JP5314397B2 - インサート成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、部品のインサート成形工程において、インサートされる部品の加工も同時に行うことが可能となるインサート成形品の製造方法に関するものである。
樹脂部品を製造する際には、上型と下型を使用してキャビティを作成し、このキャビティに樹脂を流し込み固化させることにより製造する。
この際、樹脂部品にインサート取付部品が組み込まれる場合には、従来より行われているインサート成形により、成形型にインサート取付部品を投入し、その成形型のキャビティに樹脂を流し込むことにより成形を行っている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、二層成形品の製造方法が開示されている。
この特許文献1の技術においては、成形用の金型を構成する上型に取付部品(インサート取付部品)をセットし、上型を下降させて型締めをした後、キャビティに樹脂を充填して成形を行う。
このため、成形工程の工程数を少なくすることができ、製造時間が短縮されるとともに、製造コストを低減することができる。
特開2004−167720号公報
しかし、特許文献1に記載された成形品の製造方法によれば、型締めと同時に取付部品(インサート取付部品)が心材に位置決めされ、インサート成形により一体に同時形成される構成となっており、取付部品(インサート取付部品)の後組付けが不要となるが、単に、一般的に行われている所謂インサート成形の方法を示したに過ぎない。
つまり、特許文献1に記載された方法によれば、取付部品(インサート取付部品)を所定位置にセットするのみでよく、その他の加工を必要としないものには適用することが可能であるが、その他の加工(圧入加工、曲げ加工、切断加工、打ち抜き加工、かしめ加工等)が必要な場合には、有効に適用することができず、別途加工工程が必要となり、上記効果を有効に奏することができない。
本発明の目的は、上記各問題点を解決することにあり、インサート成形において、従来の成形機構を大きく変更することなく、インサートされる部品の加工(圧入加工、曲げ加工、切断加工、打ち抜き加工、かしめ加工等)を型締めと同時に行うことができ、成形工程の工程数を少なくし、製造時間を短縮するとともに、製造コストを低減することが可能なインサート成形品の製造方法を提供することにある。
上記課題は、本発明に係るインサート成形品の製造方法によれば、インサート成形品の製造方法であって、上型及び下型で構成された金型に対して、第1の組付部品と第2の組付部品で構成された被加工インサート部品をセットするにあたり、前記上型に前記第1の組付部品をセットするとともに、前記下型に前記第2の組付部品をセットする第1の工程と、前記上型と前記下型を型締めし、前記上型及び前記下型の型締めにより生じる物理的力を前記被加工インサート部品に加えて、前記被加工インサート部品の状態を変化させて、インサート取付部品とするにあたり、前記上型及び前記下型の型締めにより生じる物理的力により、前記第1の組付部品を前記第2の組付部品に圧入する第2の工程と、前記上型及び前記下型を型締めすることにより形成されるキャビティに溶融樹脂を充填し、前記インサート取付部品をモールド状態とし、前記インサート成形品を形成する第3の工程とを行うことにより解決される。
このように、本発明においては、インサート成形を行う際に、上型及び下型の型締めにより生じる物理的力を被加工インサート部品に加えて、被加工インサート部品の状態を変化させて、インサート取付部品とすることができる。
つまり、型締めと同時に、被加工インサート部品をインサート取付部品へと加工することができる。
一般的に、インサート成形を行う際に、上型若しくは下型にセットされるのは、インサート取付部品である。
つまり、それ自身に加工が必要ない状態まで、完全に加工処理を行った後に、上型若しくは下型にセットする必要がある。
しかし、本発明に係るインサート成形品の製造方法によれば、最終加工前の段階の被加工インサート部品を上型若しくは下型の少なくとも一方にセットすると、型締めにより生じる物理的な力により被加工インサート部品がインサート取付部品(完全に加工処理を行った状態)に自動的に加工される。
よって、別途加工処理を行う必要がない。
このため、インサートされる部品の加工(例えば、圧入加工、曲げ加工、切断加工、打ち抜き加工、かしめ加工等)を型締めと同時に行うことができ、成形工程の工程数を少なくし、製造時間を短縮するとともに、製造コストを低減することができる。
また、この場合、前記被加工インサート部品は、第1の組付部品と第2の組付部品で構成されており、前記第1の工程においては、前記上型に前記第1の組付部品をセットするとともに、前記下型に前記第2の組付部品をセットし、前記第2の工程においては、前記上型及び前記下型の型締めにより生じる物理的力により、前記第1の組付部品を前記第2の組付部品に圧入するよう構成されていると好適である。
このように構成されていると、インサートされる部品の加工として圧入加工が、型締めにより生じる物理的な力により実行される。
よって、インサートされる部品の圧入工程を型締めと同時に行うことができ、成形工程の工程数を少なくし、製造時間を短縮するとともに、製造コストを低減することができる。
このとき、この加工方法は、回転電機に有効に適用することができる。
つまり、請求項2の発明において、前記第1の組付部品は回転電機の回転シャフトであるとともに、前記第2の組付部品はコア部材であり、前記第2の工程においては、前記コア部材の中心に軸方向に形成されたシャフト貫通孔に、前記回転シャフトを圧入し、前記第2の工程に次いで、前記上型及び前記下型を型締めすることにより形成されるキャビティに溶融樹脂を充填し、前記インサート取付部品をモールド状態とするとともに、前記コア材の表面にインシュレータをモールド状態とする第3の工程を行うことにより、本発明を回転電機の電機子の製造に有効に適用することができる。
更に、請求項1に記載の発明において、前記被加工インサート部品は、第1の組付部品と第2の組付部品で構成されており、前記第1の工程においては、前記上型に前記第1の組付部品をセットするとともに、前記下型に前記第2の組付部品をセットし、前記第2の工程においては、前記上型及び前記下型の型締めにより生じる物理的力により、前記第1の組付部品を前記第2の組付部品にかしめるよう構成されていると好適である。
このように構成されていると、インサートされる部品の加工としてかしめ加工が、型締めにより生じる物理的な力により実行される。
よって、インサートされる部品のかしめ工程を型締めと同時に行うことができ、成形工程の工程数を少なくし、製造時間を短縮するとともに、製造コストを低減することができる。
また、請求項1に記載の発明において、前記第1の工程においては、前記被加工インサート部品は、前記上型若しくは前記下型のいずれか一方にセットされ、前記上型及び下型のうち前記被加工インサート部品がセットされている側の型には、前記被加工インサート部品の屈曲点付近を支持するガイド部が形成されており、他方の型には、前記屈曲点を境に前記ガイド部が支持する側と反対側に配設された押圧部が形成されており、前記ガイド部と前記押圧部材は、型締めされた際には前記被加工インサート部品の厚さを超える幅の間隙をもって並列するように構成されており、前記第2の工程においては、前記上型及び前記下型の型締めにより生じる物理的力により、前記被加工インサート部品は前記押圧部材に押圧されて、前記ガイド部と前記押圧部材とで形成される前記間隙に案内され前記屈曲点を境界として屈曲するよう構成されていると好適である。
このように構成されていると、インサートされる部品の加工として曲げ加工が、型締めにより生じる物理的な力により実行される。
よって、インサートされる部品の曲げ工程を型締めと同時に行うことができ、成形工程の工程数を少なくし、製造時間を短縮するとともに、製造コストを低減することができる。
更に、請求項1に記載の発明において、前記第1の工程においては、前記被加工インサート部品は、前記上型若しくは前記下型のいずれか一方にセットされ、前記上型及び下型のうち前記被加工インサート部品がセットされている側の型には、前記被加工インサート部品の切断点付近を支持するガイド部が形成されており、他方の型には、前記切断点を境に前記ガイド部が支持する側と反対側に配設された押圧部が形成されており、前記ガイド部と前記押圧部材は、型締めされた際には前記被加工インサート部品の厚さを超えない幅の間隙をもって並列するように構成されており、前記第2の工程においては、前記上型及び前記下型の型締めにより生じる物理的力により、前記被加工インサート部品は前記押圧部材に押圧されて、前記ガイド部と前記押圧部材とにより生じるせん断力により前記切断点を境界として切断されるよう構成されていると好適である。
このように構成されていると、インサートされる部品の加工として切断加工が、型締めにより生じる物理的な力により実行される。
よって、インサートされる部品の切断工程を型締めと同時に行うことができ、成形工程の工程数を少なくし、製造時間を短縮するとともに、製造コストを低減することができる。
また、請求項1に記載の発明において、前記第1の工程においては、前記被加工インサート部品は、前記下型にセットされ、前記下型の、前記被加工インサート部品の打ち抜き点付近には、凹部として屑受け部が形成されるとともに、前記上型には、穿孔用のパンチが備えられ、前記パンチは、前記打ち抜き点の直上であって、型締めされた際に前記屑受け部に挿入される位置に配設されており、前記第2の工程においては、前記上型及び前記下型の型締めにより生じる物理的力により、前記被加工インサート部品は前記パンチに押圧されて、前記打ち抜き点を打ち抜くよう構成されていると好適である。
このように構成されていると、インサートされる部品の加工として打ち抜き加工が、型締めにより生じる物理的な力により実行される。
よって、インサートされる部品の打ち抜き工程を型締めと同時に行うことができ、成形工程の工程数を少なくし、製造時間を短縮するとともに、製造コストを低減することができる。
本発明によれば、インサート成形を行う際に、上型及び下型の型締めにより生じる物理的力を被加工インサート部品に加えて、被加工インサート部品の状態を変化させ、インサート取付部品とすることができる。
つまり、型締めと同時に、被加工インサート部品をインサート取付部品へと加工することができる。
換言すると、本発明に係るインサート成形品の製造方法によれば、最終加工前の段階の被加工インサート部品を上型若しくは下型の少なくとも一方にセットすれば、型締めにより生じる物理的な力により被加工インサート部品がインサート取付部品(完全に加工処理を行った状態)に自動的に加工される。
よって、別途加工処理を行う必要がない。
このため、従来の成形機構を大きく変更することなく、インサートされる部品の加工(例えば、圧入加工、曲げ加工、切断加工、打ち抜き加工、かしめ加工等)を型締めと同時に行うことができ、成形工程の工程数を少なくし、製造時間を短縮するとともに、製造コストを低減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態は、インサート成形において、従来の成形機構を大きく変更することなく、インサート成形品の加工(圧入加工、曲げ加工、切断加工、打ち抜き加工、かしめ加工等)を型締めと同時に行うことができ、成形工程の工程数を少なくし、製造時間を短縮するとともに、製造コストを低減することが可能なインサート成形品の製造方法に関するものである。
図1乃至図11は、本発明の一実施形態を示すものであり、図1はインサート成形品の製造工程を示す工程図、図2は圧入加工を伴うインサート成形品の製造工程を示す説明図、図3は圧入加工を伴うインサート成形品の従来の製造工程を示す参考図、図4はかしめ工程を伴うインサート成形品の製造工程を示す説明図、図5はかしめ工程を伴うインサート成形品の従来の製造工程を示す参考図、図6は曲げ工程を伴うインサート成形品の製造工程を示す説明図、図7は曲げ工程を伴うインサート成形品の従来の製造工程を示す参考図、図8は切断工程を伴うインサート成形品の製造工程を示す説明図、図9は切断工程を伴うインサート成形品の従来の製造工程を示す参考図、図10は打ち抜き工程を伴うインサート成形品の製造工程を示す説明図、図11は打ち抜き工程を伴うインサート成形品の従来の製造工程を示す参考図である。
図1に、本実施形態に係るインサート成形品Sの製造工程を示す工程図を示す。
なお、本実施形態に係るインサート成形は、上型1及び下型2を有する金型Kを用いて実施される。
この上型1及び下型2には、所定形状に形成された凹部を有しており、これら上型1及び下型2を合わせることによって、成形される部品の形状を有する間隙(キャビティR)が形成され、このキャビティRに軟化させた樹脂を流し込み固化させることにより樹脂製の部品が形成される。
本実施形態においては、上型1及び下型2に加工を加えることにより、型締め時の圧力を利用して、インサート成形と同時に成形品の更なる加工(圧入加工、曲げ加工、切断加工、打ち抜き加工、かしめ加工等)を同時に行うことができる。
このため、従来の成形機構を大きく変更することなく、成形工程の工程数を少なくし、製造時間を短縮するとともに、製造コストを低減することが可能となる。
図1に示すように、本実施形態に係るインサート成形品Sの製造工程においては、まず、第1の工程において、被加工インサート部品P´をキャビティR部分に投入する。
次いで、第2の工程において、上型1と下型2とを相対的に近づけて型締めを行う。
この第2の工程の型締め時に、被加工インサート部品P´の各種加工(圧入加工、曲げ加工、切断加工、打ち抜き加工、かしめ加工等)を同時に行う。
この型締め力により、被加工インサート部品P´が加工されて、インサート取付部品Pとなる。
これらの加工の詳細については、後述する。
その後、第3の工程において、キャビティR内に軟化した樹脂を投入した後固化して成形を行い、インサート成形品Sを製造する。
また、第4の工程において、インサート成形品Sは、第3の工程で樹脂が固化した後、型開きすることにより金型Kより取り出される。
次いで、第2の工程の型締め時における被加工インサート部品P´の各種加工(圧入加工、曲げ加工、切断加工、打ち抜き加工、かしめ加工等)の具体的な方法を、各実施例にて説明する。
(第1実施例)
まず、図2及び図3により、圧入加工を伴うインサート成形品Sの製造工程を説明する。
なお、図3は、比較を行うために従来の製造工程を示した従来例の参考図である。
図2(a)に示すように、まず、被加工インサート部品P´を上型1及び下型2にセットする。
本例においては、被加工インサート部品P´は、当初、圧入部品P11及び被圧入部品P12に分割されて構成されている。
つまり、この圧入部品P11と被圧入部品P12とが、分割された状態が、被加工インサート部品P´である。
図示のように、本例においては、上型1に圧入部品P11をセットするとともに、下型2に被圧入部品P12をセットする。
これは、図1の第1の工程に相当する。
次いで、図2(b)に示すように、上型1を下型2に相対的に近接させて型締めを行う。
このとき、この型締め力(矢印方向:下型2方向へと向かう下方向への力)により圧入部品P11は被圧入部品P12に圧入される。
つまり、型締めと同時に、圧入部品P11が被圧入部品P12に圧入されて、インサート取付部品P1が形成される。
このように、圧入部品P11が被圧入部品P12に圧入されて一体となったものが、インサート取付部品P1となる。
よって、別途圧入加工が不要であり、この型締めと同時に、被圧入部品P12への圧入部品P11の圧入が完了する。
この図2(b)の工程が図1の第2の工程に相当する。
次いで、図2(c)に示すように、キャビティRに樹脂を充填して成形を行う。
この工程が図1の第3の工程に相当する。
この後、樹脂が固化した後、インサート成形品Sを型開きして、金型Kより取り出して一連の成形が完了する。
これに対し、図3に示す従来例においては、図3(a)のインサート取付部品P1の投入時には、インサート取付部品P1は完成している必要がある。
つまり、図3(a)の工程以前に、圧入部品P11を被圧入部品P12に圧入してインサート取付部品P1を形成する圧入工程を行う必要がある。
このように、従来例においては、インサート取付部品P1をセットした後、図3(b)の型締め工程及び図3(c)の成形工程を同様に行う必要が生じる。
つまり、本実施形態に係るインサート成形品Sの製造方法において、インサート成形品Sを形成するよりも、工程数が多くなり、製造時間及び製造コストの面において不利となる。
なお、本例は、回転電機の電機子を製造する際に有効に適用することができる。
この場合には、圧入部品P11は、回転シャフトであり、被圧入部品P12はコア部材である。
コア部材は、回転電機に備えられる公知の部材であり、中心に貫通孔が形成された複数枚のコアシートが積層されて形成されている。
この場合、第2の工程においては、被圧入部品P12であるコア部材の中心に軸方向に形成されたシャフト貫通孔(コアシート中心部に形成された貫通孔が連通状態で重なったもの)に、圧入部品P11である回転シャフトが圧入される。
本例においては、電機子がインサート取付部品P1に相当する。
この第2の工程に次いで、キャビティRに溶融樹脂を充填し、インサート取付部品P1をモールド状態とする第3の工程が行われる。
また、この際、コア材の表面にインシュレータをモールド状態とするとよい。
(第2実施例)
次いで、図4及び図5により、かしめ加工を伴うインサート成形品Sの製造工程を説明する。
なお、図5は、比較を行うために従来の製造工程を示した従来例の参考図である。
図4(a)に示すように、まず、被加工インサート部品P´を上型1及び下型2にセットする。
本例においては、被加工インサート部品P´は、当初、被かしめ部品P21及びかしめ部品P22に分割されて構成されている。
つまり、この被かしめ部品P21とかしめ部品P22とが、分割された状態が、被加工インサート部品P´である。
図示のように、本例においては、上型1に被かしめ部品P21をセットするとともに、下型2にかしめ部品P22をセットする。
これは、図1の第1の工程に相当する。
次いで、図4(b)に示すように、上型1を下型2に相対的に近接させて型締めを行う。
このとき、この型締め力(矢印方向:下型2方向へと向かう下方向への力)により被かしめ部品P21はかしめ部品P22にかしめられる。
つまり、型締めと同時に、被かしめ部品P21がかしめ部品P22にかしめられて、インサート取付部品P2が形成される。
このように、被かしめ部品P21がかしめ部品P22にかしめられて一体となったものが、インサート取付部品P2となる。
よって、別途かしめ加工が不要であり、この型締めと同時に、かしめ部品P22への被かしめ部品P21のかしめが完了する。
この図4(b)の工程が図1の第2の工程に相当する。
次いで、図4(c)に示すように、キャビティRに樹脂を充填して成形を行う。
この工程が図1の第3の工程に相当する。
この後、樹脂が固化した後、インサート成形品Sを型開きして、金型Kより取り出して一連の成形が完了する。
これに対し、図5に示す従来例においては、図4(a)のインサート取付部品P2の投入時には、インサート取付部品P2は完成している必要がある。
つまり、図4(a)の工程以前に、被かしめ部品P21をかしめ部品P22にかしめてインサート取付部品P2を形成するかしめ工程を行う必要がある。
このように、インサート取付部品P2をセットした後、図4(b)の型締め工程及び図4(c)の成形工程を同様に行う必要が生じる。
よって、本実施形態に係るインサート成形品Sの製造方法において、インサート成形品Sを形成するよりも、工程数が多くなり、製造時間及び製造コストの面において不利となる。
(第3実施例)
次いで、図6及び図7により、曲げ加工を伴うインサート成形品Sの製造工程を説明する。
なお、図7は、比較を行うために従来の製造工程を示した従来例の参考図である。
図6(a)に示すように、まず、被加工インサート部品P´を下型2にセットする。
本例においては、被加工インサート部品P´は、被曲げ部品P31として構成されている。
図示のように、本例においては、下型2に被曲げ部品P31をセットする。
これは、図1の第1の工程に相当する。
次いで、図6(b)に示すように、上型1を下型2に相対的に近接させて型締めを行う。
また、上型1に押圧部11と、ガイド部12が形成されている。
押圧部11は、上型1に対して上下方向(上型1が動く方向と同方向)に移動可能に構成されている。
この押圧部11は、その上端部(下型2が配設される側と反対側)が、バネ13に連結されており、このバネ13の他端側(押圧部11が連結されている側と反対側の端部:上端部)は、上型1内部に固定されている。
ガイド部12は、上型1から下方向(下型2が配設される側)に突出した突部であり、押圧部11から、被曲げ部品P31の厚さ以上離隔して配設される。
また、下型2の押圧部11直下には、支持部21が配設されている。
この支持部21は、押圧部11から被曲げ部品P31の厚さ分離隔して配設される。
このような状態で、上型1を下型2に相対的に近接させて型締めを行うと、被曲げ部品P31の一部(押圧部11の直下に配設される部分)は、押圧部11と支持部21に挟持固定される。
このとき、バネ13の復元力により、被曲げ部品P31の一部(押圧部11の直下に配設される部分)は、より強固に支持部21に押圧される。
また、ガイド部12は、そのまま下方向へ下降するため、被曲げ部品P31の端部は、このガイド部12に押され、支持部21の側面とガイド部12の側面とで形成される間隙に沿って折り曲げられる。
つまり、このとき、この型締め力(矢印方向:下型2方向へと向かう下方向への力)により、被曲げ部品P31は屈曲処理される。
換言すれば、型締めと同時に、被曲げ部品P31が折り曲げられて、インサート取付部品P3が形成される。
よって、別途屈曲げ加工が不要であり、この型締めと同時に、被曲げ部品P31の曲げ加工が完了する。
この図6(b)の工程が図1の第2の工程に相当する。
次いで、図6(c)に示すように、キャビティRに樹脂を充填して成形を行う。
この工程が図1の第3の工程に相当する。
この後、樹脂が固化した後、インサート成形品Sを型開きして、金型Kより取り出して一連の成形が完了する。
これに対し、図7に示す従来例においては、図7(a)のインサート取付部品P3の投入時には、インサート取付部品P3は完成している必要がある。若しくは、後加工にて完成体とする必要がある。
つまり、図7(a)の工程以前に、被曲げ部品P31を折り曲げて、インサート取付部品P3を形成する曲げ工程を行う必要がある。
このように、インサート取付部品P3をセットした後、図7(b)の型締め工程及び図7(c)の成形工程を同様に行う必要が生じる。
つまり、本実施形態に係るインサート成形品Sの製造方法において、インサート成形品Sを形成するよりも、工程数が多くなり、製造時間及び製造コストの面において不利となる。
(第4実施例)
次いで、図8及び図9により、切断加工を伴うインサート成形品Sの製造工程を説明する。
なお、図9は、比較を行うために従来の製造工程を示した従来例の参考図である。
図8(a)に示すように、まず、被加工インサート部品P´を下型2にセットする。
本例においては、被加工インサート部品P´は、被切断部品P41として構成されている。
図示のように、本例においては、下型2に被切断部品P41をセットする。
これは、図1の第1の工程に相当する。
次いで、図8(b)に示すように、上型1を下型2に相対的に近接させて型締めを行う。
また、上型1に押圧部11と、ガイド部12が形成されている。
押圧部11は、上型1に対して上下方向(上型1が動く方向と同方向)に移動可能に構成されている。
この押圧部11は、その上端部(下型2が配設される側と反対側)が、バネ13に連結されており、このバネ13の他端側(押圧部11が連結されている側と反対側の端部:上端部)は、上型1内部に固定されている。
ガイド部12は、上型1から下方向(下型2が配設される側)に突出した突部であり、押圧部11から所定幅離隔して配設される。
また、下型2の押圧部11直下には、支持部21が配設されている。
この支持部21は、押圧部11から離隔して配設されるが、この幅は被切断部品P41の厚さを超えないよう構成されている。
このような状態で、上型1を下型2に相対的に近接させて型締めを行うと、被切断部品P41の一部(押圧部11の直下に配設される部分)は、押圧部11と支持部21に挟持固定される。
このとき、バネ13の復元力により、被切断部品P41の一部(押圧部11の直下に配設される部分)は、より強固に支持部21に押圧される。
また、ガイド部12は、そのまま下方向へ下降するが、上述の通り、支持部21と押圧部11との距離(型締め時の両者の距離)は、被切断部材P41の幅よりも小さくなるように構成されているため、せん断力が働き、この支持部21と押圧部11とので、被切断部品P41は切断される。
つまり、このとき、この型締め力(矢印方向:下型2方向へと向かう下方向への力)により、被切断部品P41は切断処理される。
換言すれば、型締めと同時に、被切断部品P41が切断されて、インサート取付部品P4が形成される。
よって、別途切断加工が不要であり、この型締めと同時に、被切断部品P41の曲げ加工が完了する。
この図8(b)の工程が図1の第2の工程に相当する。
次いで、図8(c)に示すように、キャビティRに樹脂を充填して成形を行う。
この工程が図1の第3の工程に相当する。
この後、樹脂が固化した後、インサート成形品Sを型開きして、金型Kより取り出して一連の成形が完了する。
これに対し、図9に示す従来例においては、図9(a)のインサート取付部品P4の投入時には、インサート取付部品P4は完成している必要がある。若しくは、後加工にて完成体とする必要がある。
つまり、図9(a)の工程以前に、被切断部品P41を切断して、インサート取付部品P4を形成する切断工程を行う必要がある。
このように、インサート取付部品P4をセットした後、図9(b)の型締め工程及び図9(c)の成形工程を同様に行う必要が生じる。
つまり、本実施形態に係るインサート成形品Sの製造方法において、インサート成形品Sを形成するよりも、工程数が多くなり、製造時間及び製造コストの面において不利となる。
(第5実施例)
次いで、図10及び図11により、打ち抜き加工を伴うインサート成形品Sの製造工程を説明する。
なお、図11は、比較を行うために従来の製造工程を示した従来例の参考図である。
図10(a)に示すように、まず、被加工インサート部品P´を下型2にセットする。
本例においては、被加工インサート部品P´は、被打ち抜き部品P51として構成されている。
図示のように、本例においては、下型2に被打ち抜き部品P51をセットする。
これは、図1の第1の工程に相当する。
次いで、図10(b)に示すように、上型1を下型2に相対的に近接させて型締めを行う。
また、上型1には、パンチ15が形成されている。
パンチ15は、上型1に対して上下方向(上型1が動く方向と同方向)に移動可能に構成されている。
このパンチ15は、その上端部(下型2が配設される側と反対側)が、バネ13に連結されており、このバネ13の他端側(パンチ15が連結されている側と反対側の端部:上端部)は、上型1内部に固定されている。
パンチ15は、公知のパンチであり、その下端面(下型2と対向する側の面)には穿孔刃が形成されている。
また、下型2のパンチ15直下には、屑受け部25が配設されている。
この屑受け部25は、パンチ15直下に配設される凹部として形成されている。
このような状態で、上型1を下型2に相対的に近接させて型締めを行うと、被打ち抜き部品P51の一部(パンチ15の直下に配設される部分)は、パンチ15によって打ち抜かれる。また、打ち抜き屑は、下型2に形成された屑受け部25に落下して収集される。
このとき、バネ13の押圧力により、パンチ15が被打ち抜き部品51を押圧する力がより強くなる。
つまり、このとき、型締め力(矢印方向:下型2方向へと向かう下方向への力)により、被打ち抜き部品P51は打ち抜き処理される。
換言すれば、型締めと同時に、被打ち抜き部品P51が打ち抜かれて、インサート取付部品P5が形成される。
よって、別途打ち抜き加工が不要であり、この型締めと同時に、被打ち抜き部品P51の打ち抜き加工が完了する。
この図10(b)の工程が図1の第2の工程に相当する。
次いで、図10(c)に示すように、キャビティRに樹脂を充填して成形を行う。
この工程が図1の第3の工程に相当する。
この後、樹脂が固化した後、インサート成形品Sを型開きして、金型Kより取り出して一連の成形が完了する。
これに対し、図11に示す従来例においては、図11(a)のインサート取付部品P5の投入時には、インサート取付部品P5は完成している必要がある。若しくは、後加工にて完成体とする必要がある。
つまり、図11(a)の工程以前に、被打ち抜き部品P51を打ち抜いて、インサート取付部品P5を形成する打ち抜き工程を行う必要がある。
このように、インサート取付部品P5をセットした後、図11(b)の型締め工程及び図11(c)の成形工程を同様に行う必要が生じる。
つまり、本実施形態に係るインサート成形品Sの製造方法において、インサート成形品Sを形成するよりも、工程数が多くなり、製造時間及び製造コストの面において不利となる。
以上、5種類の実施例を説明したが、本発明の趣旨を逸脱するものでなければ、パターンはこれに限られることはない。
例えば、屈曲と打ち抜きを同時に行う等、形成したい形状に応じて、上記各実施例を組み合わせてもよいし、全てが備えられた装置を使用し、必要のない構成のみを金型Kから取り外して使用できるように構成されていてもよい。
このように、組み合わせパターンは様々に存在する。
以上のように、本実施形態によれば、インサート成形と同時に、インサート取付部品P1〜P5の加工を行うことができるため、各加工工程を別途行う必要がなく、工程数を少なくすることができ、製造時間及び製造コストを低減させることができる。
本発明の一実施形態に係るインサート成形品の製造工程を示す工程図である。 本発明の一実施形態に係る圧入加工を伴うインサート成形品の製造工程を示す説明図である。 圧入加工を伴うインサート成形品の従来の製造工程を示す参考図である。 本発明の一実施形態に係るかしめ工程を伴うインサート成形品の製造工程を示す説明図である。 かしめ工程を伴うインサート成形品の従来の製造工程を示す参考図である。 本発明の一実施形態に係る曲げ工程を伴うインサート成形品の製造工程を示す説明図である。 曲げ工程を伴うインサート成形品の従来の製造工程を示す参考図である。 本発明の一実施形態に係る切断工程を伴うインサート成形品の製造工程を示す説明図である。 切断工程を伴うインサート成形品の従来の製造工程を示す参考図である。 本発明の一実施形態に係る打ち抜き工程を伴うインサート成形品の製造工程を示す説明図である。 打ち抜き工程を伴うインサート成形品の従来の製造工程を示す参考図である。
符号の説明
1‥上型、11‥押圧部、12‥ガイド部、13‥バネ、15‥パンチ、
2‥下型、21‥支持部、25‥屑受け部、
K‥金型、
P,P1,P2,P3,P4,P5‥インサート取付部品、
P´‥被加工インサート部品、
P11‥圧入部品、P12‥被圧入部品、P21‥被かしめ部品、P22‥かしめ部品、P31‥被曲げ部品、P41‥被切断部品、P51‥被打ち抜き部品、
R‥キャビティ、
S‥インサート成形品

Claims (6)

  1. インサート成形品の製造方法であって、
    上型及び下型で構成された金型に対して、第1の組付部品と第2の組付部品で構成された被加工インサート部品をセットするにあたり、前記上型に前記第1の組付部品をセットするとともに、前記下型に前記第2の組付部品をセットする第1の工程と、
    前記上型と前記下型を型締めし、前記上型及び前記下型の型締めにより生じる物理的力を前記被加工インサート部品に加えて、前記被加工インサート部品の状態を変化させて、インサート取付部品とするにあたり、前記上型及び前記下型の型締めにより生じる物理的力により、前記第1の組付部品を前記第2の組付部品に圧入する第2の工程と、
    前記上型及び前記下型を型締めすることにより形成されるキャビティに溶融樹脂を充填し、前記インサート取付部品をモールド状態とし、前記インサート成形品を形成する第3の工程とを行うことを特徴とするインサート成形品の製造方法。
  2. 前記第1の組付部品は回転電機の回転シャフトであるとともに、前記第2の組付部品はコア部材であり、
    前記第2の工程においては、前記コア部材の中心に軸方向に形成されたシャフト貫通孔に、前記回転シャフトを圧入し、
    前記第2の工程に次いで、前記上型及び前記下型を型締めすることにより形成されるキャビティに溶融樹脂を充填し、前記インサート取付部品をモールド状態とするとともに、前記コア材の表面にインシュレータをモールド状態とする第3の工程を行うことを特徴とする請求項に記載のインサート成形品の製造方法。
  3. 前記被加工インサート部品は、第1の組付部品と第2の組付部品で構成されており、
    前記第1の工程においては、前記上型に前記第1の組付部品をセットするとともに、前記下型に前記第2の組付部品をセットし、
    前記第2の工程においては、前記上型及び前記下型の型締めにより生じる物理的力により、前記第1の組付部品を前記第2の組付部品にかしめることを特徴とする請求項1に記載のインサート成形品の製造方法。
  4. 前記第1の工程においては、前記被加工インサート部品は、前記上型若しくは前記下型のいずれか一方にセットされ、
    前記上型及び下型のうち前記被加工インサート部品がセットされている側の型には、前記被加工インサート部品の屈曲点付近を支持するガイド部が形成されており、他方の型には、前記屈曲点を境に前記ガイド部が支持する側と反対側に配設された押圧部が形成されており、
    前記ガイド部と前記押圧部材は、型締めされた際には前記被加工インサート部品の厚さを超える幅の間隙をもって並列するように構成されており、
    前記第2の工程においては、前記上型及び前記下型の型締めにより生じる物理的力により、前記被加工インサート部品は前記押圧部材に押圧されて、前記ガイド部と前記押圧部材とで形成される前記間隙に案内され前記屈曲点を境界として屈曲することを特徴とする請求項1に記載のインサート成形品の製造方法。
  5. 前記第1の工程においては、前記被加工インサート部品は、前記上型若しくは前記下型のいずれか一方にセットされ、
    前記上型及び下型のうち前記被加工インサート部品がセットされている側の型には、前記被加工インサート部品の切断点付近を支持するガイド部が形成されており、他方の型には、前記切断点を境に前記ガイド部が支持する側と反対側に配設された押圧部が形成されており、
    前記ガイド部と前記押圧部材は、型締めされた際には前記被加工インサート部品の厚さを超えない幅の間隙をもって並列するように構成されており、
    前記第2の工程においては、前記上型及び前記下型の型締めにより生じる物理的力により、前記被加工インサート部品は前記押圧部材に押圧されて、前記ガイド部と前記押圧部材とにより生じるせん断力により前記切断点を境界として切断されることを特徴とする請求項1に記載のインサート成形品の製造方法。
  6. 前記第1の工程においては、前記被加工インサート部品は、前記下型にセットされ、
    前記下型の、前記被加工インサート部品の打ち抜き点付近には、凹部として屑受け部が形成されるとともに、前記上型には、穿孔用のパンチが備えられ、
    前記パンチは、前記打ち抜き点の直上であって、型締めされた際に前記屑受け部に挿入される位置に配設されており、
    前記第2の工程においては、前記上型及び前記下型の型締めにより生じる物理的力により、前記被加工インサート部品は前記パンチに押圧されて、前記打ち抜き点を打ち抜くことを特徴とする請求項1に記載のインサート成形品の製造方法。
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