JP5316193B2 - 通信制御装置 - Google Patents

通信制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5316193B2
JP5316193B2 JP2009100596A JP2009100596A JP5316193B2 JP 5316193 B2 JP5316193 B2 JP 5316193B2 JP 2009100596 A JP2009100596 A JP 2009100596A JP 2009100596 A JP2009100596 A JP 2009100596A JP 5316193 B2 JP5316193 B2 JP 5316193B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
communication
time zone
communication device
roadside
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009100596A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010252137A (ja
Inventor
健吾 岸本
昌弘 戸谷
博史 浦山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2009100596A priority Critical patent/JP5316193B2/ja
Publication of JP2010252137A publication Critical patent/JP2010252137A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5316193B2 publication Critical patent/JP5316193B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Description

本発明は、例えば、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport System)に用いられる通信制御装置に関する。
近年、交通安全の促進や交通事故の防止を目的として、道路に設置されたインフラ装置からの情報を端末が受信し、この情報を活用することで車両の安全性を向上させる高度道路交通システムが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
かかる高度道路交通システムは、主として、インフラ側の無線通信装置である複数の路側通信機と、各車両に搭載される無線通信装置である複数の車載通信機とによって構成されていて、複数の路側通信機は、通信回線を介して、例えば、交通管制センターに設置されている中央装置との間で情報の送受信が可能となっている。
この高度道路交通システムにおいて、各通信主体間で行う通信の組み合わせには、路側通信機が車載通信機に各種情報を無線送信する路車間通信と、車載通信機同士が無線通信を行う車車間通信とが想定されている。そして、このシステム用の通信帯域(周波数帯)として、700MHz帯で概ね10MHz幅とする規格が検討されていて、この通信帯域を、前記路車間通信と前記車車間通信とで共用することが提案されている。
特許第2806801号公報
上記高度道路交通システムを構成する車載通信機は、当該車載通信機を搭載した車両が各地道路を走行することにより、例えば走行軌跡に関するプローブ情報等の有効な情報を取得可能である。そこで、前記交通管制センターの中央装置が、このような車両側の情報を路側通信機を介して取得することができれば、道路のリンク旅行時間等の交通情報として蓄積することができ、蓄積した交通情報を様々活用することができる。
しかし、現状では、高度道路交通システムで利用可能な通信帯域は前記のとおり制限されていて、しかも、この通信帯域は路車間通信と車車間通信とによって占有されているため、車載通信機から路側通信機への無線送信を許可する車路間通信のための通信帯域を、予め固定的に割り当てることはできない。
そこで、車載通信機が取得している情報を路側通信機が入手するために、車車間通信の情報を路側通信機がモニタリングする仕組みが考えられる。しかし、車車間通信を実行するアルゴリズムによれば、ある車載通信機が他の車載通信機へ送信する情報は、原則として他の車載通信機にとって役に立つ情報であることを基準として選定されているので、インフラ側にとっては役に立つ情報であっても、他の車両にとっては役に立たない情報は、車載通信機から送信されない。このように、現時点では、車載通信機側の有効な情報をインフラ側が十分に取得することのできる構成とはなっていない。
そこで、本発明は、固定的な通信帯域を新たに設けなくても、車載通信機が路側通信機に対して無線送信可能となる通信制御装置を提供することを目的とする。
(1)前記目的を達成するための本発明の通信制御装置は、路側通信機が無線送信する路側用時間帯と、当該路側用時間帯以外の時間帯であって車載通信機が無線送信する車載用時間帯と、に割り当てられて実行される無線通信の時間帯を制御する通信制御装置であって、前記車載用時間帯に前記車載通信機が行う無線送信として、他の車載通信機に対して無線送信する車車間通信に加えて又は換えて、前記路側通信機に対して無線送信する車路間通信を行うか否かを決定する決定部と、前記決定部による前記決定の情報が含まれた前記路側時間帯と前記車載用時間帯とについての割り当て情報を前記車載通信機に送信する通信部とを備え、前記決定部は、前記車載用時間帯に前記車路間通信を行う決定をすると、当該車路間通信を行う決定をした当該車載用時間帯の後にある車載用時間帯の一部を車路間通信のために割り当てる処理を行うことを特徴とする。
(2)また、本発明は、基礎となる時間帯として、路側通信機が無線送信する路側用時間帯と、当該路側用時間帯以外の時間帯であって車載通信機が無線送信としてキャリアセンス方式で車車間通信を行うことが許容されている車載用時間帯と、が交互に繰り返すように規定されている無線通信の時間帯を制御する通信制御装置であって、前記車載用時間帯に前記車載通信機が行う無線送信として、他の車載通信機に対して無線送信する車車間通信に加えて又は換えて、前記路側通信機に対して無線送信する車路間通信を行うか否かを決定する決定部と、前記決定部による前記決定の情報が含まれた前記路側用時間帯と前記車載用時間帯とについての割り当て情報を前記車載通信機に送信する通信部とを備え、前記決定部は、前記車載用時間帯に前記車路間通信を行う決定をすると、前記基礎となる時間帯のうち、キャリアセンス方式で車車間通信を行うことが許容されている前記車載用時間帯の一部又は全部を、前記車載通信機が車路間通信を行うための時間帯として割り当てるべき決定を行うことを特徴とする。
(3)また、本発明は、路側通信機が無線送信する路側用時間帯と、当該路側用時間帯以外の時間帯であって車載通信機が無線送信する車載用時間帯と、に割り当てられて実行される無線通信の時間帯を制御する通信制御装置であって、前記車載用時間帯に前記車載通信機が行う無線送信として、他の車載通信機に対して無線送信する車車間通信に加えて又は換えて、前記路側通信機に対して無線送信する車路間通信を行うか否かを決定する決定部と、前記決定部による前記決定の情報が含まれた前記路側用時間帯と前記車載用時間帯とについての割り当て情報を前記車載通信機に送信する通信部とを備え、前記決定部は、前記路側用時間帯に行う無線送信として、前記路側通信機が無線送信する路側通信に加えて又は換えて、前記車載通信機が前記路側通信機に対して無線送信する車路間通信を行うか否かを決定する機能も有し、前記決定部は、前記車載用時間帯及び前記路側用時間帯の双方の時間帯に行う無線送信として、前記車路間通信を行う決定をすると、当該車載用時間帯と当該路側用時間帯との間を跨いで連続した時間帯で当該車路間通信が実行されるように、無線送信の時間帯を設定する時間設定機能を更に備えていることを特徴とする。
本発明によれば、決定部は、車載用時間帯に車載通信機が行う無線送信として、他の車載通信機に対して無線送信する車車間通信に加えて又は換えて、路側通信機に対して無線送信する車路間通信を行うか否かを決定し、通信部は、この決定部による前記決定の情報が含まれた割り当て情報を車載通信機に送信するので、この割り当て情報を車載通信機が受信すれば、当該車載通信機は、決定部によって決定された無線送信を実行することが可能となる。すなわち、決定部によって車路間通信を行う決定がされることにより、車載用時間帯に、車載通信機から路側通信機へ無線送信が行われる。そして、この無線送信(車路間通信)は、車載用時間帯に行われるので、車路間通信のための固定的な通信帯域を新たに設けなくてもよい。
なお、前記「車路間通信」とは、車載通信機が無線送信する情報に、主に路側通信機や中央装置などにおいて有用な情報が多く含まれている場合を指し、前記「車車間通信」とは、前記「車路間通信」の場合と比較して、路側通信機や中央装置などにおいて有用な情報量が少ない場合を指す。
この場合、「車路間通信」において車載通信機が送信する情報と「車車間通信」において車載通信機が送信する情報とは一部が重複していても構わないし、「車路間通信」において車載通信機が送信する情報が「車車間通信」において車載通信機が送信する情報の全てを包含していてもよい。
)また、前記決定部は、前記車載用時間帯に前記車路間通信を行うだけの余裕があると判定すると、当該車路間通信を行う決定をするのが好ましい。
この場合、前記決定部は、車載用時間帯に車路間通信を行うだけの余裕があると判定すると、車路間通信を行う決定をするが、例えば車載用時間帯で車車間通信が活発に行われていて車路間通信を行う余裕が無いと判定すると、車路間通信を行わずに車車間通信を行う決定をすることが可能となる。
)また、このような決定を行う通信制御装置において、車両の混雑状況によっては車載用時間帯で車車間通信のための時間の一部又は全部を省いても支障がない場合がある。そこで、前記決定部は、前記車載通信機を搭載している車両が走行する道路における車両の混雑状況に応じて前記判定を実行するのが好ましい。
この場合、車載用時間帯に車路間通信を行うだけの余裕があると判定することができ、決定部はその省いた時間で車路間通信を行う決定をすることが可能となる。
一方で、車両の混雑状況によっては車載用時間帯で車車間通信をさらに活発に行わせるのが好ましい場合があり、この場合では、車路間通信を行う余裕が無いと判定することができ、決定部は車路間通信を行わせずに車車間通信を行う決定をすることが可能となる。
前記(3)の通信制御装置の前記決定部は、前記路側用時間帯に行う無線送信として、前記路側通信機が無線送信する路側通信に加えて又は換えて、前記車載通信機が前記路側通信機に対して無線送信する車路間通信を行うか否かを決定する機能も有している。
このため、決定部は、路側用時間帯に行う無線送信として、路側通信機が無線送信する路側通信に加えて又は換えて、車載通信機が路側通信機に対して無線送信する車路間通信を行うか否かを決定するので、通信部が、この決定部による前記決定の情報が含まれた割り当て情報を車載通信機に送信し、この割り当て情報を車載通信機が受信すれば、当該車載通信機は、決定部によって決定された無線送信を実行することが可能となる。すなわち、決定部によって車路間通信を行う決定がされることにより、車載通信機から路側通信機へ無線送信が行われる。そして、この無線送信(車路間通信)は、本来では路側通信機が無線送信する路側用時間帯として割り当てられるはずの時間帯に行われるので、車路間通信のための固定的な通信帯域を新たに設けなくてもよい。
更に、前記決定部は、前記車載用時間帯及び前記路側用時間帯の双方の時間帯に行う無線送信として、前記車路間通信を行う決定をすると、当該車載用時間帯と当該路側用時間帯との間を跨いで連続した時間帯で当該車路間通信が実行されるように、無線送信の時間帯を設定する時間設定機能を更に備えている。
このため、決定部によって、車載用時間帯及び路側用時間帯の双方の時間帯に行う無線送信として、車路間通信を行う決定がされると、車載用時間帯と路側用時間帯との間を跨いで連続した時間帯で当該車路間通信が実行されるので、車載通信機は路側通信機へ、この連続した時間帯内でまとめて情報を送信することができる。
本発明によれば、固定的な通信帯域を新たに設けなくても、車載通信機から路側通信機へ無線送信を行うことができ、例えば有効な情報を得ている車載通信機から当該情報を路側通信機は取得することができ、より一層有用な通信システムを構成することが可能となる。
高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。 高度道路交通システムの管轄エリアの一部を示す道路平面図である。 路側通信機と車載通信機の内部構成を示すブロック図である。 制御部によって生成されるタイムスロットの一例を示す概念図である。 制御部によって生成されるタイムスロットの一例を示す概念図である。 無線通信の時間帯を制御する処理のフロー図である。 無線通信の時間帯を制御する処理のフロー図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔システムの全体構成〕
図1は、高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。図1に示すように、この高度道路交通システムは、交通信号機1、路側通信機2、車載通信機3(図2及び図3参照)、中央装置4、車載通信機3を搭載した車両5、監視カメラ6、及び、車両感知器(図示せず)等を含む。
このうち、交通信号機1と路側通信機2は、複数の交差点Ci(図例では、i=1〜12)のそれぞれに設置されており、電話回線等の通信回線7を介してルータ8に接続されている。このルータ8は交通管制センター内の中央装置4に接続されている。
中央装置4は、自身が管轄するエリアに含まれる各交差点Ciの交通信号機1及び路側通信機2とLANを構成していて、中央装置4は、各交通信号機1及び各路側通信機2との間で双方向通信が可能である。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
中央装置4は、ワークステーション(WS)やパーソナルコンピュータ(PC)等よりなる制御部を有しており、この制御部は、路側通信機2、監視カメラ6及び車両感知器(図示せず)からの各種情報の収集・処理(演算)・記録、交通信号機1の信号機制御、及び、路側通信機2への情報提供の制御を統括的に行う。具体的には、中央装置4は、交通信号灯器1の灯色切り替えタイミングに関する信号制御指令S1を、交通信号機1の制御部に送信したり、現在の車両の混雑状況(渋滞状況)や道路のリンク旅行時間等の交通情報S2を路側通信機2に送信したりできる。
監視カメラ6は、各交差点Ciに流入する車両台数をカウントする等して、各交差点Ciにおける車両の混雑状況についての交通情報を把握する目的で、管轄エリア内の道路の各所に設置されている。監視カメラ6は、道路の交通状況を時系列に撮影し、その画像データは、通信回線7を介して中央装置4にほぼリアルタイムに送信される。さらに、この監視カメラ6及び図示しない前記車両感知器により、中央装置4及び各路側通信機2は、各交差点Ciにおける、車両の混雑状況についての交通情報を把握することができる。
〔無線送信の方式等〕
図2は、高度道路交通システムの管轄エリアの一部を示す道路平面図である。この高度道路交通システムは、車載通信機3との間で無線通信が可能な複数の路側通信機2と、キャリアセンス方式で他の通信機2,3と無線通信を行う移動無線送受信機の一種である車載通信機3と備えている。
各路側通信機2は、その周囲に広がる通信エリアAをそれぞれ有し、自身の通信エリアAを走行する車両5の車載通信機3との無線通信が可能である。また、各路側通信機2は、通信エリアAが重複する他の路側通信機2とも無線通信が可能である。
この路側通信機2同士(路路間通信)については無線通信が用いられ、また、路側通信機2から車載通信機3への路車間通信、車載通信機3から路側通信機2への車路間通信、及び、車載通信機3同士(車車間通信)についても、無線通信が用いられている。
各路側通信機2には、自身が無線送信するためのタイムスロット(路側用時間帯)が後述する親機2AによってTDMA方式で割り当てられており、この路側用時間帯以外の時間帯には原則無線送信を行わない。したがって、路側用時間帯以外の時間帯は、車載通信機3のためのCSMA方式による送信時間として開放されている。このように、高度道路交通システム(通信システム)では、路側通信機2が無線送信する路側用時間帯と、当該路側用時間帯以外の時間帯であって車載通信機3が無線送信する車載用時間帯とに割り当てられて、無線通信が実行される。
また、各路側通信機2は、自身の送信タイミングを制御するために他の路側通信機2との時刻同期機能を有している。この路側通信機2の時刻同期は、例えば、自身の時計をGPS時刻に合わせるGPS同期や、自身の時計を他の路側通信機2からの送信信号に合わせるエア同期等によって行われる。
〔路側通信機〕
図3は、路側通信機2と車載通信機3の内部構成を示すブロック図である。路側通信機2には、1つの親機2Aと複数の子機2Bとが含まれる。このうち、路側通信機2は、無線通信の時間帯を制御する機能を有する通信制御装置であり、さらに、親機2Aは、自装置の送信時間だけでなく、自装置が統括する管理グループに属する複数の子機2Bの送信時間についても、基礎となる時間帯を割り当て、その割り当てた情報を生成する機能を有している。そして、この親機2Aが生成した割り当て情報は、管理グループに属する各子機2Bに通知され、親機2A及び各子機2Bはその割り当て情報を自身の通信エリアAにブロードキャスト送信する。
親機2A及び各子機2Bは、親機2Aが生成した割り当て情報に記された、路側通信機2用のタイムスロット(路側用時間帯)で当該割り当て情報等について無線送信を行い、この割り当て情報を受信した車載通信機3は、当該割り当て情報に記された、上記タイムスロット(路側用時間帯)以外の時間帯(車載用時間帯)で無線送信を行う。
なお、以下において、親機2Aや子機2Bに特有の事項ではなく、これらの双方に共通する事項を説明する場合には、単に「路側通信機2」ということとする。
路側通信機2は、無線通信のためのアンテナ20に接続された無線通信部(送受信部)21と、中央装置4と双方向通信する有線通信部22と、これらの通信制御を行うCPU等よりなる制御部23と、制御部23に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部24とを備えている。記憶部24は、前記割り当て情報、制御部23が実行する通信制御のためのコンピュータプログラム、各通信機2,3の通信機ID等を記憶している。
路側通信機2の制御部23は、上記コンピュータプログラムを実行することで達成される機能部として、決定部23B及びデータ転送部23Cを備えていて、さらに、親機2Aの制御部23は、生成部23Aを備えている。
図4及び図5は、制御部23によって生成されるタイムスロットの一例を示す概念図である。図5は、図4のタイムスロットの後に続くタイムスロットを示している。そして、図4(a)と図5(a)とは、生成部23Aが作成する基礎となるタイムスロットを示していて、図4(b)と図5(b)とは、後に説明するが、決定部23Bの決定処理に基づいて更新されたタイムスロットを示している。
親機2Aが有している前記生成部23Aは、前記路側用時間帯(以下、第一タイムスロットT1という)と、前記車載用時間帯(以下、第二タイムスロットT2という)とを含む基礎となるタイムスロットについての割り当て情報を生成する機能を有していて、基礎となるタイムスロットは、第一タイムスロットT1と第二タイムスロットT2とが同じ周期で交互に繰り返すように規定されている。第一スロットT1は、路側通信機2用のタイムスロットであり、この時間帯では、路側通信機2による無線送信が許容され、車載通信機3による無線送信は原則として制限される。また、第二タイムスロットT2は、車載通信機3用のタイムスロットであり、この時間帯では、車載通信機3による無線送信が許容され、路側通信機2は原則として無線送信を行わない。
路側通信機2が有している前記決定部23Bは、第二タイムスロットT2に車載通信機3が行う無線通信の形態を決定する機能を有している。つまり、決定部23Bは、第二タイムスロットT2に車載通信機3が行う無線送信として、他の車載通信機3に対して無線送信する車車間通信に加えて(又は換えて)、路側通信機2に対して無線送信する車路間通信を行うか否かを決定する機能を有している。
さらに、決定部23Bは、本来では路側通信機2が無線送信する時間帯として割り当てられるはずの第一タイムスロットT1での通信形態を決定する機能も有している。つまり、決定部23Bは、第一タイムスロットT1に行う無線送信として、路側通信機2が無線送信する路側通信に加えて(又は換えて)、車載通信機3が路側通信機2に対して無線送信する車路間通信を行うか否かを決定する機能も有している。なお、前記路側通信には、路側通信機2が車載通信機3に対して無線送信する路車間通信と、路側通信機2が他の路側通信機2に対して無線送信する路路間通信とが含まれる。
この決定部23Bによる具体的な決定処理については後に説明する。
路側通信機2が有しているデータ転送部23Cは、有線通信部22が受信した中央装置4からの情報を、いったん記憶部24に一時的に記憶させ、無線通信部21を介して車載通信機3に対して送信することができる。また、データ転送部23Cは、無線通信部21が受信した車載通信機3からの情報を、いったん記憶部24に一時的に記憶させ、有線通信部22を介して中央装置4に転送することもできる。
特に、親機2Aが有しているデータ転送部23Cは、前記生成部23Aが生成した基礎となるタイムスロットについての割り当て情報を有線通信部22に転送する。そして、有線通信部22はこの割り当て情報を各子機2Bにそれぞれ送信する。
また、路側通信機2が有しているデータ転送部23Cは、後に説明するが、決定部23Bによる決定の情報が含まれて更新された割り当て情報を無線通信部21に転送する。そして、無線通信部21は、決定部23Bによる決定の情報が含まれた割り当て情報を、通信エリア内にある車載通信機3に送信する。これにより、この割り当て情報を受信した各車載通信機3は、当該割り当て情報に基づいた通信形態を実行することが可能となる。
〔車載通信機〕
図3において、車載通信機3は、無線通信のためのアンテナ30に接続された通信部(送受信部)31と、この通信部31に対する通信制御を行うプロセッサ等よりなる制御部32と、この制御部32に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部33とを備えている。記憶部33は、制御部32が実行する通信制御のためのコンピュータプログラムや、各通信装置2,3の通信機ID等を記憶している。
車載通信機3の制御部32は、車車間通信のためのキャリアセンス方式による無線通信を通信部31に行わせるものであり、路側通信機2との間の時分割多重方式での通信制御機能は有していない。したがって、車載通信機3の通信部31は、所定の搬送波周波数の受信レベルを常時感知しており、その値がある閾値以上である場合は無線送信を行わず、当該閾値未満になった場合にのみ無線送信を行うようになっている。
なお、制御部32は、車両5(車載通信機3)が取得した各種情報を、通信部31を介して外部に無線送信させることができる。車載通信機3が取得する情報の内の、車両5の位置や方向は、GPS等の車両5側のセンサ類が自律的に測定することで取得することができるが、光ビーコン等のインフラ側から取得可能な場合もある。車両5の速度は、車両5に設けられている速度センサに基づいて取得することができる。
このため、上記位置や速度等を含む車両情報を受信した他の車両5や路側通信機2において、例えば、右直衝突や出合い頭衝突等を回避するための安全運転支援制御を行うことができる。
〔無線通信の時間帯を制御する処理の具体例〕
図6は、各路側通信機2における無線通信の時間帯を制御する処理のフロー図である。この処理の概略を先ず説明すると、路側通信機2の制御部23は、現時点での無線リソースに車路間通信を許可するだけの余裕があると判断できた場合に、ある特定の時間帯を車路間通信のための時間帯として動的に割り当てる。そして、路側通信機2は、自己の通信エリアに存在している車載通信機3に、車路間通信のために時間帯を割り当てたことに関する情報を通知する。なお、路側通信機2が、車路間通信のために動的に割り当てる時間帯は、本来では路側通信機2が無線送信する第一タイムスロットT1、及び、本来では車車間通信のみを行う第二タイムスロットT2のいずれか一方又は双方で可能である。
<具体例1>
車車間通信のための第二タイムスロットT2の一部(又は全部)を、車路間通信のために割り当てる場合を説明する。
路側通信機2の制御部23が有している決定部23Bは、当該路側通信機2が設置されている道路(交差点)における現在の交通情報を取得する(図6のステップS11)。この交通情報は、例えば、図4(a)のスロット番号(1)の第二タイムスロットT2における時間帯で取得される。
具体的に説明すると、決定部23Bは、路側通信機2の通信エリアにおける車車間通信の通信状況をモニタリング(傍受)することにより、当該車車間通信の混雑状況を把握することができ、この車車間通信の混雑状況を、車両が混んでいるか空いているかの車両の混雑状況とみなして、車両の混雑状況についての交通情報を間接的に取得することができる。
又は、決定部23Bは、路側通信機2が設置されている道路(交差点)を走行する車両を監視・感知する前記監視カメラ6(図1参照)及び図示していない前記車両感知器からの情報を取得することにより、車両の混雑状況についての交通情報を直接取得することができる。
そして、決定部23Bは、ステップS11で取得した前記交通情報に基づいて、図4(a)のスロット番号(1)の第二タイムスロットT2で、車車間通信が十分に行われる環境にあり当該第二タイムスロットT2に車路間通信を行うだけの余裕があるか否かを判定する(ステップS12)。また、決定部23Bは、車載通信機3を搭載している車両が走行する道路における車両の混雑状況に応じて、ステップS12の判定を実行する。
すなわち、スロット番号(1)の第二タイムスロットT2の時間内で、道路における交通量が少なくて車車間通信が行われている時間帯が少なく、決定部23Bが、車車間通信が十分に行われている環境にあり、当該第二タイムスロットT2に車路間通信を行うだけの余裕があると判定すると(ステップS12でYes)、本来的に車車間通信に割り当てるべき第二タイムスロットT2の一部(又は全部)を、車路間通信のための時間帯として割り当てるべき決定を行う(ステップS13)。
このように、決定部23Bが、車路間通信への割り当ての決定をすると(ステップS13)、さらに、図4(a)に示しているように、前記交通情報を取得したスロット番号(1)の第二タイムスロットT2の後にある第二タイムスロットT2の一部(ハッチング部分)を、車路間通信のためのタイムスロットとして割り当てる処理を行う(ステップS15)。例えば一つ後となるスロット番号(3)の第二タイムスロットT2で割り当てる処理を行う。
つまり、決定部23Bによって、スロット番号(1)の第二タイムスロットT2に車路間通信を行うだけの余裕があると判定され、車路間通信への割り当ての決定がされた場合は、その後のスロット番号(3)の第二タイムスロットT2でも車車間通信のための時間の一部を省いても支障がないと考えられるので、決定部23Bは、その省いた時間で車路間通信を行うように時間帯を割り当て直す。
これにより、スロット番号(3)の第二タイムスロットT2では「車車間通信」に加えて「車路間通信」が行われるように、決定部23Bによって割り当て情報が更新される。
一方、スロット番号(1)の第二タイムスロットT2の時間内で、道路における交通量が多く車車間通信が活発に行われていて、決定部23Bが、当該第二タイムスロットT2に車路間通信を行うだけの余裕が無いと判定すると(ステップS12でNo)、車路間通信を行わずに車車間通信に割り当てたままとする決定を行う(ステップS14)。
このように、決定部23Bが、車車間通信に割り当てたままとする決定をすると、割り当て情報を更新せず、スロット番号(3)の第二タイムスロットT2を車車間通信に割り当てたままとする割り当て処理を実行する(ステップS15)。
前記処理をさらに具体的に説明すると、ステップS11で、車両の混雑状況についての交通情報が車車間通信の混雑状況に基づいて取得された場合、ステップS12では、次のとおり、スロット番号(1)の第二タイムスロットT2における車車間通信の電波利用率Tに基づいて判定を行う。すなわち、決定部23Bによって、交通情報として電波利用率Tが「(車車間通信のキャリア検出時間)/(単位時間:例えば1秒)」の計算式により算出され、この電波利用率Tが50%以下(T≦50%)である場合、決定部23Bは、余裕ありと判定し、電波利用率Tが50%を超える(T>50%)場合、余裕なしと判定する。または、マージンを設けるために、閾値を複数設定して、電波利用率T>60%である場合、余裕なしと判定するようにしてもよい。
そして、データ転送部23Cは、ステップS15で新たに車路間通信のスロットが割り当てられたスロット番号(3)の第二タイムスロットT2の割り当て情報を、又は、車車間通信として割り当てたままとしたスロット番号(3)の第二タイムスロットT2の割り当て情報を、無線通信部21に転送する。そして、無線通信部21は、この割り当て情報を車載通信機3に対して、スロット番号(2)の第一タイムスロットT1で送信して通知する(ステップS16)。
そして、車路間通信のスロットが割り当てられた割り当て情報を、車載通信機3が受信した場合は、当該車載通信機3は、予め取得していて路側通信機2及び中央装置4側(インフラ側)で有用なアップリンク情報を、スロット番号(3)の第二タイムスロットT2で新たに割り当てられた車路間通信のスロットで、路側通信機2に送信する。このアップリンク情報の内容については、後に説明する。
そして、以上の処理と同様に、第二タイムスロットT2毎に交通情報を取得し(ステップS11)、当該第二タイムスロットT2に余裕があるか否かを判定し(ステップS12)、その後に到来する第二タイムスロットT2のための割り当て処理を行い(ステップS15)、当該割り当て処理した割り当て情報を、車載通信機3へ通知する処理(ステップS16)が繰り返し実行される。
なお、ステップS11で取得する交通情報は、路側通信機2が設置されている交差点の交通信号機1(図1参照)の信号機情報に基づくものであってもよい。すなわち、車両の混雑状況に応じて交通信号機1の灯色の切り替えサイクルが変更自在として構成されている場合、当該サイクルについての信号機情報に基づいて交通状況を把握することができる。例えば、車両が多くなって交差点が混んでくると、灯色の切り替えサイクルが長くなるように交通信号機1が制御されている場合では、決定部23Bは、このサイクルについての信号機情報を取得することで、当該交通信号機1によって交通が管理されている交差点における車両の混雑状況についての交通情報を取得することができる。
<具体例2>
第一タイムスロットT1の一部(又は全部)を、車路間通信のために割り当てる場合を、図7を参照して説明する。
路側通信機2の制御部23が有している決定部23Bは、当該路側通信機2が設置されている道路(交差点)における現在の交通情報を取得する(図7のステップS21)。この交通情報は、例えば、図4(a)のスロット番号(2)の第一タイムスロットT1における時間帯で取得される。
具体的に説明すると、決定部23Bは、路側通信機2が設置されている道路(交差点)を走行する車両を監視・感知する前記監視カメラ6(図1参照)及び図示していない前記車両感知器からの情報を取得することにより、車両が混んでいるか空いているかの車両の混雑状況についての交通情報を取得することができる。なお、前記具体例1と同様に、ステップS21で取得する交通情報は、路側通信機2が設置されている交差点の交通信号機1(図1参照)の信号機情報に基づくものであってもよい。
そして、決定部23Bは、ステップS21で取得した前記交通情報に基づいて、図4(a)のスロット番号(2)の第一タイムスロットT1で、路車間通信が十分に行われる環境にあり当該第一タイムスロットT1に車路間通信を行うだけの余裕があるか否かを判定する(ステップS22)。また、決定部23Bは、車載通信機3を搭載している車両が走行する道路における車両の混雑状況に応じて、ステップS22の判定を実行する。
すなわち、スロット番号(2)の第一タイムスロットT1の時間内で、車載通信機3を搭載している車両が想定よりも少なく(混雑しておらず)、これらの少ない車載通信機3に必要なだけの情報を送信すればよいため、決定部23Bが、路車間通信を予定していた情報のうち、送信の必要がないと判断できる情報が含まれていると、当該送信の必要がないと判断した情報の送信を取りやめる。これにより、第一タイムスロットT1に車路間通信を行うだけの余裕があると判定でき(ステップS22でYes)、送信を取りやめた換わりに、本来的に路車間通信に割り当てるべき第一タイムスロットT1の一部を、車路間通信のための時間帯として割り当てるべき決定を行う(ステップS23)。
このように、決定部23Bが、車路間通信への割り当ての決定をすると(ステップS23)、さらに、図4(a)に示しているように、前記交通情報を取得したスロット番号(2)の第一タイムスロットT1の後にある第一タイムスロットT1の一部(ハッチング部分)を、車路間通信のためのタイムスロットとして割り当てる処理を行う(ステップS25)。例えば一つ後となるスロット番号(4)の第一タイムスロットT1で割り当てる処理を行う。
つまり、決定部23Bによって、スロット番号(2)の第一タイムスロットT1に車路間通信を行うだけの余裕があると判定され、車路間通信への割り当ての決定がされた場合は、その後のスロット番号(4)の第一タイムスロットT1でも路車間通信のための時間の一部を省いても支障がないと考えられるので、決定部23Bは、その省いた時間で車路間通信を行うように時間帯を割り当て直す。
これにより、スロット番号(4)の第一タイムスロットT2では「路車間通信(又は路路間通信)」に加えて「車路間通信」が行われるように、決定部23Bによって割り当て情報が更新される。
一方、スロット番号(2)の第一タイムスロットT1の時間内で、車載通信機3を搭載している車両が想定のとおり多く混雑していて、決定部23Bが、当該第一タイムスロットT1に車路間通信を行うだけの余裕が無いと判定すると(ステップS22でNo)、これら多くの車載通信機3に必要な情報を送信する必要があるため、決定部23Bは、予定している情報の路車間通信をそのまま行う決定を行う(ステップS24)。
このように、決定部23Bが、路車間通信に割り当てたままとする決定をすると、割り当て情報を更新せず、スロット番号(4)の第一タイムスロットT1を路車間通信に割り当てたままとする割り当て処理を実行する(ステップS25)。
そして、データ転送部23Cは、ステップS25で新たに車路間通信のスロットが割り当てられたスロット番号(4)の第一タイムスロットT1の割り当て情報を、又は、路車間通信として割り当てたままとしたスロット番号(4)の第一タイムスロットT1の割り当て情報を、無線通信部21に転送する。そして、無線通信部21は、この割り当て情報を車載通信機3に対して、スロット番号(4)の第一タイムスロットT1(の初期)で送信して通知する(ステップS26)。
そして、車路間通信のスロットが割り当てられた割り当て情報を、車載通信機3が受信した場合は、当該車載通信機3は、予め取得していて路側通信機2及び中央装置4側(インフラ側)で有用なアップリンク情報を、スロット番号(4)の第一タイムスロットT1で新たに割り当てられた車路間通信のスロットで、路側通信機2に送信する。このアップリンク情報については、後に説明する。
そして、以上の処理と同様に、第一タイムスロットT1毎に交通情報を取得し(ステップS21)、当該第一タイムスロットT1に余裕があるか否かを判定し(ステップS22)、その後に到来する第一タイムスロットT1のための割り当て処理を行い(ステップS25)、当該割り当て処理した割り当て情報を、車載通信機3へ通知する処理(ステップS26)が繰り返し実行される。
このようにして決定部23Bによって更新されたタイムスロットの具体例を、図4と図5とによって説明すると、図4(a)のスロット番号(3)及び(5)の第二タイムスロットT2では、決定部23Bによって「車車間通信」に加えて「車路間通信」が行われるように決定されている。これに対して、図5(a)のスロット番号(15)の第二タイムスロットT2では「車車間通信」のみが行われ、スロット番号(13)の第二タイムスロットT2では「車車間通信」に換えて「車路間通信」が行われるように決定されている。
さらに、図5(a)のスロット番号(12)の第一タイムスロットT1では、決定部23Bによって「路車間通信(又は、路路間通信)」に加えて「車路間通信」が行われるように決定されている。これに対して図4(a)のスロット番号(2)の第一タイムスロットT1では「路車間通信(又は、路路間通信)」のみが行われ、図5(a)のスロット番号(16)の第一タイムスロットT2では「路車間通信(又は、路路間通信)」に換えて「車路間通信」が行われるように決定されている。
そして、決定部23Bによって、第二タイムスロットT2及び第一タイムスロットT1の双方の時間帯に行う無線送信として、車路間通信が行われる決定がされると、両者の車路間通信の時間帯を離してもよいが、図4(a)のスロット番号(4)と(5)とに示しているように、当該決定部23Bが備えている時間設定機能によって、両者の車路間通信の時間帯を連続させるように設定するのが好ましい。つまり、第二タイムスロットT2と第一タイムスロットT1との間(矢印α)を跨いで連続した時間帯T3で車路間通信が実行されるように無線通信の時間帯を設定する。この場合、連続した時間帯T3で車路間通信が実行されるので、車載通信機3は路側通信機2へ、この連続した時間帯T3内でまとめて情報を送信することができる。
以上のように、決定部23Bが割り当て情報を更新することで、例えばスロット番号(5)及びスロット番号(15)において、結果としてタイムスロットが変更されている。つまり、結果的に、第一タイムスロットT1と第二タイムスロットT2とについての割り当て情報は、図4(a)及び図5(a)に示している状態から、図4(b)及び図5(b)に示している状態へと、生成し直されていると言える。
この結果、図4(b)及び図5(b)に示しているように、各第二タイムスロットT2で車載通信機3が行う無線送信として、車車間通信と、この車車間通信に加えて路側通信機2に対して無線送信する(第一の)車路間通信と、この車車間通信に換えて路側通信機2に対して無線送信する(第二の)車路間通信との内のいずれか一つの通信形態が、決定部23Bによって決定されていると言える。
なお、路側通信機2等を含む前記高度道路交通システムでは、使用可能な通信帯域が狭く、通常実行されている車車間通信では、十分な情報量のやりとりが行われていない。そこで、前記のような無線通信の時間帯を制御する機能を備えた路側通信機2によれば、通常では十分な情報量を発信していない車載通信機3に、無線リソースに余裕がある場合には、路側通信機2に対して十分な情報量を発信させることが可能となり、しかも、その車路間通信では、車車間通信の場合と比べて、路側通信機2や中央装置4等のインフラ装置側において有用な情報が多く含まれているので、インフラ装置側はこの有用な情報を取得し易くなる。
〔アップリンク情報について〕
前記のように車路間通信が行われる場合に、車載通信機3から路側通信機2へとアップリンク送信する情報の具体例について説明する。アップリンク情報としては、車両ID、車種、曜日を含む日付に加えて、アップリンク送信時の「時刻、車両の位置、車両の速度」が含まれている。なお、車両の位置及び速度は、GPSや車速センサ等の車両5側の機器類が自律的に測定した情報である。そして、この「時刻、車両の位置、車両の速度」を含む情報を、一定時間周期(例えば1分間隔)で車載通信機3は蓄積し、車両の走行軌跡データとしてプローブ情報を作成する。
そして、この車載通信機3を搭載した車両が、路側通信機2の通信エリアに進入すると、第一タイムスロットT1で、路側通信機2は、前記割り当て情報の他に、アップリンク情報を要求する要求信号も送信する。車載通信機3がこの要求信号を受信すると、その要求信号に応じて車載通信機3は蓄積している情報を編集し、アップリンク情報として、割り当てられた車路間通信のタイムスロットで信号を送信する。
要求信号としては、送信を要求するデータの種類があり、例えば「過去1分間のプローブ情報」がある。また、他の要求信号としては、さらに、送信を要求するデータの種類のレベルもあり、例えば、プローブ情報の解像度であって、軌跡を細かくサンプリングした情報、軌跡を粗くサンプリングした情報、及び、単に位置とその際の時刻との組み合わせの情報などがある。さらには、サンプリングの際の車両の状態(停止中であるのか走行中であるのかの状態)の情報も要求することができる。
このように車載通信機3は、プローブ情報を作成・記憶することができ、車路間通信により、このプローブ情報を路側通信機2は取得できる。さらに、中央装置4が複数の路側通信機2からのプローブ情報を取得し、これら情報を統計処理することによって、各地の道路のリンク旅行時間等の交通情報を得ることが可能となる。そして、このリンク旅行時間の交通情報を、車載通信機2が受信すれば、例えば、当該車載通信機3を搭載した車両が、路側通信機2が存在している都市部を経由して、路側通信機2が存在していない場所へ移動する場合であっても、そのルートを移動するために要する時間を、リンク旅行時間の交通情報に基づいて、ドライバーは知ることができる。また、このリンク旅行時間の交通情報には、時期(日付)についての情報も含まれているので、特定の期間に(例えば夏期に)あるルートを通行する場合に要する時間を知ることもできる。
なお、プローブ情報に含まれる車両の過去の走行軌跡に関する情報は、インフラ側において統計処理などを行う際には非常に有用な情報であるが、このような情報を車車間通信で他の車載通信機2に対して送信したとしても、当該他の車載通信機2における利用価値は限定的である。
むしろ、車車間通信においては、他の車両の動きに応じて自車両の振る舞いを決めるために、過去の情報よりも現在の情報(現時点での車両の位置や速度など)や未来の情報(予定進路など)の方が有用である。
したがって、現在の情報に加えて過去の走行軌跡を含めたプローブ情報は、主に車路間通信において送信されることが好ましく、車車間通信においては、限られた通信帯域においてできるたけ多数の車両が無線送信を行えるように、過去の走行軌跡の情報を省いた(又は過去の走行軌跡の情報を少なくした)プローブ情報を送信する方が望ましい。
以上本発明の実施形態によれば、路側通信機2の制御部23が有している決定部23Bが、第二タイムスロットT2に車載通信機3が行う無線送信として、車車間通信に加えて又は換えて車路間通信を行うか否かを決定し、無線通信部21は、この決定部23Bによる決定の情報が含まれた割り当て情報を車載通信機3に送信する。このため、この割り当て情報を車載通信機3が受信すれば、当該車載通信機3は、決定部23Bによって決定された無線送信を実行することが可能となる。すなわち、決定部23Bによって車路間通信を行う決定がされることにより、第二タイムスロットT2に車路間通信が行われる。そして、この車路間通信は、第二タイムスロットT2に行われるので、車路間通信のための固定的な通信帯域を新たに設けなくてもよい。
さらに、決定部23Bは、第一タイムスロットT1に行う無線送信として、路車間通信に加えて又は換えて車路間通信を行うか否かを決定するので、無線通信部21が、この決定部23Bによる決定の情報が含まれた割り当て情報を車載通信機3に送信する。このため、この割り当て情報を車載通信機3が受信すれば、当該車載通信機3は、決定部23Bによって決定された無線送信を実行することが可能となる。すなわち、決定部23Bによって車路間通信を行う決定がされることにより、車路間通信が行われる。そして、この車路間通信は、本来では路側通信機2が無線送信する第一タイムスロットT1として割り当てられるはずの時間帯に行われるので、車路間通信のための固定的な通信帯域を新たに設けなくてもよい。
そして、この高度道路交通システム用の通信帯域として、700MHz帯で概ね10MHz幅とする規格が検討されていて、この通信帯域を、路車間通信と車車間通信とで共用することが提案されているが、以上の本発明の実施形態によれば、通信帯域を新たに割り当てなくても車路間通信を行うことができ、例えばプローブ情報等の有効な情報を得ている車載通信機3から、当該情報を路側通信機2は取得することができ、さらには、この情報を中央装置で統計処理等することにより、より一層有用な高度道路交通システムを構成することが可能となる。
また、本発明は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。前記実施形態では、路側通信機2が生成部23A、決定部23B等を備えている場合を説明したが、これ以外として、これら機能部を中央装置4が備えていてもよい。
また、図2では、互いに交差する2つの道路の各々が上りと下りで片側1車線のものとして例示されているが、道路構造はこれに限られるものではない。
2:路側通信機(通信制御装置)、 3:車載通信機、 5:車両、 21:無線通信部(通信部)、 23B:決定部、 T1:第一タイムスロット(路側用時間帯)、 T2:第二タイムスロット(車載用時間帯)

Claims (5)

  1. 路側通信機が無線送信する路側用時間帯と、当該路側用時間帯以外の時間帯であって車載通信機が無線送信する車載用時間帯と、に割り当てられて実行される無線通信の時間帯を制御する通信制御装置であって、
    前記車載用時間帯に前記車載通信機が行う無線送信として、他の車載通信機に対して無線送信する車車間通信に加えて又は換えて、前記路側通信機に対して無線送信する車路間通信を行うか否かを決定する決定部と、
    前記決定部による前記決定の情報が含まれた前記路側時間帯と前記車載用時間帯とについての割り当て情報を前記車載通信機に送信する通信部と、
    を備え
    前記決定部は、前記車載用時間帯に前記車路間通信を行う決定をすると、当該車路間通信を行う決定をした当該車載用時間帯の後にある車載用時間帯の一部を車路間通信のために割り当てる処理を行うことを特徴とする通信制御装置。
  2. 基礎となる時間帯として、路側通信機が無線送信する路側用時間帯と、当該路側用時間帯以外の時間帯であって車載通信機が無線送信としてキャリアセンス方式で車車間通信を行うことが許容されている車載用時間帯と、が交互に繰り返すように規定されている無線通信の時間帯を制御する通信制御装置であって、
    前記車載用時間帯に前記車載通信機が行う無線送信として、他の車載通信機に対して無線送信する車車間通信に加えて又は換えて、前記路側通信機に対して無線送信する車路間通信を行うか否かを決定する決定部と、
    前記決定部による前記決定の情報が含まれた前記路側用時間帯と前記車載用時間帯とについての割り当て情報を前記車載通信機に送信する通信部と、
    を備え、
    前記決定部は、前記車載用時間帯に前記車路間通信を行う決定をすると、前記基礎となる時間帯のうち、キャリアセンス方式で車車間通信を行うことが許容されている前記車載用時間帯の一部又は全部を、前記車載通信機が車路間通信を行うための時間帯として割り当てるべき決定を行うことを特徴とする通信制御装置。
  3. 路側通信機が無線送信する路側用時間帯と、当該路側用時間帯以外の時間帯であって車載通信機が無線送信する車載用時間帯と、に割り当てられて実行される無線通信の時間帯を制御する通信制御装置であって、
    前記車載用時間帯に前記車載通信機が行う無線送信として、他の車載通信機に対して無線送信する車車間通信に加えて又は換えて、前記路側通信機に対して無線送信する車路間通信を行うか否かを決定する決定部と、
    前記決定部による前記決定の情報が含まれた前記路側用時間帯と前記車載用時間帯とについての割り当て情報を前記車載通信機に送信する通信部と、
    を備え、
    前記決定部は、前記路側用時間帯に行う無線送信として、前記路側通信機が無線送信する路側通信に加えて又は換えて、前記車載通信機が前記路側通信機に対して無線送信する車路間通信を行うか否かを決定する機能も有し、
    前記決定部は、前記車載用時間帯及び前記路側用時間帯の双方の時間帯に行う無線送信として、前記車路間通信を行う決定をすると、当該車載用時間帯と当該路側用時間帯との間を跨いで連続した時間帯で当該車路間通信が実行されるように、無線送信の時間帯を設定する時間設定機能を更に備えている
    ことを特徴とする通信制御装置。
  4. 前記決定部は、前記車載用時間帯に前記車路間通信を行うだけの余裕があると判定すると、当該車路間通信を行う決定をする請求項1〜3のいずれか一項に記載の通信制御装置。
  5. 前記決定部は、前記車載通信機を搭載している車両が走行する道路における車両の混雑状況に応じて前記判定を実行する請求項4に記載の通信制御装置。
JP2009100596A 2009-04-17 2009-04-17 通信制御装置 Active JP5316193B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009100596A JP5316193B2 (ja) 2009-04-17 2009-04-17 通信制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009100596A JP5316193B2 (ja) 2009-04-17 2009-04-17 通信制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010252137A JP2010252137A (ja) 2010-11-04
JP5316193B2 true JP5316193B2 (ja) 2013-10-16

Family

ID=43313957

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009100596A Active JP5316193B2 (ja) 2009-04-17 2009-04-17 通信制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5316193B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013238967A (ja) * 2012-05-14 2013-11-28 Sumitomo Electric Ind Ltd 路側通信機及び通信システム
US9736847B2 (en) 2012-07-20 2017-08-15 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Fast access in V2V communication services by dynamic resources allocation
JP5924224B2 (ja) * 2012-10-03 2016-05-25 住友電気工業株式会社 通信システム、及びこれに用いる送信方法、コンピュータプログラム
JP6497345B2 (ja) * 2016-03-22 2019-04-10 トヨタ自動車株式会社 無線リソース割当装置、方法、および無線通信システム
US10823574B2 (en) 2017-06-01 2020-11-03 Panasonic Intellectual Property Corporation Of America Communication method, roadside unit, and communication system
JP6547880B2 (ja) * 2018-07-03 2019-07-24 株式会社デンソー 運転支援装置および運転支援方法
JP7008785B1 (ja) * 2020-12-28 2022-01-25 昂志 坂本 衝突防止システム

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001112059A (ja) * 1999-10-08 2001-04-20 Hitachi Ltd 通信方式および通信装置
EP2129007B1 (en) * 2007-03-20 2016-06-29 Fujitsu Limited Radio communication method in traffic system, radio base station, and radio terminal
JP4869131B2 (ja) * 2007-04-03 2012-02-08 三菱電機株式会社 通信装置
JP5040429B2 (ja) * 2007-05-11 2012-10-03 住友電気工業株式会社 通信システム及び路側通信システム並びにこれらに用いられる路側通信装置、光ビーコン及び車載通信装置
JP4941121B2 (ja) * 2007-06-18 2012-05-30 住友電気工業株式会社 路側通信装置及び車両の異常検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010252137A (ja) 2010-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5316193B2 (ja) 通信制御装置
JP5040429B2 (ja) 通信システム及び路側通信システム並びにこれらに用いられる路側通信装置、光ビーコン及び車載通信装置
JP5267157B2 (ja) 通信制御装置とこれを備えた路側通信機
JP2011003009A (ja) 通信制御装置、路側通信機、移動通信機及び通信システム
JP5556124B2 (ja) 通信制御装置、路側通信機及び通信システム
JP2016136375A (ja) 無線通信システム、無線通信方法、路側無線機及びコンピュータプログラム
JP2023071130A (ja) 走行ネゴシエーション方法および装置
JP2010171575A (ja) タイムスロット割当装置
JP2012253498A (ja) 無線送信機と、これに用いる送信制御方法及び送信制御プログラム
JP2011097352A (ja) 通信制御装置及び路側通信機
JP2010219919A (ja) 移動通信機、路側通信機、及び路上通信システム
JP5343909B2 (ja) 無線通信システムとこれに用いる移動通信機及び送信制御方法
JP5920126B2 (ja) 時間スロットの割り当て方法及び道路交通システム
JP5206486B2 (ja) 通信制御装置とこれを備えた路側通信機、及び、スロット割当方法
JP2010170241A (ja) 通信制御装置とこれを備えた路側通信機
JP6512343B2 (ja) 無線通信システムとこれに用いる移動通信機及び送信制御方法
JP2019126084A (ja) 無線通信システムとこれに用いる移動通信機及び送信制御方法
JP2011114647A (ja) 通信制御装置、路側通信機、移動通信機、及び、通信システム
JP5574012B2 (ja) 通信制御装置、路側通信機、通信制御方法、及びコンピュータプログラム
JP5435154B2 (ja) 通信制御装置及びコンピュータプログラム
JP5359956B2 (ja) 通信システム及び干渉判定方法、装置
JP5773030B2 (ja) 通信制御装置、路側通信機、移動通信機、及び、通信システム
JP5434759B2 (ja) 路側通信機、無線通信システム及びスロット情報の生成方法
JP5413063B2 (ja) 通信制御装置、路側通信機、移動通信機及び通信システム
JP5664712B2 (ja) 無線通信システムとこれに用いる移動通信機及び送信制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130624

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5316193

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250