JP5079090B2 - 車々間通信システムおよび通信端末 - Google Patents

車々間通信システムおよび通信端末 Download PDF

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Description

本発明は、ITS(Intelligent Transport Systems)における車々間通信システムに関する。
従来から、無線通信における輻輳(パケット衝突)に対処する様々な方式がある。たとえば、車々間通信の場合、市街地等の車両密度の高い場所では輻輳により周辺車両からの信号が受信できないという問題がある。この問題を回避する方式として、通信を行う車両が、通信用パケットとは別に衝突予防パケットを持ち、自車両の情報(位置,速度,時刻情報等)を衝突予防パケットで他の車両へ送信する方式が、下記特許文献1に開示されている。パケットの衝突が発生することを前提に、情報を補完することで対応している。
一方、パケット衝突を回避するため、各通信局がメディアの占有状態を確認し、送信局毎に送信および受信が可能な通信可能範囲を設定する方式が下記特許文献2に開示されている。同様の効果を目的として、受信した車々間通信データの受信レベルと伝搬特性モデルを用いて通信エリアを推定し、通信トラフィックが不要に増加するのを抑制する方法が下記特許文献3に開示されている。通信エリアを限定し、車々間通信における無駄な転送を減らすことで、パケット衝突を減らしている。
特開2005−115508号公報 第3頁〜第4頁 特開2005−253047号公報 第15頁〜第16頁 特開2007−074145号公報 第3頁、第4図
しかしながら、上記従来の技術によれば、パケット通信の成功確率の向上およびパケット衝突確率の低減についての効果はあるが、定時性を考慮していない。そのため、定時性が要求される緊急度の高い通信には適していない、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、定時制が要求される緊急通信に適した車々間通信システムおよび通信端末を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、通常の通信よりも優先度の高い通信である緊急通信が行われる車々間通信システムであって、緊急通信を開始する車両が、通常の通信における送信停止を要求するための送信停止要求情報とともに、他の車両と直接通信が可能な緊急通信エリア、直接通信はできないが緊急通信に対して影響を与える隠れ端末エリア、および緊急通信に対して影響を与えない非輻輳端末エリアを示すエリア情報、を作成し、送信停止要求情報およびエリア情報を送信停止命令として送信し、送信停止命令を直接または間接的に受信した車両が、送信停止要求情報およびエリア情報に基づいて、送信停止命令を転送するかどうか、および送信停止を実施するかどうか、を判断することを特徴とする。
この発明によれば、車々間通信において輻輳を回避して緊急通信を行うことができる、という効果を奏する。
図1は、車両とエリアの関係を示す図である。 図2は、実施の形態1の緊急通信時における車両の配置を示す図である。 図3は、通信スロットの構成例を示す図である。 図4は、実施の形態2の緊急通信時の通信スロットの構成例を示す図である。 図5は、実施の形態3の緊急通信時における車両の配置を示す図である。 図6は、実施の形態4の緊急通信時における車両の配置を示す図である。 図7は、実施の形態4の動作を示すタイムチャートである。 図8は、実施の形態5の緊急通信時における車両の配置を示す図である。 図9は、実施の形態5の緊急通信時における車両の配置を示す図である。 図10は、実施の形態5の動作を示すタイムチャートである。
以下に、本発明にかかる車々間通信システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
最初に、緊急通信を行う車両における、緊急通信エリア,隠れ端末エリア,非輻輳端末エリアについて説明する。図1は、車々間通信を行う車両とエリアの一例を示す図である。図1において、車両1,2,3,4,5,6,7,8,9,10は、車々間通信を実行可能な通信機器を備えている。また、緊急通信エリア,隠れ端末エリア,非輻輳端末エリアは、緊急通信を開始する車両1の各エリアを表している。
車両2,3,4,5は、車両1と直接通信が可能な車両である。車両6,7,8は、車両1からは直接通信が出来ず存在を確認できないが、車両1の緊急通信に対して影響を与える隠れ端末と呼ばれる車両である。車両9,10は、車両1の緊急通信に対して影響を与えない車両である。緊急通信エリアは、車両1が緊急通信を行うときに他の車両と直接通信ができるエリアである。隠れ端末エリアは、車両1が行う緊急通信に対して影響を与える隠れ端末が存在するエリアである。非輻輳端末エリアは、車両1が行う緊急通信に対して影響を与えない車両が存在するエリアである。
ここでは、ITSにおける車々間通信として、アドホックネットワークを構成する無線通信システムを想定する。車々間通信において、事故発生や故障車情報等の緊急通信では、安全,安心のため、通常の通信よりも優先度の高い通信が必要とされる。このため、たとえば、車両1が緊急通信エリア内の車両2〜車両5に対して緊急通信を開始する場合、車両1は、周辺の車両に対して上記通常の通信に関する送信停止を要求する。この周辺の車両に対して送信する要求を「送信停止要求情報」とする。一方で、車両1は、隠れ端末エリア内の車両に対しては、送信停止要求情報を直接送信できない。そのため、たとえば、車両3が、車両7に対して送信停止要求情報を転送する。同様に、車両4が車両6に対して、車両5が車両8に対して、それぞれ送信停止要求情報を転送する。
ここで、送信停止要求情報を受信した車両が無制限に転送をすると、車両1の緊急通信に影響を与えない非輻輳端末エリア内の車両の送信まで停止させてしまい、システム全体のスループットを大きく低下させるという問題が生じる。たとえば、車両6が車両9に対して、車両7が車両10に対して、それぞれ送信停止要求情報を転送すると、送信停止要求情報を受信した車両9および車両10は、車両1の緊急通信に影響を与えない非輻輳端末エリア内の車両であるにもかかわらず、送信を停止することになり、システムスループットを低下させてしまう。また、車両9および車両10が、さらに別の車両へ送信停止要求情報を転送すると、さらに、システム全体のスループットが低下する。すなわち、非輻輳端末エリアの車両間で繰り返し行われる送信停止要求情報の転送は、無駄な転送といえる。
また、たとえば、車両10が事故等により緊急通信を開始する場合、車両10は、上記送信停止要求情報により送信を停止しているため、他の車両へ緊急通信を行うことができない。すなわち、無駄な転送により、車両10の緊急情報の送信まで停止させてしまう可能性がある。
そこで、本実施の形態では、送信停止要求情報を送信する車両は、送信停止要求情報に自車両の位置情報を含ませ、同時にエリア情報(緊急通信エリア,隠れ端末エリア,非輻輳端末エリアを示す情報)も合わせて送信することで、非輻輳端末エリアの車両間で繰り返し行われる送信停止要求情報の転送のような無駄な転送や、このような無駄な転送による不必要な送信停止を回避する。
具体的に、道路上の車両を想定して説明する。図2は、緊急通信を行う場合の車両の配置を示す図である。車両14は、緊急通信を開始する車両である。車両15,16は、緊急通信エリア内に存在する車両である。車両17は、隠れ端末エリア内に存在する車両である。車両18は、非輻輳端末エリア内に存在する車両である。
ここでは、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)をベースにしたアドホックネットワークを構成する車々間通信について説明する。車両14は、緊急通信の開始に先立ち、送信停止要求情報を周辺の車両15および車両16に送信する。このとき、車両14は、送信停止要求情報と同時に、エリア情報もあわせて送信する。ここで、送信停止要求情報とエリア情報をあわせて「送信停止命令」とする。車両14からの送信停止命令を受信した車両15は、周辺の車両17に対して車両14からの送信停止命令を転送する。同様に、車両14からの送信停止命令を受信した車両16は、周辺の車両18に対して車両14からの送信停止命令を転送する。
また、非輻輳端末エリア内の車両18は、車両14の位置情報やエリア情報および自車両の位置に基づいて、これ以上送信停止命令を転送する必要がないと判断し、車両14からの送信停止命令の転送を停止する。たとえば、転送先の車両が、非輻輳端末エリアにあって、緊急通信を開始する車両14を基準として自車両よりも遠方に存在している場合に、送信停止命令を転送する必要がないと判断する。
車両14からの送信停止命令を直接または転送により間接的に受信した車両は、自車両が存在するエリアの種類によって、下記のように動作する。
(a)緊急通信エリア内の車両:車両15および車両16は、車両14と緊急通信を行う。また、車両15および車両16は、車両14との緊急通信への影響を回避するため、通常の通信の送信を停止する。
(b)隠れ端末エリア内の車両:車両17は、車両14の緊急通信への影響を回避するため、通常の通信の送信を停止する。
(c)非輻輳端末エリア内の車両:車両18は、車両14の緊急通信に影響を与えないため、送信を停止することなく通常通り通信を行う。
車両14は、自車両や周辺の車両が移動することを考慮して、送信停止命令を、内容(エリア情報等)を適宜更新しながら周辺の車両に送信する。適切に緊急通信エリア等を更新することで、より効果的に輻輳を回避することができる。
また、車両14は、送信停止要求情報に自車両の位置情報を含ませているので、たとえば、車両14以外の他の車両は、エリア情報と車両の位置情報から送信停止要求情報の発信源の車両を識別することができる。
なお、エリア情報のエリアの規定については、車両14からの距離でもよく、GPSを利用した絶対座標でもよい。また、車両14は、緊急通信が必要とされる範囲(周辺車両への配信、後続車両のみに配信、広域に配信、等)や、GPSで得られる位置情報や、カーナビゲーションから得られる地図情報等、に基づきエリア情報を作成する。たとえば、車両14は、上記各情報に基づきエリアをより詳細に設定することで、送信停止命令にしたがって送信を停止する車両の数を限定することができる。これにより、システム全体のスループットの低下を抑えることが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態では、緊急通信を開始する車両は、送信停止要求情報とあわせてエリア情報も周辺の車両に送信することとした。これにより、送信停止要求情報とエリア情報を受信した車両は、無駄な転送や不必要な送信停止を回避することができ、システム全体のスループットの低下を抑えることができる。また、不必要な送信停止を回避することで、非輻輳端末エリアで発生した緊急通信との共存が可能となる。
実施の形態2.
本実施の形態では、TDMA(時分割多元接続:Time Division Multiple Access)やスロットアロハ方式等で用いられるスロット構成を有する通信について説明する。
図3は、通信スロットを示す図である。たとえば、図3に示すように、1つのスーパーフレームを4分割してTDMA通信が行われている場合を想定する。通常の通信の場合、このように、4つのスロットを使用して車々間で通信が行われる。
ここで、実施の形態1と同様(図2参照)、車両14が緊急通信を開始する事象が発生した場合、車両14は、緊急通信の開始に先立ち、周辺の車両15および車両16に対して送信停止命令(送信停止要求情報とエリア情報)を送信する。このとき、本実施の形態では、緊急通信で使用するスロット番号もあわせて通知する。図4は、緊急通信時における通信スロットを示す図である。車両14が、スロット#4を緊急通信に使用するスロットとして割り当てている状態を表している。車両14からの送信停止命令とスロット番号通知を受信した車両15は、車両17に対してその送信停止命令とスロット番号通知を転送する。同様に、車両14からの送信停止命令とスロット番号通知を受信した車両16は、車両18に対してその送信停止命令とスロット番号の通知を転送する。
車両14からの送信停止命令とスロット番号通知を直接または転送により受信した車両は、自車両が存在するエリアの種類によって、下記のように動作する。
(a)緊急通信エリア内の車両:車両15および車両16は、スロット#4を用いて車両14と緊急通信を行う。また、車両15および車両16は、車両14との緊急通信への影響を回避するため、スロット#4を用いた通常の通信の送信を停止する。
(b)隠れ端末エリア内の車両:車両17は、車両14の緊急通信への影響を回避するため、スロット#4を用いた通常の通信の送信を停止し、スロット#4以外のスロットを用いた送信を行う。
(c)非輻輳端末エリア内の車両:車両18は、車両14の緊急通信に影響を与えないため、送信を停止することなく通常通り通信を行う。
なお、本実施の形態では、スロット#4を使用する場合について説明したが、車両14が、緊急通信を開始する前に特定のスロットを使用していれば、そのスロットを継続して緊急通信用として使用してもよい。また、車両14が緊急通信を開始するまで通信をしていなかった場合、空きスロットを含め、任意のスロットを緊急通信用に使用することとしてもよい。スロットを割り当てる手段については特に規定しない。
本実施の形態は、緊急通信を開始する車両が通信に使用するフレームのスロットを割り当ててその情報を周辺の車両に通知する点、緊急通信エリアの車両は割り当てられたスロットで緊急通信を行う点、および隠れ端末エリアの車両は緊急通信用に割り当てられたスロットのみ送信を停止する点、が実施の形態1と異なっており、その他の動作は同様である。
以上説明したように、本実施の形態では、緊急通信を開始する車両は、送信停止命令を周辺の車両に送信する際、使用するスロット番号もあわせて通知することとした。これにより、緊急通信に使用するスロットを特定することで、送信停止命令とスロット番号通知を受信した車両は、無駄な転送や不必要な送信停止を回避することができ、システム全体のスループットの低下を抑えることができる。また、非輻輳端末エリアで発生した緊急通信との共存が可能となる。
なお、一般的にスロットを使用する通信では、スロット(時間)を管理するマスターが必要となる。マスターについては、アドホックネットワークを構成する車両の中から選定してもよく、また、路側機のようなマスターとなる通信機が存在する場合は、そのマスターに従うものとする。また、本実施の形態では、車々間通信の場合について説明したが、路車間通信と車々間通信が混在していてもよい。
実施の形態3.
本実施の形態では、たとえば、衝突事故を起こした2台の車両が同時に緊急通信を行う場合に生じる輻輳の回避について説明する。
図5は、2台の車両が衝突事故を起こした場合を示す図である。図5において、車両19および車両20は衝突事故を起こした車両である。車両が緊急通信を行う場合の一例として、衝突事故発生時に、後続車両に対して注意喚起や停止命令を出す場合がある。また、図5のように、2台の車両による衝突事故では、同時に2台の車両が緊急通信を開始することも考えられる。
このとき、CSMA/CAの場合は、衝突したお互いの車両の通信で輻輳が発生し、緊急通信ができない可能性がある。また、2台の車両が正常に緊急通信を行っても、通信の情報量が2台分となり、システム全体のスループットを大きく低下させることになる。一方、実施の形態2におけるスロット構成を用いた通信の場合は、2つのスロットが緊急通信に使用されることになるため、この場合も、システム全体のスループットを大きく低下させることになる。また、スロット数より多い台数の車両が緊急通信を開始する場合には、スロットの割り当てができない緊急通信が発生するという問題がある。
したがって、本実施の形態では、複数の車両が同一の事象について同時に緊急通信を行う可能性がある場合、緊急通信を開始する車両を1台に限定する。たとえば、衝突事故の場合、衝突事故を起こした車両は、相手方の車両も同一の事象について緊急通信を行う可能性があると予測できる。このような場合は、たとえは、先に緊急通信を開始した一方の車両のみが緊急通信を行う。なお、ここでは2台の車両の衝突事故について説明をしたが、3台以上の複数の車両の場合でも、同様の調整が可能である。
上記の方法については、実施の形態1に記載のCSMA/CAの場合、実施の形態2のスロット構成を用いた通信の場合、のいずれにおいても適用することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、複数の車両が同一の事象について同時に緊急通信を行う可能性がある場合、緊急通信を開始する車両を1台に限定することとした。これにより、緊急通信を行う車両間での輻輳を回避できるとともに、重複する通信を減らすことでシステム全体としてのスループットの低下を抑えることが可能となる。また、衝突等により車両に搭載した通信機器が破損した場合でも、1台の車両の通信機器が正常に動作していれば緊急通信を行うことができる。
実施の形態4.
本実施の形態では、緊急通信を開始する車両から送信停止命令を受信した車両が、他の車両へ送信停止命令を転送せず、送信停止命令を送信した車両に対して、緊急通信準備完了を送信する場合について説明する。
実施の形態3までは、緊急通信を開始する車両から送信停止命令(送信停止要求情報とエリア情報)を受信した車両は、他の車両へ送信停止命令を転送する。しかし、緊急通信を開始する車両の緊急通信エリア内に多数の車両が存在する場合、送信停止命令を受信した車両が同時に転送することによって輻輳が発生する。本実施の形態は、このような輻輳の発生を回避するものである。
図6は、緊急通信を行う場合の車両の配置を示す図である。図6において、車両21は、緊急通信を開始する車両である。車両22,23は、緊急通信エリア内に存在する車両である。車両24,25は、隠れ端末エリア内に存在する車両である。図7は、実施の形態4の動作を示すタイムチャートであり、図6に示す車両が緊急通信の状態に移行する手順を表している。ここでは、通信方式としてCSMA/CAを用いた場合を想定する。
図6および図7を用いて、緊急通信を行う場合の動作について説明する。緊急通信エリア内の車両22および車両23は、車両21からの送信停止命令を受信した場合、他の車両へ送信停止命令を転送せず、車両21に対して緊急通信の準備が完了したことを示す緊急通信準備完了を送信する。ここで、緊急通信エリア内に複数の車両が存在する場合、送信停止命令を受信した車両が同時に緊急通信準備完了を送信すると、パケット衝突が発生する。そのため、各車両は、緊急通信準備完了を送信可能な時間を予め設定する。予め設定する時間を「ランダム時間」とする。各車両は、ランダム時間経過後にキャリアセンスを行い、通信状態を確認してから送信する。なお、ランダム時間は、時間設定の長い車両が永久に送信できない事態を避けるため、キャリアセンスを行うごとに徐々に短くする。
図7において、車両22は、車両21から送信停止命令を受信後、予め設定した時間(ランダム時間)後にキャリアセンスを行い、他の通信が存在しないので車両21に対して緊急通信準備完了を送信する。この段階で、車両22は、通常の通信の送信を停止し、緊急通信状態に移行する。緊急通信準備完了を受信した車両21は、車両22に対して即座に確認応答を返信する。一方、車両23は、車両21から送信停止命令を受信後、予め設定した時間(ランダム時間)後にキャリアセンスを行った結果、他の通信の存在(図7における車両22から車両21への緊急通信準備完了)が確認されたため、このタイミングでは緊急通信準備完了の送信を行わない。車両23は、他の通信の終了(図7における車両21から車両22への確認応答)から予め設定した時間(ランダム時間)後に再度キャリアセンスを行い、ここでは他の通信が存在していないので緊急通信準備完了を送信する。この段階で、車両23は、通常の通信の送信を停止し、緊急通信状態に移行する。緊急通信準備完了を受信した車両21は、車両23に対して即座に確認応答を返信する。
緊急通信準備完了を受信した車両21は、さらに他の車両からの緊急通信準備完了を受信することを想定して、予め設定した任意の時間が経過した後、緊急通信エリア内の車両が緊急通信に対する準備ができたと判断し、緊急通信を開始する。緊急通信準備完了を受信した車両21は、即座に確認応答を返信することで、たとえば、緊急通信準備完了を送信したが確認応答を受信しなかった車両は、緊急通信準備完了を再送信することが可能となる。緊急通信準備完了を送信した車両は自車両の状態を確実に車両21へ伝えることができ、車両21は緊急通信エリア内の車両の状態を把握した上で緊急通信を開始することができる。
一方、隠れ端末エリア内の車両24は、車両21からの送信停止命令を受信することはできないが、車両22が車両21に対して送信した緊急通信準備完了を受信することは可能である。したがって、車両24は、車両21からの送信停止命令を受信していないが、車両22からの緊急通信準備完了を受信したことで、自車両が車両21の隠れ端末エリア内に存在していると判断し、車両21が行う緊急通信への影響を回避するため送信を停止する。同様に車両25は、車両23からの緊急通信準備完了を受信したことで、自車両が車両21の隠れ端末エリア内に存在していると判断し、緊急通信への影響を回避するため送信を停止する。
なお、ここでは、CSMA/CAを使用した場合について説明したが、TDMAのようなスロット構成を用いた通信の場合についても同様である。たとえば、緊急通信エリア内で、車両21からの送信停止命令とスロット番号通知を受信した車両22は、他の車両へ送信停止命令を転送せず、車両21へ緊急通信準備完了とスロット番号通知を返信する。このとき、車両24は、車両22が車両21に対して返信した緊急通信準備完了とスロット番号通知を受信できるので、自車両が車両21の隠れ端末エリアに存在していると判断する。車両24は、緊急通信への影響を回避するため通知されたスロット番号における通常の通信の送信を停止する。同様に車両25も、車両23が車両21に対して送信した緊急通信準備完了とスロット番号通知を受信し、自車両が車両21の隠れ端末エリアに存在していると判断する。車両25は、緊急通信への影響を回避するため通知されたスロット番号における通常の通信の送信を停止する。
また、実施の形態1の場合では、緊急通信を開始する車両は、緊急通信エリア内の車両に対して、送信停止命令を複数回にわたって送信するのが一般的である。また、送信停止命令を受信した車両は、受信するごとに、他の車両へ送信停止命令を転送する。本実施の形態では、緊急通信を開始する車両は、緊急通信エリア内の車両が緊急通信状態にあることを認識できるため、送信停止命令を複数回にわたって送信する必要が無い。そのため、緊急通信を開始する車両は、緊急通信エリア内の車両へ送信する送信停止命令の回数を減らすことができる。また、送信停止命令を受信した車両も、他の車両へ転送しないので、システム全体としてのスループットの低下を抑えることが可能となる。また、キャリアセンス時のBUSY状態やパケット衝突確率を大幅に改善でき、緊急通信を開始するまでの時間を短縮することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、緊急通信エリア内で送信停止命令を受信した車両は、送信停止命令を送信した車両に対して緊急通信準備完了を送信することとした。これにより、緊急通信準備完了を受信した車両は、緊急通信エリア内の車両の状態を把握した上で緊急通信を開始することができる。また、多数の車両が緊急通信エリア内に存在する場合でも、多数の車両が同時に送信停止命令を転送することがないため、システム全体としてのスループットの低下を抑えることが可能となる。
実施の形態5.
本実施の形態においては、送信停止命令を受信した車両が、送信停止命令を代理送信する場合について説明する。
緊急通信を開始する車両は、送信停止命令の送信頻度を上げることによって、たとえば、新たに隠れ端末エリアに進入した車両に対して、この車両が不用意な送信を開始する前に緊急通信エリア等の情報を通知することができる。一方で、市街地,郊外,高速道路等によって車速や緊急通信エリアも異なる可能性があり、送信頻度を一意に決定することが難しい。また、GPS情報,ETC情報,カーナビゲーション情報等から、送信頻度を決定することが可能であるが、送信頻度を上げると、本来送信したい緊急通信情報に割り当てる時間が削減される可能性がある。
そこで、本実施の形態では、緊急通信を開始する車両は、緊急通信エリアに存在する車両に対して、受信した送信停止命令を他の車両へ送信可能な時間を通知する。この通知に基づき、送信停止命令を受信した車両が隠れ端末エリアに存在する車両に対して代理で送信停止命令を送信することにより、上記「本来送信したい緊急通信情報に割り当てる時間が削減される可能性」を回避する。
図8および図9は、緊急通信を行う場合の車両の配置を示す図である。詳細には、図8は、時刻t0における車両の配置を表し、図9は、時刻t2における車両の配置を表している。車両26は緊急通信を開始する車両である。車両27,28は緊急通信エリア内に存在する車両である。車両29は、時刻t0において、非輻輳端末エリア内に存在(図8)しているが、時刻t2において、隠れ端末エリア内に移動(図9)している車両である。車両30は隠れ端末エリア内に存在する車両である。
つづいて、緊急通信を行う場合の動作について説明する。図10は、実施の形態5の動作を示すタイムチャートであり、図8および図9に示す車両が緊急通信の状態に移行する手順を表している。図8に示す時刻t0において、車両26が、車両27,28に対して送信停止命令を送信する。その際、送信停止命令を受信した車両27,28がその送信停止命令を転送するための報知期間の開始タイミングt1と割当時間(period0)、および代理送信期間の開始タイミングt3,t4,t5と割当時間(period1)、の情報も同時に送信する。
なお、ここでは、通信方式としてCSMA/CAを想定して説明するが、スロット構成を用いた通信としてもよい。
送信停止命令を受信した車両27,28は、まず、報知期間において送信停止命令を転送する。本実施の形態では、車両30は、車両28からの送信停止命令を受信することで送信を停止する。
つぎに、図9に示す時刻t2において、車両29が隠れ端末エリアに進入する。この状態で、車両29が不用意な送信を行った場合、その不用意な送信を受信していた車両27は、時刻t3において、予め車両26から割り当てられた代理送信期間内に、車両29に対して送信停止命令を送信する。車両29は、送信停止命令を受信することで、送信を停止する。
実施の形態4までは、緊急通信を開始する車両(本実施の形態では車両26)が送信するつぎの送信停止命令(時刻t6)までは送信停止命令が更新されないため、時刻t2〜t6の期間中、車両29が不用意な送信を行い続ける可能性があった。本実施の形態では、車両29による不用意な送信を受信した車両27が、車両26の代理で送信停止命令を送信することによって、車両29の送信を停止させることができる。
また、代理送信期間(period1)は、代理送信期間周期の間隔ごとに繰り返し到来することとする。車両26の代理となる車両は、代理送信期間周期の間に新たに隠れ端末エリアに進入した車両に対して送信停止命令を送信する。代理送信期間は、報知期間(period0)に比べて、短い時間(period1<period0)とする。
以上説明したように、本実施の形態では、緊急通信を開始する車両が送信する送信停止命令と同時に、他の車両が送信停止命令を代理送信可能な時間(報知期間および代理送信期間)を通知することとした。これにより、緊急通信を開始する車両は、送信停止命令の送信頻度を下げることができる。また、代理送信転送期間を設定することにより、新たに隠れ端末エリアに進入した車両が緊急通信に影響を与えるような送信を行った場合であっても、この送信を検出した車両がつぎの代理送信期間において送信停止命令を送信するので、不用意な送信による緊急通信への影響を回避することができる。
以上のように、本発明にかかる車々間通信システムは、緊急通信を行う場合に有用であり、特に、定時性が要求される車々間の緊急通信に適している。
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30 車両

Claims (23)

  1. 通常の通信よりも優先度の高い通信である緊急通信が行われる車々間通信システムであって、
    緊急通信を開始する車両が、前記通常の通信における送信停止を要求するための送信停止要求情報とともに、他の車両と直接通信が可能な緊急通信エリア、直接通信はできないが緊急通信に対して影響を与える隠れ端末エリア、および緊急通信に対して影響を与えない非輻輳端末エリアを示すエリア情報、を作成し、当該送信停止要求情報および当該エリア情報を送信停止命令として送信し、
    前記送信停止命令を直接または間接的に受信した車両が、前記送信停止要求情報および前記エリア情報に基づいて、当該送信停止命令を転送するかどうか、および前記送信停止を実施するかどうか、を判断することを特徴とする車々間通信システム。
  2. 前記送信停止命令を直接受信した緊急通信エリア内の車両は、当該送信停止命令を転送し、前記通常の通信の送信を停止して前記緊急通信を実行可能な状態に移行し、
    転送により送信停止命令を間接的に受信した隠れ端末エリア内の車両は、当該送信停止命令を転送し、前記通常の通信の送信を停止し、
    転送により送信停止命令を間接的に受信した非輻輳端末エリア内の車両は、当該送信停止命令を転送せずに前記通常の通信を継続することを特徴とする請求項1に記載の車々間通信システム。
  3. 複数のスロットからなるフレームを用いた通信を行い、かつ、所定のスロットを用いて通常の通信よりも優先度の高い通信である緊急通信を実行可能な車々間通信システムであって、
    緊急通信を開始する車両が、前記通常の通信における送信停止を要求するための送信停止要求情報とともに、他の車両と直接通信が可能な緊急通信エリア、直接通信はできないが緊急通信に対して影響を与える隠れ端末エリア、および緊急通信に対して影響を与えない非輻輳端末エリアを示すエリア情報、を作成し、当該送信停止要求情報および当該エリア情報からなる送信停止命令と、当該緊急通信で使用するスロットに関するスロット情報と、を送信し、
    前記送信停止命令および前記スロット情報を直接または間接的に受信した車両が、前記送信停止要求情報、前記エリア情報および前記スロット情報に基づいて、当該送信停止命令を転送するかどうか、および前記緊急通信で使用するスロットにおける前記送信停止を実施するかどうか、を判断することを特徴とする車々間通信システム。
  4. 前記送信停止命令および前記スロット情報を直接受信した緊急通信エリア内の車両は、当該送信停止命令および当該スロット情報を転送し、当該スロットにおける前記通常の通信の送信を停止して、当該スロットを用いた緊急通信を実行可能な状態に移行し、
    転送により送信停止命令およびスロット情報を間接的に受信した隠れ端末エリア内の車両は、当該送信停止命令および当該スロット情報を転送し、当該スロットにおける前記通常の通信の送信を停止し、
    転送により送信停止命令およびスロット情報を間接的に受信した非輻輳端末エリア内の車両は、当該送信停止命令および当該スロット情報を転送せずに前記通常の通信を継続することを特徴とする請求項3に記載の車々間通信システム。
  5. 複数の車両が同一の事象について同時に緊急通信を行う可能性がある場合は、緊急通信を開始する車両を1台に限定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の車々間通信システム。
  6. 通常の通信よりも優先度の高い通信である緊急通信が行われる車々間通信システムであって、
    緊急通信を開始する車両が、前記通常の通信における送信停止を要求するための送信停止要求情報とともに、他の車両と直接通信が可能な緊急通信エリア、直接通信はできないが緊急通信に対して影響を与える隠れ端末エリア、および緊急通信に対して影響を与えない非輻輳端末エリアを示すエリア情報、を作成し、当該送信停止要求情報および当該エリア情報を送信停止命令として送信し、
    前記送信停止命令を受信した緊急通信エリア内の車両が、緊急通信の準備が完了したことを示す緊急通信準備完了通知を返信し、その後、前記送信停止を実施して緊急通信を実行可能な状態に移行し、
    前記緊急通信準備完了通知の受信可能範囲に存在していることにより自車両が隠れ端末エリアに存在していると判断した車両が、さらに、前記送信停止を実施し、
    前記緊急通信を開始する車両が、前記緊急通信エリア内のすべての車両から緊急通信準備完了通知を受信した後、緊急通信を開始することを特徴とする車々間通信システム。
  7. 複数のスロットからなるフレームを用いた通信を行い、かつ、所定のスロットを用いて通常の通信よりも優先度の高い通信である緊急通信を実行可能な車々間通信システムであって、
    緊急通信を開始する車両が、前記通常の通信における送信停止を要求するための送信停止要求情報とともに、他の車両と直接通信が可能な緊急通信エリア、直接通信はできないが緊急通信に対して影響を与える隠れ端末エリア、および緊急通信に対して影響を与えない非輻輳端末エリアを示すエリア情報、を作成し、当該送信停止要求情報および当該エリア情報からなる送信停止命令と、当該緊急通信で使用するスロットに関するスロット情報と、を送信し、
    前記送信停止命令および前記スロット情報を受信した緊急通信エリア内の車両が、緊急通信の準備が完了したことを示す緊急通信準備完了通知および前記スロット情報を返信し、その後、前記緊急通信で使用するスロットにおける前記送信停止を実施して緊急通信を実行可能な状態に移行し、
    前記緊急通信準備完了通知および前記スロット情報の受信可能範囲に存在していることにより自車両が隠れ端末エリアに存在していると判断した車両が、さらに、前記緊急通信で使用するスロットにおける前記送信停止を実施し、
    前記緊急通信を開始する車両が、前記緊急通信エリア内のすべての車両から緊急通信準備完了通知およびスロット情報を受信した後、当該スロットを用いて緊急通信を開始することを特徴とする車々間通信システム。
  8. 通常の通信よりも優先度の高い通信である緊急通信が行われる車々間通信システムであって、
    緊急通信を開始する車両が、前記通常の通信における送信停止を要求するための送信停止要求情報とともに、他の車両と直接通信が可能な緊急通信エリア、直接通信はできないが緊急通信に対して影響を与える隠れ端末エリア、および緊急通信に対して影響を与えない非輻輳端末エリアを示すエリア情報、を作成し、当該送信停止要求情報および当該エリア情報からなる送信停止命令と、当該送信停止命令を転送するための報知期間および代理送信可能な期間を示す代理送信期間を示す期間情報と、を送信し、
    前記送信停止命令および前記期間情報を直接受信した緊急通信エリア内の車両が、前記報知期間において、前記送信停止命令を転送し、その後、前記送信停止を実施し、
    転送により送信停止命令を間接的に受信した隠れ端末エリア内の車両が、前記送信停止を実施し、
    さらに、隠れ端末エリアに新たに進入した車両による前記通常の通信を検出した緊急通信エリア内の車両が、前記代理送信期間において、当該新たに進入した車両に対して送信停止命令を代理送信し、
    代理送信により送信停止命令を受信した車両が、前記送信停止を実施することを特徴とする車々間通信システム。
  9. 複数のスロットからなるフレームを用いた通信を行い、かつ、所定のスロットを用いて通常の通信よりも優先度の高い通信である緊急通信を実行可能な車々間通信システムであって、
    緊急通信を開始する車両が、前記通常の通信における送信停止を要求するための送信停止要求情報とともに、他の車両と直接通信が可能な緊急通信エリア、直接通信はできないが緊急通信に対して影響を与える隠れ端末エリア、および緊急通信に対して影響を与えない非輻輳端末エリアを示すエリア情報、を作成し、当該送信停止要求情報および当該エリア情報からなる送信停止命令と、当該緊急通信で使用するスロットに関するスロット情報と、当該送信停止命令を転送するための報知期間および代理送信可能な期間を示す代理送信期間を示す期間情報と、を送信し、
    前記送信停止命令、前記スロット情報および前記期間情報を直接受信した緊急通信エリア内の車両が、前記報知期間において、前記送信停止命令および前記スロット情報を転送し、その後、前記緊急通信で使用するスロットにおける前記送信停止を実施し、
    転送により送信停止命令および前記スロット情報を間接的に受信した隠れ端末エリア内の車両が、前記緊急通信で使用するスロットにおける前記送信停止を実施し、
    さらに、隠れ端末エリアに新たに進入した車両による前記通常の通信を検出した緊急通信エリア内の車両が、前記代理送信期間において、当該新たに進入した車両に対して送信停止命令およびスロット情報を代理送信し、
    代理送信により送信停止命令およびスロット情報を受信した車両が、前記緊急通信で使用するスロットにおける前記送信停止を実施することを特徴とする車々間通信システム。
  10. 前記代理送信期間を周期的に設定することを特徴とする請求項8または9に記載の車々間通信システム。
  11. 前記代理送信期間を前記報知期間よりも短い時間とすることを特徴とする請求項8または9に記載の車々間通信システム。
  12. 通常の通信よりも優先度の高い通信である緊急通信が行われる車々間通信システムにおいて、当該システムを構成する車両に搭載される通信端末であって、
    緊急通信を開始する場合に、前記通常の通信における送信停止を要求するための送信停止要求情報とともに、他の車両と直接通信が可能な緊急通信エリア、直接通信はできないが緊急通信に対して影響を与える隠れ端末エリア、および緊急通信に対して影響を与えない非輻輳端末エリアを示すエリア情報、を作成し、当該送信停止要求情報および当該エリア情報を送信停止命令として送信する停止命令送信機能、
    を有することを特徴とする通信端末。
  13. 緊急通信を開始する車両から送信停止命令を受信した場合に、当該送信停止命令に含まれる前記送信停止要求情報および前記エリア情報に基づいて、当該送信停止命令を転送するかどうか、および前記送信停止を実施するかどうか、を判断する停止命令受信機能、
    をさらに有することを特徴とする請求項12に記載の通信端末。
  14. 前記停止命令受信機能として、
    緊急通信エリア内で送信停止命令を受信した場合は、当該送信停止命令を転送し、前記通常の通信の送信を停止して前記緊急通信を実行可能な状態に移行し、
    隠れ端末エリア内で送信停止命令を受信した場合は、当該送信停止命令を転送し、前記通常の通信の送信を停止し、
    非輻輳端末エリア内で送信停止命令を受信した場合は、当該送信停止命令を転送せずに前記通常の通信を継続することを特徴とする請求項13に記載の通信端末。
  15. 複数のスロットからなるフレームを用いた通信を行い、かつ、所定のスロットを用いて通常の通信よりも優先度の高い通信である緊急通信を実行可能な車々間通信システムにおいて、当該システムを構成する車両に搭載される通信端末であって、
    緊急通信を開始する場合に、前記通常の通信における送信停止を要求するための送信停止要求情報とともに、他の車両と直接通信が可能な緊急通信エリア、直接通信はできないが緊急通信に対して影響を与える隠れ端末エリア、および緊急通信に対して影響を与えない非輻輳端末エリアを示すエリア情報、を作成し、当該送信停止要求情報および当該エリア情報からなる送信停止命令と、当該緊急通信で使用するスロットに関するスロット情報と、を送信する停止命令送信機能、
    を有することを特徴とする通信端末。
  16. 緊急通信を開始する車両から送信停止命令およびスロット情報を受信した場合に、当該送信停止命令に含まれる前記送信停止要求情報、前記エリア情報および当該スロット情報に基づいて、当該送信停止命令を転送するかどうか、および緊急通信で使用するスロットにおける前記送信停止を実施するかどうか、を判断する停止命令受信機能、
    をさらに有することを特徴とする請求項15に記載の通信端末。
  17. 前記停止命令受信機能として、
    緊急通信エリア内で送信停止命令およびスロット情報を受信した場合は、当該送信停止命令および当該スロット情報を転送し、当該スロットにおける前記通常の通信の送信を停止して、当該スロットを用いた緊急通信を実行可能な状態に移行し、
    隠れ端末エリア内で送信停止命令およびスロット情報を受信した場合は、当該送信停止命令および当該スロット情報を転送し、当該スロットにおける前記通常の通信の送信を停止し、
    非輻輳端末エリア内で送信停止命令およびスロット情報を受信した場合は、当該送信停止命令および当該スロット情報を転送せずに前記通常の通信を継続することを特徴とする請求項16に記載の通信端末。
  18. 緊急通信エリア内で送信停止命令を受信した場合に、緊急通信の準備が完了したことを示す緊急通信準備完了通知を返信し、その後、前記送信停止を実施して緊急通信を実行可能な状態に移行する停止命令受信機能と、
    緊急通信準備完了通知の受信可能範囲に存在していることにより自車両が隠れ端末エリアに存在していると判断した場合に、さらに、前記送信停止を実施する緊急通信準備完了通知受信機能と、
    をさらに有することを特徴とする請求項12に記載の通信端末。
  19. 緊急通信エリア内で送信停止命令およびスロット情報を受信した場合に、緊急通信の準備が完了したことを示す緊急通信準備完了通知および当該スロット情報を返信し、その後、当該スロットにおける前記送信停止を実施して緊急通信を実行可能な状態に移行する停止命令受信機能と、
    緊急通信準備完了通知およびスロット情報の受信可能範囲に存在していることにより自車両が隠れ端末エリアに存在していると判断した場合に、さらに、当該スロットにおける前記送信停止を実施する緊急通信準備完了通知受信機能と、
    をさらに有することを特徴とする請求項15に記載の通信端末。
  20. 前記停止命令送信機能として、
    前記送信停止命令に加えてさらに、当該送信停止命令を転送するための報知期間および代理送信可能な期間を示す代理送信期間を示す期間情報、を送信することを特徴とする請求項12に記載の通信端末。
  21. 緊急通信エリア内で前記送信停止命令および前記期間情報を受信した場合に、当該期間情報に含まれる報知期間において、当該送信停止命令を転送し、その後、前記送信停止を実施し、一方、隠れ端末エリア内で前記送信停止命令を受信した場合に、前記送信停止を実施する停止命令受信機能と、
    緊急通信エリア内で隠れ端末エリアに新たに進入した車両による前記通常の通信を検出した場合に、前記期間情報に含まれる代理送信期間において、当該新たに進入した車両に対して送信停止命令を代理送信する代理送信機能と、
    をさらに有し、
    代理送信による送信停止命令を受信した場合に、前記停止命令受信機能として、さらに前記送信停止を実施することを特徴とする請求項20に記載の通信端末。
  22. 前記停止命令送信機能として、
    前記送信停止命令と前記スロット情報に加えてさらに、当該送信停止命令を転送するための報知期間および代理送信可能な期間を示す代理送信期間を示す期間情報、を送信することを特徴とする請求項15に記載の通信端末。
  23. 緊急通信エリア内で前記送信停止命令、前記スロット情報および前記期間情報を受信した場合に、当該期間情報に含まれる報知期間において、当該送信停止命令および当該スロット情報を転送し、その後、当該スロットにおける前記送信停止を実施し、一方、隠れ端末エリア内で前記送信停止命令および前記スロット情報を受信した場合に、当該スロットにおける前記送信停止を実施する停止命令受信機能と、
    緊急通信エリア内で隠れ端末エリアに新たに進入した車両による前記通常の通信を検出した場合に、前記期間情報に含まれる代理送信期間において、当該新たに進入した車両に対して送信停止命令およびスロット情報を代理送信する代理送信機能と、
    をさらに有し、
    代理送信による送信停止命令およびスロット情報を受信した場合に、前記停止命令受信機能として、さらに、当該スロットにおける前記送信停止を実施することを特徴とする請求項22に記載の通信端末。
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