JP5317336B2 - 質量分析装置を用いたタンパク質定量のための評価用ペプチド、人工標準タンパク質、及びタンパク質の定量方法 - Google Patents
質量分析装置を用いたタンパク質定量のための評価用ペプチド、人工標準タンパク質、及びタンパク質の定量方法 Download PDFInfo
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Description
本発明のタンパク質の定量方法においては、本発明の人工標準タンパク質を前処理前のタンパク質試料に一定量添加し、その後、前処理を行い質量分析にて評価用ペプチドを定量し、その定量値から前処理効率を評価することができる。
また、2種類以上の評価ペプチドをそれぞれ2つ以上人工標準タンパク質に組み込むことで、タンパク質が完全にタンパク質消化酵素によって消化されたことを評価でき、加えて、タンパク質あたりの感度を増加させるとの知見を得た。さらに、人工標準タンパク質にシステインを2つ以上入れることによって、消化効率に大きく影響するS−S結合を解離させる修飾を評価可能であるとの知見を得た。本発明はこれら知見に基づき完成されるに至ったものである。
[1]アミノ酸残基数が5〜15のペプチドであって、天然に存在するタンパク質及びその変異体と一致せず、質量分析によって検出が可能であるアミノ酸配列からなり、プロリンを含み、かつ、ヒスチジンを含まないアミノ酸配列からなり、かつC末端にタンパク質消化酵素によって認識されるアミノ酸を有し、C末端以外には当該タンパク質消化酵素によって認識されるアミノ酸を有さないペプチドを選択し、当該ペプチドを、質量分析装置を用いたタンパク質定量のための評価用ペプチドとして使用する方法や、
[2]天然に存在するタンパク質及びその変異体と一致しないアミノ酸配列が、既知のタンパク質と一致しないアミノ酸配列であることを特徴とする、前記[1]に記載の方法に関する。
[3]アミノ酸残基数が5〜15のペプチドであって、プロリンを含み、かつ、ヒスチジンを含まないアミノ酸配列からなり、C末端にタンパク質消化酵素によって認識されるアミノ酸を有し、C末端以外には当該タンパク質消化酵素によって認識されるアミノ酸を有さず、天然に存在するタンパク質及びその変異体と一致しないアミノ酸配列からなる、質量分析装置を用いたタンパク質定量のための評価用ペプチドや、
[4]安定同位体標識可能なアミノ酸を有することを特徴とする、前記[3]に記載の評価用ペプチドや、
[5]アミノ酸残基数が8、10又は12であって、プロリンを含み、かつ、ヒスチジンを含まないことを特徴とする、前記[3]又は[4]に記載の評価用ペプチドや、
[6]1又は2のプロリンを含むことを特徴とする、前記[3]〜[5]のいずれかに記載の評価用ペプチドや、
[7]下記(1)〜(4)に示すアミノ酸配列のいずれかによって構成されることを特徴とする、質量分析装置を用いたタンパク質定量のための評価用ペプチドに関する。
(1)VGAPGVPALK(配列番号1)
(2)QIGDPTVPSGVK(配列番号2)
(3)DAPGSGLK(配列番号3)
(4)NVAPAGPTLK(配列番号4)
[8]前記[3]〜[7]のいずれかに記載の評価用ペプチドを、質量分析装置を用いたタンパク質定量のために使用する方法に関する。
[9]前記[3]〜[7]のいずれかに記載の評価用ペプチドのアミノ酸配列を2種類以上、かつ、1種類の配列について2箇所含むことを特徴とする、質量分析装置を用いたタンパク質定量のための人工標準タンパク質や、
[10]1分子中にシステインを2以上有することを特徴とする、前記[9]に記載の人工標準タンパク質に関する。
[11]前記[9]又は[10]に記載の人工標準タンパク質を、質量分析装置を用いたタンパク質定量のための人工標準タンパク質として使用する方法や、
[12]前記[9]又は[10]に記載の人工標準タンパク質を、質量分析装置を用いたタンパク質定量のための人工標準タンパク質として使用する、タンパク質の定量方法に関する。
[13]以下の(a)〜(c)の工程を順次備えたことを特徴とする、タンパク質の定量方法、
(a)定量対象タンパク質を含む試料中に、前記[9]又は[10]に記載の人工標準タンパク質を添加し、さらにタンパク質消化酵素を添加して、定量対象タンパク質及び前記人工標準タンパク質を消化する工程。
(b)(a)工程により得られた試料中に、定量対象タンパク質及び前記人工標準タンパク質の消化物であるペプチドと同一配列であって、安定同位体標識されたペプチドを添加し、液体クロマトグラフ−タンデム質量分析(LC−MS/MS)測定を行う工程。
(c)(a)工程において添加した人工標準タンパク質の質量と、(b)工程の測定により得られた、人工標準タンパク質の消化物であるペプチドの質量との比率を算出することで、タンパク質消化酵素による処理効率を評価する工程。
[14]以下の(A)〜(C)を含むことを特徴とする、質量分析装置を用いたタンパク質定量用標準物質キットに関する。
(A)前記[9]又は[10]に記載の人工標準タンパク質
(B)タンパク質消化酵素
(C)前記人工標準タンパク質の前記タンパク質消化酵素による消化物であるペプチドと同一の配列であって、安定同位体標識されたペプチド
本発明としては、天然に存在するタンパク質及びその変異体と一致せず、質量分析によって検出が可能であるアミノ酸配列からなり、かつタンパク質消化酵素によって認識されるアミノ酸を含むペプチドを選択し、当該ペプチドを、質量分析装置を用いたタンパク質定量のための評価用ペプチドとして使用する方法であれば特に制限されず、上記天然に存在するタンパク質及びその変異体と一致しないアミノ酸配列としては、未知又は既知のタンパク質と一致しないアミノ酸配列を挙げることができるが、既知のタンパク質と一致しないアミノ酸配列であることがより好ましい。また、既知のタンパク質と一致しないアミノ酸配列として、好適にSwiss-Prot等のデータベースに対して相同性検索によって、同一のアミノ酸配列が存在しないことが確認されたアミノ酸配列を例示することができる。
上記天然に存在するタンパク質には、相同タンパク質(ホモログ)やSNPs由来の変異箇所を有するタンパク質が含まれ、天然に存在するタンパク質の変異体としては、例えば、天然型タンパク質のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質を挙げることができ、より具体的には1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質を挙げることができる。
アミノ酸残基数が8、10又は12であって、プロリン及び/又はグリシンを含み、かつ、ヒスチジンを含まないペプチドは、質量分析において強いシグナルを与えるため、より少量の添加でその存在を検出することができ、評価用ペプチドとして好適である。
具体的には例えば、
トリプシン分解酵素により得られるペプチドであること;
トリプトファン、チロシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンからなる疎水性アミノ酸の含量及び配列条件として、疎水性アミノ酸の含量が80%以下、好ましくは50%以下であり、かつ前記疎水性アミノ酸が10アミノ酸以上連続しないペプチドであること;
特定アミノ酸配列条件として、アスパラギン−X−Y(配列中、Xはプロリン以外のアミノ酸を表し、Yはセリン、スレオニン又はシステインを表す。)の配列を含まないペプチドであること;
タンパク質分解酵素切断部が、アルギニン−アルギニン、アルギニン−リジン、リジン−アルギニン、リジン−リジンではないペプチドであること;
メチオニン、システインを含まないペプチドであること;
トリプトファン、グルタミン酸を含まないペプチドであること;
等のクライテリアの1又は2以上を用いることができる。また、これらのクライテリアの各々にスコアを設定し、スコア合計の高いペプチドを設計することもできる。
前記の評価用ペプチドを用いて人工標準タンパク質を設計することができ、本発明はまた、前記の評価用ペプチドのアミノ酸配列を2種類以上、かつ、1種類のアミノ酸配列について2箇所以上含むことを特徴とする人工標準タンパク質に関する。なお、本明細書においては、人工標準タンパク質に組み込んだ各評価用ペプチドの数を「組み込み数」という。
また、人工標準タンパク質は1分子中に2種類以上、かつ、1種類の配列について2箇所以上の評価ペプチドを有するため、タンパク質が完全にタンパク質消化酵素によって消化されたことを評価でき、加えて、タンパク質あたりの感度が高い。このため、質量分析装置を用いたタンパク質定量のための人工標準タンパク質として好適に使用できる。
また、人工標準タンパク質は、評価用ペプチドの部位以外の配列、例えば、輸送シグナル配列や精製のためのタグ配列等を有していてもよく、精製のためのタグ配列を含んでいることが好ましい。
本発明の人工標準タンパク質を用いた前処理評価及び被定量タンパク質の定量には、予め、評価用ペプチドの絶対量の定量のため、評価用ペプチドと同一の配列である安定同位体標識ペプチドを合成しておく。内部標準として加えられる安定同位体標識ペプチドは、15N,13C,18O,2Hのうち少なくとも一つの安定同位元素により標識される。LC−MS/MS測定の際、非標識の評価用ペプチドと内部標準である安定同位体標識された評価用ペプチドとは、質量差によって分離されるため、LC−MS/MSで分離可能な質量差が必要である。好ましくは13Cで6箇所標識されたロイシン(L)を含むペプチドを用いる。安定同位体標識ペプチドは、少なくとも一つのアミノ酸が安定同位元素で標識されていることが必要であり、当該ペプチドは、当業者に公知の任意の方法で調製することができる。例えば、安定同位元素により標識されたアミノ酸を用いてF−moc法(Amblard M, Fehrentz JA, Martinez J, Subra G. Methods Mol Biol.298:3-24(2005))等の適当な手段で目的の安定同位体標識ペプチドを化学合成することができる。このようにして得られた安定同位体標識ペプチドと定量対象ペプチドとは、標識アミノ酸の質量が異なる点以外では化学的に同一であり、LC−MS/MS測定において同一の挙動を示し、分析物と標準物の損失の程度は等しくなる。
また同時に、定量対象タンパク質の定量のために、定量対象タンパク質のタンパク質消化酵素による消化物と同一配列の、安定同位体標識ペプチドも添加する。
この試料を液体クロマトグラフ−タンデム質量分析(LC−MS/MS)によって測定し、定量対象タンパク質の定量と同時に、各評価ペプチドの絶対量を公知の内部標準法(例えば、国際公開公報WO07/055116号に記載の方法)によって計測する(工程(b))。
評価値は、次式;
評価値=B/(A×組み込み数)
によって得られる。
評価値が一定値とは、例えば、人工標準タンパク質に含まれる複数種の評価ペプチドの評価値の間にばらつきが少なく、もしくは無く、具体的には、平均値からのばらつきが0.10以内である場合が挙げられる。
評価値が0.80以上とは、例えば、人工標準タンパク質に含まれる複数種の評価用ペプチドの評価値の平均値が0.80以上である場合が挙げられる。
(A)人工標準タンパク質
(B)タンパク質消化酵素
(C)前記人工標準タンパク質の前記タンパク質消化酵素による消化物であるペプチドと同一の配列であって、安定同位体標識されたペプチド
キットに含まれる人工標準タンパク質、タンパク質消化酵素、及び、人工標準タンパク質の前記タンパク質消化酵素による消化物であるペプチドと同一の配列であって、安定同位体標識されたペプチドは、前記に詳述したものと同様であり、本発明のキットには上記(A)〜(C)以外にも必要と目的に応じて、緩衝液、pH調整剤、反応容器等が含まれていてもよい。
評価用ペプチドとして、VGAPGVPALK(配列番号1)、QIGDPTVPSGVK(配列番号2)、DAPGSGLK(配列番号3)、NVAPAGPTLK(配列番号4)を選択し、これら4種類のペプチドをそれぞれ2箇所ずつ含む人工標準タンパク質(配列番号5)を調製した(図3参照)。人工標準タンパク質の調製は次の方法によった。
1.IPTG誘導
人工標準タンパク質cDNAを挿入したpET−vectorをトランスフォーメーションした大腸菌 (BL21−CodonPlus (DE3)−RIPL)を、カナマイシン及びクロラムフェニコールをそれぞれ30mg/L、50mg/Lで添加したLB培地において一晩振盪培養した後、LB培地に希釈し、OD600が0.4付近の値を示すまで培養を行い、最終濃度100mMでIPTGを添加し、さらに3時間のインキュベートを行うことで、タンパク質の発現誘導を行った。誘導を行った大腸菌は、8M Ureaの存在下で超音波破砕を行い、可溶性画分と不溶性画分を調製した後、SDS−PAGEによって分画し、CBB R−250による検出を行った。
2.人工標準タンパク質の精製
コバルトレジンを充填したスピンカラムに、大腸菌可溶性画分を添加し、10mM Imidazole溶液でカラムを洗浄後、50mM,150mM, 500mMのImidazole溶液で人工標準タンパク質の溶出を行った。
人工標準タンパク質に挿入した4種類の評価用ペプチドの全てについて、10fmolでピークが検出されることを確認した。確認は以下の方法によった。
4種類の評価用ペプチド{VGAPGVPALK(配列番号1)、QIGDPTVPSGVK(配列番号2)、DAPGSGLK(配列番号3)、NVAPAGPTLK(配列番号4)}を混合し、LC−MS/MSのMRMモードにより、以下の条件で定量を行った。
カラム: Agilent 300SB−C18 0.5 mm ID×150mm,5μm particles
HPLC: Agilent1100 system
質量分析機: API5000
グラジエント条件: 1−45% アセトニトリル/0.1% ギ酸, 50μL/min,50min
実施例1の人工標準タンパク質を用いて、タンパク質定量における前処理効率の評価をおこなった。評価用試料の調製及び評価は次の方法でおこなった。なお、評価用試料の操作は、実験操作に習熟しない者がおこなった。
1.ペプチド試料の調製
マウスから単離した腎臓形質膜サンプル50μgに人工標準タンパク質を10000fmol、比較例として大腸菌由来Triose Phosphate Isomerase(TPI)2200fmolを添加した。その後、7M 塩酸グアニジン溶液(0.1M Tris−HCl、10mM EDTA pH8.5に溶解)で変性させ、システイン残基のSH基を保護するために、DTTによる還元処理とヨードアセトアミドによるカルバミドメチル化処理を行なった。 続いて、メタノールクロロホルム沈殿法により、脱塩濃縮し、1.2M Urea/10mM Tris−HClに再懸濁した。その後、タンパク質重量の1/100量のトリプシンを加え、37度で16時間酵素消化してペプチド試料を得た。
2.ペプチド試料の定量分析
上記ペプチド試料に、500fmolの13C6,15N標識ペプチドを加えてLC−MS/MSで測定した。測定後、定量対象ペプチドピークと13C6,15N標識ペプチドとのMSスペクトル面積比を算出し、検量線を用いて定量値を算出した。
3.検量線の作成
選定した定量対象ペプチドを用いて、検量線を作成した。具体的には、10fmol、50fmol、100fmol、500fmol、1000fmolの非標識ペプチドにそれぞれ500fmolの13C6,15N標識ペプチドを添加した後、LC−MS/MSにより測定し、MSスペクトル面積比(非標識ペプチド/13C6,15N標識ペプチド)を算出し、検量線を作成した。
実施例2と同様の方法で前処理効率の評価をおこなった。但し、評価用試料の操作は、実験操作に熟練した者がおこなった。また、人工標準タンパク質の添加量を250fmol、大腸菌由来Triose Phosphate Isomerase(TPI)の添加量を700fmolとした。
結果を図6に示す。図6より、評価用ペプチドの評価値は90〜97%であり、評価値にばらつきが少なく、いずれも高い評価値を示している。また、前処理のコントロールとしてのTPIは回収率が99%であり、評価用ペプチドが高い評価値を示した本実験のタンパク質の前処理は適当に行われたと判断された。評価値が高い値を示した図6では、評価値の低い図5よりTPI回収率が高く(図6:99%、図5:84%)、評価値と回収率に相関関係が認められることから、評価用ペプチドを用いた前処理評価の有効性が示された。
ペプチド83種類(各500fmol)を、LC−MS/MS(ABI 4000QTRAP)のMRM modeによって解析し、ピーク面積値の平均値をペプチド長に対してプロットした。その結果、図7に示すとおりプロリン(P)の残基が多いほど平均ピーク面積値が大きくなる。また、ヒスチジン(H)が存在すると平均ピーク面積値が低くなる。また、図8に示すとおり、グリシンの残基が多いほど平均ピーク面積値が大きくなる。
上記の結果からアミノ酸残基数が8、10又は12であって、プロリン又はグリシンを有し、かつ、ヒスチジンを有しない評価用ペプチドは、LC−MS/MSで好適に検出できることがわかった。
Claims (14)
- アミノ酸残基数が5〜15のペプチドであって、天然に存在するタンパク質及びその変異体と一致せず、質量分析によって検出が可能であるアミノ酸配列からなり、プロリンを含み、かつ、ヒスチジンを含まないアミノ酸配列からなり、かつC末端にタンパク質消化酵素によって認識されるアミノ酸を有し、C末端以外には当該タンパク質消化酵素によって認識されるアミノ酸を有さないペプチドを選択し、当該ペプチドを、質量分析装置を用いたタンパク質定量のための評価用ペプチドとして使用する方法。
- 天然に存在するタンパク質及びその変異体と一致しないアミノ酸配列が、既知のタンパク質と一致しないアミノ酸配列であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- アミノ酸残基数が5〜15のペプチドであって、プロリンを含み、かつ、ヒスチジンを含まないアミノ酸配列からなり、C末端にタンパク質消化酵素によって認識されるアミノ酸を有し、C末端以外には当該タンパク質消化酵素によって認識されるアミノ酸を有さず、天然に存在するタンパク質及びその変異体と一致しないアミノ酸配列からなる、質量分析装置を用いたタンパク質定量のための評価用ペプチド。
- 安定同位体標識可能なアミノ酸を有することを特徴とする、請求項3に記載の評価用ペプチド。
- アミノ酸残基数が8、10又は12であって、プロリンを含み、かつ、ヒスチジンを含まないことを特徴とする、請求項3又は4に記載の評価用ペプチド。
- 1又は2のプロリンを含むことを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の評価用ペプチド。
- 下記(1)〜(4)に示すアミノ酸配列のいずれかによって構成されることを特徴とする、質量分析装置を用いたタンパク質定量のための評価用ペプチド。
(1)VGAPGVPALK(配列番号1)
(2)QIGDPTVPSGVK(配列番号2)
(3)DAPGSGLK(配列番号3)
(4)NVAPAGPTLK(配列番号4) - 請求項3〜7のいずれかに記載の評価用ペプチドを、質量分析装置を用いたタンパク質定量のために使用する方法。
- 請求項3〜7のいずれかに記載の評価用ペプチドのアミノ酸配列を2種類以上、かつ、1種類の配列について2箇所以上含むことを特徴とする、質量分析装置を用いたタンパク質定量のための人工標準タンパク質。
- 1分子中にシステインを2以上有することを特徴とする、請求項9に記載の人工標準タンパク質。
- 請求項9又は10に記載の人工標準タンパク質を、質量分析装置を用いたタンパク質定量のための人工標準タンパク質として使用する方法。
- 請求項9又は10に記載の人工標準タンパク質を、質量分析装置を用いたタンパク質定量のための人工標準タンパク質として使用する、タンパク質の定量方法。
- 以下の(a)〜(c)の工程を順次備えたことを特徴とする、タンパク質の定量方法。
(a)定量対象タンパク質を含む試料中に、請求項9又は10に記載の人工標準タンパク質を添加し、さらにタンパク質消化酵素を添加して、定量対象タンパク質及び前記人工標準タンパク質を消化する工程;
(b)(a)工程により得られた試料中に、定量対象タンパク質及び前記人工標準タンパク質の消化物であるペプチドと同一配列であって、安定同位体標識されたペプチドを添加し、液体クロマトグラフ−タンデム質量分析(LC−MS/MS)測定を行う工程;
(c)(a)工程において添加した人工標準タンパク質の質量と、(b)工程の測定により得られた、人工標準タンパク質の消化物であるペプチドの質量との比率を算出することで、タンパク質消化酵素による処理効率を評価する工程; - 以下の(A)〜(C)を含むことを特徴とする、質量分析装置を用いたタンパク質定量用標準物質キット。
(A)請求項9又は10に記載の人工標準タンパク質;
(B)タンパク質消化酵素;
(C)前記人工標準タンパク質の前記タンパク質消化酵素による消化物であるペプチドと同一の配列であって、安定同位体標識されたペプチド;
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