JP5475740B2 - 浄水器、および浄水器用カートリッジ - Google Patents
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Description
また、原水をそのまま吐出する原水流路と、原水を浄水器用カートリッジで濾過して得た浄水を吐出する浄水流路とを有し、原水吐出と浄水吐出とを切り換える流路切換弁を設けた浄水器があった。
ストレーナは、細い金属線又は合成樹脂線等の網素材をリング状にしたもので、原水流路を通過する原水から固形のゴミを除去することができた。
また、ストレーナは、このストレーナの上流側で浄水器用カートリッジから円筒状に突設されたリブと、このストレーナの下流側で浄水器用カートリッジから円筒状に突設された円筒部との間で保持されていたため、リブや円筒部によって原水流路の流路面積が小さくなり、流路抵抗が大きくなるため、吐水量が減少していた。
第1の発明は、原水を内部に導入する接続口と水を吐出する吐出口とを形成するとともに、上記接続口と上記吐出口との間に、浄化材を具備する浄水器用カートリッジを交換可能に収容する収容部を設け、原水が上記浄化材を透過せずに下流側へ流れる原水流路と、原水が上記浄化材を透過して下流側へ流れる浄水流路とを形成した浄水器であって、上記浄化材より上流側の原水流路で、上記浄水器用カートリッジに保持され、または上記浄水器用カートリッジと一体に設けられた網素材からなるストレーナを有することを特徴とする。
また、ストレーナを上記浄化材より上流側の原水流路に配置したことにより、原水吐出時と浄水吐出時とを問わず、原水がストレーナを通過して微細なゴミが除去される。そのため、浄化材が微細なゴミにより目詰まりを起こすことを防止することができる。
また、ストレーナを上記浄化材より上流側で原水流路に張り出したことにより、原水吐出時と浄水吐出時とを問わず、原水がストレーナを通過して微細なゴミが除去される。そのため、浄化材が微細なゴミにより目詰まりを起こすことを防止することができる。
また、ストレーナと側面部との間の密閉性が高まって、原水に確実にストレーナを通過させることができ、微細なゴミが除去されずに下流側へ流れるのを防止することができる。
図1に示すように、浄水器1は、ホース等を介して水道設備に接続されるとともに、先端に吐出口を形成したシャワーヘッドタイプの浄水器である。
この浄水器1は、吐出口としてストレート吐出口2a、内シャワー吐出口2bおよび外シャワー吐出口2cを有するとともに、ストレート吐出口2aからのストレート吐出、内シャワー吐出口2bからのエコシャワー吐出、内シャワー吐出口2bおよび外シャワー吐出口2cからのシャワー吐出を切り換える吐出切換弁を設けている。
浄水器1の内部には、接続口3から吐出口2a、2b、2cまで連通する流路が設けられており、この流路中に浄水器用カートリッジ4を収容する略筒状の収容部5が形成されている。
浄水器1は、吐出口2a、2b、2cを形成した頭部6と、使用者が片手で持てるようにした把持部7とをネジ結合されており、浄水器用カートリッジ4の製品寿命が尽きたり故障した場合には、頭部6と把持部7とに分解することで新しい浄水器用カートリッジ4と交換することができる。
原水が浄化材8を透過すると、原水に溶解した化学成分や浮遊している微細な固形物質が浄化材8によって吸着または濾過される。
浄化材8の外周表面は、不織布等で覆ってもよい。
下流側キャップ10には、浄化材8の内部流路12と連通する水の流路が形成されており、浄化材8の内部流路12へ流入した水(浄水)がカートリッジ受け11に供給され、頭部6内を通過して吐水口2a、2b、2cから吐出される。下流側キャップ10内の流路には、浄化材8から流出する微粉等を取り除くための不織布10bと、滞留水に菌が繁殖することを防止する殺菌セラミックボール10cとを配置している。不織布10bおよび殺菌セラミックボール10cを収容できるように、下流側キャップ10は二つの部品を組み立てて形成されている。
また、浄水器内には、接続口3から導入された原水が、外周側流路14から浄化材8を透過して内部流路12に流入し、カートリッジ受け11から散水口2a、2b、2cへ流れる浄水流路が形成される。
頭部6には、押しボタン6aの操作により原水流路と浄水流路とのいずれか一方を選択して閉鎖する流路切換弁を設けている。
図7に示すように、このストレーナ15は幅広環状に形成されており、浄水器1に浄水器用カートリッジ4を収容したときに、浄化材8より上流側の原水流路に張り出すように配置される。
ストレーナ15の外端縁および内端縁は、弾性を有する樹脂製の弾性枠部材16で覆われている。弾性枠部材16は、ストレーナ15の外端縁を覆う外枠部16aと、ストレーナ15の内端縁を覆う内枠部16bと、周上等間隔に配置されて外枠部16aおよび内枠部16bの間を連結する4つの補強枠部16cとからなる。
ストレーナ15および弾性枠部材16の内径は、上流側キャップ9のストレーナ保持部9aの外径に略等しい。
また、弾性枠部材16はストレーナ15よりも厚く形成されて、落下の衝撃等からストレーナ15を保護する。
また、金属網の中でも、耐錆性および耐久性に優れたステンレス合金を用いることが特に好ましい。
熱可塑性樹脂としては、ストレーナとの密着性、浄水器用カートリッジおよび浄水器(収容部)内壁との密閉性の観点から、PP(ポリプロピレン)およびPE(ポリエチレン)を用いることが特に好ましい。
曲げ弾性率が100MPa未満のものでは、柔らかすぎて弾性枠部材が破損するおそれがある。より好ましくは300MPa以上、さらに好ましくは500MPa以上、さらに好ましくは800MPa以上のものを用いるのがよい。
曲げ弾性率が5000MPaを超えるものでは、硬すぎて後述する密閉性が悪くなるなどのおそれがある。より好ましくは3000MPa以下、さらに好ましくは1500MPa以下、さらに好ましくは1000MPa以下のものを用いるのがよい。
例えば、日本ポリエチレン株式会社のノバッテックHDのHJ360(曲げ弾性率850MPa)、HJ362N(曲げ弾性率820MPa)、HJ560(曲げ弾性率1050MPa)、HJ580N(曲げ弾性率1000MPa)、HJ490(曲げ弾性率1000MPa)、HJ590N(曲げ弾性率1000MPa)等を採用することができる。
このような方法では、別々に成形したストレーナ15と弾性枠部材16とを接着剤で接着する方法に比べて、生産性が高いとともに、ストレーナ15と弾性枠部材16との密着性も高く、ストレーナ15と弾性枠部材16とが剥離しにくい。また、接着剤を使用した場合は、接着剤のはみ出しがおきて、はみ出した接着剤により水の流路10を部分的に塞いでしまう問題も起こりうるが、上述の方法では、その問題を解消することができる。
返し9bは、上流側に形成された斜面と、側面部に略垂直に形成された下流側(ストレーナ保持部9aの根元側)の当接面とを有し、ストレーナ保持部9aの根元から、ストレーナ15(および弾性枠部材16)の厚さと同等の高さ位置に形成されている。
浄水器用カートリッジ4にストレーナ15を装着して保持させるには、ストレーナ15をストレーナ保持部9aの先端から押し込んでいく。弾性枠部材16の内枠部16bは、側面部に沿って摺動し、返し9bの斜面では径方向に弾性変形しながら進み、ストレーナ保持部9aの根元まで到達すると原形に復帰するとともに、返し9bの当接面と上流側キャップ9の底面に挟まれて保持される(図6)。
つまり、浄水器用カートリッジ4へのストレーナ15の装着性と保持性を両立させる為に、上流側キャップ9に、上流側に斜面を形成し、側面部側に略垂直に形成された下流側の当接面を備える返し部9bを設けるのが好ましい。なお、斜面の角度は浄水器用カートリッジの径方向に対して、10度以上80度以下とするのがよい。10度未満とすると装着性向上効果が不足しやすくなるので、さらに20度以上、特に30度以上とするのが好ましい。また、80度より大きくすると、返し部9bの浄水器用カートリッジの軸方向の向きの幅が大きくなり過ぎて、浄水器用カートリッジのコンパクト性が低下しやすいので、さらに70度以下、特に60度以下が好ましい。当第一実施形態では、斜面の角度は45度とした。
ストレーナ15および弾性枠部材16は、上流側キャップ9に着脱可能に保持させてもよく、装着後は取り外せないように保持させてもよい。なお、ストレーナ15および弾性枠部材16は、上流側キャップ9に接着剤で接着して固定することもできるが、接着剤を使用した場合は、接着剤のはみ出しがおきて、はみ出した接着剤により水の流路を部分的に塞いでしまう問題も起こりうるので、接着剤を使用せずに、弾性枠部材の弾性力を利用するなどして、上流側キャップ9に保持するのが好ましい。
また、図8に示すように、上流側キャップ9の底面の外周縁部は丸みをつけた曲面に面取りし、原水がストレーナ15を通過できる流路面積を大きくして、流路抵抗を低減させるとともにストレーナ15のゴミ除去性能を向上させることが好ましい。
L1およびL2を0.5mm未満にすると、流路面積の拡大化および流路抵抗の低減が不十分になってしまう。0.8mm以上がより好ましく、1.0mm以上がさらに好ましい。
L1およびL2を3.0mmよりも大きくすると、強度が不足し上流側キャップ9を大型化する必要が生じる。2.0mm以下がより好ましく、1.5mm以下がさらに好ましい。
また、面取り部は、滑らかな曲面に形成するのが好ましく、例えばL1、L2を半径とする円弧に形成するのが好ましい。
これにより、ストレーナ15のメッシュ(網の目)をより細かくすることが可能になり、原水からより微細なゴミを除去することができる。
また、ストレーナ15と浄水器用カートリッジ4(ストレーナ保持部9a)との間の密閉性が高まって、原水に必ずストレーナ15を通過させることができ、微細なゴミが除去されずに下流側へ流れるのを防止することができる。
たとえば、弾性枠部材16の外枠部16aの外径を収容部5の内周壁の内径よりもわずかに大きく形成して、浄水器用カートリッジ4を収容部5に収容したときに、外枠部16aが下流側にしなりながら収容部5の内周壁に当接するようにすると、ストレーナ15と収容部5との間の密閉性をより向上させることができる。
なお、全ての補強枠部16cの面積を合算した面積をS1とし、補強枠部16cの無い部分のストレーナ15の面積、つまり、水が通過可能な部分の面積をS2とした場合に、(S2/(S1+S2))の値は、0.7以上とするのがよい。0.7より小さくなると、水の流路面積及び/又はストレーナのごみ取り部分の面積が小さくなり、流路抵抗が増大化するとともにストレーナ15が詰まり易くなってしまう。さらに0.8以上、とくに0.9以上とするのが好ましい。なお、(S2/(S1+S2))の上限については、ストレーナ15と弾性枠部材16が必要とされる接合強度が維持される範囲で適宜定めればよいが、例えば、0.97以下、さらに0.95以下と定めることができる。当第一実施形態では0.93とした。
このような弾性枠部材16を設けたことにより、ストレーナ15を保持、配置するために、過度に流路面積を減少させるリブ等を設ける必要がなく、流路面積を大きくすることができて、流路抵抗を低下させることができるとともに、ストレーナ15の狭い範囲に水流が集中せず、目詰まりを起こしにくくすることができる。
第一実施形態ではストレーナ15を浄水器用カートリッジ4とそれぞれ別体に形成し、浄水器用カートリッジ4の上流側キャップ9に取り付ける構成としたが、第二実施形態では、幅広環状のストレーナ15を上流側キャップ9と一体に設けている。
この第二実施形態では、図9に示すように、上流側キャップ9から径方向に突出するリング部を設け、このリング部にストレーナ15を一体に設けている。ストレーナ15の外端縁は、第一実施形態と同様に弾性枠部材16で覆うのが好ましい。
浄水器用カートリッジ4を浄水器1の収容部5に収容すると、ストレーナ15が上流側キャップ9と収容部5内壁との間の外周側流路14(原水流路)に配置され、流路切換弁の浄水吐出時と原水吐出時とを問わず、収容部5に供給された原水がストレーナ15を通過する際に、微細なゴミが除去される。
第一実施形態および第二実施形態では、原水流路となる浄水器用カートリッジ4の外周側流路14に配置される幅広環状のストレーナ15を設けたが、ストレーナ15の形状は幅広環状に限定されず、浄化材8より上流の原水流路を覆うことができる形状であればよい。
第三実施形態では、図10に示すように、第一実施形態と同様に上流側キャップ9から上流側に略筒状のストレーナ保持部9aを立設している。このストレーナ保持部9aは、収容部5底部の接続口3付近に立設された筒部5bに水密に内接して、原水流路を塞いでいる。ストレーナ保持部9aの周面には複数の開口が形成され、この開口にストレーナ15が一体に配置されている。
第一実施形態では、ストレーナ15の外端縁および内端縁を覆う弾性枠部材16を設けたが、ストレーナ15の保持や流路の密閉性に問題を生じない場合には、弾性枠部材16を省略してもよい。
2a (ストレート)吐出口
2b (内シャワー)吐出口
2c (外シャワー)吐出口
3 接続口
4 浄水器用カートリッジ
5 収容部
5a リブ
5b 筒部
6 頭部
7 把持部
8 浄化材
9 上流側キャップ
9a ストレーナ保持部
9b 返し
10 下流側キャップ
11 カートリッジ受け
12 内部流路
14 外周側流路
15 ストレーナ
16 弾性枠部材
16a 外枠部
16b 内枠部
16c 補強枠部
Claims (6)
- 原水を内部に導入する接続口と水を吐出する吐出口とを形成するとともに、上記接続口と上記吐出口との間に、浄化材を具備する浄水器用カートリッジを交換可能に収容する収容部を設け、
原水が上記浄化材を透過せずに下流側へ流れる原水流路と、
原水が上記浄化材を透過して下流側へ流れる浄水流路とを形成した浄水器であって、
上記浄化材より上流側の原水流路で、上記浄水器用カートリッジに保持され、または上記浄水器用カートリッジと一体に設けられた網素材からなるストレーナを有することを特徴とする浄水器。 - 水から不純物を除去する浄化材を具備し、
浄水器の収容部に交換可能に収容されて、上記浄水器内に、原水が上記浄化材を透過せずに下流側へ流れる原水流路と、
原水が上記浄化材を透過して下流側へ流れる浄水流路とを形成する浄水器用カートリッジであって、
上記浄化材より上流側で原水流路に張り出した網素材からなるストレーナを設けたことを特徴とする浄水器用カートリッジ。 - 上記浄化材の上流側に樹脂からなるキャップ部材を取り付け、
このキャップ部材に上記ストレーナを一体に設けたことを特徴とする請求項2記載の浄水器用カートリッジ。 - 上記浄化材は円筒状に形成され、
上記浄化材の上流側には、ストレーナ保持部材が取り付けられ、
このストレーナ保持部材の側面部に上記ストレーナを保持したことを特徴とする請求項2記載の浄水器用カートリッジ。 - 上記側面部と接する上記ストレーナの端縁部に、弾性枠部材を配設したことを特徴とする請求項4記載の浄水器用カートリッジ。
- 上記収容部の内壁と接する上記ストレーナの端縁部に、弾性枠部材を配設したことを特徴とする請求項3または4記載の浄水器用カートリッジ。
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