて作製した導電性ペーストを空所内ポンプ電極の形成に使用した、複数のセンサ素子を作製した。なお、いずれの実施例においても、空所内ポンプ電極用の導電性ペーストは、全貴金属元素中のAuの重量比率が0.9重量%となるように作製した。また、貴金属成分とセラミック成分であるジルコニアとの体積比率は6:4とした。
また、比較例として、Auを合金粉末混合により含有させた導電性ペーストを空所内ポンプ電極の形成に使用した複数のセンサ素子も併せて作製した。なお、空所内ポンプ電極用の導電性ペーストにおける全貴金属元素中のAuの重量比率を0.7重量%となるようにしたほか、作製条件および構成は全て実施例1と同様とした。
得られたセンサ素子の内側ポンプ電極を対象として、以下に示すように、触媒活性評価、Au存在比評価、および電極インピーダンス測定を行った。
(Pt露出量測定による触媒活性評価)
COパルス吸着法にて、内側ポンプ電極におけるPt表面の露出量を評価した。粒子表面のPt1原子に対してCO1分子が吸着する一方、Au原子については室温においてCO分子をほとんど吸着しないことがわかっているので、CO吸着量を測定することにより、内側ポンプ電極におけるPt露出量を測定することができる。すなわち、CO吸着量が多いほど表面に露出しているPt原子が多いことになる。なお、比較のため、純Pt粉末についても測定を行った。測定ロット数はそれぞれ6とした。なお、測定に先立ち、加熱前処理を行い、あらかじめ吸着しているガスや不純物を除去した。
測定条件は以下の通りである。
試料量:0.5g;
吸着ガス:CO 50% / He balance;
パルス打ち込み量:10μl/1パルス。
図6は、Pt露出量測定の結果を示す図である。図6においては、棒グラフが平均値を示しており、エラーバーがばらつき(レンジ)を示している。
図6によれば、実施例1および実施例2ともに、Pt粉末の場合に比して、Pt露出量に相当するCO吸着量が著しく小さくなっている。これに対して、比較例においては、Pt粉末の場合よりCO吸着量がわずかに小さいだけである。これにより、実施例1および実施例2におけるAu添加の手法が、比較例に係るAu合金粉末混合に比して、Pt露出量の低減、つまりは触媒活性の低減に極めて効果的であることが確認された。また、実施例1および実施例2におけるロット間ばらつきが比較例の約1/3程度であるということは、実施例の方が比較例よりも、触媒活性を安定化させることができることを意味している。
(Au存在比評価)
XPS(X線光電子分光法)により、内側ポンプ電極のPt粒子の表面におけるAu存在比を評価した。Au存在比は、AuとPtとについての検出ピークのピーク強度から相対感度係数法を用いて算出した。測定ロット数は、実施例が6、比較例が8であった。
測定条件は以下の通りである。
測定装置:Physical Electronics Inc.社製ESCA-5700ci;
X線源:MgKα(1254.6eV);
出力:400W;
分光器:Pass Energy 23.5eV;
検出ピーク:Au4f、Pt4f;
X線と試料との角度:45°;
X線と分光器との角度:54.7°
計算ソフト:PHI MultiPak 6.2。
図7は、得られたAu存在比を示す図である。図7においては、菱形印、三角印、および丸印が平均値を示しており、エラーバーがばらつき(レンジ)を示している。
図7によれば、実施例1および実施例2においては、内側ポンプ電極のPt粒子の表面におけるAu存在比が0.2〜0.25の範囲にあるのに対して、比較例においては0.01以下である。図6に示したPt露出量測定の結果を併せ考えると、内側ポンプ電極のPt粒子の表面におけるAu存在比が高められることで、実施例1および実施例2においては、触媒活性が低減されているものといえる。
さらに、比較例においては、Au存在比がロット間で平均値の2倍程度ばらつくのに対して、実施例1および実施例2では係るAu存在比のロット間ばらつきが平均値の約10%以下にまで低減されている。このことは、実施例1および実施例2におけるAu添加の手法が、比較例における合金粉末混合によるAu添加よりも、内側ポンプ電極のPt粒子の表面においてAuを均一に分散させる効果が高いということを意味している。
(電極インピーダンス測定)
外側ポンプ電極と内側ポンプ電極の間におけるインピーダンスを測定した。具体的には、センサ素子101の通常の駆動温度において、酸素濃度が18%と既知の被測定ガスをセンサ素子101に導入し、両ポンプ電極間への印加電圧とそのとき流れる電流値との間の回帰直線を求め、その傾きの逆数をインピーダンス値とした。測定ロット数は、6であった。
図8は、電極インピーダンスの測定結果を示す図である。四角印および菱形印が平均値を示しており、エラーバーがばらつき(レンジ)を示している。
図8によれば、実施例1においては、インピーダンス値の平均値こそ比較例よりもわずかに大きいものの、インピーダンス値についてのロット間ばらつきが、比較例の約1/5程度にまで低減されている。この結果は、Au液体混合によるAu添加を行うことで、空所内ポンプ電極における酸素に対するポンピング能を安定化させることができることを意味している。
1 第1基板層
2 第2基板層
3 第3基板層
4 第1固体電解質層
5 スペーサ層
6 第2固体電解質層
21 主ポンプセル
22 内側ポンプ電極
23 外側ポンプ電極
41 測定ポンプセル
42 基準電極
44 測定電極
50 補助ポンプセル
51 補助ポンプ電極
70 ヒータ
71 ヒータ電極
72 ヒータ絶縁層
100 ガスセンサ
101 センサ素子

Claims (12)

  1. 限界電流方式により被測定ガス中のガス成分の濃度を測定するガスセンサの内部空所に設けられた、前記内部空所における酸素分圧調整用の電気化学的ポンプセルを構成するポンプ電極であって、
    貴金属と酸素イオン導電性を有する酸化物とのサーメットからなり、
    前記貴金属が、
    触媒活性を有する第1の貴金属と、
    前記第1の貴金属の酸素以外の酸化物ガスに対する触媒活性を抑制させる触媒活性抑制能を有する第2の貴金属と、
    を含んでおり、
    前記ポンプ電極に存在する前記第1の貴金属の粒子の表面のうち、前記第2の貴金属によって被覆されておらず前記第1の貴金属の粒子自体が露出している部分に対する前記第2の貴金属が被覆している部分の面積比率である前記第2の貴金属の存在比が0.01以上0.3以下である、
    ことを特徴とするガスセンサのポンプ電極。
  2. 請求項1に記載のガスセンサのポンプ電極であって、
    前記ポンプ電極に存在する前記第1の貴金属の粒子の表面における前記第1の貴金属に対する前記第2の貴金属の存在比が0.1以上0.25以下である、
    ことを特徴とするガスセンサのポンプ電極。
  3. 請求項1または請求項2に記載のガスセンサのポンプ電極であって、
    前記第1の貴金属が白金であり、前記第2の貴金属が金である、
    ことを特徴とするガスセンサのポンプ電極。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のガスセンサのポンプ電極の形成に用いる導電性ペーストを製造する方法であって、
    前記第1の貴金属の粉末と、
    前記第2の貴金属のイオンを含む塩もしくは有機金属錯体を溶媒へ溶解させてなるイオン含有液体と、
    を出発原料に含むことを特徴とする導電性ペーストの製造方法。
  5. 請求項4に記載のガスセンサのポンプ電極の形成に用いる導電性ペーストの製造方法であって、
    前記第2の貴金属のイオンを含む塩が、テトラクロロ金(III)酸、塩化金(III)ナトリウム、二シアノ金(I)カリウムのいずれかである、
    ことを特徴とする導電性ペーストの製造方法。
  6. 請求項4に記載のガスセンサのポンプ電極の形成に用いる導電性ペーストの製造方法であって、
    前記第2の貴金属のイオンを含む有機金属錯体が、ジエチレンジアミン金(III)塩化物([Au(en)2]Cl3)、ジクロロ(1,10-フェナントロリン)金(III)塩化物([Au(phen)Cl2]Cl)、ジメチル(トリフルオロアセチルアセトナト)金あるいはジメチル(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)金のいずれかである、
    ことを特徴とする導電性ペーストの製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のガスセンサのポンプ電極の形成に用いる導電性ペーストを製造する方法であって、
    前記第1の貴金属の粉末に前記第2の貴金属をコーティングしたコーティング粉末を出発原料に含むことを特徴とする導電性ペーストの製造方法。
  8. 請求項7に記載のガスセンサのポンプ電極の形成に用いる導電性ペーストを製造する方法であって、
    前記第1の貴金属の粉末の粒子表面を前記第2の貴金属の膜にて被覆してなる前記コーティング粉末を出発原料に含むことを特徴とする導電性ペーストの製造方法。
  9. 請求項7に記載のガスセンサのポンプ電極の形成に用いる導電性ペーストを製造する方法であって、
    前記第1の貴金属の粉末の粒子に前記第2の貴金属の粒子を付着させてなる前記コーティング粉末を出発原料に含むことを特徴とする導電性ペーストの製造方法。
  10. 請求項4ないし請求項9のいずれかに記載のガスセンサのポンプ電極の形成に用いる導電性ペーストの製造方法であって、
    前記導電性ペーストの貴金属成分中の前記第2の貴金属の重量比率が0.5重量%以上0.95重量%以下となるように、前記出発原料を作製する、
    ことを特徴とする導電性ペーストの製造方法。
  11. 限界電流方式により被測定ガス中のガス成分の濃度を測定するガスセンサであって、
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のポンプ電極を内部空所に備える
    ことを特徴とするガスセンサ。
  12. 請求項11に記載のガスセンサであって、
    前記ポンプ電極が、請求項4ないし請求項10のいずれかに記載の製造方法を用いて製造された導電性ペーストを用いて形成されてなる、
    ことを特徴とするガスセンサ。
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