JP2003092227A - 内部電極材料及びその製造方法 - Google Patents

内部電極材料及びその製造方法

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JP2003092227A
JP2003092227A JP2001284515A JP2001284515A JP2003092227A JP 2003092227 A JP2003092227 A JP 2003092227A JP 2001284515 A JP2001284515 A JP 2001284515A JP 2001284515 A JP2001284515 A JP 2001284515A JP 2003092227 A JP2003092227 A JP 2003092227A
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palladium
platinum
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gold
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JP2001284515A
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Nobuyuki Minami
信之 南
Takashi Yasuda
高志 安田
Kenji Kumamoto
憲二 熊本
Toru Ezaki
徹 江崎
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層型誘電体素子を製造するに際して白金又
はパラジウムを内部電極材料として用いても、その積層
間隔を薄層化することが可能で、かつ、デラミネーショ
ンやクラック等の不具合が発生することがない内部電極
材料の製造方法を提供する。 【解決手段】 白金又はパラジウムに対して金溶液を0.
1〜1モル%添加・混合して得られるスラリーから分散
媒を除去することによって、前記白金又はパラジウムを
金によりコーティング処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部電極材料及び
その製造方法に関するもので、さらに詳しくは、積層型
誘電体素子を製造する際に用いる内部電極材料及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一体焼結型の積層型誘電体素子の
内部電極材料としては白金又はパラジウムが一般的に用
いられているが、焼結温度が1200℃以下と低い場合
には銀とパラジウムの混合粉も用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、白金又はパ
ラジウムの粉末は触媒作用を有するため、これらを内部
電極材料として用いると、積層体の脱バインダー工程に
おいてセラミックスグリーン体および内部電極ペースト
中の有機物の熱分解を促進し、いわゆる熱暴走状態とな
り、積層体の内部電極近傍では急激に温度が上昇するた
め、得られた積層型誘電体素子にデラミネーションやク
ラック等の不具合が発生することが指摘されている。こ
のように内部電極として白金又はパラジウムを用いた積
層体は、脱バインダーをする際に緩やかに昇温する従来
の手段だけでは、デラミネーション等の不具合を防止す
ることができなかった。
【0004】特に、パラジウムを内部電極材料として用
いると、パラジウムが約400℃以上で酸化膨張するた
め、内部電極間隔が100μm以下で積層数が100層
を超えるような積層体では脱バインダー、焼結工程でデ
ラミネーションが発生することが指摘されている。この
ため、脱バインダー工程での積層体の放熱性、分解ガス
の散逸性を上げ、かつ、パラジウムの酸化膨張の影響を
受けないようにするため、積層数を例えば100層以下
としたり、内部電極の間隔を100μm以上とする必要
があり、積層体の構造にいろいろと制限を受けるという
課題があった。
【0005】このように内部電極間隔が広いと積層型誘
電体素子の体積は大きくなり、圧電特性、誘電特性も低
下する。また、積層数を少なくすると、積層数に比例し
圧電特性、誘電特性が低下する。このような不具合を補
うためには複数の誘電体素子を連結して使用する必要が
あり、コストアップの原因となっていた。
【0006】本発明は以上の課題を解決するためになさ
れたもので、積層型誘電体素子を製造するに際して白金
又はパラジウムを内部電極材料として用いても、その積
層間隔を薄層化することが可能で、かつ、デラミネーシ
ョンやクラック等の不具合が発生することがない内部電
極材料及びその製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】 上記した本発明の目
的は、誘電セラミックスと内部電極が交互に積層された
積層型誘電体素子を製造する際に用いる内部電極材料で
あって、該内部電極材料が金を0.1〜1モル%コーティ
ング処理した白金又はパラジウムを含むことを特徴とす
る内部電極材料によって達成される。
【0008】また、本発明の目的は、白金又はパラジウ
ムに対して金溶液を0.1〜1モル%添加・混合して得ら
れるスラリーから分散媒を除去することによって、前記
白金又はパラジウムを金によりコーティング処理するこ
とを特徴とする内部電極材料の製造方法よっても達成さ
れる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らは白金又はパラジウム
を金によりコーティング処理することを提案している。
その理由は、このことにより、白金又はパラジウムの触
媒作用を抑制できるのではないかとの着想による。すな
わち本発明では、積層体の脱バインダー工程で有機物の
熱分解に伴う分解ガスや発熱が急激に発生する事もなく
なり、デラミネーションやクラックの発生も抑制でき、
高性能で高い信頼性を有する積層型誘電体素子を製造す
ることが可能となる。
【0010】また、本発明によれば、積層間隔100μ
m以下で100層以上積層できるようになり、例えば、
100℃以上の高温下でも連続して使用可能であり、低
電圧で高変位が得られる積層型誘電体素子が製造できる
ようになる。また、白金又はパラジウムの触媒作用を抑
制することができるため、積層体の脱バインダー時の昇
温速度を上げて処理時間を短縮することができるため、
生産性を向上させる作用がある。
【0011】本発明では、金を0.1〜1モル%コーティ
ング処理した白金又はパラジウムを内部電極材料として
提案している。その理由は、金のコーティング量が0.1
モル%より少ないと白金、パラジウムの触媒作用を抑制
する効果が十分でなく、逆に、金のコーティング量が1
モル%より多いと電極材料の融点が低下し高温で焼結す
ることができなくなるからである。
【0012】以下に、本発明を実施例と比較例によりさ
らに説明する。所定量の酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸
化チタンの粉末を湿式で混合後、脱水、乾燥した後10
00℃で2時間加熱し、チタン酸ジルコン酸鉛(以下、
PZTと略記する。)を合成した。このPZTをボール
ミルで粉砕した後、バインダー、溶剤、分散剤、消泡剤
を加え、アトライターで分散してスラリー化した。この
スラリーを真空脱泡後、ドクターブレード成形機により
厚さ100μmのグリーンシートを成形した。
【0013】内部電極としては、次の4種類のペースト
を調製した。 (実施例1)白金粉にイソプロパノールを適量加えスラ
リー状とし、これに金レジネート液を白金の0.1モル
%加え十分に撹拌した。真空乾燥器でイソプロパノール
を十分に除去した後、オーブンで300℃、1時間加熱
し、白金粉に金をコーティングした。この白金粉にエチ
ルセルロース、テルピネオールを加え、3本ロールで分
散し、内部電極ペースト1とした。
【0014】(実施例2)パラジウム粉にイソプロパノ
ールを適量加えスラリー状とし、これに金レジネート液
をパラジウムの0.1モル%加え十分に撹拌した。真空
乾燥器でイソプロパノールを十分に除去した後、オーブ
ンで300℃、1時間加熱し、パラジウム粉に金をコー
ティングした。この金をコーティングしたパラジウム粉
と銀粉を7:3のモル比で混合し、これにエチルセルロ
ース、テルピネオールを加え、3本ロールで分散し、内
部電極ペースト2とした。
【0015】(比較例1)比較例として、金をコーティ
ングしていない白金粉にエチルセルロース、テルピネオ
ールを加え、3本ロールで分散し、内部電極ペースト3
とした。
【0016】(比較例2)比較例として、金をコーティ
ングしていないパラジウム粉と銀粉を7:3のモル比で
混合し、これにエチルセルロース、テルピネオールを加
え、3本ロールで分散し、内部電極ペースト4とした。
【0017】PZTのグリーンシートに内部電極ペース
ト1〜4をスクリーン印刷機によりそれぞれ4〜6μm
の厚みで印刷した。内部電極を印刷したシートをそれぞ
れ各200枚ずつを積層し、プレス機で加圧し圧着し
た。
【0018】これらの積層体を同一の条件で脱脂後、表
1に示した温度で焼結した。焼結後の内部電極間隔は6
0μmに収縮していた。次に、得られた焼結後の積層体
のデラミネーション及びクラックの発生状況を調べた。
デラミネーションは目視により確認できるものを不良と
した。また、焼結後の積層体を素子に切断加工した後、
両側面に銀を焼き付け外部電極を形成し、この外部電極
にDC150V(2.5kV/mm)を1分間印加し、
絶縁破壊する素子の割合を調べた。これらの結果を表1
にまとめて示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1の結果より、実施例1及び実施例2に
より製造した積層体では脱バインダー時のデラミネーシ
ョンが全く発生しなかった。一方、比較例1で製造した
白金内部電極の積層体は全て脱バインダー時に大きなデ
ラミネーションが発生し、積層体が2〜4箇所で完全に
剥離してしまっていた。剥離部は褐色に変色していた。
これは脱バインダー時の分解ガスの酸化熱が蓄積され熱
暴走状態となり、ついには分解ガスが発火し、その際の
急激な熱と圧力により積層体が破壊したものと推測され
る。比較例2により製造した銀パラジウム内部電極の積
層体の半数には脱バインダー時に2、3箇所の部分的な
デラミネーションが発生していた。次に、この積層体よ
り作製した積層型誘電体素子にDC150Vを1分間印
加したところ、30%の素子で絶縁破壊が発生したが、
この絶縁破壊は素子のデラミネーション部で発生してい
た。実施例1及び実施例2より製造した積層型誘電体素
子では絶縁不良は全く発生しなかった。
【0021】次に、本発明の比較例として、コーティン
グに用いる金の添加量を0.05モル%とした白金内部
電極の積層体では、比較例1と同様に脱バインダー工程
でデラミネーションが発生し、積層体が破損した。ま
た、コーティングに用いる金の添加量を0.05モル%
とした銀パラジウム内部電極の積層体では、比較例2と
同様に脱バインダー工程で部分的なデラミネーションが
発生し、素子加工後150V印加すると一部が絶縁破壊
した。これよりコーティングに用いる金の添加量は0.
1モル%以上必要であることを確認した。
【0022】なお、本実施例では金レジネートを白金又
はパラジウムに添加して得られるスラリーから、乾燥、
加熱して分散媒を除去したコーティング処理について説
明したが、その他の湿式法、気相法でのコーティング処
理でも本発明は有効に作用する。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法によれ
ば、内部電極間隔が60μmで積層数が200層の積層
誘電体素子をデラミネーションの発生が無く、2.5k
V/mmの高電界印加でも絶縁破壊もなく製造すること
ができる。内部電極が60μm間隔の素子では従来の1
00μm以上の間隔の素子より、発生する電界強度は
1.7倍以上となるため、印加する電圧を下げることが
可能となる。また、従来の2倍以上の積層数を有する素
子が製造できるため、大容量のコンデンサーや大変位量
の圧電アクチュエータ素子を供給することが可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江崎 徹 千葉県東金市小沼田1568−4 太平洋セメ ント株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 5E001 AB03 AE02 AH01 AH09 AJ01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電セラミックスと内部電極が交互に積
    層された積層型誘電体素子を製造する際に用いる内部電
    極材料であって、該内部電極材料が金を0.1〜1モル%
    コーティング処理した白金又はパラジウムを含むことを
    特徴とする内部電極材料。
  2. 【請求項2】 白金又はパラジウムに対して金溶液を0.
    1〜1モル%添加・混合して得られるスラリーから分散
    媒を除去することによって、前記白金又はパラジウムを
    金によりコーティング処理することを特徴とする請求項
    1に記載の内部電極材料の製造方法。
JP2001284515A 2001-09-19 2001-09-19 内部電極材料及びその製造方法 Pending JP2003092227A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2237029A1 (en) * 2009-03-30 2010-10-06 NGK Insulators, Ltd. Pumping electrode of gas sensor, method of manufacturing conductive paste, and gas sensor
JP2013508539A (ja) * 2009-10-14 2013-03-07 ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー 方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2237029A1 (en) * 2009-03-30 2010-10-06 NGK Insulators, Ltd. Pumping electrode of gas sensor, method of manufacturing conductive paste, and gas sensor
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