本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による無線ネットワークの概略図である。この発明の実施の形態による無線ネットワーク100は、無線装置1〜8を備える。無線装置1〜8は、それぞれ、車両C1〜C8に搭載されている。そして、無線装置1〜8は、自律的に無線ネットワークを構成し、特許文献1に記載されたタイミング同期式CSMA方式を基本として無線通信を行なう。
車両C1〜C8は、道路を走行し、交差点を通過する。このような場合、各車両C1〜C8は、出会い頭衝突事故および右折時事故等の交通事故を起こすこともあるので、このような交通事故を防止する必要がある。
そこで、車両C1〜C8に搭載された無線装置1〜8は、車両C1〜C8の位置情報を含む定期パケットを定期的に生成し、その生成した定期パケットを後述する方法によって送信する。
そして、各無線装置1〜8は、他の無線装置から定期パケットを受信し、その受信した定期パケットに基づいて他の無線装置が搭載された車両の位置を検出する。そうすると、各無線装置1〜8は、自己が搭載された車両の位置および他の無線装置が搭載された車両の位置を視覚情報として自己が搭載された車両の運転者に与える。
これによって、各車両C1〜C8の運転者は、自己の車両と他の車両との位置関係を把握でき、出会い頭衝突事故および右折時事故等の交通事故を防止できる。
図2は、この発明の実施の形態におけるパケットの構成図である。パケットPKTは、バリアブルプリアンブルVPRと、ユニークワードUWと、プロトコルデータ単位MSDUとからなる。
バリアブルプリアンブルVPRは、パケットPKTの先頭に配置され、各無線装置1〜8によって設定される任意の長さを有する。ユニークワードUWは、バリアブルプリアンブルVPRに続いて配置される。プロトコルデータ単位MSDUは、パケットPKTの最後部に配置され、MACヘッダを含む。そして、プロトコルデータ単位MSDUは、MACヘッダ以外の部分にデータ(各車両の位置情報等)を含む。
[実施の形態1]
実施の形態1においては、隠れ端末との間で定期パケットの送信に用いるタイムスロットの競合を抑制する方法について説明する。
図3は、図1に示す無線装置1の実施の形態1における構成図である。無線装置1は、通信制御部12と、GPS(Global Positioning System)受信機13とを備える。
通信制御部12は、階層構造からなり、送受信手段111と、タイムスロット検出手段112と、テーブル作成手段113と、タイムスロット使用状況テーブル114と、通信制御手段115と、アプリケーション116とを含む。
GPS受信機13は、無線装置1のGPS信号をGPS衛星から定期的に受信し、その受信したGPS信号をアプリケーション116へ出力する。
送受信手段111は、物理層に属する。そして、送受信手段111は、使用チャネルにおいてキャリアセンスを行うとともに、他の無線装置からのバリアブルプリアンブルVPRの受信の有無を検出し、バリアブルプリアンブルVPRを検出すれば、バリアブルプリアンブルVPRを受信したときのタイムスロットと、その受信したバリアブルプリアンブルVPRとを対応付けてタイムスロット検出手段112へ出力する。また、送受信手段111は、自己が定期パケットPKT_PのバリアブルプリアンブルVPRを送信したとき、バリアブルプリアンブルVPRを送信したタイムスロットとバリアブルプリアンブルVPRとを対応付けてタイムスロット検出手段112へ出力する。更に、送受信手段111は、他の無線装置から定期パケットPKT_Pを受信し、その受信した定期パケットPKT_Pをテーブル作成手段113および通信制御手段115へ出力する。更に、送受信手段111は、無線装置1において発生された定期パケットPKT_Pと無線装置1がパケットの送信に用いるタイムスロットとを通信制御手段115から受け、その受けた定期パケットPKT_Pおよびタイムスロットに基づいて、後述する方法によって、定期パケットPKT_Pを送信する。
タイムスロット検出手段112は、MAC層に属する。そして、タイムスロット検出手段112は、他の無線装置から送信されたバリアブルプリアンブルVPRとそのバリアブルプリアンブルVPRを受信したときのタイムスロットとを送受信手段111から受ける。また、タイムスロット検出手段112は、無線装置1から送信されたバリアブルプリアンブルVPRとそのバリアブルプリアンブルVPRを送信したときのタイムスロットとを送受信手段111から受ける。そして、タイムスロット検出手段112は、その受けたバリアブルプリアンブルVPRおよびタイムスロットに基づいて、無線装置1、および無線装置1のキャリアセンス範囲内に存在する無線装置(=「隣接無線装置」とも言う。)におけるタイムスロットの使用状況を作成する。そうすると、タイムスロット検出手段112は、その作成したタイムスロットの使用状況をテーブル作成手段113および通信制御手段115へ出力する。
テーブル作成手段113は、MAC層に属する。そして、テーブル作成手段113は、他の無線装置から送信された定期パケットPKT_Pを送受信手段111から受け、無線装置1、および無線装置1に隣接する隣接無線装置におけるタイムスロットの使用状況をタイムスロット検出手段112から受ける。そうすると、テーブル作成手段113は、他の無線装置において検出されたタイムスロットの使用状況を定期パケットPKT_Pから取り出し、その取り出したタイムスロットの使用状況と、タイムスロット検出手段112から受けたタイムスロットの使用状況とに基づいて、後述する方法によって、タイムスロット使用状況テーブル114を作成する。
タイムスロット使用状況テーブル114は、MAC層に属する。そして、タイムスロット使用状況テーブル114は、無線装置1の周囲に存在する無線装置によるタイムスロットの使用状況を格納する。
通信制御手段115は、MAC層に属する。そして、通信制御手段115は、アプリケーション116から定期パケットPKT_Pを受け、無線装置1が検出したタイムスロットの使用状況をタイムスロット検出手段112から受ける。そうすると、通信制御手段115は、タイムスロットの使用状況を定期パケットPKT_Pのプロトコルデータ単位MDSUに含まれるMACヘッダに格納するとともに、ユニークワードUWおよびバリアブルプリアンブルVPRをプロトコルデータ単位MDSUに付加して定期パケットPKT_Pを完成する。そして、通信制御手段115は、タイムスロット使用状況テーブル114を参照して、後述する方法によって、無線装置1が定期パケットPKT_Pの送信に用いる送信用タイムスロットを選択し、その選択したタイムスロットと、定期パケットPKT_Pとを送受信手段111へ出力する。
また、通信制御手段115は、送受信手段111から定期パケットPKT_Pを受けると、その受けた定期パケットPKT_Pをアプリケーション116へ出力する。
アプリケーション116は、上位層に属する。そして、アプリケーション116は、他の無線装置から受信した定期パケットPKT_Pを通信制御手段115から受け、GPS信号をGPS受信機13から受ける。その後、アプリケーション116は、GPS信号の緯度および経度を公知の方法によってx−y座標に変換して車両C1の位置情報を取得する。また、アプリケーション116は、他の無線装置が搭載された車両の位置情報を定期パケットPKT_Pから取り出す。そうすると、アプリケーション116は、その取得した位置情報および地図データに基づいて、無線装置1および他の無線装置が搭載された車両を地図データ上に表示して車両C1の運転者に視覚情報として与える。
また、アプリケーション116は、無線装置1が搭載された車両C1の車両情報を外部から受け、その受けた車両情報と位置情報とをプロトコルデータ単位MSDUのMACヘッダ以外の部分に格納し、プロトコルデータ単位MSDUからなる定期パケットPKT_Pを生成する。そして、アプリケーション116は、その生成した定期パケットPKT_Pを通信制御手段115へ出力する。
なお、図1に示す無線装置2〜8の各々も、図3に示す無線装置1の構成と同じ構成からなる。
図4は、この発明の実施の形態におけるフレームの構成図である。フレームは、100msecの長さを有し、128個のタイムスロット#1〜#128からなる。その結果、タイムスロット#1〜#128の各々は、781.25μsecの長さを有する。
送受信手段111は、例えば、タイムスロット#4で定期パケットPKT_Pを送信する場合、タイムスロット#3とタイムスロット#4との境界でバリアブルプリアンブルVPRおよびユニークワードUWの送信が終了するように、タイムスロット#3の後端部でバリアブルプリアンブルVPRおよびユニークワードUWを送信し、その後、引き続いて、プロトコルデータ単位MSDUを送信する。
なお、送受信手段111は、タイムスロット#4以外のタイムスロットで定期パケットPKT_Pを送信する場合も、タイムスロット#4で定期パケットPKT_Pを送信する場合と同様にして定期パケットPKT_Pを送信する。
図5は、各無線装置1〜6におけるタイムスロットの使用状況の検出方法を説明するための図である。なお、図5においては、1フレームは、10個のタイムスロットからなる。
無線装置1〜4は、無線装置1のキャリアセンス範囲を示す領域REG内に存在し、無線装置5,6は、領域REG外に存在する(図5の(a)参照)。
このような状況において、無線装置1の送受信手段111は、キャリアセンスを行ない、無線装置3からの定期パケットPKT_Pを3番目のタイムスロット#3で受信し、無線装置2からの定期パケットPKT_Pを5番目のタイムスロット#5で受信し、無線装置4からの定期パケットPKT_Pを8番目のタイムスロット#8で受信する。
そうすると、無線装置1の送受信手段111は、他の無線装置からのバリアブルプリアンブルVPRおよびタイムスロットとして、タイムスロット#3と無線装置3のアドレスadd3とを対応付けたタイムスロット#3:add3と、タイムスロット#5と無線装置2のアドレスadd2とを対応付けたタイムスロット#5:add2と、タイムスロット#8と無線装置4のアドレスadd4とを対応付けたタイムスロット#8:add4とをタイムスロット検出手段112へ出力する。
そうすると、タイムスロット検出手段112は、タイムスロット#3:add3、タイムスロット#5:add2およびタイムスロット#8:add4を送受信手段111から受け、その受けたタイムスロット#3:add3、タイムスロット#5:add2およびタイムスロット#8:add4に基づいて、タイムスロット#3が使用されていることを示すビット値“1”とタイムスロット#3を使用している無線装置3を示す“add3”とをタイムスロット#3に設定し、タイムスロット#5が使用されていることを示すビット値“1”とタイムスロット#5を使用している無線装置2を示す“add2”とをタイムスロット#5に設定し、タイムスロット#8が使用されていることを示すビット値“1”とタイムスロット#8を使用している無線装置4を示す“add4”とをタイムスロット#8に設定し、タイムスロット#1,#2,#4,#6,#7,#9,#10を使用していないことを示すビット値“0”をタイムスロット#1,#2,#4,#6,#7,#9,#10に設定したタイムスロット使用状況SLU1を作成する(図5の(b)参照)。
この場合、無線装置5,6は、無線装置1の通信範囲外に存在しているので、無線装置1のタイムスロット検出手段112は、無線装置5,6が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロットを検出できない。
そして、タイムスロット検出手段112は、その作成したタイムスロット使用状況SLU1をテーブル作成手段113および通信制御手段115へ出力する。
なお、無線装置2〜8の各々も、無線装置1と同じ方法によってタイムスロット使用状況SLUを作成する。
図6は、図3に示すタイムスロット使用状況テーブル114の作成方法を説明するための概念図である。
無線装置1〜6が図5の(a)に示す位置に存在する場合、無線装置1のタイムスロット検出手段112は、上述した方法によってタイムスロット使用状況SLU1(図6の(a)参照)を作成し、その作成したタイムスロット使用状況SLU1をテーブル作成手段113および通信制御手段115へ出力する。
また、無線装置2のタイムスロット検出手段112は、上述した方法によってタイムスロット使用状況SLU2(図6の(b)参照)を作成し、その作成したタイムスロット使用状況SLU2をテーブル作成手段113および通信制御手段115へ出力する。そして、無線装置2の通信制御手段115は、タイムスロット検出手段112から受けたタイムスロット使用状況SLU2を定期パケットPKT_P1のMACヘッダに格納し、定期パケットPKT_P1を送信する。
更に、無線装置3,4は、無線装置2と同様にして、それぞれ、タイムスロット使用状況SLU3,SLU4(図6の(c),(d)参照)を作成し、その作成したタイムスロット使用状況SLU3,SLU4を含む定期パケットPKT_P2,PKT_P3を送信する。
そうすると、無線装置1の送受信手段111は、それぞれ、定期パケットPKT_P1〜PKT_P3を無線装置2〜4から受信し、その受信した定期パケットPKT_P1〜PKT_P3をテーブル作成手段113へ出力する。
そして、無線装置1のテーブル作成手段113は、送受信手段111から受けた定期パケットPKT_P1〜PKT_P3からそれぞれタイムスロット使用状況SLU2〜SLU4を取り出す。
その後、無線装置1のテーブル作成手段113は、無線装置1において作成されたタイムスロット使用状況SLU1と、無線装置2〜4においてそれぞれ作成されたタイムスロット使用状況SLU2〜SLU4とに基づいて、タイムスロット使用状況SLU1〜SLU4の同じタイムスロットにおけるビット値を加算するとともに、そのビット値の加算結果と、加算結果が1以上であるタイムスロットを使用している無線装置のアドレスとを加算結果が1以上であるタイムスロットに設定してタイムスロット使用状況テーブル114−1(図6の(e)参照)を作成する。このビット値の加算結果は、各タイムスロットを選択した無線装置(隣接無線装置および隣接無線装置以外の無線装置を含む)の個数を表す。
なお、無線装置2〜8の各々も、無線装置1と同じ方法によって、タイムスロット使用状況テーブル114を作成する。
図7は、無線装置1〜11の配置図を示す図である。また、図8は、他のタイムスロット使用状況テーブル114を作成する方法を説明するための図である。無線装置1〜5が無線装置1のキャリアセンス範囲を示す領域REG内に存在し、無線装置6〜11が領域REG外に存在する。
このような状況において、無線装置1のタイムスロット検出手段112は、上述した方法によってタイムスロット使用状況SLU5(図8の(a)参照)を作成し、その作成したタイムスロット使用状況SLU5をテーブル作成手段113へ出力する。
また、無線装置2〜5は、上述した方法によって、それぞれ、タイムスロット使用状況SLU6〜SLU9(図8の(b)〜(e)参照)を作成し、その作成したタイムスロット使用状況SLU6〜SLU9を定期パケットPKT_P1〜PKT_P4のMACヘッダに格納して無線装置1へ送信する。
そして、無線装置1の送受信手段111は、定期パケットPKT_P1〜PKT_P4をそれぞれ無線装置2〜5から受信し、その受信した定期パケットPKT_P1〜PKT_P4をテーブル作成手段113へ出力する。無線装置1のテーブル作成手段113は、送受信手段111から定期パケットPKT_P1〜PKT_P4を受け、その受けた定期パケットPKT_P1〜PKT_P4からそれぞれタイムスロット使用状況SLU6〜SLU9を取り出す。
そうすると、無線装置1のテーブル作成手段113は、タイムスロット使用状況SLU5〜SLU9に基づいて、上述した方法によって、タイムスロット使用状況テーブル114−2(図8の(f)参照)を作成する。
タイムスロット使用状況テーブル114がタイムスロット使用状況テーブル114−1(図6の(e)参照)からなる場合、即ち、使用されていないタイムスロットが存在する場合、無線装置1の通信制御手段115は、タイムスロット使用状況テーブル114−1を参照して、空いているタイムスロット#2,#4,#6,#7,#10の任意の1つのタイムスロットを無線装置1が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロットとして選択する。
タイムスロット使用状況テーブル114がタイムスロット使用状況テーブル114−1(図6の(e)参照)からなる場合、無線装置1〜6は、図5の(a)に示す位置に配置されている。その結果、無線装置1の送受信手段111は、無線装置5,6から送信された定期パケットPKT_Pを受信できず、無線装置1は、無線装置5,6を検知できない。従って、無線装置5,6は、無線装置1にとって隠れ端末になる。
無線装置1は、自己のキャリアセンス範囲内に存在している無線装置2〜4、および自己のキャリアセンス範囲外に存在している無線装置5,6(=隠れ端末)が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロットの使用状況を示すタイムスロット使用状況テーブル114−1を保持しており、上述したように、使用されていないタイムスロット#2,#4,#6,#7,#10の任意の1つのタイムスロットを無線装置1が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロットとして選択する。その結果、無線装置1が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロットは、無線装置5,6(=隠れ端末)が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロットと必ず異なる。
従って、無線装置1は、隠れ端末(=無線装置5,6)との間で同一のタイムスロットを選択することを回避できる。
一方、タイムスロット使用状況テーブル114がタイムスロット使用状況テーブル114−2(図8の(f)参照)からなる場合、即ち、全てのタイムスロット#1〜#10が使用されている場合、無線装置1の通信制御手段115は、無線装置1のキャリアセンス範囲に存在する無線装置2〜5、即ち、無線装置1に隣接する隣接無線装置2〜5が定期パケットPKT_Pの送信に使用しているタイムスロット#3,#5,#8,#9の任意の1つのタイムスロットを無線装置1が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロットとして選択する。
タイムスロット使用状況テーブル114がタイムスロット使用状況テーブル114−2(図8の(f)参照)からなる場合、無線装置1〜11は、図7に示す位置に配置されている。その結果、無線装置1の送受信手段111は、無線装置6〜11から送信された定期パケットPKT_Pを受信できず、無線装置1は、無線装置6〜11を検知できない。従って、無線装置6〜11は、無線装置1にとって隠れ端末になる。
無線装置1は、自己のキャリアセンス範囲内に存在している無線装置2〜5、および自己のキャリアセンス範囲外に存在している無線装置6〜11(=隠れ端末)が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロットの使用状況を示すタイムスロット使用状況テーブル114−2を保持しており、上述したように、無線装置1に隣接する隣接無線装置2〜5が定期パケットPKT_Pの送信に使用しているタイムスロット#3,#5,#8,#9の任意の1つのタイムスロットを無線装置1が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロットとして選択する。
その結果、無線装置4が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロット#8(図8の(d)参照)を無線装置1が選択した場合、無線装置1が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロット#8は、無線装置6〜11(=隠れ端末)が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロット#1,#10,#2,#6,#4,#7と異なる。
また、無線装置2が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロット#5(図8の(b)参照)を無線装置1が選択した場合、無線装置1が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロット#5は、無線装置6〜11(=隠れ端末)が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロット#1,#10,#2,#6,#4,#7と異なる。
更に、無線装置3が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロット#3(図8の(c)参照)を無線装置1が選択した場合、無線装置1が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロット#3は、無線装置6〜11(=隠れ端末)が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロット#1,#10,#2,#6,#4,#7と異なる。
その結果、無線装置1が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロットは、無線装置6〜11(=隠れ端末)が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロットと必ず異なる。
従って、無線装置1は、隠れ端末(=無線装置6〜11)との間で同一のタイムスロットを選択することを回避できる。
無線装置1の通信制御手段115が定期パケットPKT_Pを送信するタイムスロットとして空きタイムスロットを選択した場合、無線装置1の送受信手段111は、定期パケットPKT_Pおよび送信用タイムスロットを通信制御手段115から受けると、その受けたタイムスロットで定期パケットPKT_Pを送信する。
一方、無線装置1の通信制御手段115が定期パケットPKT_Pを送信するタイムスロットとして隣接無線装置2〜5が定期パケットPKT_Pの送信に用いているタイムスロットを選択した場合、無線装置1の送受信手段111は、定期パケットPKT_Pおよび送信用タイムスロットを通信制御手段115から受けると、その定期パケットPKT_PのバリアブルプリアンブルVPRの送信を開始する前に他の無線装置からバリアブルプリアンブルVPRを受信したか否かを検出し、他の無線装置からバリアブルプリアンブルVPRを受信しなければ、その受けたタイムスロットで定期パケットPKT_Pを送信し、他の無線装置からバリアブルプリアンブルVPRを受信すれば、その受けたタイムスロットでの定期パケットPKT_Pの送信を停止し、次のフレームにおいて定期パケットPKT_Pの送信を試みる。
なお、実施の形態1においては、タイムスロット使用状況テーブル114において空きタイムスロットが無い場合、各無線装置1〜8の通信制御手段115は、隣接無線装置が使用するタイムスロットのうち、ビット値の加算結果が最小であるタイムスロットを送信用タイムスロットとして選択してもよい。図8の(f)に示すタイムスロット使用状況テーブル114−2の場合、タイムスロット#3,#5,#8,#9のうち、ビット値の加算結果が最小であるタイムスロット#8が送信用タイムスロットとして選択される。
ビット値の加算結果が最小であるタイムスロットを選択することによって、将来のフレームにおいて、そのビット値の加算結果が最小であるタイムスロットを選択する無線装置を少なくできる。従って、定期パケットPKT_Pを送信するときに競合する無線装置の個数を少なくできる。
図9は、実施の形態1における動作を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、各無線装置1〜8は、定期パケットPKT_Pの送信用フレームの直前のフレームにおいて、上述した方法によって、自己、および自己のキャリアセンス範囲内に存在する無線装置のタイムスロットの使用状況を検出する(ステップS1)。
そして、各無線装置1〜8は、定期パケットPKT_Pの送信用フレームの直前のフレームにおいて、他の無線装置が検出したタイムスロットの使用状況を他の無線装置から受信する(ステップS2)。
そうすると、各無線装置1〜8は、定期パケットPKT_Pの送信用フレームの直前のフレームにおいて、自己が検出したタイムスロットの使用状況と、他の無線装置において検出された使用状況とに基づいて、上述した方法によって、タイムスロット使用状況テーブル114を作成する(ステップS3)。
その後、各無線装置1〜8は、定期パケットPKT_Pの送信用フレームにおいて、タイムスロット使用状況テーブル114に空きタイムスロットが有るか否かを判定する(ステップS4)。
ステップS4において、空きタイムスロットが有ると判定されたとき、各無線装置1〜8は、空きタイムスロットの任意の1つを送信用タイムスロットとして選択する(ステップS5)。その後、一連の動作は、ステップS7へ移行する。
一方、ステップS4において、空きタイムスロットが無いと判定されたとき、各無線装置1〜8は、隣接無線装置が使用しているタイムスロットの任意の1つを送信用タイムスロットとして選択する(ステップS6)。
そして、ステップS5またはステップS6の後、各無線装置1〜8は、その選択したタイムスロットの直前で他の無線装置からのバリアブルプリアンブルVPRを受信したか否かを判定する(ステップS7)。
ステップS7において、他の無線装置からのバリアブルプリアンブルVPRを受信したと判定されたとき、各無線装置1〜8は、その選択したタイムスロットでの定期パケットPKT_Pの送信を停止する(ステップS8)。この場合、各無線装置1〜8は、次のフレームの同じタイムスロットで定期パケットPKT_Pの送信を試みる。
一方、ステップS7において、他の無線装置からのバリアブルプリアンブルVPRを受信しなかったと判定されたとき、各無線装置1〜8は、その選択したタイムスロットで定期パケットPKT_Pを送信する(ステップS9)。
そして、ステップS8またはステップS9の後、一連の動作は、終了する。
なお、実施の形態1においては、各無線装置1〜8の通信制御手段115が定期パケットPKT_Pの送信に用いるタイムスロットを定期的に再選択するようにしてもよい。
なお、実施の形態1においては、複数のタイムスロットの使用状況に基づいて、各タイムスロットのビット値の加算結果を演算するテーブル作成手段113は、「計測手段」を構成する。
また、実施の形態1においては、その計測した各タイムスロットのビット値の加算結果と、複数のタイムスロットの使用状況とに基づいて、タイムスロット使用状況テーブル114を作成するテーブル作成手段113は、「作成手段」を構成する。
更に、実施の形態1においては、タイムスロット使用状況テーブル114を参照して送信用タイムスロットを選択する通信制御手段115は、「作成手段」を構成する。
更に、選択された送信用タイムスロットで定期パケットPKT_Pを送信する送受信手段111は、「送信手段」を構成する。
[実施の形態2]
実施の形態2においては、転送パケットを高速に転送するための送信タイムスロットを選択する方法について説明する。
図10は、図1に示す無線装置1〜8の実施の形態2における構成図である。実施の形態2においては、無線装置1〜8の各々は、図10に示す無線装置1Aからなる。無線装置1Aは、図3に示す無線装置1の通信制御部12を通信制御部12Aに代えたものであり、その他は、無線装置1と同じである。
通信制御部12Aは、図3に示す通信制御部12の通信制御手段115を通信制御手段115Aに代えたものであり、その他は、通信制御部12と同じである。
通信制御手段115Aは、送受信手段111から受けた定期パケットPKT_Pまたは転送パケットの送信先が転送エリア内にいるか否か、または定期パケットPKT_Pまたは転送パケットの送信周期(=100msec)を経過時間が越えないかを判定することによって転送パケットが発生したか否かを判定する。
そして、通信制御手段115Aは、転送パケットが発生したと判定したとき、タイムスロット使用状況テーブル114を参照して、その転送パケットを転送するための転送タイムスロットを後述する方法によって選択し、転送パケットおよび転送タイムスロットを送受信手段111へ出力する。
なお、通信制御手段115Aは、その他、通信制御手段115と同じ機能を果たす。
図11は、転送タイムスロットの選択方法を説明するための図である。各無線装置1〜8の通信制御手段115Aは、送受信手段111から定期パケットPKT_Pまたは転送パケットを受け、転送パケットが発生したと判定すると、タイムスロット使用状況テーブル114を参照して、転送パケットが発生したと判定したタイミングから許容遅延時間ウィンドウを設定する。
この許容遅延時間ウィンドウは、1フレームの長さよりも短い長さを有し、例えば、50msecに設定される。
各無線装置1〜8の通信制御手段115Aは、許容遅延時間ウィンドウを設定すると、その設定した許容遅延時間ウィンドウ内の空きタイムスロットのうち、最も早いタイムスロットを転送パケットを転送するための転送タイムスロットとして選択する。
そして、各無線装置1〜8の通信制御手段115Aは、その選択した転送タイムスロットと転送パケットとを送受信手段111へ出力する。
また、各無線装置1〜8の通信制御手段115Aは、許容遅延時間ウィンドウ内に空きタイムスロットが無い場合、各無線装置1〜8の隣接無線装置が使用しているタイムスロットのうち、最も早いタイムスロットを転送タイムスロットとして選択してもよく、各無線装置1〜8の隣接無線装置が使用しているタイムスロットのうち、ビット値の加算結果が最小であるタイムスロットを転送タイムスロットとして選択してもよい。
図12は、定期パケットの送信元ごとの転送タイムスロットの予約方法を説明するための図である。
各無線装置1〜8の通信制御手段115Aは、上述した方法によって、選択した転送タイムスロットを定期パケットPKT_Pの送信元ごとに次フレームにおいて予約する。即ち、現フレームにおいて、各無線装置1〜8の通信制御手段115Aは、送信元ID1からの転送パケットが発生すると、上述した方法によって、転送タイムスロットを選択して送信元ID1の転送タイムスロットを予約する。
そして、各無線装置1〜8の送受信手段111は、その予約された転送タイムスロットにおいて送信元ID1からの転送パケットを転送する。
その後、各無線装置1〜8の通信制御手段115Aは、送信元ID2からの転送パケットが発生すると、上述した方法によって、転送タイムスロットを選択して送信元ID2の転送タイムスロットを予約する。
そして、各無線装置1〜8の送受信手段111は、その予約された転送タイムスロットにおいて送信元ID2からの転送パケットを転送する。
引き続いて、次フレームにおいて、各無線装置1〜8の通信制御手段115Aは、送信元ID1からの転送パケットが発生すると、現フレームにおいて送信元ID1の転送パケット用に予約したタイムスロットと同じタイムスロットを転送タイムスロットとして予約する。
そして、各無線装置1〜8の送受信手段111は、その予約された転送タイムスロットにおいて送信元ID1からの転送パケットを転送する。
その後、各無線装置1〜8の通信制御手段115Aは、送信元ID2からの転送パケットが発生せず、送信元ID3からの転送パケットが発生した場合、送信元ID2からの転送パケット用に予約したタイムスロットをリリースし、そのリリースしたタイムスロットを送信元ID3からの転送パケットを転送するための転送タイムスロットとして予約する。
そして、各無線装置1〜8の送受信手段111は、その予約された転送タイムスロットにおいて送信元ID3からの転送パケットを転送する。
このように、1つの送信元からの定期パケットPKT_Pを転送するための転送タイムスロットを一度選択すると、その選択した転送タイムスロットを各フレームにおいて予約するのは、転送パケットは、特定の無線装置から送信された定期パケットPKT_Pの転送であり、定期的に到着するので、これを考慮したものである。
また、実際に発生しなかった転送パケット用の転送タイムスロットを別の送信元からの実際に発生した転送パケット用に用いることによって、衝突の可能性を下げることができる。
図13は、実施の形態2における動作を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、各無線装置1〜8は、転送パケットが発生したか否かを判定し、転送パケットが発生すると(ステップS11)、転送パケットの発生タイミングを基準にして許容遅延時間ウィンドウを設定する(ステップS12)。
そして、各無線装置1〜8は、タイムスロット使用状況テーブル114を参照して、上述した方法によって許容遅延時間ウィンドウ内のタイムスロットから転送タイムスロットを選択する(ステップS13)。
その後、各無線装置1〜8は、その選択した転送タイムスロットで転送パケットを転送する(ステップS14)。
引き続いて、各無線装置1〜8は、各送信元ごとに、現フレームにおいて選択した転送タイムスロットと同じ転送タイムスロットを次フレームにおいて予約する(ステップS15)。
そして、各無線装置1〜8は、次フレームにおいて、転送パケットが発生したか否かを判定する(ステップS16)。
ステップS16において、転送パケットが発生したと判定されたとき、各無線装置1〜8は、予約した転送タイムスロットで転送パケットを転送する(ステップS17)。
一方、ステップS16において、転送パケットが発生しなかったと判定されたとき、各無線装置1〜8は、別の送信元からの転送パケットが発生したか否かを更に判定する(ステップS18)。
ステップS18において、別の送信元からの転送パケットが発生したと判定されたとき、各無線装置1〜8は、予約した転送タイムスロットを別の送信元からの転送パケット用にリリースし、そのリリースした転送タイムスロットで別の送信元からの転送パケットを転送する(ステップS19)。
一方、ステップS18において、別の送信元からの転送パケットが発生しなかったと判定されたとき、各無線装置1〜8は、予約した転送タイムスロットでの転送パケットの転送を停止する(ステップS20)。
そして、ステップS17,S19,S20のいずれかの後、一連の動作は、終了する。
上述したように、転送パケットが発生したとき、転送パケットの発生タイミングを基準にして許容遅延時間ウィンドウを設定し、その設定した許容遅延時間ウィンドウ内で転送パケット用の転送タイムスロットを選択して転送パケットを転送することによって、遅延を抑制して転送パケットを転送できる。
また、実際に発生しなかった転送パケット用の転送タイムスロットを別の送信元からの転送パケット用の転送タイムスロットとして用いることによって、衝突の可能性を低減できる。
なお、実施の形態2においては、許容遅延時間ウィンドウの長さは、定期パケットPKT_Pが最初に送信されてからの経過時間、または経過ホップ数に基づいて、より古い転送パケットの許容遅延時間ウィンドウが短くなるように決定されてもよい。
[実施の形態3]
実施の形態3においては、異なる送信周期が混在する場合のタイムスロットの選択効率が低下するのを抑制する方法について説明する。従って、実施の形態3においては、各無線装置1〜8の定期パケットPKT_Pの送信周期が異なることを前提とする。
図14は、図1に示す無線装置1〜8の実施の形態3における構成図である。実施の形態3においては、無線装置1〜8の各々は、図14に示す無線装置1Bからなる。無線装置1Bは、図3に示す無線装置1の通信制御部12を通信制御部12Bに代えたものであり、その他は、無線装置1と同じである。
通信制御部12Bは、図3に示す通信制御部12のタイムスロット検出手段112をタイムスロット検出手段112Aに代え、通信制御手段115を通信制御手段115Bに代えたものであり、その他は、通信制御部12と同じである。
タイムスロット検出手段112Aは、使用フレーム中におけるタイムスロットの使用状況のみならず、未使用フレーム中におけるタイムスロットの使用状況をも検出し、その検出したタイムスロットの使用状況をテーブル作成手段113および通信制御手段115Bへ出力する。即ち、タイムスロット検出手段112Aは、使用フレーム中におけるタイムスロットの使用を示すビット列と、未使用フレーム中における未使用タイムスロットを使用タイムスロットとするビット列とからなるタイムスロットの使用状況を検出し、その検出したタイムスロットの使用状況をテーブル作成手段113および通信制御手段115Bへ出力する。
通信制御手段115Bは、使用フレーム中および未使用フレーム中におけるタイムスロットの使用状況をタイムスロット検出手段112Aから受け、その受けたタイムスロットの使用状況を定期パケットPKT_PのMACヘッダに格納して定期パケットPKT_Pを完成する。
また、通信制御手段115Bは、タイムスロット使用状況テーブル114を参照して、空きタイムスロットの任意の1つを送信用タイムスロットとして選択する。
通信制御手段115Bは、その他、通信制御手段115と同じ機能を果たす。
各無線装置1〜8が図14に示す無線装置1Bからなる場合、各無線装置1〜8は、未使用フレーム中のビット値“1”によって表される予約タイムスロットを「隠れ端末の使用タイムスロット」として認識し、送信用タイムスロットの選択候補からはずす。その結果、各無線装置1〜8は、隠れ端末と同じタイムスロットを送信用タイムスロットとして選択することを回避できる。その結果、衝突を抑制できる。
図15は、図1に示す無線装置1〜8の実施の形態3における他の構成図である。実施の形態3においては、無線装置1〜8の各々は、図15に示す無線装置1Cからなっていてもよい。無線装置1Cは、図3に示す無線装置1の通信制御部12を通信制御部12Cに代えたものであり、その他は、無線装置1と同じである。
通信制御部12Cは、図3に示す通信制御部12のテーブル作成手段113をテーブル作成手段113Aに代え、通信制御手段115を通信制御手段115Cに代えたものであり、その他は、通信制御部12と同じである。
テーブル作成手段113Aは、タイムスロット検出手段112から受けたタイムスロットの使用状況および自己が搭載された無線装置の定期パケットPKT_Pの送信周期と、送受信手段111から受けた他の無線装置において検出されたタイムスロットの使用状況および送信周期とに基づいて、送信周期が同じ無線装置のタイムスロットの使用状況、または送信周期が整数倍の関係にある無線装置のタイムスロットの使用状況を重ね合わせてタイムスロット使用状況テーブル114を作成する。
通信制御手段115Cは、タイムスロット検出手段112からタイムスロットの使用状況を受けると、タイムスロットの使用状況と、自己が搭載された無線装置の定期パケットPKT_Pの送信周期とをMACヘッダに格納して定期パケットPKT_Pを完成する。
通信制御手段115Cは、その他、通信制御手段115と同じ機能を果たす。
図16は、更に他のタイムスロット使用状況テーブルを作成する方法を説明するための図である。なお、図16においては、1フレームは、6タイムスロットからなるものとしている。
無線装置1のタイムスロット検出手段112は、タイムスロットの使用状況SLU10(図16の(a)参照)を作成し、その作成したタイムスロットの使用状況SLU10をテーブル作成手段113Aへ出力する。
また、無線装置1の送受信手段111は、それぞれ、無線装置2,3からタイムスロットの使用状況SLU11,SLU12(図16の(b),(c)参照)と送信周期(=3周期)とを含む定期パケットPKT_Pを受信し、その受信した定期パケットPKT_Pをテーブル作成手段113Aへ出力する。そして、無線装置1のテーブル作成手段113Aは、定期パケットPKT_Pからタイムスロットの使用状況SLU11,SLU12と送信周期(=3周期)とを取り出す。
更に、無線装置1の送受信手段111は、3フレーム目において、タイムスロットの使用状況SLU13(図16の(d)参照)と送信周期(=1周期)とを含む定期パケットPKT_Pを無線装置4から受信し、その受信した定期パケットPKT_Pをテーブル作成手段113Aへ出力する。そして、無線装置1のテーブル作成手段113Aは、定期パケットPKT_Pからタイムスロットの使用状況SLU13と送信周期(=1周期)とを取り出す。
この場合、タイムスロットの使用状況SLU10〜SLU12は、相互に同じ3送信周期を有し、タイムスロットの使用状況SLU13は、1送信周期を有する。その結果、タイムスロットの使用状況SLU10〜SLU12の送信周期は、タイムスロットの使用状況SLU13の送信周期の整数倍である。
従って、無線装置1のテーブル作成手段113Aは、タイムスロットの使用状況SLU10〜SLU13を重ね合わせ、タイムスロット使用状況テーブル114−3(図16の(e)参照)を作成する。
そして、無線装置1の通信制御手段115Cは、タイムスロット使用状況テーブル114−3の空きタイムスロットから送信用タイムスロットを選択する。
図17は、図1に示す無線装置1〜8の実施の形態3における更に他の構成図である。実施の形態3においては、無線装置1〜8の各々は、図17に示す無線装置1Dからなっていてもよい。無線装置1Dは、図15に示す無線装置1Cの通信制御部12Cを通信制御部12Dに代えたものであり、その他は、無線装置1Cと同じである。
通信制御部12Dは、図15に示す通信制御部12Cの通信制御手段115Cを通信制御手段115Dに代えたものであり、その他は、通信制御部12Cと同じである。
通信制御手段115Dは、タイムスロット使用状況テーブル114を参照して、定期パケットPKT_Pの送信周期が2フレーム以下である場合、予約タイムスロットを維持する。この場合、通信制御手段115Dは、1度、定期パケットPKT_Pの送信に成功したタイムスロットを、次回、周辺の無線装置におけるタイムスロットの使用状況に拘わらず、継続して使用することによって予約タイムスロットを維持する。また、通信制御手段115Dは、図14に示す通信制御手段115Bと同じ方法によって予約タイムスロットに「使用禁止」を示すビット値“1”を立てることによって予約タイムスロットを維持する。
一方、通信制御手段115Dは、タイムスロット使用状況テーブル114を参照して、定期パケットPKT_Pの送信周期が3フレーム以上である場合、従来通り、未使用フレームにおいて予約タイムスロットをリリースする。この場合、通信制御手段115Dは、後の送信周期が到来したときに送信用タイムスロットを再選択する。
通信制御手段115Dは、上述した方法以外の方法によって、予約タイムスロットを維持してもよい。即ち、通信制御手段115Dは、定期パケットPKT_Pの送信周期が2フレーム以下である場合、常に、1フレーム間隔で定期パケットPKT_Pを送信することによって予約タイムスロットを維持する。
一方、通信制御手段115Dは、定期パケットPKT_Pの送信周期が3フレーム以上である場合、従来通り、未使用フレームにおいて予約タイムスロットをリリースする。この場合も、通信制御手段115Dは、後の送信周期が到来したときに送信用タイムスロットを再選択する。
上述したように、この実施の形態3においては、各無線装置1〜8は、一つのフレームにおいて選択した送信用タイムスロットを、上述した各種の方法によって未使用フレームにおいても維持する。従って、タイムスロットの選択効率を向上できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。