JP2005515452A - アイソトープで標識された水を用いるヒトおよび実験系におけるタンパク質合成速度の測定 - Google Patents

アイソトープで標識された水を用いるヒトおよび実験系におけるタンパク質合成速度の測定 Download PDF

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Abstract

本発明は、2H2Oまたは放射性3H2Oを用いるタンパク質生合成の測定方法およびその適用可能な用途に関する。

Description

本発明は、国立衛星研究所(National Institutes of Health)から助成金番号AI44767およびAI41401により部分的に資金援助を受けた。米国政府は、本発明に対して一定の権利を有しうる。
本出願は、2001年10月24日出願の米国特許出願第60/335,029号の優先権を主張する。
本発明の分野は、生化学的速度論である。より特定的には、本発明は、タンパク質合成速度の測定に関する。
本明細書中で文献番号により参照した刊行物は、本明細書の末尾にある文献一覧表に対応する。
タンパク質合成速度の制御は、ほとんどの生物学的過程の調節に関与しており、多くの疾患の根本原因であると考えられる。生体系における生体分子の合成速度の調節は、生化学的および生理学的制御の最も基本的な特徴の1つである。このため、in vivoにおける生合成速度の測定は、過去50年間にわたって多大な研究努力を要する課題となっていた。研究されてきた巨大分子のうちで、タンパク質は、生物学的過程の制御で中心的な役割を果たすので、おそらく最も大きな注目を受けてきた。タンパク質合成の測定は、あらゆる他の生体分子のときと同じように、アイソトープ標識(安定同位体または放射性同位体)の使用が従来から必要とされていた。多くの研究は、タンパク質生合成のアイソトープ試験を記述したものであった(Waterlow, 1978およびHellerstein & Neese, 1999を参照されたい)。
本質的には、タンパク質生合成速度の測定に関して、4つの一般的方法が記述されている(Waterlow, 1979)。これらは次のとおりである:(1)対象タンパク質の体外標識化を行い、続いて、生体系に再導入し、その後、標識されたタンパク質の消失曲線を調べる;(2)標識された生合成前駆体でタンパク質の体内パルス標識化を行い、その後、標識された対象タンパク質の消失曲線を調べる;(3)標識された生合成前駆体でタンパク質の体内パルス標識化を行い、その後、対象タンパク質への標識取込み曲線を調べて、生合成前駆体プール中に経時的に存在する標識の変動含有率の推定値と比較する;(4)標識された生合成前駆体の連続的投与によりタンパク質の体内標識化を行うとともに、対象タンパク質への標識取込みを調べて、生合成前駆体プール中の定常状態標識含有率と比較する(前駆体-産物相関の使用)。
これらの一般的標識化ストラテジーのうちで、おそらく、技術上および操作上最も信頼性があるのは、標識された生合成前駆体の連続的投与である(方法#4)。この方法は、前駆体-産物相関として知られる数学的原理、すなわち、物理学におけるニュートンの冷却方程式を利用する。
前駆体-産物相関の基本的概念を図1に示す。中心的原理は、産物の標識含有率が、生合成前駆体プール中の標識含有率として決定される測定可能な既知の値(すなわち、漸近線(asymptote))に近づくことである。
Waterlowら(1979)によりまとめられているように、とくに、産物プール分子(たとえば、タンパク質)の半減期が前駆体プール分子(たとえば、遊離アミノ酸)の半減期よりも長い場合、こうして前駆体-産物相関を用いると、代替ストラテジーと比較していくつかの重要な実用的利点が得られる。第1の利点は、もしアミノ酸生合成前駆体プールのアイソトープ濃縮度を定量することが可能でありかつ連続的標識投与時間内にわたって比較的安定であれば、タンパク質分子の合成速度を特性づけるのに必要となるのは、原理的には、単一時間点におけるタンパク質最終生成物だけである。このことが成り立つのは、前駆体プール濃縮度(SA)が一定に保持されている場合、基本的な前駆体-産物方程式をその積分された形式で使用することができるからである:
Figure 2005515452
この関係を図1にグラフで示す。
したがって、タンパク質の多数回サンプリングは必要でなく(体内または体外標識化後の崩壊曲線とは異なる)、前駆体プールの多数回サンプリングも必要でない(パルス標的化法とは異なる)。前駆体プールを一定またはほぼ一定のアイソトープ濃縮度に保持することにより、アミノ酸前駆体プールの非定常状態補正、非均一性、または不完全混合に関連する問題も回避される。
Waterlowら(1979)は、たとえタンパク質の質量が増大したとしてもまたは減少したとしても(すなわち、最終生成物プールが非定常状態であったとしても)、この方法により合成速度を厳密に計算できることを数学的に証明した。この特徴のおかげで、研究対象の系に存在する生理学的条件に関係なく、この方法を広く適用することができる。
しかしながら、連続的投与法には、実用上の欠点がいくつか存在する。これらのうちで最も重要なのは次のとおりである:(1)前駆体アミノ酸プールを比較的一定したアイソトープ濃縮度に保持するために、アイソトープで標識された生合成前駆体の連続的投与が必要である。この要件を満たすために、典型的には、何日もかけてまたはさらに長期間にわたり連続的静脈内注入を行うかまたは頻繁に経口投与を繰り返すことが必要である。静脈内投与が必要であると、この方法を常用的に医学的診断に利用したりまたは現場で使用したりすることが厳しく制限される;(2)比較的長期間にわたって生合成前駆体プール中の標識を一定レベルに保持するには、大きなコストがかかる可能性がある;(3)生合成前駆体プールのアイソトープ濃縮度を暫定的に測定し、その恒常性を確証する必要がある;そして(4)生きている細胞中および個体中におけるタンパク質生合成に供される「真の前駆体」プールには、同定上の問題がある。
生合成に供される真の前駆体プールを同定する問題は、タンパク質合成の場合だけでなく、前駆体-産物相関を適用するすべての場合に起こり、この方法の中心的原理:すなわち、産物の標識化曲線が、前駆体プールの標識含有率により決定される既知の漸近値(すなわち、プラトー値)に近づくという仮定(図1)に起因する。したがって、いずれの標識化試験においても、近づく実際の漸近値すなわちプラトー値を確証することが不可欠である。この漸近値は、産物分子の標識化曲線の完全な形状が明確になるまで十分な時間をかけて待つことにより(図1)、またはタンパク質生合成系の既知の生化学的機序に基づく代替的手段を用いることにより(すなわち、タンパク質合成に関与する遊離アミノ酸プール中の標識の含有率から)、確証することができる。しかしながら、タンパク質合成の生化学的機序は、きわめて複雑で予測不可能であるため、後者の方法では、有意な系統誤差を生じる(Waterlow 1979; Airhart 1974; Khairallah and Mortimore 1976)。
このほか、曲線の形状を明確にするには、タンパク質最終生成物の半減期の数倍の期間にわたる連続的投与が必要である。この要件は、タンパク質の半減期が、数日間、数週間、または数ヶ月間になりうるという点で、ほとんどの場合、実用的でない。24〜48時間(この時間にわたって静脈内注入を行うときでさえも、医療関係者およびモニタリングが必要である)を超えて静脈内注入を保持することは実用的でなく、前駆体代謝産物の経口投与を行っても、代謝プールで安定な値を得ることができない。
したがって、理想的な方法は、簡単でかつ厳しくない条件で、長期間にわたり、たとえば、長寿命タンパク質の半減期の数倍程度の期間にわたり、前駆体プールを一定のアイソトープレベルに保持することが可能なものであろうと長い間認識されていた(Waterlow 1979; Hellerstein and Neese 1992; Hellerstein and Neese 1999)。しかしながら、この目的を達成する方法は存在しなかった。したがって、広く適用可能で、信頼性があり、実施が容易で、低価格であり、毒性や合併症を伴わず、ヒト被験者に適用可能であり、医療管理や入院患者処置(たとえば、静脈内注入)が必要でなく、複雑な取扱いが必要でなく、簡単に理解できるという利点を有するタンパク質合成の測定方法は、医学的診断、さらには薬物探索、遺伝学、機能ゲノミクス、および基礎研究に及ぶ分野で、きわめて価値があり有用であろう。
発明の概要
これらの要求を満たすために、本発明は、1種以上のタンパク質またはペプチドの生合成速度または分解速度を決定する方法、生合成速度および/または分解速度の決定方法を診断および試験で使用する方法、ならびにタンパク質またはペプチドの生合成速度および/または分解速度を決定するためのキットに関する。
一変形形態では、本発明は、(a)2H、3H、および18Oで標識された水を、前記標識水の標識が1種以上のタンパク質またはペプチドに取り込まれて標識および非標識のタンパク質またはペプチドを生成するのに十分な時間にわたって、個体に投与するステップと、(b)前記個体から1種以上の身体組織または体液を取得するステップと、ここで、身体組織または体液は、前記1種以上の標識および非標識のタンパク質またはペプチドを含む、(c)前記1種以上の標識されたタンパク質またはペプチドへの前記標識の取込みを検出して、前記1種以上のタンパク質またはペプチドの生合成速度を決定するステップと、により、個体中における1種以上のタンパク質またはペプチドの生合成速度を決定する方法を包含する。
他の変形形態では、本発明は、(a)2H、3H、または18Oで標識された水を、相対的に一定した水濃縮度を保持するのに十分な時間にわたって、個体に投与するステップと、(b)前記個体から1種以上の身体組織または体液を取得するステップと、ここで、前記身体組織または体液は、前記1種以上のタンパク質またはペプチドを含む、(c)前記1種以上のタンパク質またはペプチドへの前記標識の取込みを測定するステップと、(d)前記1種以上のタンパク質またはペプチドのアイソトープ濃縮度値を計算するステップと、(e)前記1種以上のタンパク質またはペプチドの生合成速度を決定するために前記アイソトープ濃縮度値に前駆体-産物相関を適用するステップと、により、個体中における1種以上のタンパク質またはペプチドの生合成速度を決定する連続的標識化方法を包含する。
他の変形形態では、タンパク質またはペプチドのアイソトープ濃縮度値を、個体中の水濃縮度値または標識されたアミノ酸が近づくアイソトーププラトー値のいずれかと比較することが可能である。
他の変形形態では、本発明は、(a)2H、3H、および/または18Oで標識された水を、前記標識が1種以上のタンパク質またはペプチドに取り込まれることにより標識および非標識のタンパク質またはペプチドを生成するのに十分な時間にわたって、個体に投与するステップと、(b)前記個体から1種以上の身体組織または体液を取得するステップと、(c)前記1種以上の身体組織または体液中の1種以上の標識および非標識のタンパク質を加水分解して、1種以上の標識および非標識のアミノ酸を生成させるステップと、(d)前記1種以上の標識されたアミノ酸への前記標識の取込みを検出して、前記1種以上のタンパク質またはペプチドの生合成速度を決定するステップと、により、個体中における1種以上のタンパク質またはペプチドの生合成速度を決定する連続的標識化方法を包含する。
本発明は、さらに、個体中における1種以上のタンパク質またはペプチドの分解速度を決定する方法であって、(a)2H、3H、および/または18Oで標識された水を、前記標識が1種以上のタンパク質またはペプチドに取り込まれて標識および非標識のタンパク質またはペプチドを生成するのに十分な時間にわたって、個体に投与するステップと、(b)前記投与ステップ(a)を中断する(discontinuing)ステップと、(c)前記個体から1種以上の身体組織または体液を取得するステップと、ここで、前記身体組織または体液は、前記1種以上の標識および非標識のタンパク質またはペプチドを含む、(d)前記1種以上の標識されたアミノ酸への前記標識の取込みを検出して、前記1種以上のタンパク質またはペプチドの分解速度を決定するステップと、を含む前記方法の提供をめざす。
他の変形形態では、本発明は、(a)2H、3H、および18Oで標識された水を個体に投与することと、(b)前記標識水の投与を中断するステップと、(c)前記個体から1種以上の身体組織または体液を取得するステップと、ここで、前記身体組織または体液は、前記1種以上の標識および非標識のタンパク質またはペプチドを含む、(d)前記1タンパク質またはペプチドへの前記標識の取込みを測定するステップと、(e)前記1種以上のタンパク質またはペプチドのアイソトープ濃縮度値を計算するステップと、(f)前記アイソトープ濃縮度値に指数関数的崩壊相関(exponential decay relationship)を適用して、前記1種以上のタンパク質またはペプチドの分解速度を決定するステップと、により、個体中における1種以上のタンパク質またはペプチドの分解速度を決定する非連続的(discontinuous)標識化方法を包含する。
連続的および非連続的標識化方法の他の変形形態では、いずれの方法でも、標識は2Hである。
他の変形形態では、連続的および非連続的標識化方法は、いずれも、場合により、測定ステップの前に身体組織または体液に由来する1種以上のタンパク質またはペプチドを部分的に精製することを含む。部分精製は、1種以上のタンパク質またはペプチドのうちの1種を単離することをさらに含んでいてもよい。
他の変形形態では、本方法は、質量分析法または液体シンチレーション計数法により1種以上のタンパク質またはペプチドを検出することを含んでいてもよい。本方法はまた、場合により、質量分析法だけで行うことも可能である。さらなる変形形態では、本方法は、液体シンチレーション計数法だけで行うことも可能である。
さらなる変形形態では、両方法に係る標識水は、場合により、経口投与することが可能である。
他の変形形態では、測定されるタンパク質またはペプチドとしては、骨コラーゲン、肝臓コラーゲン、肺コラーゲン、心臓コラーゲン、筋肉ミオシン、血清ホルモン、血漿アポリポタンパク質、血清アルブミン、凝固因子、免疫グロブリン、およびミトコンドリアタンパク質の全長タンパク質またはペプチド断片が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
さらなる変形形態では、両方法は、アイソトープ取込みを測定する前に、1種以上のタンパク質またはペプチドを加水分解して、アミノ酸および/または場合によりオリゴタンパク質を生成させることをさらに含んでいてもよい。アミノ酸またはオリゴペプチドは、場合により、ガスクロマトグラフィーまたはHPLCにより分離することが可能である。ガスクロマトグラフまたはHPLCは、質量分析計に連結させてもよいし、連結させなくてもよい。
他の変形形態では、いずれの方法においても、個体はヒトである。
このほかの変形形態では、生合成速度または分解速度の測定方法を用いて、疾患、障害、および処置レジメンの診断、予後判定、または監視を行うことが可能である。一変形形態では、骨コラーゲンの生合成速度または分解速度を決定することにより、骨粗鬆症のリスクを同定することが可能である。他の変形形態では、骨コラーゲンの生合成速度または分解速度を決定することにより、ホルモン補充療法に対する応答を確認することが可能である。他の変形形態では、アポリポタンパク質Bの生合成速度または分解速度を決定することにより、脂質低下剤による処置に対する応答を確認することが可能である。さらなる変形形態では、1種以上の筋肉タンパク質の生合成速度または分解速度を決定することにより、運動トレーニングレジメンまたは医学的リハビリテーションレジメンに対する応答を確認することが可能である。このほかのさらなる変形形態では、生合成速度または分解速度を決定して、組織におけるタンパク質合成速度:DNA合成速度の比を求めることにより、肥大対過形成指数(index of hypertrophy versus hyperplasia)を決定することが可能である。さらなる変形形態では、1種以上の免疫グロブリンの生合成速度 分解速度を決定することにより、ワクチン接種後または感染暴露後に個体中における特定の免疫グロブリンの存在または力価を確認することが可能である。
さらに他の変形形態では、個体中における1種以上のタンパク質またはペプチドの生合成速度または分解速度を決定するためのキットが提供される。キットは、標識水と、キットを使用するための取扱い説明書と、を備えうる。キットは、場合により、尿、骨、または筋肉からタンパク質を単離するための化合物と、さらには標識水を投与するためのツールと、を備えうる。キットは、このほかに、被験体からサンプルを採取するための1つ以上の器具を備えうる。市販のアッセイキットおよび試薬の利用手順については、別段の記載がないかぎり、典型的には、製造業者により決められたプロトコールに従った手順を用いるものとする。
発明の詳細な説明
標識水(2H2O、3H2O、またはH2 180)の摂取に基づいてタンパク質の合成速度および分解速度を測定する方法について本明細書に記載する。医学的診断および生物学的分析の分野における多くの用途について論述する。
I. 一般的方法
そのような技術については、分子クローニング:実験室マニュアル第二版(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, second edition) (Sambrook et al., 1989) Cold Spring Harbor Press; オリゴヌクレオチド合成(Oligonucleotide Synthesis) (M.J. Gait, ed., 1984); 分子生物学の方法(Methods in Molecular Biology), Humana Press; 細胞生物学:実験室ノートCell Biology: A Laboratory Notebook (J.E. Cellis, ed., 1998) Academic Press; 動物細胞培養(Animal Cell Culture) (R.I. Freshney, ed., 1987); 細胞および組織培養入門(Introduction to Cell and Tissue Culture) ( J.P. Mather and P.E. Roberts, 1998) Plenum Press; 細胞および組織培養:実験室手順(Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures) (A. Doyle, J.B. Griffiths, and D.G. Newell, eds., 1993-8) J. Wiley and Sons; Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.); 実験免疫学便覧(Handbook of Experimental Immunology) (D.M. Weir and C.C. Blackwell, eds.); 哺乳動物細胞用の遺伝子移入ベクター(Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells) (J.M. Miller and M.P. Calos, eds., 1987); 分子生物学の現用プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology) (F.M. Ausubel et al., eds., 1987); PCR:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR: The Polymerase Chain Reaction), (Mullis et al., eds., 1994); 免疫学の現用プロトコール(Current Protocols in Immunology) (J.E. Coligan et al., eds., 1991); 分子生物学の簡易プロトコール(Short Protocols in Molecular Biology) (Wiley and Sons, 1999); ならびに8年間の質量アイソトポマー分布の分析:理論的、分析的、および実験的考察(Mass isotopomer distribution analysis at eight years: theoretical, analytic and experimental considerations), HellersteinおよびNeese著 (Am J Physiol 276 (Endocrinol Metab. 39) E1146-E1162, 1999)のような文献中で十分に説明されている。さらに、市販のアッセイキットおよび試薬の利用手順については、別段の記載がないかぎり、典型的には、製造業者により規定されたプロトコールに従った手順を用いるものとする。
II. 定義
別段の定義がないかぎり、本明細書中で使用される技術用語、表記、および他の科学用語は、すべて、本発明の関連する技術分野の当業者により一般に理解される意味を有するものとする。いくつかの場合には、明確にするためにおよび/またはすぐ参照できるように、一般に理解される意味を有する用語の定義を本明細書中に与えてあるが、そのような定義が本明細書中に含まれていたとしても、必ずしも、当技術分野で一般に理解される定義と実質的に異なっているとみなすべきものであるとは限らない。本明細書中で説明または参照されている一般的な技術および手順は、一般によく理解されており、当業者により従来の方法を用いて広く利用されている。たとえば、8年間の質量アイソトポマー分布の分析:理論的、分析的、および実験的考察(Mass isotopomer distribution analysis at eight years: theoretical, analytic and experimental considerations), HellersteinおよびNeese著 (Am J Physiol 276 (Endocrinol Metab. 39) E1146-E1162, 1999)を参照されたい。必要に応じて、市販のキットおよび試薬の使用を伴う手順は、別段の記載がないかぎり、一般的には、製造業者により規定されたプロトコールおよび/またはパラメーターに従って行う。
「アイソトープ(同位体)」とは、陽子数は同じであるが、つまり元素は同じであるが、中性子数は異なる原子を意味する(たとえば、水素(H)と重水素(D))。
「アイソトポマー」とは、アイソトープ異性体、すなわち、CH3NH2、CH3NHD、およびCH2DNH2の場合のように、同一の元素組成を有するがアイソトープ置換により構造異性および/または立体化学異性である種を意味する。
「アイソトポローグ(isotopologue)」とは、アイソトープ同族体、すなわち、同一の元素組成および化学組成を有するがアイソトープの含有率が異なる分子種(たとえば、上記の例のCH3NH2とCH3NHD)を意味する。アイソトポローグは、アイソトープ組成により定義されるので、各アイソトポローグは、ユニークで精密質量を有するが、ユニークな構造を有していないこともある。アイソトポローグは、分子上のアイソトープの位置が異なるアイソトープ異性体(アイソトポマー)のファミリーで普通は構成される(たとえば、CH3NHDとCH2DNH2は同一のアイソトポローグであるが、異なるアイソトポマーである)。
「質量アイソトポマー」とは、アイソトープ組成ではなく公称質量に基づいてグループ化されるアイソトープ異性体のファミリーを意味する。質量アイソトポマーは、アイソトポローグとは異なり、異なるアイソトープ組成の分子を含むこともある(たとえば、CH3NHD、13CH3NH2、CH3 15NH2は、同一の質量アイソトポマーの一部であるが、異なるアイソトポローグである)。操作の観点からみれば、質量アイソトポマーは、質量分析計により分割されないアイソトポローグのファミリーである。四極子質量分析計の場合、このことは、典型的には、質量アイソトポマーが、公称質量を共有するアイソトポローグのファミリーであることを意味する。たとえば、アイソトポローグCH3NH2およびCH3NHDは、公称質量が異なり、異なる質量アイソトポマーとして識別されるが、アイソトポローグCH3NHD、CH2DNH213CH3NH2、およびCH3 15NH2は、すべて、同一の公称質量であるので、同一の質量アイソトポマーである。したがって、各質量アイソトポマーは、典型的には、2つ以上のアイソトポローグから構成され、2つ以上の精密質量を有する。すべての個別のアイソトポローグが四極子質量分析計を用いて分割されるとは限らず、より高い質量分解能を呈する質量分析計を用いたときでさえも分割されないこともあるので、アイソトポローグと質量アイソトポマーとを区別することは、実際上有用である。そのため、質量分析データからの計算は、アイソトポローグではなく質量アイソトポマーの存在度に基づいて行われなければならない。最低質量の質量アイソトポマーはM0で表され、ほとんどの有機分子では、これは、12C、1H、16O、14Nなどをすべて含有する種である。他の質量アイソトポマーは、M0との質量差により識別される(M1、M2など)。所与の質量アイソトポマーに対して、分子内のアイソトープの部位または位置は規定されず、異なっていることもある(すなわち、「位置アイソトポマー」は識別されない)。
「質量アイソトポマーパターン」とは、分子の質量アイソトポマーの存在度のヒストグラムを意味する。伝統的には、パターンは、最も豊富な質量アイソトポマーの存在度に対してすべての存在度を規格化して相対存在度パーセントとして表され、最も豊富なアイソトポマーは、100%であると言われている。しかしながら、確率分析を必要とする用途に好ましい形態は、割合すなわち存在比率であり、この場合には、それぞれの種が全存在度に寄付する比率が使用される(以下を参照されたい)。アイソトープパターンという用語が質量アイソトポマーパターンの代わりにときどき使用されるが、技術的には、前者の用語は、元素のアイソトープの存在度パターンにのみ適用される。
「生体水濃縮度(body water enrichment)」とは、標識水を投与したときに標識された全生体水に対するパーセントを意味する。
「モノマー」とは、ポリマーの合成時に結合され、ポリマー中に2回以上現れる化学単位を意味する。
「ポリマー」とは、モノマーから合成された分子を意味し、2以上のモノマー繰り返し単位を含む。
「個体」とは、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトである。哺乳動物としては、ヒト、家畜、競技用動物、愛玩動物、霊長類、マウス、およびラットが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
「生物学的サンプル」には、個体から取得されるさまざまなサンプルタイプが包含される。この定義には、血液、および侵襲性を最小限に抑えた方法または非侵襲的方法(たとえば、尿採取、採血、針吸引、およびリスク、不快感、または労力を最小限に抑えた他の手順)によりサンプリングして個体から取得可能である生物学的起源をもつ他の液体サンプルが包含される。この定義にはまた、調達後に試薬処理、可溶化、または濃縮などによりタンパク質またはポリヌクレオチドのような特定の成分に対してなんらかの操作が加えられたサンプルも包含される。「生物学的サンプル」という用語にはまた、血清、血漿、他の生体液、または組織サンプルのような臨床サンプルが包含され、さらに、培養下の細胞、細胞上清、および細胞溶解物も包含される。
「生体液」には、尿、血液、間質液、浮腫液、唾液、涙液、炎症性滲出液、滑液、膿瘍液、膿胸液、もしくは他の感染液、脳脊髄液、汗、肺分泌物(痰)、精液、糞便、胆汁、腸分泌物、または他の体液が包含されるが、これらに限定されるものではない。
「標識水」には、水素または酸素のいずれかの特定の重アイソトープで標識された水が包含される。標識水の特定例としては、2H2O、3H2O、およびH2 18Oが挙げられる。
「部分精製」とは、他の類似の化合物の混合物の1つ以上の成分を除去する方法を意味する。たとえば、「1種以上のタンパク質またはペプチドの部分精製」とは、1種以上のタンパク質またはペプチドの混合物から1種以上のタンパク質またはペプチドを除去することを意味する。
「単離」とは、化合物の混合物から1種の化合物を分離することを意味する。たとえば、「1種以上のタンパク質またはペプチドの単離」とは、1種以上のタンパク質またはペプチドの混合物から1つの特定のタンパク質またはペプチドを分離することを意味する。
III. 本発明の方法
本発明は、生体系における長寿命タンパク質などのタンパク質の合成速度を測定する一般的方法を提供する。この技術は、後でタンパク質中に取り込まれる遊離アミノ酸の安定な共有結合に水(2H2O、3H2O、またはH2 18Oが)の標識水素原子または標識酸素原子を交換により導入することに基づいている。
標識された水およびタンパク質合成には、こうしたユニークな特徴があるため、静脈内注入、医療管理、特別な取扱いの必要性、滅菌上の問題、複雑な指示、放射線暴露、または高いコストを伴うことなく、タンパク質合成またはタンパク質分解を測定する長期連続的標識投与(前駆体-産物)法の多くの技術的利点を利用することができる。本方法は、安定な生体水濃縮度を数週間または数ヶ月にわたって容易に保持することができるので、とくに、生体中における代謝回転の遅い(寿命の長い)タンパク質に適用可能である。
A. 標識水の投与
(i) 2 Hまたは 3 H-標識水の取込みに関する理論
2H2Oまたは3H2Oの取込みを裏づける理論は以下のとおりである。
(1) H2Oの利用可能性は、おそらく、決して、細胞中における生合成反応に限定されるものではないが(なぜなら、H2Oは、細胞の内容物の70%近くを占める(すなわち、モル濃度が35を超える)からである)、H2Oの水素原子は、次の生合成経路に関与する多くの反応に化学量論的に寄与する。
Figure 2005515452
その結果、Hの標識された水の形態で提供された標識は、合成経路の一部分として生体分子中に取り込まれる。水素の取込みは、2つの方法で、すなわち、分子中の活性位置に取り込む方法(すなわち、迅速に交換できるので、酵素触媒反応を必要としない)または安定位置に取り込む方法(すなわち、迅速に交換できないので、酵素触媒作用を必要とする)で、行うことができる。
(2) 細胞水から生体分子中のC-H結合への水素取込みステップのいくつかは、生合成反応シーケンス中の明確に規定された酵素触媒ステップでのみ行われ、成熟最終生成物分子中に存在するようになった後では活性(組織中の溶媒水と交換可能)でない。たとえば、グルコースのC-H結合は、溶解状態で交換可能ではない。これに対して、次の各C-H位置、すなわち、クレブズ回路のオキサロ酢酸/コハク酸シーケンスおよび乳酸/ピルビン酸反応におけるC-1およびC-6;グルコース-6-リン酸/フルクトース-6-リン酸反応におけるC-2;グリセルアルデヒド-3-リン酸/ジヒドロキシアセトン-リン酸反応におけるC-3およびC-4;3-ホスホグリセリン酸/グリセルアルデヒド-3-リン酸反応およびグルコース-6-リン酸/フルクトース-6-リン酸反応におけるC-5(Katz 1976)は、特定の酵素反応の逆反応時に生体水と交換可能である。
したがって、分子の特定の非活性位置に共有結合で取り込まれた水(2H2Oまたは3H2O)の標識された水素原子は、分子の「生合成履歴」を示す。すなわち、標識取込みは、2H2Oまたは3H2Oが細胞水中に存在していたときに分子が合成されたこと意味する。
(3) これらの生体分子中の活性水素(非共有結合で会合しているかまたは交換可能な共有結合で存在している)は、分子の生合成履歴を示さない。しかしながら、以下のように、活性水素原子は、標識化されていない水(H2O)と共にインキュベートすることにより(すなわち、2Hまたは3Hが最初に取り込まれたときと同一の非酵素的交換反応の逆反応により)、容易に除去することができる。
Figure 2005515452
その結果、生合成履歴を反映しないが非合成的交換反応により取り込まれる汚染物質と考えられる2Hまたは3H標識は、実際には、天然存在度のH2Oと共にインキュベートすることにより、容易に除去することができる。
(4) 生体分子中への標識された水素原子の取込みを定量的に測定するために、分析的方法(たとえば、3Hに対する液体シンチレーション計数法; 2Hに対する質量分析法またはNMR分光法)が利用可能である。標識水の取込みの理論に関するさらなる考察については、たとえば、Jungas 1968を参照されたい。
(ii) 標識水からアミノ酸へのアイソトープの取込み
a) 水素アイソトープ( 2 H 2 Oおよび 3 H 2 O)
2H2Oからタンパク質合成を測定するのに最も有用なC-H結合の水素原子は、アミノ酸の水素原子である。なぜなら、ペプチドおよびタンパク質のO-HおよびN-H結合は、水溶液状態で活性であるからである。したがって、交換による2H2OからO-HまたはN-H結合への2H標識の導入は、先に述べたように、遊離アミノ酸からのタンパク質の合成を伴わずに起こる。C-H結合は、特定の酵素触媒中間代謝反応時に交換により2H2Oから遊離アミノ酸に導入される(図2)。したがって、2H2O投与後にタンパク質結合アミノ酸のC-H結合に2H標識が存在すれば、2H2O暴露時に遊離形で存在していたアミノ酸からタンパク質が新たにアセンブリーされたことを意味する。すなわち、タンパク質が新たに合成されたことを意味する。分析するうえで、使用するアミノ酸誘導体は、C-H結合がすべて含まれなければならないが、汚染物質と考えられるN-HおよびO-H結合がすべて除去されなければならない。
答える必要のある重要な質問は、生体水中の2H2Oへの暴露時における遊離アミノ酸(より特定的にはtRNA-AA)のC-H結合に存在する標識化の度合である。各NEAA中のC-H結合の合計数は既知である。たとえば、アラニンでは4個、グリシンでは2個である(図2)。
生体水から水素原子を遊離アミノ酸に取り込むことが可能である。標識水の2Hまたは3Hは、中間代謝反応により細胞中の遊離アミノ酸中に入ることはできるが、2Hまたは3Hは、ペプチド結合中に存在するアミノ酸またはトランスファーRNAに結合されているアミノ酸中に入ることはできない。遊離必須アミノ酸は、迅速可逆性アミノ基転移反応により、生体水から単一の水素原子をα-炭素C-H結合に取り込むことが可能である(図2)。遊離非必須アミノ酸は、もちろん、より多くの代謝交換可能なC-H結合を含有しているので、新たに合成され蛋白質中の2H2O由来の分子1個あたり、より高いI.E.(アイソトープ濃縮度)値を呈することが予想される(図2A〜B)。
当業者であれば、標識された水素原子が他の生化学的経路を介して生体水から他のアミノ酸に取り込まれうることはわかるであろう。たとえば、クエン酸回路の前駆体α-ケトグルタル酸の合成を介して水から水素原子がグルタミン酸中に取り込まれうることは当技術分野で公知である。グルタミン酸はさらに、グルタミン、プロリン、およびアルギニンに対する生化学的前駆体であることも公知である。他のアミノ酸合成経路は、当業者に公知である。
b) 酸素アイソトープ(H 2 18 O)
酸素原子もまた、酵素触媒反応によりアミノ酸中に取り込まれうる。たとえば、アミノ酸のカルボン酸部分への交換による酸素導入が、酵素触媒反応時に起こる可能性がある。アミノ酸中への標識酸素の取込みは、図2Cに示されるように、当業者に公知である。
B. タンパク質の生合成速度および分解速度の決定
タンパク質の生合成速度および分解速度は、本発明に係る技術を用いる2つの一般的方法、すなわち、標識水の連続的投与または標識水の非連続的投与、により決定することができる。標識水の連続的投与では、次のような汎用的ステップに準拠しうる。(a)個体を経時的に比較的一定した水濃縮度に保持するのに十分な時間にわたり、標識水を個体に投与するステップ、ここで、水は、2H、3H、および18Oのような1種以上のアイソトープで標識化されている;(b)前記個体から1種以上の身体組織または体液を取得するステップ;(c)前記1種以上のタンパク質またはペプチドへの前記1種以上のアイソトープの取込みを測定するステップ;(d)前記1種以上のタンパク質またはペプチドのアイソトープ濃縮度値を計算するステップ;および(e)前記アイソトープ濃縮度値に前駆体-産物相関を適用して、前記1種以上のタンパク質またはペプチドの生合成速度を決定するステップ。場合により、タンパク質またはペプチドを部分精製するか、または採取した生物学的サンプルサンプルから完全に単離することも可能である。さらに、タンパク質またはペプチドの成分アミノ酸を単離して分析することも可能である。
標識水の非連続的投与では、次のような汎用的ステップに準拠しうる。(a)標識水を個体に投与するステップ、ここで、水は、2H、3H、および18Oのような1種以上のアイソトープで標識化されている;(b) 前記投与ステップ(a)を中断するステップ;(c)前記個体から1種以上の身体組織または体液を取得するステップ;(d)前記1種以上のタンパク質またはペプチドへの前記1種以上のアイソトープの取込みを測定するステップ;(e)前記1種以上のタンパク質またはペプチドのアイソトープ濃縮度値を計算するステップ;および(f)前記アイソトープ濃縮度値に指数関数的崩壊相関を適用して、前記1種以上のタンパク質またはペプチドの分解速度を決定するステップ。場合により、タンパク質またはペプチドを部分精製するかまたはサンプルから単離することも可能である。さらに、タンパク質またはペプチドの成分アミノ酸を単離して分析することも可能である。
指定されたとおりの順序で上記のステップを行う必要がないことに留意されたい。たとえば、アイソトープ濃縮度値は、身体組織を単離する前に、またはタンパク質もしくはペプチド中へのアイソトープ取込みを測定する前に、計算することも可能である。
(i) 個体への標識水の投与
いずれの方法においても、標識水(とくに、2H2O、3H2O、またはH2 18O)は、市販品として容易に可能である。2H2Oは、Cambridge Isotope Labs (Andover, MA)から購入可能である。3H2Oは、たとえば、New England Nuclear, Inc.から購入可能である。化学物質および酵素は、Sigma, Inc. (St. Louis, MO)から購入可能である。一般的には、2H2Oは非放射性であるので、放射性3H2Oよりも毒性上の問題は少ない。3H2Oを利用する場合、当業者に公知である無毒の量を投与する。
本発明に係る技術を用いることにより、2H2Oの比較的高い生体水濃縮度(たとえば、全生体水の1〜5%が標識化される)を達成した。これらのレベルは、ヒトおよび実験動物において毒性をなんら呈することなく数週間または数ヶ月間にわたり保持されるので、この水濃縮度は比較的一定していて安定である(図3および9〜10を参照されたい)。多くのヒト被験者(>100人)で得られたこの知見は、高用量の2H2Oでは前庭毒性の心配があるというこれまでの知見とは逆である。出願人は、生体水濃縮度の急速な変化が防止されるかぎり(たとえば、小用量ずつに小分けして初期投与することにより)、毒性を伴うことなく2H2Oの高い生体水濃縮度を保持することができることを見いだした。これまで、他の目的で(たとえば、脂肪酸もしくはコレステロールの合成または糖新生を測定する目的で) 2H2Oをヒトに投与する場合、典型的には、より低い用量が用いられ、より低い水濃縮度が達成された。市販の2H2Oは低価格であるため、比較的少ない出費で1〜5%の範囲の濃縮度を長期間保持することが可能である(たとえば、10%の遊離ロイシン濃縮度で2H-ロイシンの標識化を12時間行って、その期間にわたりロイシン前駆体プールを7〜8%の濃縮度にするときよりも、2% の2H2O濃縮度で標識化を2ヶ月間行って、アラニン前駆体プールを7〜8%の濃縮度にするとき(図2A〜B)のほうが、低コストである)。
H2 18Oを投与した場合、比較的高くかつ比較的一定した生体水濃縮度を達成することが可能である。なぜなら、18Oアイソトープは毒性がなく、その結果として、有意な健康リスクを示さないからである(図2C)。
標識水の投与は、種々の方法で達成することができる。連続的標識化方法では、最大のアイソトーププラトー値すなわちアイソトープ濃縮度に近づくように十分な量の標識水を投与する(すなわち、標識水の濃度は、経時的に比較的一定している)。たとえば、*H濃縮度対時間を示す図4を参照されたい。連続的標識化時間をタンパク質の半減期の4〜5倍に保持することができるならば、到達する漸近線およびこの漸近線に近づくI.E.曲線の形状から、「真の前駆体」アイソトープ濃縮度[3]およびタンパク質産物の補充比率速度が明らかになるであろう(図1)。安定な前駆体プール濃縮度を保持しながらプラトーまで標識化することにより、細胞アミノ酸プールの生物学的複雑性を克服することが可能である。
一実施形態では、個体中で比較的一定した濃縮度が達成されるように、2H2Oのような標識水を間欠的に経口摂取する(たとえば、口から飲むことにより)。他の実施形態では、個体中で比較的一定した水濃縮度が達成されるように、標識水を静脈内投与する。この投与方法を用いれば、頻繁な経口投与が回避される。他の実施形態では、標識水の暴露時間は、その漸近値に近づくタンパク質中への完全なアイソトープ取込み曲線を特性づけるのに十分な時間であるか、または完全にまたはほぼ完全に代謝回転した異なるタンパク質中への完全なアイソトープ取込み曲線を特性づけるのに十分な時間である。少量の2H2Oを毎日1回投与すれば(3〜6オンス/日)、ヒトの生体水をきわめて一定したレベルの2H2O濃縮度に保持することが可能であり(図3)、飲料水で投与すれば、数ヶ月間以上の長期間にわたり動物において一定のレベルを得ることが可能である(図4)。この安定性は、動物中の任意の他の生合成前駆体と比較して生体水プールの代謝回転が比類まれに遅いことに基づく(たとえば、半減期は、2H-グルコースでは20分間、2H-ロイシンでは<30分であるのに対して、2H2Oでは10〜14日間である)。
非連続的標識化方法では、ある量の標識水を計量して1回以上投与し、次に、標識水への暴露を中断して、標識水を生体水プールからウォッシュアウトさせる。次に、タンパク質分解の時間的経過をモニターすることが可能である。
(ii) 前記個体からの1種以上の身体組織または体液の取得
連続的標識化方法および非連続的標識化方法のいずれにおいても、個体の体液または組織から生物学的サンプルを取得する。生物学的サンプルを取得する特定の方法は、当技術分野で周知である。体液としては、尿、血液、血清、羊水、脊髄液、結膜液、唾液の液、経膣液、糞便、精液、および汗が挙げられるが、これらに限定されるものではない。体液は、当技術分野で公知の標準的医学的手順により単離することが可能である。
1種以上のタンパク質またはペプチドは、入手可能であり、場合により、当技術分野で公知の標準的生化学的方法を用いて、部分精製するかまたは生物学的サンプルから単離することが可能である。部分精製しうるまたは単離しうるタンパク質の例としては、骨コラーゲン、肝臓コラーゲン、肺コラーゲン、心臓コラーゲン、筋肉ミオシン、血清ホルモン、血漿アポリポタンパク質、血清アルブミン、凝固因子、免疫グロブリン、ミトコンドリアタンパク質が挙げられるが、これらに限定されるものではない。タンパク質のペプチド断片を取得することも可能である。生物学的サンプリングの頻度は、さまざまな因子に依存して変化しうる。そのような因子としては、1種以上のタンパク質またはペプチドの性質、サンプリングの容易さ、処置に対する応答をモニタリングするのであれば処置で使用する薬物の半減期が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
連続的標識化方法および非連続的標識化方法のいずれにおいても、1種以上のタンパク質および/またはペプチドはまた、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、高速液体クロマトグラフィー(FPLC)、ガスクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、および/または任意の他の分離方法をはじめとする従来の精製方法により、部分精製するかまたは場合により単離することが可能である。
連続的標識化方法および非連続的標識化方法のいずれにおいても、1種以上のタンパク質および/またはペプチドは、加水分解させて、より小さいオリゴペプチドまたはアミノ酸を生成させることが可能である。加水分解方法としては、化学的加水分解(たとえば、酸加水分解)および生化学的加水分解(たとえば、ペプチダーゼ分解)をはじめとする当技術分野で公知の任意の方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。加水分解は、タンパク質および/またはペプチドの精製および/または単離の前または後のいずれかで、行うことが可能である。オリゴペプチドおよびアミノ酸はまた、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、高速液体クロマトグラフィー(FPLC)、ガスクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、および/または化合物、タンパク質、ペプチド、もしくはアミノ酸を分離する任意の他の方法をはじめとする従来の分離方法により、部分精製するかまたは場合により単離することが可能である。
(iii) 1種以上のアイソトープの取込みの検出
連続的標識化方法および非連続的標識化方法のいずれにおいても、タンパク質、ペプチド、またはアミノ酸のアイソトープ濃縮度は、質量分析法、とくにガスクロマトグラフ質量分析法(GCMS)、核磁気共鳴法(NMR)、または液体シンチレーション計数法のような種々の方法により決定することができる。
タンパク質またはペプチド中への標識されたアイソトープの取込みは、直接測定することが可能である。他の選択肢として、標識されたアイソトープの取込みは、ペプチドおよびタンパク質の1種以上のオリゴペプチドまたはアミノ酸加水分解生成物中への標識されたアイソトープの取込みを測定することにより決定することも可能である。場合により、先に記載したように、任意の既知の分離方法により部分精製または単離のいずれかを行って、加水分解生成物を測定することも可能である。
a. 質量分析法
質量分析計は、サンプルの成分を高速移動するガス状イオンに変換し、それらの質量電荷比に基づいてそれらを分離する。したがって、イオンまたはイオンフィラメントのアイソトープまたはアイソトポローグの分布を用いて、1種以上のタンパク質、ペプチド、またはアミノ酸のアイソトープ濃縮度を測定することが可能である。
一般的には、質量分析計は、イオン化手段および質量アナライザーを備える。いくつかの異なるタイプの質量アナライザーが、当技術分野で公知である。これらとしては、扇形磁場アナライザー、静電アナライザー、四極子型、イオントラップ型、飛行時間型質量アナライザー、およびフーリエ変換アナライザーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。このほか、2つ以上の質量アナライザーを結合して(MS/MS)、最初に、前駆体イオンを分離し、次に、気相フラグメントイオンを分離し、測定することも可能である。
質量分析計は、いくつかの異なるイオン化方法を用いるものであってもよい。これらはとしては、電子衝撃、化学イオン化、および電界イオン化のような気相イオン化源、ならびに電界脱離、高速原子衝撃、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化、および表面増強レーザー脱離/イオン化のような脱離源が挙げられるが、これらに限定されるものではない。このほか、質量分析計は、ガスクロマトグラフィー(GC)および高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)のような分離手段に結合させることも可能である。ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)では、場合によりジェットセパレーターを使用して、ガスクロマトグラフからのキャピラリーカラムを質量分析計に直接結合させる。そのような用途では、ガスクロマトグラフィー(GC)カラムによりサンプルガス混合物からサンプル成分を分離し、分離された成分をイオン化させ、質量分析計で化学分析する。
アミノ酸のような有機分子の質量アイソトポマー存在度を測定するためにGC/MSを使用する場合、水素で標識されたアイソトープの取込みは3〜7倍に増幅される。これは、アミノ酸の各標識化位置の水素標識化がほぼ線形の相加効果を示すからである(図2)。この発見の結果として、水素標識化の感度および効率は、特定的に標識されたアミノ酸の投与に匹敵するレベルに到達する。
一実施形態では、タンパク質またはペプチドの2H、3H、または18O濃縮度は、質量分析法により直接測定することが可能である。
他の実施形態では、タンパク質またはペプチドは、質量スペクトル分析の前に、部分精製するかまたは場合により単離することが可能である。さらに、ポリペプチドの成分アミノ酸を精製することも可能である。
他の実施形態では、タンパク質またはペプチドを加水分解させた後、タンパク質、ペプチド、アミノ酸の2H、3H、または18O濃縮度をガスクロマトグラフィー質量分析法により測定する。
上記の実施形態のいずれにおいても、標識された生体水の濃縮度が経時的にユニークな恒常性を示すので、タンパク質の合成速度は、標識された生体水の濃縮度値または真の前駆体プール濃縮度を示す完全に代謝回転したタンパク質の適合アミノ酸の漸近アイソトープ濃縮度のいずれかを用いて前駆体-産物相関を適用することにより計算することができる。他の選択肢として、指数関数的崩壊曲線を用いて分解速度を計算することも可能である。
b. 液体シンチレーション法
放射性アイソトープは、液体シンチレーションカウンタを用いて観測することが可能である。3Hのような放射性アイソトープは、液体シンチレーションディテクターにより検出される放射線を放出する。ディテクターは、放射線を増幅される電気信号に変換する。したがって、タンパク質、ペプチド、またはアミノ酸の放射性アイソトープ数を測定することが可能である。
一実施形態では、身体組織または体液中の3H濃縮度値は、液体シンチレーション法により直接測定することが可能である。
他の実施形態では、タンパク質またはペプチドまたは成分アミノ酸を部分精製するかまたは場合により単離してから、液体シンチレーション法により測定することが可能である。
他の実施形態では、タンパク質またはペプチドを加水分解させた後、タンパク質、ペプチド、アミノ酸の3H濃縮度を液体シンチレーション法により測定する。上記の実施形態のいずれにおいても、標識された生体水の濃縮度が経時的にユニークな恒常性を示すので、タンパク質の合成速度は、標識された生体水の濃縮度値または真の前駆体プール濃縮度を示す完全に代謝回転したタンパク質の適合アミノ酸の漸近アイソトープ濃縮度のいずれかを用いて前駆体-産物相関を適用することにより計算することができる。他の選択肢として、指数関数的崩壊曲線を用いて分解速度を計算することも可能である。
(iv) 生合成速度または分解速度の決定
a. MIDA: pが生体H 2 O濃縮度を表すものとして、既知のnのポリマーにおける質量アイソトポマー存在度とpとの関係を計算する
生合成速度および分解速度は、コンビナトリアル分析により、手計算により、またはアルゴリズムを介して、計算することが可能である。質量アイソトポマー分布分析(MIDA)コンビナトリアルアルゴリズムの変法については、当業者に公知のいくつかの異なる情報源に論述されている。とくに、MIDA計算方法は、米国特許第5,336,686号の目的である。この方法については、HellersteinおよびNeese(1999)、さらにはChinkesら(1996)、ならびにKelleherおよびMasterson(1992)によりさらに論述されている。
上記の引用文献に加えて、この方法を実行する計算ソフトウェアが、Marc Hellerstein教授(University of California, Berkeley)から公に入手可能である。
簡潔に述べると、代謝交換されたH原子(アミノ酸と細胞水との間)の数(n)の計算は、コンビナトリアル分析またはMIDAによる。簡潔に述べると、2H、3H、または18O(p)の前駆体プール濃縮度が既知であれば、二重標識されたアミノ酸分子と単一標識されたアミノ酸分子との相対比率からnが明らかになる。pが標識された生体水の濃縮度を表すと仮定すると、コンビナトリアル分析によりnを計算することができる。
質量アイソトポマーの存在比率は、天然存在度の分子が、パラメーターpにより特性づけられる標識されたモノマーのプールから新たに合成された分子と、混合された結果として生じる。このタイプの混合物は、新しい比率fおよびpにより完全に特性づけることができる。天然に存在するものと同一の存在比率を有するアイソトープを含む単一元素から合成され、いかなる他の分子とも混合されていない分子を用いる最も簡単な計算から始めて、アルゴリズムは、段階的に進行する。次に、天然の存在度ですべてのアイソトープを有する2種以上の元素を含有する分子に移り;次いで、異なる元素を含有する非高分子分子に移り、ただし、これらの元素のうちのいくつかは、そのアイソトープ組成が天然の存在度に拘束されないで変化しうる;その後、繰返し化学単位(モノマー)の組合せを含む高分子に移り、ただし、モノマーは、標識化されていないか(アイソトープの天然の存在度分布を含む)または標識化されている可能性があるか(変動を受けたアイソトープを有する元素群を含む)のいずれかである;最後に、天然の存在度のポリマーと、標識化されている可能性のあるポリマーと、の両方で構成された高分子の混合物に移る、ただし、後者は、天然の存在度の単位と、変動を受けたアイソトープを有する単位(isotopically-perturbed unit)と、の組合せを含有する。
最後に記した計算は、生体系に一般に存在する条件に対処するものであり、その計算時には、アイソトープ取込み実験の間に新たに合成されたポリマーが、既存の天然の存在度のポリマーと共に存在し、そして研究者は、合成速度または関連パラメーターを推測するために、存在するそれぞれの割合を決定することに関心を払う。
その計算は、加水分解前の全長タンパク質またはペプチドについて行うことが可能である。他の選択肢として、その計算は、加水分解後のタンパク質またはペプチドのアミノ酸加水分解生成物(たとえば、オリゴペプチドまたはアミノ酸)について行うことが可能である。
iv. b. 標識されたH原子の部分的交換を仮定して、既知のpにおける質量アイソトポマー存在度とnとの関係を求める計算を行う
他の選択肢として、各アミノ酸中の交換しうるすべてのH原子(たとえば、グリシンでは2個、アラニンでは4個、グルタミンでは5個である)が水と部分的に交換されると仮定して、全H原子プールのアイソトープ濃縮度(p)をMIDAにより計算することが可能である。
既知のnのポリマーにおける質量アイソトポマー存在度とpとの関係を示す表を生成する上記の(a)に開示されているアルゴリズムと同一のMIDAアルゴリズムを用いて、既知のpにおける質量アイソトポマー存在度とnとの関係を表すことができる。両方のタイプの表をグリシンおよびアラニンの場合について示す(表1A〜C)。
Figure 2005515452
Figure 2005515452
Figure 2005515452
計算は、各アミノ酸のN-アセチル、n-ブチルエステル誘導体に対するものである。実際には、これらのMIDA「トレーニング表」を用いて、測定された質量アイソトポマー比(たとえば、過剰M2: 過剰M1[EM2/EM1])を存在するnまたはpに変換し;次に、nまたはpのこの値を用いて、最も豊富な質量アイソトポマーで達成可能な標識漸近値(たとえば、A1 )を決定し、合成比率の計算を行うことができる。異なるモデルに対するサンプル計算(先に述べたとおり)を示す(表1)。
実験データのいくつかの例を、動物の骨コラーゲンのグリシンおよびアラニンの場合について示す(表2)。
Figure 2005515452
3週間の2H2O標識化後、アラニンEM1=0.0395およびEM2=0.0060。生体2H2O濃縮度は2.6%で安定していた。EM2/EM1比は0.1518であり、表1によれば、2H2O=2.6%のときのn=4と一致している(モデル1)。アラニンの最大のn(4)は、pに使用した生体2H2O濃縮度の測定値(2.6%)の100%に相当すると推定されるので、アラニン水素と生体2H2Oとの不完全な交換の別モデルと比較する必要はない(すなわち、交換は完全である)。骨コラーゲンの合成比率の計算値は、51.5%である。同一の動物のグリシンに対する結果では、EM2/EM1比は0.1078であり(EM2=0.002、EM1=0.024)、2H2O=2.42%のときのn=4と一致し(表1)、合成比率は52.8%であることが明らかになった。
iv. c. 方法(a)と方法(b)の比較
上記の(a)に開示されているモデルでは、Leeらの方法と同じように、活性交換H原子の推定数(たとえば、アラニンでは3/4)が生成される。上記の(b)に開示されているモデルでは、生体水と交換される各C-H位置の比率(たとえば、アラニンのすべてのHが75%交換される)が生成される。これらの2つのモデルは非常によく似た反応速度の計算値を生成することがわかる。次に、各アミノ酸(AA)における生体水と交換するC-H位置の計算値nに基づいて、各質量アイソトポマー中への最大取込み量すなわち標識取込み漸近値(Ax)を標準的MIDA式により計算する。この漸近値は、標識取込み曲線から合成比率を計算するための分母になる。次に、MIDAにより計算されたA x値の確認を、長期標識化プロトコールにより行うことができる。
iv. (d) 前駆体-産物相関の適用
次に、非連続的標識化方法では、アイソトープ濃縮度を漸近(すなわち、最大可能)濃縮度と比較し、タンパク質またはペプチドの反応速度パラメーター(たとえば、タンパク質生合成速度)を前駆体-産物方程式から計算する。非連続的標識化方法では、アイソトープ濃縮度の減少速度を計算し、タンパク質またはペプチドの反応速度パラメーターを指数関数的崩壊方程式から計算する。
タンパク質またはペプチドの合成比率速度すなわち補充速度(ks)は、以下の連続的標識化前駆体-産物式を適用することにより決定することが可能である。
Figure 2005515452
式中、Aは、存在する標識化条件下で可能なアミノ酸I.E.(アイソトープ濃縮度)の漸近値すなわちプラトー値を表し、AA(タンパク質)tは、時間tで測定されたタンパク質結合アミノ酸を表す。
他の選択肢として、1種以上のタンパク質またはペプチドのアイソトープ濃縮度値を個体中のいずれかの水濃縮度値と比較することにより、タンパク質またはペプチドの合成比率速度すなわち補充速度(ks)を決定することが可能である。分解試験では、以下の標準的な指数関数的崩壊方程式により、分解比率速度(kd)を計算した。
Figure 2005515452
式中、AA(タンパク質)0は、時間ゼロで測定されたタンパク質結合AAを表し、AA(タンパク質)tは、時間tで測定されたタンパク質結合AAを表す。
標識水からタンパク質を標識化する利点
長期間一定標識化水濃縮法を用いると、事実上、タンパク質合成を測定するうえで、これまで認識されていなかったいくつかの大きな実用的かつ技術的利点が得られる。この方法では、以下のようなその古典的漸近形式で、前駆体-産物法を用いることができるので、これらの利点が得られる(図1)。
SB(t) = SA(1-e-kt)
(1)一定した前駆体プール濃縮度が確実に保持されるので、産物プールのサンプリングをほんの1つ(または少数)の時間点で行うことが可能になる(図3および4)。
(2)「一定注入」法の一定前駆体プール濃縮度は、静脈内注入や頻繁な経口投与レジメンを必要とすることなく、しかも医療管理、複雑な指示、特別な冷凍または取扱い上の要求、無菌試験などを必要とすることなく達成される。実際上、毎日または数日ごとに数オンスの水を飲むという程度の容易で便利なヒト被験者用の長期標識化プロトコールは、かりにあるとしてもごくわずかであろう。この方法は容易に行えるため、大きな操作上の利点が得られる。
(3)標識水の投与はきわめて容易であり、医療管理や設備の必要はなく、しかも2H2O標識化は低コストで行えるため、非常に長期間の標識化プロトコール(すなわち、わずか数時間さらには数日間程度のプロトコールではなく、数週間または数ヶ月間にわたるプロトコール)が可能である。特定の標識されたアミノ酸前駆体を用いる他の同種の長期間標識化プロトコールは、実現の可能性がない。
(4)「連続的投与」前駆体-産物法のこの変法を用いて便利な非常に長期間の標識化プロトコールが利用できるので、骨コラーゲン(骨粗鬆症の重要な因子)、筋肉ミオシン(筋力およびリハビリテーション療法の重要な因子)、免疫グロブリン(体液性免疫の基本要素)などのような生体内の最も重要で最も興味深いタンパク質のいくつかを含めて非常に遅い代謝回転のタンパク質の試験が可能である。これらの試験は、標識されたアミノ酸のように急速に代謝回転する標識化前駆体分子を用いてヒトに適用した場合、実現可能性も利用可能性もないであろう。
(5)「連続的投与」前駆体-産物法を用いて長期間標識化プロトコールが利用できるので、プラトー値または標識化漸近値までの産物標識化曲線の完全な特性づけが可能であり、タンパク質生合成に関する他の標識取込み試験が抱える中心的な手法上の問題(真の前駆体プール濃縮度を推定するという問題(Waterlow 1979))を克服することができる。到達する実際の漸近値を記録することは、原理的には、真の前駆体プールの問題に対する最も厳密な解決策であり、この解決策は、標識化水投与法を用いれば利用可能になる(図2、3、および4)。
(6)コストは、特定のアミノ酸を用いる等価な長期間標識化よりも数桁少ない金額である。たとえば、約170ドルのコストで6週間与えられる1Lの2H2Oは、数千ドルのコストで6週間にわたって同一のアイソトープ濃縮度を達成する数kgの2Hまたは13C標識化アラニンまたはグリシンと等価である。
(7)標識水からアミノ酸への標識されたアイソトープ(たとえば、2H、3H、および18O)の取込みは、きわめて再現性が高い。たとえば、研究したNEAA(アラニンまたはグリシン)のC-H結合への2H2Oからの2Hの取込みは、きわめて再現性が高かった(表1)。水溶液中でのインキュベーションを必要とする誘導体化手順を、AAおよびタンパク質の単離手順と組み合わせれば、O-HおよびN-H結合に存在する活性水素が除去される。標識水の投与を長期間行えるので、NEAAのC-2および他の位置の両方に一貫性のある取込みを生じさせるのに十分な時間が確保できる。質量アイソトポマー分析により、アラニンおよびグリシンのようなNEAAのC-H位置でほぼ完全な交換が起こることを確認した。したがって、標識水の投与を行うと、本質的に、体外標識されたAAを連続的投与するときと同じように信頼性のある標識化が行われる。
(8)毒性も副作用も伴うことなくヒトでも齧歯動物でも1〜2%の生体水濃縮度を達成することが可能であり、可能性のある水素進入部位が複数存在することにより導入される増幅因子(図2)ならびに質量分析計の分析精度および感度と組み合わせれば、標識水を介するアミノ酸の標識化は、非効率的ではなく非常に効率的な方法になる。比較的低い生体水濃縮度(たとえば、0.25〜0.50%)においてさえも、標識取込み曲線を正確に特性づけることができる。増幅因子は、複数のC-H結合が標識化される可能性があることに起因するものであり、インタクトなAA分子の質量アイソトポマー分析にのみ適用される。すなわち、放射能測定法または燃焼/アイソトープ比法には適用されない。
(9)標識水の経口投与は容易に行えるので、静脈内注入、医療管理、滅菌上の問題、トレーサーの特別な取扱い、または複雑な指示の必要性が回避される。たとえ長寿命タンパク質であっても、現場研究の実施が可能である。
(10)代謝回転の遅い生体水プールが大量に存在するおかげで、標識された生体水の濃縮度は経時的に類まれな恒常性を示すので(図10)、立ち上がり対プラトー(rise-to-plateau)または前駆体-産物の相関を代謝回転の遅いタンパク質に適用するのに、この方法は理想的なものとなる。標識水の経口投与がきわめて容易であることと、標識水(たとえば、2H2O)が比較的低コストであることと、を組み合わせることにより、非常に代謝回転の遅いタンパク質をこの技術により研究することができる。骨コラーゲン合成(図13および14)および混合筋肉タンパク質合成(図15)に関する我々の測定は、この適用例である。
(11)標識水(とくに、2H2O)による連続的標識化は容易かつ低コストであり、対象となるほとんど任意のタンパク質の半減期の4〜5倍の時間にわたって一定した水標識化を実現することができるので、立ち上がり対プラトー法を十分に活用することができる。このことは、骨コラーゲン合成に関する試験から明らかである。tRNA-AAプール内の希釈率変動[1〜5]は、産物標識化曲線をそのプラトー値まで追跡することにより克服される(図1)。このことが可能であるおかげで、tRNA-AA(真の前駆体)濃縮度を推定するほとんどの他の試み(Waterlow、1978年)よりも優れた理論面での重要な利点が得られる。
IV. 使用方法
本明細書に開示されている方法を用いて、タンパク質の生合成速度または分解速度のようなタンパク質反応速度パラメーターを、個体中の任意のタンパク質について決定することができる。これらの速度は、診断および/またはモニタリング用途に適用することができる。この技術には多くの研究用途および臨床用途が考えられる。たとえば、筋肉または心臓ミオシン;骨、肝臓、肺または心臓コラーゲン;血清ホルモン;血漿アポリポタンパク質;血清アルブミン、凝固因子および他のタンパク質;免疫グロブリン;ミトコンドリアタンパク質のような医学的に重要なタンパク質の合成速度および代謝回転速度の決定が可能である。
他の用途としては、骨粗鬆症リスク指数としての骨コラーゲン合成の測定、ホルモン補充療法に対する応答をモニターするための骨コラーゲン合成の測定が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、いずれの測定も、標識水から骨コラーゲンのアミノ酸中へのアイソトープの取込みに基づく。組織コラーゲンの合成は、肝硬変、間質性肺疾患、鬱血性心不全、強皮症、炭鉱夫の肺炎(黒色肺)、腎繊維症、ならびに繊維形成および繊維分解を伴う他の疾患のような障害における繊維増殖速度の尺度として使用することができる。抗繊維化剤療法に対する応答は、組織コラーゲン合成の変化によりモニターすることができる。脂質低下剤で処置した後の患者の経過は、標識水からアポリポタンパク質Bのアラニンまたは他のアミノ酸中へのアイソトープの取込みに基づいてアポリポタンパク質B合成(たとえば、HMG-CoAリダクターゼ阻害剤)を測定することにより、モニターすることができる。運動トレーニングレジメンまたは医学的リハビリテーションレジメンに対する個体の応答は、標識水から筋肉タンパク質のアミノ酸中へのアイソトープの取込みに基づいて筋肉タンパク質の合成および分解の速度を測定することにより、モニターすることができる。肥大対過形成指数は、組織におけるタンパク質合成速度:DNA合成速度の比を測定することにより、決定することができる。ワクチン接種後または感染暴露後における特定の免疫グロブリンの存在および/または力価は、標識水から免疫グロブリン亜集団中へのアイソトープの取込みに基づいて特定の免疫グロブリンの合成速度を測定することにより、決定することができる。
他の態様において、本発明はタンパク質合成速度をin vivoで分析するためのキットを提供する。キットは、標識水(とくに、2H20、3H20、およびH2 180で標識された水またはそれらの組合せ)と、好ましい実施形態では、尿、骨、もしくは筋肉からタンパク質を単離するための当技術分野で公知の化合物および/または組織サンプルを取得するのに必要な化学物質と、コンビナトリアル分析用の自動計算ソフトウェアと、キットを使用するための取扱い説明書と、を備えうる。
場合により、水を投与するためのツール(たとえば、計量カップ、針、シリンジ、ピペット、IVチューブ)のような他のキット構成要素が備えられていてもよい。同様に、場合により、被験体からサンプルを取得するための器具(たとえば、試料カップ、針、シリンジ、および組織サンプリングデバイス)が備えられていてもよい。
V. 文献引用
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実施例1: ラットにおける 2 H 2 O標識化
Sprague-Dawleyラット(200〜250g, Simonsen Inc., Gilroy CA)およびC57Blk/6ksjマウス(10〜15g, Jackson Laboratories, Bar Harbor ME)を使用した。ラットは個別のかごに収容し、マウスは5匹ずつのグループで収容した。Purina(登録商標)齧歯動物用飼料を用いて、適宜、給餌を行った。すべての試験について、UC Berkeley Animal Care and Use Committeeから事前に認可を受けた。
2H2O標識化プロトコールは、約2.5%の生体水濃縮度(全生体水を体重の60%と仮定する)になるように99.9% 2H2Oの初期腹腔内(ip)注射を行うことと、続いて、飲料水として4% 2H2Oの投与を行うことと、からなるものであった。ラットの子宮内を標識化するために、雄および雌の成体ラットを交配させるべく一緒に収容した状態で(すなわち、妊娠前に)、4%飲料水の摂取を開始し、妊娠および分娩後の期間にわたって、4% 2H2O飲料水の摂取を継続させた。
生体2H2O濃縮の時間的経過を明らかにするために、いくつかの動物から長期的に尿を採取した。また、生体水およびタンパク質における標識消失をモニターするために、いくつかの動物で脱標識化プロトコールを実施した。8〜10週間にわたる2H2O標識化が終了した後、4% 2H2Oを標識化されていない飲料水と交換した。次に、生体水濃縮および筋肉タンパク質標識化の時間的経過を明らかにするために、ラットを毎週屠殺した。脱標識化の期間は、6週間であった。
(9)に記載されているように成体雌齧歯動物に卵巣切除術を施した。3週間かけて手術から回復させた後、皮下ペレット(200μg)によりラットにエストラジオールを与えるかまたはペレットを擬似配置した。ペレットを配置した時点で2H2O標識化を開始し、2週間継続させた時点で動物を屠殺して骨を採取した。
実施例2: ラット筋肉中への 2 H 2 Oの取込み
図7は、ラットの筋肉タンパク質から単離された所定のアミノ酸中への2H2Oの取込みの測定結果を示している。筋肉タンパク質を加水分解させて遊離アミノ酸にした後、ガスクロマトグラフィー-マススペクトロメトリー分析により、アミノ酸中の2Hの濃縮度を決定した。
実施例3: ラット骨コラーゲン中への 2 H 2 Oの取込み
図8は、ラットの骨コラーゲンから単離された所定のアミノ酸中への2H2Oの取込みの測定結果を示している。骨コラーゲンを加水分解させて遊離アミノ酸にした後、ガスクロマトグラフィー-マススペクトロメトリー分析により、アミノ酸中の2Hの濃縮度を決定した。コラーゲン代謝回転速度定数の計算値(k)は、グリシン(k=0.044d-1)、アラニン(k=0.041d-1)、またはプロリン(図示せず、k=0.038d-1)のときとほとんど同じであった。
10週間の2H2O投与期間にわたって1〜2週間ごとにラットを屠殺した。後部左大腿骨を採取し、切開して軟組織を除去した。鋭いカット表面を有する針を用いて、骨髄および海綿骨を除去した(ref: Bone 2000)。水で3回洗浄した後、Spexミルを用いて液体N2下で骨の破砕および粉砕を行い、クロロホルム:メタノール(1:1, v:v)で脱脂した。乾燥後、粉末状の骨を6N HCl(110℃、24時間)中で酸加水分解処理した。遊離AAをN2ガス下で乾燥させ、誘導体化し、ガスクロマトグラフィー/マススペクトロメトリー(GC/MS)による分析に供した。
実施例4: ヒト中への 2 H 2 Oの取込み
図9は、50〜100mlの2H2Oを10〜12週間にわたって毎日に飲んだヒト被験者の生体水中の2H2Oの濃縮度を示している。左、健常な被験者;右、HIV/AIDS患者。いずれの被験者でも、悪影響や毒性は観測されなかった。ガスクロマトグラフィー-マススペクトロメトリー法により、生体2H2O濃縮度を測定した。一定した水濃縮度レベルが各患者で経時的に観測された。
実施例5: ラットの生体水中への 2 H 2 Oの取込み
図10は、飲料水として4% 2H2Oが与えられたラットの生体水中の2H2Oの濃縮度を示している。動物は正常に成長し、毒性の徴候を示さなかった。GC/MSにより生体2H2O濃縮度を測定した。
成体マウスを飼育する中で、2H2Oから骨コラーゲンのAA中への2H取込みの時間的経過を測定した(図13)。試験したNEAAの立ち上がり対プラトー速度定数(ks)は、類似していた(たとえば、ks(アラニン)=0.178 wk-1、ks(グリシン)=0.163 wk-1)。
実施例6: ラットにおける非連続的 2 H 2 O投与
図11は、飲料水による2H2O投与を中断した後のラットおよびマウスの生体2H2Oからの2H2Oのウォッシュアウトを示している。2H2O投与を中止した後の標識崩壊曲線から反応速度情報を推測することもできる。生体水プールの代謝回転は比較的遅いので(図11)、2H2O投与を中断した10〜14日後まで真の標識希釈は開始されなかった(図15)。後続の消失曲線(たとえば、第3週〜第6週)からkdが明らかになる。速度定数の計算値は、標識取込み試験から得られた値に類似していた(たとえば、骨格筋タンパク質のアラニンではkd=0.19 wk-1、心筋タンパク質のアラニンではkd=0.37 wk-1、図15)。
実施例7: ラット筋肉での速度を測定するためのラットにおける非連続的 2 H 2 O投与
図12は、ラット筋肉タンパク質結合アミノ酸中の2H標識の消失曲線を示している(2H2O投与を中断した後)。8〜10週間にわたる2H2O投与(4%, 飲料水中)の期間およびそれに続く6週間にわたる脱標識化の期間(標識化されていない飲料水に切り換える)に、後肢筋肉(大腿四頭筋)および心臓から混合タンパク質を単離した。標識化および脱標識化の期間にラットを毎週屠殺し(n=3匹/グループ)、骨格筋および心臓を採取した。屠殺の時点で組織を液体N2中で凍結させた。別記されるように(10)、混合タンパク質を6N HCl中で加水分解して遊離アミノ酸にした。次に、アミノ酸を誘導体化してGC/MS分析に供した。
実施例8: GC/MSによる生体水の 2 H 2 O濃縮度の測定
我々が別記したGC/MS法により、生体水の2H2O濃縮度を測定した(Neese et al., Analytic Biochem 298(2):189-95, 2001)。簡潔に述べると、密封バイアル中で炭化カルシウムと反応させることにより、水(10μL)の水素原子をアセチレンに化学的に移動させた。次に、CCl4に溶解された0.5ml Br2(0.1mM)を含む他の密封バイアルに注入し、続いて残存するBr2をシクロヘキセンでクエンチングすることにより、アセチレンガスを誘導体化した。得られたテトラブロモエタンをCCl4に溶解させ、メタン化学イオン化(C.I.)と組み合わせた180℃のDB-225カラム(30m, J&W, Folsom, CA)を用いてGC/MSにより分析した。選択イオンモニタリングを用いて、m/z 265および266のイオンを分析した。これらのイオンは、C2H2Br3+フラグメントのM0およびM1質量アイソトポマーに相当する(79Br79Br81Brアイソトポローグ)。100% 2H2Oを標識化されていないH2Oと既知の割合で混合することにより作成した標準曲線と比較することによって、水サンプル中の2H2Oの濃縮度を計算した(Neese et al., Analytic Biochem 298(2):189-95, 2001)。
実施例9: GC/MSによるAAのアイソトープ存在度の測定
N-アセチル, n-ブチルエステル誘導体として、AAの質量アイソトポマー存在度を分析した。標識化されていない標準を用いて、個々のAAの保持時間を確定した。選択イオンモニタリングにより、各NEAAのM0〜M2イオンを分析した(表1)。カラムは、メタンC.I.と組み合わせた120〜220℃のDB225であった。アイソトープ存在度の正確な測定が行える範囲内に各NEAAの存在度を保持すべく、注入体積を調節した。
実施例10: AA中の交換C-H位置の数およびA 1 の決定
A x(連続的標識化プロトコールにおけるタンパク質結合AA中の特定の質量アイソトポマーの最大のアイソトープ濃縮度)を決定するために、2つの独立した方法(コンビナトリアル分析法(MIDA)および100%補充まで標識化する方法)を使用した。
過剰二重標識化AA分子(EM2):過剰単一標識化AA分子(EM1)の比は、コンビナトリアル確率の原理によれば、交換H原子のアイソトープ濃縮度(p)および活性交換H原子の数(n)を反映する。したがって、nを計算する手段として、種々の非必須AA中のEM2/EM1の比を測定した(表1および図2)。これらの実験の結果を表3に示す。
Figure 2005515452
骨コラーゲン、筋肉タンパク質、および子宮内標識化混合タンパク質の活性交換H位置のMIDA計算値は、類似しており、研究したすべての実験条件下において特定のNEAAでほぼ完全な交換が起こることが判明した(たとえば、計算値nはアラニンでは4、グリシンでは2である)。
子宮内において2H2Oで標識されたラット出生仔から単離された異なる組織中のタンパク質結合アラニンおよびグリシンについて、アイソトープ濃縮度を測定した(表4)。
Figure 2005515452
交換H原子の値としてアラニンではn=4を使用し、グリシンではn=2を使用したとき(すなわち、完全交換のとき)、各NEAAに入るH原子に対するpの計算値は、屠殺時おいて母親で測定された生体2H2O濃縮度に非常に近かった(計算値はアラニンでは2.49±0.20%であり、グリシンでは2.48±0.20%であった。これに対して、母親の血液で測定された2H2O濃縮度は2.4%であった)。これらのpおよびnの計算値に基づいて、これらの子宮内標識化動物では、平均タンパク質合成比率は、予想通り約100%であった(タンパク質結合グリシンでは99.8%、タンパク質結合アラニンでは106%)。
これらの結果から、コンビナトリアル計算ならびにpおよびnの計算の根底をなすモデルの妥当性が裏づけられる。
実施例11: 骨コラーゲンおよび混合筋肉タンパク質中における 2 H-AA標識化の時間的経過
成体マウスを飼育する中で、2H2Oから骨コラーゲンのアミノ酸中への2H取込みの時間的経過を測定した(図13)。試験したNEAAの立ち上がり対プラトー速度定数(ks)は、類似していた(たとえば、ks(アラニン)=0.178 wk-1、ks(グリシン)=0.163 wk-1)。
卵巣切除術の施された雌ラットにエストロゲンペレット(200μg)を投与したところ、骨コラーゲンのksが約35〜40%減少した。これに対して、卵巣切除術の施されたラットに賦形剤を埋植したときには、0.012から0.008d-1に変化した(図14)、骨格筋から単離された混合タンパク質中への2H取込みは、AAが異なっても一定していた。骨格筋に対するksの値は、0.21 wk-1(アラニン)および0.23 wk-1(グルタミン)であった。心臓の混合タンパク質の補充速度は、より速かった(たとえば、心筋タンパク質のアラニンではks=0.31 wk-1であった)。
実施例12: 2 H 2 Oを用いるin vitro試験
標識化されていないタンパク質(ヒト血清アルブミン)を、70% 2H2O中、室温で、24時間インキュベートし、続いて加水分解させて遊離AAにした後、いずれの誘導体化AAでも、2H取込みは観測されなかった。さらに、2H1で標識されたアラニン(炭素-2の位置の標識されたC-H結合)または2H2で標識されたグリシン(炭素-2の位置の標識されたC-H結合)を、タンパク質で使用した酸加水分解条件に付したとき、2H標識の損失は観測されなかった。
当然のことながら、本明細書に記載の実施例および実施形態は、単に例示を目的とするものであり、当業者であれば、それに照らして、その種々の修正形態または変更形態が考えられるであろうが、そうした修正形態または変更形態は、本願の精神および条項の範囲内に包含される。
図1は、模式的に記された立ち上がり対プラトー(rise-to-plateau)原理を示している。図1Aでは、標識(*)がプールA(前駆体プール)に入り、プールB(産物)がAから合成される。プールBの補充速度定数(k)は、立ち上がり対プラトー曲線(ここでは、k=0.1、0.5、および1.0 d-1のときの曲線)の形状により明らかになる。プールBで到達する標識化のプラトー値は、前駆体プールから誘導されるBの比率に依存するであろう。体内合成で50%(図1B)および100%(図1C)のBが誘導されるときの例を示す。 図2Aは、標識水から所定の遊離アミノ酸中に入る標識水素の交換経路を示している。2種のNEAA(アラニン、グリシン)および1種のEAA(ロイシン)を例として示す。アラニンおよびグリシンを図2Aに示す。略号:TA, トランスアミナーゼ;PEP-CK, ホスホエノールピルビン酸カルボキナーゼ(carbokinase);TCAC, トリカルボン酸回路;STHM, セリンテトラヒドロ葉酸メチルトランスフェラーゼ。 図2Bは、標識水から所定の遊離アミノ酸中に入る標識水素の交換経路を示している。2種のNEAA(アラニン、グリシン)および1種のEAA(ロイシン)を例として示す。ロイシンを図2Bに示す。略号:TA, トランスアミナーゼ;PEP-CK, ホスホエノールピルビン酸カルボキナーゼ(carbokinase);TCAC, トリカルボン酸回路;STHM, セリンテトラヒドロ葉酸メチルトランスフェラーゼ。 図2Cは、タンパク質合成に供される遊離アミノ酸のH2 18O標識化を示している。 図3は、タンパク質結合アミノ酸への水素で標識されたH2O(*H)の取込みから新たなタンパク質の合成を測定する概略モデルを示している。標識水素は、黒丸で表され、標識化されていない水素は、白丸で表されている。 図4Aは、水素で標識されたH2O(*H)がタンパク質結合アミノ酸に取り込まれる新たなタンパク質の合成の測定の概略モデルを示している。標識水素は、黒丸で表され、標識化されていない水素は、白丸で表されている。各区画(生体水、遊離アミノ酸、タンパク質結合アミノ酸)の標識化の予想される時間的経過を、挿入図(図4B)に示す。 図5は、水素で標識化(*H)されているかまたは酸素で標識化(*O)されているH2Oの取込みからタンパク質合成を測定する方法のフロー図を示している。 図6は、水素(*H)または酸素(*O)で標識されたH2Oのウォッシュアウト後におけるタンパク質結合アミノ酸中の標識水素の減少(希釈)速度からタンパク質合成を測定する方法のフロー図を示している。 図7は、ラットの筋肉および心臓タンパク質から単離されたアラニンおよびロイシンへの2H2Oの取込みの測定結果を示している。 図8は、ラットの骨コラーゲンから単離されたアラニンおよびロイシンへの2H2Oの取込みの測定結果を示している。 図9は、50〜100mlの2H2Oを10〜12週間にわたって毎日に飲んだヒト被験者の生体水中の2H2Oの濃縮度を示している。データからわかるように、生体水の前駆体プールは、いずれの被験者においても、数週間にわたって安定である。図9Aおよび9Cは、健常被験者から収集されたデータを示している。図9Bおよび9Dは、HIV/AIDS患者から収集されたデータを示している。 図10は、4%飲料水としてボーラスをベースラインプライミングした後における2.5〜3.0%の生体水濃縮度に保持されたラット中の生体2H2O濃縮度の時間的経過を示している。 図11Aは、飲料水による2H2O投与を中断した後におけるマウス中の生体2H2Oからの2H2Oのウォッシュアウトを示している。図11Bは、飲料水による2H2O投与を中断した後におけるラット中の生体2H2Oからの2H2Oのウォッシュアウトを示している。 図12Aは、ラット筋肉タンパク質結合アラニン中の2H標識の消失曲線を示している(2H2O投与を中断した後)。図12Bは、ラット筋肉タンパク質結合グルタミン中の2H標識の消失曲線を示している(2H2O投与を中断した後)。図12Cは、ラット筋肉タンパク質結合ロイシン/イソロイシン中の2H標識の消失曲線を示している(2H2O投与を中断した後)。図12Dは、ラット筋肉タンパク質結合プロリン中の2H標識の消失曲線を示している(2H2O投与を中断した後)。 図13Aは、成体雌ラットの骨コラーゲンから単離されたアラニン中への標識取込み曲線を示している。図13Bは、成体雌ラットの骨コラーゲンから単離されたグリシン中への標識取込み曲線を示している。骨コラーゲン合成の速度定数の計算値が示されている。 図14Aは、成体雌ラットの骨格筋タンパク質から単離されたアラニン中への標識取込み曲線を示している。タンパク質合成の速度定数の計算値が示されている。 図14Bは、成体雌ラットの骨格筋タンパク質から単離されたグルタミン中への標識取込み曲線を示している。タンパク質合成の速度定数の計算値が示されている。 図14Cは、成体雌ラットの心筋タンパク質から単離されたアラニン中への標識取込み曲線を示している。タンパク質合成の速度定数の計算値が示されている。 図15Aは、飲料水による2H2O摂取を中断した後におけるラットの骨格筋から単離されたアラニンの標識崩壊曲線を示している。図15Bは、飲料水による2H2O摂取を中断した後におけるラットの心筋から単離されたアラニンの標識崩壊曲線を示している。時間ゼロは、図11に示されるように、2H2Oの摂取を中断した2週間後である。

Claims (37)

  1. 個体中における1種以上のタンパク質またはペプチドの生合成速度を決定する方法であって、
    (a) 2H、3H、および18Oよりなる群から選択される標識で標識された水を、その標識水の標識が前記1種以上のタンパク質またはペプチドに取り込まれて標識および非標識のタンパク質またはペプチドを生成するのに十分な時間にわたって、個体に投与するステップと、
    (b)前記個体から、前記1種以上の標識および非標識のタンパク質またはペプチドを含む1種以上の身体組織または体液を取得するステップと、
    (c)前記1種以上の標識されたタンパク質またはペプチドへの前記標識の取込みを検出して、前記1種以上のタンパク質またはペプチドの生合成速度を決定するステップと、
    を含む、前記方法。
  2. 前記標識が2Hである、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(c)の前に、前記身体組織または体液に由来する前記1種以上の標識および非標識のタンパク質またはペプチドを部分的に精製する追加のステップを含む、請求項1に記載の方法。
  4. ステップ(c)が、前記1種以上の標識または非標識のタンパク質またはペプチドを質量分析法により検出することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. ステップ(c)が、前記1種以上の標識または非標識のタンパク質またはペプチドを液体シンチレーション計数法により検出することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記標識水が経口投与される、請求項1に記載の方法。
  7. ステップ(b)の後で、前記1種以上のタンパク質またはペプチドを加水分解して、加水分解されたアミノ酸および場合によりオリゴタンパク質を生成させる追加のステップを含む、請求項1に記載の方法。
  8. ステップ(c)が、前記アミノ酸またはオリゴペプチドへの前記標識の取込みを検出することを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記加水分解されたアミノ酸またはオリゴペプチドが、ガスクロマトグラフィーまたはHPLCにより分離される、請求項7に記載の方法。
  10. 前記個体がヒトである、請求項1に記載の方法。
  11. 個体中における1種以上のタンパク質またはペプチドの生合成速度を決定する方法であって、
    (a) 2H、3H、および18Oよりなる群から選択される標識で標識された水を、その標識水の標識が前記1種以上のタンパク質またはペプチドに取り込まれることにより標識および非標識のタンパク質またはペプチドを生成するのに十分な時間にわたって、個体に投与するステップと、
    (b)前記個体から、前記1種以上の標識および非標識のタンパク質またはペプチドを含む1種以上の身体組織または体液を取得するステップと、
    (c)前記1種以上の標識および非標識のタンパク質を加水分解して、1種以上の標識および非標識のアミノ酸を生成させるステップと、
    (d)前記1種以上の標識されたアミノ酸への前記1種以上のアイソトープの取込みを検出して、前記1種以上のタンパク質またはペプチドの生合成速度を決定するステップと、
    を含む、前記方法。
  12. 前記標識が2Hである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記加水分解されたアミノ酸またはオリゴペプチドが、ガスクロマトグラフィーまたはHPLCにより分離される、請求項11に記載の方法。
  14. 前記1種以上のタンパク質またはペプチドが、骨コラーゲン、肝臓コラーゲン、肺コラーゲン、心臓コラーゲン、筋肉ミオシン、血清ホルモン、血漿アポリポタンパク質、血清アルブミン、凝固因子、免疫グロブリン、およびミトコンドリアタンパク質の全長タンパク質またはペプチド断片よりなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  15. 前記個体がヒトである、請求項11に記載の方法。
  16. 個体中における1種以上のタンパク質またはペプチドの分解速度を決定する方法であって、
    (a) 2H、3H、および18Oよりなる群から選択される標識で標識された水を、その標識水の標識が前記1種以上のタンパク質またはペプチドに取り込まれて標識および非標識のタンパク質またはペプチドを生成するのに十分な時間にわたって、個体に投与するステップと、
    (b)前記投与ステップ(a)を中断するステップと、
    (c)前記個体から、前記1種以上の標識および非標識のタンパク質またはペプチドを含む1種以上の身体組織または体液を取得するステップと、
    (d)前記1種以上の標識されたアミノ酸への前記1種以上のアイソトープの取込みを検出して、前記1種以上のタンパク質またはペプチドの分解速度を決定するステップと、
    を含む、前記方法。
  17. 前記標識が2Hである、請求項16に記載の方法。
  18. ステップ(d)の前に前記身体組織または体液に由来する前記1種以上のタンパク質またはペプチドを部分的に精製する追加のステップを含む、請求項16に記載の方法。
  19. 前記1種以上のタンパク質またはペプチドが、質量分析法または液体シンチレーション計数法により検出される、請求項16に記載の方法。
  20. 前記標識水が経口投与される、請求項16に記載の方法。
  21. ステップ(b)の後で、前記1種以上のタンパク質またはペプチドを加水分解して、加水分解されたアミノ酸および場合によりオリゴタンパク質を生成させる追加のステップを含む、請求項16に記載の方法。
  22. 前記個体がヒトである、請求項16に記載の方法。
  23. 前記1種以上のタンパク質またはペプチドが、骨コラーゲン、肝臓コラーゲン、肺コラーゲン、心臓コラーゲン、筋肉ミオシン、血清ホルモン、血漿アポリポタンパク質、血清アルブミン、凝固因子、免疫グロブリン、およびミトコンドリアタンパク質の全長タンパク質または断片よりなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
  24. 個体中における1種以上のタンパク質またはペプチドの分解速度を決定する方法であって、
    (a) 2H、3H、および18Oよりなる群から選択される標識で標識された水を、その標識水の標識が前記1種以上のタンパク質またはペプチドに取り込まれて標識および非標識のタンパク質またはペプチドを生成するのに十分な時間にわたって、個体に投与するステップと、
    (b)前記投与ステップ(a)を中断するステップと、
    (c)前記個体から、前記1種以上の標識および非標識のタンパク質またはペプチドを含む1種以上の身体組織または体液を取得するステップと、
    (d)前記1種以上の標識および非標識のタンパク質またはペプチドを加水分解して、1種以上の標識または非標識のアミノ酸を生成させるステップと、
    (e)前記1種以上の標識アミノ酸への前記標識の取込みを検出して、前記1種以上のタンパク質またはペプチドの分解速度を決定するステップと、
    を含む、前記方法。
  25. 前記標識が2Hである、請求項24に記載の方法。
  26. 前記加水分解されたアミノ酸またはオリゴペプチドが、ガスクロマトグラフィーまたはHPLCにより分離される、請求項24に記載の方法。
  27. 前記個体がヒトである、請求項24に記載の方法。
  28. 骨粗鬆症のリスクを同定する方法であって、請求項1に記載の方法により骨コラーゲンの生合成速度を決定するステップまたは請求項16に記載の方法により骨コラーゲンの分解速度を決定するステップを含み、前記1種以上のタンパク質またはペプチドが骨コラーゲンを含む、前記方法。
  29. ホルモン補充療法に対する応答を確認する方法であって、請求項1に記載の方法により骨コラーゲンの生合成速度を決定するステップまたは請求項16に記載の方法により骨コラーゲンの分解速度を決定するステップを含み、前記1種以上のタンパク質またはペプチドが骨コラーゲンを含む、前記方法。
  30. 脂質低下剤による処置に対する応答を確認する方法であって、請求項1に記載の方法により生合成速度を決定するステップまたは請求項16に記載の方法により分解速度を決定するステップを含み、前記1種以上のタンパク質またはペプチドがアポリポタンパク質Bを含む、前記方法。
  31. 運動トレーニングレジメンまたは医学的リハビリテーションレジメンに対する応答を確認する方法であって、請求項1に記載の方法により生合成速度を決定するステップまたは請求項16に記載の方法により分解速度を決定するステップを含み、前記1種以上のタンパク質またはペプチドが1種以上の筋肉タンパク質を含む、前記方法。
  32. 肥大対過形成指数を決定する方法であって、請求項1に記載の方法により生合成速度を決定するかまたは請求項16に記載の方法により分解速度を決定することにより、タンパク質合成速度:DNA合成速度の比を求めることを含む、前記方法。
  33. ワクチン接種後または感染暴露後に個体中における特定の免疫グロブリンの存在または力価を確認する方法であって、請求項1に記載の方法により生合成速度を決定するステップまたは請求項16に記載の方法により分解速度を決定するステップを含み、前記1種以上のタンパク質またはペプチドが1種以上の免疫グロブリンを含む、前記方法。
  34. 個体中における1種以上のタンパク質またはペプチドの生合成速度または分解速度を決定するためのキットであって、
    a)標識水と、
    b)前記キットを使用するための取扱い説明書と、
    を備え、
    個体中における1種以上のタンパク質またはペプチドの生合成速度または分解速度を決定するために使用される、前記キット。
  35. 尿、骨、または筋肉からタンパク質を単離するための化合物をさらに含む、請求項34に記載のキット。
  36. 標識水を投与するためのツールをさらに含む、請求項34に記載のキット。
  37. 前記被験体からサンプルを採取するための器具をさらに含む、請求項34に記載のキット。
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