以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の車両内利用情報管理システムの概略機能ブロック図である。図1の車両内利用情報管理システムは、ホーム側情報管理装置1と車両側情報管理装置2と携帯機6を含んで構成され、無線通信路を含む通信路を介して互いに通信可能となっている。ホーム側情報管理装置1と車両側情報管理装置2との通信は、例えば無線LANを介して行われる。携帯機6とホーム側情報管理装置1及び車両側情報管理装置2の通信は、例えば、微弱無線通信(キーレスエントリに利用される300MHz帯の通信)、特定小電力無線通信(リモートエンジンスタータに使用される400MHz帯の通信)を利用する。携帯機6とホーム側情報管理装置1との通信は、エコネット通信等のホーム内共通通信として既設のものを利用してもよい。ホーム側情報管理装置1には、オーディオ装置、画像再生装置、テレビ受像装置等のホーム側個人利用情報利用機器3が接続される。また、車両側情報管理装置2には、車載オーディオ装置、車載画像再生装置、車載テレビ装置、カーナビゲーション装置等の車両側個人利用情報利用機器4、車両状態検出部5が接続される。
ホーム側情報管理装置1は、屋内に設置され、かつ、車載機器で利用可能な個人利用情報の管理を行う屋内設置情報管理装置の一例であり、ホーム側制御部11、ホーム側記憶部12、ホーム側通信部13、外部機器インタフェース14、ホーム側操作部15、ホーム側出力部16を含んで構成される。ホーム側情報管理装置1は、例えば、パーソナルコンピュータと所定のプログラムを主体に構成することができるが、DVDプレーヤー等の情報機器に組込んで構成することも可能である。この場合、組込んだ情報機器の構成要素を一部共用する。
ホーム側制御部11は、個人利用情報のホーム側記憶部12への記憶、及びホーム側通信部13を介した情報の送受信等の個人利用情報を用いた処理を含むホーム側情報管理装置1全体を制御するものである。
ホーム側記憶部12は、車載機器で利用可能な個人利用情報を記憶するものである。個人利用情報は、車両の利用者が個人的に利用する情報であり、音楽を再生するための音楽データ、音楽の再生順番を制御するための音楽再生順データ、映像及び音を再生するためのビデオデータ、ナビゲーション装置で利用するための目的地データ、テレビ受信装置で利用するためのチャネルデータ、個人利用メール情報、及び個人利用ウェブ情報等が含まれ、車載オーディオ装置、車載ビデオ再生装置、車載テレビ装置、カーナビゲーション装置、車載ウェブブラウザ装置等で利用可能な情報である。個人利用情報は、その個人利用情報を特定するメタデータと対応付けて記憶してもよい。メタデータは、その個人利用情報に付与されたファイル名(情報の種類を示すための識別子を含む。)、保存日時、更新日時、アクセス日時、データ量等である。ホーム側記憶部12は、全体として一つの領域として管理してもよいが、車両の利用者毎に管理してもよい。利用者毎に管理する場合は、利用者別領域が設けられ、利用者毎の個人利用情報が記憶される。利用者毎の管理がされる場合、ホーム側情報管理装置1と車載側情報管理装置2及び携帯機6との間の通信に際して、利用者を識別する情報が付加される。個人利用情報は、セキュリティを保ってフォルダ(利用者毎に管理する場合は、個人毎のフォルダ)で管理するのが好ましい。フォルダの管理は、例えばICカード認証や虹彩認証によってセキュリティを保つ。
ホーム側記憶部12へ個人利用情報を記憶する場合、例えばホーム側操作部15の操作により、ホーム側個人利用情報利用機器3から外部機器インタフェース14を介して個人利用情報を入力する。ナビゲーション装置で利用するための目的地データ、個人利用メール情報、及び個人利用ウェブ情報等は、ホーム側情報管理装置1を構成するパーソナルコンピュータ内の所定のプログラムの実行により取得する。
ホーム側通信部13は、車載機器が搭載された車両及び携帯機6との間で情報の送受信を行うものであり、例えば無線LANの親機に微弱無線通信又は特定小電力無線通信を行う機能を付加したものである。ホーム側通信部13として複数の通信処理部を設け、車両側との通信と携帯機6との通信を別々に行うようにしてもよい。ホーム側通信部13は、ホーム側制御部11の制御に基づき、個人利用情報の送信を行う。送信に際しては、その個人利用情報のメタデータを付加してもよい。ホーム側通信部13による車両及び携帯機6との通信は、例えば無線IDによりセキュリティを保つようにするのが好ましい。
外部機器インタフェース14は、オーディ装置、ビデオ装置、テレビ受像装置等のホーム側個人利用情報利用機器3との間で個人利用情報を含む情報の転送を行うものであり、情報の転送は、ホーム側制御部11によって制御される。また、インターネット等のネットワークに接続し、音楽データをダウンロードしたり、ナビゲーションのための地図データや施設情報から行き先データを入手したりするようにしてもよい。ホーム側操作部15は、ホーム側情報管理装置1の利用者が操作するものであり、例えばキーボード、マウス、各種スイッチ等である。ホーム側出力部16は、ホーム側情報管理装置1の動作状態の出力、操作ガイダンス情報の出力等を行うためのものであり、モニタ装置、スピーカが含まれる。
車両側情報管理装置2は、車両に搭載され、かつ、当該車両に搭載された車載機器で利用する個人利用情報の管理を行う車両搭載情報管理装置の一例であり、車両側制御部21、車両側記憶部22、車両側通信部23、車両側外部機器インタフェース24、車両側操作部25、車両側出力部26を含んで構成される。車両側情報管理装置2は、例えば、車両に搭載されたパーソナルコンピュータと所定のプログラムを主体に構成することができるが、カーナビゲーション装置等の車両搭載情報機器に組込んで構成することも可能である。この場合、組込んだ情報機器の構成要素を一部共用する。
車両側制御部21は、個人利用情報の受信処理を含む当該車両搭載情報管理装置全体を制御するものである。車両側制御部21は、ホーム側情報管理装置1又は携帯機6から車両側通信部23を介して受信した個人利用情報は、必要に応じて車両側記憶部22に記憶し、車両側個人利用情報利用機器に転送する。
車両側記憶部22は、車載機器で利用される個人利用情報を記憶するものである。個人利用情報は、車両の利用者が個人的に利用する情報であり、音楽を再生するための音楽データ、音楽の再生順番を制御するための音楽再生順データ、映像及び音を再生するためのデータ、ナビゲーション装置で利用するための目的地データ、テレビ受信装置で利用するためのチャネルデータ、個人利用メール情報、及び個人利用ウェブ情報等が含まれ、車載オーディオ装置、車載ビデオ再生装置、車載テレビ装置、カーナビゲーション装置、車載ウェブブラウザ装置等で利用可能な情報である。個人利用情報は、その個人利用情報を特定するメタデータと対応付けて記憶してもよい。メタデータは、その個人利用情報に付与されたファイル名(情報の種類を示すための識別子を含む。)、保存日時、更新日時、アクセス日時、データ量等である。車両側記憶部22は、全体として一つの領域として管理してもよいが、車両の利用者毎に管理してもよい。利用者毎に管理する場合は、利用者別領域が設けられ、利用者毎の個人利用情報が記憶される。
車両側記憶部22へ個人利用情報を記憶する場合、車両側制御部21の制御に基づき、車両側通信部23を介して個人利用情報を受信し、受信した個人利用情報を記憶する。また、車両側操作部25の操作により、車両側個人利用情報利用機器4から車両側外部機器インタフェース24を介して入力した個人利用情報を記憶することも、ホーム側情報管理装置1の起動をすることも可能である。
車両側通信部23は、ホーム側情報管理装置1及び携帯機6との間で無線による情報の送受信を行うものであり、例えば無線LANの子機に微弱無線通信又は特定小電力無線通信を行う機能を付加したものである。車両側通信部23として複数の通信処理部を設け、ホーム側との通信と携帯機6との通信を別々に行うようにしてもよい。車両側通信部23は、車両側制御部21の制御に基づき、個人利用情報の受信を少なくとも行う。受信する個人利用情報には、そのメタデータが付加されていてもよい。車両側通信部23による車両及び携帯機6との通信は、例えば無線IDによりセキュリティを保つようにするのが好ましい。
車両側外部機器インタフェース24は、車載オーディオ装置、車載ビデオ再生装置、車載テレビ装置、カーナビゲーション装置等の車載側個人利用情報利用機器(以下、単に車載機器と記述する場合もある。)4との間で個人利用情報を含む情報の転送を行うものであり、情報の転送は、車両側制御部21によって制御される。車両側操作部25は、車両側情報管理装置2の利用者が操作するものであり、例えば各種キー、各種スイッチ等である。車両側出力部26は、車両側情報管理装置2の動作状態の出力、操作ガイダンス情報の出力等を行うためのものであり、モニタ装置、スピーカが含まれる。また、車載機器の電源オンオフ制御を含む車両の電源制御のための出力を行う。
車両状態検出部5は、車両内の各種センサの出力、スイッチの状態等に基づいて、車両の状態の検出、使用中である場合は利用者の識別等を行うものである。
携帯機6は、車両の利用者が携帯して使用するものであり、利用しようとする車両に搭載された車載機器で利用可能な個人利用情報の管理を行う機能を、少なくとも備えている。携帯機6は、例えば、車両制御リモコン端末であり、制御部61、記憶部62、通信部63、操作部65、出力部66を含んで構成される。
制御部61は、個人利用情報の受信、記憶部62への記憶、記憶した個人利用情報の送信、送信後の個人利用情報の消去等の個人利用情報を用いた処理を含む携帯機6全体を制御するものである。
記憶部62は、ホーム側情報管理装置1から受信した、車載機器で利用可能な個人利用情報を記憶するものである。個人利用情報は、車両の利用者が個人的に利用する情報であり、音楽を再生するための音楽データ、音楽の再生順番を制御するための音楽再生順データ、映像及び音を再生するためのビデオデータ、ナビゲーション装置で利用するための目的地データ、テレビ受信装置で利用するためのチャネルデータ、個人利用メール情報、及び個人利用ウェブ情報等が含まれ、車載オーディオ装置、車載ビデオ再生装置、車載テレビ装置、カーナビゲーション装置、車載ウェブブラウザ装置等で利用可能な情報である。個人利用情報は、その個人利用情報を特定するメタデータと対応付けて記憶されてもよい。メタデータは、その個人利用情報に付与されたファイル名(情報の種類を示すための識
別子を含む。)、保存日時、更新日時、アクセス日時、データ量等である。
記憶部62へ個人利用情報を記憶する場合、制御部61の制御に基づき、通信部63を介して個人利用情報を受信し、受信した個人利用情報を記憶する。受信した個人利用情報は、車両側情報管理装置2に送信された後は、消去されるので、記憶部62は、受信した個人利用情報を一時的に記憶することになる。
通信部63は、ホーム側情報管理装置1及び車両側情報管理装置2との間で無線通信を行うものである。ホーム側情報管理装置1及び車両側情報管理装置2との間の無線通信は、例えば、微弱無線通信、特定小電力無線通信である。通信部63として複数の通信処理部を設け、ホーム側情報管理装置1との通信と車両側情報管理装置2との通信を別々に行うようにしてもよい。通信部63は、制御部61の制御に基づき、個人利用情報の受信を行うとともに、記憶部62に記憶された個人利用情報を送信する。送受信される個人利用情報には、そのメタデータが付加されていてもよい。車両側通信部23による車両及び携帯機6との通信は、例えば無線IDによりセキュリティを保つようにするのが好ましい。
操作部65は、携帯機6の利用者が操作するものであり、例えば押しボタンスイッチである。車両制御リモコン端末を兼用する場合、ドアの開施錠を指示するための押しボタン、エンジンの起動停止を制御するための押しボタンが含まれる。出力部66は、携帯機6の動作状態、操作部65の操作状態の出力、車両側情報管理装置2の状態等を示す情報を出力するものであり、LED素子を利用した各種インジケータ、ブザー等が含まれる。
なお、図1のシステムでは、ホーム側情報管理装置1から車両側情報管理装置2への個人利用情報の送信も可能としたが、ホーム側情報管理装置1と車両側情報管理装置2との通信機能は、必須ではない。
以上の構成を備える車両内利用情報管理システムは、ホーム側情報管理装置1と携帯機6と車両側情報管理装置2との間で相互に情報の送受信を行うことにより、ホーム側記憶部12に記憶された個人利用情報を車両側情報管理装置2に送信し、さらに車両側個人利用情報利用機器4に転送するように動作する。
具体的には、ホーム側制御部11は、ホーム側個人情報利用機器3又はインターネット等から取得した個人利用情報を、直接又はホーム側記憶部12に記憶した後それを読み出して、ホーム側通信部13を介して携帯機6に送信する。送信に際しては、最初に車両側情報管理装置2に送信し、送信が正常に行われなかったときに、携帯機6に送信するようにしてもよい。
携帯機6の制御部61は、通信部63を介して個人利用情報を記憶部62に記憶し、記憶した個人利用情報を通信部63を介して車両側情報管理装置2に送信する。そして、送信が正常に行われると、記憶した個人利用情報を消去する。
車両側制御部21は、車両側通信部23を介して、ホーム側情報管理装置1又は携帯機6から受信した個人利用情報を、車両側外部機器インタフェース24を介して車両側個人利用情報利用機器4に転送する。必要に応じて、受信した個人利用情報を、転送に先立って車両側記憶部22に記憶する。さらに、車両利用開始検知時、個人利用情報利用機器4を自動的に起動し、受信した個人利用情報に基づく動作を開始させる。
図2は、個人利用情報の送信に際してのホーム側情報管理装置1の動作フローの例であり、図3及び図4は、携帯機6の動作フローの例であり、図5は、車両側情報管理装置2の動作フローの例である。
ホーム側情報管理装置1は、電源が投入された状態では、個人利用情報を車両に送信する個人情報通信制御処理の起動条件が成立するのを待っている。起動条件は、例えば、一定時間の経過、ホーム側記憶部12の記憶内容の変化の検出、ホーム側操作部15の操作による個人利用情報送信指示(インターネット等からの情報の取得に続く送信指示操作等)、車両の帰宅である。車両の帰宅による起動条件は、例えば、家ドア内に無線通信機を設置して利用者が所持する無線通信機との通信により利用者が家ドアの内に居ることを検知し、かつ家ドアの施錠を検知したこととする。
起動条件が成立すると、ステップS101で、車両との通信が可能かどうかの判別処理を行う。例えば、車両側情報管理装置2に個人利用情報送信要求を送信し、応答を待つ。そして、応答の有無及び内容によって通信可能かどうかを判断する。ステップS102で、通信可能と判断された場合は、ホーム側通信部13を介して車両側に個人利用情報を送信する(ステップS103)。
ステップS104では、個人利用情報の送信が正常に送信されて完了したかどうかを判断し、完了した場合は、ステップS105で、その旨をホーム側出力部16に出力する。送信完了の判断は、車両側情報管理装置2からの応答及びその内容によって判断する。ステップS104において送信完了と判断されない場合、及びステップS102において車両との通信が不可であると判断された場合は、ステップS106に移る。
ステップS106では、携帯機6との通信が可能かどうかの判別処理を行う。例えば、微弱無線通信、又は特定小電力無線通信を利用して、個人利用情報送信要求を送信し、応答を待つ。個人利用情報を送信しようとする携帯機6(個人利用情報を利用者毎に管理する場合は、定められた利用者の携帯機)が通信可能範囲にない場合、応答は不可能であるので、一定時間内に応答がない場合は通信不可と判断する。また、携帯機6が個人利用情報送信要求を受信した場合でも、携帯機6の状態によっては、携帯機6の電源劣化等個人利用情報の受信が不可能であるときは、その旨の応答をされるので受信不可と判断する。
ステップS107において携帯機6との通信が可能と判断された場合は、ステップS108で、個人利用情報を携帯機6に対して送信する。そして、ステップS109では、個人利用情報の送信が正常に送信されて完了したかどうかを判断し、完了した場合は、ステップS105で、その旨をホーム側出力部16に出力する。送信完了の判断は、携帯機6からの応答及びその内容によって判断する。ステップS107において携帯機6との通信が不可と判断された場合、及びステップS109で送信が完了していないと判断された場合は、ステップS110で、その旨をホーム側出力部16に出力する。
なお、ホーム側情報管理装置1と車両側情報管理装置2との間の通信を行わない場合は、図2のステップS101〜S104は、不要である。
なお、携帯機6に個人利用情報を記憶する機能により、ホームから車両までが遠く又は電波状態が悪く、ホーム側情報管理装置1と車両側情報管理装置2との間の通信が困難な場合(例えば、契約駐車場等)、一時的に個人利用情報を携帯機6に記憶し、その後、利用者が携帯機6を所持して車両に近づいていくと、携帯機6と車両側情報管理装置2との間の通信が可能となり、利用者の乗車前に、携帯機6から車両へ個人利用情報を転送することが可能となる。
なお、ホーム側情報管理装置1と携帯機6から、同一の個人利用情報が車両側情報管理装置2に送信される場合があるが、ホーム側情報管理装置1から個人利用情報を送信する際、管理番号を付与し、車両側情報管理装置2が個人利用情報を受信した際、この管理番号により、個人利用情報が同一か否か管理してもよい。これにより、個人利用情報送受信に伴う消費電力を低減できる。また、安定的な電源を確保でき、消費電力を気にする必要がない場合は、同一か否か管理せず、上書きしてもよい。
図3を用いて、携帯機6の動作を説明する。携帯機6は、通常スタンバイ状態(低消費電力モード)であり、外部からの無線信号が検出可能な状態である。外部からの無線信号を検出すると動作を開始し、ステップS201で、検出した無線信号がホーム側からのものかどうかを判別する。この判別は、無線信号の種類又は無線IDによって判断する。
ホーム側からの信号である場合、ステップS202で、受信した無線信号の送信元であるホーム側情報管理装置1との通信が可能かどうかを判断する。例えば、自機が送信元であるホーム側情報管理装置1が個人利用情報の送信を要求している携帯機であるかを、通信電文に含まれるIDによって判断し、要求する携帯機でない場合は、通信不可と判断する。また、受信した無線信号の受信電界レベルが低すぎる場合も通信不可と判断する。通信不可と判断された場合は、ステップS210で、通信不可である旨の応答をホーム側情報管理装置1に送信し、ステップS109で待ち受け状態に移行する。なお、携帯機6からの応答がない場合、ホーム側情報管理装置1は通信不可と判断するので、ステップS210を省力してもよい。
ステップS202において通信可能と判断された場合、ステップS203で、通信可能である旨の応答をホーム側情報管理装置1に送信し、個人利用情報が送信されるのを待つ。ステップS204で、通信可能応答を送信後一定時間内に、ホーム側情報管理装置1からの個人利用情報が受信できない場合、ステップ209に移って終了する。
一定時間内に個人利用情報が受信されると、受信した個人利用情報を記憶部62に記憶する(ステップS205)。個人利用情報が大容量である場合では、複数回に分割して送信することも可能であるので、ステップS206では、受信した個人利用情報が最後のデータかどうか判別することにより、情報受信が完了したかどうかを判断する。そして、完了している場合は、個人利用情報の受信が完了した旨の情報をホーム側情報管理装置1に送信し(ステップS207)、個人利用情報を記憶した旨を出力部66に表示し(ステップS208)、ステップS209に移る。ステップS208の処理によって、個人利用情報が記憶されたことが表示されるので、携帯機6の利用時に確実に記憶された個人利用情報を車両側に転送するための操作を行うことが可能となる。受信した個人利用情報が最後のデータでない場合は、ステップS204に戻る。
ステップS201において受信した無線信号がホーム側からのものでないと判断されると、ステップS211で、受信した無線信号が車両側からのものかどうかを判断する。この判別は、無線信号の種類及び無線IDによって判断する。車両側からのものでない場合は、そのまま待ち受け状態に移行する(ステップS209)。車両側からのものである場合は、ステップS211で、車両側との通信処理を行い、終了後、待ち受け状態に移行する。車両側からの無線信号の1つは、個人利用情報を車両側に送信中に受信されるものであるので、受信した信号に基づく車両側との通信処理を行う。車両側との通信処理の詳細については、後述する。
図4を用いて、車両との通信処理について説明する。図4は、携帯機6が車両制御リモコン端末としての機能を有し、車両との距離を検出する機能を有するものの動作フローである。車両との距離は、車両からの距離検出用電波を検出し、検出した電波の電界強度に基いて判断する。距離検出機能は、図1に示した携帯機6の通信部63に設けてもよいし、別に設けてもよい。また、距離検出用電波の受信を行うアンテナは、通信用アンテナと兼用してもよいし、別に設けてもよい。車両からの距離検出用電波の送信は、車両側情報管理装置2の車両側通信部23が行ってもよいし、別に設けてもよい。
ステップS301は、受信した信号が、距離検出用の無線信号であるかどうかを判断し、距離検出用の信号でない場合は、ステップS309で受信した信号に応じた処理を行う。ここで受信する信号は、既述のように、個人利用情報の送信時の信号(車両側のステータス信号等)であるので、その信号に応じた処理を行う。例えば、個人利用情報を分割して送信する場合の分割ブロックの受信完了信号である場合は、個人利用情報の次のブロックを送信する。そして、ステップS308で、信号受信が所定時間内にあるかどうかを判断し、さらに受信された場合は、ステップS301に戻る。新たな信号が受信されない場合は、図3のステップS209に移り、待ち受け状態に移行する。
受信した信号が距離検出用の無線信号である場合は、ステップS302で、検出した信号の電界強度に基いて車両との距離を認識する。そして、認識した距離が予め設定した第1の距離以下であるかどうかを判断する(ステップS303)。第1の距離は、車両が確実に認識できる程度に近接した距離(例えば5m)であり、車両あるいは車載機器を、自動的に、あるいは携帯機6の押しボタン操作により、起動させることが適当な距離である。
車両との距離が第1の距離以下でない場合、ステップS304で、第2の距離以下かどうかを判断する。第2の距離は、第1の距離より大きい距離であり、携帯機6から車両側へ個人利用情報を送信開始するのに適当な距離(例えば10m)である。第2の距離以下でない場合は、ステップS308に移る。
車両との距離が第2の距離以下である場合は、認識した距離情報を車両に送信する(ステップS305)。車両側では、この信号を受信することにより、携帯機6が近傍に存在していることを認識でき、携帯機6からの信号に応じた処理が迅速にできるように予め待機することが可能である。また、距離検出用電波の送信間隔を短くして距離測定分解能を上げ、携帯機6が適確に自分と車両との距離を認識できるようにすることができる。
次いで、ステップS306では、携帯機6の記憶部62に送信すべき個人利用情報が記憶されているかどうかを判断する。既述のように、携帯機6の制御部61は、車両への送信後、送信した個人利用情報を消去するので、記憶部62に個人利用情報が記憶されている場合、送信すべき個人利用情報があると判断する。個人利用情報が記憶されている場合は、ステップS307で、車両側へ個人利用情報の受信要求を送信し、ステップS308に移る。個人利用情報が記憶されていない場合は、そのまま、ステップS308に移る。
車両側へ個人利用情報の送信要求を送信した後、車両側が受信可能である場合は、応答信号が車両側から送信されるので、ステップS301、ステップS309に移り、個人利用情報が車両側に送信される。
ステップS303で、車両との距離が第1の距離以下であると判断された場合、ステップS310で、車載機器起動要求を車両側に送信する。この要求を受信した車両側情報管理装置は、エンジンを始動し、携帯機6又はホーム側情報管理装置1から受信済の個人利用情報を利用する車載機器を起動し、受信した個人利用情報に基づく動作を開始させる。
例えば、受信済の個人利用情報がカーナビゲーション装置の行き先情報である場合は、その行き先情報に基づく経路探索を開始する。また、受信済の個人利用情報が音楽データである場合は、車載オーディオ装置を起動し、その音楽データの再生を開始、あるいは車両のドア開時に再生可能なように待機する。
また、第1の距離以下の場合は、携帯機6の操作部65(押しボタンスイッチ等)の操作に基いて車両のドア開施錠やエンジンの起動停止させることが可能であり、ステップS311で操作部65の操作の有無を判別する。操作部65の操作があったときは、その操作に応じた処理(ステップS312)を行う。例えば、エンジン起動ボタンの操作の場合は、エンジン起動指示信号を車両側に送信し、ステップS308に移る。操作部65の操作がない場合は、そのままステップS308に移る。
以上のように、携帯機6に車両との距離検出機能を設けた場合は、携帯機6に記憶した個人利用情報を自動的に送信し、送信した個人利用情報に基づいて、対応する車載機器を自動的に起動させることができる。なお、携帯機6の操作部65に、個人利用情報の送信指示ボタン、車載機器の起動指示ボタン設けることにより、これらの処理を利用者が手動で起動させることも可能である。
なお、前記例では、車両との距離判定に第1の距離と第2の距離を利用したが、第1の距離の内側に第3の距離(例えば1m)を設け、第3の距離以下の場合のみドア開錠を許可するようにしてもよい。また、前記例では、第1の距離以下の場合のみ携帯機6の操作を許可したが、車両との距離に拘わらず携帯機6の操作を許可し、ホーム内からエンジン起動を制御できるようにしてもよい。
図5を用いて、車両側情報管理装置2の動作を説明する。車両側情報管理装置2は、通常スタンバイ状態(低消費電力モード)である。ステップS401で、ホーム側情報管理装置1又は携帯機6からのデータ送信要求を受信すると、ステップS402で、受信許可信号を送信する。そして、ステップS403で、ホーム側情報管理装置1又は携帯機6から個人利用情報を受信する。次いで、受信した個人利用情報を、対応する車載機器に転送する(ステップS404)。車載機器への転送は、受信後直ちに行ってもよいし、一旦車両側記憶部22に記憶させた後、所定のタイミング(例えば、その個人利用情報を送信した携帯機6からの車載機器起動要求を受信した時)で転送してもよい。
以上説明したように、車両側情報管理装置2の車両側記憶部22に記憶されている個人利用情報は、所定のタイミングで対応する車載機器に転送され、利用される。1つのタイミングは、既述のように、携帯機6からの自動又は手動による起動要求受信であるが、車両側操作部25の操作に基づいて起動させてもよいし、利用者による車両利用開始を検出して起動させてもよい。
図6に、ドア開時の車両側情報管理装置の動作フローの一例を示す。ドアのアンロック信号が車両状態検出部5から入力された場合等により、車両の利用が開始されると、ステップS501で、ドアが開錠されたことを記憶する。次いで、所定時間が経過したかどうかを判断し(ステップS502)、所定時間が経過する前にドア開となったかどうかを、車両状態検出部5からの信号により判断する(ステップS503)。ドアの開錠後、所定時間ドア開とならない場合は、車両がすぐには使用されないものと判断し、ドア開錠の記憶を消去し(ステップS508)、終了する。この時、合わせて、自動的にドア施錠を行ってもよい。
所定時間が経過する前にドアの開となった場合は、ドア開錠の記憶を消去し(ステップS504)、受信済の個人利用情報に対応する車載機器の電源をオンにし(ステップS505)、その車載機器が動作可能状態になるのを待ち(ステップS506)、動作可能状態になった車載機器に対して起動指示を行う。この場合、どのような車載機器を起動させるかは予め車両側情報管理装置に設定しておいてもよいし、更新日時が最新の個人利用情報に対応する車載機器を動作させるようにしてもよい。なお、起動する車載機器に対応する個人利用情報が未転送の場合は、起動指示に先立って転送する。
なお、車載機器の起動は、車両側情報管理装置の車両側操作部25の操作に基いて行うことも可能である。起動すべき車載機器がオーディオ装置の場合、オーディオ装置の電源をオンにした後、最新に更新された音楽データを再生する。また、テレビ受像機である場合、受信したチャネル情報に基づくチャネルに設定する。最新に更新された音楽データの識別は、そのメタデータ(例えば、ファイル属性、更新日時、アクセス日時)によって判断する。音楽データの再生順序は、例えば、更新された音楽のうちのアクセス日時の順とする。また、ホーム側記憶部12と車両側記憶部22に同一の音楽データ(生データ)を記憶しておき、音楽の再生順番を制御するための音楽再生順データを記憶させて、音楽再生順データにしたがって再生するように制御してもよい。また、ナビゲーション装置が起動される場合、ナビゲーション装置の行き先を設定し、経路誘導を開始する。更に、最新のVICS情報を入手して、経路誘導の精度向上を図る。
以上説明したように、図1の車両内利用情報管理システムは、ホーム側情報管理装置1で取得した個人利用情報を、直接又は携帯機6を介して車両側情報管理装置2に送信する。そして、車両の利用開始時、更新された個人利用情報を利用する車載機器を自動的に動作させることができる。
次に、携帯機6の操作部65の操作により、車両を制御する場合の動作を、図7、図8を用いて説明する。図7は、エンジン始動を行う場合の動作であり、図8は、車両のドアの開錠を行う場合の動作である。図7は、図4のステップS312において、エンジン始動ボタンが押下された場合に対応する。
携帯機6においてエンジン始動ボタンが押下されると、エンジン始動ボタンの押下を検出し(ステップS601)、出力部66にエンジン始動中であることを表示し(ステップS602)、通信部63を介してエンジン始動要求を車両側情報管理装置2に送信する(ステップS603)。
車両側情報管理装置2では、エンジン始動要求を受信し(ステップS701)、エンジン始動の認証を行い(事前に登録した車両制御リモコン端末からのエンジン始動要求であるかを確認)(ステップS702)、認証結果を携帯機6に送信する(ステップS703)。認証がOKでない場合は、そのまま終了する。
認証結果がOKの場合は、車両電源をオンにし(ステップS705)、スタータモータをオンにする(ステップS706)。これらの制御信号は、車両側出力部26から出力する。そして、車両状態検出部5からエンジン始動処理結果(エンジン始動良好又は不良)を示す信号を入力し(ステップS708)、入力したエンジン始動処理結果を示す信号を携帯機6に送信する(ステップS708)。
携帯機6は、ステップS604で、認証結果信号を受信し(ステップS604)、受信結果を判断し(ステップS605)、認証OKでない場合は、エンジン始動失敗を出力部66に表示する(ステップS611)。このとき、認証ができなかった旨を合わせて表示してもよい。
認証OKである場合は、エンジン始動中である旨を出力部66に表示し(ステップS606)、エンジン始動処理結果を示す信号を受信する(ステップS607)。そして、始動処理後のエンジン始動が良好であるかどうかを判断し(ステップS608)、良好でない場合は、エンジン始動処理が失敗である旨を出力部66に表示して(ステップ610)終了する。エンジン始動が良好である場合は、エンジン始動が完了した旨を出力部66に表示して(ステップS609)終了する。
一方、車両側では、始動処理後のエンジン始動が良好であるかどうかを判断し(ステップS709)、良好でない場合は、スタータモータをオフにし、さらに車両電源をオフにして(ステップ711)終了する。エンジン始動が良好である場合は、スタータモータをオフにして(ステップS710)終了する。
次に、図8を用いて、ドア開錠動作を説明する。
携帯機6においてドア開錠ボタンが押下されると、ドア開錠ボタンの押下を検出し(ステップS801)、通信部63を介してドア開錠要求を車両側情報管理装置2に送信する(ステップS802)。
車両側情報管理装置2では、ドア開錠要求を受信し(ステップS901)、ドア開錠の認証を行う(事前に登録した車両制御リモコン端末からのドア開錠要求であるかを確認)(ステップS902)。そして、認証がOKでない場合(ステップS903)は、そのまま終了する。
認証結果がOKの場合(ステップS903)は、車両側出力部26からドア開錠を指示し(ステップS904)、ドア開錠完了を示す信号を携帯機6に送信して(ステップS905)終了する。
携帯機6では、ドア開錠完了を示す信号を受信し(ステップS803)、出力部65にドア開錠を表示して(ステップS804)終了する。
第1の実施の形態の車両内利用情報管理システムは、例えば、次のように動作する。ホーム内情報管理装置1のホーム側記憶部12に記憶され、個人毎にフォルダ管理された個人利用情報に変化があると、変化した個人利用情報が車両側情報管理装置2に送信され、個人毎にフォルダ管理された車両側記憶部22が更新される。その後、距離を検出する機能により、携帯機車両間距離が5m以下であることを認識すると、携帯機6と車両間の無線ID認証により利用者を識別し、自動的にエンジンを始動する。さらに、識別した利用者に対応するフォルダに記憶された個人利用情報に基づいて、対応する車載機器を動作させる(例えば、音楽データを選択した曲順に自動再生し、ナビゲーション装置の行き先を自動設定し、経路誘導を開始する。)。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態の車両内利用情報管理システムにおいては、携帯機6がホーム側情報管理装置1と通信可能かどうかを判断するに際して、ホーム側情報管理装置1からの信号を受信し、受信無線信号の強さ等に基づいて通信可能かどうかを判断したが、第2の実施の形態の車両内利用情報管理システムにおいては、携帯機6が所定のフォルダに装着されている場合のみ、通信可能とするものである。
図9に、本発明の第2の実施の形態の車両内利用情報管理システムにおける携帯機6の構成を示す。なお、携帯機6の構成を除いて、ホーム側情報管理装置1及び車両側情報管理装置2の構成は、第1の実施の形態の車両内利用情報管理システムのものと同様であるので、図示、及び説明を省略する。
図9の携帯機6は、制御部61、記憶部62、通信部63、操作部65、出力部66、フォルダ検出部67を含んで構成される。フォルダ検出部67が付加されていることを除き、図1に示す携帯機6と同様であるので、異なる部分についてのみ説明する。
フォルダ検出部67は、携帯機6がフォルダ7に装着されていることを検出するものである。検出は、機械的スイッチでも光電スイッチでもよい。たとえば、フォルダ7に設けた突起に携帯機6に設けた凹部を係合させ、その突起の有無に応じて機械的スイッチ又は光電スイッチの状態を変化させる。
図9に示す携帯機6は、フォルダ7に装着されているときのみ、ホーム側情報管理装置1からの信号に応答する。すなわち、図3のステップS202の判断において、フォルダ検出部67の状態も考慮した動作を行う。また、フォルダ検出部67の出力に応じて、ホーム側からの信号又は車両側からの信号の一方のみに対して、応答をするようにしてもよい。このような構成とすると、フォルダ7に装着されているときは、ホーム側からの信号のみに対して応答を行い、フォルダ7に装着されていない場合は、車両側に対してのみ応答するので、通信制御が簡単になる。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態及び第2の実施の形態の車両内利用情報管理システムにおいては、ホーム側情報管理装置1から携帯機6への個人利用情報の送信を無線通信を利用して行っているが、第3の実施の形態の車両内利用情報管理システムにおいては、記録メディアを利用した情報の送信も可能としている。
図10に、本発明の第3の実施の形態の車両内利用情報管理システムにおける携帯機6の構成を示す。なお、携帯機6の構成を除いて、ホーム側情報管理装置1及び車両側情報管理装置2の構成は、第1の実施の形態の車両内利用情報管理システムのものと同様であるので、図示、及び説明を省略する。
図10の携帯機6は、制御部61、記憶部62、通信部63、入出力インタフェース64、操作部65、出力部66、フォルダ検出部67を含んで構成される。入出力インタフェース64が付加されていることを除き、図9に示す携帯機6と同様であるので、異なる部分についてのみ説明する。なお、フォルダ検出部67については、省略も可能である。
図10の携帯機6は、メディアスロット71、メディアインタフェース72を備えるフォルダ7とともに利用される。メディアスロット71は、メモリカードが装着されるスロットであり、メディアインタフェース72は、メディアスロットに装着されたメモリカードの信号を外部に取り出すためのものであり、携帯機6がフォルダに装着された場合に、携帯機6の入出力インタフェース67と接続する。したがって、制御部61の制御により、メディアスロットに装着されたメモリカードの情報を読込んで記憶部62に記憶することができる。
このような構成を有する携帯機6を利用する場合、ホーム側情報管理装置1からの無線通信を介した個人利用情報の送信が失敗した場合に、送信すべき個人利用情報をメモリカードに記憶し、そのメモリカードをフォルダ7のメディアスロット71に装着することにより、携帯機6の記憶部62に記憶した個人利用情報を転送することができる。また、送信すべき個人利用情報の容量が大きい場合にも、この方法を利用すると、送信時間を短縮することが可能となる。
(第4の実施の形態)
第1ないし第3の実施の形態の車両内利用情報管理システムにおいては、携帯機2又はホーム側情報管理装置1からの個人利用情報の送信を、車両側のバッテリの状態に拘わらず行っていたが、第4の実施の形態の車両内利用情報管理システムにおいては、バッテリの状態に応じた送信処理を行う。
図11に、本発明の第4の実施の形態の車両内利用情報管理システムにおける車両側情報管理装置2の構成を示す。なお、車両側情報管理装置2の構成を除いて、ホーム側情報管理装置1及び携帯機6の構成は、第1の実施の形態の車両内利用情報管理システムのものと同様であるので、図示、及び説明を省略する。
車両側情報管理装置2は、車両側制御部21、車両側記憶部22、車両側通信部23、車両側外部機器インタフェース24、車両側操作部25、車両側出力部26、バッテリ監視部27を含んで構成される。バッテリ監視部27が付加されていることを除き、図1に示す車両側情報管理装置2と同様であるので、異なる部分についてのみ説明する。
バッテリ監視部27は、車両に搭載されたバッテリ8の状態を監視するものであり、例えば、バッテリ8の電圧をモニタする。図11の車両側情報管理装置2においては、車両側制御部21は、個人利用情報の受信時に、バッテリ監視部27がバッテリ劣化と判断している場合、個人利用情報の受信を中止し、車両側通信部23を介して受信不可である旨を送信する。バッテリ劣化は、例えば、バッテリ電圧を監視し、一定の電圧(例えば9V)を下回っているかを判断する。一定の電圧(例えば9V)は、バッテリ電圧がそれを下回っている場合、充電することなく使用を続けると、急激に電圧供給能力及び電流供給能力が低下し、バッテリが上がってしまう電圧である。また、バッテリ8の状態に応じて、車両側出力部26を介して、車両電源制御部9を制御する。また、携帯機6からの要求に応じて、バッテリ8の状態を示す信号を携帯機6に対して送信する。
図12に、図11に示す車両側情報管理装置2の概略動作フローの一例を示す。この動作フローは、個人利用情報を受信して直ちに車載機器に転送する場合のものである。車両側情報管理装置2は、通常スタンバイ状態(低消費電力モード)である。ステップS1001で、ホーム側情報管理装置1又は携帯機6からのデータ送信要求を受信すると、ステップS1002で、バッテリ監視部27からの信号に基づき、バッテリの状態を判断する。バッテリが良好でない場合は、バッテリが不良である旨をホーム側情報管理装置1又は携帯機6に送信して(ステップS1009)終了する。
バッテリが良好である場合は、車両搭載機器の電源(又は車両全体の電源)をオンにし(ステップS1003)、受信許可信号をホーム側情報管理装置1又は携帯機6に送信する(ステップS1004)。続いて、ステップS1005で、個人利用情報を受信し、ステップS1006で、受信した個人利用情報を車載機器に転送する。そして、受信結果情報をホーム側情報管理装置1又は携帯機6に送信し(ステップS1007)、車両搭載機器の電源(又は車両全体の電源)をオフにして(ステップS1008)終了する。
図13に、図11に示す車両側情報管理装置2の概略動作フローの他の例を示す。この動作フローは、個人利用情報を分割して受信するとともに、受信した個人利用情報を直ちに車載機器に転送する場合のものである。車両側情報管理装置2は、通常スタンバイ状態(低消費電力モード)である。ステップS1101で、ホーム側情報管理装置1又は携帯機6からのデータ送信要求を受信すると、ステップS1102で、バッテリ監視部27からの信号に基づき、バッテリの状態を判断する。バッテリが良好でない場合は、バッテリが不良である旨をホーム側情報管理装置1又は携帯機6に送信して(ステップS1112)終了する。
バッテリが良好である場合は、車両搭載機器の電源(又は車両全体の電源)をオンにし(ステップS1103)、受信許可信号をホーム側情報管理装置1又は携帯機6に送信する(ステップS1104)。続いて、ステップS1105で、送信すべき個人利用情報の全ブロックの送信報告をホーム側情報管理装置1又は携帯機6から受信したかどうかを判断する(ステップS1105)。
全ブロックの送信報告がない場合は、ブロックデータを受信し(ステップS1106)、再度、バッテリの状態を判断する(ステップS1107)。そして、バッテリ状態が良好である場合は、受信したブロックデータを車載機器に転送し(ステップS1108)、ブロック受信完了信号をホーム側情報管理装置1又は携帯機6に送信し(ステップS1109)、ステップS1105に戻る。
ステップS1105において全ブロックの送信報告を受信した場合は、車両搭載機器の電源(又は車両全体の電源)をオフにして(ステップS1110)終了する。また、ステップS1107においてバッテリが良好でないと判断した場合は、個人利用情報の受信が正常に行われなかった旨をホーム側情報管理装置1又は携帯機6に送信して(ステップS
1111)終了する。
以上のように、車両側情報管理装置2において、車両のバッテリの状態に応じた個人利用情報の受信を行うので、個人利用情報の受信によるバッテリ上がりを避けることができる。
(第5の実施の形態)
第1ないし第4の実施の形態の車両内利用情報管理システムにおいては、携帯機2から車両側情報管理装置2への個人利用情報の送信を、無線通信によって行っているが、第5の実施の形態の車両内利用情報管理システムにおいては、有線通信による送信も可能とする。
図14は、本発明の第5の実施の形態の車両内利用情報管理システムの概略機能ブロック図である。ホーム側情報管理装置1の構成は、第1の実施の形態の車両内利用情報管理システムのものと同様であるので、図示及び説明を省略する。
図14の携帯機2は、制御部61、記憶部62、通信部63、入出力インタフェース64、操作部65、出力部66、フォルダ検出部67を含んで構成され、図10に示す携帯機2と同様の構成を有する。フォルダ検出器67、入出力インタフェース64が付加されていることを除き、図1に示す携帯機6と同様であるので、異なる部分についてのみ説明する。なお、フォルダ検出部67については、省略も可能である。
図14の車両側情報管理装置2は、車両側制御部21、車両側記憶部22、車両側通信部23、車両側外部機器インタフェース24、車両側操作部25、車両側出力部26、携帯機用スロット28を含んで構成される。携帯機用スロット28が付加されていることを除き、図1に示す車両側情報管理装置2と同様であるので、異なる部分についてのみ説明する。
携帯機用スロット28は、携帯機6が装着可能な形状を有しており、装着時に入出力インタフェース64が接続される構成を有している。このような構成を有する携帯機6と車両側情報管理装置2が携帯機用スロット28を介して接続されると、携帯機6と車両側情報管理装置2は、有線伝送路で接続されることになる。このとき、携帯機6の制御部61は、記憶部62に記憶された個人利用情報を、入出力インタフェース64を介して車両側情報管理装置2に転送する。また、車両側情報管理装置2の車両制御部21は、携帯機用スロット28に装着された携帯機6から転送される個人利用情報を車両側個人情報利用機器4に転送する。
以上のように、携帯機用スロット28を利用することにより、携帯機6から車両側情報管理装置2への個人利用情報の送信を有線伝送路で接続することができ、無線通信による個人利用情報の送信が失敗したときでも、個人利用情報を車両側情報管理装置2に送信することができる。