JP5313514B2 - カウンターウェイトの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、重量コンクリートを使用したカウンターウェイトの製造方法に関するものであり、特に、粗骨材とモルタル等とを分離して投入するプレパックド工法を用いたカウンターウェイトの製造方法に関するものである。
カウンターウェイトは、図1及び図2に示したように、機械の重量バランスを確保するために用いられるものであり、作業性や安定性を確保し、安全に効率よく作業するために、建設機械等に装着されている。例えば、油圧ショベル等では、作業範囲が広く、作業時の機械のバランスを確保するために、カウンターウェイトは大きな役目を果たしている。このような目的から、カウンターウェイトは、できるだけコンパクトで重くなるよう比重の高い素材が使われている。カウンターウェイトには種類があるが、製缶製カウンターウェイトは、鉄板等で製缶体を作り、その中に重量コンクリートが充填されている。
建設機械等のカウンターウェイトに使用する材料としては、一般に重量骨材を使用した重量コンクリートが使用されている。従来、その重量コンクリートは、低スランプとし、強力な振動力で締固めを行って充填していた。すなわち、重量粗骨材と、重量細骨材及びセメントと水及び混和剤を一緒に混合して、振動を加えて締固めを行って充填していた。これにより、締固め時に極めて大きな振動及び騒音が発生することとなり、それが問題になっていた。
一方、粗骨材と、セメントペースト若しくはモルタルとを分離して打設するプレパックド工法が知られている(例えば、非特許文献1、2参照)。「プレパックド工法」とは、予め粗骨材を投入しておき、粗骨材の間隙にモルタル等を注入してコンクリートを作る工法をいう。プレパックド工法によれば、充填時に大きな振動や騒音が発生することが少ない。
ここで、プレパックド工法に用いられるモルタル(注入モルタル)は、粗骨材の微細な間隙にまで良く行き渡る必要があるため、流動性が良いものである必要があった。しかしながら、カウンターウェイト用の重量コンクリートには、重量細骨材を使用した重量モルタルが使用されることが多いが、重量モルタルで流動性が良いものが殆どなかった。すなわち、重量細骨材を使用した注入モルタルは殆ど知られていなかった。そのため、重量細骨材を含有する重量モルタルを注入して、プレパックド工法によってカウンターウェイトを製造することができなかった。
従って、カウンターウェイトを製造するときは、「大きな振動や騒音が発生することが少ないという特長を有するプレパックド工法」を用いることができないため、常に大きな振動や騒音の発生を余儀なくされていた。
一方、「重量コンクリート」とは、通常より単位容積重量を大きくしたコンクリートであり、重量コンクリートに用いる重量細骨材としては、磁鉄鉱や赤鉄鉱等の鉄鉱石が多く用いられてきた。しかしながら、重量細骨材として良質なものの入手が困難になってきており、高価な天然資源の使用は、経済的にも環境配慮の観点からも好ましくない。そこで、鉄鉱石骨材に代わるものとして、電気炉酸化スラグ等の鉄含有量の多いスラグも用いられるが、密度が4g/cm未満のものが多く、重量細骨材として十分な密度のものの入手は困難である。他には、製鋼用転炉ダストにセメントを配合する重量コンクリートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、コンクリートやモルタルの細骨材としてそのまま使用するためには、製鋼用転炉ダストの粒径は十分でなく、篩で分けた粗粒分しか使用できなかった。また、細粒ダストにセメントを配合して造粒し、直径200μm以上のペレットにして、骨材として用いる技術(例えば、特許文献2参照)も提案されているが、ペレット製造工程を経るのでコスト高になっていた。
また、特許文献3には、重量コンクリートの重量細骨材として、ふるい呼び寸法2.5mmないし0.15mmのショットブラスト用スチール細粒を粒度調整して用いることが提案されている。しかし、種々のサイズの均一粒度に調整して製造された高価なショットブラスト用スチール細粒を配合して粒度調整することは極めてコスト高になるため、商業的な適用は進まなかった。これに代わる重量コンクリート用細骨材の材料として、高炉水砕スラグから分離された粒状銑鉄を用いることも提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、これらの重量コンクリート用細骨材は、十分なモルタルフローが得られない、あるいは骨材とセメントペーストの分離が起こる場合があるという問題があった。
このように、上記技術には、重量細骨材として多くの問題点があり、従って、重量細骨材を使用した重量モルタルであって、プレパックド工法に用いられる程度にまで流動性がよく、コスト的にも満足のいくものがなかった。そのため、カウンターウェイト製造に際してはプレパックド工法が使用できないため、締固め時の極めて大きな振動及び騒音の発生を防止することができなかった。
特開平5−319880号公報 特開平6−024813号公報 特開平2−172846号公報 特開2004−210574号公報 2002年制定 コンクリート標準示方書[施工編]、332頁 コンクリート技術の要点 '06、日本コンクリート工学協会、資料編、380頁(2006)
本発明は、モルタルとした時の流動性に優れ、適切な粒径と密度を備え、コスト的に有利な重量細骨材を開発し、その重量細骨材を含有する流動性の良い注入モルタルによって、建設機械のカウンターウェイトの製造にプレパックド工法が使用できるようにし、最終的に、カウンターウェイト製造時に使用する重量コンクリートを締め固める際に発生する振動を低減できるカウンターウェイトの製造方法を提供することにある。
本発明者は、重量細骨材として十分な密度を有するリサイクル材料を種々比較し、重量細骨材として最適な粒子形状及び粒度分布を鋭意研究した結果、特定の重量細骨材が上記課題を解決できることを見出した。そして、その重量細骨材を含有する注入モルタルを用いれば、カウンターウェイトの製造にプレパックド工法が使用できることを見出して本発明に至った。
すなわち、本発明は、粗骨材を予め充填しておき、該粗骨材の隙間にモルタルを注入するカウンターウェイトの製造方法であって、該モルタルに含有される重量細骨材が、主要構成成分としてFeO、Fe、金属鉄の少なくともひとつを含む骨材であって、全粒子のうち球状粒子が20%以上であり、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%ないし20%である重量細骨材であることを特徴とするカウンターウェイトの製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記重量細骨材が、「製鋼の圧延工程で発生するミルスケール」、「製鋼用転炉ダストのうち粒径50μmで篩い分けられた粗粒分」及び「高炉水砕スラグから分離された粒状銑鉄」からなる群より選択される少なくとも1種以上と、ホットスカーフとを混合して得られる上記のカウンターウェイトの製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記のカウンターウェイトの製造方法を用いて製造されたカウンターウェイトを提供するものである。
本発明のカウンターウェイトの製造方法によれば、それに用いられるモルタル中の重量細骨材が、コンクリートやモルタルの重量細骨材に求められる適切な粒度分布を備え、球状粒子を適度に含有するため、コンクリートやモルタルのフレッシュ性状に適度な流動性とワーカビリティーを与えることができる。また、かかる特定の重量細骨材を用いることによって、モルタル中の水の含有量を増やして粘度を下げても、骨材とセメントペーストの分離が起こり難い。
また、密度が4g/cm以上の重量細骨材として十分大きな密度を有するので、密度の高いカウンターウェイトを好適に製造することができ、かかる重量細骨材を含有する流動性の良い注入モルタルによって、カウンターウェイトの製造にプレパックド工法が使用できるようになる。また、特定の重量細骨材を用いることによって、プレパックド工法用の注入モルタルが満たすべき条件である、P漏斗による流下時間、ブリーディング率、膨張率等を容易にクリアーでき、重量コンクリートを用いるカウンターウェイトの製造にプレパックド工法が好適に使用できるようになる。
そして、プレパックド工法が使用できるようになることにより、カウンターウェイト製造時に発生する、重量コンクリートを締め固めるための振動をなくすか又は低減でき、また、モルタルが充填されていない空隙をなくすことができ、均一に充填されて全体として高密度のカウンターウェイトが製造できる。
更に、本発明に用いられる重量細骨材は、製鋼工程で発生するリサイクル材料を混合して得られるため、コスト的にも極めて有利であり、資源の枯渇が懸念される高価な天然資源である鉄鉱石骨材の代替として有効である。
以下、本発明のカウンターウェイトの製造方法について更に詳細に説明するが、本発明は以下の具体的態様には限定されず、技術的思想の範囲内で任意に変更できるものである。
本発明は、プレパックド工法を用いてカウンターウェイトを製造する方法であって、その際用いる注入モルタルに含有される重量細骨材が、「主要構成成分としてFeO、Fe、金属鉄の少なくともひとつを含む骨材であって、全粒子のうち球状粒子が20%以上であり、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%ないし20%である重量細骨材」であることを特徴とする。
本発明において、「重量細骨材」とは、表乾密度が4g/cm以上の細骨材をいい、「細骨材」とは、10mm網ふるいを全部通り、5mm網ふるいを85質量%以上通る骨材をいう。
本発明のカウンターウェイトの製造方法に用いられる重量細骨材は、主要構成成分として、FeO、Fe、金属鉄のうちの少なくともひとつを含む。「主要構成成分としてFeO、Fe、金属鉄の少なくともひとつを含む」とは、鉄をかかる酸化物又は金属の形で含むことをいい、重量細骨材中の鉄の含有量に関しては特に限定はないが、構成元素を蛍光X線分析により酸化物換算で求めたときのFeが65%以上であることが好ましい。構成元素を蛍光X線分析により酸化物換算で求めたときのFeが65%に満たないときは、骨材の表乾密度が4g/cm未満となる場合がある。より好ましくは、構成元素を蛍光X線分析により酸化物換算で求めたときのFeが75%以上であり、このときの重量細骨材の表乾密度は、4.5g/cm以上になる。従って、本発明のカウンターウェイトの製造方法に用いられる重量細骨材の表乾密度は、好ましくは4.5g/cm以上である。
重量細骨材は、セメントペーストとの密度差が大きいため、コンクリートやモルタルの打設時に骨材とペーストが分離し易い。従って、重量細骨材の形状により流動性が確保される必要がある。本発明のカウンターウェイトの製造方法におけるプレパックド工法に用いられる注入モルタルには、特に高い流動性が要求される。
本発明に用いられる重量細骨材は、全粒子のうち球状粒子(定義は後述する)が20%以上含まれるため流動性が高く、コンクリートやモルタルに用いたときにセメントペーストと分離することがない。球状粒子が20%に満たない場合には、プレパックド工法において、注入モルタルの注入時に骨材とセメントペーストが分離する場合がある。また、球状粒子が20%に満たない重量細骨材を含むモルタルでは流動性が悪いので、プレパックド工法において、粗骨材の間隙にモルタルが行き渡らない場合がある。また、行き渡るようにするには、振動を加えなければならなくなり、本発明の効果が得られない場合がある。
コンクリートやモルタルに用いる細骨材の最適粒度は、骨材の形状、表面粗滑度、配合等により変化するものである。例えば、砕砂のJIS規格(A 5005)では、表1のように粒度分布が規定され、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で2%ないし15%とされている。一方、電気炉酸化スラグ骨材のJIS規格(A 5011−4)では、その解説の中で、微粒分を多くした方が良好なフレッシュコンクリートの性状が得られることが示され、1.2mm電気炉酸化スラグ骨材では、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%ないし30%とされている。しかし、密度が4.5g/cm以上であり、全粒子のうち球状粒子が20%以上含まれる重量細骨材で、良好なフレッシュコンクリートの性状を得るための最適な粒度分布についての知見が公開されたことはない。
日本工業規格 JIS A 5005 :コンクリート用砕石及び砕砂
日本工業規格 JIS A 5011−4:コンクリート用スラグ骨材 第4部、電気炉酸化スラグ骨材
特許文献3には、重量コンクリート用の重量細骨材としてショットブラスト用スチール細粒を配合して用いることが示されているが、JASS5(日本建築学会 建築工事標準仕様書5 鉄筋コンクリート工事)に規定された粒度分布を満足するように調整されているだけで、コンクリートやモルタルの良好なフレッシュ性状を得るための重量細骨材の詳細な粒度分布についての検討はなされていない。
本発明者は、良好なモルタルフローを得るための重量細骨材の粒度分布を詳細に検討し、表1に示す最適粒度分布を見出した。すなわち、本発明のカウンターウェイトの製造法における重量細骨材は、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%ないし20%であることを特徴とする。呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%に満たないとき、あるいは20%を超えるときには、十分なモルタルフローが得られない、あるいは骨材とセメントペーストの分離が発生する場合がある。
Figure 0005313514
また、呼び寸法1.2mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で70%ないし90%であることが好ましい。呼び寸法1.2mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で70%に満たないとき、あるいは90%を超えるときには、十分なモルタルフローが得られない、あるいは骨材とセメントペーストの分離が発生する場合がある。更に、本発明のカウンターウェイトの製造法における重量細骨材は、製鋼過程で発生するリサイクル材を混合して得ることが好ましい。
連続鋳造スラブにより鋳造した鋼スラブは、鋳型への溶鋼注入流によって、鋼スラブの長手方向表層部に連続的にAl等の介在物が析出する。この鋼スラブの表層介在物を溶削除去する工程で発生するリサイクル材料のホットスカーフは、主要構成成分としてFeO、Fe、金属鉄を含み、構成元素を蛍光X線分析により酸化物換算で求めたときのFeが80%以上で、表乾密度は、4.8g/cm以上になる。また球状粒子が約70%を占め、しかも呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%ないし20%の範囲内である。従って、本発明における重量細骨材としては、ホットスカーフを含有するものが好ましく、本発明における重量細骨材としてホットスカーフをそのまま単独で用いることもできる。
しかし、本リサイクル材料(ホットスカーフ)の発生量はあまり多くはなく、他のリサイクル材料との混合使用がより好ましい。例えば、「製鋼用転炉ダストのうち50μmで篩い分けられた粗粉分」(以下、括弧内を「転炉ダスト粗粒分」と略記する)であれば、ホットスカーフ70に対し、転炉ダスト粗粒分30までの混合容積比ならば、混合することができる。それ以上に転炉ダスト粗粒分を混合すると、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で20%を超えるため、十分なモルタルフローが得られない場合がある。因みに、ここで、「容積」とは骨材粒子間の空隙部分の容積を含まない絶対容積であり、各材料の単位質量当たりの「容積」は、JIS A 1109で測定された表乾密度の逆数となる。混合容積比とは、モルタル若しくはコンクリート配合中の各細骨材の「容積」の内割り混合比である。
「高炉水砕スラグから粉砕過程で分離される粒状銑鉄」(以下、括弧内を「粒状銑鉄」と略記する)も、金属鉄が主成分で4.8g/cm以上の表乾密度を示すとともに、球形に近い形状の粒子が50%程度含まれ、ホットスカーフと好適に混合使用できるリサイクル材である。ホットスカーフ70に対し、粒状銑鉄30の容積比までならば、混合することができる。それ以上に粒状銑鉄を混合すると、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が、全粒子のうち質量百分率で10%に満たないため、十分なモルタルフローが得られない場合がある。
製鋼の圧延工程で発生するリサイクル材料のミルスケール(以下、括弧内を「ミルスケール」と略記する)も、主要構成成分として、FeO、Fe、金属鉄を含み、構成元素を蛍光X線分析により酸化物換算で求めたときのFeが80%以上で、表乾密度は、4.8g/cm以上になる。また、ホットスカーフよりも少し粗粒側にシフトし、砕砂JISに近い粒度分布を有しており、リサイクル材料としての発生量が比較的多い。従って、本発明における重量細骨材としては、ミルスケールを含有するものも好ましい。
しかし、ミルスケールの粒子形状は扁平なものが多いため、重量細骨材として利用した場合に、コンクリートやモルタルの流動性が低下し易く、過剰に単位水量や減水剤量を増やした場合には骨材とペーストが分離し易い場合がある。従って、ミルスケールをそのまま単独で重量細骨材として用いることは好ましくない場合がある。
本発明者は、ホットスカーフとミルスケールを種々の混合比で混合し、重量細骨材としての適正を検討した。その結果、ホットスカーフ30に対し、ミルスケール70の容積比まで混合できることを確認した。それ以上にミルスケールを混合すると、球状粒子の割合が20%を下回り、流動性が確保できず、十分なモルタルフローが得られない場合がある。更に、モルタルフローを得るために単位水量を増加した場合には、骨材とセメントペーストとの分離が生じる場合がある。
更に、ホットスカーフとミルスケールの混合容積比が40:60か、それよりもホットスカーフの割合が多い場合には、モルタルから空気が抜け易く、モルタルの単位容積質量が大きくできるので、より好ましい。すなわち、リサイクル材料としてのホットスカーフの発生量、モルタルの流動性、重量細骨材とセメントペーストとの分離のし難さ、モルタルの密度等の点から、容積比で、ホットスカーフ/ミルスケールの値として、100/0〜30/70が好ましく、90/10〜40/60がより好ましく、80/20〜50/50が特に好ましい。
ここで、本願発明における「球状粒子」について詳細に説明する。「球状粒子」とは、文字通り真球形に近い形状の粒子である。球状粒子の生成過程には、(1)固体が熱で液状に溶融した後、空中で冷え固まることにより、体積あたりの表面積が最小となる球形に近い形状となる場合、(2)非球形粒子が物理的な研磨により角を失い、球形に近い形状となる場合、(3)粉末又は溶解液から析出した微粒が核の周囲に結合し、球形に近い形状に成長する場合がある。(2)(3)の場合には、球形から非球形まで連続的な形状の粒子が生成するが、(1)の場合には、中間形状の粒子は生成しない。
ホットスカーフは前記の通り、鋼スラブの表層介在物を溶削除去する工程で発生するリサイクル材料であり、前記(1)の生成過程で球状粒子が生成する。転炉ダスト粗粒分及び粒状銑鉄にも球状粒子が含まれるが、その生成過程は前記(1)だけでなく、(2)の場合も含まれると考えられる。
本発明のカウンターウェイトの製造法における重量細骨材は、全粒子のうち「球状粒子」が20%以上であることが必須であるが、下記する歪凹凸度が3.3以下の「球状粒子」が、全粒子のうち20%以上であることが好ましい。
ここで、「歪凹凸度」は以下の式で定義される。
[歪凹凸度]
=[粒子輪郭の周の長さ]/[粒子輪郭が囲む面積と同じ面積の正円の直径]
すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)画像の目視によって、その陰影から円板状や半球状と判断できる粒子を除き、明らかに球形に近い粒子を画像処理して解析する。画像処理は、一般的な画像処理ソフト[例えばAdobe Photoshop(アドビシステムズ社(ADOBE SYSTEMS INCORPORATED)製 登録商標)]を用いて行えばよい。まず、球形に近い粒子の画像から陰影を消して輪郭のみの図形を作成し、該図形の面積と、輪郭の周の長さを求める。該図形を円に近似して(該図形と同面積の円を想定して)、その円の面積πrから半径rを求め、その2倍として直径を求める。直径に対する周の長さの比は、輪郭が正円に近いほど、すなわち粒子が球形に近いほど、小さくなり、円周率πに近い値になる。ちなみに、ホットスカーフに含まれる球状粒子では、歪凹凸度が3.2以下となる。
また、全粒子のうちの球状粒子の割合を求める場合、複数のSEM写真に写った全粒子の数と球状粒子の数を数えて平均を求めるが、粒子の粒径に関わらず球状粒子の割合は一定であると仮定し、一定粒径である50μm以上の粒子のみを対象として、その全粒子数とその球状粒子数を数える。球状粒子の割合における「%」は「個数%」を意味する。
一方、本発明のカウンターウェイトの製造法における重量細骨材は、「製鋼の圧延工程で発生するミルスケール」、「製鋼用転炉ダストのうち粒径50μmで篩い分けられた粗粒分」及び「高炉水砕スラグから分離された粒状銑鉄」からなる群より選択される少なくとも2種以上を混合しても得られる。前記ミルスケール、転炉ダスト粗粒分、及び粒状銑鉄は、何れも、鋼スラブ表面の溶削処理工程で発生するホットスカーフよりも発生量の多いリサイクル材である。
ミルスケールは製鋼の圧延工程で発生するリサイクル材であり、構成元素を蛍光X線分析により酸化物換算で求めたときのFeが80%以上で、表乾密度は4.8g/cm以上になる。しかも表2に示すように砕砂JISに近い粒度分布を有している。しかし、粒子形状は扁平なものが多いため、骨材として利用した場合にはコンクリートやモルタルの流動性が低下し易く、過剰に単位水量や減水剤量を増やした場合には骨材とペーストが分離し易い。従って、ミルスケールをそのまま単独で重量細骨材として用いることは好ましくない場合がある。
製鋼用転炉ダストの粗粒分は球状粒子を70%以上含むが、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で25%以上、呼び寸法0.3mmのふるいを通過する粒子が65%以上と、骨材としては粒度分布が細粒側に偏りすぎるため、粒子が凝集し易く、転炉ダスト粗粒分を単独で重量細骨材として用いた場合には十分なモルタルフローを得ることは困難である。
高炉水砕スラグから分離された粒状銑鉄も球状粒子を約50個数%含むが、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で5%以下、呼び寸法0.3mmのふるいを通過する粒子が20%以下である一方、呼び寸法1.2mmのふるいを通過する粒子が85%以上と、粒径が0.3mmから1.2mmの間に集中する偏った粒度分布を有する。そのため、粒状銑鉄を単独で重量細骨材として用いた場合には、重量細骨材とセメントペーストの分離が起こり易い場合がある。
以上のように、前記3種のリサイクル材は、何れも単独で重量細骨材として用いた場合には、十分なモルタルフローが得られないか、あるいは骨材とセメントペーストの分離が起こり易い。しかし、前記3種のリサイクル材のうち、少なくとも2種以上を適切な混合割合で混合することにより、骨材とセメントペーストの分離が起こらず、モルタルに十分な流動性とワーカビリティーを与えることができる重量細骨材が得られる。従って、このような重量細骨材を用いた流動性に優れるモルタル等は、特に高い流動性が要求されるプレパックド工法の注入モルタルとして特に好適である。
Figure 0005313514
本発明のカウンターウェイトの製造法における重量細骨材は、前記ミルスケール、転炉ダスト粗粒分及び粒状銑鉄の混合割合が、各々質量百分率で0〜70%、0〜50%、及び0〜60%であることが好ましく、20〜70%、20〜50%、及び0〜40%であることが特に好ましい。
ミルスケールの混合割合が70質量%を超えるとき、又は転炉ダスト粗粒分の混合割合が50%を超えるとき、該重量細骨材を用いたモルタルでは、十分なモルタルフローが得られず、モルタルに特に優れた流動性が要求されるプレパックド工法にとって好ましくない場合がある。粒状銑鉄の混合割合が60%を超えるとき、該重量細骨材を用いたモルタルでは、骨材とセメントペーストの分離が起こる場合がある。
ミルスケールの混合割合が20%に満たないとき、該重量細骨材を用いたモルタルでは、残りのリサイクル材の混合割合によっては、骨材とセメントペーストの分離が起こる場合、又は十分なモルタルフローが得られない場合がある。転炉ダスト粗粒分の混合割合が20%に満たないとき、又は粒状銑鉄の混合割合が40%を超えるとき、該重量細骨材を用いたモルタルでは、残りのリサイクル材の混合割合によっては、骨材とセメントペーストの分離が起こる場合がある。
本発明のカウンターウェイトの製造方法は、粗骨材を予め充填しておき、該粗骨材の隙間に、前記した特定の重量細骨材を含有する注入モルタルを注入するプレパックド工法によることを特徴とする。プレパックド工法は、水中工事、放射線遮蔽工事、逆打ちコンクリート工事等に用いられているが、本発明のカウンターウェイトの製造方法においても、かかる公知の手法を応用できる。
プレパックド工法に用いられる注入モルタルの性質としては、粗骨材の微細な空隙にまで注入モルタルが行き渡るように、P漏斗による流下時間が16〜20秒であること;粗骨材の間隙を流動中及び硬化するまでの時間材料分離が少ないように、試験開始後3時間におけるブリーディング率が3%以下であること;適度に膨張するため膨張率が5〜10%であること;注入が終わるまでは流動性を保持していること;乾燥収縮が小さいこと等があるが(非特許文献1参照)、本発明に用いられる前記した特定の重量細骨材を含有する注入モルタルは、かかる条件をすべてほぼ満足するので、プレパックド工法を用いてカウンターウェイトを問題なく製造することができる。本発明のカウンターウェイトの製造方法に用いられるモルタルとしては、上記条件を満足するものが好ましい。
本発明に用いられるセメントについては特に限定はなく、一般にプレパックド工法に用いられるものが使用できる。普通ポルトランドセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント等が好適に使用できる。流動性を良くするためにフライアッシュを使用することも好ましい。本発明に用いられる混和材についても特に限定はなく、公知の減水剤や消泡剤が用いられる。また、プレパックドコンクリート用混和剤として市販されているものも好適に使用できる。
本発明において、予め充填しておく粗骨材としては特に限定はなく、プレパックド工法に用いられるものが使用できる。「粗骨材」とは、5mmふるいで85質量%以上が留まる骨材をいうが、プレパックド工法に用いられる粗骨材は、最小寸法が15mm以上と規定されているので(非特許文献1参照)、そのようなものが好適に使用できる。
本発明のカウンターウェイトの製造法における粗骨材の材質としては特に限定はなく、従来の鉄鉱石を用いることもできるが、高価な天然資源の使用は、経済的にも、環境配慮の観点からも好ましくない場合がある。また、電気炉酸化スラグ粗骨材を用いることもできる。本発明では、産業的な利用が十分になされていない資源の活用を目的のひとつにしており、製鋼過程で発生するダストを含む資源を溶融して製造された人工石材を用いることが好ましい。特に、製鋼過程で発生するダストと、粉末状にした還元スラグとを混合して加熱溶融させ、冷却固化させて製造されるスラグは、溶融過程で遊離石灰や低沸点金属酸化物が除かれており、また重量粗骨材として十分な密度も有することから、本発明における粗骨材として好ましい。
本発明のカウンターウェイトの製造法における注入用重量モルタルは、高い密度を確保するため、単位水量を低くすることが好ましく、減水剤を添加することが好ましい。減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤;AE減水剤;高性能減水剤;高性能AE減水剤等を使用することができる。これらのうち、減水効果の大きな高性能AE減水剤を使用することが好ましい。また、高い密度を確保するために、特に、空気の持込みを抑える必要があるときは、消泡剤を添加することが望ましい。
骨材最大寸法および注入モルタルの単位水量、水セメント比(フライアッシュなどの混和材を用いる場合は水粉体比)は、用途に合わせて適宜選択できる。製缶製カウンターウェイトとして成型するので、P漏斗流下時間15〜30秒、3時間後のブリーディング率5%以内程度とすることで、高い充填性が得られる。本発明では、粗骨材の最大寸法は80〜20mmが好ましく、40〜20mmが特に好ましい。細骨材の最大寸法は5〜1.2mm程度が好ましく、1.2〜2.5mm程度が特に好ましい。注入モルタルの単位水量は250〜350kg/mが好ましく、270〜320kg/mが特に好ましい。水粉体比は0.45〜0.65が好ましく、0.50〜0.60が特に好ましい。
本発明のカウンターウェイトの製造法におけるプレパックド工法としては一般的なものが応用でき特に限定はないが、まずカウンターウェイト用の型枠を製造し、その内部に向けてモルタルの注入管や検査管を設置し、粗骨材を投入し、粗骨材の天端ならし作業をし、前記注入モルタルを注入して重量コンクリートを充填する。その際、重量コンクリートを締め固めるために振動を加えることもできるが、本発明の重量粗骨材を使用した注入モルタルでは、かかる振動を加えなくても、空隙なくカウンターウェイト用の型枠に注入できるので、作業の簡便化、安全化、騒音防止等の点から振動は加えないことが好ましい。
本発明のカウンターウェイトの製造法で製造されたカウンターウェイトの大きさ、形状、用途等に特に限定はなく、製缶製カウンターウェイトとして公知の大きさ、形状、用途等に用いられる。缶の大きさは特に限定はないが、通常、横が約1m〜約2m、縦が約0.2m〜約0.5m、高さが約0.5m〜約1.5mであり、このようなものに本発明は好適に適用できる。用途としては、例えば、ミニショベル、旋回型油圧ショベル、超小旋回形油圧ショベル等のショベル(図1参照);起重機(図2参照);フォークリフト等に使用される。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
表3に、実施例1、実施例2及び比較例のカウンターウェイトの製造方法に用いたモルタルの使用原料について示す。表4に、使用した重量細骨材の形状と粒度分布を示す。
Figure 0005313514
Figure 0005313514
実施例1
重量細骨材として、表乾密度4.96g/cmの「ホットスカーフとミルスケールの50/50(容積比)混合品」2538kg/mと、普通ポルトランドセメント(密度3.16g/cm)336kg/mと、フライアッシュII種(密度2.24g/cm)144kg/mと、混和剤としてポリカルボン酸系高性能AE減水剤(BASFポゾリス社製 レオビルドSP−8S)3.84kg/mと、消泡剤(BASFポゾリス社製 マイクロエア404)0.19kg/mと、水288kg/mとを適宜混合してモルタルを調製した。表5参照。
実施例2
重量細骨材、セメント、フライアッシュ、混和剤及び水の、種類と量を表5のように変更した以外は実施例1と同様にしてモルタルを調製した。
比較例
重量細骨材、セメント、フライアッシュ、混和剤及び水の、種類と量を表5のように変更した以外は実施例1と同様にしてモルタルを調製した。
Figure 0005313514
<試験方法と試験結果>
試験項目と試験方法を表6に示す。各試験によって、実施例1、実施例2及び比較例のモルタルの流動性と分離抵抗性を試験した結果を表7に示す。
Figure 0005313514
Figure 0005313514
(1)実施例1及び実施例2のモルタルは、本発明によってカウンターウェイトを製造するにあたり、P漏斗流下時間もブリーディング率も良好であった。
(2)実施例1及び実施例2の方が、比較例に比べて、同等の流動性を得るのに必要な単位水量が少なかった。すなわち、流動性が高かった。
(3)実施例2に示すように、転炉ダスト粗粒分を少量混入すると、特に材料分離は低減でき、ブリーディング率は小さくなった。
(4)比較例は、単位水量を増やすことによって流動性は確保できたが、材料分離し易く、ブリーディング率が大きくなった。すなわち、両立が困難であった。
(5)重量細骨材は、セメントペーストとの密度差が大きいために材料分離し易く、普通骨材を用いた場合の規準値3%よりもブリーディング率は大きい。そのため、一般の土木用途よりも、カウンターウェイト等のそれほど粗骨材とモルタルの高い付着(強度)が必要とされない用途には特に好適であることが分かった。
実施例3
(試験方法)
(1)表乾密度5.08g/cm、球状粒子約75%のホットスカーフと、表乾密度5.84g/cm、球状粒子約73%の転炉ダスト粗粒分を適宜混合し、表8に粒度分布を示す混合砂1〜4を調製した。(混合砂2の混合容積比;ホットスカーフ70:転炉ダスト粗粒分30)
(2)(1)で調製した混合砂に普通ポルトランドセメントを砂セメント容積比3.19で混合し、セメント547kg/mあたり、4.37kg/mのポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤と、0.22kg/mの消泡剤と、246kg/mの水(水セメント比45.0%)を加えて、混練りした。
(3)JIS R 5201セメントの物理試験方法のフローコーンを用い、直径100mm、高さ40mmのフローコーンに(2)で調製したモルタルを充填し、コーンを引き抜いて、モルタルフローを測定した。
(試験結果)
モルタルフローの測定結果を表8に示した。
Figure 0005313514
表8に示した結果より、混合砂1と2では、良好なモルタルフローが得られた。混合砂4では、粒径の小さな粒子が密に充填するため、混練も困難なほど硬く、モルタルの流動が見られなかった。混合砂3ではわずかながらモルタルフローが見られ、詳細は示さないが、水セメント比を50%に増加すれば、モルタルフローは130mmまで増加したが、骨材とセメントペーストとの分離が生じた。以上のように、重量細骨材の粒度分布を呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で20%以下となるように限定することにより、モルタルフローにおいて格段に顕著な効果が得られることが明らかになった。
実施例4
(試験方法)
(1)表乾密度5.08g/cm、球状粒子約75%のホットスカーフと、表乾密度5.60g/cm、球状粒子約54%の粒状銑鉄(高炉水砕スラグから粉砕過程で磁選分離したもの)を適宜混合し、表4に粒度分布を示す混合砂5〜10を調製した。(混合砂7の混合容積比;ホットスカーフ70:粒状銑鉄30)
(2)(1)で調製した混合砂に普通ポルトランドセメントを砂セメント容積比3.19で混合し、セメント547kg/mあたり、5.46kg/mのポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤と、0.22kg/mの消泡剤と、246kg/mの水(水セメント比45.0%)を加えて、混練りした。
(3)実施例3と同様に、モルタルフローを測定した。
(試験結果)
モルタルフローの測定結果を表9に示した。
Figure 0005313514
表9に示した結果より、混合砂5、6及び7では、良好なモルタルフローが得られた。これに比べ混合砂8、9及び10では、明らかにモルタルの流動性が低くなった。また、混合砂9及び10では若干、骨材とセメントペーストとの分離が生じた。以上のように、重量細骨材の粒度分布を呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%以上となるように限定することにより、モルタルフローにおいて格段に顕著な効果が得られることが明らかになった。
実施例5
(試験方法)
(1)表乾密度5.08g/cm、球状粒子約75%のホットスカーフと、表乾密度4.95g/cm、扁平な粒子で構成されるミルスケールを種々の容積比で混合し、混合砂11〜18を調製した。
(2)(1)で調製した混合砂に普通ポルトランドセメントを砂セメント容積比2.68で混合し、セメント584kg/mあたり、5.84kg/mのポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤と、0.23kg/mの消泡剤と、292kg/mの水(水セメント比50.0%)を加えて、混練りした。
(3)実施例3と同様に、モルタルフローを測定した。また、モルタルの単位容積質量を測定した。
(試験結果)
混合砂11〜18を用いたモルタルフローの測定結果を図3に、混合砂11〜18を用いたモルタルの単位容積質量を図4に示した。
ホットスカーフ(HS)とミルスケール(MS)の混合比率が、20:80ではほとんどモルタルフローが見られず、骨材とセメントペーストとの分離が見られた。30:70からホットスカーフの混合比率が高い場合には、良好なモルタルフローが得られた。このとき、球状粒子の比率は20%以上であった。
ホットスカーフとミルスケールの混合比率が、40:60からホットスカーフの混合比率が高い場合には、モルタルの単位容積質量が格段に高くなっており、より好ましいことが示された。このとき、球状粒子の比率は25%以上であった。
実施例6
(試験方法)
(1)表乾密度4.95g/cm、扁平な粒子で構成されるミルスケールと、表乾密度5.84g/cm、球状粒子約73%の転炉ダスト粗粒分(粗粒ダスト)と、表乾密度5.60g/cm、球状粒子約54%の粒状銑鉄(高炉水砕スラグから粉砕過程で磁選分離したもの)を各々質量百分率で30〜80%、0〜60%、及び0〜60%の割合で混合し、混合砂を調製した。
(2)(1)で調製した混合砂に普通ポルトランドセメントを砂セメント容積比2.68で混合し、セメント584kg/mあたり、5.84kg/mのポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤と、0.23kg/mの消泡剤と、292kg/mの水(水セメント比50.0%)を加えて、混練りした。
(3)実施例3と同様に、モルタルフローを測定した。
(試験結果)
モルタルフローの測定結果を表10に示した。モルタルフローの判定は、130mm以上で良好とした。
Figure 0005313514
実施例7
(試験方法)
(1)前記ミルスケールと、転炉ダスト粗粒分と、粒状銑鉄を各々質量百分率で0〜30%、10〜60%、及び10〜70%の割合で混合し、混合砂を調製した。
(2)(1)で調製した混合砂に普通ポルトランドセメントを砂セメント容積比3.19で混合し、セメント547kg/mあたり、5.46kg/mのポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤と、0.22kg/mの消泡剤と、246kg/mの水(水セメント比45.0%)を加えて、混練りした。
(3)実施例3と同様に、モルタルフローを測定した。
(試験結果)
モルタルフローの測定結果を表11に示した。モルタルフローの判定は、130mm以上で良好とした。
Figure 0005313514
一般に、水セメント比が高い場合には、モルタルの流動性が高くなるが、セメントペーストと骨材の分離が起こり易くなり、水セメント比が低い場合には、セメントペーストと骨材の分離は起こり難くなるが、モルタルの流動性が低くなる。一方、ミルスケールの混合割合が高いほど、流動性が低くなり、粒状銑鉄の混合割合が高いほど、セメントペーストと骨材の分離が起こり易くなる傾向が見られることから、実施例6では、ミルスケールの混合割合を30%以上で、水セメント比を50.0%とし、実施例7では、ミルスケールの混合割合を30%以下で、水セメント比を45.0%とした。
表10及び表11に示した結果より、本発明のカウンターウェイトの製造法における重量モルタルに用いる重量細骨材としては、ミルスケール、転炉ダスト粗粒分、及び粒状銑鉄の混合割合が、各々質量百分率で0〜70%、0〜50%、及び0〜60%であることが好ましく、特に20〜70%、20〜50%、及び0〜40%であることが好ましいことが明らかとなった。
なお、ミルスケール、転炉ダスト粗粒分、及び粒状銑鉄の混合割合が、各々質量百分率で0〜70%、0〜50%、及び0〜60%であるとき、該重量細骨材は主要構成成分としてFeO、Fe、金属鉄の少なくともひとつを含み、全粒子のうち球状粒子が20%以上であり、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%ないし20%であり、更に呼び寸法1.2mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で70%ないし90%の各要件を満たしていた。更には、表1に示す本発明のカウンターウェイトの製造法における重量細骨材の粒度分布を、全ての粒度範囲にわたって満たしていた。
<プレパックド工法によるカウンターウェイトの製造例と比較製造例>
カウンターウェイト用の型の内部に向けてモルタルの注入管と検査管を設置し、重量粗骨材を投入した。重量粗骨材としては、「製鋼過程で発生するダストと粉末状にした還元スラグとを混合して加熱溶融させ冷却固化させて製造された人工石材」を用いた。そこに、実施例1及び実施例2で調製されたモルタルを注入モルタルとして、振動を与えずに注入した。
前記実施例1及び実施例2で調製したモルタルは、プレパックド工法により、重量モルタルを、振動を与えずにカウンターウェイト用の型内の粗骨材の空隙にまで均一に注入でき、密度の高いカウンターウェイトが得られた。
一方、前記比較例で調製したモルタルは、ブリーディング率が大きく材料分離し易く使用できなかった。ここから水の量を減らしたが、流動性が小さくなってしまい、プレパックド工法により、振動を与えずにカウンターウェイト用の型内の粗骨材の空隙にまで均一に注入できなかった。
実施例3の混合砂1〜2、実施例4の混合砂5〜7、実施例5においてホットスカーフ(HS)とミルスケール(MS)の混合比率が30:70からホットスカーフの混合比率が高い重量細骨材、実施例6及び実施例7でモルタルフローが130mm以上の重量細骨材、を用いた重量モルタルは何れも、前記測定したその流動性、モルタルフローから鑑みるに、プレパックド工法により、注入モルタルとして、振動を与えずにカウンターウェイト用の型内の粗骨材の空隙にまで均一に注入でき、密度の高いカウンターウェイトが得られることは明らかである。
一方、実施例3の混合砂3〜4、実施例4の混合砂8〜10、実施例5においてホットスカーフ(HS)とミルスケール(MS)の混合比率が20:80からホットスカーフの混合比率が低い重量細骨材、実施例6及び実施例7でモルタルフローが130mm未満の重量細骨材、を用いた重量モルタルは何れも、前記測定したその流動性、モルタルフローから鑑みるに、プレパックド工法により、注入モルタルとして、振動を与えずにカウンターウェイト用の型内の粗骨材の空隙にまで均一に注入できず、密度の高いカウンターウェイトが得られないことは明らかである。
本発明のカウンターウェイトの製造法で製造されたカウンターウェイトは、空隙なくカウンターウェイト用の型枠に注入でき、作業の簡便化、安全化、騒音防止等に優れているため、得られたカウンターウェイトの利用分野、例えば、ショベル、クレーン、フォークリフト等の建設機械等の分野に広く利用されるものである。
ショベルのカウンターウェイトを示した図である。 起重機のカウンターウェイト(手前全面)を示した図である。 ホットスカーフ(HS)とミルスケール(MS)の混合比率とモルタルフローの関係を示した図である。(実施例5) ホットスカーフ(HS)とミルスケール(MS)の混合比率とモルタルの単位容積質量の関係を示した図である。(実施例5)

Claims (10)

  1. 粗骨材を予め充填しておき、該粗骨材の隙間にモルタルを注入するカウンターウェイトの製造方法であって、該モルタルに含有される重量細骨材が、主要構成成分としてFeO、Fe、金属鉄の少なくともひとつを含む骨材であって、全粒子のうち球状粒子が20%以上であり、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%ないし20%であり、製鋼過程で発生するリサイクル材を混合して得られる重量細骨材であって、呼び寸法1.2mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で70%ないし90%であることを特徴とするカウンターウェイトの製造方法。
  2. 上記重量細骨材が、鋼スラブ表面の溶削処理工程で発生するホットスカーフを含有するものである請求項1に記載のカウンターウェイトの製造方法。
  3. 上記重量細骨材が、製鋼の圧延工程で発生するミルスケール、製鋼用転炉ダストのうち粒径50μmで篩い分けられた粗粒分、及び高炉水砕スラグから分離された粒状銑鉄から選択される少なくとも1種以上とホットスカーフとを混合して得られる請求項に記載のカウンターウェイトの製造方法。
  4. 上記重量細骨材が、製鋼の圧延工程で発生するミルスケールを含有するものである請求項1ないし請求項の何れかの請求項に記載のカウンターウェイトの製造方法。
  5. 上記重量細骨材が、ホットスカーフとミルスケールとを混合容積比が100:0から30:70の範囲で混合して得られる請求項1ないし請求項の何れかの請求項に記載のカウンターウェイトの製造方法。
  6. 上記重量細骨材が、ホットスカーフと製鋼用転炉ダストのうち粒径50μmで篩い分けられた粗粒分とを混合容積比が100:0から70:30の範囲で混合して得られる請求項1ないし請求項の何れかの請求項に記載のカウンターウェイトの製造方法。
  7. 上記重量細骨材が、ホットスカーフと高炉水砕スラグから分離された粒状銑鉄とを混合容積比が100:0から70:30の範囲で混合して得られる請求項1ないし請求項の何れかの請求項に記載のカウンターウェイトの製造方法。
  8. 上記重量細骨材が、製鋼の圧延工程で発生するミルスケール、製鋼用転炉ダストのうち粒径50μmで篩い分けられた粗粒分、及び高炉水砕スラグから分離された粒状銑鉄から選択される少なくとも2種以上を混合して得られるものである請求項1に記載のカウンターウェイトの製造方法。
  9. 上記重量細骨材が、前記ミルスケール、転炉ダスト粗粒分、及び粒状銑鉄の混合割合が、各々質量百分率で20〜70%、20〜50%、及び0〜40%である請求項に記載のカウンターウェイトの製造方法。
  10. 上記粗骨材が、製鋼過程で発生するダストを含む資源を溶融して製造された人工石材を含む重量粗骨材である請求項1ないし請求項の何れかの請求項に記載のカウンターウェイトの製造方法。
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