JP5314743B2 - 供給計画作成システム - Google Patents

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Description

本発明は、組立ラインの各工程で使用される部品を、組立ラインに沿ってそれぞれ設けられたライン在庫区域に供給する計画を作成する供給計画作成システムに関する。
従来、部品管理拠点(部品管理センタ)から工場内の組立ラインに部品を効率よく搬入するために開発されたシステムとしては、例えば、組立ラインの各工程に在庫される部品ごとに、その部品が全て消費される予定時刻を算出して、その時刻に部品を組立ラインに搬入するように工程を管理する工程管理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この工程管理装置は、所定の稼働時間に組立ラインで生産予定の製品の予定生産量を入力装置から収集する生産数変更登録部と、予定生産量に基づいて部品を消費する速さを算出し、その速さに基づいて稼働時間を複数に分割して複数搬入時刻を算出する搬入時刻算出部と、部品管理拠点から組立ラインのうちの一つの工程に部品を複数搬入時刻に搬入する指示を出力装置に出力する搬入指示部と、その工程で全ての部品が消費される複数搬入時刻に搬入される部品の搬入量を算出する搬入量算出部と、を備えて構成されている。
この工程管理装置では、組立ラインの各工程に在庫されている部品が全て消費される予定時刻に合わせて、部品ごとに適切なタイミングで、必要な部品を台車に積載して搬入することにより、組立ラインの各工程に在庫される部品の量の低減を図っている。
特許第4229892号公報(段落[0014]、図1及び図2)
しかしながら、従来の組立ラインへの部品供給システムでは、サプライヤから部品管理拠点までの輸送、及び、部品管理拠点から組立ラインへの部品供給における搬送効率を向上させることを優先していたため、部品の形状や重量等の特性に応じて、梱包荷姿を集約(個装入数の最大化)して、部品ごとに管理された最大個装入数でラインサイドに供給していた。
このため特に、生産機種のタイプや色によって多くの派生がある製品を生産する組立ラインの場合、往々にしてラインサイドに一時的に種々の余剰在庫部品が氾濫し、ラインサイドのスペースを圧縮するという状況があった。
このラインサイドの余剰在庫部品は、部品の取り間違えを誘発して作業者に誤った派生部品を組み付けさせたり、組み付ける部品を取り難くして作業性を悪化させたり、余剰部品を載せた台車が混在するため台車の頻繁な並べ替え作業を強要させたりするなどの種々の問題点を惹起させ、生産性及び作業性を悪化させるという問題があった。
そこで、本発明は、前記問題点を解消すべく発明されたものであり、部品の供給効率を落さず、組立ラインの余剰在庫を抑制しラインサイドを簡素化して生産性及び作業性を向上させた供給計画作成システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る供給計画作成システムは、複数の部品を組み付けて機種の異なる製品をそれぞれ所定のロット単位で連続して生産する組立ラインにおけるラインサイドまで前記部品を供給する供給計画作成システムであって、前記ラインサイドに設けられ、前記組立ラインの各工程で組み付ける部品をそれぞれ区分けされた所定の場所に収容するライン在庫区域と、前記部品を積載して当該部品のライン在庫区域に収容する供給手段と、この供給手段を前記ライン在庫区域まで搬送する搬送手段と、前記製品に組み付けられる部品の一覧情報である部品構成情報と、前記組立ライン上を流れる各製品のロットサイズ、前記各製品の生産順、及びロット数を生産時刻と共に計画した生産計画情報と、を格納する製品組立情報格 納部と、積載部品の類別を把握する供給手段識別情報と、積載部品の積載許容数を把握する積載許容数情報と、を格納する供給手段情報格納部と、前記供給手段に積載する部品を特定して当該部品の数量及び供給時刻を策定する供給計画作成部と、を有し、前記供給計画作成部は、前記部品構成情報及び前記生産計画情報に基づいて、前記供給手段に積載して所定の前記ライン在庫区域に収容する使用部品を特定し、前記ロットごとに使用する当該使用部品の使用数を求めるロット使用数算出手段と、前記複数種類の使用部品がそれぞれ連続して使用される連続ロット数を求める連続ロット数算出手段と、この連続ロット数算出手段により求めた前記複数種類の使用部品の各連続ロット数のうち、前記供給手段に積載して一の前記ライン在庫区域に供給する部品の組み合わせの中で、最小の連続ロット数を求める最小連続ロット数算出手段と、この最小ロット数以下の連続ロット数を採択して、当該採択した連続ロット数を賄う前記複数種類の使用部品の使用数を求める供給部品数算出手段と、備え、この供給部品数算出手段により求めた前記複数種類の使用部品の使用数量を前記供給手段に積載して前記ライン在庫区域に供給する供給計画を作成することを特徴とする。
かかる構成によれば、供給計画作成システムは、供給計画作成部のロット使用数算出手段によって、部品構成情報及び生産計画情報に基づいて、供給手段に積載して所定のライン在庫区域に供給する使用部品を特定し、ロットごとに使用する使用部品の使用数を求めているため、生産計画に合ったロット単位の部品数の部品をラインサイドに供給して、ラインサイドを簡素化することができる。
また、供給計画作成部は、供給部品数算出手段によって、最小連続ロット数算出手段が算出した最小ロット数以下の連続ロット数を賄う複数種類の使用部品の使用数を供給手段に積載して部品を供給することができるため、ラインサイドにおいて使い切らずに余ってしまう余剰在庫部品を抑制し、視認性を向上させて作業者の部品の取り間違えを防止することができる。また、例えば、部品の梱包荷姿を集約したとしても、ロットの単位でサプライヤから部品管理拠点に納入することで、組立ラインへの要件変換(詰め替え)の作業工数を削減して簡素化を図ることができる。
さらに、供給計画作成部は、供給部品数算出手段によって、その最小ロット数以下の連続ロット数のうちの最大のロット数を採択することで、部品の供給効率を低下させずに供給しながら、組立ラインに余剰在庫部品が溜まるのを抑制して、効率よく部品を供給することができる。
その結果、供給手段に積載した複数の種類の部品をロット単位で同じタイミングで使い切ることが可能となり、迅速に供給手段の回収ができることによって、供給手段の使用サイクルの回転効率を向上させることができると共に、ラインサイドに余剰な部品を無くすことができる。また、部品を大量に購入した場合であっても、ラインサイドに必要な部品を必要な量だけタイミングよく供給することができる。
このようにして、本発明に係る供給計画作成システムは、部品の誤組み付けを解消すると共に、かつ、部品の供給効率を落さず、組立ラインの余剰在庫を抑制しラインサイドを簡素化して生産性及び作業性を向上させることができる。
また、前記組立ラインは、複数のゾーンに区分けされ、前記製品組立情報格納部は、実際に当該組立ラインを流れた前記製品の生産量を生産時刻と共に把握した生産進度情報をさらに格納し、前記供給計画作成部は、前記供給手段の供給指示時刻を算出する供給指示時刻算出手段と、前記供給指示時刻に対する遅延可能時間を加算して供給許容時刻を算出する供給許容時刻算出手段と、同じゾーン内にある前記ライン在庫区域に供給する前記供給手段各供給指示時刻早い順に並べて、最も遅い供給指示時刻が、最も早い供給許容時刻を有する供給手段供給許容時刻より後にならぬように、かつ、全体の連結長さが許容連結長さ以内になるように前記供給手段の組み合わせを選定する供給手段グループ選定部と、を備え、前記搬送手段は、前記供給手段グループ選定部により選定された複数の供給手段を連結して前記ライン在庫区域に搬送することが好ましい。
かかる構成によれば、搬送手段は、供給手段グループ選定部により選定された複数の供給手段を連結してライン在庫区域に搬送することによって、部品をライン在庫区域に効率よくタイムリーに供給して余剰在庫部品を無くすことができる。
また、前記搬送手段は、前記供給手段グループ選定部により選定された複数の供給手段を直列して先頭から後尾まで連結し、部品管理拠点側から見て当該供給する前記ライン在庫区域の近い方から遠い方へという順序で供給するように、前記近い方の供給手段を後尾に連結し前記遠い方の供給手段を先頭にして連結することが好ましい。
かかる構成によれば、搬送手段は、供給手段グループ選定部により選定された複数の供給手段を直列して先頭から後尾まで連結し、予め定めた部品管理拠点から見て供給するライン在庫区域の近い方から遠い方へ順に供給するように、近い方の供給手段を後尾に連結し遠い方の供給手段を先頭にして連結することによって、ラインサイドに部品を効率よく供給し、ラインサイドで空の状態になった供給手段を効率よく回収することができる。
また、前記供給計画作成部は、前記複数連結された前記供給手段のうち、最も遅い供給指示時刻の供給手段に対する当該供給指示時刻を供給代表時刻として設定する供給スケジュール設定部を備えていることが好ましい。
かかる構成によれば、供給計画作成部は、複数連結された供給手段のうち、最も遅い供給指示時刻の供給手段に対する供給指示時刻を供給代表時刻として設定する供給スケジュール設定部を備えていることによって、部品を使い切るタイミングを最も遅い供給指示時刻に合わせて、同時に使い切ることができる。このため、ライン在庫区域に、多種類の部品や、多数の供給手段が残存するのを抑制することができる。
また、前記供給計画作成部は、時間、日、対象ロット範囲、その他の所定の範囲を区画した計画対象範囲ごとに前記供給計画を作成し、前記計画対象範囲内の供給指示時刻を有する前記搬送手段を供給計画作成対象搬送手段として選定し、前記供給計画に基づいて搬送準備に着手した搬送準備着手搬送手段を特定するデータを格納する搬送準備着手データ格納手段と、この搬送準備着手データ格納手段の搬送準備着手データ(実績データ)を参照して、最新の前記搬送準備着手搬送手段に対する供給指示時刻を把握し、この供給指示時刻に猶予時間を加算して再編基準時刻を設定する再編基準時刻設定手段と、を備え、前記供給計画作成対象搬送手段に加えて、当該供給計画作成対象搬送手段が属する前記計画対象範囲よりも前であり、かつ、前記再編基準時刻よりも後の供給指示時刻を有する搬送手段を組み込んで、前記供給計画を作成することが好ましい。
かかる構成によれば、作成された供給計画は、過去の計画対象範囲において作成された供給指示時刻を有する搬送手段が含まれるため、その過去の計画対象範囲の作業未着手の搬送手段に対する再編成により、搬送効率が向上する供給計画を作成することができる。
本発明に係る供給計画作成システムは、部品の誤組み付けを解消すると共に、かつ、部品の供給効率を落さず、組立ラインの余剰在庫を抑制しラインサイドを簡素化して生産性及び作業性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る供給計画作成システムの一例を示す図であり、工場及び工場に隣設した部品管理拠点を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る供給計画作成システムにおける台車の使用状態の一例を示す要部概略図である。 本発明の実施形態に係る供給計画作成システムにおける台車の使用サイクルを示す概略図である。 本発明の実施形態に係る供給計画作成システムにおける工場内の組立ライン及びラインサイドを示す概略図である。 本発明の実施形態に係る供給計画作成システムの一例を示す図であり、工場内の組立ラインとライン在庫区域とを示す要部概略平面図である。 本発明の実施形態に係る供給計画作成システムにおける部品の供給と詰め替えを示す図であり、組立ラインに対する部品の供給のタイミングと、部品を積載する台車と、ラインサイドの部品の在庫の推移を示す説明図である。 部品の供給をサプライヤの個装入数で行った場合の比較例を示す図であり、組立ラインに対する部品の供給のタイミングと、部品を積載する台車と、ラインサイドの部品の在庫の推移を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る供給計画作成システムのシステム構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る供給計画作成システムにおける同一トレインに連結された台車のスケジュール日時を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る供給計画作成システムにおける作業未着手の台車の再トレイン組みとロットと時間との関係を示す表である。 本発明の実施形態に係る供給計画作成システムにおけるデマンド・リパックの処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る供給計画作成システムにおけるダイナミック・トレイン・ビルドの処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る供給計画作成システムにおけるトレインの台車の再編を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係る供給計画作成システムについて、複数の部品から自動車(製品)を組み立てる組立ラインを例として添付図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、供給された部品を組み付けて製品を完成する組立ライン(生産ライン)であれば適用可能であり、特に部品の供給手段、部品及び製品には限定されない。
本発明の実施形態に係る供給計画作成システム1(図8参照)は、図1に示すように、サプライヤ2で生産されて部品管理拠点4に搬送された多数で多種類の部品等を、工場5の組立ライン6に供給する供給計画を作成するシステムである。
供給計画作成システム1を説明する前に、サプライヤ2、トレーラヤード3、部品管理拠点4、工場5、組立ライン6等を説明する。
<サプライヤの構成>
サプライヤ2は、部品を生産して、船舶、飛行機、トラック、トレーラ、その他貨物車両等(以下、代表して「トレーラ」という)によって部品管理拠点4に供給するそれぞれの取引先である。工場5からの発注情報に基づき検品及び仕分けを行って、事前に取り決められたロット基準の納品個装数ずつ梱包をして、発注数に基づいた量の部品を納入する。例えば、国内のサプライヤ2の製造工場で製造されて出荷された大量の部品や、海外のサプライヤ2によって生産され船舶等で輸入されて出荷された大量の部品は、例えば、配送センタ等の中継地を介してトレーラ21で、トレーラヤード3に直接搬送される。
つまり、サプライヤ2の部品の出荷形態は、サプライヤ2がロット単位に最大の入数で個装して輸送し納入する。
<トレーラヤードの構成>
図1に示すように、トレーラヤード3(Trailer yard)は、例えば、新たに部品管理拠点4に納入する部品を搭載したトレーラ21や、部品を納入し終わったトレーラ22を駐車させておく場所であり、部品管理拠点4の部品別保管エリヤ40に隣設されている。トレーラヤード3の出入口には、トレーラ21,22の出入りを認識する自動認識装置31が配置されている。
<部品管理拠点の構成>
部品管理拠点4は、トレーラ21によって搬送されて来た各サプライヤ2からの部品の入荷、保管、供給の準備及び部品の供給を行う倉庫であり、工場5に連続して隣設されている。部品管理拠点4は、例えば、この部品管理拠点4内のトレーラヤード3側に配置された部品別保管エリヤ40と、部品別保管エリヤ40に隣設された大型部品保管エリヤ41と、部品別保管エリヤ40に隣設し、大型部品保管エリヤ41に対して対称な位置に配置された小型部品保管エリヤ42と、この小型部品保管エリヤ42と大型部品保管エリヤ41との間に配置されたリパックエリヤ43と、このリパックエリヤ43から工場5のラインサイド5aに向けて配置されたトレイン通路4aと、大型部品保管エリヤ41に隣設し、トレイン通路4aに面した位置に配置されたトレインビルドエリヤ44と、トレイン通路4aに面した工場5側の位置に配置されたRCC45と、このRCC45にトレイン通路4aを挟んで対向して配置されたステージングエリヤ46と、が備えられている。なお、部品管理拠点4は、工場5内に設けてもよい。
このように、部品は、サプライヤ2によって生産された梱包荷姿で、トレーラ21によりサプライヤ2からトレーラヤード3を通って部品管理拠点4内に供給される。部品管理拠点4の各エリヤは、工場5の組立ライン6からの生産情報に基づいて生産の連続性に応じて、入庫された梱包荷姿の部品を、詰め替えの必要性を判断(デマンド・リパック)した上で供給荷姿に詰め替える詰替作業を行って、必要な量だけ組立ライン6に出庫される。このため、組立ライン6のサイドの余剰在庫を無くすことが可能である。
部品別保管エリヤ40は、トレーラ21で入荷された部品をフォークリフトでトレーラ21から降ろして、同一同種の部品を種類別に一旦保管するエリヤである。なお、トレーラ21によって搬送されて来る部品は、容器に納入され、バーコードにより識別管理されている。
図1に示すように、大型部品保管エリヤ41は、部品別保管エリヤ40に一旦保管された部品のうちで、大型の部品に仕分けられた大型部品を、所定の部品保管場所に入庫して保管し、出庫の指示が来たらフォークリフト等で所定の被牽引台車72に搭載して出庫できるように出庫の準備を行うエリヤである。
小型部品保管エリヤ42は、部品別保管エリヤ40に一旦保管された部品のうちで、小型の部品に仕分けられた小型部品を、所定の部品保管場所に入庫して保管し、出庫の指示が来たらフォークリフト等で所定の被牽引台車72に搭載して出庫できるように出庫の準備を行うエリヤである。この小型部品保管エリヤ42等は、例えば、バーコードシステム及び自動出庫装置により自動搬送、自動仕分け及び自動出庫が可能になっている。
リパックエリヤ43(Repack Area)は、サプライヤ2で梱包された梱包荷姿の必要な部品を、必要なときに、組立ライン6の要件に合わせて必要なものだけ詰め替えた供給荷姿に変えて保管及び供給の準備を行うエリヤである。このリパックエリヤ43は、後記のいわゆるデマンド・リパックを行う場所である。リパックエリヤ43は、供給計画の一部の情報に基づき、台車70の積載容量と適用部品の連続性を基に供給可能数を判断し、サプライヤ2の梱包荷姿からの変更を最少限に抑えた詰め替えを行う。
トレインビルドエリヤ44(Train Build Area)は、供給計画に基づいて複数の被牽引台車72を連結してトレインを構成するエリヤであり、いわゆるダイナミック・トレイン・ビルドの編成を行う場所である。換言すると、トレインビルドエリヤ44は、最終的に組立ライン6に送り出す部品を積載した複数の被牽引台車72を、配送する組立ライン6の同じゾーンのライン在庫を切らさずに、ラインサイド在庫が残り僅かとなるタイミングで、連結効率及び配送効率のよいトレインの連結判断をした結果で、連結対象の台車70を連結する場所である。
RCC45は、空の個装容器8を回収して一時的に保管しておくエリヤである。
ステージングエリヤ46(Staging Area)は、個装容器8に収容された部品を積載した複数の被牽引台車72を連結して編成されたトレインを、指定の供給指示時刻になるまで待機させておくエリヤである。指定の供給指示時刻になったら、作業者はトレインを牽引台車71に連結し、部品を組立ライン6に供給する。
≪部品の構成≫
部品は、組立ライン6で車体に組み付けられるものであり、いわゆるコモン部品と、バリアブル部品と、ユニーク部品との3種類がある。コモン部品は、全ての生産機種タイプ・カラーで同一機種(車種)に共通に適用される部品であり、例えば、ねじ等である。バリアブル部品は、同一機能の派生部品が、生産機種タイプ・カラーに応じて交互に適用されるものであり、例えば、車体の車種や色によって相違するドアノブ等である。ユニーク部品は、特定の生産機種タイプ・カラーに対してのみ適用される専用部品であり、例えば、車種のグレードの高い車体にのみ搭載される部品等である。それらの部品は、サプライヤ2で個装容器8(図2参照)に予め設定された所定の入数(ロット単位)ずつ収容されて納入される。
≪台車の構成≫
図1に示すように、台車70(供給手段7)は、部品管理拠点4にある部品を工場5のラインサイド5aに供給する際に使用される車輪付台車である。図2に示すように、台車70は、作業者が運転してモータで動く牽引台車71と、この牽引台車71によって引かれ、部品を積載する複数の被牽引台車72と、を連結して一つのトレインを構成する。
図1に示すように、牽引台車71は、部品管理拠点4に保管され個装容器8に収納された部品を積載した被牽引台車72を、牽引して部品管理拠点4から工場5内の組立ライン6のラインサイド5aに供給する駆動源付車両であり、トレインの先頭に連結される。
図2に示すように、被牽引台車72は、牽引台車71に被牽引台車72を複数台連結することにより、予め設定された全長範囲内に連結されたトレインの先頭車両以外の車両を構成する。被牽引台車72には、一種類の部品を積載する単品台車と、複数種の部品を積載する混載台車とがある。
<台車の連結順序(ダイナミック・トレイン・ビルド)について>
前記したように台車70は、牽引台車71(搬送手段)を先頭に配置して、供給手段グループ選定部147(図8参照)により選定された複数の被牽引台車72(供給手段7)を連結してトレインを構成して、被牽引台車72に積載された個装容器8内の部品をライン在庫区域070〜183(図5参照)に搬送する。牽引台車71は、供給手段グループ選定部147(図8参照)により選定された複数の被牽引台車72を直列して先頭から後尾まで連結し、部品管理拠点4から見て供給するライン在庫区域070〜183の近い方から遠い方へという順序で供給するように、近い方の被牽引台車72を後尾に連結し遠い方の被牽引台車72を先頭にして連結している(ダイナミック・トレイン・ビルド)。
換言すると、台車70は、牽引台車71を先頭にして、被牽引台車72が後尾から配送順に連結されてトレインを構成し、配送した際に、トレインの後尾から順に被牽引台車72が切り離されてトレインを解消し、牽引台車71が戻って来る際に、空の被牽引台車72を順に回収し増設してトレインを組みながらアイル5b(図5参照)を戻って来る。
なお、トレインの長さは、各被牽引台車72の長さと、ラインサイド5a、アイル5bの幅及びカーブの大きさと、から最大長さ(最大連結台数)を算出して決める。
次に、台車70をどのようなサイクルで移動させて使用するか説明する。
図3及び図4に示すように、台車70は、部品管理拠点4で被牽引台車72Cに部品を積載してトレインを組んで工場5のラインサイド5aに、部品を積載したまま被牽引台車72ごと供給される。ラインサイド5aのライン在庫区域070〜183で、被牽引台車72Aに積載した部品が組立ライン6の車体に使用されて使い切ると、空の被牽引台車72Bとなる。空の被牽引台車72Bは、空の個装容器8を積載して部品管理拠点4に戻り、また、部品を積載して工場5のラインサイド5aに供給する使用サイクルを繰り返す。
≪工場の構成≫
図1に示すように、工場5は、自動車を組み立てて製造する組立ライン6がある所であり、組立ライン6のラインサイド5aがトレイン通路4aに繋がっている。工場5内には、部品を車体に組み付ける組立ライン6と、組立ライン6の脇に隣設されたラインサイド5aと、ラインサイド5aの内側のアイル5bと、が配置されている。
≪組立ラインの構成≫
図5に示すように、組立ライン6は、車体に部品を組み付ける多数の工程を行う第1工程から最終工程へと各工程を行う組立場所がU字型に数珠状に連続配置された生産ラインである。組立ライン6は、この組立ライン6に車体が供給される入口6aと、部品が組み付けられた製品としての自動車が送り出される出口6bと、入口6aと出口6bとの間にU字状に曲げて形成されたUターン部6cと、を有し、入口6a側と出口6b側とが近接した状態に配置されている。U字状の組立ライン6の内側には、組立ライン6に沿って配置されたラインサイド5aと、このラインサイド5aを各被牽引台車72ごとに部品が供給される供給範囲ごとに区分けされたライン在庫区域070〜183と、U字状に直列配置されたライン在庫区域070〜183の内側に配置されて台車70(図1及び図2参照)が往来するアイル5bと、が設けられている。組立ライン6は、半製品の車体を搬送するコンベヤを備え、予め設定した所定時間ごとに所定の部品が組み付けられる各組付作業が行われ、その所定時間が過ぎると、全ての車体を次工程に搬送するタクトシステムが採用されている。
<ラインサイド及びアイルの構成>
組立ライン6のラインサイド5aは、トレインから分離して部品を積載した被牽引台車72が配置される。このラインサイド5aは、例えば、被牽引台車72を3台分置くスペースがあり、通常時、2台常駐されている。ラインサイド5aにおいて、部品を積載して配送されて来る被牽引台車72と、空の状態の回収される被牽引台車72との割合は、1:1を基本としている。なお、その被牽引台車72の交換頻度は、組立ライン6の工程及び被牽引台車72の部品の積載数によって異なる。
アイル5bは、台車70、作業者が往来する通路であり、組立ライン6に沿ってある。
ライン在庫区域070〜183は、組立ライン6の各工程で組み付ける部品をそれぞれ区分けして収容する所定の供給場所であり、ラインサイド5aに設けられている。数字「070〜183」は、組み付けるアドレスナンバーであり、組み付ける車体のアドレスでもある。また、そのライン在庫区域070〜183は、部品を台車70(図2参照)で運ぶ供給場所のデリバリー・ロケーションにもなっている。例えば、組立ライン6のラインサイド5aは、近接する複数のデリバリー・ロケーションを任意の単位でグループ化したゾーン♯A〜♯Cまでの三つのデリバリー・ゾーンに分かれている。
ゾーン♯A〜ゾーン♯Cは、同一のトレインに束ねてよい部品供給場所の塊であり、同一通路で一度に配送可能な範囲内に設定される。
図5に示すように、ゾーン♯Aは、例えば、組立ライン6の入口6aにあるライン在庫区域070〜090までと、このライン在庫区域070〜090にアイル5bを挟んで対向位置にあるライン在庫区域167〜183までである。ゾーン♯Bは、例えば、ライン在庫区域091〜110までと、このライン在庫区域091〜110からアイル5bを挟んで対向位置にあるライン在庫区域148〜166までである。ゾーン♯Cは、例えば、組立ライン6のUターン部6cを含むその前後のライン在庫区域111〜147である。
ゾーン#Aは、ライン在庫区域070〜090のアイル5bと、ライン在庫区域167〜183のアイル5bのデリバリー・ロケーションが含まれるため、複数のロット(「N+2」、「N+3」、「N+6」)で使用する部品を積載した被牽引台車72を対象としてトレインを組み、U字状のラインサイド5a内のアイル5bを走行させながら左右にジグザグに手前側から順に被牽引台車72ごと部品をライン在庫区域070〜090,167〜183に供給することで、一度に運ぶことが可能である。
このように、組立ライン6は、アイル5bごとにデリバリー・ゾーンが設定されていることによって、異なる生産ロットの部品でも使用タイミングが近ければ同一のトレインに組み込んで納品することができるため、台車70の連結効率を向上させることができる。
ゾーン#Aに台車70で部品を供給する場合は、組立ライン6の入口6aからゾーン#B方向に向かって、アイル5bを進みながら、注文のあった部品を積載した被牽引台車72をトレインから分離して、その被牽引台車72ごとラインサイド5aのライン在庫区域070〜090、167〜183に納める。
部品を配り終わった1トレインの牽引台車71は、アイル5bから戻って来る際にも、空の容器を搭載した被牽引台車72を連結して回収しながら戻る。
このように、ゾーン#Aにおいて、部品を供給する往路では、部品管理拠点4に近い方の組立ライン6の入口6aから、部品管理拠点4に遠い方のゾーン#B方向に向かって被牽引台車72を分離しながら進行し、被牽引台車72を回収する復路では、部品管理拠点4に遠い方のゾーン#Bの方から、部品管理拠点4に近い方の組立ライン6の入口6aまで移動することで、効率よく空の被牽引台車72を回収することができる。
≪台車に積載する部品の積載条件について≫
以下の説明において、「連続ロット数」とは、連続ロット数算出手段142により求めたある一の使用部品が連続して使用されるロットをいう。
「最小連続ロット数」とは、最小連続ロット数算出手段143により求めた最小の連続ロット数をいい、連続ロット数算出手段142により求めた複数種類の使用部品の各連続ロット数のうち、供給手段に積載して一のライン在庫区域に供給する部品の組み合わせの中で、最小の連続ロット数を意味する。
「採択最小連続ロット数」とは、供給部品数算出手段144により求めた最小連続ロット数以下のロット数をいう。
部品を台車に積載して供給する供給の単位は、ロット単位の30台単位である。
同一の部番で、かつ同一の部品色が連続した複数のロットの生産で使用される場合に限り、部品管理拠点4から工場5のラインサイド5aへの供給に用いる被牽引台車72への積載可能な許容範囲内で、まとめて積載して供給することを原則としている。このため、まとめた必要数の合計が個装入数の公倍数でない場合には、端数が発生し、サプライヤ2からの梱包荷姿の部品を所定個数に詰め替える詰替作業が必要となる。なお、被牽引台車72に載せる部品の数は、部品の大きさによって、複数であってもよい。つまり、一台の被牽引台車72に載せ切れない大きな部品の場合は、前後に二台に分けて連続供給してもよい。
被牽引台車72の積載許容量は、サプライヤ2からの容器入数のn倍(公倍数)であり、容器の入数を基準としている。組立ライン6の同じ場所で使用される部品の部番・部品色が連続して適用される場合は、被牽引台車72の積載許容量の範囲内でまとめて積載してラインサイド5aに供給する。
単品台車と混載台車とにおいて、搬出可能なロット数を算出するロジックは同じである。しかし、混載台車の場合には、混載する部品の中でカバー・ロット・レンジ(連続ロット数)が最も少ないもの(最小連続ロット数)に合わせて供給数を調整し、同一の台車70に混載する部品のカバー・ロット・レンジ(連続ロット数)を等しくして、複数の部品を同時に使い切るようにして積載する。ただし、適用の無いユニーク部品に対しては、非適用が連続する間、供給数調整の対象外とする。なお、一台の台車70に積載された部品は、ライン在庫区域070〜183のうちの所定の一箇所に全てが供給される。
≪デマンド・リパックの構成≫
次に、図6を主に参照しながら、ライン在庫区域070〜183のうちの所定の一箇所に供給される部品を被牽引台車72にどのように積載するか説明する。前記デマンド・リパックとは、供給数をまとめることが可能な供給可能数の判断及び詰め替え判断の方法の総称である。
図6において、第1行目の「Lot ♯」の1〜16は、自動車の生産順を表し、生産台数30台を1ロットとしている。第1行目の生産タイプのAB1,AD5,AB0は、生産する車体の種類を表している。第4〜7行目の「55555−SNE」、「55555−SDA」、「33333−SNA」及び「12345−SDA」は、部品の型番を表す。部番「55555−SDA」及び「55555−SNE」の部品は、バリアブル部品であり、生産機種タイプ、カラーにより、いずれかの部品が使用される。「33333−SNA」は、ユニーク部品であり、特定の生産機種タイプ、カラーにのみ使用される。部番「12345−SDA」の部品は、必ず使用するコモン部品である。第8行目は、被牽引台車72の供給のタイミングを表す。
ロット♯1〜♯4では、部番「55555−SNE」及び「12345−SDA」が、1台の被牽引台車72に積載される個装容器8の許容範囲である30個ずつ4ロット分の120個の部品が部番ごとに2個の個装容器8に入れられて1台の被牽引台車72(721)に積載されてラインサイド5aに供給される。被牽引台車72(721)上の部番「55555−SNE」及び「12345−SDA」の各120個の部品は、ロット♯1の組付作業が終了すると、それぞれ30個の部品が使用されて90個の残になり、ロット♯2の組付作業終了時に60個の残、ロット♯3の組付作業終了時に30個の残、ロット♯4の組付作業終了時に被牽引台車72(721)上の各部品が同時に残0個になって使い切られ、個装容器8が空の状態になる。
このように、ロット♯4の部品組付作業が終了すると同時に、そのラインサイド5aには、被牽引台車72(721)上に積載した全ての部品が使い切られて0個になることにより、被牽引台車72(721)及び個装容器8も空の状態になるため、被牽引台車72(721)及び個装容器8をラインサイド5aから撤去して簡素化することが可能となる。
また、ロット♯4の組付作業終了時には、部品の残が0個となることにより、後記するロット♯5の組み付けを行う際に、ロット♯1〜♯4で使用した異種の部品が一つも残っていないため、誤組み付けを防止することができる。
なお、実施形態では、ロット♯1〜♯4の部品を1台の被牽引台車72(721)に積載してラインサイド5aに供給する場合を説明したが、例えば、ロット♯1〜♯4の部品を1台の被牽引台車72に積載できない大型の部品を供給する場合、複数の被牽引台車72に分けて積載して一度または複数回に分けて(採択最小連続ロット数を)供給してもよい。例えば、ロット♯1〜♯4の大型部品を4台の被牽引台車72(721)に分けて積載してラインサイド5aに供給してもよい。
ロット♯5では、部番「55555−SDA」及び「12345−SDA」が1ロットにそれぞれ30個の部品が搬出されるので、『同一台車に混載される部品は、カバーするロット数(連続ロット数)が同じであること。』の条件により、カバー範囲の狭い(最小連続ロット数)部番「55555−SDA」に合わせて、供給数を1ロット30個ずつ個装容器8に入れて、1台の被牽引台車72に積載する。
被牽引台車72(722)上の部番「55555−SDA」及び「12345−SDA」の各30個の部品は、ロット♯4の部品組付作業が終了すると、同時にそれらの部品も残0個になって使い切られ、個装容器8が空の状態になる。被牽引台車72(722)には、全ロットで使用される「12345−SDA」の部品でも、部番「55555−SDA」の部品と同じカバー範囲(連続ロット数)の供給数のみを積載し、それ以上の部品を積載しない。よって、部品の誤組み付けを防止できる。
ロット♯6〜♯8では、同じ生産タイプで同じ部番の2部品が3ロット連続するので、30個ずつ3ロット分の合計90個の2部品をそれぞれ個装容器8に入れて1台の被牽引台車72に積載する。
ロット♯9では、部番「55555−SNE」、「33333−SNA」、「12345−SDA」中のカバー範囲の狭い(最小連続ロット数)部番「33333−SNA」に合わせて、供給数を1ロット30個ずつ個装容器8に入れて、1台の被牽引台車72に積載する。
ロット♯10〜♯12は、前記ロット♯6〜♯8と同一であるため、説明を省略する。
ロット♯13は、部番「55555−SNE」の部品15個と、部番「55555−SDA」の部品15個とが混在し、1ロットの生産台数が15台のオプションであるスモール・ロットである。この場合、『スモール・ロットは単独搬出とし、他のロットと混載しないこと』の条件により、部番「55555−SNE」の部品15個と部番「55555−SDA」の部品15個とを混載する詰替作業を行なってから、1ロット単独で1台の被牽引台車72に積載して搬出する。
ここでスモール・ロットとは、1ロット30台を原則として同一機種タイプのものが生産されるが、稀に少量しか生産されない機種タイプを複数集めて30台にまとめたロットをいう。
ロット♯14〜♯16では、部番「55555−SDA」及び「12345−SDA」のそれぞれが3ロット連続するので、30個ずつ3ロット分の各90個の2部品をそれぞれ個装容器8に入れて1台の被牽引台車72に積載する。
このように、本発明は、組立ライン6で部品を組み付ける際に、常に使い切る単位で部品を被牽引台車72に積載してラインサイド5aに供給することにより、各被牽引台車72(721〜727)に積載した部品が連続して使用されて、個装容器8が同時に空の状態になるように供給することができる。このため、ラインサイド5aに部品を積載した被牽引台車72が同時に多数混在するのを抑制して簡素化を図ることができる。
≪部品の出荷をサプライヤの個装入数で行う比較例≫
次に、比較例を示す図7を参照しながら、部品の出荷をサプライヤ2の個装入数(120個)を基準として行う比較例を説明した上で、本発明が優れている点を説明する。比較例では、個装容器8内の部品の詰め替えを行わないため、常に部品の個装入数が120個単位となる。
ロット♯1〜♯4では、図6の実施形態と同様に、部番「55555−SNE」及び「12345−SDA」が、1台の被牽引台車72に積載される個装容器8の許容範囲である30個ずつ4ロット分の120個の部品が部番ごとに2個の個装容器8に入れられて1台の被牽引台車72に積載されて搬出される。ロット♯1〜♯4では、ロット♯4の部品組付作業が終了すると、被牽引台車72(721)上の部品を使い切るので、問題が無い。
ロット♯5では、生産台数30台に対して、部番「55555−SDA」及び「12345−SDA」の部品が1ロットに120個ずつ個装容器8に入れて、1台の被牽引台車72に積載して搬出される。このロット♯5の部品組付作業終了時には、それぞれの部品が30個ずつしか使用されていないので、二つの部番の部品がそれぞれ90個ずつ残り、ラインサイド5aの在庫となる。
ロット♯6〜♯8では、部番「55555−SNE」の部品90個と、部番「12345−SDA」の部品90個との2部品が連続して使用される。部番「12345−SDA」の部品は、ラインサイド5aに前記ロット♯5の在庫が90個あるので、それを使用する。このため、被牽引台車72(723)は、ロット♯6〜♯8の組み付けで、部番「55555−SNE」の部品が3ロット分の合計90個必要であるので、その部番のサプライヤ2の個装入数の120個を個装容器8に入れて積載して搬出する。
ロット♯8の部品組付作業終了時には、ロット♯5のときの被牽引台車72(722)上の部番「55555−SDA」の在庫部品90個と、今回の被牽引台車72(723)上の部番「55555−SNE」の在庫部品30個と、がラインサイド5aの在庫となる。
このように、比較例では、サプライヤ2の個装入数の120個単位で搬出しているので、ラインサイド5aの在庫が切れた部品のみが供給対象となるので、供給タイミングがまちまちとなる。これをカバーするカバー・ロット・レンジ(連続ロット数)が異なるため、作業者は、複数の台車70から必要な部品を判断して取る必要がある。
ロット♯9では、1ロットで区切られ、1ロット分の30個の部番「55555−SNE」、「33333−SNA」、「12345−SDA」の部品が使用される。部番「55555−SNE」の部品は、ラインサイド5aに前記ロット♯8の在庫が30個あるので、それを使用する。部番「55555−SDA」の部品は、ラインサイド5aに前記ロット♯5の在庫が90個あるが、今回のロット♯9で使用しないため、引き続きラインサイド5aの在庫となる。
このため、ロット♯9の組み付けでは、部番「33333−SNA」及び「12345−SDA」の部品がそれぞれ1ロット分の30個ずつ必要であるので、その部番のサプライヤ2の個装入数の120個を個装容器8にそれぞれ入れて1台の被牽引台車72(7224)に積載して搬出する。
このロット♯9の部品組付作業終了時には、ロット♯5のときの被牽引台車72(722)上の部番「55555−SDA」の在庫部品の90個と、今回の被牽引台車72(724)上の部番「33333−SNA」及び部番「12345−SDA」のそれぞれ在庫部品の90個ずつが、ラインサイド5aの在庫となる。
ロット♯10〜♯12は、前記ロット♯6〜♯8と同一同数の部番「55555−SNE」及び「12345−SDA」の部品を90個ずつ必要であるが、ラインサイド5aの各部品の在庫が相違する。つまり、ロット♯10〜♯12の部品組付時に使用する部品を積載する被牽引台車72(725)には、部番「55555−SNE」の部品が3ロット分の合計90個必要であるので、その部番のサプライヤ2の個装入数120個を個装容器8に入れて1台の被牽引台車72(725)に積載して供給される。
このロット♯12の部品組付作業終了時には、今回の被牽引台車72(725)上の部番「55555−SNE」の在庫部品30個と、ロット♯5のときの被牽引台車72(722)上の部番「55555−SDA」の在庫部品90個と、ロット♯9の部品組付作業終了時の被牽引台車72(724)上の部番「33333−SNA」の在庫部品90個と、がラインサイド5aの在庫となる。
ロット♯13では、部番「55555−SNE」の部品15個と、部番「55555−SDA」の部品15個と、部番「12345−SDA」の部品30個とが使用される。このロット♯13で使用される部品を被牽引台車72(726)でラインサイド5aに供給する際に、ラインサイド5aに前記在庫があるため、その差引き分の個数の部品が必要となる。このため、ロット♯13の部品組付時に使用する部品を積載する被牽引台車72(725)には、部番「12345−SDA」の部品が1ロット分の合計30個必要であるので、その部番のサプライヤ2の個装入数の120個を個装容器8に入れて1台の被牽引台車72(726)に積載して搬出される。
このロット♯13の部品組付作業終了時には、ロット♯5のときの被牽引台車72(722)上の部番「55555−SNE」の在庫部品15個と、ロット♯2のときの被牽引台車72(722)上の部番「55555−SDA」の在庫部品75個と、ロット♯4の被牽引台車72(724)上の部番「33333−SNA」の在庫部品90個と、ロット♯6の被牽引台車72(726)上の部番「12345−SDA」の在庫部品90個と、がラインサイド5aの在庫となり、4台の被牽引台車72(722,724,725,726)がラインサイド5aの同じ供給場所に混在する。
このため、ラインサイド5aの同じ供給場所には、4種類の部品が在庫として混在するので、誤組み付けする可能性がある。また、その供給場所は、4台の被牽引台車72(722,724,725,726)が混在するため、ラインサイド5aの空きスペースが狭くなる。
ロット♯14〜♯16では、部番「55555−SDA」の部品90個と、部番「12345−SDA」の部品90個と、が使用される。このロット♯14〜♯16で使用される部品を被牽引台車72(727)でラインサイド5aに供給する際に、ラインサイド5aの在庫を差し引いた分の個数の部品が必要となる。
このため、ロット♯14〜♯16の部品組付時に使用する部品を積載する被牽引台車72(727)には、部番「55555−SDA」の部品が3ロット分で15個不足するので、その部番のサプライヤ2の個装入数の120個を個装容器8に入れて1台の被牽引台車72(727)に積載して搬出される。
ロット♯16の部品組付作業終了時には、ロット♯5のときの被牽引台車72(722)の部番「55555−SNE」の在庫部品15個と、ロット♯7のときの被牽引台車72(727)の部番「55555−SDA」の在庫部品105個と、ロット♯4の被牽引台車72(724)の部番「33333−SNA」の在庫部品90個と、がラインサイド5aの在庫となり、4台の被牽引台車72(724,725,726,727)がラインサイド5aの同じ供給場所に部品を積載した状態で残存するため、ラインサイド5aが混雑する。
このように、比較例では、サプライヤ2からの個装容器8をそのまま使用して部品の詰替作業を行わない分、詰替作業を解消できるものの、ラインサイド5aの供給場所に類似する複数種の部品が存在するため、誤組み付けする可能性がある。さらに、その供給場所には、多数の被牽引台車72が混在するため、組付作業や他のトレインの供給時の邪魔になるという問題点がある。
<比較例に対する本発明のデマンド・リバックの作用効果>
この比較例に対して、本発明は、図6に示すように、可能な限り出荷をまとめることによって、詰替作業の作業工数を削減することができる。また、余剰在庫部品を載せた台車70を無くすことができるので、ラインサイド5aの空きスペースを広げてスッキリさせることができる。さらに、組立ライン6で各部品が使い切るタイミングで被牽引台車72上も空の状態になるので、スムーズな空台車の回収と、必要な部品の供給とをタイミングよく行い、ラインサイド5aが混雑しないように台車70の搬入及び搬出を行うことができる。これにより、ラインサイド5aのスペースがスッキリ化することで、生産性、作業性の向上と、台車入替えのため作業要員の削減を図ることができる。
≪トレインの連結判断について≫
図9を参照して台車70を連結してトレインを組む場合の連結判断について説明する。
図9において、「台車♯」の1〜7は、それぞれの被牽引台車72である。
「係数」の「個別」は、基準となる被牽引台車72の全長の係数を1.0とした場合における各被牽引台車72の全長の台車係数(供給手段係数)である。被牽引台車72は、「個別」の数字1.0〜1.5で示すように、種々のタイプと長さのものがある。
「係数」の「累計」は、トレインを組むために被牽引台車72を連結した「個別」の数値の累計である。連結可能係数(最大連結係数)は、一度に被牽引台車72を牽引できる1トレインの許容限度長さであり、例えば、6.0台である。この場合、連結する各被牽引台車72の「個別」の数値をそれぞれ加算して、「累計」が6.0以内になることがトレインの連結条件になる。なお、連結可能係数(最大連結係数)は、トレインが走行するアイル5bの幅及びカーブの大きさから算出した最大長さ(最大連結台数)であり、走行する場所によって変わる。
「ゾーン」の♯Aは、被牽引台車72に積載した部品を供給する部品供給先(デリバリー・ゾーン)であり、連結したトレインの被牽引台車72は常に同じゾーンに供給する部品を積載した台車70から構成されている。
「ロケーション」の001〜034は、工場5内の部品供給場所(ライン在庫区域)であり、部品の供給先(アドレス)を示す。
「順序」の1〜7は、ロケーションに割当てられたデリバリーの優先順位を示し、部品管理拠点4からの距離が近いほど優先順位が高くなっている。
数量の30〜120は、部品を供給する数量である。
「時間」の14:20,14:27,14:28,14:32,14:33,14:34,14:36は、部品を供給する供給時間を示す。「時間」の14:35,14:42,14:43,14:47,14:48,14:49,14:51は、最大許容供給時間であり、供給時間に遅延可能時間を加算した時間である。なお、遅延可能時間とは、ラインサイド5aの在庫の消費進度との兼ね合いで各ゾーン♯A〜♯Cごとに任意に設定された時間(15分)である。つまり、表に示す供給時間から最大許容供給時間の間に部品をロケーションに供給すればよい。
図9に示すように、一つのトレインを組む場合は、同じ行き先のゾーン♯A〜♯C向けの被牽引台車72を、スケジュール日時の早いものから順に、先頭の台車70(被牽引台車72)の遅延可能時間帯及び最大連結係数の範囲内においてグループ化してトレイン組みを行う。
トレインは、先頭の被牽引台車72の遅延可能時間の範囲内に収めることによりライン在庫を切らさず、かつ、最後尾の被牽引台車72のスケジュール日時を代表スケジュールとすることで、ラインサイド5aの在庫が残り僅かになる最適なタイミングでのトレイン組みを行う。
トレインは、『同一トレインに連結される台車70のスケジュール日時は、最も早いスケジュール日時を持つ台車70の遅延可能時間帯の範囲内に納まっていること』のダイナミック・トレイン・ビルドの条件により、最大許容供給時間の14:35よりも前にスケジュールされた台車70(被牽引台車72)がトレイン組みの対象となる。
トレインは、『台車70の連結長は、トレインの運行可能な最大長の範囲内に納まっていること。』のダイナミック・トレイン・ビルドの条件により、台車70の連結係数の累計が6.0以下である台車数のトレイン組みが可能である。
これらの条件より、台車♯1を基点として構成されるトレインは、台車♯5までの5台の被牽引台車72となり(連結可能係数により判断)、『トレインの代表スケジュール日時は、同一トレインに連結される台車70のスケジュール日時のうち、最も遅いスケジュール日時を採用すること』のダイナミック・トレイン・ビルドの条件により、トレインの代表スケジュールは台車♯5の14:33となる。
本発明は、このようにすることによって、1トレインに連結した各被牽引台車72を台車70が混雑しないタイムリーな時間に搬送して、必要な数の部品を必要となる時間の所望時間前までに供給することができる。
≪作業未着手の台車の再トレイン組みについて≫
図10を参照して作業未着手(実績データ無し)の台車70の再トレイン組みについて説明する。図10において、縦の「♯100〜♯124」は組立ライン6の上を流れる製品のロット番号である。ロット「8〜1」は、組立ライン6における同一条件で製造される自動車の集まりであり、通常時間帯に組立ライン6上に8ロット存在していることを示す。図10の横の6:28〜20:20は、時間を示す。ロット番号♯104〜♯113のEと、ロット番号♯114〜♯123のE’は、1回分の計算対象範囲のロットを示す。
前回の計算対象範囲(E)のうち、♯107以降の後半部分(F)については、計算対象範囲のロットだけではライン全体を充足しなくなるため、同タイミングで供給する部品の数及び部品を積載する被牽引台車72の組合せ数が減少し、連結効率の悪いトレインが作成される。
今回の計算対象範囲(E’)のうち、♯120以前の前半部分(G)についても、計算対象範囲のロットだけではライン全体を充足しないため、同タイミングで供給する部品の数及び部品を積載する被牽引台車72の組合せ数が減少し、連結効率の悪いトレインが作成される。
これら連結効率の悪くなっている部分(F,G)に存在する被牽引台車72同士を同一の計算対象範囲とし、計算対象範囲のロットがライン全体を充足する通常の計算条件にて計算処理を行うことで、連結効率の悪くなっていた部分(H)の供給指示内容を改善することを、トレイン再編処理と呼ぶ。
本来、計算対象範囲の異なるデータ同士を、同一の計算対象範囲として計算処理するためには、組み合わせる相方のデータ内容は既に確定している必要がある。
よって、常に前回の計算対象範囲の後半部分と、今回の計算対象範囲の前半部分とを再編処理の対象として計算するロジックとなっている。
10ロット単位(「114」〜「123」)で計算する場合、「119」ロット目以前(図10中のGの部分)の計算結果は、8ロット未満の台車70でのトレイン組みとなるため、連結効率が悪くなる。
この場合、前回の指示トレインのうち、作業未着手分を取り崩し、トレイン組みの対象として再取り込みすることにより、常に組立ライン6上にある8ロット分の自動車に対する部品を供給する台車70を対象にトレイン組みができるため、トレインの連結効率を向上させることができる。
≪供給計画作成システムの構成≫
図8に示すように、供給計画作成システム1は、複数の部品を組み付けて機種の異なる自動車(製品)をそれぞれ所定のロット単位で連続して生産する組立ライン6おけるラインサイド5aまで部品を供給するための供給作業計画を作成するシステムである。供給計画作成システム1は、それぞれ後記する部品供給作業計画作成装置10と、入力装置18、出力装置19と、CPU(図示省略)と、記憶装置(図示省略)と、を主に備えている。
≪部品供給作業計画作成装置の構成≫
部品供給作業計画作成装置10は、図1あるいは図8に示すように、工場5の組立ライン6で組み付ける部品の生産計画情報112等に基づいて、その部品を組立ライン6のライン在庫区域070〜183(図5参照)に供給する被牽引台車72(供給手段7)による部品供給作業計画を作成する装置であり、例えば、パソコン等の端末装置からなる。部品供給作業計画作成装置10は、機能的に分けると、デマンド・リパックの機能を果たすデマンド・リパック部10Aと、ダイナミック・トレイン・ビルドの機能を果たすダイナミック・トレイン・ビルド部10Bと、台車70のトレイン再編の機能を果たすトレイン再編設定部10Cと、から主に構成されている。部品供給作業計画作成装置10は、組立ライン6と同期をとり、部品を組立ライン6に届ける仕分作業時間を計算して、部品の供給効率を落さず、組立ライン6の余剰在庫を抑制しラインサイド5aを簡素化して生産性及び作業性を向上させることができる。
この部品供給作業計画作成装置10のデマンド・リパック部10Aは、それぞれ後記する製品組立情報格納部11と、供給手段情報格納部12と、供給計画作成部14と、を有している。ダイナミック・トレイン・ビルド部10Bは、それぞれ後記する計算コントロール情報格納部15と、供給スケジュール設定部16と、を有している。トレイン再編設定部10Cは、後記する再計算対象設定部17を備えている。
前記供給手段7(図4参照)は、部品を積載してこの部品のライン在庫区域070〜183(図5参照)に供給する装置であり、例えば、前記台車70の被牽引台車72である。
搬送手段は、この供給手段7の被牽引台車72を部品供給するライン在庫区域070〜183まで搬送する装置であり、例えば、牽引台車71である。
<製品組立情報格納部の構成>
図8に示すように、製品組立情報格納部11は、部品を識別管理する部品識別情報111と、組立ライン6上を流れる各製品のロットサイズ、各製品の生産順、及び、ロット数を生産時刻と共に計画した生産計画情報112と、実際に組立ライン6を流れた自動車(製品)の生産量を生産時刻と共に把握した生産進度情報113と、後記する工程情報114と、後記する部品構成情報115と、後記するライン在庫区域情報116と、が記憶されたデータベースである。
前記部品識別情報111は、個装された供給する部品の名称、部番、数量等の情報であり、バーコード管理されている。バーコードを通して包装部品の包装明細書の内容を把握できるようになっている。
生産計画情報112は、組立ライン6で生産される自動車の生産タイプ、生産台数、生産日時等の自動車の生産情報である。
生産進度情報113は、組立ライン6における部品の車体への組付の進捗情報やラインコントロール(GALC(Global Assembly Line Control))情報が随時、製品組立情報格納部11に送信されて来て記憶される。このため、生産進度情報113によって、生産の進捗状態や現在の生産情報が判るようになっている。
工程情報114は、組立ライン6の各ライン在庫区域070〜183(図5参照)で行われる作業工程の情報である。
部品構成情報115は、自動車に組み付けられる部品の情報であり、部品の構成や部品を組み付ける際の部品の一覧情報(BOM(Bills of Materials))、及び、部品表を含むテータベースであって、部品がどのアドレスに供給されるかが記憶されている。
ライン在庫区域情報116は、組立ライン6の各ライン在庫区域070〜183(図5参照)の情報であり、ゾーンマスター117と、ロケーションマスター118とからなる。
ゾーンマスター117は、部品供給先のゾーン♯A〜♯C(図5参照)が属しているラインのゾーン♯A〜♯Cの位置情報や、部品管理拠点4から部品供給先のゾーン♯A〜♯Cまでトレイン(供給手段7)を運搬する際にかかる所用時間(ゾーン♯A〜♯Cへのアクセスタイム)や、当該ゾーン♯A〜♯Cに供給するトレインに対する最大遅延可能時間等が記憶されている。
ロケーションマスター118は、部品供給先のロケーション(ライン在庫区域070〜183)が属しているライン、ゾーン♯A〜♯C、通路等のロケーションの位置情報や、部品管理拠点4から部品供給先のロケーションまでの距離に応じて割り振られるデリバリー順序番号や、製造する車体が組立ライン6にラインオンしてから、部品供給先のロケーションに到達するまでの車体の積算台数(ボディNO)が記憶されている。
なお、デリバリー順序番号は、この番号の大小により、被牽引台車72をトレインに連結する際の連結順序(遠く→近く)が決定される。また、前記車体数は、組立ライン6へのラインオン日時を起点とした供給指示時刻の算出に用いられる。
<供給手段情報格納部の構成>
図8に示すように、供給手段情報格納部12は、台車70の被牽引台車72に積載する積載部品の類別を把握する供給手段識別情報121と、積載部品の積載許容数を把握する積載許容数情報122と、が記憶されたデータベースである。
供給手段識別情報121は、どの部品をどの被牽引台車72に何個積載するかという積載する部品の情報と、各台車70の識別情報と、各種の台車70の型式情報と、台車70による部品供給の一運行の単位に、台車70を連結したトレインの状態の連結係数と、を含むカートマスター情報である。前記連結係数とは、連結されたトレインの全長を判断するために、標準の被牽引台車72の1台の長さを基準として定義し、各台車70の長さに応じて設定した係数である。
積載許容数情報122は、それぞれの型の被牽引台車72における積載可能な各個装容器8の最大数、または、積載可能な各部品の最大数等の積載許容数である。
<供給計画作成部の構成>
供給計画作成部14は、被牽引台車72(供給手段7)に積載してラインサイド5aに供給する部品を特定してこの部品の数量及び供給時刻を策定する装置であり、供給部品数算出手段144により求めた複数種類の使用部品の使用数量を被牽引台車72(供給手段7)に積載して連結するトレインの編成を算出して、ライン在庫区域070〜183(図5参照)に部品を供給する供給計画を作成する。この供給計画作成部14には、それぞれ後記するロット使用数算出手段141と、連続ロット数算出手段142と、最小連続ロット数算出手段143と、供給部品数算出手段144と、供給指示時刻算出手段145と、供給許容時刻算出手段146と、供給手段グループ選定部147と、搬送準備着手データ格納手段148と、再編基準時刻設定手段149と、計算コントロール情報格納部15と、供給スケジュール設定部16と、に電気的に接続されている。
また、供給計画作成部14は、時間、日、その他の所定の期間をもって範囲を区画した計画対象範囲ごとに供給計画を作成し、計画対象範囲内の供給指示時刻を有する被牽引台車72(供給手段7)を供給計画作成対象供給手段として選定する。また、供給計画作成部14は、供給計画作成対象供給手段に加えて、この供給計画作成対象供給手段が属する計画対象範囲よりも前であり、かつ、再編基準時刻よりも後の供給指示時刻を有する被牽引台車72(供給手段7)を組み込んで、供給計画を作成する。
ロット使用数算出手段141は、生産計画情報112及び部品構成情報115に基づいて、被牽引台車72(供給手段7)に積載して所定のライン在庫区域070〜183(図5参照)に収容する使用部品を特定し、ロットごとに使用する部品の必要数をロット単位で求める算出装置である。
連続ロット数算出手段142は、複数種類の使用部品がそれぞれ連続して使用されるロット数を求める算出装置である。
最小連続ロット数算出手段143は、連続ロット数算出手段142により求めた複数種類の使用部品の各連続ロット数のうち、供給手段7に積載してライン在庫区域070〜183の中の一のライン在庫区域070〜183に供給する部品の組み合わせの中で、最小の連続ロット数を求める算出手段である。この最小連続ロット数算出手段143で算出した連続ロット数が、トレインを構成する一台の被牽引台車72に割り当てられた積載量となる。
供給部品数算出手段144は、前記の最小ロット数以下の連続ロット数を採択して、この採択した連続ロット数を賄う複数種類の使用部品の使用数を求める算出装置である。
供給指示時刻算出手段145は、部品を供給する供給場所(ライン在庫区域070〜183)が、どの部品を何個、何時までに必要かを求めて台車70(供給手段7)の供給指示時刻を算出する算出装置である。
供給許容時刻算出手段146は、前記供給指示時刻算出手段145で算出した部品の必要な供給指示時刻に対して、余裕時間である遅延可能な最大遅延時間(例えば、15分)を加算して供給許容時刻を算出する算出装置である。
供給手段グループ選定部147は、一つのトレインに連結してまとめる被牽引台車72を算出して選定する装置である。この供給手段グループ選定部147は、同じゾーン♯A〜♯C(図5参照)内にあるライン在庫区域070〜183(図5参照)に供給する被牽引台車72(供給手段7)における各供給指示時刻早い順に並べて、最も遅い供給指示時刻の被牽引台車72が最も早い供給許容時刻を有する被牽引台車72供給許容時刻より後にならぬように、かつ、全体の連結長さが許容連結長さ以内になるように台車70(供給手段7)の組み合わせを選定している。
搬送準備着手データ格納手段148は、供給計画に基づいて搬送準備に着手した搬送準備着手の被牽引台車72(供給手段7)を特定する搬送準備着手データが記憶されている。この搬送準備着手データ格納手段148は、供給計画作成部14に接続されている。
再編基準時刻設定手段149は、トレインを再編成する時刻を設定する算出装置である。この再編基準時刻設定手段149は、搬送準備着手データ格納手段148を参照して、最新の搬送準備着手データ格納手段148に対する供給指示時刻を把握し、この供給指示時刻に猶予時間を加算して再編基準時刻を設定する。
<計算コントロール情報格納部の構成>
図8に示すように、計算コントロール情報格納部15は、計算コントロール情報151を記憶したデータベースである。
計算コントロール情報151は、トレインの長さ、台車70の最大連結係数、再編のバッファ等のトレイン情報等である。
<供給スケジュール設定部の構成>
供給スケジュール設定部16は、ダイナミック・トレイン・ビルドのトレインの搬送スケジュールを設定する算出装置であり、供給スケジュール決定手段161を備えている。この供給スケジュール設定部16は、複数連結された台車70(供給手段7)のうち、最も遅い供給指示時刻の台車70(供給手段7)に対する供給指示時刻を供給代表時刻として設定する。
供給スケジュール決定手段161は、トレインを構成する各被牽引台車72がそれぞれのライン在庫区域070〜183(図5参照)に供給する供給時刻を決定する算出装置である。
≪再計算対象設定部の構成≫
再計算対象設定部17は、対象となる被牽引台車72の順番やトレインの再編を設定する装置である。再計算対象設定部17は、再計算すべき対象物を抽出する再計算対象抽出手段171を備えている。
≪入力装置の構成≫
入力装置18は、入力操作により生成される情報を部品供給作業計画作成装置10に入力する装置であり、例えば、キーボード、マウスキー、バーコードリーダ、部品伝票等の画像の読み取る読取キー、データの送信を指示するための送信キー等の指示キー等を備えている。入力装置18は、トレーラヤード3、部品管理拠点4の各エリヤ、工場5内のラインサイド5aにそれぞれ配置されてオンライン化されている。入力装置18によって入力されたそれぞれのデータは、部品供給作業計画作成装置10で記憶されて更新される。
≪出力装置の構成≫
出力装置19は、部品供給作業計画作成装置10から出力される部品の供給計画書や各種情報を認識可能に出力する装置であり、その情報を画面に表示するディスプレイ、及び、その情報を印字するプリンタである。出力装置19は、トレーラヤード3、部品管理拠点4の各エリヤ、工場5内のラインサイド5aにそれぞれ配置されてオンライン化されている。
[動作]
次に、図1、図11〜図13を主に各図を参照しながら本発明に係る供給計画作成システム1の動作を説明する。
<デマンド・リパックの処理>
始めに、図1、図8及び図11を参照してデマンド・リパックの処理に付いて説明する。
まず、作業者は、計画対象範囲内の任意のロット数範囲を決めて、その任意のロット数を入力装置18を操作して入力する。部品供給作業計画作成装置10は、供給手段情報格納部12に記録されている供給手段識別情報121により、台車70(供給手段7)の情報を取得する(ステップS1)。次に、供給手段情報格納部12の積載許容数情報122より、各被牽引台車72(供給手段7)の最大積載数を取得する(ステップS2)。
続いて、部品供給作業計画作成装置10は、供給計画作成部14のロット使用数算出手段141に記憶された生産計画情報112より、翌ロットの生産機種、ロット台数を取得する。さらに、部品供給作業計画作成装置10は、製品組立情報格納部11の部品構成情報115より、翌ロットの生産機種に使用する部品及び部品数を取得する(ステップS3)。
次に、部品供給作業計画作成装置10は、供給計画作成部14の連続ロット数算出手段142により、翌ロットで使用する部品が前ロットの部品と同一で、かつ、累計した部品数が被牽引台車72(供給手段7)の最大積載数を超えない範囲で、部品数及びロット数を累計させて、計算用データに書き出させる(ステップS4)。
次に、部品供給作業計画作成装置10は、供給計画作成部14の最小連続ロット数算出手段143により、計算用データを「供給手段/ロット台数」順にソートして読み込ませ、同一の被牽引台車72(供給手段7)において、カバーするロット台数が最小となる部品のロット台数を、積載台数として確定させる(ステップS5)。
続いて、供給部品数算出手段144により、同一の被牽引台車72(供給手段7)に積載する部品において、ロット台数が積載台数を超えた場合、その超えた分のロット台数及び部品数を減算させて、部品の供給数を確定させる。この場合、一台の被牽引台車72に積載可能な部品のロット台数分に統一し、ライン在庫区域070〜183の部品を消費するタイミングを一致させる。つまり、各被牽引台車72に積載した部品は、各被牽引台車72ごとに使い切るタイミングが同じになっている(ステップS6)。
デマンド・リパックは、そのような供給作業計画を作成して部品を供給することにより、可能な限り部品の梱包荷姿をまとめることができるので、詰替工数を削減することができる。
また、使い切らずに余ってしまう余剰な部品を載せた台車70が無くなるので、複数の台車70から派生部品を選択して取ること、及び、頻繁な台車入替を解消でき、ラインサイド5aのスペースをスッキリさせて効率よく使用することができるため、生産性及び作業性を向上させることができる。
また、使い切りタイミングでのデリバリーに伴いスムーズに空の台車70を回収できることにより、台車70を効率のよい使用サイクルで使用することができる。
これに伴い、ラインサイド5aにおける部品を積載した台車70の台数、部品を入れた個装容器8の数及び部品数を削減できるので、部品の取り間違いによる誤組付けを防止して品質を向上させることができる。さらに、ラインサイド5aに配置される台車70を削減したことにより、台車70の入替作業を行う作業工数及び作業者要員数を最小必要数にすることができる。
<ダイナミック・トレイン・ビルドの処理>
次に、図1、図8及び図12を参照してダイナミック・トレイン・ビルドの処理を説明する。
まず、部品供給作業計画作成装置10は、製品組立情報格納部11の生産計画情報112及び生産進度情報113より、直近で組立ライン6にラインオンした製品(自動車)のラインオン日時、生産順位(供給順位)等の情報を取得する。次に、ラインオンの生産順位から積算する部品の生産順位までの「台数×ラインタクト」で求めた時間をラインオン時刻からアジャストして、供給指示時刻算出手段145及び供給許容時刻算出手段146から被牽引台車72(供給手段7)の供給指示時刻及び遅延可能時間範囲(供給日時+バッファ時間)を算出させて取得する(ステップS10)。
ここで、「バッファ時間」とは、遅れてもよい時間であって、ライン在庫区域070〜183(図5参照)の部品の消費進度に合わせ、ライン在庫区域070〜183のライン在庫を切らさないで供給できる範囲を決めるために設ける供給の猶予時間である。
次に、部品供給作業計画作成装置10は、計算コントロール情報格納部15の計算コントロール情報151より、台車70(供給手段7)の最大連結係数を取得する(ステップS11)。
次に、部品供給作業計画作成装置10は、計算用データをゾーン/供給指示時刻順にソートして、ゾーン♯A〜♯C(図5参照)ごとに部品を供給する供給指示時刻を時刻順に並べて取得する。続いて、供給手段情報格納部12の供給手段識別情報121より、被牽引台車72(供給手段7)の係数を取得し、同一ゾーン♯A〜♯C内で、供給指示時刻順に供給手段係数を累計する。さらに、累計した供給手段係数が、最大連結係数を超えない範囲、かつ、先頭の被牽引台車72(供給手段7)の持つ遅延可能時間範囲を超えない範囲で、同一の被牽引台車72(供給手段7)として連結する台車70(供給手段7)のトレインの組み合わせを確定する(ステップS12)。
このステップS12では、一度のトレインの搬送で運行可能なトレインの長さ、もしくは、供給時刻に遅れることなく部品の供給を完了できるタイミングで供給できる被牽引台車72(供給手段7)の連結の組み合わせを決める。
続いて、供給手段グループ選定部147により、計算用データを各ライン在庫区域070〜183(図5参照)に設定された搬送順位を降順にソートして読み、同一のトレインにおける被牽引台車72(供給手段7)の連結順を決定する(ステップS13)。
このステップS13では、配送とは逆順でトレインにおける被牽引台車72の連結の順序を割り振る。つまり、被牽引台車72の連結の順は、トレインから切り離す順で連結する指示が出される。このため、トレインを構成した台車70によって部品を供給する場合は、同一ゾーン♯A〜♯C(図5参照)内の近い順に配送される。牽引台車71は、その帰りに、空の個装容器8を積載した空の状態の被牽引台車72を回収しながら部品管理拠点4に戻る。
次に、供給スケジュール決定手段161により、計算用データを供給指示時刻の降順にソートして読み、被牽引台車72(供給手段7)の供給指示日時を決定する(ステップS14)。このステップS14では、同一のトレインに属する被牽引台車72の中で、最も遅いディスパッチ日時を、被牽引台車72のディスパッチ日時として採用する。つまり、ライン在庫区域070〜183(図5参照)の部品消費に対して、被牽引台車72の部品供給が早まらないようにしている。
ダイナミック・トレイン・ビルドは、そのような供給作業計画を作成して被牽引台車72(供給手段7)によって部品を供給することにより、連結可能な台車70の対象数を最大化した上で集約することができるため、デリバリーの回数を削減することができる。
<トレイン再編成の処理>
次に、図8及び図13を参照しながらトレインの再編の処理を説明する。
まず、図8に示す部品供給作業計画作成装置10は、計算コントロール情報格納部15に記憶された計算コントロール情報151より、バッファ時間を取得する(ステップS20)。ここで、バッファ時間とは、リアルタイムで更新される実績データに連動した部品供給計画をキャンセルする際に、直近の計画を無効にして、実作業を止めたり、やり直させたりするのを防ぐために設ける再計算用の猶予時間をいう。
続いて、部品供給作業計画作成装置10は、供給計画作成部14から実績が存在する部品供給計画の最後尾のデータを読み、最新の作業済み供給指示時刻を取得する。さらに、再計算対象抽出手段171から最新の作業済み供給指示時刻にバッファ時間を加算し、トレイン再編の基準日時を決定する(ステップS21)。
トレイン再編の基準日時以降の供給指示時刻を持つ部品供給計画を読み、トレイン再編分として確定する前の計算用データに追加して更新する(ステップS22)。トレイン再編の対象となった旧・部品供給計画データは、削除して、計算用データから新たな部品供給計画データを再作成する(ステップS23)。
このように部品供給作業計画を作成し、トレインを再編して部品を供給することにより、連結可能な台車70の対象数を最大化した上で集約することができるため、デリバリーの回数を削減することができる。
[変形例]
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
前記実施形態では、供給手段7の一例として、台車70(牽引台車71、被牽引台車72)を例に挙げて説明したが、供給手段7は、部品を収納した個装容器8を一度に多数運ぶことができる機能備えたものであればよく、例えば、ベルトコンベアであっても構わない。
また、前記実施形態では、供給部品数算出手段144で、最小ロット数以下の連続ロット数を採択して、その採択した連続ロット数を賄う複数種類の使用部品の使用数を求めることを説明したが、これに限定されるものではない。ラインサイド5aに供給するロット数は、例えば、最小ロット数以下の連続ロット数以下のやり方や、部品の形状、大きさ、トレインが走行する経路の大きさ等から予めロット数の上限を決めから行うやり方等であってもよい。
次に、前記供給部品数の上限判断について説明する。
同一部品を連続して使用する場合には、連続するロット数から供給部品数を算出するが、その上限範囲は、マスターデータの設定内容により決定される。
マスターデータの設定内容には、1容器あたりの部品収容数、1被牽引台車72あたりの容器積載数(=部品の積載許容数)、ラインサイド5aの中の一のライン在庫区域070〜183に供給できる被牽引台車72の台数(カート数)がある。
1容器あたりの部品収容数は、部品の大きさ、重さ、形状などの条件によって、当該容器に収容可能な部品数により決定される。
1被牽引台車72あたりの容器積載数(=部品の積載許容数)は、容器の大きさ、重さ、形状などの条件によって、当該被牽引台車72に積載可能な部品数により決定される。
ラインサイド5aの中の一のライン在庫区域070〜183に供給できるカート数とは、未使用の部品入り被牽引台車72としてラインサイド5aのライン在庫区域070〜183に同時に置くことができるカート数であり、ラインサイド5aのライン在庫区域070〜183のスペースや部品の使用状況などの条件により決定される。
なお、供給部品数の上限A、1容器あたりの部品収容数をP、1カート(被牽引台車72)あたりの容器積載数をN、ラインサイド5aの中の一のライン在庫区域070〜183に供給できるカート数をCとすると、供給部品数の上限Aは、次の計算式
A=P×N×C
で算出される。
1 供給計画作成システム
5 工場
5a ラインサイド
6 組立ライン
7,72 供給手段
11 製品組立情報格納部
12 供給手段情報格納部
14 供給計画作成部
16 供給スケジュール設定部
070〜183 ライン在庫区域
71 搬送手段
111 部品識別情報
112 生産計画情報
113 生産進度情報
121 供給手段識別情報
122 積載許容数情報
141 ロット使用数算出手段
142 連続ロット数算出手段
143 最小連続ロット数算出手段
144 供給部品数算出手段
145 供給指示時刻算出手段
146 供給許容時刻算出手段
147 供給手段グループ選定部
148 搬送準備着手データ格納手段
149 再編基準時刻設定手段
A♯〜C♯ ゾーン

Claims (5)

  1. 複数の部品を組み付けて機種の異なる製品をそれぞれ所定のロット単位で連続して生産する組立ラインにおけるラインサイドまで前記部品を供給する供給計画作成システムであって、
    前記ラインサイドに設けられ、前記組立ラインの各工程で組み付ける部品をそれぞれ区分けされた所定の場所に収容するライン在庫区域と、
    前記部品を積載して当該部品のライン在庫区域に収容する供給手段と、
    この供給手段を前記ライン在庫区域まで搬送する搬送手段と、
    前記製品に組み付けられる部品の一覧情報である部品構成情報と、前記組立ライン上を流れる各製品のロットサイズ、前記各製品の生産順、及びロット数を生産時刻と共に計画した生産計画情報と、を格納する製品組立情報格納部と、
    積載部品の類別を把握する供給手段識別情報と、積載部品の積載許容数を把握する積載許容数情報と、を格納する供給手段情報格納部と、
    前記供給手段に積載する部品を特定して当該部品の数量及び供給時刻を策定する供給計画作成部と、を有し、
    前記供給計画作成部は、
    前記部品構成情報及び前記生産計画情報に基づいて、前記供給手段に積載して所定の前記ライン在庫区域に収容する使用部品を特定し、前記ロットごとに使用する当該使用部品の使用数を求めるロット使用数算出手段と、
    前記複数種類の使用部品がそれぞれ連続して使用される連続ロット数を求める連続ロット数算出手段と、
    この連続ロット数算出手段により求めた前記複数種類の使用部品の各連続ロット数のうち、前記供給手段に積載して一の前記ライン在庫区域に供給する部品の組み合わせの中で、最小の連続ロット数を求める最小連続ロット数算出手段と、
    この最小ロット数以下の連続ロット数を採択して、当該採択した連続ロット数を賄う前記複数種類の使用部品の使用数を求める供給部品数算出手段と、備え、
    この供給部品数算出手段により求めた前記複数種類の使用部品の使用数量を前記供給手段に積載して前記ライン在庫区域に供給する供給計画を作成することを特徴とする供給計画作成システム。
  2. 前記組立ラインは、複数のゾーンに区分けされ、
    前記製品組立情報格納部は、実際に当該組立ラインを流れた前記製品の生産量を生産時刻と共に把握した生産進度情報をさらに格納し、
    前記供給計画作成部は、
    前記供給手段の供給指示時刻を算出する供給指示時刻算出手段と、
    前記供給指示時刻に対する遅延可能時間を加算して供給許容時刻を算出する供給許容時刻算出手段と、
    同じゾーン内にある前記ライン在庫区域に供給する前記供給手段各供給指示時刻早い順に並べて、最も遅い供給指示時刻が、最も早い供給許容時刻を有する供給手段供給許容時刻より後にならぬように、かつ、全体の連結長さが許容連結長さ以内になるように前記供給手段の組み合わせを選定する供給手段グループ選定部と、を備え、
    前記搬送手段は、前記供給手段グループ選定部により選定された複数の供給手段を連結して前記ライン在庫区域に搬送することを特徴とする請求項1に記載の供給計画作成システム。
  3. 前記搬送手段は、
    前記供給手段グループ選定部により選定された複数の供給手段を直列して先頭から後尾まで連結し、予め定めた部品管理拠点から見て当該供給する前記ライン在庫区域の近い方から遠い方へという順序で供給するように、前記近い方の供給手段を後尾に連結し前記遠い方の供給手段を先頭にして連結することを特徴とする請求項2に記載の供給計画作成システム。
  4. 前記供給計画作成部は、
    前記複数連結された前記供給手段のうち、最も遅い供給指示時刻の供給手段に対する当該供給指示時刻を供給代表時刻として設定する供給スケジュール設定部を備えたことを特徴とする請求項3に記載の供給計画作成システム。
  5. 前記供給計画作成部は、時間、日、対象ロット範囲、その他の所定の範囲を区画した計画対象範囲ごとに前記供給計画を作成し、
    前記計画対象範囲内の供給指示時刻を有する前記搬送手段を供給計画作成対象搬送手段として選定し、
    前記供給計画に基づいて搬送準備に着手した搬送準備着手搬送手段を特定するデータを格納する搬送準備着手データ格納手段と、
    この搬送準備着手データ格納手段の搬送準備着手データを参照して、最新の前記搬送準備着手搬送手段に対する供給指示時刻を把握し、この供給指示時刻に猶予時間を加算して再編基準時刻を設定する再編基準時刻設定手段と、を備え、
    前記供給計画作成対象搬送手段に加えて、当該供給計画作成対象搬送手段が属する前記計画対象範囲よりも前であり、かつ、前記再編基準時刻よりも後の供給指示時刻を有する搬送手段を組み込んで、前記供給計画を作成することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の供給計画作成システム。
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