JP5845236B2 - コラーゲンの分析方法、および安定同位体標識コラーゲンの製造方法 - Google Patents
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Description
前記標識コラーゲンと、測定対象コラーゲンまたはコラーゲン由来アミノ酸もしくはペプチド成分との混合物を測定試料とし、
前記コラーゲン由来ペプチド成分、または前記測定対象コラーゲンを分解して得たペプチドを測定対象ペプチドとし、前記測定対象ペプチドの質量と、前記標識コラーゲンを分解して得た、前記測定対象ペプチドに対応する前記標識コラーゲン由来ペプチドの質量との質量比を測定するペプチド質量比測定工程、および/または
前記コラーゲン由来アミノ酸、または前記測定対象コラーゲンを分解して得たアミノ酸を測定対象アミノ酸とし、前記測定対象アミノ酸の質量と、前記標識コラーゲンを分解して得た、前記測定対象アミノ酸に対応する前記標識コラーゲン由来のアミノ酸の質量との質量比を測定するアミノ酸質量比測定工程を含み、かつ
下記(i)〜(iv)
(i)前記アミノ酸の質量比と前記測定試料に添加した安定同位体標識コラーゲン量とから測定試料に含まれる測定対象コラーゲン量を定量する、
(ii)前記アミノ酸の質量比と前記測定試料に添加した前記安定同位体標識コラーゲンに由来するアミノ酸量とから測定対象コラーゲン構成アミノ酸量を定量する、
(iii)前記ペプチドの質量比と前記測定試料に添加した安定同位体標識コラーゲン量とから、測定対象コラーゲンの型別コラーゲン量を定量する、
(iv)予め作成した前記アミノ酸の質量比または前記ペプチドの質量比の検量線を用いて測定対象コラーゲン由来成分を定量する、
のいずれかの定量工程を含むことを特徴とする、コラーゲンの分析方法を提供するものである。
コラーゲンを構成するProの安定同位体標識Proへの置換率が90モル%以上である標識コラーゲンを取得することを特徴とする、標識コラーゲンの製造方法を提供するものである。
コラーゲンを構成するアミノ酸は、通常、コラーゲン1モルにおけるアミノ酸残基数を、コラーゲン1000残基当たりのアミノ酸残基数に換算して表記される。本発明によれば、上記標識コラーゲンを使用し、測定対象コラーゲンを構成するアミノ酸の組成比を定量することができる。
使用する標識コラーゲンは、Pro、Lys、Arg、Leu、Met、Phe、Thr、Val、IleおよびHisからなる群から選択される少なくとも1以上の標識アミノ酸で90モル%以上が置換された標識コラーゲン前駆体を翻訳後修飾したものである。好ましくは、Proが安定同位体標識Proで90モル%以上置換された標識コラーゲン前駆体を翻訳後修飾したものである。Proが翻訳後修飾された4Hypは、コラーゲンにのみ存在する翻訳後修飾アミノ酸である。4Hyp量を指標にLC/MS分析を行うと、測定対象コラーゲンがコラーゲン以外のタンパク質を含む場合であっても測定対象コラーゲン量を正確に定量することができる。便宜のため、安定同位体標識Proで置換された標識コラーゲンを使用する場合で説明する。
型別コラーゲンの分析に使用する標識コラーゲンとしては、Pro、Lys、Arg、Leu、Met、Phe、Thr、Val、IleおよびHisからなる群から選択される少なくとも1以上の標識アミノ酸で90モル%以上が置換された標識コラーゲンである。測定対象コラーゲンに含まれるコラーゲンI型の濃度を分析する場合には、コラーゲンI型の標識コラーゲンを使用する。便宜のため、安定同位体標識Pro、安定同位体標識Lys、および安定同位体標識Argで置換された標識コラーゲンI型前駆体を翻訳後修飾した標識コラーゲンI型を使用し、測定試料に含まれる測定対象コラーゲンI型を定量する場合で説明する。
測定試料の酵素分解液をLC/MS分析し、コラーゲンI型に特有のアミノ酸配列を有するペプチド(以下、I型指標ペプチドと称する。)とコラーゲンIII型に特有のアミノ酸配列を有するペプチド(以下、III型指標ペプチドと称する。)とをLC/MS分析で検出する。I型指標ペプチドとIII型指標ペプチドとが検出された場合は、測定対象コラーゲンには、コラーゲンI型とIII型とが含まれる。その各々について上記と同様に測定対象コラーゲンI型由来のペプチド(以下、非標識I型ペプチドと称する。)と、標識コラーゲンI型由来のペプチド(以下、標識I型ペプチドと称する。)との質量比、例えば、非標識I型ペプチド/標識I型ペプチドを測定し、測定試料に添加した標識コラーゲンI型の質量として、YCIを乗じ、YCI×非標識I型ペプチド/標識I型ペプチドを算出すれば測定試料に含まれるコラーゲンI型の質量を求めることができる。コラーゲンIII型も同様であり、測定試料に添加した標識コラーゲンIII型の質量として、YCIIIを乗じ、YCIII×非標識III型ペプチド/標識III型ペプチドを算出すれば測定対象コラーゲンに含まれるコラーゲンIII型の質量を求めることができる。
コラーゲンを構成するペプチド量の測定方法は、前記した型別コラーゲン量の定量方法に準じて行うことができる。測定対象コラーゲンのGlyProAla量を標識ヒトコラーゲンI型を使いコラゲナーゼで分解して定量する場合で説明する。
測定対象コラーゲンに既知量の標識コラーゲンI型を添加して測定試料とする。測定対象コラーゲンおよび標識コラーゲンI型は、予め同じコラゲナーゼを使用して別個に酵素分解したものを合一して測定試料としたものであってもよく、コラゲナーゼを使用して同時に酵素分解したものを測定試料としてもよい。
次いで、LC/MS分析により、測定試料に含まれる標識GlyProAla(以下、標識GPAと称する。)と前記標識GPAに対応する測定対象コラーゲン由来のGlyProAla(以下、非標識GPAと称する。)との質量比(非標識GPA/標識GPA)を測定する。
コラゲナーゼはコラーゲンをGly-X-Y単位で分解し、分解反応が完全に行われる場合には前記標識コラーゲンI型1モルからGlyProAlaが88モル(α1鎖から30×2=60モル、α2鎖から28モル)生成される。GlyProAlaの分子量は243、コラーゲンの分子量は約3×105であるから、測定試料に添加した標識コラーゲンの質量をYCIとすれば、測定試料に含まれる標識GPAの質量YGPAはYCI×88×243/(3×105)で算出され、測定対象コラーゲンを構成するGPAの質量は、YGPA×(非標識GPA/標識GPA)として求めることができる。
本発明では、標識コラーゲンをコラゲナーゼで分解して生成されるGly-X-Yで示される数々のペプチドをそれぞれ内部標準物質として扱うことができるため、複数のペプチドを上記により同時に定量することができる。
本発明の分析方法によれば、例えば、血漿に既知量の標識コラーゲンを添加したものを測定試料とすることで、血漿中のコラーゲン由来アミノ酸やペプチド成分を定量することができる。
測定試料に含まれるコラーゲン由来ペプチド成分とこれに対応する前記標識コラーゲン由来ペプチドとの質量比や、コラーゲン由来アミノ酸とこれに対応する前記標識コラーゲン由来アミノ酸との質量比を測定し、予め測定成分の標品と標識コラーゲンを用いて作成した前記ペプチドの質量比やアミノ酸の質量比の検量線を使用して、測定試料に含まれるコラーゲン由来アミノ酸やペプチド成分を定量することができる。コラーゲン由来アミノ酸やペプチド成分を含む定量対象物として、コラーゲン代謝物を含む生体成分、例えば全血、血漿、血清、尿、組織抽出液などがある。これらの定量対象物に含まれるコラーゲン代謝物の測定に好適である。
血漿を定量対象物とし、コラーゲン代謝物として4Hypを測定する場合で説明する。
使用する標識コラーゲンは、少なくともコラーゲンを構成するProが標識アミノ酸で90モル%以上置換された標識コラーゲン前駆体を翻訳後修飾してなる標識コラーゲンである。予め酸、アルカリまたは酵素でアミノ酸を含有するように分解した既知量の標識コラーゲン分解物を血漿に添加して測定試料とする。この測定試料をエタノールで沈殿して得た上清には遊離型4Hypが含まれる。上清をLC/MSで分析し、上清に含まれる標識コラーゲン由来の4Hyp(標識4Hyp)に対する血漿由来の4Hyp(非標識4Hyp)の質量比(非標識4Hyp/標識4Hyp)を測定する。別個に、市販の4Hypと前記標識コラーゲン分解物とを所定質量比で混合して標準溶液列を調製し、LC/MSによって非標識4Hyp/標識4Hyp質量比を測定し、この値と4Hyp濃度との関係を示す検量線を作成し、この検量線に基づいて上記測定した質量比から血漿中の遊離型4Hyp量を定量する。
血漿を定量対象物とし、コラーゲン代謝物としてProHypを測定する場合で説明する。
使用する標識コラーゲンは、少なくともコラーゲンを構成するProが標識アミノ酸で90モル%以上置換された標識コラーゲン前駆体を翻訳後修飾してなる標識コラーゲンである。予め酸、アルカリまたは酵素でペプチドを含有するように分解した既知量の標識コラーゲン分解物を血漿に添加して測定試料とする。この測定試料をエタノールで沈殿して得た上清をLC/MSで分析し、測定試料に含まれる標識コラーゲン由来のProHyp(標識ProHyp)に対する血漿由来のProHyp(非標識ProHyp)の質量比(非標識ProHyp/標識ProHyp)を測定する。別個に合成オリゴペプチドProHypと前記標識コラーゲン分解物とを所定質量比で混合して標準溶液列を調製し、LC/MSにて非標識ProHyp/標識ProHyp質量比を測定し、この値とProHyp濃度との関係を示す検量線を作成し、この検量線に基づいて上記測定した質量比から血漿中のペプチド量を定量する。
(6)相対比評価
本発明において、定量方法には「絶対定量」と「相対定量」とが含まれる。従って、複数の測定試料のコラーゲンを分析する際、いずれかの測定試料の値を基準として、本発明の分析方法で得た前記アミノ酸量やペプチド量、コラーゲン量、型別コラーゲン量を相対比で評価することができる。例えば、複数の測定試料間で各測定試料に含まれる標識コラーゲン量と測定対象コラーゲン量とが一定であれば、分析により得た測定試料ペプチド質量比や測定試料アミノ酸質量比のみを用いて測定試料間の相違を簡便に検出しうる利点がある。また、複数の測定試料間で測定試料に添加した標識コラーゲン量と測定対象コラーゲン量とが異なる場合でも、正確に各測定試料間の相違を相対比で評価することができる。
測定試料に添加した標識コラーゲン量をMSIモルとすれば、健常時に対する疾患時の質量比は{Y4Hyp×(非標識4Hyp/標識4Hyp)n×(標識Arg/(MSI×非標識Arg))n}n/{Y4Hyp×(非標識4Hyp/標識4Hyp)0×(標識Arg/(MSI×非標識Arg))0}0である。測定試料に含まれる標識コラーゲン量が異なるため、各測定試料に添加した4Hyp量と測定試料に添加した標識コラーゲン量MSIモルとは、測定試料毎に異なる。しかしながら、測定試料に添加した標識コラーゲン量と前記標識コラーゲンを構成する4Hyp量との比は一定であるから、Y4Hyp/MSIはいずれの測定試料でも同一である。従って、相対比で評価する場合は、上記(ii)と同様に、{(非標識4Hyp/標識4Hyp)n×(標識Arg/非標識Arg)n}n/{(非標識4Hyp/標識4Hyp)0×(標識Arg/非標識Arg)0}0を算出し、健常時に対する各測定試料の相異を検出することができる。
本発明の分析方法を応用して、細胞による標識コラーゲンの取り込み量を定量することができる。従来から、コラーゲンの細胞内取り込み量の測定には放射性同位体ヨウ素標識コラーゲンや蛍光標識コラーゲンが用いられてきた。しかしながら、これらの方法ではコラーゲン全体が均一に標識されず、また標識物の分子量が大きいため物性変化の可能性があり、正確な定量が妨げられる懸念があった。本発明で使用する標識コラーゲンは、標識アミノ酸がコラーゲン配列全体に均一に取り込まれ、かつ標識コラーゲンの物性変化もないことから、正確なコラーゲン細胞内取り込み量の測定を行うことができる。
標識コラーゲンは、標識アミノ酸がコラーゲンに均一に取り込まれているため、標識コラーゲンの取り込みと同様にして酵素などで分解されたコラーゲンペプタイドの細胞内取り込み量も測定することができる。
HEL細胞1.5×106cellsを、13C6−Lys(Thermo scientific社製)100mg/L、13C6 15N4−Arg(Thermo scientific社製)100mg/L、13C5 15N1−Pro(Cambridge isotope laboratories社製)200mg/L、アスコルビン酸(Wako社製、商品名「L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩n水和物」)200μM、透析FBS(Thermo scientific社製、商品名「Dialyzed FBS」)0.5%を含有する安定同位体標識用DMEM(Thermo scientific社製、商品名「SILAC DMEM Media」)で培養した(100mm dish)。3日ごとに培地を回収し、上記組成の培地で交換した。
培養開始後3日目および6日目に得られた培養上清に0.1NとなるようにHClを加えて酸性とし、0.1mg/mLとなるようアガロース固定化ペプシン(SIGMA社製、商品名「Pepsin−Agarose」)を加え4℃で16時間消化反応を行った。反応後に遠心分離してアガロース固定化ペプシンを分離し、上清を得た。この上清に1MとなるようにNaClを添加し、氷上で3時間静置した後、遠心分離を行い、沈殿を分取した。
分取した沈殿を1M NaClと95%エタノールとで洗浄し、最後に5mM酢酸250μlで溶解したものを標識コラーゲンとした。
実施例1の培地に、更に300mg/LとなるようにGlnを添加した以外は実施例1と同様にして標識コラーゲンを得たのち、安定同位体標識Proおよび4Hypの置換率を測定した。結果を図1、図2に示す。
培地に添加する13C5 15N1−Pro量を200mg/Lから50mg/Lに変更した以外は実施例1と同様にして標識コラーゲンを得たのち、安定同位体標識Proおよび4Hypの置換率を測定した。結果を図1、図2に示す。
実施例3の培地に、更に300mg/LとなるようにGlnを添加した以外は実施例1と同様にして標識コラーゲンを得たのち、安定同位体標識Proおよび4Hypの置換率を測定した。結果を図1、図2に示す。
培地に添加する13C5 15N1−Pro量を200mg/Lから350mg/Lに変更した以外は実施例1と同様にして標識コラーゲンを得たのち、安定同位体標識Proおよび4Hypの置換率を測定した。結果を図1、図2に示す。
実施例5の培地に、更に300mg/LとなるようにGlnを添加した以外は実施例1と同様にして標識コラーゲンを得たのち、安定同位体標識Proおよび4Hypの置換率を測定した。結果を図1、図2に示す。
図1および図2に示すように、13C5 15N1−Proを200mg/L添加し、Glnは非添加であるときPro、4Hypの標識アミノ酸による置換率に優れた。
実施例1で得た標識コラーゲンについて、SDS変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った。結果を図3に示す。コラーゲンI型とコラーゲンIII型とが混在することが判明した。なお、参考のため、ヒトコラーゲンα1(I)およびヒトコラーゲンα2(I)のアミノ酸配列をそれぞれ配列番号12、配列番号13に示す。これは米国国立生物工学情報センター(NCBI)において配列番号NP_000079.2、NP_000080.2として登録されている。
実施例1と同様の方法で培養4〜6日以上の培地から標識コラーゲンを調製し、その全コラーゲン量を定量した。標識コラーゲン80μlを遠心濃縮で乾固させた後、6N HCl(ガス)、110℃、20時間の条件で酸加水分解を行った。これを20mM HClに溶解して、半量を高速アミノ酸分析計L−8900(日立)で、陽イオン交換カラム、ニンヒドリン−ポストカラム法を用いて分析を行い、各アミノ酸のピーク面積を測定した。前記ピーク面積と既知量の標品のピーク面積との比から各アミノ酸の含有量を定量し、その総和を標識コラーゲン量とした。標識コラーゲンに含まれるアミノ酸のモル濃度、含有量および前記モル濃度から換算した各アミノ酸の1000残基当りの残基数を表2に示す。アミノ酸総量分析による上記標識コラーゲンのコラーゲン濃度は、209.3μg/mlであった。
実施例8で得た標識コラーゲンの型別定量を行った。
標識コラーゲン40μlに、ヒト胎盤由来I型コラーゲンを5μgおよびIII型コラーゲンを5μg添加し、これに100mMとなるようにTris−HCl(pH7.6)、1mMとなるようにCaCl2を添加し、60℃、30分間変性処理を行った。その後、タンパク質量の1/100量のトリプシン(Promega社製、商品名「Sequencing Grade Modified Trypsin,Frozen」)を加え、37℃、16時間、酵素分解を行った。得られた分解液にギ酸を1%となるように添加して分析液とした。
上記分析液について後記する置換率測定の項のペプチド分析のLC/MS条件によりピーク面積を測定した。ペプチドは、コラーゲンI型α1鎖およびコラーゲンI型α2鎖に含まれる配列GVQGPOGPAGPR、GVVGLOGQR、EGPVGLOGIDGRおよびGPSGPQGIRのペプチドを対象とした。LC/MS分析におけるこれらペプチドのMRM(Multiple Reaction Monitoring)チャンネルを表3に示す。各ペプチドについて、ヒト胎盤由来I型コラーゲン構成ペプチドに対する標識コラーゲン構成ペプチドのピーク面積比を求めた。上記4ペプチド、各2チャンネル、合計8チャンネルのピーク面積比の平均を算出し、それにヒト胎盤由来I型コラーゲン量として5μgを乗じ、1.394×(5(μg)/40(μl))×1000=174.3(μg/ml)から、標識コラーゲンに含まれる標識コラーゲンI型の濃度を算出した。結果を表4に示す。
実施例8で調製した標識コラーゲンを用いてラット皮膚から抽出したコラーゲン(以下、ラット皮膚コラーゲンとも称する。)の全コラーゲン量定量(実施例10)、型別コラーゲン定量(実施例11)を行い、その定量精度を確認した。まず、測定対象物であるラット皮膚コラーゲンの濃度を全アミノ酸量から算出しておき、その理論量20μgに実施例8で調製した標識コラーゲン20μlを添加して測定試料とした。9/10量を後述する型別コラーゲン定量用の試料とし、残りの測定試料を遠心濃縮で乾固させた後、6N HCl(ガス)、110℃の条件で、20時間、酸加水分解を行った。この酸加水分解物を、50%アセトニトリルに酢酸を0.1%となるように、酢酸アンモニウムを5mMとなるように添加した溶解液に溶解し、後記する置換率の測定方法の項におけるアミノ酸分析のLC/MS条件で分析を行った。
実施例8で調製した標識コラーゲンを用いて、実施例10で分析したラット皮膚コラーゲンの型別コラーゲン濃度を測定した。実施例10で使用したラット皮膚コラーゲン20μgに実施例8で調製した標識コラーゲン20μlを添加した測定試料の9/10量に100mMとなるようにTris−HCl(pH7.6)、1mMとなるようにCaCl2を添加し、60℃、30分間変性処理を行った。その後、タンパク質量の1/100量のトリプシン(Promega社製、商品名「Sequencing Grade Modified Trypsin,Frozen」)を加え、37℃、16時間、酵素分解を行った。得られた分解液にギ酸を1%となるように添加して分析液とした。
ラット皮膚コラーゲンに代えてラット骨から抽出したコラーゲンおよびラット尻尾腱から抽出したコラーゲンについて実施例10および実施例11と同様に操作して、全コラーゲン量、型別コラーゲン量を定量した。結果を表5に示す。各組織由来コラーゲンにおける、全コラーゲン定量、型別コラーゲン定量全てで、その算出コラーゲン量は、全アミノ酸量で規定されたコラーゲン量20μgと非常に近似する結果となり、その定量精度が確認された。また、ラット皮膚、骨、尻尾腱由来コラーゲンのI型とIII型との混合比を図4に示す。
実施例1で得た培養4〜6日の3培地由来の標識コラーゲンを等量ずつ合一して標識コラーゲンを調製した。これを用いて、ラット皮膚、骨、尻尾腱から抽出したコラーゲンを測定対象コラーゲンとし、翻訳後修飾アミノ酸濃度を定量し、および1000アミノ酸残基当りの各アミノ酸残基数を定量した。
実施例13で調製した標識コラーゲンを用いて、ラット皮膚、骨、尻尾腱から抽出したコラーゲンを構成するアミノ酸の相対比を分析した。
まず、ラット皮膚、骨、尻尾腱からコラーゲンを分取した。それぞれの試料10μgに実施例13で調製した標識コラーゲン10μlを添加し、そのうち1/10量を分取して測定試料とした。この測定試料を遠心濃縮で乾固させた後、6N HCl(ガス)、110℃、20時間の条件で酸加水分解を行った。また、上記測定試料の残り9/10量に2Nとなるように水酸化ナトリウム溶液を添加し、110℃、20時間、アルカリ加水分解を行った。得られたアルカリ加水分解物を冷30%酢酸で中和した後、陽イオン交換カラム(Waters社、商品「OASIS MCX」)で脱塩し、その溶出液を遠心濃縮により乾固した。
実施例13で調製した標識コラーゲンを用いて、ラット皮膚コラーゲンの酸加水分解による4Hyp量の経時変化を測定した。
ラット皮膚コラーゲン1μgに実施例13で調製した標識コラーゲン1μlを添加して測定試料とした。この測定試料を遠心濃縮で乾固させた後、6N HCl(ガス)、110℃の条件で、1時間、酸加水分解を行った。この酸加水分解物を、50%アセトニトリルに酢酸を0.1%となるように、酢酸アンモニウムを5mMとなるように添加した溶解液に溶解し、置換率の測定条件に記載したアミノ酸分析のLC/MS条件で、標識コラーゲン由来4Hypのピーク面積と、測定対象コラーゲン由来4Hypのピーク面積、および標識コラーゲン由来4Hypに対する測定対象コラーゲン由来4Hypのピーク面積比をそれぞれ測定した。同様の操作を加水分解後2、4、8、16、24時間の測定試料について行った。
一方、加水分解1時間の測定対象コラーゲン由来4Hypのピーク面積(非標識4Hyp)に対する加水分解後2、4、8、16、24時間の測定対象コラーゲン由来4Hypのピーク面積の百分率を算出した。結果を図6の折れ線グラフに示す。同様にして、Lysの翻訳後修飾アミノ酸であるHylについても測定した。
図6に示すように、加水分解のいずれの時期においてもピーク面積比が略同一であるため、加水分解1時間後のピーク面積比に添加した標識コラーゲンの質量を乗ずることでコラーゲンを定量することができ、定量時間を短縮することができる。
測定試料に含まれるコラーゲン以外の成分が測定値に与える影響を評価した。
PBS溶液(SIGMA社製、商品名「Dulbecco’s Phosphate Buffered Saline」)を希釈して、0×PBS、0.1×PBS、0.2×PBS、0.5×PBS、1×PBS溶液を作製し、ここに4Hyp標品(SIGMA社製、商品名「trans−4−Hydroxy−L−proline」)を0.5nmolずつ添加し、さらに実施例13で調製した標識コラーゲン4μlをあらかじめ酸加水分解したもののうち1/50量を各測定試料に添加した。これを下記条件によりLC/MS分析を行い、標識コラーゲン由来標識4Hypおよび4Hyp標品のピーク面積を測定し、標識コラーゲン由来標識4Hypに対する4Hyp標品のピーク面積比を算出した。PBS無添加時のピーク面積比を100%とした場合のPBS添加試料のピーク面積比を図7の棒グラフに示した。
また、PBS無添加系の4Hyp標品ピーク面積を100%とした場合のPBS添加試料の4Hyp標品の各測定試料のピーク面積を図7の折れ線グラフに示す。
高速液体クロマトグラフ:1200Series(Agilent Technologies)、
質量分析装置:3200QTRAP(AB Sciex)、
分析カラム:Discovery HS F5 5μm, 4.6mmi.d.×250mm(SUPELCO)、
カラム温度:25℃
移動相:A液;0.1%ギ酸、B液;100%アセトニトリル、
グラジエント条件:
0〜7.5分:A液98%;B液2%、
7.5〜20分:A液98〜10%;B液2〜90%、
20.1〜25分:A液10%;B液90%、
25.1〜30分:A液98%;B液2%、
流速:0.6mL/min、
質量分析条件:
イオン化:ESI、ポジティブ、
分析モード:Multiple Reaction Monitoring(MRM)モード、
イオンスプレー電圧:3kV、
イオンソース温度:600℃
コラーゲンペプチド摂取後の血中遊離型4Hyp、ペプチド型4Hypおよび全4Hypの定量を行った。
(1)魚鱗由来コラーゲンペプチド粉末25gを溶解した水100mlを健常者1名に空腹時に経口摂取させ、摂取前(0分)、摂取後30分、60分、120分、240分、360分に採血した。採取した血液はヘパリン処理して血漿を調製し、分析時まで−80℃で保管した。
(2)実施例13で調製した標識コラーゲン50μlを6N HCl(ガス)、110℃、20時間の条件で加水分解し、これを蒸留水1000μlに溶解して標識コラーゲン酸加水分解溶液を調製した。この溶液10μlを血漿20μlに添加し、更に90μlのエタノールを添加した。次いで混合液を遠心し上清を回収した。得られた上清10μlを、50%アセトニトリルにギ酸を0.1%含有させた測定溶媒190μlに加え、遊離型4Hyp測定試料とした。一方、前記上清50μlを遠心濃縮して乾固させ、6N HCl(ガス)、110℃、20時間の条件で酸加水分解を行い、得られた加水分解物を前記測定溶媒200μlに溶解し、全4Hyp測定用試料とした。更に、4Hyp標品を0.01、0.1、1および10nmol/mL含有する溶液100μlに前記標識コラーゲン酸加水分解溶液をそれぞれ1μl添加し、検量線用試料とした。これら各測定試料および検量線用試料について、後記する置換率の測定方法の項で記載するLC/MS条件で測定対象血漿由来4Hyp、標識コラーゲン由来標識4Hyp、標品4Hypの各ピーク面積を測定した。
上記(1)で得た各血漿10μlに安定同位体標識オリゴペプチド溶液10μlを添加し、60μlのエタノールを添加した後遠心し上清を得た。この上清60μlを遠心濃縮で乾固させた後、1%ギ酸50μlに溶解し、オリゴペプチド測定試料とした。
また、合成オリゴペプチドProHyp、GluHyp、LeuHyp、PheHyp、GlyProHyp、AlaHypGly、ProHypGlyおよびSerHypGlyの0.1、0.2、0.5および1nmol/mL溶液50μlに前記安定同位体標識オリゴペプチド溶液4μlを添加し、検量線用試料とした。これら測定試料および検量線用試料について、下記LC/MS分析条件で測定対象血漿由来オリゴペプチド、安定同位体標識オリゴペプチド、合成オリゴペプチドの各ピーク面積を測定した。
高速液体クロマトグラフ:1200Series(Agilent Technologies)、
質量分析装置:3200QTRAP(AB Sciex)、
分析カラム:Synergi Hydro-RP 4μm, 2.0mmi.d.×250mm(Phenomenex)、
カラム温度:40℃
移動相:A液;0.1%ギ酸、B液;100%アセトニトリル、
グラジエント条件:
0〜7.5分:A液100%;B液0%、
7.5〜20分:A液100〜50%;B液0〜50%、
20.1〜25分:A液20%;B液80%、
25.1〜30分:A液100%;B液0%、
流速:0.25mL/min、
質量分析条件:
イオン化:ESI、ポジティブ、
分析モード:MRMモード、
イオンスプレー電圧:4kV、
イオンソース温度:700℃
非特許文献4に従い、48ウェルプレートの3ウェルに、それぞれ10%FBS(Intergen社製)含有DMEM(SIGMA社製)に分散したHEL細胞2×104cellsを播種し、一晩経過後に20mM HEPES、15mg/mL BSAを含むDMEMからなるアッセイバッファー150μlに置換し30分間インキュベートした。第1のウェルには実施例13で調製した標識コラーゲン0.75μgを添加してさらに5時間インキュベートした。
第2のウェルには以降に取り込まれたコラーゲンの分解を抑えるためリソソームシステインプロテアーゼ阻害剤(Merck Millipore社製 E−64d)を10μM添加して30分間インキュベートした後、第1のウェルと同様に標識コラーゲン0.75μgを添加してさらに5時間インキュベートした。
第3のウェルはコントロールとして標識コラーゲンを添加しないで、上記と同様に5時間インキュベートした。
それぞれの細胞をトリプシン(SIGMA社製、商品名「Trypsin−EDTA solution」)を使用して回収し、遠心濃縮で乾固させた後、6N HCl(ガス)、110℃、20時間の条件で酸加水分解を行った。得られた加水分解物を50%アセトニトリルに0.1%となるように酢酸、5mMとなるように酢酸アンモニウムを添加した溶解液に溶解し、置換率の測定方法に記載するLC/MS分析のアミノ酸測定条件で標識コラーゲン由来4Hyp量を測定した。0.75μgの標識コラーゲンを上記と同様に塩酸で加水分解して標識コラーゲン由来4Hypのピーク面積を測定し、この値に対する上記測定値の百分率を算出し、取り込み率とした。結果を図11に示す。培地にリソソームシステインプロテアーゼ阻害剤(E−64d)を添加することで、細胞内の標識コラーゲン由来標識4Hyp量が増加することが観察された。
以下の方法により、安定同位体標識Proで置換された標識コラーゲンIIを製造した。
培地上の細胞および沈着コラーゲンに、0.1mg/mLペプシン(SIGMA社製)(0.1N HCl)を添加し、4℃で16時間消化反応を行った。このペプシン消化溶液に2MとなるようにNaClを添加し、氷上で3時間静置してから遠心分離を行った。沈殿を2M NaClと95%エタノールで洗浄し、最後に5mM酢酸で溶解したものを標識コラーゲンIIとした。
実施例19で得た標識コラーゲンIIについて、SDS変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った。結果を図12に示す。コラーゲンII型、コラーゲンIX型およびコラーゲンXI型とが混在することが判明した。
本発明において、標識コラーゲンにおける標識アミノ酸、標識ペプチドの置換率の測定は以下の方法に従った。なお、測定対象がペプチドである場合は、下記方法で、標識コラーゲン構成ペプチドと測定対象コラーゲン構成ペプチドの質量比を測定した。
(1)試料の調製
(i)酸加水分解による安定同位体標識Pro、3Hyp、4Hyp、Lys、HylおよびArgの置換率の測定方法
5mM酢酸に溶解した標識コラーゲン10μlを遠心濃縮で乾固させた後、6N HCl(ガス)、温度110℃で20時間加水分解した。この塩酸加水分解物を50%アセトニトリルに酢酸を0.1%となるように、酢酸アンモニウムを5mMとなるように添加した溶解液に溶解し、下記LC/MS分析測定条件にて質量分析を行い、各アミノ酸のピーク面積を測定した。ピーク面積を基準として標識アミノ酸と非標識アミノ酸との総和に対する標識アミノ酸の百分率(標識アミノ酸×100/(標識アミノ酸+非標識アミノ酸))を算出し、標識アミノ酸の置換率(モル%)とした。上記酸加水分解試料により、Pro、3Hyp、4Hyp、Lys、HylおよびArgの置換率を算出した。なお、Hylは、GHLおよびGGHLの糖鎖が外れてなるHylを含むため、これらを含む総Hylの値となる。
(ii)アルカリ加水分解による安定同位体標識Hyl、GHLおよびGGHLの置換率の測定方法
5mM酢酸に溶解した標識コラーゲン50μlに6N HCl(ガス)に代えて2Nとなるように水酸化ナトリウムを添加した後、上記と同様にして加水分解を行った。得られたアルカリ加水分解物を冷30%酢酸で中和した後、陽イオン交換カラム(Waters社、商品名「OASIS MCX」)で脱塩し、その溶出液を遠心濃縮により乾固したのち、50%アセトニトリルに酢酸を0.1%となるように、酢酸アンモニウムを5mMとなるように添加した溶解液に溶解し、下記LC/MS分析測定条件にて質量分析を行い、各アミノ酸のピーク面積を基準として置換率(モル%)を算出した。上記アルカリ加水分解試料により、GHLおよびGGHLの置換率を算出した。
(iii)安定同位体標識ペプチドの置換率の測定方法
5mM酢酸に溶解した標識コラーゲンと測定対象コラーゲンに、タンパク質量の1/100量のトリプシン(Promega社製、商品名「Sequencing Grade Modified Trypsin,Frozen」)を加え、37℃、16時間、酵素分解を行った。得られた分解液にギ酸を1%となるように添加した後、下記LC/MS分析測定条件にてペプチドのピーク面積を測定した。
(i)アミノ酸分析
高速液体クロマトグラフ:1200Series(Agilent Technologies)、
質量分析装置:3200QTRAP(AB Sciex)、
分析カラム:ZIC-HILIC 3.5μm, 2.1mmi.d.×150mm(Merck SeQuant)、
カラム温度:25℃
移動相:A液;0.1%酢酸、5 mM酢酸アンモニウム、B液;100%アセトニトリル、
グラジエント条件:
0〜5分:A液10%;B液90%、
5〜20分:A液10〜95%;B液90〜5%、
20〜25分:A液95%;B液5%、
25.1〜30分:A液10%;B液90%
流速:0.2mL/min、
質量分析条件:
イオン化:ESI、ポジティブ、
分析モード:MRMモード、
イオンスプレー電圧:3kV、
イオンソース温度:600℃
高速液体クロマトグラフ:1200Series(Agilent Technologies)、
質量分析装置:3200QTRAP(AB Sciex)、
分析カラム:Ascentis Express C18 5μm, 2.1mmi.d.×150mm(SUPELCO)、
カラム温度:25℃
移動相:A液;0.1%ギ酸、B液;100%アセトニトリル、
グラジエント条件:
0〜2分:A液98%;B液2%、
2.1〜6分:A液98〜40%;B液2〜60%、
6.1〜8分:A液10%;B液90%、
8.1〜10分:A液98%;B液2%
流速:0.5mL/min、
質量分析条件:
イオン化:ESI、ポジティブ、
分析モード:(MRM)モード、
イオンスプレー電圧:4kV、
イオンソース温度:700℃
Claims (2)
- コラーゲンを構成するPro、Lys、Arg、Leu、Met、Phe、Thr、Val、IleおよびHisからなる群から選択される少なくとも1以上のアミノ酸が対応する安定同位体標識アミノ酸で90モル%以上置換された安定同位体標識コラーゲン前駆体を翻訳後修飾してなる安定同位体標識コラーゲンを使用するコラーゲンの分析方法であって、
前記安定同位体標識コラーゲンと、測定対象コラーゲンまたはコラーゲン由来アミノ酸もしくはペプチド成分との混合物を測定試料とし、
前記コラーゲン由来ペプチド成分、または前記測定対象コラーゲンを分解して得たペプチドを測定対象ペプチドとし、前記測定対象ペプチドの質量と、前記安定同位体標識コラーゲンを分解して得た、前記測定対象ペプチドに対応する前記安定同位体標識コラーゲン由来ペプチドの質量との質量比を測定するペプチド質量比測定工程、および/または
前記コラーゲン由来アミノ酸、または前記測定対象コラーゲンを分解して得たアミノ酸を測定対象アミノ酸とし、前記測定対象アミノ酸の質量と、前記安定同位体標識コラーゲンを分解して得た、前記測定対象アミノ酸に対応する前記安定同位体標識コラーゲン由来のアミノ酸の質量との質量比を測定するアミノ酸質量比測定工程を含み、かつ
下記(i)〜(iv)
(i)前記アミノ酸の質量比と前記測定試料に添加した安定同位体標識コラーゲン量とから測定試料に含まれる測定対象コラーゲン量を定量する、
(ii)前記アミノ酸の質量比と前記測定試料に添加した前記安定同位体標識コラーゲンに由来するアミノ酸量とから測定対象コラーゲン構成アミノ酸量を定量する、
(iii)前記ペプチドの質量比と前記測定試料に添加した安定同位体標識コラーゲン量とから、測定対象コラーゲンの型別コラーゲン量を定量する、
(iv)予め作成した前記アミノ酸の質量比または前記ペプチドの質量比の検量線を用いて測定対象コラーゲン由来成分を定量する、
のいずれかの定量工程を含むことを特徴とする、コラーゲンの分析方法。 - コラーゲン産生細胞に、少なくとも安定同位体標識Proを添加して培養する安定同位体標識コラーゲンの製造方法であって、
Glnを添加せずに前記コラーゲン産生細胞を培養し、
コラーゲンを構成するProの安定同位体標識Proへの置換率が90モル%以上である安定同位体標識コラーゲンを取得することを特徴とする、安定同位体標識コラーゲンの製造方法。
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