JP5320279B2 - 浄水カートリッジ及び浄水装置及び流し台 - Google Patents

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Description

本発明は、浄水カートリッジ及び浄水カートリッジを有する浄水装置及び浄水装置を備えた流し台に関するものである。
従来から、流し台は、水道水や井戸水等の原水を吐出するカランと、カルキ臭やトリハロメタンあるいは有機物や微粒子等の上記原水に含まれる不純物を除去し浄水を生成し生成した浄水を吐出する浄水装置と、を備えている。そして、上記流し台は、上述のようなカランと浄水装置の夫々から水を吐出するタイプだけでなく、カランに原水を供給する給水管とカランの間に浄水装置を配設しカランからの吐水を原水と浄水の中から選択切換可能としたタイプがある。カランと浄水装置の夫々で吐水するタイプでは原水と浄水の両方を直に得ることができ、一つのカランから原水と浄水を選択して吐出するタイプでは吐出部が一つというシンプルな構造にできる。
また、上記浄水装置は原水をろ過し浄化するろ材を有するろ過部を備えており、上記ろ過部に供給された原水に含まれる不純物をろ材でろ過して除去することで、浄水を生成するものである。例えば、上記ろ過部は、カルキ臭の原因物質やトリハロメタン等を吸着する活性炭からなる活性炭吸着部と、活性炭で除去できないバクテリアや微粒子等を除去する中空糸膜からなる中空糸膜モジュールと、で構成されている。そして、活性炭吸着部と中空糸膜モジュールをろ過部から一体で着脱自在な浄水カートリッジとして、数ヶ月等の一定期間毎に上記浄水カートリッジを新品に交換することで、溜まった不純物を外部に排出して、不純物の付着によるろ過性能の低下を解消するものである。
また、上記浄水カートリッジの交換作業は煩わしいため、ろ材の水を流入する上流通水部の表面積を広くして目詰まりに伴うろ過性能の低下を生じ難くして、交換回数を低減している。例えば、特許文献1のように、円筒状に成型した成形活性炭をろ材に用いて、円筒の外周面を上流通水部とし内周の空間を下流通水部として、上流通水部の表面積を広げたものがある。そして、上記空間の開口は一方がエンドキャップにより封止されており、他方が仕切り板の接続口に接続されており、上記接続口からのみ活性炭でろ過したろ過水を中空糸膜モジュールに供給している。
そして、活性炭内に円筒の端面から水が流入すると十分に不純物が除去される前に内周面に至る短絡を生じて、浄水中の不純物除去率が低下するため、上記エンドキャップの円盤状フラット部(封止部)と仕切り板の環状板面(本体板)は成形活性炭の外径と略同しあるいは少し大きい外寸で形成すると共に、円筒の環状の端面に溶融樹脂等の封止材を介在して液密に固着して、端面からの水の流入を防止している。
特開2006−15199号公報
しかしながら、前述のように浄水カートリッジの長寿命化を行うには成形活性炭の表面積を拡大することであるが、従来のものでは円筒の外径や軸方向の寸法を大きくすることでしか表面積を拡大できず、浄水カートリッジが大型化してしまう問題がある。そして、浄水カートリッジが大型化すると、製造コストの増加に加え、交換時や運搬時に浄水装置や流し台等の外部の構成部材に接触し易くなるため、上記接触の衝撃で破損やひび等の不具合を生じることがあり、浄水装置や流し台の使い勝手を低下させてしまう問題もある。
そこで、本発明は上記事情に鑑みて発明したものであり、活性炭吸着部の形状を大型化せずに長寿命化した浄化カートリッジを提供すると共に、該浄水カートリッジにより浄水装置及び流し台の使い勝手を向上することを課題とした。
上記課題を解決するために、本発明の浄水カートリッジ1は、円筒状の成形活性炭4をろ材として備えるものであり、以下の構成を特徴としている。上記成形活性炭4は少なくとも外周面6及び一方の開口側の端面8から水を流入すると共に内周面7から内周の空間5にろ過した水を流出するものである。そして、上記空間5は上記一方の開口が封止キャップ10で封止されており、上記封止キャップ10は上記一方の開口から上記空間5へ臨む円筒状の閉鎖部12を有する。更に、上記閉鎖部12が上記成形活性炭4の内周面7を上記開口から所定寸法D閉鎖して上記閉鎖した内周面7から上記空間5への水の流出を防止している。
このような構成としたことで、成形活性炭4の外周面6に加えて一方の端面8も成形活性炭4内に水を流入する上流通水部となり、上流通水部が二面に増えて表面積を増やすことができる。そして、上記閉鎖部12が上記一方の開口から所定寸法Dまで内周面7からの水の流出を防止するため、上記一方の端面8から流入した水が内周面7から流出されるまでの最短距離が不純物を十分に除去できる距離以上にでき、成形活性炭4内の流路に短絡が生じることを防止できる。
そして、前記成形活性炭4の外周半径R2から内周半径R1を引いた寸法をTとし、前記閉鎖部12が閉鎖する所定寸法をDとして、上記成形活性炭4と前記閉鎖部12の寸法比は0.5<T/D<2.5の関係のものが好ましい。寸法比T/Dが上記範囲内にあることで、遊離残留塩素を確実に除去できると共に、ろ過水の流速低下を抑制できて、安定したろ過性能を確保することができる。
また、前記成形活性炭4の他方の開口側に仕切り板13を備え、上記仕切り板13が、前記他方の開口に連通する接続口15を備えた本体板14と、上記接続口15に内周を連通して延設され上記本体板14から上記空間5へ臨む円筒状の取付部16と、を有している。そして、上記仕切り板13は取付部16で上記成形活性炭4に取り付けられ、上記他方の開口側の上記成形活性炭4の端面9から上記成形活性炭4内に水を流入させると共に、上記取付部16が上記成形活性炭4の内周面7を上記他方の開口から所定寸法D’閉鎖して上記閉鎖した内周面7から上記空間5への水の流出を防止するものである。このように、上記仕切り板13を取付部16で成形活性炭4に取り付けたことで、上記成形活性炭4の他方の端面9も上流通水部となり、上流通水部の面積が更に増やすことができる。そして、上記取付部16が他端側の閉鎖部(第2の閉鎖部)となり、取付部16が上記他方の開口から所定寸法D’内周面7からの水の流出を防止するため、上記他方の端面9から流入した水の短絡を防止することができる。
そして、前記閉鎖部12と前記取付部16を軸方向Cに連結する円管部材17を備えると共に、上記円管部材17が周面に複数の通水口18を有するものであれば、上記円管部材17で上記封止キャップ10を補強することができる。
また、前記封止キャップ10が摘み部21を有すると共に、上記摘み部21が取り外し用の治具を挿入する挿通孔22を備えることで、上記摘み部21で浄水カートリッジ1を保持してろ材を直接触れずに交換や運搬等の着脱動作を行うことができる。
また、本発明の浄水装置44は、原水中の不純物をろ過するろ過手段を有している。そして、上記ろ過手段が前述の浄水カートリッジ1を着脱自在で備えるものであることを特徴としている。
また、本発明の流し台40は、浄水を生成する浄水生成手段を備えると共に、上記浄水生成手段で生成した浄水を吐水可能なものである。そして、前述の浄水装置44を上記浄水生成手段に用いるものであることを特徴としている。
上記のように、本発明の浄水カートリッジは、成形活性炭の大型化を防止して、上流通水部の表面積を増加させることができる。そして、閉鎖部が端面から流入した水の短絡を防止するため、不純物の除去が不十分なろ過水の生成を防止できる。そのため、短絡を生じることなく目詰まりによるろ過性能の低下を抑制できて、浄水カートリッジが長寿命化されて、寿命に伴う交換作業の回数を低減することができる。
また、寸法比を0.5<T/D<2.5としたことで、閉鎖部による遊離残留塩素のろ過能力の低下を防止すると共に、ろ過水の生成量の減少を防止することができて、安定したろ過性能を確保することができる。
また、仕切り板を取付部で成形活性炭に取り付けると共に、取付部を他方の端面用の閉鎖部として機能させたことで、成形活性炭の他方の端面も短絡しない上流通水部となり、上流通水部の表面積が更に増し、より長寿命化することができる。
そして、閉鎖部と取付部の間に円管部材を配設し連結したことで、封止キャップを軸方向に補強できて、浄水カートリッジに衝撃が加わっても封止キャップの脱落や落ち込み等の不具合の発生を防止することができる。
また、摘み部により、使用者がろ材を直接触れずに浄水カートリッジを保持して交換等の着脱動作を行えるため、取付時に不純物の付着していない新品のろ材に指の油脂等の不純物が付着することを防止できる。そして、取外時にろ材に付着した不純物を触れずにすみ、衛生面を向上することができる。更に、取り外し用の治具を挿通孔に挿通して取り外すことで、摘み部に付着した水等で指等が滑り浄水カートリッジを落とすことを防止できて、安全に交換することができる。
また、本発明の浄水装置はろ過手段に前述の浄水カートリッジを着脱自在で備えたことで、ろ過により溜まった不純物でろ過性能が低下した際に上記浄水カートリッジを交換することで、ろ過性能の低下を容易に解消することができる。そして、長寿命の浄水カートリッジを用いたことで、煩わしい浄水カートリッジの交換作業の回数を低減できて、使い勝手を向上することができる。
また、流し台は上記浄水装置で生成した浄水を使用することができると共に、ろ過性能の低下時に上記浄水装置に備えた浄水カートリッジを交換するだけで容易にろ過性能の低下を解消することができる。そして、浄水装置が長寿命の浄水カートリッジを用いたものであるため、交換作業の回数が低減されており、使い勝手を向上することができる。
本発明の浄水カートリッジの実施形態の一例の断面図である。 (a),(b)は遊離残留塩素除去試験の試験結果である。 同上の他例の一部を省略した断面図である。 同上の変形例の一部を省略した断面図である。 封止キャップに摘み部を有した例の要部を拡大した断面図である。 本発明の浄水装置の一例を模式的に説明する断面図である。 本発明の流し台の一例を模式的に説明する側面図である。
以下、図面に基づいて本発明の各実施形態について説明する。
本発明の実施形態の一例の流し台40は、図7に示すように、給水管41から供給された水道水や井戸水等の原水を水路切換弁42によりカラン43と浄水装置44に導入しており、原水と浄水装置44で生成した浄水を夫々吐出できるものである。上記浄水装置44は、図6に示すように、上記給水管41より供給された原水から不純物をろ過して浄水を生成するろ過部45と、ろ過部45で生成された浄水を吐出する吐水管49と、を有している。
上記ろ過部45は給水管41に連通する給水用連通孔47と吐水管49に連通する吐水用連通孔48を備えた外装46の内部に二種類のろ材を有した浄水カートリッジ1を着脱自在で備えたものである。つまり、給水管41から供給された原水を上記浄水カートリッジ1の二つのろ材で順にろ過することで、原水から不純物を除去して浄水を生成し、生成した浄水を吐水管49に供給するものである。
上記浄水カートリッジ1は、図1に示すように、中空の円筒状に成型した成形活性炭4をろ材とした活性炭吸着部2と、複数の多孔質中空繊維を束ねた中空糸膜23をろ材とした中空糸膜モジュール3と、からなるものである。そして、上記活性炭吸着部2と中空糸膜モジュール3は仕切り板13を介して一体になるよう取り付けられており、原水を活性炭吸着部2でろ過した後、中空糸膜モジュール3で更にろ過して浄水を生成するものである。つまり、浄水カートリッジ1は原水の流れる上流側に活性炭吸着部2を配置し吐水管49に供給する浄水の流れる下流側に中空糸膜モジュール3を配置した状態でろ過部45に着脱自在で取り付けられるものである。
また、上記活性炭吸着部2は、軸方向Cの両端が環状の平面となっている上記成形活性炭4と、成形活性炭4の一端に取り付けられ円筒内周の円柱状の空間5の一端側の開口を封止する封止キャップ10と、からなるものである。そして、上記成形活性炭4の他端には同寸の環状の板面を有する仕切り板13が取り付けられており、該仕切り板13の略中央に位置する開口が成形活性炭4の内周の空間5に連通している。
そのため、成形活性炭4の外方を流れる水(原水)と、成形活性炭4の内周の空間5に流れる水(ろ過水)と、が封止キャップ10及び仕切り板13により仕切られており、上記空間5へ水が流れるには常に成形活性炭4内を通るものとなっている。つまり、原水は成形活性炭4の内周面7以外の面から成形活性炭4に流入してろ過された後、内周の空間5に流出し上記他方の開口から仕切り板13の開口を介して中空糸膜モジュール3に供給されている。
詳しくは、上記封止キャップ10が、上記一端側の開口を封止する円盤状の封止部11と、成形活性炭4の開口(内周)より少し大きいあるいは略同じ寸法で上記封止部11の板面から同芯で突出した円筒状の閉鎖部12と、からなるものである。つまり、上記閉鎖部12を成形活性炭4の内周に圧入することで封止キャップ10を成形活性炭4に取り付けるものである。そして、封止部11は単に開口のみを封止するものであり、封止部11の板面と対向する一方の開口の外周に位置する端面8の間には原水が流れ込んでいる。更に、閉鎖部12の外周面が成形活性炭4の内周面7に圧接したことで、上記内周面7の圧接されている部位は閉鎖部12により閉鎖されて該内周面7の部位から上記空間5内へ水が流出することを防止している。
そのため、上記一方の端面8から成形活性炭4内に流入した原水は閉鎖部12の内周側に臨む先端まで上記空間5内に流出できなくなっており、閉鎖部12により上記一端から流入した原水中の塩素を確実に除去するための流動距離が確保されている。なお、上記封止部11は板面の寸法を開口より大きい寸法にすることで、上記封止キャップ10の取付時に位置決めとして用いることができる。もちろん、上記閉鎖部12は圧入による圧接に限らず、接着剤等の接着部材で閉鎖部12と成形活性炭4を接着して閉鎖するものや、閉鎖部12と成形活性炭4の間に溶融樹脂等の封止部材を介在させて固着し閉鎖するものであってもよい。
また、上記封止キャップ10は閉鎖部12の軸方向Cの寸法Dが成形活性炭4の外周半径R2から内周半径R1を引いた成形活性炭4のラジアル方向の厚さ寸法Tの略半分から略二倍の範囲に収まるものであることが好ましい。
詳しくは、JIS規格S3201家庭用浄水器試験方法の遊離残留塩素除去性能試験に基づき、試験条件は遊離残留塩素濃度2.00mg/Lの水を試験水とし、ろ材に供給する水の流量であるろ過流量を2.0L/minとした。そして、ろ材である活性炭は外径(直径)28.5mm、内径(直径)8.5mm、全長(軸方向Cの寸法)62mmの円筒状に成型した成形活性炭4であり、閉鎖部12の上記寸法Dを4,5,8,10,20mmの5種類で行った。なお、上記成形活性炭4は上記条件で外周面6のみから内周面7に向けて原水を通水させると遊離残留塩素除去率が100%を示すものである。
上記試験の結果は図2に示す通りであり、図2(a)は寸法比T/D毎の遊離残留塩素濃度の計測結果の表であり、図2(b)は縦軸に遊離残留塩素除去率をとり、横軸に寸法比T/Dをとり、各寸法比T/Dを線で結んだものである。
上記試験結果が示すように、上記閉鎖部12の寸法Dを4mmとしたものでは浄水中に塩素が残留しており、塩素除去が不十分となっている。これは、成形活性炭4の一方の端面8(一端側の平面)から閉鎖部12に閉鎖されていない内周面7に至る最短距離が短く、短絡を生じたためである。そして、上記閉鎖部12の寸法Dを20mmとしたものでは上記最短距離が長くなったことで成形活性炭4内の通水抵抗が増加して活性炭内での流速が著しく減衰し、内周の空間5に流出する浄水の生成量が減少している。
つまり、T/D≧2.5では上記最短距離が短過ぎて通水抵抗が低くなり、塩素を除去するろ過能力が低下し、T/D≦0.5では上記最短距離が長過ぎて通水抵抗が大きくなり、浄水の生成量が減少してしまう。そのため、封止キャップ10は成形活性炭4と閉鎖部12の寸法比T/Dが0.5〜2.5の範囲に収まるものにすることで、ろ過能力の低下や生成量の減少等のろ過性能の低下を防止して、原水中の塩素を安定して除去することができる。
また、上記仕切り板13は成形活性炭4の他方の端面9(他端側の平面)と略同じ寸法の環状の板を本体板14としており、上記本体板14の略中央に位置する開口が活性炭吸着部2でろ過したろ過水を中空糸膜モジュール3に供給する接続口15となっている。そして、上記本体板14の一方の面が成形活性炭4の他方の端面9に対向し当接する当接面となっており、上記当接面には封止キャップ10の閉鎖部12と略同形の円筒状で取付部16が上記成形活性炭4の内周に臨んで突設されている。
つまり、取付部16は封止キャップ10の閉鎖部12と同様に成形活性炭4の内周面7に圧接されており、成形活性炭4の内周面7を他端側から周面の軸方向Cの寸法D’分閉鎖する第2の閉鎖部となっている。そのため、仕切り板13は取付部16によって成形活性炭4に取り付けらており、他方の端面9に原水が流れ込むものとなっている。そして、取付部16により他端側の内周面7も前記閉鎖部12の圧接した一端側の内周面7と同様に閉鎖されると共に、原水が上記他方の端面9からも成形活性炭4内に流入している。
このように、本例の活性炭吸着部2は外周面6及び軸方向Cの両端面8、9から原水を成形活性炭4内に流入した後、閉鎖部12及び取付部16の間に位置する閉鎖されていない内周面7から上記空間5内にろ過水を流出する。そして、上記ろ過水を上記接続口15を介して中空糸膜モジュール3に供給するものである。なお、取付部16の軸方向Cの寸法D’は前述の閉鎖部12の寸法比T/Dの範囲と同様に成形活性炭4の厚さ寸法Tの半分から二倍の間の寸法に設定することが好ましい。更に、外周から内周に向けて凹んだ環状の段部を仕切り板13の当接面に設け、上記当接面と成形活性炭4の他方の端面9の間に環状の隙間を形成し、上記二面の間に侵入する原水の通水抵抗を低減して、他方の端面9に原水を流入し易くしてもよい。
また、上記中空糸膜モジュール3は仕切り板13の上記当接面の裏面を底部とした有底の円筒状の枠体24の内部に中空糸膜23を配置したものであり、中空糸膜23は複数本の多孔質中空繊維を端部で束ねたものである。上記枠体24は上記底部の反対側に位置する端部が開口した開口端25となっており、上記開口端25の開口は集水キャップ26により覆われている。そして、上記開口端25には中空糸膜23が繊維端部を開口に面一で並べた状態で固定されており、各端部の間の隙間及び開口端25との隙間がモールド樹脂で埋められている。
更に、上記集水キャップ26は、枠体24と略同芯同径の環状の板からなる本体28と、本体28の外周端から上記開口端25に向けて突出した固定用の環状突起29と、本体28の内周の開口に連通した円筒状の連結管31と、からなるものである。上記環状突起29は軸方向Cの先端が枠体24の開口端25側の外周面に接合する接合部30を備え、上記接合部30の接合により集水キャップ26が枠体24に固定されている。そのため、本体28と開口端25の開口面の間には中空糸膜23でろ過され浄水となったろ過水を集める集水空間部27が形成されており、集水空間部27内の浄水は本体28の略中央の開口を介して連結管31内へ導入されている。
そして、上記連結管31は軸方向Cに本体28から外方へ突出しており、連結管31の外周がろ過部45の吐水用連通孔48の縁にOリング等の弾性体からなるシール部材32を介在させて当接しており、連結管31と吐水用連通孔48の間がシールされている。つまり、集水空間部27に集められた浄水のみが連結管31及び吐水用連通孔48を介して吐水管49へ供給されると共に、シール部材32の弾性により連結管31を介して浄水カートリッジ1がろ過部45に着脱自在で取り付けられている。
このように、閉鎖部12を備えた封止キャップ10により、成形活性炭4の外周面6に加え一方の端面8も活性炭吸着部2の上流通水部となり、成形活性炭4の一面のみを上流通水部としたものより上流通水部の面積を増すことができる。そして、封止キャップ10の成形活性炭4に対する寸法比(T/D)を0.5<T/D<2.5としたことで、遊離残留塩素のろ過能力の低下を防止できると共に、ろ過水の生成量の減少を防止できて、安定したろ過性能を確保することができる。
そのため、成形活性炭4を大型化せずにろ過性能の低下を抑制できて、活性炭吸着部2の寿命を延ばすことができる。また、活性炭吸着部2と中空糸膜モジュール3を仕切る仕切り板13の取付部16を第2の閉鎖部としたことで、成形活性炭4の他方の端面9も上流通水部にでき、上流通水部の表面積がより増して、浄水カートリッジ1が更に長寿命になっている。そして、上流側に配置され不純物が付着し易い活性炭吸着部2が長寿命になったことで、活性炭吸着部2の寿命による交換作業の回数を低減できて、浄水カートリッジ1の使い勝手を向上することができる。
また、上記浄水カートリッジ1の長寿命化に伴い、浄水カートリッジ1をろ過手段であるろ過部45に用いた浄水装置44から煩わしい浄水カートリッジ1の交換作業の回数を削減できて、使い勝手を向上することができる。そして、該浄水装置44を浄水生成用の浄水生成手段に用いた流し台40も、長寿命化された浄水カートリッジをろ材として備えたものとなっており、上記交換作業の煩わしさが軽減されて、使い勝手が向上している。
なお、本発明における流し台40は原水用のカラン43と浄水用の吐出部を夫々備えたものに限らず、ビルトイン式浄水器等の給水管41とカラン43の間に浄水装置44を備えカラン43から原水と浄水を選択して吐水することができるものであってもよい。そして、本発明における浄水装置44は、浄水を電解する電解部を備えアルカリ性や酸性の電解水を生成するものや、浄水にマグネシウムやカルシウム等のミネラル成分と称される物質を添加するものであってもよい。
また、浄水カートリッジ1の他の実施形態の一例として、成形活性炭4の内周側の閉鎖部12と取付部16の間に円管部材17を配置し、円管部材17で閉鎖部12と取付部16を一体に連結して、成形活性炭4を補強したものがある。なお、本例において前述の例と同様の構成は説明を省略すると共に、中空糸膜モジュール3は前述の例と略同一の構成であるため本例に対応する図面では一部を省略している。
詳しくは、図3に示すように、円管部材17は周面に矩形状の通水口18を複数有した格子状の円管であり、上記通水口18から内周の空間5に成形活性炭4でろ過されたろ過水が流入されている。そして、上記円管部材17は外周面が成形活性炭4の内周面7に当接し、成形活性炭4を内周側から軸方向C及びラジアル方向に補強している。更に、軸方向Cの一端が閉鎖部12の端部に接着剤等による接着や溶着等で接合されており、他端が取付部16の端部に接着等で接合されており、封止キャップ10を仕切り板13に連結固定している。
そのため、浄水カートリッジ1交換時や運搬時にろ過部45の外装46や流し台等の外部の構成部材に接触して成形活性炭4に外部から衝撃を受けても破損やひびの発生することを抑制している。そして、上記円管部材17は成形活性炭4の内周面7を外周面で閉鎖するものではないため、ろ過性能が低下せずにすみ、ろ過水の内周の空間5への流入を略阻害しないものである。
また、封止キャップ10を仕切り板13に連結固定しているため、上記衝撃で封止キャップ10が成形活性炭4から飛び出し抜け落ちたり閉鎖する寸法に短くなったりすることを防止している。そして、封止キャップ10に流水圧の変化によるウォータハンマ等の軸方向Cに沿った衝撃が付与されても、封止キャップ10が上記空間5内に落ち込んだり成形活性炭4から飛び出して抜け落ちたりすることも防止している。
なお、円管部材17は通水口18を矩形状としたものに限らず、円管部材17が補強部材として機能可能なものであれば、円形状や楕円形状に通水口18を有したものや、六角形状に開口しハニカム状に格子を配置したものであってもよい。
また、円管部材17を封止キャップ10あるいは仕切り板13の一方に一体成型して形成したものや、接合に係合を用いてもよい。例えば、図4に示すように、円管部材17と仕切り板13を一体で成型して、取付部16から封止キャップ10に向けて延設された延設部として円管部材17を設け、取付部16と円管部材17を連結するものがある。そして、上記円管部材17は封止キャップ10側に位置する先端に係合部19を設け、閉鎖部12は空間5に臨む先端側の内周面に被係合部20を設けてあり、係合による接合で閉鎖部12と円管部材17を連結している。つまり、接合の代わりに一体成型を用いることで接合箇所を削減でき、係合を用いることで接着や溶着等より容易に連結固定できて、浄水カートリッジ1の組立て性を向上できる。
なお、上記係合は、被係合部20を設けずに係合部19を弾性を有する係合爪として引っ掛けて連結固定するものや、円管部材17に被係合部を設け閉鎖部12に係合部を設けたものや、螺合により連結固定するもの等であってもよい。ましてや、取付部16と円管部材17を係合により接合するものや、封止キャップ10と円管部材17を一体成型したものであってもよい。更に、円管部材17の先端側の外周面を成形活性炭4の内周面7に接着すれば、封止キャップ10の閉鎖部12として用いることもできるため、円管部材17の先端と封止部11を接合することで封止キャップ10を形成するものであってもよい。もちろん、円管部材17と仕切り板13の当接面の間を接合により一体にするものであってもよく、このとき成形活性炭4の他方の端面9も上流通水部として用いたものでは円管部材17が取付部16を兼ねるものとなる。
また、図5に示すように、封止キャップ10の封止部11の軸方向Cの外方に摘み部21を設けることで、浄水カートリッジ1の交換時に作業者が成形活性炭4を直接触ることなく浄水カートリッジ1を着脱できるものになる。つまり、浄水カートリッジ1を取り付ける際には作業者の手やペンチ等が成形活性炭4に触れて手の油脂等が付着するあるいは成形活性炭4を破損することを防止できる。そして、取り外す際には成形活性炭4に付着した不純物に作業者の手やペンチが触れることを防止できて、衛生面を向上できる。
更に、上記摘み部21は軸方向Cに直交する向きで貫通した挿通孔22を有しており、浄水カートリッジ1をろ過部45から取り外す際に、フック等を備えた着脱用治具を挿通孔22に挿通し引っ掛けることで浄水カートリッジ1を取り外すことができる。そして、上記治具を挿通孔22に引っ掛けて取り外すため、摘み部21が水で濡れていても指等のように滑って落とすことをなく、より安全に交換することができる。
もちろん、上記摘み部21を備えた封止キャップ10は前述の円管部材17で仕切り板13に連結固定することで、摘み部21で浄水カートリッジ1を保持した際に外部からの衝撃で封止キャップ10が成形活性炭4から抜けることを確実に防止できて更に安全性を向上することができ好ましい。なお、摘み部21の形状は成形活性炭4と同芯で円柱形状や角柱形状に突出したものに限らず、封止部11と同芯で突出した環形状のものや、径方向に長手を有する矩形状のものや、挿通孔22にリング等の環状の部材を予め取り付けたものであってもよい。更に、周面や側面等の外面に溝や凹凸等の滑り止め部を設けて、摘み部21を摘んだ際に水等による指やペンチ等の滑りを防止することが好ましい。
1 浄水カートリッジ
4 成形活性炭
5 内周の空間
6 外周面
7 内周面
8 一方の端面
9 他方の端面
10 封止キャップ
12 閉鎖部
13 仕切り板
14 本体板
15 接続口
16 取付部
17 円管部材
18 通水口
21 摘み部
22 挿通孔
40 流し台
44 浄水装置(浄水生成手段)
45 ろ過部(ろ過手段)
C 軸方向
D (閉鎖部)寸法
T 厚さ寸法
R1 内周半径
R2 外周半径

Claims (7)

  1. 円筒状の成形活性炭をろ材として備え、上記成形活性炭は少なくとも外周面及び一方の開口側の端面から水を流入すると共に内周面から内周の空間にろ過した水を流出するものであり、上記空間は上記一方の開口が封止キャップで封止されており、上記封止キャップは上記一方の開口から上記空間へ臨む円筒状の閉鎖部を有し、上記閉鎖部が上記成形活性炭の内周面を上記開口から所定寸法閉鎖して上記閉鎖した内周面から上記空間への水の流出を防止するものであることを特徴とする浄水カートリッジ。
  2. 前記成形活性炭の外周半径から内周半径を引いた寸法をTとし、前記閉鎖部が閉鎖する所定寸法をDとして、上記成形活性炭と前記閉鎖部の寸法比は0.5<T/D<2.5の関係のものであることを特徴とする請求項1に記載の浄水カートリッジ。
  3. また、前記成形活性炭の他方の開口側に仕切り板を備え、上記仕切り板が、前記他方の開口に連通する接続口を備えた本体板と、上記接続口に内周を連通して延設され上記本体板から上記空間へ臨む円筒状の取付部と、を有し、上記仕切り板は上記取付部で上記成形活性炭に取り付けられ、上記他方の開口側の上記成形活性炭の端面から上記成形活性炭内に水を流入させると共に、上記取付部が上記成形活性炭の内周面を上記他方の開口から所定寸法閉鎖して上記閉鎖した内周面から上記空間への水の流出を防止するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の浄水カートリッジ。
  4. 前記閉鎖部と前記取付部を軸方向に連結する円管部材を備え、上記円管部材は周面に複数の通水口を有するものであることを特徴とする請求項3に記載の浄水カートリッジ。
  5. 前記封止キャップが摘み部を有すると共に、上記摘み部が取り外し用の治具を挿入する挿通孔を備えるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の浄水カートリッジ。
  6. 原水中の不純物をろ過するろ過手段を備え、上記ろ過手段が請求項1〜5のいずれか一項に記載の浄水カートリッジを着脱自在で有するものであることを特徴とする浄水装置。
  7. 浄水を生成する浄水生成手段を備えると共に、上記浄水生成手段で生成した浄水を吐水可能な流し台であって、請求項6に記載の浄水装置を上記浄水生成手段に用いるものであることを特徴とする流し台。
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