JP5323017B2 - 磁気ディスク基板用洗浄剤 - Google Patents

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本発明は、磁気ディスク基板用洗浄剤に関する。
従来より磁気ディスク用基板の洗浄技術において、近年の磁気ディスクの高記録密度化に伴い、製造時における基板上に残存する微量のパーティクル(例えば砥粒、研磨剤のくず)や不純物(例えば洗浄剤残さ、大気中からのゴミ)が磁気ディスクの性能や歩留まりに大きく影響するため、それを極力低減することが極めて重要になってきている。特に洗浄の対象となるパーティクルがより微粒子化してきており、従来以上にディスク用基板表面に残存しやすくなることから、高度洗浄技術の確立が急務となっている。
このため、これらのパーティクルによる汚染を防止する方法として、界面活性剤を用いて、パーティクルの除去性を向上させる方法が提案されている(特許文献1、2)。
近年、磁気ディスク用基板のうちのアルミ基板の製造においては、基板表面に非磁性層であるNi−Pメッキを施し、その後アルミナスラリーやコロイダルシリカで研磨して鏡面仕上げする工程、および必要によりにその後にさらにダイヤモンドスラリー等を用いて基板表面をテクスチャリングする工程がある。しかし、その際にこれらの研磨剤や研磨屑が基板表面に強固に付着し、洗浄工程で十分に除去できないといった問題がある。
一方、ガラス基板においても、その製造工程に、酸化セリウムやコロイダルシリカで研磨して鏡面仕上げする工程、およびその後に必要によりさらにダイヤモンドスラリー等を用いて基板表面をテクスチャー加工、またはミラーポリッシュ加工する工程を含む。しかし、その工程中に研磨剤や研磨屑が基板表面に強固に付着し、洗浄工程で十分に除去できないといった問題がある。
これらの研磨剤や研磨屑に代表されるパーティクルは、アルミ製やガラス製の基板表面に強固に付着しているため、これらを十分に除去するためには、基板表面を僅かにエッチングし、パーティクルを液中に分散させ、さらに液中に分散したパーティクルを基板表面に再付着しないようにする必要がある。
また、これらの研磨スラリーに含まれているクーラント成分は、金属イオンと反応し水に不溶性の物質が生成し、基板表面に付着し残渣として残ってしまい、洗浄工程で十分に除去できない問題がある。
ところで、上記の特許文献1では、洗浄対象となる研磨剤微粒子を凝集させ、粗大化させることで再付着を防止する方法が提案されているが、粗大化した粒子が僅かに基板表面に付着した場合でも深刻な問題を引き起こす恐れがあることや、クーラント成分由来の残渣に対する洗浄については触れられていない。
また、上記特許文献2で提案されている方法は、アニオン性界面活性剤を用いることにより、パーティクルの再付着防止効果はある程度改善できるものの、基板表面に対するエッチング性がほとんど無いため、パーティクル除去性が不十分であり、洗浄性が不十分であるという問題があった。
特開平11−43791号公報 特開2002−212597号公報
本発明の目的は、クーラント成分由来の残渣に対して優れた洗浄性を有するとともに、基板表面に対して適度なエッチング性を有することで基板表面から脱離したパーティクルの分散性が良好であり、優れたパーティクルの除去性を実現可能にする磁気ディスク用基板洗浄剤を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決する磁気ディスク基板用洗浄剤を得るべく鋭意検討した結果、洗浄剤中に特定のノニオン界面活性剤と脂肪族アルカノールアミンを含有させることにより、クーラント成分由来の残渣およびパーティクルに対する除去性が著しく向上することを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で示され、かつ式中のm/(n+m+k)が0.20〜0.55であるノニオン界面活性剤(A)、脂肪族アルカノールアミン(B)およびキレート剤(C)を必須成分として含有するpHが9〜14であることを特徴とする磁気ディスク基板用洗浄剤。
HO−(EO)n−(PO)m−(EO)k−H (1)
[式中、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、(EO)n、(PO)m、(EO)kは、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドがブロック状で付加している。n、m、kはそれぞれ20以上の数を表し、n+m+kは60〜200である。]
本発明の洗浄剤は、磁気ディスクの製造工程において問題となるクーラント成分由来の残渣や微細なパーティクルの洗浄性に優れ、基板にダメージを与えることなく短時間かつ効率的な洗浄ができるという効果を有する。
本発明のノニオン界面活性剤(A)は、下記一般式(1)で示されるトリブロック型の界面活性剤である。
HO−(EO)n−(PO)m−(EO)k−H (1)
[式中、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、(EO)n、(PO)m、(EO)kは、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドがブロック状で付加している。n、m、kはそれぞれ20以上の数を表し、n+m+kは60〜200である。]
磁気ディスク基板の表面のクーラント成分に由来する残渣の洗浄性の観点から、分子全体に占めるオキシプロピレン基の割合であるm/(m+n+k)の値は通常0.20〜0.55であり、好ましくは0.23〜0.45である。
0.20未満では、クーラント成分との親和性が低く、洗浄性が劣るため好ましくない。また、0.55を超えると、ノニオン界面活性剤が水に分散せずに洗浄残渣として残るため好ましくない。
さらにクーラント成分に由来する残渣の再付着防止の観点から、nとmとkの合計は通常60〜200であり、63〜190が好ましく、68〜175がさらに好ましい。
合計が60未満では、ノニオン界面活性剤の分子量が小さく、分散させた汚れの再付着が起こるため好ましくない。また、合計が200を超えると、ノニオン界面活性剤が基板上に残渣として残るため好ましくない。
本発明のトリブロック型のノニオン界面活性剤は、トリブロック型の中央部のポリオキシプロピレンブロックがパーティクルやクーラント由来粒子に吸着するとともに、ポリオキシエチレンブロックが水相と親和性をもつことで立体障害効果による基板への再付着防止効果が優れている。一方、トリブロック型の中央部がポリオキシエチレンブロックで、ポリオキシプロピレンブロックで囲まれているトリブロック型の界面活性剤は水への溶解度が低いため水系での洗浄剤での使用は好ましくない。また、片末端の水酸基がアルキル鎖で封鎖されたトリブロック型の界面活性剤やジブロック型の界面活性剤では、立体障害効果が乏しいため、洗浄効果が乏しく好ましくない。
ランダム型の界面活性剤では、粒子への吸着能が乏しいため、十分な洗浄性が得られず好ましくない。
洗浄剤組成中の(A)の実際の使用時の含有量は、洗浄性の観点から通常0.1重量%〜8.0重量%であり、0.3重量%〜6.0重量%が好ましい。
本発明のもう1つの必須成分は脂肪族アルカノールアミン(B)であり、パーティクルの洗浄性の観点から、好ましくは炭素数2〜6の脂肪族アルカノールアミンである。
脂肪族アルカノールアミン(B)としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、 ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、N−メチル−ジエタノールアミン、モノ−n−プロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジ−n−プロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリ−n−プロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−(アミノエチル)エタノールアミン、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノールアミン、N−オレイルジエタノールアミン、N−ステアリルジエタノールアミン、N,N−ジブチルモノエタノールアミン、N,N−ジオクチルモノエタノールアミン、N,N−ジデシルモノエタノールアミン、N−ジオレイルモノエタノールアミン、N−ジステアリルモノエタノールアミン等が挙げられる。
これらの脂肪族アルカノールアミンは、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
これらのうち、クーラント成分の洗浄性およびエッチング性の観点から、好ましくはモノエタノールアミン、モノ−n−プロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミンからなる群より選ばれる1種以上の脂肪族アルカノールアミンである。
洗浄剤組成中の脂肪族アルカノールアミンの実際の使用時の含有量は、洗浄性の観点から通常0.1重量%〜50重量%であり、1重量%〜30重量%が好ましい。
また、洗浄性の観点からノニオン界面活性剤(A)と脂肪族アルカノールアミン(B)を、(A)/(B)の重量比で通常0.1〜5.0含有し、0.3〜3.0含有することが好ましい。0.1未満では、クーラント成分の洗浄性が乏しいため、好ましくない。一方、5.0を超える場合は、パーティクルの分散性が乏しいため、再付着性が悪化するため好ましくない。
本発明の洗浄剤は、ノニオン界面活性剤(A)と脂肪族アルカノールアミン(B)を必須成分とするが、これらにさらにキレート剤(C)を含有することで、平坦性を損ねることなく適度なエッチング性を有することで微細なパーティクルの再付着防止性に優れた効果を発揮することができる。
本発明に用いられるキレート剤(C)としては、 以下の(C1)〜(C7)が挙げられる。
アミノポリカルボン酸(塩)(C1)
例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)(塩)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)(塩)、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸(TTHA)(塩)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)(塩)、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸(DHEDDA)(塩)、ニトリロ酸酢酸(NTA)(塩)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)(塩)、β−アラニンジ酢酸(塩)、アスパラギン酸ジ酢酸(塩)、メチルグリシンジ酢酸(塩)、イミノジコハク酸(塩)、セリンジ酢酸(塩)、ヒドロキシイミノジコハク酸(塩)、ジヒドロキシエチルグリシン(塩)、アスパラギン酸(塩)及びグルタミン酸(塩)等
ヒドロキシカルボン酸(塩)(C2)
例えば、ヒドロキシ酢酸(塩)、酒石酸(塩)、クエン酸(塩)及びグルコン酸(塩)等
シクロカルボン酸(塩)(C3)
例えば、ピロメリット酸(塩)、ベンゾポリカルボン酸(塩)及びシクロペンタンテトラカルボン酸(塩)等
エーテルカルボン酸(塩)(C4)
例えば、カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノサクシネート及び酒石酸ジサクシネート等
その他カルボン酸(塩)(C5)
例えば、マレイン酸誘導体及びシュウ酸(塩)等
ホスホン酸(塩)(C6)
例えば、メチルジホスホン酸(塩)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)(塩)、1−ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸(塩)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、プロピレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(塩)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホン酸)(塩)、トリアミノトリエチルアミンヘキサ(メチレンホスホン酸)(塩)、トランス−1、2−シクロヘキサンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、グリコールエーテルジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)及びテトラエチレンペンタミンヘプタ(メチレンホスホン酸)(塩)等
縮合リン酸(塩)(C7)
例えば、メタリン酸(塩)、トリポリリン酸(塩)及びヘキサメタリン酸(塩)等
キレート剤(C)が塩を形成する場合、その塩としては、特に限定は無いが、例えば、上記に例示した酸の1級アミン(メチルアミン、エチルアミン及びブチルアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン並びにグアニジン等)塩;2級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン及びジブチルアミン等のジアルキルアミン並びにジエタノールアミン等)塩;3級アミン{トリメチルアミン、トリエチルアミン及びトリブチルアミン等のトリアルキルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン並びに1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(以下、DABCOと略記)等}塩;アミジン{1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(以下、DBUと略記)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(以下、DBNと略記)、1H−イミダゾール、2−メチル−1H−イミダゾール、2−エチル−1H−イミダゾール、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール、2−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール、1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリミジン、1,6(4)−ジヒドロピリミジン等}塩、アルカリ金属(ナトリウムカチオン及びカリウムカチオン等)塩、アンモニウム塩及び第4級アンモニウム(テトラアルキルアンモニウム等)塩が挙げられる。
また、これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
これらのうちで、パーティクル除去性の観点から好ましいのは、(C1)、(C2)、(C6)、(C7)及びこれらの塩であり、更に好ましいのは(C1)、(C6)、(C7)及びこれらの塩、特に好ましいのはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)(塩)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)(塩)、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸(DHEDDA)(塩)、アスパラギン酸ジ酢酸(塩)、アスパラギン酸(塩)、グルタミン酸(塩)、1−ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸(塩)(HEDP)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)及びメタリン酸(塩)及びヘキサメタリン酸(塩)である。
キレート剤(C)を使用する場合、基板のエッチング性コントロール及び洗浄性能の観点から、(C)の含有量は、本発明の洗浄剤の有効成分の重量に基づいて、通常30%以下、好ましくは0.1〜20%、更に好ましくは0.3〜20%である。
本洗浄剤は、洗浄剤の効果を損なわない範囲において、更に(A)以外の界面活性剤(D)、還元剤(E)及びアルカリ成分(F)、分散剤(G)、3価以上の多価アルコール(H)、水溶性有機溶剤(I)及びその他の添加剤(J)からなる群から選ばれる1種以上の成分を含有することができる。
界面活性剤(D)としては、(A)以外の非イオン性界面活性剤(D1)、アニオン性界面活性剤(D2)、カチオン性界面活性剤(D3)及び両性界面活性剤(D4)が挙げられる。
本発明の洗浄剤に用いる非イオン性界面活性剤(D1)としては、アルキレンオキサイド付加型非イオン性界面活性剤(D1a)及び多価アルコール型非イオン界面活性剤(D1b)等が挙げられる。
(D1a)としては、高級アルコール(炭素数8〜18)アルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)付加物、フェノール又はアルキ
ル(炭素数1〜12)フェノールのエチレンオキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)付加物、脂肪酸(炭素数8〜18)エチレンオキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)付加物、脂肪族アミン(炭素数6〜24)のアルキレンオキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)、ポリオキシエチレン(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)アルキル(炭素数1〜20)アリルエーテル、ソルビタンモノラウレートエチレンオキサイド(付加モル数1〜30)付加物、ソルビタンモノオレートエチレンオキサイド(付加モル数1〜30)付加物等の多価アルコール(炭素数2〜30)の脂肪酸(炭素数8〜24)エステルエチレンオキサイド付加物(活性水素1個あたりの付加モル数1〜30)等が挙げられる。
(D1b)としては、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等の多価(2〜8価又はそれ以上)アルコール(炭素数2〜30)の脂肪酸(炭素数8〜24)エステル並びにラウリン酸モノエタノールアミド及びラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
(D1)の内、洗浄性の観点から、好ましいのは(D1a)であり、更に好ましいのは高級アルコール(炭素数10〜16)アルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数2〜20)付加物、フェノール又はアルキル(炭素数1〜18)フェノールのエチレンオキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数2〜20)付加物及び脂肪族アミン(炭素数9〜18)のアルキレンオキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数2〜20)である。
アニオン性界面活性剤(D2)としては、高分子型アニオン性界面活性剤(D2a)、スルホン酸系界面活性剤(D2b)、硫酸エステル系界面活性剤(D2c)、脂肪酸系界面活性剤(D2d)及びリン酸エステル系界面活性剤(D2e)等が挙げられる。
高分子型アニオン性界面活性剤(D2a)としては、スルホン酸(塩)基、硫酸エステル(塩)基、ホスホン酸(塩)基、リン酸エステル(塩)基及びカルボン酸(塩)基か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有し、300〜800,000の重量平均分子量(以下、Mwと略記)を有する高分子型アニオン性界面活性剤が挙げられる。
高分子型アニオン性界面活性剤は、通常、1分子中に少なくとも2個以上の繰り返し単位を有する。
(D2a)の具体例としては、以下の(D2a1)〜(D2a7)が挙げられる。
(D2a1)スルホン酸(塩)基を有する高分子型アニオン性界面活性剤:
ポリスチレンスルホン酸、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、ポリ{2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸}、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸/スチレン共重合体、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸/アクリルアミド共重合体、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸/(メタ)アクリル酸共重合体、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸/(メタ)アクリル酸/アクリルアミド共重合体、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸/スチレン/アクリルアミド共重合体、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ジメチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物及びアニリンスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等並びにこれらの塩等
(D2a2)硫酸エステル(塩)基を有する高分子型アニオン性界面活性剤:
ポリ{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート硫酸エステル}、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート硫酸エステル共重合体、ポリ{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート}の硫酸エステル化物、ポリ{(メタ)アクリロイルオキシポリオキシアルキレン硫酸エステル}、(メタ)アクリロイルオキシポリオキシアルキレン硫酸エステル/アクリル酸共重合体及びセルロース、メチルセルロース又はエチルセルロースの硫酸エステル化物等並びにこれらの塩等
(D2a3)ホスホン酸(塩)基を有する高分子型アニオン性界面活性剤:
ポリ{(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホン酸}、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホン酸共重合体、ナフタレンホスホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンホスホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ジメチルナフタレンホスホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンホスホン酸ホルムアルデヒド縮合物及びアニリンホスホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物、ポリエチレンイミンポリメチレンホスホン酸及びポリアリルアミンポリメチレンホスホン酸等並びにこれらの塩等
(D2a4)リン酸エステル(塩)基を有する高分子型アニオン性界面活性剤:
ポリ{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートリン酸エステル}、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートリン酸エステル共重合体、ポリ{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート}のリン酸エステル化物、ポリ{(メタ)アクリロイルオキシポリオキシアルキレンリン酸エステル}、(メタ)アクリロイルオキシポリオキシアルキレンリン酸エステル/アクリル酸共重合体及びセルロース、メチルセルロース又はエチルセルロースのリン酸エステル化物並びにこれらの塩等
(D2a5)カルボン酸(塩)基を有する高分子型アニオン性界面活性剤:
ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸−イタコン酸共重合体、(メタ)アクリル酸−フマル酸共重合体、(メタ)アクリル酸/酢酸ビニル共重合体及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート}のカルボキシメチル化物、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、安息香酸ホルムアルデヒド縮合物、安息香酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物及びこれらの塩等
(D2a)が塩を形成する場合の塩としては、特に限定は無いが、例えば、上記のキレート剤(C)で例示した塩が挙げられる。
これらの塩の中で、基板への金属汚染防止の観点から、好ましいのは1級アミン塩、2級アミン塩、3級アミン塩、アミジン塩、アンモニウム塩及び第4級アンモニウム塩であり、特に好ましいのは3級アミン塩、アミジン塩及び第4級アンモニウム塩である。
(D2a)のMwは、パーティクルの再付着防止性及び低泡性の観点等から、通常300〜800,000、好ましくは600〜400,000、更に好ましくは1,000〜80,000、特に好ましくは2,000〜40,000である。
アニオン性界面活性剤の内のスルホン酸系界面活性剤(D2b)としては、炭素数6〜24のアルコールのスルホコハク酸モノ又はジエステル(塩)、炭素数8〜24のα−オレフィンのスルホン酸化物(塩)、炭素数8〜14のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸(塩)及び石油スルホネート(塩)等が挙げられる。
硫酸エステル系界面活性剤(D2c)としては、炭素数8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステル(塩)、炭素数8〜18の脂肪族アルコールのAO1〜10モル付加物の硫酸エステル(塩)、硫酸化油(塩)、硫酸化脂肪酸エステル(塩)及び硫酸化オレフィン(塩)等が挙げられる。
脂肪酸系界面活性剤(D2d)としては、炭素数8〜18の脂肪酸(塩)及び炭素数8〜18の脂肪族アルコールのエーテルカルボン酸(塩)等が挙げられる。
リン酸エステル系界面活性剤(D2e)としては、炭素数8〜24の高級アルコールの燐酸モノ又はジエステル(塩)及び炭素数8〜24の高級アルコールのAO付加物の燐酸モノ又はジエステル(塩)等が挙げられる。
(D2b)、(D2c)、(D2d)及び(D2e)が塩を形成する場合の対イオンとしては、特に限定は無いが、例えば、上記のキレート剤(C)で例示したカチオンが挙げられる。
アニオン性界面活性剤(D2)の内好ましいのは、再付着防止性の観点から高分子型アニオン性界面活性剤(D2a)であり、高分子型アニオン性界面活性剤(D2a)を使用する場合は、更に必要によりスルホン酸系界面活性剤(D2b)、硫酸エステル系界面活性剤(D2c)及び脂肪酸系界面活性剤(D2d)から選ばれる1種以上を併用してもよい。
カチオン性界面活性剤(D3)としては、4級アンモニウム塩型の界面活性剤(D3a){例えば、アルキル(炭素数1〜30)トリメチルアンモニウム塩、ジアルキル(炭素数1〜30)ジメチルアンモニウム塩、窒素環含有第4級アンモニウム塩、ポリ(付加モル数2〜15)オキシアルキレン(炭素数2〜4)鎖含有第4級アンモニウム塩及びアルキル(炭素数1〜30)アミドアルキル(炭素数1〜10)ジアルキル(炭素数1〜4)メチルアンモニウム塩};アミン系界面活性剤(D3b){例えば、炭素数3〜90の脂肪族3級アミン、炭素数3〜90の脂環式(含窒素ヘテロ環を含む)3級アミン及び炭素数3〜90のヒドロキシアルキル基含有3級アミンの無機酸塩又は有機酸塩}等が挙げられる。
両性界面活性剤(D4)としては、ベタイン型両性界面活性剤(D4a){例えば、アルキル(炭素数1〜30)ジメチルベタイン、アルキル(炭素数1〜30)アミドアルキル(炭素数1〜4)ジメチルベタイン、アルキル(炭素数1〜30)ジヒドロキシアルキル(炭素数1〜30)ベタイン及びスルフォベタイン型};アミノ酸型両性界面活性剤(D4b){例えば、アラニン型[アルキル(炭素数1〜30)アミノプロピオン酸型及びアルキル(炭素数1〜30)イミノジプロピオン酸型]及びグリシン型[アルキル(炭素数1〜30)アミノ酢酸型等]};アミノスルホン酸塩型両性界面活性剤(D4c){例えば、アルキル(炭素数1〜30)タウリン型両性界面活性剤}等が挙げられる。
界面活性剤(D)のうち、パーティクルの再付着防止の観点から好ましいのは、非イオン性界面活性剤(D1)、アニオン性界面活性剤(D2)及び(D1)と(D2)の併用であり、更に好ましいのは(D2)である。
併用の場合の(D1)と(D2)の重量比率{(D1)/(D2)}は、洗浄性及び起泡性の観点から通常0.5以下、好ましくは0.01〜0.2、更に好ましくは0.01〜0.01である。
本発明の洗浄剤は、還元剤(E)を含有することにより、電子材料表面に対するエッチング性をコントロールできるので、還元剤(E)を含有することが更に好ましい。本発明の洗浄剤は、アルカリ成分(F)を含有することによりパーティクルに対する洗浄性が更に向上する。
還元剤(E)としては、有機還元剤(E1)及び無機還元剤(E2)が挙げられる。
有機還元剤(E1)としては、脂肪族有機還元剤(E1a)、芳香族有機還元剤(E1b)及びその他の有機還元剤(E1c)が挙げられ、以下のものが例示できる。
脂肪族有機還元剤(E1a)としては、炭素数1〜12の有機酸類、炭素数1〜12のアルデヒド類、炭素数6〜9のレダクトン類及び炭素数1〜30の脂肪族アミン等が挙げられる。
炭素数1〜12の有機酸類としては、ギ酸、酢酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酪酸、マレイン酸、2−オキソプロパン酸、マロン酸、没食子酸及びこれらの塩が挙げられる。尚、前記(C2)及び(C5)も還元剤としての効果を有する。
炭素数1〜12のアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド及びビニルアルデヒド等が挙げられる。
炭素数6〜9のレダクトン類としては、L−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、L−アスコルビン酸硫酸エステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシド、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル、テトライソパルミチン酸L−アスコルビル、アスコルビン酸イソパルミネート、エリソルビン酸、エリソルビン酸リン酸エステル、エリソルビン酸パルミチン酸エステル、テトライソパルミチン酸エリソビル及びこれらの塩等が挙げられる。
炭素数1〜30の脂肪族アミンとしては、炭素数1〜6のアルキルアミン、炭素数2〜5のアルキレンジアミン、炭素数4〜10の環状アミン、炭素数3〜15のアミジン化合物及び炭素数4〜30のポリ(n=2〜5)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜6)アミン等が挙げられる。
炭素数1〜6のアルキルアミンとしては、モノアルキルアミン{メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン及びヘキシルアミン等};炭素数2〜6のジアルキルアミン{ジメチルアミン、エチルメチルアミン、プロピルメチルアミン、ブチルメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルエチルアミン及びジイソプロピルアミン等}が挙げられる。
炭素数2〜5のアルキレンジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
炭素数4〜10の環状アミンとしては、ピペリジン、ピペラジン及び1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等が挙げられる。
炭素数3〜15のアミジン化合物としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)等が挙げられる。
炭素数4〜30のポリ(n=2〜5)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜6)アミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサエチレンヘプタミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン及びペンタエチレンヘキサミン等が挙げられる。
芳香族有機還元剤(E1b)としては、炭素数7〜12の芳香族アルデヒド、炭素数6〜9の芳香族アミン及び炭素数6〜30のフェノール化合物等が挙げられる。
炭素数7〜12の芳香族アルデヒドとしては、ベンズアルデヒド及びシンナムアルデヒド等が挙げられる。
炭素数6〜9の芳香族アミンとしては、p−フェニレンジアミン及びp−アミノフェノール等が挙げられる。
炭素数6〜30のフェノール化合物としては、一価フェノール及びポリフェノールが挙げられる。一価フェノールとしては、3−ヒドロキシフラボン及びトコフェロール(α−、β−、γ−、δ−、ε−又はη−トコフェロール等)等が挙げられる。ポリフェノールとしては、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ナフトレゾルシノール、ピロガロール及びフロログルシノール等が挙げられる。
その他の有機還元剤(E1c)としては、リン系還元剤(例えば、トリス‐2‐カルボキシエチルホスフィン等);ボラン系錯体(例えば、ボラン−tert−ブチルアミン錯体、ボラン−N,N−ジエチルアニリン錯体及びボラン−トリメチルアミン錯体等);チオール系還元剤(例えば、L−システイン及びアミノエタンチオール等);ヒドロキシルアミン系還元剤(例えば、ヒドロキシルアミン及びジエチルヒドロキシルアミン等)等が挙げられる。尚、後述する(G3)及び(G4)として例示した糖類及び糖アルコールも有機還元剤としての効果を有する。
無機還元剤(E2)としては、硫黄のオキソ酸類{例えば、亜硫酸(塩)、二亜硫酸(塩)、亜ジチオン酸(塩)、チオ硫酸(塩)、ジチオン酸(塩)、ポリチオン酸(塩)等};リンのオキソ酸類{例えば、亜リン酸(塩)、亜リン酸水素酸(塩)、次亜リン酸(塩)等};その他の無機還元剤(硫酸第1鉄、塩化第2スズ、水酸化シアノホウ素ナトリウム、水酸化ホウ素ナトリウム等)等が挙げられる。
これらの還元剤(E)を形成する塩としては、上記(D2)で例示したものと同様のものが使用できる。
これらの還元剤(E)のうち、洗浄剤のエッチング性コントロール及び洗浄剤中のイオンによる基板の再汚染の観点から、炭素数1〜12のアルデヒド類、炭素数6〜9のレダクトン類、炭素数1〜30の脂肪族アミン、チオール系還元剤、硫黄のオキソ酸類及びリ
ンのオキソ酸類が好ましく、更に好ましいのはホルムアルデヒド、L−アスコルビン酸(塩)、イソアスコルビン酸(塩)、エリソルビン酸(塩)、L−システイン、アミノエタンチオール、亜硫酸(塩)、二亜硫酸(塩)、亜ジチオン酸(塩)、チオ硫酸(塩)、亜リン酸(塩)、亜リン酸水素酸(塩)及び次亜リン酸(塩)、特に好ましいのはL−アスコルビン酸(塩)、L−システイン、亜硫酸(塩)、亜ジチオン酸(塩)、亜リン酸(塩)、亜リン酸水素酸(塩)及び次亜リン酸(塩)である。
(E)が塩を形成する場合の対イオンとしては特に限定無いが、上記の(D2)で例示したものと同様のものが使用できる。
また(E)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
還元剤(E)を含有する場合、還元剤(E)の含有量は、洗浄剤の有効成分の重量に基づいて通常60%以下であり、好ましくは1〜50%、更に好ましくは2〜40%である。この範囲であると、基板のエッチング性をコントロールする点から好ましい。
脂肪族アルカノールアミン(B)以外のアルカリ成分(F)としては、有機アルカリとしてのアミン(F1)、第四級アンモニウム塩(F2)、無機アルカリ(F3)及びこれらの混合物が挙げられる。
アミン(F1)としては、炭素数1〜8のアルキル基を有する1〜3級のアルキルアミン[メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等];炭素数2〜6のアルキレン基を1個以上有する(ポリ)アルキレンポリアミン[エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン等];環式アミジン化合物〔1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、1,6−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5等〕およびヒドラジン等が挙げられる。
第四級アンモニウム塩(F2)の具体例としては、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、トリメチルエチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイド、トリエチルメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラペンチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラヘキシルアンモニウムハイドロキサイド等。
無機アルカリ(F3)としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等が挙げられる。
(F)のうち、洗浄性の観点から、第4級アンモニウム塩(F2)及び無機アルカリ(F3)が好ましく、更に好ましいのは、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、トリメチルエチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイド、トリエチルメチルアンモニウムハイドロキサイド、水酸化カリウム及びこれらの併用である。
アルカリ成分(F)を含有する場合、洗浄性の観点等から、(F)の含有量は、本発明の洗浄剤の有効成分の重量に基づいて通常40%以下、好ましくは2〜30%、更に好ましくは3〜25%である。
分散剤(G)としては、従来から微粒子の分散剤として使用されているもの、例えば、多糖類及びその誘導体(ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、グァーガム、カチオン化グァーガム、キサンタンガム、アルギン酸塩、カチオン化デンプン等);ポバール及びリン酸エステル{フィチン酸、ジ(ポリオキシエチレン)アルキルエーテルリン酸、トリ(ポリオキシエチレン)アルキルエーテルリン酸等}等が挙げられる。尚、前記(D2a)も分散剤としての効果を有する。
これら分散剤(G)を含有する場合、これらの分散剤(G)の含有量は、本発明の洗浄剤の有効成分の重量に基づいて、通常は10%以下、好ましくは8%以下、更に好ましくは5%以下である。
3価以上の多価アルコール(H)としては、以下の(H1)〜(H6)等が挙げられる。
脂肪族多価アルコール(H1):
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等
脂肪族多価アルコールの(H1)の脱水縮合物(H2):
ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、等
糖類(H3):
単糖類{ペントース(アラビノース、キシロース、リボース、キシルロース、リブロース等)、ヘキソース(グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、タガトース等)、ヘプトース(セドヘプツロース等)等};二糖類(トレハロース、サッカロース、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース等);三糖類(ラフィノース、マルトトリオース等)等
糖アルコール(H4):
アラビトール、アドニトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール等
トリスフェノール(H5):
トリスフェノールPA等
これらのアルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加物(付加モル数1〜7モル)(H6)
(H)の内、基板の腐食を防止する効果の高い点から、(H1)、(H2)、(H3)及び(H4)が好ましく、更に好ましいのはグリセリン、サッカロース及びソルビトールである。
(H)を含有する場合、その含有量は、洗浄剤の有効成分の重量に基づいて、通常30%以下、好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下である。
水溶性有機溶剤(I)としては、20℃における水に対する溶解度(g/100gH2
O)が3以上、好ましくは10以上の有機溶剤が挙げられる。
具体的には、下記のような一価アルコール、多価アルコール、アルコール以外の水溶性有機溶媒が挙げられる。
一価アルコールとしては、炭素数1〜12の脂肪族アルコール;前記アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)を付加した化合物;およびこれらの混合物が挙げられる。
炭素数1〜4の脂肪族アルコールとしてはメタノール、エタノールおよびイソプロパノールなどが挙げられ、前記アルコールに炭素数2〜4のAOを付加した化合物としてはエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびグリセリンなどが挙げられる。
アルコール以外の水溶性有機溶媒としては、例えば窒素原子含有水溶性有機溶媒[N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンおよびN,N−ジメチルアセトアミドなど];ケトン系水溶性有機溶媒[アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンおよびジアセトンアルコールなど];環状エーテル系水溶性有機溶媒[テトラヒドロフランおよびテトラヒドロピランなど];ラクトン[β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトンおよびγ−ブチロラクトンなど];およびスルホキシド系水溶性有機溶媒[ジメチルスルホキシドおよびジエチルスルホキシドなど];オキサゾリジノン[N−メチル−2−オキサゾリジノンおよび3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノンなど];ニトリル[アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリルおよびアクリロニトリルなど];カーボネート[エチレンカーボネートおよびプロピオンカーボネートなど]などが挙げられる。
また(I)は単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
(I)のうちで、洗浄性及び洗浄剤中の成分が電子材料表面に残留することを防止する観点等から、グリコール及びグリコールエーテルが好ましい。さらに好ましいのは、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及びジエチレングリコールモノヘキシルエーテルである。
(I)を含有する場合、その含有量は、洗浄剤の有効成分の重量に基づいて、通常80%以下、好ましくは50%以下、更に好ましくは20%以下である。
その他の添加剤(J)としては、酸化防止剤、防錆剤、pH調整剤、緩衝剤、消泡剤、
防腐剤及びハイドロトロープ剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤{2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール等};アミン系酸化防止剤{モノオクチルジフェニルアミン、モノノニルジフェニルアミン等のモノアルキルジフェニルアミン;4,4’−ジブチルジフェニルアミン、4,4’−ジペンチルジフェニルアミン等のジアルキルジフェニルアミン;テトラブチルジフェニルアミン、テトラヘキシルジフェニルアミン等のポリアルキルジフェニルアミン;α−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン等};硫黄系化合物{フェノチアジン、ペンタエリスリトール−テトラキス−(3−ラウリルチオプロピオネート)、ビス(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド等};リン系酸化防止剤{ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルジイソデシルホスフィト、ジフェニルジイソオクチルホスファイト、トリフェニルホスファイト等};等が挙げられる。
これらは、単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、炭素数2〜10の炭化水素基を有するベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、炭素数2〜20炭化水素基を有するイミダゾール、炭素数2〜20炭化水素基を有するチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等の含窒素有機防錆剤;ドデセニルコハク酸ハーフエステル、オクタデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸アミド等のアルキル又はアルケニルコハク酸;ソルビタンモノオレエート、グリセリンモノオレエート、ペンタエリスリトールモノオレエート等の多価アルコール部分エステル等を挙げられる。
これらは単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
pH調整剤としては、無機酸(塩酸、硫酸、硝酸、スルファミン酸及びリン酸等)、上記例示した無機アルカリ(F4)等が挙げられ、これらは単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
緩衝剤としては、緩衝作用を有する有機酸又は無機酸及び/又はそれらの塩を用いることができる。
有機酸としては、前記の(E1a)で例示した炭素数1〜12の有機酸類等を挙げることができ、無機酸としては、例えばリン酸、ホウ酸等を挙げることができる。
また、これらの酸の塩としては、上述のアニオン性界面活性剤(D2)で例示した塩と同様のものが挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
消泡剤としては、シリコーン消泡剤{ジメチルシリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテルシリコーン等を構成成分とする消泡剤等}等が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
防腐剤としては、市販の防腐剤を使用でき、トリアジン誘導体{ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−S−トリアジン等};イソチアゾリン誘導体{1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等};ピリジン誘導体{ピリジン2−ピリジンチオール−1−オキサイド(塩)等};モルホリン誘導体{4−(2−ニトロブチル)モルホリン、4,4−(2−エチル−2−ニトロトリメチレン)−ジモルホリン等};ベンズイミダゾール誘導体{2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール等};その他の防腐剤{ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレン]ジクロライド、p−クロロ−m−キシレノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、アセトキシジメチルジオキサン、イソプロピルメチルフェノール、テトラクロロイソフタロニトリル、ビスブロモアセトキシエタン、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール等}等が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
ハイドロトロープ剤としては、レゾルシン及びサリチル酸(塩)等が挙げられる。また、これらの酸の塩としては、上述のアニオン性界面活性剤(D2)で例示した塩と同様のものが挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上併用してもよい。尚、スルホン酸系界面活性剤(D2b1)として例示したトルエンスルホン酸(塩)、キシレンスルホン酸(塩)及びクメンスルホン酸(塩)もハイドロトロープ剤としての効果を有する。
その他の添加剤(J)を含有する場合、それぞれの添加剤の含有量は、酸化防止剤、防錆剤、緩衝剤、防腐剤及びハイドロトロープ剤が、洗浄剤の有効成分の重量に基づいて通常10%以下、好ましくは8%以下、更に好ましくは5%以下である。
また消泡剤の添加量は通常は2%以下、好ましくは1.5%以下、更に好ましくは1%以下である。
また、pH調整剤は洗浄剤の有効成分の重量に基づいて通常は90%以下、好ましくは85%以下、更に好ましくは80%以下である。
また、その他の添加剤(J)の合計の含有量は、洗浄剤の有効成分の重量に基づいて通常90%以下、好ましくは85%以下、更に好ましくは80%以下である。
尚、前記(C)〜(J)の間で、組成が同一で重複する場合は、それぞれの成分が該当する添加効果を奏する量を他の成分としての効果に関わりなく使用するのではなく、他の成分としての効果も同時に得られることをも考慮し、使用目的に応じて使用量を調整するものとする。
本発明の洗浄剤の有効成分の濃度は、運搬効率の観点からは、通常は0.1〜100%であり、好ましくは0.2〜90%、更に好ましくは0.5〜70%、特に好ましくは1.0〜50%である。
また、本発明の電子材料用洗浄剤を使用する際には、必要により、希釈水、特にイオン交換水(導電率0.2μS/cm以下)又は超純水(電気抵抗率18MΩ・cm以上)で希釈して、有効成分濃度を0.01〜15%、特に0.05〜10%にすることが、使用時の作業性及びコストの観点から好ましい。
本発明の電子材料用洗浄剤を希釈水で希釈した場合の有効成分濃度0.01〜15%における25℃でのpHは、通常は7〜14であり、好ましくは8〜13、更に好ましくは9〜13である。pHがこの範囲にあると、基板の平坦性を損ねることなく、適度なエッチング性を有し、また微細なパーティクルの再付着防止性に優れた効果を発揮し易くなる。
本発明の洗浄剤を必要により希釈して得られる上記洗浄液は、磁気ディスク用基板の洗浄に好適に使用でき、磁気ディスク用アルミニウム基板及びガラス基板に好適に使用できる。
本発明の磁気ディスク基板の洗浄方法は、上記の洗浄液中で磁気ディスク基板を洗浄する洗浄方法である。
洗浄対象物(汚れ)は、油分(クーラント等)、人体からの汚れ(指紋、皮脂等)、可塑剤(ジオクチルフタレート等)、有機パーティクル等の有機物、無機パーティクル{研磨剤(例えば、コロイダルシリカ、アルミナ、酸化セリウム、ダイヤモンド等)、研磨屑等}等の無機物が挙げられる。
本発明の洗浄方法は、クーラント成分由来の残渣やパーティクルの除去性に極めて優れていることから、磁気ディスクの製造工程の内、研磨剤又は研磨屑等のパーティクルが発生する工程や高度な清浄度が要求される工程で行うことが好ましく、研削工程後の洗浄工程、研磨工程後の洗浄工程、テクスチャリング工程後の洗浄工程及び/又は成膜工程(例えば、下地層、磁性層及び保護層等をスパッタリング装置により成膜する工程)前の洗浄工程での洗浄方法として適用することが好ましい。
前記研磨工程が、研磨剤としてアルミナ及び/又はシリカを用いる研磨工程である場合や前記テクスチャリング工程でダイヤモンドを用いる場合に、本発明の洗浄方法の効果が特に発揮されやすい。
本発明の洗浄方法における洗浄方式としては、超音波洗浄、シャワー洗浄、スプレー洗浄、ブラシ洗浄、浸漬洗浄、浸漬揺動洗浄及び枚葉式洗浄からなる群から選ばれる少なくとも1種の洗浄方式が挙げられ、いずれの方式であっても本発明の洗浄方法の効果が発揮されやすい。
本発明の洗浄液を使用する際の洗浄温度(℃)としては、洗浄性の観点から、通常は10〜80℃であり、好ましくは15〜70、更に好ましくは20〜60である。
本発明の磁気ディスク基板の製造方法は、前記洗浄方法で磁気ディスク基板を洗浄する工程を含む磁気ディスク基板の製造方法である。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。特に限定がない限り以下において部は重量部を示す。ポリマーのGPCによる分子量の測定条件は前述の方法により測定した。
なお、以下において超純水は比抵抗値が18MΩ・cm以上のものを使用した。
[製造例1]
撹拌装置及び温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに、プロピレングリコールを160部、水酸化カリウムを2.2部を仕込み、100℃、4kPa以下の減圧下で30分間脱水した。プロピレンオキサイド(以下、実施例で、POと略記する。)4830部を、反応温度を105℃に制御しながら、10時間かけて滴下した後、100℃で3時間熟成した。更に、2.6kPa以下の減圧下に、150℃で2時間撹拌して、ポリオキシプロピレングリコール4990部を得た。
得られたポリオキシプロピレングリコール100部を撹拌装置及び温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに仕込み、100℃、4kPa以下の減圧下で30分間脱水した。
これにエチレンオキサイド(以下、実施例で、EOと略記する。)110部を、反応温度を105℃に制御しながら、3時間かけて滴下した後、105℃で3時間熟成した。更に、2.6kPa以下の減圧下に、150℃で2時間撹拌して、ノニオン界面活性剤(A−1)210部を得た。m/m+n+kが0.33、m+n+kが120であった。
[製造例2]
製造例1のEOの重量部を238部に変更する以外は、同様にしてノニオン界面活性剤(A−2)235部を得た。m/m+n+kが0.24、m+n+kが165であった。
[製造例3]
製造例1のPOの重量部を3660部に変更し、EOの重量部を100部に変更する以外は、同様にしてノニオン界面活性剤(A−3)200部を得た。m/m+n+kが0.43、m+n+kが70であった。
[製造例4]
撹拌装置及び温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコールを200部(1.1モル部)、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド(以下、TMAHと略記する。)の25%水溶液を10部(0.027モル)を仕込み、100℃、4kPa以下の減圧下で30分間脱水した。
EO430部(9.8モル)を、反応温度を100℃に制御しながら、3時間かけて滴下した後、100℃で3時間熟成した。
さらに、2.6kPa以下の減圧下に、150℃で2時間撹拌して、残存するTMAHを分解して除去し、非イオン性界面活性剤であるラウリルアルコールEO9モル付加物(D1−1)630部を得た。
[製造例5]
撹拌装置及び温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに、ラウリルアミンを185部(1.0モル)、25%TMAH水溶液を3.6部(0.01モル)を仕込み、100℃、4kPa以下の減圧下で30分間脱水した。
EO264部(6.0モル)を、反応温度を100℃に制御しながら、3時間かけて滴下した後、100℃で3時間熟成した。
さらに、2.6kPa以下の減圧下、150℃で2時間撹拌して、残存するTMAHを分解して除去し、非イオン性界面活性剤であるラウリルアミンEO6モル付加物(D1−2)445部を得た。
[製造例6]
攪拌付き反応容器にナフタレンスルホン酸21部、超純水を10部仕込み、撹拌下、系内の温度を80℃に保ちながら、37%ホルムアルデヒド8部を3時間かけて滴下した。
滴下終了後、105℃に昇温して25時間反応した後、室温まで冷却して水浴中、25℃に調整しながらDBUを徐々に加え、pH6.5に調整した。
超純水を加えて固形分を40%にして、アニオン性界面活性剤であるナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のDBU塩(D2−1)の40%水溶液を得た。
なお、(D2−1)のMwは5,000であった。
[製造例7]
温度調節及び攪拌が可能な反応容器にイソプロピルアルコール300部、超純水100部を仕込み、窒素置換後、75℃に昇温した。撹拌下で、アクリル酸の75%水溶液407部及びジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートの15%イソプロピルアルコール溶液95部を3.5時間かけて同時に滴下した。滴下終了後、75℃で5時間撹拌した後、系内が固化しないように超純水を間欠的に投入し、イソプロピルアルコールが検出できなくなるまで水とイソプロピルアルコールの混合物を留去した。
得られたポリアクリル酸水溶液をDBU(約450部)でpHが7になるまで中和し、超純水で濃度調整することにより、アニオン性界面活性剤であるポリアクリル酸DBU塩(D2−2)の40%水溶液を得た。なお、(D2−2)のMwは10,000であった。
[製造例8]
温度調節及び還流が可能な攪拌付き反応容器にエチレンジクロライド100部を仕込み、攪拌下、窒素置換した後に90℃まで昇温し、エチレンジクロライドを還流させた。スチレン120部と、予め2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.7部をエチレンジクロライド20部に溶かした開始剤溶液を、それぞれ別々に6時間かけて反応容器内に滴下し、滴下終了後更に1時間重合を行った。
重合後、窒素シール下で20℃に冷却した後、温度を20℃にコントロールしながら無水硫酸105部を10時間かけて滴下し、滴下終了後更に3時間スルホン化反応させた。反応後、溶媒を留去し固化させた後、超純水345部を投入して溶解し、ポリスチレンスルホン酸水溶液を得た。
得られたポリスチレンスルホン酸水溶液を25%TMAH水溶液(約400部)でpHが7になるまで中和し、超純水で濃度調整することにより、アニオン性界面活性剤であるポリスチレンスルホン酸トリメチルアンモニウム塩(D2−3)の40%水溶液を得た。尚、(D2−3)のMwは、40,000、スルホン化率は97%であった。
[比較製造例1]
EOの重量部を42部に変更する以外は、同様にしてノニオン界面活性剤(A’−1)140部を得た。m/m+n+kが0.64、m+n+kが65であった。
[比較製造例2]
製造例1のPOの重量部を3660部に変更し、EOの重量部を400部に変更する以外は、同様にしてノニオン界面活性剤(A’−2)500部を得た。m/m+n+kが0.16、m+n+kが190であった。
[比較製造例3]
製造例1のEOの重量部を400部に変更する以外は、同様にしてノニオン界面活性剤(A’−3)500部を得た。m/m+n+kが0.24、m+n+kが260であった。
実施例1〜147および比較例1〜7
表1に記載の配合部数の各配合成分を、均一撹拌・混合して実施例1〜147および比較例1〜7の洗浄剤を作製した。
Figure 0005323017
なお、表1中のキレート剤(C)、アルカリ成分(E)、親水性溶剤(F)の略号は下記の通りである。
TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド
MEA:モノエタノールアミン
TEA:トリエタノールアミン
MIPA:モノイソプロパノールアミン
BEA:N・ベンジルエタノールアミン
DTPA:ジエチレントリアミンペンタ酢酸
HEDP:1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸
EDTA:エチレンジアミンテトラ酢酸
得られた洗浄剤を超純水で10倍希釈して洗浄液として、以下の方法で、pH、脂肪酸の洗浄性(洗浄性−1)、脂肪酸由来の金属塩の洗浄性(洗浄性−2)、シリカの洗浄性(洗浄性−3)、酸化セリウムの洗浄性(洗浄性−4)、ダイヤモンドの洗浄性(洗浄性−5)を評価した結果を表2に示す。
Figure 0005323017
<pHの測定方法>
洗浄液のpHを25℃でpHメーターで測定した。
<脂肪酸の洗浄性(洗浄性−1)の評価方法>
3.5インチのNi−Pメッキされた磁気ディスク用基板をアセトンに10分間浸漬して脱脂した。
オレイン酸1.0%、n−ブチルカルビトールEO付加物1.0%、水98.0%を混合した液にこの基板を2時間浸漬し、引き上げて5分間乾燥し汚染サンプルを作製した。
実施例と比較例の洗浄液1,000部をガラス製ビーカーにとり、作製した汚染サンプルを浸漬し超音波照射(200kHz)し、30秒ごとに取り出して超純水でリンスし、窒素ブローして乾燥後、超純水の基板に対する接触角を確認した。
洗浄性は、超純水の基板に対する接触角が10度以下になるまでの浸漬時間で評価した。
洗浄性は以下の基準で判定した。
◎:30秒未満
○:30秒〜1分
△:1分〜3分
×:3分以上
<脂肪酸由来の金属塩の洗浄性(洗浄性−2)の評価方法>
オレイン酸1.0%、n−ブチルカルビトールEO付加物1.0%、水98.0%を混合し、得られた液100部と、1%水酸化ニッケル水溶液100部を混合した。
この溶液に洗浄性−1と同様に脱脂した3.5インチのNi−Pメッキされた磁気ディスク用基板を10分浸漬し、引き上げて汚染基板とした。洗浄液1,000部が入ったガラス製ビーカーに、前記基板を浸漬し、超音波洗浄機(200kHz)内で、30℃、5分間の洗浄を行った。
洗浄後、基板を取り出し、超純水で十分にリンスを行った後、窒素ガスでブローして乾燥し、下記の評価の判断基準に従い、基板表面の洗浄性を超微細欠陥・可視化マクロ検査装置(ビジョンサイテック社製・MicroMax VMX-4100 Napier)で観察し、10枚同じ実験をおこなった際の平均異物数を数えた。
なお、本評価は大気からの汚染を防ぐため、クラス1,000(HED−STD−209D、米国連邦規格、1988年)のクリーンルーム内で実施した。
1枚あたりの平均異物数により以下の基準で洗浄性を判定した。
◎:5個未満
○:5〜10個
△:10〜100個
×:100個以上
<シリカの洗浄性(洗浄性−3)の評価方法>
市販のコロイダルシリカスラリー(日産化学製、スノーテックス20L)を超純水で20倍希釈したものに、洗浄性−1と同様に脱脂した3.5インチのNi−Pメッキされた磁気ディスク用基板を10分浸漬して引き上げて汚染基板とした以外は、洗浄性−2と同様にして評価した。
判断基準は洗浄性−2と同様である。
<酸化セリウムの洗浄性(洗浄性−4)の評価方法>
洗浄性−3の評価方法において、コロイダルシリカスラリーを市販の酸化セリウムスラリー(フジミインコーポレーティド社製、CEPOL−120)に変更した以外は洗浄性−3と同様にして評価した。
判断基準は洗浄性−2と同様である。
<ダイヤモンドの洗浄性(洗浄性−5)の評価方法>
洗浄性−3の評価方法においてコロイダルシリカスラリーを市販のダイヤモンドスラリー(日本ミクロコーティング社製)に変更した以外は洗浄性−32と同様にして評価した。
判断基準は洗浄性−2と同様である。
表1で明らかなように、本発明のノニオン界面活性剤(A)および脂肪族アルカノールアミン(B)を用いた実施例1〜14はいずれも、脂肪酸、脂肪酸由来の金属塩ならびにパーティクル(シリカ、酸化セリウム、ダイヤモンド)の洗浄性が優れていることがわかる。
一方、ノニオン界面活性剤のオキシプロピレンブロックの分子量が大きい比較例1やノニオン界面活性剤(A)を使用しない比較例4は、脂肪酸由来残渣の洗浄性が十分でない。また、オキシプロピレンブロックの分子量が小さい比較例2やノニオン界面活性剤の分子量が大きい比較例3は、基板上状にノニオン界面活性剤自体が残渣として残るため、洗浄性が不十分である。
脂肪族アルカノールアミンを使用しない比較例5や長鎖アルキルアルカノールアミンを使用した比較例6は脂肪酸由来の金属塩の洗浄性が不十分である。アルカリ成分を含まない比較例7はパーティクルの洗浄性が劣るとともに脂肪酸由来残渣の洗浄性が不十分である。
本発明の洗浄剤は、磁気ディスク基板上のパーティクルの洗浄性に優れているため、磁気ディスク基板(アルミ基板及びガラス基板等)を製造する工程の洗浄剤として有効に使用することができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で示され、かつ式中のm/(n+m+k)が0.20〜0.55であるノニオン界面活性剤(A)、脂肪族アルカノールアミン(B)およびキレート剤(C)を必須成分として含有するpHが9〜14であることを特徴とする磁気ディスク基板用洗浄剤。
    HO−(EO)n−(PO)m−(EO)k−H (1)
    [式中、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、(EO)n、(PO)m、(EO)kは、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドがブロック状で付加している。n、m、kはそれぞれ20以上の数を表し、n+m+kは60〜200である。]
  2. 脂肪族アルカノールアミン(B)が、炭素数2〜6の脂肪族アルカノールアミンである請求項1記載の磁気ディスク基板用洗浄剤。
  3. ノニオン界面活性剤(A)と脂肪族アルカノールアミン(B)の重量比(A)/(B)が0.1〜5.0である請求項1または2に記載の磁気ディスク基板用洗浄剤。
  4. 請求項1〜いずれか1項に記載の磁気ディスク基板用洗浄剤を用いる磁気ディスク基板の洗浄方法。
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