JP3101129B2 - 重量コンクリートの製造方法 - Google Patents

重量コンクリートの製造方法

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JP3101129B2
JP3101129B2 JP05165920A JP16592093A JP3101129B2 JP 3101129 B2 JP3101129 B2 JP 3101129B2 JP 05165920 A JP05165920 A JP 05165920A JP 16592093 A JP16592093 A JP 16592093A JP 3101129 B2 JP3101129 B2 JP 3101129B2
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真之 沖本
武 小門
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は重量コンクリートの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】重量コンクリートとは、通常の骨材より
比重の大きい重量骨材を用いることにより、コンクリー
トの単位容積重量を大きくしたコンクリートであり、放
射線遮蔽用コンクリート、消波ブロック、護岸堤用コン
クリート、重量機械の基礎用コンクリート等として用い
られている。重量骨材としては、鉄等の人工重量骨材
や、より安価なものとして、磁鉄鉱、赤鉄鉱、砂鉄等の
天然産重量骨材が用いられている。重量コンクリートで
課題となるのが、材料分離であり、重量コンクリートの
比重を高めるため骨材に鉄鉱石等の高比重材料を用いる
と、相対的に低比重であるセメントペーストの中で、骨
材が、その粒径、比重に応じて沈降し、材料分離現象を
引き起こす。これに対し、特開昭63−239140号
公報には、有機ポリマーディスパージョンを所定量混入
することで、ワーカビリティーを損なうことなく単位水
量を削減し、ブリージングや材料分離を抑制する重量コ
ンクリートの配合が示されている。また、特開平1−3
01549号公報や特開平1−301551号公報に
は、粗骨材として酸化鉄鉱石、細骨材として砂鉄を用
い、混和剤として超微粒子のシリカヒュームを所定量混
入することで、材料分離を抑制しつつ、海水の化学作用
等に対する耐久性の向上を図った重量コンクリートの配
合が示されている。さらに、特開平1−301549号
公報には、粗骨材として酸化鉄鉱石、細骨材として砂鉄
を用い、超微粉水砕スラグを所定量混入することで、同
様の効果を期待した重量コンクリートの配合が示されて
いる。重量コンクリートの製造あるいは供給に関して
は、レディーミクストコンクリートとして、コンクリー
トプラントで製造されたものを現場に搬入するコンクリ
ートプラント混練方式が一般的である。また、予め施工
箇所に粒度調整した粗骨材を先詰めしておき、後からモ
ルタルを注入するプレパックドコンクリート方式があ
り、水中工事等に多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】コンクリートプラント
混練方式の場合、鉄鉱石等の重量骨材をコンクリートプ
ラントに持ち込むことになり、そのためのストックヤー
ドや貯槽が必要となる。また、鉄鉱石を用いる場合、鉄
鉱石の粉塵対策や、汚水処理対策が必要となる。また、
重量コンクリートの場合、重量骨材をミキサーに投入し
混練すると、ミキサーの損耗が大であり、電力費もかか
る。さらに、コンクリート打設時に材料分離が起きやす
く、不均質なコンクリートとなりやすいといった問題が
ある。一方、プレパックドコンクリート方式は水中工事
等においては利点が大きいが、通常の重量コンクリート
の施工においては、必ずしも高品質のコンクリートが得
難い。また、先詰めした鉄鉱石等の重量骨材中にモルタ
ルが侵入し難く、管理が面倒である。さらに、通常、下
部からモルタルを充填するため、設備や作業が複雑とな
る。本発明は、重量コンクリート材料特性を利用するこ
とで、上述のような従来の技術における課題を解決し、
特別な設備や作業を必要とすることなく、容易に高品質
の製品が得られる重量コンクリートの製造方法を提供す
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の重量コンクリー
トの製造方法は、鉄鉱石等の重量骨材3とモルタルの比
重差を利用して重量骨材3をモルタル2中に沈降させ、
固化により重量コンクリートとするものであり、型枠内
に予め流動性を有するモルタルを注入した後、重量骨材
を型枠内に投入する。モルタルの水セメント比は50%
以下とするのが好ましい。その理由は、モルタル自体の
材料分離抵抗性を向上させるためと、重量コンクリート
における高比重の骨材の特性を活かすためである。重量
骨材を構成する粗骨材としては、比重3.5以上、粒径
5〜60mm、最大最小粒径差20mm以下、空隙率35%
以上のものが好ましい。このような重量骨材としては、
通常、鉄鉱石を用い、粒径5〜60mm、最大最小粒径差
20mm以下に粒度調整した単粒度鉄鉱石等が適する。鉄
鉱石を用いる場合、その粒度分布を調節して空隙率を変
えることで、同一の鉄鉱石で重量コンクリートの比重を
容易に変化させることができる。また、比重の異なる鉄
鉱石の混合投入も可能である。なお、重量骨材は、必ず
しも鉄鉱石に限定する必要はなく、鉄等の人工重量骨材
を用いる場合もあり得る。モルタルに関し、本発明では
重量骨材とモルタルの比重差を利用して重量骨材をモル
タル中に沈降させるため、フロー値70cm以上の流動性
を有するモルタルを用いるのが望ましい。なお、ここで
いうフロー値は、スランプ試験で用いられるスランプコ
ーンにモルタルを詰め、平板上でスランプコーンを引き
上げたときの水平方向の広がりを測定したものである
(単位はcm)。水セメント比を50%以下としつつ、フ
ロー値70cm以上の流動性を確保するには、例えば配合
設計において混和剤として減水剤、高性能減水剤や流動
化剤を加えたり、あるいは混和材として粒度調整を施し
た高炉スラグ微粉末やフライアッシュ等を加える方法等
がある。なお、フロー値70cm以上、水セメント比50
%以下のモルタルは骨材として天然砂を用いる限り、そ
の比重は2.5程度以下になり、その粘性も極めて小さ
なものとなる。このモルタルに比重3.5以上、粒径5
mm以上、空隙率35%以上の重量骨材を上部より投入す
ると、モルタルとの比重差が1以上あり、重力沈降し、
かつ粒径5mm以上の骨材は単粒度であるため沈降速度に
差がなくなり、均質な重量コンクリートを形成すること
ができる。さらに、この時、型枠バイブレーター等を用
いて振動締め固めを行うことで、重量骨材の均一な分散
をさらに確実なものとすることができる。なお、粗骨材
としての重量骨材の比重が3.5以下、粒径5mm(90
%通過率)以下だと、自重沈降速度が小さく、均質な重
量コンクリートが形成され難い。
【0005】
【実施例】図1〜図5は本発明の重量コンクリート製造
方法を、重量コンクリートブロックの製造に適用した場
合の一実施例を示したものであり、以下の手順で作業を
行う。
【0006】(1) 型枠組立て(図1参照) 型枠1はモルタルが漏れ出さない水密型枠が好ましく、
メタルフォーム等、重量骨材3の投入に耐え得る強度の
型枠を組み立てる。
【0007】(2) モルタル注入(図2参照) 重量骨材3が沈降しやすい所定の比重と流動性を持った
モルタル2を配合設計し、型枠1に注入する。なお、モ
ルタル2の凝結時間が長くなるように、混和剤として遅
延剤を混入することが望ましい。
【0008】(3) モルタル注入完了(図3参照) 重量骨材3の投入に先立って、計算や実験で得られた必
要量のモルタル2を型枠1内に注入する。
【0009】(4) 重量骨材投入(図4参照) 時間を置かずに、直ちに重量骨材(粗骨材)3としての
鉄鉱石を投入する。モルタル2および重量骨材3を本発
明所定の範囲に納まるように配合設計することで、投入
した重量骨材3がモルタル2中に沈降して行き、均一に
分散される。この時、振動締め固めを併用することで、
その効果を増すことができる。なお、重量骨材3の粒度
が不均一だと粗いものが早く沈降し、下部に偏在しやす
くなる。
【0010】(5) 重量骨材投入完了(図5参照) 重量骨材3としての鉄鉱石の投入が完了したら、上部よ
り仕上げ押えを行い、最後に不足したモルタルを型枠1
上部に追加注入する。所要の養生を行った後、脱型し、
コンクリートブロック4として搬出する。
【0011】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、鉄鉱石等の
重量骨材3をコンクリートプラントに持ち込まずに、コ
ンクリートプラントからはモルタルだけを現地に供給
し、その中に重量骨材3を投入するだけで、容易に重量
コンクリートを製造することができる。また、本発明の
製造方法では、特別な設備や作業が不要であり、容易に
均質で高品質の重量コンクリートを製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】箱形の型枠を示す縦断側面図である。
【図2】箱形の型枠内にモルタルを注入している状態を
示す縦断側面図である。
【図3】箱形の型枠内にモルタルの注入を終了した状態
を示す縦断側面図である。
【図4】モルタルを注入した型枠内に重量骨材を供給し
ている状態を示す縦断側面図である。
【図5】形枠内に所定量のモルタルおよび重量骨材を供
給した状態を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 型枠 2 モルタル 3 重量骨材 4 重量コンクリートブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 14:02) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 1/14 B28B 1/08 B28B 13/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型枠1内に予め流動性を有するモルタル
    2を注入した後、重量骨材3を前記型枠1内に投入し、
    前記モルタル2中に沈降させてコンクリートを形成させ
    る、重量骨材を用いた重量コンクリートの製造方法であ
    って、前記モルタルは水セメント比50%以下で、かつ
    フロー値70cm以上の流動性を有するモルタルであ
    り、前記重量骨材は比重3.5以上、粒径5〜60m
    m、最大最小粒径差20mm以下、空隙率35%以上の
    粗骨材を用いることを特徴とする重量コンクリートの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記重量骨材の投入後、振動締め固めを
    行う請求項1に記載の重量コンクリートの製造方法。
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