JP5585343B2 - ステータコア製造方法 - Google Patents
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Description
また、ステータコアを分割形状とした分割コアを、プレス加工で打ち抜いて形成した分割コア板部材を積層して製造し、複数個の分割コアを、リング状に組み立てて、外周を焼き嵌めリングで締結することにより、ステータコアを製造することも実施されている。
従来、ステータコア板部材をプレスで打ち抜く場合、外径形状のうち、高い精度を必要とする部位も、高い精度を必要としない部位も、区別することなく一度に打ち抜いていた。一度に打ち抜いた方が、製造コストを低減できるからである。
(1)分割コアの場合、ティースの先端部位や、ヨークの接続部位(分割コアの隣り合うヨークと接続する部分)は、高い精度を必要とするが、それらを他の高い精度を必要としない部位と同時に打ち抜いているため、ティースの先端部位や、ヨークの接続部の精度(寸法精度、平面度等)が低下する問題があった。その理由は、他の高い精度を必要としない部位で打抜きプレス加工されるときに発生する内部応力により、ティースの先端部位や、ヨークの接続部位の打抜きプレス加工が影響を受けるためである。
この問題を解決する手段として、特許文献1に開示された技術を適用することも考えられる。
しかしながら、特許文献1の技術は、重要寸法穴の精度を確保するためのものであり、ティースの先端部位や、ヨークの接続部位のような外径形状を高い精度で維持するためのものでないため、そのまま適用することはできなかった。
しかし、この方法によると、工程数が多くなり、生産効率が低下し、コストアップする問題があった。
(1)ステータコアを分割形状とした分割コアを、電磁鋼板をプレス工程で打ち抜いた分割コア板部材を積層して製造するステータコア製造方法において、(a)プレス工程が、分割コア板部材のうち、高い精度(寸法精度、平面度、すくないダレ等)を必要とする部位を打ち抜く第1プレス工程と、高い精度(寸法精度、平面度、すくないダレ等)を必要としない部位を打ち抜く第2プレス工程を有すること、(b)第1プレス工程では、前記分割コア板部材が、ダイスと板押えにより挟持されていること、を特徴とする。
(2)(1)に記載するステータコア製造方法において、前記高い精度(寸法精度、平面度、すくないダレ等)を必要とする部位が、ティース側面、及びヨーク接続面を含むこと、前記高い精度(寸法精度、平面度、すくないダレ等)を必要としない部位が、ティース先端面、及びヨーク外周面を含むこと、を特徴とする。
(1)ステータコアを分割形状とした分割コアを、電磁鋼板をプレス工程で打ち抜いた分割コア板部材を積層して製造するステータコア製造方法において、(a)プレス工程が、分割コア板部材のうち、高い精度(寸法精度、平面度、すくないダレ等)を必要とする部位を打ち抜く第1プレス工程と、高い精度(寸法精度、平面度、すくないダレ等)を必要としない部位を打ち抜く第2プレス工程を有すること、(b)第1プレス工程では、前記分割コア板部材が、ダイスと板押えにより挟持されていること、を特徴とするので、高い精度(寸法精度、平面度、すくないダレ等)を必要とするティース側面とヨーク接続面を第1プレス工程で打抜き、高い精度(寸法精度、平面度、すくないダレ等)を必要としないティース先端面、ヨーク外周面を第2プレス工程で打ち抜くこと共に、第1プレス工程では、ティースがダイスと板押えにより挟持された状態でプレス打抜き加工が行われるため、ティース側面とヨーク接続部は、第1プレス工程では、ダイスと板押さえで挟持されており、プレス時に電磁鋼板がずれることなく、ダレが発生することがないと共に、第2プレス工程の影響を受けることがなく、ティース側面とヨーク接続部の精度(寸法精度、平面度、すくないダレ等)を高く維持することができる。
始めに、プレス工程で製造される分割コア板部材20について説明する。図4の(a)に分割コア板部材20の外径形状を平面図で示す。
分割コア板部材20は、ヨーク部42から突き出ている2つのティース部8、9を有している。ティース部8は、側面8a、8b、ティース先端面16を備え、ティース部9は、側面9a、9b、ティース先端面17を備えている。
ヨーク部42の両端面は、ヨーク接続面である。ヨーク部42の図中右端面は、凸部42a、平坦部42bを備え、ヨーク部42の左端面は、凹部42c、平坦部42dを備えている。ヨーク部42は、隣のヨーク部42と接合される。このとき、ヨーク部42の凸部42aは、隣のヨーク部42の凹部42cと嵌合され、直径方向の位置が決められる。ヨーク部42の平坦部42bは、隣のヨーク部42の平坦部42dと当接して接合される。
カシメ凸部44A、44B、44C、44Dは、各々が図6に示すように、直下にある分割コア板部材20のヨーク部42に形成されたカシメ凸部44A、44B、44C、44Dに上側から、下にある分割コア板部材20のカシメ凸部44の凹部に嵌合されている。これにより、各々の分割コア板部材20が平面的に位置決めされる。図6において、一番下に位置する分割コア板部材20は、カシメ凸部44に対応する部分が、打ち抜かれている。分割コア板部材20の底面を平らにするためである。
図4において、斜線で示した部分については、後で詳細に説明する。
図4の(b)に、数十枚の分割コア板部材20が積層された状態を示す。
連続板状の電磁鋼板基材11は、円筒状に巻かれた状態で供給され、図示しない搬送装置により、図1の左側から右側に向けて(図中矢印Mで示す方向に)搬送される。電磁鋼板基材11は、間欠送りされる。すなわち、所定距離分送られた後、所定時間停止することを繰り返す。所定時間停止しているときに、プレス機械によりプレス加工が行われる。
連続板状の電磁鋼板基材11は、本実施例では、厚みが0.3mmの電磁鋼板である。電磁鋼板基材11の両端付近には、前工程において、一対の位置決め孔12A、12Bが所定のピッチで開口されている。
(1)第1プレス工程においては、プレス機械は、位置決め孔12A、12Bを用いて、電磁鋼板基材11を所定の位置に位置決めする。そして、プレス打ち抜き加工により、第1スクラップ13、第2スクラップ14、及び第3スクラップ15を同時に打ち抜く。図1では、打ち抜かれるスクラップ部分を点描で示している。
また、第1スクラップ13の切断面13c、及び第3スクラップ15の切断面15cは各々、電磁鋼板基材11にヨーク接続面を形成するための断面である。
ティース部8、9は、ダイス30と板押え24により、強い押圧力で挟持されているので、パンチ21a、21b、21cにより、第1スクラップ13、第2スクラップ14、及び第3スクラップ15が打ち抜かれるときに、ティース部8、9が、パンチに引きずられてずれることがない。そのため、ティース部8の側面8a、8b、及びティース部9の側面9a、9bを高い精度(高い寸法精度、高い平面度、すくないダレ等)で打ち抜くことができる。
第2プレス工程のプレス機械の全体断面を図3に示す。下型は、内側にダイス30を保持する下型本体34と、内側にスクイズリング32を保持するスクイズリング保持体33が重ね合わされて固定されている。ダイス30は、厚さ0.3mmの電磁鋼板からなる分割コア板部材を60枚程度内部に保持する厚みを有している。
一方、上型基盤31には、一対のコイルスプリング23が付設されている。コイルスプリング23の先端に、ストリッパ24が付設されている。ストリッパ24は、パンチ21を内側に保持している。また、パンチ21には、カシメ加工パンチ22が、固定されている。
パンチ21は、ストリッパ24の下面より、わずかにへこんで(図の上側の位置に)取り付けられている。
コイルスプリング23により、ストリッパ24が下降したときに、始めに、電磁鋼板基材11が、下型本体34とストリッパ24により挟持され固定される。
その後、パンチ21とカシメ加工パンチ22が協働して、ティース8のティース先端面16、ティース9のティース先端面17、及びヨーク外周面18を打ち抜く。
ここで、スクイズリング33の内周形状のうち、ヨーク接続面42a、42b、42c、42d、ヨーク外周部の一部18a、18b、ティース先端面16とそれに連続するティース側面の一部、及びティース先端面17とそれに連続するティース側面の一部に対向する、スクイズリングの対応部分は、ダイス30の内周形状よりも、数μm(本実施例では5μm)、小さい内径寸法としている(この部分をスクイズ部Sと言う。図中斜線で示す部分である。)ので、第2プレス工程(形状の打抜き工程)と同時に、打ち抜かれた分割コア板部材20が、ダイス30からスクイズリング32に移動するときに、スクイズリング32のスクイズ部Sが、分割コア板部材20を所定の保持力で保持している。
そして、次に打ち抜かれた分割コア板部材20Aのカシメ凸部44がきっちりとカシメされた後は、次に打ち抜かれた分割コア板部材20Aは、ダイス30の表面より少し低い位置まで、パンチ21移動される。
例えば、本実施例では、2つのティース部を備える分割コア板部材20について説明したが、1つのティース部を備える分割コア板部材でも良いし、3つ、4つのティースを備える分割コア板部材にも適用できる。
8a、8b、9a、9b ティース側面
11 電磁鋼板基材
18 ヨーク外周面
20 分割コア板部材
21 パンチ
22 カシメ加工パンチ
24 板押え
30 ダイス
32 スクイズリング
42 ヨーク部
42a、42b、42c、42d ヨーク接続面
44A、44B、44C、44D カシメ凸部
Claims (4)
- ステータコアを分割形状とした分割コアを、電磁鋼板をプレス工程で打ち抜いた分割コア板部材を積層して製造するステータコア製造方法において、
前記プレス工程が、前記分割コア板部材のうち、高い精度を必要とする部位を打ち抜く第1プレス工程と、高い精度を必要としない部位を打ち抜く第2プレス工程を有すること、
前記第1プレス工程では、前記分割コア板部材が、ダイスと板押えにより挟持されていること、
を特徴とするステータコア製造方法。 - 請求項1に記載するステータコア製造方法において、
前記高い精度を必要とする部位が、ティース側面、及びヨーク接続面を含むこと、
前記高い精度を必要としない部位が、ティース先端面、及びヨーク外周面を含むこと、
を特徴とするステータコア製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載するステータコア製造方法において、
前記第2プレス工程では、カシメ加工パンチが、前記分割コア板部材に位置決め用の位置決めカシメ部を形成すること、
前記ダイスの、総抜きパンチとは反対の位置に、前記ダイスの内側寸法より数μm小さい内側寸法を有するスクイズリングが設けられていること、
前記第2プレス工程で打ち抜かれた前記分割コア板部材が、前記ダイスから前記スクイズリングに移動するときに、前記スクイズリングが、前記分割コア板部材を保持すること、
前記スクイズリングが、前記分割コア板部材を保持することにより、前記ダイスで直前に打ち抜かれた前記分割コア板部材がダイス内で保持され、次に打ち抜かれる前記分割コア板部材の位置決めカシメ部が、直前に打ち抜かれた前記分割コア板部材の前記位置決めカシメ部にカシメ加工されること、
を特徴とするステータコア製造方法。 - 請求項3に記載するステータコア製造方法において、
前記スクイズリングのうち、前記ダイスより内側寸法が小さい部分が、ティースの先端部、及びヨークの接続部に対向する部分であること、
を特徴とするステータコア製造方法。
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