図1〜図15を参照して、本発明の直流コンセントを造営物の壁部に埋め込まれる直流コンセントとして具体化した実施形態について説明する。
図1を参照して、家屋Hに設けられた直流配電システム70の全体について説明する。
図1に示すように、家屋Hには、直流電力を出力する直流電力供給部71と、直流電力により駆動される負荷としての電気機器72とが設けられている。この電気機器72には、直流電力供給部71の出力端子に接続された直流供給線路Wdcを通して直流電力が供給されるようになる。ここで、電気機器72としては、例えばパーソナルコンピュータ等の情報機器72a、照明器具72b、インターホン等の玄関システム機器72c及び火災感知器等の住警器具72dが挙げられる。
また、直流電力供給部71と電気機器72との間には、直流供給線路Wdcに流れる電流を監視するとともに、異常を検知したときに直流供給線路Wdc上で直流電力供給部71から電気機器72への直流電力の供給を制限または遮断する直流ブレーカ73が設けられている。この直流ブレーカ73は、電気機器72のそれぞれに対応して設けられている。
直流電力供給部71は、基本的には、商用電源等の家屋Hの外部から供給される交流電源ACの電力変換により直流電力を生成している。具体的には、交流電源ACの交流電力は、分電盤74に設けられた主幹ブレーカ75を通して、スイッチング電源を含むAC/DCコンバータ76に入力され、直流電力に変換される。そしてAC/DCコンバータ76から出力される直流電力は、協調制御部77を通して各直流ブレーカ73に接続される。
直流電力供給部71には、交流電源ACの停電期間等の交流電源ACから電力が供給されない期間に対応する二次電池78a、及び直流電力を生成する太陽電池78bや燃料電池78cが設けられている。これら二次電池78a、太陽電池78b及び燃料電池78cは、交流電源ACから直流電力を生成するAC/DCコンバータ76を備える主電源79に対して、分散電源78となる。
協調制御部77は、主電源79からの直流電力と、分散電源78からの直流電力との電力の配分を制御している。この協調制御部77には、DC/DCコンバータ77aが設けられている。このDC/DCコンバータ77aにより、主電源からの直流電力及び分散電源78からの直流電力の直流電圧を必要な電圧に変換している。以上により、主電源79及び分散電源78の直流電力を必要に応じて分配した上で、電気機器72に直流電力が供給されるようになる。
ここで、直流コンセント(以下、「コンセント1」)は、直流ブレーカ73と電気機器72のうちの情報機器72aとの間に設けられている。このコンセント1は、直流供給線路Wdcに接続されている。そして、情報機器72aのプラグ1C(図9及び図10参照)がコンセント1に接続されることにより、直流電力供給部71の直流電力が情報機器72aに供給されるようになる。
次に、図2〜図4を参照して、コンセント1の構成、及び取付枠2への取付構造について説明する。
図2(a)に示すように、コンセント1は、略直方体のコンセント本体部1Aや、コンセント本体部1A内に収納された刃受部材1B(図11参照)等により構成される。以降では、コンセント1に対するプラグ1C(図10参照)の挿入方向を「前後方向」とし、この前後方向の平面視において、コンセント本体部1Aの長手方向を「左右方向」とし、コンセント本体部1Aの短手方向を「上下方向」とする。また、前後方向において、コンセント1に対するプラグ1C側を「前方」とし、コンセント1側を「後方」とする。また、上下方向と左右方向とは互いに直交している。
コンセント本体部1Aは、樹脂材料を用いて射出成形することにより成形されるとともに前後方向の前方が開口した略箱状のボディ10と、樹脂材料を用いて射出成形することにより成形されるとともに前後方向の後方が開口した略箱状のカバー20とにより構成されている。またコンセント本体部1Aには、ボディ10にカバー20を取り付けた後に取り付けられるとともに金属板をプレス加工することにより成形される一対の組立枠30が設けられている。そしてボディ10及びカバー20によって形成される内部空間に刃受部材1B、端子部材1D、錠ばね1E、及び解除釦1F(いずれも図5参照)が収納される構成となっている。
刃受部材1Bは、造営物の壁部の壁面の裏面側に配線された直流供給線路Wdc(図1参照)から延設される電線に、端子部材1D及び錠ばね1Eを用いて接続される。これにより直流電力供給部71(図1参照)からの直流電力が刃受部材1Bに供給されるようになる。
カバー20の左右方向の両側には、組立枠30が取り付けられる組立枠取付部21が設けられている。これら組立枠取付部21の左右方向の間には、この組立枠取付部21よりも前後方向の前方に突出する略直方体形状の差込接続部22が設けられている。この差込接続部22には、直流電源用のプラグ1Cが着脱可能に接続される。
差込接続部22には、この差込接続部22の前面22aより前後方向の後方に凹むとともに、前後方向の前方から見た平面視において略四角形状に形成された周壁挿入溝23が設けられている。本実施形態においては、プラグ1Cの挿入方向(前後方向)から見た平面視において、周壁挿入溝23の四隅のうちの上下方向の下方且つ左右方向の両方の2箇所の部位に傾斜部23aがそれぞれ設けられている。さらに、本実施形態においては、周壁挿入溝23の上下方向の下辺の一辺の中央位置に延長溝部23bが設けられている。このような差込接続部22の周壁挿入溝23の形状は、供給電圧及び電力供給元の電源回路の種類により異なる。周壁挿入溝23によって囲まれた部位には、上記前面22aと前後方向において面一となる前面24aを有する表面部24が設けられている。この表面部24は、周壁挿入溝23の形状に対応しており、前後方向の前方から見た平面視において上下方向に沿った2辺及び左右方向に沿った2辺を有する略四角形状に形成されている。また表面部24には、2つのピン挿入孔25が設けられている。これらピン挿入孔25は、前後方向の平面視において円形の貫通孔として設けられた電源ピン挿入孔である。
図2(b)に示すように、ピン挿入孔25は、表面部24の外周縁のうちの左右方向に沿った一辺であるとともにこの表面部24の上下方向の上方の辺を基準辺24bとして、この基準辺24bに沿って配列されており、各ピン挿入孔25は、表面部24の辺24cよりも基準辺24bに近づくように偏った位置に設けられている。即ち、ピン挿入孔25は、表面部24の中心位置C1(即ち、表面部24の四隅からの対角線(一点鎖線)の交点)に対して上下方向の上方にそれぞれ設けられている。そしてピン挿入孔25は、上記中心位置C1に対して左右方向の両側にそれぞれ配列されている。特に、ピン挿入孔25の上下方向における辺24c側の端部である下端部25aは、上記中心位置C1を含む左右方向に沿った直線L1(二点鎖線)よりも基準辺24b側、即ち直線L1よりも上下方向の上方にそれぞれ配置されている。
略四角形状の表面部24の左右方向の幅H1は、傾斜部23aや延長溝部23bが設けられていない箇所においては、上下方向において略同等に形成されている。したがって、2つのピン挿入孔25を中心位置C1よりも上下方向の上方に設けたとしても、ピン挿入孔25を互いに結ぶ距離D1が小さくなることを抑制することができるようになる。したがって、図22(a)に示す差込接続部200のピン挿入孔203間の距離DR1が小さくなる問題、及び図22(b)に示す差込接続部200が大型化する問題の発生が抑制されるようになる。
また、ピン挿入孔25が円形に設けられるため、平刃挿入孔303と比較して、上下方向の幅を狭くすることができる。したがって、図23に示す平刃挿入孔303が上下方向に長手の長方形に形成された差込接続部300と比較して、1個モジュール寸法に収まる表面部24において、ピン挿入孔25を表面部24の中心位置C1よりも上下方向の上方に位置することができるようになる。その結果、図23(a)に示す差込接続部300の逆差しされる問題、及び図23(b)に示す差込接続部300が大型化する問題の発生が抑制されるようになる。
図3(a)に示すように、コンセント本体部1Aは、日本工業規格(JIS C 8303参照)に準拠した大きさであって、大角形連用配線器具の取付枠2(JIS C 8375参照)に3個まで並べて取着可能なモジュール寸法の1個分の大きさ(以下、「1個モジュール」)に形成されている。
取付枠2は、中央に上下方向が長手となる略長方形状の開口部40を有する枠形状として構成されている。取付枠2の上下方向の上部及び下部には、それぞれスイッチボックス(不図示)に取り付けられる取付部41が設けられる。これら取付部41の左右方向の端部には、これら取付部41を上下方向に連結する一対の連結部42が設けられている。
取付部41には、スイッチボックスに固定する固定部材としてのねじ(不図示)を挿通する第1挿通孔43と、プレート3(図4参照)を固定する固定部材としてのねじ(不図示)を挿通する第2挿通孔44とがそれぞれ設けられている。
連結部42には、この連結部42の内縁から前後方向の後方に沿って延びる器具取付部45が設けられている。この器具取付部45には、この器具取付部45を左右方向に貫通する取付孔46が上下方向に離間して複数設けられている。
図3(b)に示すように、コンセント本体部1Aの組立枠30には、それぞれ上下方向に離間した2つの突起部31が設けられている。これら突起部31を取付枠2の取付孔46に係合することにより、コンセント本体部1Aが取付枠2に取り付けられるようになる。
図4に示すように、取付枠2の前後方向の前方には、プレート3が取り付けられている。このプレート3には、1個モジュール寸法の大きさに形成された開口穴3aが設けられている。そしてコンセント1の差込接続部22は、開口穴3aに収納されている。これにより、壁面より前後方向の前方からは、プレート3と差込接続部22のみが見えるようになる。
次に、図5〜図8を参照して、コンセント1の内部構成、及びコンセント1における刃受部材1Bと直流電力を供給する電線との電気的な接続構造について詳しく説明する。
図5に示すように、コンセント1は、コンセント本体部1Aに収納される部品として、プラグ1Cが差込接続部22に接続されることによりプラグピン52(図9参照)と接続される刃受部材1Bと、刃受部材1Bと電気的に接続される端子部材1Dと、弾性を有する錠ばね1Eと、錠ばね1Eを押圧可能な解除釦1Fとを備えている。コンセント1が備えるボディ10は、これらの部品を収納する内部空間を有している。即ち、ボディ10の内部空間には、刃受部材1B及び端子部材1D及び錠ばね1E及び解除釦1Fが設けられる。なお、このような構成部材をまとめることによって簡略化してもよく、例えば、刃受部材1Bと端子部材1Dとが単一の部材により構成されていてもよい。
本実施形態においては、ピン挿入孔25の個数に応じて、コンセント1は2つの刃受部材1Bを備えている。導電性を有する金属材料からなる各刃受部材1Bは、プラグピン52を保持可能な保持部60と、保持部60に連続して設けられるとともに保持部60から後方へ向けて延設された板状の端子接続部61とを有している。保持部60と端子接続部61とは、単一の材料により一体的に構成されている。本実施形態においては、1つの刃受部材1Bには、1つの端子部材1Dが接続されている。
図5及び図7等に示すように、導電性を有する金属材料からなる端子部材1Dは、刃受部材1Bの端子接続部61に接続される刃受接続部62と、錠ばね1Eを覆うように屈曲させて形成された錠ばね移動規制部63と、直流電力を供給する電線が接続される端子部64とを有している。刃受接続部62と錠ばね移動規制部63と端子部64とは、単一の材料により一体的に構成されているため、端子部64に直流電力を供給する電線L(図7(a)参照)が接続されることにより、刃受接続部62を介して、刃受部材1Bに直流電力が供給される構成となっている。本実施形態においては、1つの端子部材1Dには、2つの錠ばね1Eが設けられる構成となっている。
導電性を有する金属材料からなる錠ばね1Eは、左右方向において弾性を有する形状に形成されており、電線Lを弾性的に押圧する付勢片65を有している。本実施形態においては、付勢片65は、前後方向の後側において電線Lを付勢する第1の付勢片65aと、前後方向の前側において電線Lを付勢する第2の付勢片65bとにより構成されている。1つの端子部材1Dに設けられた一対の錠ばね1Eには、1つの解除釦1Fが設けられている。錠ばね1Eは、ボディ10の内部空間において、端子部材1Dの端子接続部61と対向して設けられている。
絶縁性の合成樹脂からなる解除釦1Fは、一対の錠ばね1Eに係合可能な鍔部66を有している。即ち、この鍔部66により、2つの錠ばね1Eの付勢片65bを押圧することが可能である。
以上のような構成部品を有するコンセント1のボディ10には、直流供給線路Wdc(図1参照)から延設された直流電力を供給する電線L(図7参照)が、前後方向の後方から差し込まれる。即ち、図6に示すように、コンセント本体部1Aのボディ10には、錠ばね1Eの個数に応じて、電線Lが挿入される電線挿入孔11が形成されている。
刃受部材1Bを直流供給線路Wdcに電気的に接続する際には、ボディ10の外部から電線挿入孔11を通じて電線Lが挿入される。電線Lが電線挿入孔11に挿入される前のコンセント1の状態を、図7(a)に断面模式図として示す。図7(a)はボディ10のみを断面で示しており、この断面の位置は、図6の一点鎖線S1で示す位置である。また、電線Lが電線挿入孔11に挿入された後のコンセント1の状態を、図7(b)に断面模式図として示す。図7(b)もボディ10のみを断面で示しており、図6の一点鎖線S1で示す位置である。
図7(a)及び(b)に示すように、電線挿入孔11から挿入された電線は、端子部材1Dの端子部64と錠ばね1Eの付勢片65との間に差し込まれる。このとき、付勢片65は端子部64から離間するように弾性変形し、その復元力によって電線Lが保持される。即ち、電線Lが端子部材1Dと錠ばね1Eとにより挟持される。本実施形態においては第1の付勢片65aと第2の付勢片65bとにより、電線Lが2箇所において挟持されているため、1箇所で挟持される場合に比し、確実に電線Lが保持されている。このようにして、電線挿入孔11から挿入されるとともに直流電力を供給する電線Lが、錠ばね1Eによって端子部材1Dに押さえつけられて、直流供給線路Wdcの電線Lが錠ばね1E及び端子部材1Dを介して刃受部材1Bに接続される。
また、本実施形態においては、前後方向の後方からボディ10に図示しない工具を差し込んで所定の作業を行うことにより、ボディ10に差し込まれた電線Lを引き抜くことができるように構成されている。即ち、図6に示すように、コンセント本体部1Aのボディ10には、解除釦1Fの個数に応じて、マイナスドライバー等の工具を挿入することが可能な工具挿入孔12が形成されている。
端子部材1Dと錠ばね1Eとにより挟持された電線Lをボディ10から引き抜く際には、工具挿入孔12から図示しない工具が挿入されて、挿入された工具により解除釦1Fが操作される。電線Lが電線挿入孔11に挿入された後の状態であって、工具により解除釦1Fが操作される前の状態を、図8(a)に断面模式図として示す。図8(a)はボディ10のみを断面で示しており、この断面の位置は、図6の一点鎖線S2で示す位置である。また、工具により解除釦1Fが操作された状態を、図8(b)に断面模式図として示す。図8(b)もボディ10のみを断面で示しており、図6の一点鎖線S2で示す位置である。
図8(a)に示すように、解除釦1Fが操作されない場合には、第1の付勢片65aと第2の付勢片65bとにより、電線Lが2箇所において挟持されているが、図8(b)に示すように、解除釦1Fを操作して動作させることにより、解除釦1Fの鍔部66が第1の付勢片65aを押圧する。即ち、解除釦1Fが、第1の付勢片65aが電線Lから離間するように錠ばね1Eを押圧して、第1の付勢片65aと端子部材1Dとによる電線Lの挟持を解除する。このようにして、2箇所において挟持された電線Lにおいて、1箇所における挟持を解除することにより、電線Lをボディ10から容易に引き抜くことができる。
次に、図9〜図11を参照して、プラグ1Cの構成、及びコンセント1との挿入構造について説明する。
図9(a)に示すように、プラグ1Cは、ケーブル部50と、このケーブル部50と接続するプラグ本体部51とにより構成されている。このプラグ本体部51において、コンセント1の表面部24(図10参照)と前後方向に対向する対向面51aには、この対向面51aから前後方向の後方に延びる2つのプラグピン52と、これらプラグピン52を外側から覆う略四角形状の周壁53が設けられている。プラグピン52は、周壁53の同端部よりも若干前後方向の前方まで延びるように設けられており、周壁53は、周壁挿入溝23に対応した形状に構成されている。
図9(b)に示すように、プラグピン52は、周壁53の中心位置C2(即ち、周壁53の四隅からの対角線(一点鎖線)の交点)に対して上下方向の上方にそれぞれ設けられている。そしてプラグピン52は、上記中心位置C2に対して左右方向の両側にそれぞれ配列されている。特に、プラグピン52の上下方向の下端部52aは、上記中心位置C2を含む左右方向に沿った直線L2(二点鎖線)よりも上下方向の上方にそれぞれ配置されている。
図10に示すように、コンセント1にプラグ1Cが挿入されるときには、差込接続部22の周壁挿入溝23にプラグ本体部51の周壁53が挿入される。そして、ピン挿入孔25にプラグピン52が挿入される。
ところで、図21に示すように、従来のIEC規格に準拠した差込接続部110では、周壁挿入溝111及び周壁102が前後方向の平面視において円形に形成されるため、プラグ100の周壁102が周方向の360度に亘り、周壁挿入溝111に挿入されてしまう。
その点において、本実施形態では、周壁挿入溝23及び周壁53の両方が前後方向の前方から見た平面視において略四角形状(略長方形状)であるため、周壁53が周壁挿入溝23に対して挿入される方向は、2方向に限定されるようになる。したがって、コンセント1に対してプラグ1Cの挿入方向が限定されることにより、作業者がコンセント1にプラグ1Cを挿入する方向を容易に決定することができる。その結果、逆差しを抑制しつつ、作業者がコンセント1にプラグ1Cを容易に挿入することができる。
図11(a)に示すように、刃受部材1Bは、各ピン挿入孔25にそれぞれ配置されており、図11(b)に示すように、コンセント1にプラグ1Cが挿入された状態において、プラグ1Cのプラグピン52は、コンセント1の刃受部材1Bによって挟まれた状態にて保持されるようになる。このとき保持部60は弾性変形し、その弾性力によってプラグピン52を保持している。これにより、コンセント1とプラグ1Cとが電気的に導通するようになる。
図12に示すように、コンセント1に対してプラグ1Cを逆差ししようとする場合には、プラグ1Cのプラグピン52が表面部24の中心位置C1よりも上下方向の下方に位置するようになる。したがって、表面部24の前面24aにプラグピン52が当接することとなり、コンセント1に対してプラグ1Cが挿入できないようになっている。
また、この状態において、ピン挿入孔25とプラグピン52とが上下方向において互いに離間するようになるため、プラグピン52がピン挿入孔25に挿入されることを確実に抑制するようになる。
次に、図13を参照して、供給電圧に応じた差込接続部22の形状について説明する。即ち、上述の差込接続部22の形状を次のように変更してもよい。
直流電力供給部71の電力供給を受けて動作する電気機器72としては、供給電圧が6V、12V、24V、48Vの複数種類のものが存在している。そこで、プラグ1Cの挿入方向(前後方向)から見た平面視において、差込接続部22の略四角形状の部分である周壁挿入溝23及び表面部24の四隅のうちの少なくとも1箇所の形状を変更することにより、差込接続部22が供給電圧に応じて識別可能となっている。具体的には、供給電圧が24Vの場合を基準として、6V、12V、48Vの周壁挿入溝23の四隅には傾斜部23aが設けられている。そして表面部24の四隅のうちの傾斜部23aと対応する箇所も傾斜部23aに沿って傾斜した形状に形成されている。
詳細には、図13(a)に示すように、供給電圧が6Vの場合には、周壁挿入溝23の四隅のうちの上下方向の下方且つ左右方向の右方の部位に傾斜部23aが設けられている。図13(b)に示すように、供給電圧が12Vの場合には、周壁挿入溝23の四隅のうちの上下方向の下方且つ左右方向の左方の部位に傾斜部23aが設けられている。図13(c)に示すように、供給電圧が48Vの場合には、周壁挿入溝23の四隅のうちの上下方向の下方且つ左右方向の両方の2箇所の部位に傾斜部23aがそれぞれ設けられている。なお、図13(d)に示すように、供給電圧が24Vの場合には、周壁挿入溝23の四隅には、傾斜部が形成されていない。
また、プラグ1Cの周壁53の形状も上述の周壁挿入溝23の形状に応じて傾斜部が形成されている。これにより、プラグ1Cが供給電圧に応じて識別可能となっている。以上により、プラグ1Cの周壁53の形状と差込接続部22の周壁挿入溝23の形状とが適合しない限り、プラグ1Cはコンセント1に挿入することができなくなる。これにより、供給電圧が互いに異なるコンセント1及びプラグ1Cを接続することが抑制されるようになる。
ところで、図19に示すように、供給電圧に応じた差込接続部として、IEC規格に準拠した差込接続部400では、供給電圧に応じて4つの切欠溝404〜407が設けられている。具体的には、差込接続部400には、前後方向の平面視において円環形状の周壁挿入溝401が設けられている。この周壁挿入溝401に囲まれた表面部402には、プラグのプラグピン(不図示)が挿入されるピン挿入孔403が設けられている。この表面部402の外周縁における上下方向の下方には、周壁挿入溝401と一体となるとともに周壁挿入溝401から内側に凹む態様にて上述の切欠溝404〜407が設けられている。また表面部402の外周縁における上下方向の上方には、プラグの逆差しを抑制するための切欠溝408が設けられている。
ここで、切欠溝404〜407は、それぞれ供給電圧が6V、12V、24V、48Vに対応し、切欠溝408を基準位置(0°)として右回りに120°、150°、210°、240°の位置にそれぞれ設けられるようになる。また、プラグには、切欠溝404〜407にそれぞれ対応した識別リブが設けられている。この識別リブが切欠溝404〜407にそれぞれ挿入されることにより、供給電圧に適合したプラグが差込接続部400に挿入されるようになる。
しかしながら、このような切欠溝404及び切欠溝407を設けた場合、切欠溝404及び切欠溝407とピン挿入孔403との位置が互いに近接して配置されるようになる。これにより、表面部402の強度が低下してしまう問題があった。その上、プラグの識別リブが周壁の内側に設けられるため、作業者がプラグの前後方向の前方において外部から識別リブの位置を視認することが困難であった。そのため、作業者はプラグを前後方向の後方から識別リブの位置を確認し、差込接続部400の切欠溝404〜407のうちの適合位置にプラグの位置を合わせた後に、差込接続部400にプラグを挿入しなければならなかった。そのため、差込接続部400にプラグを挿入する作業が複雑化してしまっていた。
その点において、本実施形態に係るコンセント1においては、傾斜部23aが周壁挿入溝23の四隅のうちの上下方向の下方に設けられるため、上述の差込接続部400の構成と比較して、傾斜部23aとピン挿入孔25との距離が大きくなる。したがって、上述の差込接続部400の構成と比較して、表面部24の強度の低下を抑制することができるようになる。
その上、プラグ1Cの周壁53の形状自体が供給電圧に応じて変更しているため、作業者がプラグ1Cの前後方向の前方において外部からプラグ1Cと差込接続部22との合致する位置を目視にて確認することができる。したがって、作業者が差込接続部22にプラグ1Cを容易に挿入することができる。
次に、図14を参照して、電力供給元である電源回路(不図示)の種類の違いに応じた差込接続部22の形状について説明する。この電源回路は、直流電力供給部71とコンセント1との間に設けられ、例えば分電盤74内に設けられている。
このような電源回路は、少なくとも超低電圧回路(ELV:Extra−Low Voltage)と安全超低電圧回路(SELV:Safty Extra−Low Voltage)との2種類がある。これらELV及びSELVについては、IEC規格におけるIEC60950−1及びIEC60335−1にそれぞれ規定されている。
電気機器72(図1参照)は、これらELV及びSELVに応じて内部の絶縁構造が異なっている。即ち、ELVに応じた電気機器72では、絶縁構造が二重絶縁構造や強化絶縁構造を採用することにより、この絶縁構造が厳重なものとなっている。一方、SELVに応じた電気機器72では、絶縁構造が二重絶縁構造や強化絶縁構造を採用されない場合があり、ELVに応じた電気機器72より絶縁構造が簡略化されている。
ところで、SELV用のコンセント1にELVに応じた電気機器72を接続した場合には、この電気機器72の絶縁構造が厳重であるため問題が発生することはない。一方で、ELV用のコンセント1にSELVに応じた電気機器72を接続した場合には、この電気機器72の絶縁構造が簡略化されているため、危険電圧が供給されたときに電気機器72が故障してしまう場合がある。そのため、コンセント1及びプラグ1Cには、ELV用及びSELV用と識別する必要がある。特に、ELV用のコンセント1にSELV用に応じた電気機器72を誤って接続してしまうことを抑制する必要がある。
そこで、図14(a)に示すように、SELV用の差込接続部22には、上述のごとく、周壁挿入溝23の上下方向の下方の一辺且つ且つ左右方向の左方の部位に延長溝部23bが設けられている。この延長溝部23bは、周壁挿入溝23と一体に設けられるとともに、上記一辺から上下方向の上方に延びるように設けられている。一方、図14(b)に示すように、ELV用の差込接続部22は上記延長溝部23bを省略した構造となっており、上述の差込接続部22の形状をこのように変更することもできる。以上により、SELV用の差込接続部22とELV用の差込接続部22とが識別可能となっている。
またこれにより、ELV用のプラグ1Cは、SELV用の差込接続部22に挿入可能であるが、SELV用のプラグ1Cは、ELV用の差込接続部22に挿入することができなくなる。これにより、ELV用のコンセント1にSELV用に応じた電気機器72を誤って接続してしまうことを抑制することができるようになる。
また、上記電源回路の種類に応じた差込接続部として、図20(a)に示すように、延長溝部23bが周壁挿入溝23とは別に設けられる構成(第1構成)が考えられる。また、図20(b)に示すように、延長溝部23bが周壁挿入溝23より外部、即ち表面部24より外部に設けられる構成(第2構成)が考えられる。
しかしながら、第1構成では、延長溝部23bとピン挿入孔25との距離が近接してしまうことにより、表面部24の強度が低下してしまう問題がある。一方、第2構成では、上述の表面部24の強度低下の問題は解決するが、延長溝部23bが設けられる分だけ差込接続部22が大型化してしまう問題がある。
その点において、本実施形態では、周壁挿入溝23の上下方向の下方において、延長溝部23bが周壁挿入溝23と一体に設けられるため、ピン挿入孔25と延長溝部23bとの距離を第1構成と比較して大きくすることができるようになる。また、延長溝部23bが周壁挿入溝23よりも上下方向の上方に延びるため、即ち表面部24に延長溝部23bが設けられるため、差込接続部22の大型化を抑制することができるようになる。以上により、本実施形態によれば、上述の第1構成の問題及び第2構成の問題の両方を解決することができるようになる。
次に、図15を参照して、コンセント1の配置のバリエーションについて説明する。
本実施形態のコンセント1では、1個モジュール寸法にて設定されるため、取付枠2に対して、同様のコンセント1や1個モジュール寸法または2個モジュール寸法の上記日本工業規格にて規定された他の配線器具がともに取り付けられるようになる。即ち、共通の取付枠2にコンセント1と上記配線器具とが取り付けられるようになる。なお、図15に示すプレート3には、それぞれ3個モジュール寸法の開口穴3aがそれぞれ設けられている。
具体的には、図15(a)に示すように、同一のコンセント1を取付枠2(図3参照)に複数設けることもできる。また、図15(b)に示すように、供給電圧に応じたコンセント1、及び電源供給元の電源回路の種類に応じたコンセント1を取付枠2に並設することもできる。また、図15(c)に示すように、コンセント1を、同軸ケーブル用のコンセント5及び電話線用のモジュラコンセント6と並設することもできる。また、図15(d)に示すように、コンセント1を、LAN用のモジュラコンセント7と電話線用のモジュラコンセント6と並設することもできる。また、図15(e)に示すように、コンセント1を交流コンセント4と並設することもできる。また、図15(f)に示すように、コンセント1を、スイッチ8と並設することもできる。また、図15(g)に示すように、2連用の取付枠2にコンセント1と3個モジュール寸法の交流コンセント4aとを設けることもできる。なお、コンセント1の配置のバリエーションは、上記の例示(図15(a)〜図15(g))に限定されることなく、これらを組み合わせて実施する場合にも適用することもできる。
本実施形態のコンセント1によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)差込接続部22の周壁挿入溝23が略四角形状である構成である。したがって、図21に示す周壁挿入溝111が円環形状である場合と比較して、プラグ1Cの周壁53が挿入する方向が限定されるようになる。これにより、作業者がプラグ1Cを差込接続部22に挿入する向きを容易に理解することができるため、使い勝手がよくなる。その結果、作業者がコンセント1にプラグ1Cを、容易に逆差しを抑制しつつ挿入することができるようになる。
そして、ピン挿入孔25が表面部24の外周縁のうちの上下方向の一辺の中心位置C1よりも上下方向の上方に設けられる構成である。したがって、周壁挿入溝23や周壁53に別途逆差しのための構造を形成することなく、コンセント1にプラグ1Cの逆差しを抑制することができるようになる。したがって、コンセントに別途逆差しのための構造を形成した場合と比較して、コンセント1の大型化を抑制することができるようになる。
(2)ボディ10には外部から直流電力を供給する電線Lが挿入される電線挿入孔11が設けられ、ボディ10の内部空間には電線挿入孔11から挿入された電線Lを端子部材1Dに押さえつける錠ばね1Eが設けられている。このため、錠ばね1Eの弾性を利用して端子部材1Dと錠ばね1Eとにより電線Lを挟持して、直流電力を供給する電線Lと端子部材1Dとの接続を容易に行うことができる。
(3)ピン挿入孔25の下端部25aが中心位置C1よりも上下方向の上方に位置する構成である。したがって、コンセント1にプラグ1Cを逆差しした場合にも、プラグピン52がピン挿入孔25に挿入されることを抑制することができるようになる。その結果、より確実に上述の逆差しを抑制することができるようになる。
(4)周壁挿入溝23に傾斜部23aが設けられる構成である。したがって、周壁挿入溝23の形状に応じて周壁53の形状も傾斜部が設けられるようになる。これにより、供給電圧に応じて周壁53の形状及び周壁挿入溝23の形状が異なるため、供給電圧が互いに異なるコンセント1とプラグ1Cとの差し間違いを抑制することができるようになる。
また、作業者が前後方向の前方から周壁53の形状を視認することによりコンセント1に対するプラグ1Cの挿入方向が分かるため、作業者がコンセント1にプラグ1Cを容易に差し込むことができる。
(5)周壁挿入溝23の上下方向の下方(即ち表面部24の辺24c側)に傾斜部23aが設けられる構成である。したがって、周壁挿入溝23の上下方向の上方(即ち表面部24の基準辺24b側)に傾斜部が設けられる構成と比較して、傾斜部23aとピン挿入孔25との距離を大きくとることができるため、表面部24の強度を向上させることができるようになる。その結果、プラグ1Cの挿抜に伴う表面部24の破損を抑制することができるようになる。
(6)表面部24は、周壁挿入溝23の傾斜部23aに対応した箇所にこの傾斜部23aに沿って傾斜した形状が形成される構成である。したがって、周壁挿入溝23の幅が狭く形成されることを抑制することができるようになる。
ここで、表面部における周壁挿入溝23の傾斜部23aに対応した箇所に傾斜した形状がない場合には、周壁挿入溝23の外周縁の形状のみが傾斜形状となるため、表面部の外周縁と周壁挿入溝23の外周縁との幅が周壁挿入溝23の傾斜部23a以外の部位と比較して狭くなってしまう。その点において、本実施形態では、表面部24の上記の傾斜形状は傾斜部23aに対応して設けられるため、上述の周壁挿入溝23の幅が狭くなる問題を解決することができるようになる。
(7)周壁挿入溝23の傾斜部23aは、表面部24の傾斜形状に沿って傾斜した形状として設けられる構成である。したがって、周壁挿入溝23及び表面部24の四隅を斜めに切り取るのみといった単純な形状であるため、供給電圧が互いに異なるコンセント1とプラグ1Cとの差し間違いを抑制する構造を簡単な構成にて達成することができるようになる。したがって、コンセント1を容易に製造することができるようになる。
(8)延長溝部23bが周壁挿入溝23から延長して設けられる構成である。したがって、延長溝部23bと周壁挿入溝23とを別個として設けた場合と比較して、差込接続部22の大型化や表面部24の強度低下を抑制することができるようになる。
(9)延長溝部23bが周壁挿入溝23の上下方向の下方の一辺に設けられる構成である。したがって、ピン挿入孔25と周壁挿入溝23との間に延長溝部を設ける構造と比較して、表面部24の強度を向上させることができるようになる。その結果、プラグ1Cの挿抜に伴う表面部24の破損を抑制することができるようになる。
(10)差込接続部22の前面22aと表面部24の前面24aとが前後方向において面一となる構成である。また、プラグ1Cのプラグピン52は周壁53よりも若干前後方向の前方まで延びる構成である。これらの構成によれば、差込接続部22にプラグ1Cを逆差ししたときに、周壁53が周壁挿入溝23に大きく挿入される前に表面部24にプラグピン52が当接するようになる。したがって、作業者が差込接続部22にプラグ1Cを逆差ししたことをより明確に認識することができるとともに、差込接続部22にプラグ1Cを逆差ししたときに、プラグ1Cが差込接続部22に取り付けられた状態が維持できないようになっている。これにより、プラグ1Cが差込接続部22に逆差しされた状態が維持されることを抑制することができるようになる。
(11)コンセント本体部1Aが、日本工業規格に準拠した大きさであって、大角形連用配線器具の取付枠に3個まで取着可能なモジュール寸法の1個分の大きさに形成されるため、同様に規格化された他の配線器具の取付枠2にコンセント本体部1Aを取り付けることができるようになる。したがって、コンセント本体部1A専用の取付枠を別途作製する必要がなくなり、取付枠の共通化を図ることができる。これにより、1個モジュール寸法または2個モジュール寸法の大きさに形成された他の配線器具とともに取付枠2に取り付けることが可能となるため、コンセント1の使い勝手が良くなる。
(その他の実施形態)
本実施形態のコンセント1は、上記実施形態に限定されることなく、例えば以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものでなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施する場合にも適用することもできる。
・上記実施形態においては、延長溝部23bは、表面部24側に設けられる構成であったが、延長溝部23bが形成される位置はこれに限定されることはない。例えば、図16(a)に示すように、延長溝部23bが周壁挿入溝23の上下方向の下方の一辺から下方に向かい延びるように設けることもできる。また、図16(b)に示すように、延長溝部23bが周壁挿入溝23の上下方向の上方の一辺から上方に向かい延びるように設けることもできる。また、図16(c)に示すように、延長溝部23bが周壁挿入溝23の左右方向の左方の一辺から左方に向かい延びるように設けることもできる。また、図16(d)に示すように、延長溝部23bが周壁挿入溝23の左右方向の右方の一辺から右方に向かい延びるように設けることもできる。
・上記実施形態においては、傾斜部23aが周壁挿入溝23の上下方向の下方の一辺の隅に設けられることにより、コンセント1の供給電圧を識別する構成であったが、このコンセント1の供給電圧を識別する構成はこれに限定されることはない。周壁挿入溝23の形状が変化して、適合する供給電圧のみのプラグ1Cの周壁53が挿入可能な形状であればよい。したがって、例えば、図17(a)に示すように、周壁挿入溝23の四隅のうちのいずれかを切り取り、段形状の凹部23cを設けることもできる。また、図17(b)に示すように、周壁挿入溝23の一部を切り取った上で外側に突出させる突部23dを設けることもできる。なお、プラグ1Cの周壁53は、前後方向の後方から見た平面視において周壁挿入溝23と同様の形状に形成される。また、周壁挿入溝23の四隅のうちいずれかを切り取って凹部23cを設ける代わりに、図17(c)及び(d)に示すように、延長溝部23bを周壁挿入溝23の上下方向の下方の一辺の左右方向の右方の端部もしくは左方の端部に設けることもできる。
・上記実施形態においては、傾斜部23a及び延長溝部23bが周壁挿入溝23の上下方向の下方の一辺に設けられる構成であったが、延長溝部23bの位置はこれに限定されることはない。例えば、傾斜部23a及び延長溝部23bが周壁挿入溝23の上下方向の上方の一辺に設けられてもよい。
・上記実施形態においては、ピン挿入孔25の下端部25aが表面部24の中心位置C1よりも上下方向の上方に配置されていたが、同下端部25aの位置はこれに限定されることはない。コンセント1にプラグ1Cを逆差ししたときに、プラグピン52がピン挿入孔25に挿入されなければよい。したがって、下端部25aは同中心位置C1と略同位置とすることもできる。
・上記実施形態においては、周壁挿入溝23の左右方向が長手であり、上下方向が短手の長方形状に形成されたが、周壁挿入溝23の形状はこれに限定されることはない。周壁挿入溝23は、左右方向及び上下方向の長さが同一の正方形状として設けることもできる。
・上記実施形態においては、表面部24には、2つのピン挿入孔25が設けられていたが、図18に示すように、表面部24に、さらに、他のピン挿入孔として1つの接地ピン挿入孔26が設けられていてもよい。接地ピン挿入孔26は、ピン挿入孔25と同様に、プラグの挿入方向から見た平面視において円形状に形成されており、接地ピン挿入孔26には、接地される接地プラグピン(不図示)が挿入される。接地ピン挿入孔26はピン挿入孔25よりも上下方向の下方であって、中心位置C1に対して上下方向の下方に設けることができる。また接地ピン挿入孔26を、2つのピン挿入孔25の左右方向の中央位置に設けて、中心位置C1と左右方向に同位置に設けることができる。図18においては、接地ピン挿入孔26の上下方向における基準辺24b側の端部である上端部26aは、上記直線L1よりも辺24c側、即ち直線L1よりも上下方向の下方に配置されている。このような接地ピン挿入孔26を有するコンセント1は、図23(a)に示す表面部302に、接地ピン挿入孔26と同じ面積であって上下方向が長手となる長方形に形成された接地平刃挿入孔(不図示)を形成する場合に比し、挿入孔間の最短距離を確保することができる。即ち、本発明に係るコンセント1はピン挿入孔25と接地ピン挿入孔26との距離が確保しやすく、プラグピン52と接地プラグピンとが設けられたプラグ(不図示)において、プラグピン52と接地プラグピンとの距離を大きくすることができるようになる。
・上記実施形態においては、コンセント1が1個モジュール寸法として形成されたが、コンセント1の寸法はこれに限定されることはない。例えば、コンセント1は、1.5個モジュール寸法、2個モジュール寸法、または3個モジュール寸法として形成することもできる。