JP2001080886A

JP2001080886A - バランスウエイト

Info

Publication number: JP2001080886A
Application number: JP25591099A
Authority: JP
Inventors: Bunshiro Narisawa; 文四郎成澤; Amer Rafiiku Buda Muhammad; モハメッド・アーメル・ラフィーク・ブッタ
Original assignee: Maeta Concrete Industry Ltd
Current assignee: Maeta Concrete Industry Ltd
Priority date: 1999-09-09
Filing date: 1999-09-09
Publication date: 2001-03-27

Abstract

(57)【要約】【課題】複雑な形状を有するものであっても低コスト
で製造でき、強度、耐衝撃性、耐候性等に優れたバラン
スウエイトの提供。【解決手段】鉄塊、鉄屑、鋳物屑、スチールチップ、鉱
石類などの金属片類を樹脂で固結した樹脂コンクリート
からなる産業機械のバランスウエイト。金属片類と樹脂
の混合物を型枠に充填し、固結後、型枠を取り外すこと
により製造することができる。金属片類と共に、砂ない
し砂利からなる骨材、および/または無機充填材を含有
してもよく、また表面に保護層を設けることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、各種建設機械、お
よびクレーン、ホークリフト、シャベルローダ等の作業
車両等あるいは土木工事用機械や車輌、農業用機械や車
輌（以下、これらを総称して産業機械と云う）に用いら
れるバランスウエイトに関する。更に詳しく言えば、複
雑な形状を有するものであっても低コストで製造でき、
強度、耐衝撃性、耐候性等に優れたバランスウエイトに
関するものである。

【０００２】

【従来技術】クレーンや油圧ショベルなどの建設機械、
クレーン車などの作業車両には、作業時の機体の安定を
図るため、旋回体の後部にバランスウエイトを装着し、
フロント部の作業アタッチメントに負荷がかかったとき
も、機体が動揺せずに安定した状態で作業ができるよう
にしている。このようなバランスウエイトは鋳鉄にて製
造されていたが、鋳鉄製のものは高コストであるため、
最近ではコストダウンの目的から、鋼板製の筐体に鉄
屑、鉄鉱石などの重量部材とコンクリート材を混ぜて注
入し、固結させたものが用いられている。

【０００３】

【発明の解決課題】しかし、従来のこのような鋼板製筐
体を用いて形成したバランスウエイトは筺体の製造に手
間がかかると云う問題がある。すなわち、通常、筺体は
板金を溶接して形成するため、板金の形取りや切断およ
び溶接の各作業が必要であり、しかも、その形状は産業
機械等のバランスウエイト装着部の形状に合わせる必要
があるため、特に図１に示すように、丸み、曲げ、段差
などの多い複雑な形状のものは、筐体の作製作業は著し
く面倒となりコスト高につながっていた。

【０００４】本発明は、バランスウエイトについて従来
の上記問題を解決したものであり、複雑な形状を有する
ものであっても低コストで製造でき、しかも耐衝撃性、
耐候性に優れたバランスウエイトを提供するものであ
る。

【０００５】

【課題を解決する手段】すなわち、本発明は、（１）金
属片類を樹脂で固結した樹脂コンクリートからなるバラ
ンスウエイトに関する。本発明のバランスウエイトは以
下の態様を含む。（２）金属片類と樹脂の混合物を型枠に充填し、固結
後、型枠を取り外した樹脂コンクリートからなる上記
(1)のバランスウエイト。（３）金属片類が、鉄塊、鉄屑、鋳物屑、スチールチッ
プ、または鉱石類である上記(1)または(2)のバランスウ
エイト。（４）金属片類と共に、砂ないし砂利からなる骨材、お
よび/または無機充填材を含有する上記(1)，(2)または
(3)のバランスウエイト。（５）表面に保護層を有する上記(1)〜(4)のいずれかに
記載するバランスウエイト。

【０００６】

【発明の実施態様】以下、本発明を実施態様に即して具
体的に説明する。本発明のバランスウエイトは、金属片
類を樹脂で固結した樹脂コンクリートからなるものであ
る。金属片類を固結する樹脂はその一部をセメントで置
換したものでもよい。すなわち、本発明のバランスウエ
イトを構成する樹脂コンクリートは、結合材の全てに樹
脂を用いたポリマーコンクリート、結合材として樹脂と
セメントを併用するポリマーセメントコンクリートのい
ずれでもよい。なお、本発明においてコンクリートは粗
骨材を用いないモルタルをも含む。

【０００７】本発明において用いる樹脂は一般の樹脂コ
ンクリートに用いられるものであればよい。例えば、不
飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル
樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂などの熱硬化性樹脂、
メタクリル酸メチル樹脂、グリセロールメタクリル酸メ
チル−スチレン樹脂などのメタクリレート樹脂などが挙
げられる。

【０００８】本発明において金属片類とは、バランスウ
エイトの重量成分として使用されるものである。その形
状は塊状、棒状、球状、平板状、粒状、チップなど多様
な形状を有するものでもよく、特に制限されない。ま
た。その大きさもコンクリートの粗骨材あるいは細骨材
として用いる程度のものであればよい。具体的な金属片
類としては、例えば、鉄塊、鉄屑、鋳物屑、スチールチ
ップ、鉱石類などが挙げられる。また、特に鉄類に限ら
ず、鉛、銅、亜鉛等の比重の大きな材料であれば何でも
使用可能である。

【０００９】金属片類の量及び種類は、得られる樹脂コ
ンクリートの強度や所望するバランスウエイトの比重な
どによって適宜決定すればよい。具体的には、一般に用
いられるバランスウエイトの比重、例えば、比重４.５
以上とするには、通常、金属片類の配合量は樹脂コンク
リート中５０重量％以上が好ましく、７０重量％以上が
さらに好ましい。金属片類の量が少ないとバランスウエ
イトとしての十分な比重や強度が得られない。

【００１０】その他、本発明のバランスウエイトは、上
記金属片類と共に骨材や無機充填材を含有することがで
きる。骨材としては、けい砂、砂利、砕石など、樹脂コ
ンクリートの分野で通常使用されているものが制限なく
使用できる。また、無機充填材としては、アルミナ、ア
スベスト、カーボンブラック、ガラス粉(Ａガラス)、ク
レー、グラファイト、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、
シラス、スレート粉、ゼオライト、タルク、チタン酸カ
リウム、ホワイトカーボン、マイカ、マグネシア、ワラ
ストナイト、亜鉛華、合成ケイ酸塩、酸化アンチモン、
酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、
水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、無定形シリカ、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど
を用いることができる。

【００１１】一般に、樹脂コンクリートは硬化剤によっ
て樹脂を固化させるが、本発明の樹脂コンクリートには
通常の樹脂硬化剤を用いることができる。硬化剤とし
て、例えば、有機過酸化物などのラジカル重合開始剤、
イオン重合開始剤、放射線照射などが用いられる。また
本発明の樹脂コンクリートには、必要に応じて、硬化促
進剤、収縮低減剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を適宜
配合することができる。

【００１２】本発明のバランスウエイトは、金属片類と
樹脂成分、及び所望により骨材や硬化剤等を配合してな
る樹脂コンクリート組成物を所望の形状の成形型枠に流
し込み、必要に応じてバイブレーターを用いて充填した
後、固結させ、前記型枠を取り外すことにより製造され
る。この成型用の型枠は成形後に取り外すので、従来の
ような鋼製の筺体である必要はなく、従って、板金の形
取りや切断、溶接などの作業を必要とない。また、型枠
の材料も木枠等を用いることができるので、製作が容易
であり、かつ繰り返し使用できるので経済性に優れる。

【００１３】本発明のバランスウエイトには表面に保護
層を設けることができる。バランスウエイトを上記方法
により製造すると金属片類が表面に露出することがある
が、表面に保護層を設けることにより発錆などによる耐
久性の低下を防止すると共に外観を整えることができ
る。保護層材料としては防錆用樹脂塗料、着色塗料等を
用いることができる。

【００１４】

【発明の効果】本発明のバランスウエイトは金属片類を
樹脂で固結した樹脂コンクリートからなり、強度、耐衝
撃性、耐候性等に優れるため、従来のセメントコンクリ
ートを用いたバランスウエイトのように鋼板製の筐体を
必要としない。また、複雑形状にも容易に対応できるの
で、このような場合には従来の鋼製筺体を用いたものよ
りも安価に製造できる。また、成形型枠は繰り返し使用
することができるという利点もあり、しかも樹脂コンク
リートは硬化速度が速いため、生産効率に優れる。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に示す。
なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。

【００１６】実施例１メタクリレート系樹脂５.４重量部、スチールチップ７
５重量部、ケイ砂１２重量部を主成分として、規格(JIS
A1181)に従って樹脂モルタルとし、バランスウエイト
を製造した。この樹脂モルタルについて、比重、圧縮強
度、引張強度、曲げ強度を測定した。結果を表１に示
す。なお、圧縮強度はφ10cm×20cmの試料を用いてJIS
A1182の方法により測定し、引張強度は6cm×6cm×24cm
の試料を用いてJIS A1185の方法により測定し、曲げ強
度はφ10cm×20cmの試料を用いてJISA1184の方法により
測定した。次に、得られた樹脂モルタル(φ10cm×20cm)
について凍結融解試験を行ない、試験サイクル毎の相対
動弾性係数を求めた。結果を表２に示す。また、樹脂モ
ルタル(φ5cm×10cm)について、２５℃及び１５０℃で
の圧縮強度を同様にして測定した。結果を表３に示す。

【００１７】実施例２〜３、比較例樹脂成分として不飽和ポリエステル系樹脂４.７重量部
を用い、実施例１と同様にして樹脂モルタルを製造し、
物性を測定した。結果を表１〜３に示す(実施例２)。ま
た、樹脂成分としてビニルエステル系樹脂７.０重量部
を用い、実施例１と同様にして樹脂モルタルを製造し、
物性を測定した。結果を表１〜３に示す(実施例３)。セ
メントを用い普通コンクリートを製造し、同様に圧縮強
度、引張強度、曲げ強度、衝撃強度を測定した(比較
例)。結果を表１に併せて示す。

【００１８】

【表１】

【００１９】

【表２】

【００２０】

【表３】

【００２１】以上の結果より明らかなように、本発明の
バランスウエイトに用いる樹脂コンクリートは通常のセ
メントコンクリートに比べて強度（表１）、耐候性（表
２）に優れていることがわかる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のバランスウエイトの一例を示す斜視
図。

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１２年９月２７日（２０００．９．２
７）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００６

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００６】

【課題を解決する手段】すなわち、本発明は以下の構成
からなるバランスウエイトに関する。（１）金属片類を樹脂で固結した樹脂コンクリートから
なり、筺体を有さないことを特徴とするバランスウエイ
ト。（２）金属片類と樹脂の混合物を型枠に充填し、固結
後、型枠を取り外した樹脂コンクリートからなる上記
(1)に記載するバランスウエイト。（３）表面に保護層を有する上記(1)または(2)に記載す
るバランスウエイト。（４）金属片類が、鉄塊、鉄屑、鋳物屑、スチールチッ
プ、または鉱石類である上記(1)〜(3)のいずれかに記載
するバランスウエイト。（５）金属片類と共に、砂ないし砂利からなる骨材、お
よび/または無機充填材を含有する上記(1)〜(4)の何れ
かに記載するバランスウエイト。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｃ０４Ｂ 26/18 Ｃ０４Ｂ 26/18 ＤＥ０２Ｆ 9/18 Ｅ０２Ｆ 9/18 Ｆターム(参考） 2D015 FA01 3F205 AA06 AA20 GA01 KA10 3F333 AA02 AB13 AE02 CA08

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】金属片類を樹脂で固結した樹脂コンクリ
ートからなるバランスウエイト。
【請求項２】金属片類と樹脂の混合物を型枠に充填
し、固結後、型枠を取り外した樹脂コンクリートからな
る請求項１のバランスウエイト。
【請求項３】金属片類が、鉄塊、鉄屑、鋳物屑、スチ
ールチップ、または鉱石類である請求項１または２のバ
ランスウエイト。
【請求項４】金属片類と共に、砂ないし砂利からなる
骨材、および/または無機充填材を含有する請求項１,２
または３のバランスウエイト。
【請求項５】表面に保護層を有する請求項１〜４のい
ずれかに記載するバランスウエイト。