JP5413063B2 - 通信制御装置、路側通信機、移動通信機及び通信システム - Google Patents
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かかる高度道路交通システムは、主として、インフラ側の無線通信装置である複数の路側通信機と、各車両に搭載される無線通信装置である複数の車載通信機とによって構成される。
そこで、このような限られた周波数帯域内で路車間及び車車間の各通信を行うために、マルチアクセス(Multiple Access)が用いられることが検討されている。
そこで、路側通信機の情報送信を優先的に行うために、通信に用いる周波数を、一定時間ごとに時分割して路側通信機の送信専用のタイムスロットを設ける、時分割多重(TDMA:Time Division Multiple Access)によるマルチアクセスが有効となる。
例えば、3つの路側通信機(路1、路2及び路3)が一つのグループとして構成された通信システムの場合、図10に示しているように、一定周期のフレームΔt毎に、これら路側通信機それぞれが無線送信する専用の路側用タイムスロットとして、路1用スロット、路2用スロット及び路3用スロットが割り当てられる。そして、これらのスロット以外の時間帯が車車間通信に使用される。
また、路側通信機が送信する情報には、例えば、ある路側通信機の周辺で交通事故が発生した場合や、そのために救急車等の緊急車両が出動している場合に送信すべき情報があり、当該路側通信機は、周囲の車載通信機に対して注意を促すことを目的として、事故の発生を示す緊急的な情報を送信する必要がある。
このために、路2用スロットでは、当該路2用スロットを時間延長したことを示す情報も送信し、当該路2用スロットの時間延長を周囲の車載通信機に知らせる必要がある。
しかし、周囲の車載通信機にとって、この時間延長を示す情報の受信が遅れると、路2スロットの延長を把握できず、当該路2スロットの延長された時間帯で無線送信を行うおそれがある。この場合、車載通信機と路側通信機との電波の干渉が発生してしまうことがある。
しかし、例外的に情報が増えた場合はよいが、それ以外の場合では、路側用タイムスロットのスロット長が無駄に長くなり、車載通信機のためのタイムスロットが短縮されてしまい、車車間通信が十分に行われないおそれがあるという問題点がある。
仮に、前記路側用タイムスロットで送信する情報を、前フレームの路側用タイムスロットで送信する一方で、その前フレームで、前記延長スロットのスロット長に関する情報を移動通信機がまだ受信できずに、当該移動通信機が無線送信を行ってしまうと、電波の干渉が生じるリスクが高くなる。しかし、前記送信指令部によれば、前記路側用タイムスロットで送信する情報を送信するのは、延長スロットが割り当てられたフレームであるために、その時までに移動通信機が延長スロットのスロット長に関する情報を受信する機会が増え、当該情報を取得する移動通信機も増えるので、前記のような電波の干渉の発生を防ぐことができる。
この場合、どのタイミングのフレームで延長スロットが割り当てられたかについて、前フレームで移動通信機は事前に把握することができる。なお、前記フレームのタイミングには、現在から、当該フレームまでの時間の他に、現在から、あと何回のフレームが経過すると延長スロットが含まれるフレームが到来するかを示す予定回数(後述の発明を実施するための形態では、相対フレーム数である)も含まれる。
そして、同じ装置に設けた場合の本発明は、所定の周期で繰り返されるフレームそれぞれの中に、複数の路側通信機が無線送信を行う複数の路側用タイムスロットと、移動通信機が無線送信を行う移動用タイムスロットとが時分割で割り当てられて無線通信が行われる通信システムに用いられる通信制御装置であって、前記各フレームに含まれる前記複数の路側用タイムスロットの前記複数の路側通信機への割り当てを行い当該各フレームに含まれる当該複数の路側用タイムスロットそれぞれの時間を示すスロット情報を生成するスロット割り当て部と、前記スロット情報を前記移動通信機に取得させる通知部とを備え、前記スロット割り当て部は、前記路側用タイムスロットで送信する情報に応じて必要がある場合に、あるフレーム内の特定の路側通信機のための路側用タイムスロットを、時間延長させた延長スロットとして割り当て、当該延長スロットのスロット長に関するスロット情報を生成し、前記通知部は、前記延長スロットのスロット長に関するスロット情報を、当該延長スロットが割り当てられたフレーム以前にある前フレームで前記移動通信機に取得させ、当該移動通信機に取得させる当該スロット情報は、当該前フレームにおいて当該移動通信機が当該スロット情報を取得すると当該前フレームにおいても前記特定の路側通信機のための路側用タイムスロットのスロット長が延長されると把握させる情報である。
この通信制御装置は、前記(1)の通信システムと同じ作用を奏することができる。
本発明によれば、移動通信機の通信部が前記延長スロットのスロット長に関する情報を受信すると、移動通信機は、延長スロットのスロット長を把握することが可能となり、通信制御部によって、延長スロットでは無線送信を停止することができる。
この場合、移動通信機の通信部が延長スロットのスロット長に関する情報を受信すると、その情報を他の移動通信機に通知するので、路側通信機と直接通信できなかった他の移動通信機に対しても、延長スロットのスロット長に関する情報を与えることができる。
(10)また、前記(1)の通信システムにおいて、前記複数の路側用タイムスロットそれぞれにおいて無線送信する情報には、前記移動通信機へ提供する提供情報の他に、前記スロット情報が含まれているのが好ましい。
(11)また、前記(6)の通信制御装置において、前記複数の路側用タイムスロットそれぞれにおいて無線送信する情報には、前記移動通信機へ提供する提供情報の他に、前記スロット情報が含まれているのが好ましい。
このように、移動用タイムスロットの時間が確保されることにより、本発明の移動通信機は、無線送信を活発に行うことができる。
図1は、高度道路交通システム(ITS)の実施の一形態を示す概略斜視図である。本実施形態の高度道路交通システムは、交通信号灯器1、路側通信機2、車載通信機3(図2及び図3参照)、中央装置4、車載通信機3を搭載した車両5、及び、路側センサ6を含む。
交通信号灯器1と路側通信機2は、複数の交差点Ji(図例では、i=1〜12)のそれぞれに設置されており、電話回線等の通信回線7を介してルータ8に接続されている。このルータ8は交通管制センター内の中央装置4に接続されている。
すなわち、中央装置4は、通信回線7を介してLAN側と接続された通信インタフェースである通信部を有しており、この通信部は、交通信号灯器1から受けた前記信号現示情報、交通信号灯器1の切り替えタイミングに関する信号制御指令、路側センサ6から受けた前記センサ情報(渋滞情報)等の各種の提供情報D1を、交通信号灯器1及び路側通信機2に送信する(図1参照)。
図2は、高度道路交通システムの管轄エリアの一部を示す道路平面図である。なお、道路構造はこれに限られるものではない。本実施形態の高度道路交通システムは、車載通信機3との間で無線通信が可能な複数の路側通信機2と、キャリアセンス方式で他の通信機2,3と無線通信を行う移動無線送受信機(移動通信機)の一種である車載通信機3とを備えている。
各路側通信機2は、その周囲に広がる通信エリアA(路側通信機2の送信信号が十分に届く範囲)を有し、自身の通信エリアAを走行する車両5の車載通信機3との無線通信が可能である。また、各路側通信機2は、通信エリアAが重複(一部重複でも全部重複でもよい。)する他の路側通信機2とも無線通信が可能である。
交通管制センターに設けられた前記中央装置4は、各路側通信機2と有線での双方向通信が可能となっているが、これらの間も無線通信であってもよい。
また、各路側通信機2は、自身の送信タイミングを制御するために他の路側通信機2との時刻同期機能を有している。この路側通信機2の時刻同期は、例えば、自身の時計をGPS時刻に合わせるGPS同期や、自身の時計を他の路側通信機2からの送信信号に合わせるエア同期等によって行われる。
また、本実施形態では、後述のスロット割り当て部23A等を含む本発明の「通信制御装置」を、親機Mとなる路側通信機2のみに搭載した場合を例示するが、その通信制御装置は、複数の路側通信機2それぞれに設けてもよく、路側通信機2とは別個に路側に設置してもよく、中央装置4に設けてもよい。
図3は、路側通信機2と車載通信機3の内部構成を示すブロック図である。
路側通信機2は、無線通信のためのアンテナ20が接続された無線通信部21と、中央装置4と双方向通信する有線通信部22と、これらの通信制御を行うプロセッサ(CPU:Central Processing Unit)等よりなる制御部23と、制御部23に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部24とを備えている。
路側通信機2の制御部23は、上記コンピュータプログラムを実行することで達成される機能部として、スロット割り当て部23Aと通知部23Bと送信指令部23Cとを備えている。
また、通知部23Bは、無線通信部21が受信した車載通信機3の車両情報(車両5の位置、速度及び方向等)を、記憶部24に一時的に記憶させ、有線通信部22から中央装置4に転送させる。
このように、スロット割り当て部23Aは、一定周期(図4では100ミリ秒)で繰り返されるフレームΔt−(N)(N:0,1,2・・・)を設定すると共に、このフレームΔt−(N)それぞれの中に、路側用タイムスロットTaと車載用タイムスロットTbとを時分割で割り当てる。
この機能を具体的に説明するために、路側用タイムスロットTaで送信する情報の種類について説明する。
路側用タイムスロットTaで送信される情報には、更新頻度の高低を判断基準として分類された第一情報、更新頻度の高低を判断基準として前記第一情報とは別に分類された第二情報、さらには、緊急的に送信する第三情報が含まれる。なお、第三情報は更新頻度の高低に関係がない情報であってもよい。
また、第一情報、第二情報及び第三情報は、路側通信機2が車載通信機3へ送信する前記提供情報D1であり、路側通信機2は、この提供情報D1を、中央装置4から取得する他に、他の装置から直接取得することができる。この提供情報D1は、車載通信機3を搭載した車両5に対して安全運転支援制御のために有用となる情報である。
特に、信号現示情報は、信号制御器又は中央装置4の制御によって、交通信号灯器1が設置されている道路の渋滞状況に応じて変化させることがあるため、このような信号現示情報は、更新頻度を高くして送信すべき情報である。
したがって、このような高頻度更新情報は、図4において、フレームΔt−(N)毎の路側用タイムスロットTaそれぞれで通常送信される通常情報となる。
道路線形情報は、その道路のある対象地点(交差点やカーブ)を通過するまでは、その情報は有効であることから、更新し続ける必要はない。このため、このような道路線形情報は時間的に静的な情報であり、更新頻度を低くして送信してもよい。
したがって、このような低頻度更新情報は、前記高頻度更新情報の他に追加して送信する追加情報となる。
緊急情報は、常に送信する情報ではないため、このような緊急情報は、前記高頻度更新情報の他に追加して送信する追加情報となる。
また、通常情報である高頻度更新情報の他に追加情報として低頻度更新情報も路側用タイムスロットTaで送信する必要がある場合、前記スロット割り当て部23Aは、路側用タイムスロットTaを第二タイムスロットβとして割り当てる。この第二タイムスロットβは、前記第一タイムスロットαと比べて、送信する情報量が多くなるため、当該第一タイムスロットαよりもスロット長が長く設定されている。
前記第一タイムスロットαを通常スロットとすると、第二タイムスロットβと第三タイムスロットγとは、通常スロットよりもスロット長が延長された延長スロットとなる。
この結果、フレームΔt−(N)毎の路側用タイムスロットTaは、第一タイムスロットα、第二タイムスロットβ及び第三タイムスロットγのうちのいずれか一つとして割り当てられることになる。
通常スロット(第一タイムスロットα)が割り当てられる場合、このスロット情報D2には、当該通常スロットの開始時間及びスロット長に関する情報が含まれ、延長スロット(第二タイムスロットβ又は第三タイムスロットγ)が割り当てられる場合、このスロット情報D2には、当該延長スロットの開始時間及びスロット長に関する情報が含まれる。
図5は、無線通信部21から送信される信号のフレーム構造を説明する説明図である。標準ヘッダにはアドレスの情報等が含まれていて、拡張ヘッダに前記スロット情報D2が含まれる。そして、データ部分に前記提供情報D1が含まれる。
スロット情報D2、その通知処理及び追加する情報を送信するタイミングの制御の具体例は、後に説明する。
図3に戻り、車載通信機3は、無線通信のためのアンテナ30に接続され、前記提供情報D1や前記スロット情報D2等を含む情報を受信する通信部31と、この通信部31に対する通信制御を行うプロセッサ等よりなる制御部32と、この制御部32に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部33とを備えている。
記憶部33は、制御部32が実行する通信制御のためのコンピュータプログラムや、各通信装置2,3の通信機ID等を記憶している。
車載通信機3の制御部32は、上記コンピュータプログラムを実行することで達成される機能部として、通信制御部32Aと送信部32Bとを備えている。
従って、通信制御部32Aは、所定の搬送波周波数の受信レベルを常時感知しており、その値がある閾値以上である場合は無線送信を行わず、当該閾値未満になった場合にのみ無線送信を行うようになっている。
また、前記送信部32Bは、通信部31が受信した前記スロット情報D2や前記提供情報D1を、他の移動通信機3に対して、通信部31を介して通知(転送)する機能を有している。
路側通信機2(親機M)のスロット割り当て部23A(図3参照)は、図4に示しているように、一定周期で繰り返されるフレームΔt−(N)毎に、親機M、子機S1,S2用として路側用タイムスロットTaをそれぞれ割り当てる処理を時分割により行い、これ以外の時間帯を車載用タイムスロットTbとして開放する。
さらに、スロット割り当て部23Aは、路側用タイムスロットTaで送信する情報に応じて必要がある場合に、あるフレーム内の特定の路側用タイムスロットTaを、時間延長させた延長スロットとして割り当てる。この結果、路側用タイムスロットTaそれぞれは、高頻度更新情報を送信する第一タイムスロットαと、高頻度更新情報の他に追加する情報として低頻度更新情報も送信する第二タイムスロットβと、高頻度更新情報の他に追加する情報として緊急情報も送信する第三タイムスロット欄間とのいずれか一つとして割り当てられることとなる。
そこで、このような場合に、前記事故の情報を前記中央装置4が取得すると、当該中央装置4は前記緊急情報を生成し、親機Mに送信する。すると、現在のフレームΔt−(0)で、この親機Mのスロット割り当て部23Aは、受信した前記緊急情報を路側用タイムスロットTaで送信させるために、子機S1用の路側用タイムスロットTaを、時間延長させた延長スロットである第三タイムスロットγとして割り当てる。
このような各割り当てを行うために、タイムスロットに関するスロット情報D2が、スロット割り当て部23Aによって生成される。図6は、スロット情報D2の内容を説明する説明図である。
しかし、追加する情報として緊急情報を送信する必要があるため、スロット割り当て部23Aは、子機S1の路側用タイムスロットTaを延長スロットである第三タイムスロットγとして割り当てる。この延長スロットでは高頻度更新情報の他に緊急情報を追加して送信するために、図6に示しているように、当該延長スロットのスロット長に関する情報として、子機S1の路側用タイムスロットTaを5ミリ秒と設定する。
また、スロット割り当て部23Aは、親機M及び子機S2の路側用タイムスロットTaを通常スロットとして割り当て、高頻度更新情報のみを送信すればよいので、親機M用及び子機S2用のスロット長は通常時である4ミリ秒及び3ミリ秒と設定する。
以上のようなスロット情報D2が生成されることにより、路側用タイムスロットTaと、それ以外の時間帯(車載用タイムスロットTb)とが割り当てられたことになる。
なお、各路側通信機2と車載通信機3とは、時刻同期機能を有し、この時刻同期は、例えば、自身の時計をGPS時刻に合わせるGPS同期や、自身の時計を他の路側通信機2からの送信信号に合わせるエア同期等によって行われる。このため、前記現在時刻を示す情報は、路側通信機2と車載通信機3とで共有した情報であると言える。
子機S1用の路側用タイムスロットTaが、通常スロットである第一タイムスロットαであれば、そのスロット長(時間)は4ミリ秒であるが、延長スロットである第三タイムスロットγでは、1ミリ秒が延長されることで、そのスロット長は5ミリ秒となる。この延長された時間で前記緊急情報が送信される。
なお、このスロット情報D2によれば、子機S1のスロット長が5ミリ秒に延長されていることから、このスロット情報D2を既に受信した車載通信機3は、現在におけるフレームΔt−(0)の子機S1の路側用タイムスロットTaも、破線で示しているようにスロット長が延長されると把握する。
しかし、前記送信指令部23c(図3参照)によれば、緊急情報を送信するのは、現在におけるフレームΔt−(0)ではなくて、次のフレームΔt−(1)における延長スロットで子機S1から送信させるので、前記のような電波の干渉は防止される。
さらに、延長スロットが実際に到来するのは、次のフレームΔt−(1)であるために、その時までに車載通信機3が、延長スロットのスロット長に関する情報を含むスロット情報D2を受信する機会が増えるので、周囲に存在する多くの車載通信機3に延長スロットに関する情報を把握させることが可能となる。
これにより、前記スロット情報D2を受信した車載通信機3は、延長スロットの存在を予め把握することができ、その時間帯に電波を送信しない。
一方、低頻度更新情報に含まれる道路線形情報は、短時間では変化しない静的な情報であることから、本実施形態によれば、低頻度更新情報は第二タイムスロットβのみで送信され、低頻度更新情報を高頻度更新情報よりも送信頻度の優先度を下げて送信することになる。
以上より、低頻度更新情報又は緊急情報のような追加する情報を送信する必要がある場合にのみ、特定の路側用タイムスロットTaが延長スロットとして割り当てられることから、全ての路側用タイムスロットTaが無駄に延長されるわけではなく、路側用タイムスロットTa(第一タイムスロットα)は高頻度更新情報を送信できるだけの必要最小限でよい。このため、それ以外の時間帯である車載用タイムスロットTbの時間を確保することができ、車車間通信を活発に行わせることができる。
また、この実施例では、スロット情報D2のフレームフォーマットは、従来のものと同様であるため、従来のフォーマットを活用することができる。
前記スロット情報D2を車載通信機3の通信部31(図3参照)が受信すると、通信制御部32Aは、そのスロット情報D2に基づいて無線送信の実行と停止との制御を行う。すなわち、路側通信機2のスロット割り当て部23Aによって割り当てられた図4のタイムスロットの時間を、通信制御部32Aは把握することが可能となり、通信制御部32Aは、路側用タイムスロットTaでは無線送信を停止し、それ以外の車載用タイムスロットTbでは無線送信を実行する処理を行う。
この通知するスロット情報D2は、例えば、車両5の位置情報や速度情報等を送信するためのパケットに付加して送信(ブロードキャスト送信)される。
そして、前記実施形態では、路側通信機2(子機S1)からスロット情報D2を直接しかも早期に車載通信機3が取得できた場合に、この通知処理を迅速に実行することで、当該スロット情報D2を、周囲の他の車載通信機3にも早期に取得させることができる。このため、今まで通信エリアに存在していなかったり、第一タイムスロットαの時間についての情報のみを把握していた車載通信機3であっても、前記スロット情報D2を取得することで、後に到来する延長スロット(第三タイムスロットγ)に対応することができる。
図7は、スロット割り当て部23Aが割り当てるタイムスロットの他の例を示す概念図である。この第二実施例においても、路側通信機2の構成(図3)は第一実施例と同じである。
また、第二実施例における路側通信機2(通信制御装置)は、第一実施例のスロット割り当て部23A、通知部23B及び送信指令部23Cの機能を全て備えていて、さらに、このうちの通知部23Bは、延長スロットが割り当てられたフレーム以前にある前フレームの路側用タイムスロットTaのスロット長に関する情報をも含むスロット情報D2を、当該前フレームΔt−(0)で車載通信機3に取得させる機能を有している。
なお、図7の実施形態では、現在におけるフレームΔt−(0)の路側用タイムスロットTaのスロット長に関する情報をも含むスロット情報D2を、現在におけるフレームΔt−(0)で車載通信機3に取得させる。
しかし、この第二実施形態では、現在におけるフレームΔt−(0)の路側用タイムスロットTaに関する情報も、現在におけるフレームΔt−(0)で車載通信機3が取得する。このため、前記のような無駄な時間帯が発生することを防止することができる。
このために、スロット割り当て部23Aは、図8に示しているように、延長スロットを割り当てる必要がある場合に、当該延長スロットが割り当てられる次以降のフレームΔt−N(N=1,2,3・・・)のタイミングを示す情報を含ませてスロット情報D2を生成する。
そこで、前記タイミングを示す情報として、図8に示している相対フレーム数の情報が生成される。この相対フレーム数とは、現在のフレームΔt−(0)から、延長スロットが含まれるフレームΔt−(N)までのフレーム数についての情報である。したがって、次のフレームΔt−(1)の相対フレーム数は「1」であり、次の次のフレームΔt−(2)の相対フレーム数は「2」である。
そして、通知部23Bは、このスロット情報D2を、現在におけるフレームΔt−(0)の路側用タイムスロットTaで、無線通信部21から送信させる。
この場合、次以降のどのタイミングのフレームで、延長スロットが割り当てられたかについて、車載通信機3は把握することができる。さらに、次のフレームΔt−(1)のみならず、例えば、さらにそれ以降の任意のフレームΔt−(N)で、延長スロットが割り当てられても、延長スロットが含まれるフレームを、車載通信機3は把握することができる。また、延長スロットが、複数のフレーム(Δt−(1)とΔt−(2))それぞれで割り当てられていても、図8に示しているように、その情報を含むスロット情報D2が生成され、当該スロット情報D2を車載通信機3に取得させることができる。
この第三実施例においても、路側通信機2の構成(図3)は第一実施例と同じであり、また、この実施例において、スロット割り当て部23Aが割り当てるタイムスロットは、図7と同じとなる。
さらに、この第三実施例における路側通信機2(通信制御装置)は、第一実施例及び第二実施例のスロット割り当て部23A、通知部23B及び送信指令部23Cの機能を全て備えている。
さらに、一つのフレームにおいて、ある路側用タイムスロットTaが延長スロットに割り当てられているが、他の路側用タイムスロットTaは通常スロットのままである場合であっても、当該他の路側用タイムスロットTaのスロット開始時間及びスロット長の情報を全て、フレーム情報D2に含ませて生成している。
すなわち、スロット割り当て部23Aは、現在におけるフレームΔt−(0)の路側用タイムスロットTaから変更された内容のみの情報を、次以降のフレームの路側用タイムスロットTaの情報として設定する。
このために、図9に示しているように、次のフレームΔt−(1)で子機S1の変更されたスロット長を示す情報として、相対スロット長「1(ミリ秒)」の情報をスロット情報D2に含ませる。なお、この相対スロット長は、現在のフレームΔt−(0)からの変化量の値である。
このために、図9に示しているように、フレームΔt−(2)で親機M、子機S1及び子機S2の変更されたスロット長を示す情報として、親機M、子機S1及び子機S2全てに関して、相対フレーム数が「2」で相対スロット長が「1(ミリ秒)」とする情報を、スロット情報D2に含ませる。
例えば、前記各実施形態では、各フレームΔt−(N)で無線送信する路側通信機2を、三つとして説明したが、この数は変更自在である。
しかし、前記「送信する情報に応じて必要な場合」は、これ以外であってもよく、送信すべき情報量が増えた場合であり、例えば、通常情報の情報量を増やして送信すべき場合であってもよい。この場合、延長スロットでは通常情報のみが送信される。
また、高頻度更新情報には、信号現示情報と車両の位置情報との双方が含まれる場合を説明したが、信号現示情報と車両の位置情報とのうちの少なくとも一方であってもよい。
Claims (11)
- 所定の周期で繰り返されるフレームそれぞれの中に、複数の路側通信機が無線送信を行う複数の路側用タイムスロットと、移動通信機が無線送信を行う移動用タイムスロットとが時分割で割り当てられて無線通信が行われる通信システムであって、
前記各フレームに含まれる前記複数の路側用タイムスロットの前記複数の路側通信機への割り当てを行い当該各フレームに含まれる当該複数の路側用タイムスロットそれぞれの時間を示すスロット情報を生成するスロット割り当て部と、
前記スロット情報を前記移動通信機に取得させる通知部と、
を備え、
前記スロット割り当て部は、前記路側用タイムスロットで送信する情報に応じて必要がある場合に、あるフレーム内の特定の路側通信機のための路側用タイムスロットを、時間延長させた延長スロットとして割り当て、当該延長スロットのスロット長に関するスロット情報を生成し、
前記通知部は、前記延長スロットのスロット長に関するスロット情報を、当該延長スロットが割り当てられたフレーム以前にある前フレームで前記移動通信機に取得させ、
当該移動通信機に取得させる当該スロット情報は、当該前フレームにおいて当該移動通信機が当該スロット情報を取得すると当該前フレームにおいても前記特定の路側通信機のための路側用タイムスロットのスロット長が延長されると把握させる情報である
通信システム。 - 前記路側用タイムスロットで送信する前記情報を、前記延長スロットが割り当てられたフレームにおける当該延長スロットで前記路側通信機から送信させる送信指令部を、更に備えている請求項1に記載の通信システム。
- 前記通知部は、前記延長スロットが割り当てられたフレームのタイミングを示す情報も、前記前フレームで前記移動通信機に取得させる請求項1又は2に記載の通信システム。
- 前記通知部は、前記前フレームの路側用タイムスロットのスロット長に関する情報も、当該前フレームで前記移動通信機に取得させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の通信システム。
- 前記通知部は、前記延長スロットのスロット長に関する情報として、前記前フレームの路側用タイムスロットから変更された内容の情報を、前記移動通信機に取得させる請求項1〜4のいずれか一項に記載の通信システム。
- 所定の周期で繰り返されるフレームそれぞれの中に、複数の路側通信機が無線送信を行う複数の路側用タイムスロットと、移動通信機が無線送信を行う移動用タイムスロットとが時分割で割り当てられて無線通信が行われる通信システムに用いられる通信制御装置であって、
前記各フレームに含まれる前記複数の路側用タイムスロットの前記複数の路側通信機への割り当てを行い当該各フレームに含まれる当該複数の路側用タイムスロットそれぞれの時間を示すスロット情報を生成するスロット割り当て部と、
前記スロット情報を前記移動通信機に取得させる通知部と、
を備え、
前記スロット割り当て部は、前記路側用タイムスロットで送信する情報に応じて必要がある場合に、あるフレーム内の特定の路側通信機のための路側用タイムスロットを、時間延長させた延長スロットとして割り当て、当該延長スロットのスロット長に関するスロット情報を生成し、
前記通知部は、前記延長スロットのスロット長に関するスロット情報を、当該延長スロットが割り当てられたフレーム以前にある前フレームで前記移動通信機に取得させ、
当該移動通信機に取得させる当該スロット情報は、当該前フレームにおいて当該移動通信機が当該スロット情報を取得すると当該前フレームにおいても前記特定の路側通信機のための路側用タイムスロットのスロット長が延長されると把握させる情報である
通信制御装置。 - 請求項6に記載の通信制御装置を備えた路側通信機。
- 請求項6に記載の通信制御装置と無線通信可能な移動通信機であって、
前記延長スロットのスロット長に関する情報を受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記スロット長に関する情報に基づいて無線送信の実行と停止との制御を行う通信制御部とを備えた移動通信機。 - 前記通信部が受信した前記延長スロットのスロット長に関する情報を、他の移動通信機に対して通知する送信部を、更に備えている請求項8に記載の移動通信機。
- 前記複数の路側用タイムスロットそれぞれにおいて無線送信する情報には、前記移動通信機へ提供する提供情報の他に、前記スロット情報が含まれている請求項1〜5のいずれか一項に記載の通信システム。
- 前記複数の路側用タイムスロットそれぞれにおいて無線送信する情報には、前記移動通信機へ提供する提供情報の他に、前記スロット情報が含まれている請求項6に記載の通信制御装置。
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