JP2009179514A - 重量骨材を含む機械基礎 - Google Patents
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Abstract
【課題】
従来の機械基礎に用いる重量コンクリートは、十分な流動性が得られず、骨材とセメントペーストの分離が発生しやすかった。機械基礎としての振動抑制の観点から必ずしも満足できるものではなかった。そこで、より少ない水分量で十分な流動性を有する重量コンクリートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
主要構成成分としてFeO、Fe2O3、金属鉄の少なくともひとつを含む骨材であって、全粒子のうち球状の粒子が20%以上であり、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%ないし20%であることを特徴とする重量骨材を含む機械基礎、を提供する。
【選択図】 図1
従来の機械基礎に用いる重量コンクリートは、十分な流動性が得られず、骨材とセメントペーストの分離が発生しやすかった。機械基礎としての振動抑制の観点から必ずしも満足できるものではなかった。そこで、より少ない水分量で十分な流動性を有する重量コンクリートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
主要構成成分としてFeO、Fe2O3、金属鉄の少なくともひとつを含む骨材であって、全粒子のうち球状の粒子が20%以上であり、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%ないし20%であることを特徴とする重量骨材を含む機械基礎、を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、重量コンクリート、重量モルタルを用いた機械基礎に関する。例えば工場などにおいて半導体製造装置や精密工作機械などの精密駆動装置を据え付けるためにコンクリート床上に設けられる機械基礎に関するものである。
重量コンクリートとは、通常より単位容積重量を大きくしたコンクリートであり、消波ブロック、護岸堤用コンクリート、放射線遮断壁、橋梁ウェイト等に用いられている。重量コンクリートに用いる重量骨材としては、磁鉄鉱や赤鉄鉱などの鉄鉱石が多く用いられてきたが、重量骨材として良質なものの入手が困難になってきており、高価な天然資源の使用は、経済的にも、環境配慮の観点からも好ましくない。鉄鉱石骨材に代わるものとして、電気炉酸化スラグ等の鉄含有量の多いスラグも用いられるが、密度が4g/cm3未満のものが多く、重量骨材として十分な密度のものの入手は困難である。他には、製鋼用転炉ダストにセメントを配合する重量コンクリートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、重量骨材として鉄鉱石を用いた場合にも、製鋼用転炉ダストの粗粒分などの代替物を用いた場合にも、重量骨材とセメントペーストとに大きな比重差があるため、分離が起こりやすいという課題があった。
従来から、重量骨材とセメントペーストの分離を抑制するため、重量コンクリートにメチルセルロースなどの増粘剤の添加が行われている(例えば、特許文献2参照)。しかし、増粘剤の添加はセメントの水和反応を遅延させるため、大量に添加することは好ましくない。そのため、メチルセルロースなどの増粘剤の添加を必要とせず、重量骨材とセメントペーストの分離が少なく、流動性が高くて施工性の良い重量コンクリートが望まれていた。
一方、半導体製造工場などで設置される製造装置や精密工作機械などの精密駆動装置の機械基礎は、機器据え付けについては厳密な精度が要求される。また、装置の駆動に伴い大きな振動が発生するため、防振上必要な重量が要求される。このような機械基礎としては、従来、特開昭61−294295号公報に記載されたものが知られている。この機械基礎はプレハブ架台と、アンカーボルトとからなる組立体をコンクリート床上に配置し、前記架台の回りに型枠を取り付け、該型枠内にモルタルを流して打設したものである。
半導体製造装置や精密工作機械などの精密駆動装置は、近年生産性を向上させるため大型化が進み、その重量も大きくなっている。そのため、装置の駆動に伴い発生する振動も大きくなっている。そこで、こうした機械の基礎として、より高密度なコンクリートによる振動抑制が望まれている。
しかしながら、従来の型枠内にコンクリートを打設したものは密度が低く、振動を抑制する効果は少なかった。そこで、近年は重量コンクリートを基礎として用いることが多くなっている。しかし、従来の重量コンクリートは十分な流動性が得られないため、流動性を確保するため添加する水分量が多くなっていた。こうした水分量の多いコンクリートでは十分な高密度のものが得られないほか、材料分離の発生によって一様なコンクリートが得られず、機械基礎としての振動抑制の観点から必ずしも満足できるものではなかった。そこで、より少ない水分量で十分な流動性を有する重量コンクリートで機械の基礎を作製することが望まれていた。
しかしながら、従来の型枠内にコンクリートを打設したものは密度が低く、振動を抑制する効果は少なかった。そこで、近年は重量コンクリートを基礎として用いることが多くなっている。しかし、従来の重量コンクリートは十分な流動性が得られないため、流動性を確保するため添加する水分量が多くなっていた。こうした水分量の多いコンクリートでは十分な高密度のものが得られないほか、材料分離の発生によって一様なコンクリートが得られず、機械基礎としての振動抑制の観点から必ずしも満足できるものではなかった。そこで、より少ない水分量で十分な流動性を有する重量コンクリートで機械の基礎を作製することが望まれていた。
主要構成成分としてFeO、Fe2O3、金属鉄の少なくともひとつを含む骨材であって、全粒子のうち球状の粒子が20%以上であり、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%ないし20%であることを特徴とする重量骨材を含む機械基礎、を提供する。
更に、製鋼過程で発生するリサイクル材を混合して得られる重量骨材であって、呼び寸法1.2mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で70%ないし90%であることを特徴とする重量骨材を含む機械基礎、を提供する。
また、本発明の機械基礎は、鋼スラブ表面の溶削処理工程で発生するリサイクル材料のホットスカーフを含み、製鋼の圧延工程で発生するミルスケール、製鋼用転炉ダストのうち粒径50μmで篩い分けられた粗粒分、及び高炉水砕スラグから分離された粒状銑鉄から選択される少なくとも1種以上とホットスカーフとを混合して得られる重量骨材を含む機械基礎であることも特徴とする。
また、ホットスカーフと、製鋼の圧延工程で発生するリサイクル材料のミルスケールとを混合容積比が100:0から30:70の範囲で混合して得られること、ホットスカーフと製鋼用転炉ダストのうち粒径50μmで篩い分けられた粗粒分とを混合容積比が100:0から70:30の範囲で混合して得られること、ホットスカーフと高炉水砕スラグから分離された粒状銑鉄とを混合容積比が100:0から70:30の範囲で混合して得られる重量骨材を含む機械基礎であることも特徴とする。
また、本発明の重量骨材を含む機械基礎は、製鋼の圧延工程で発生するミルスケール、製鋼用転炉ダストのうち粒径50μmで篩い分けられた粗粒分、及び高炉水砕スラグから分離された粒状銑鉄から選択される少なくとも2種以上を混合して得られることも特徴とし、また、前記ミルスケール、転炉ダスト粗粒分、及び粒状銑鉄の混合割合が、各々質量百分率で20〜70%、20〜50%、及び0〜40%であることも特徴とする重量骨材を含む機械基礎である。
さらに、重量粗骨材が、製鋼過程で発生するダストを含む廃棄物を溶融して製造された人工石材を含むことも特徴とする機械基礎である。
本発明の重量コンクリートを用いた機械基礎は、重量骨材が、コンクリートやモルタルの細骨材に求められる適切な粒度分布を備え、球状粒子を適度に含有するため、コンクリートやモルタルのフレッシュ性状に適度な流動性とワーカビリティーを与えることができる。そのため、より少ない水分量で十分な流動性を有する重量コンクリートで機械の基礎を作製することができ、従来よりも密度の高い機械基礎を得られる効果を有する。
以下、本発明の重量骨材を含む機械基礎についてさらに詳細に説明する。本発明において重量コンクリートとは、特に言及しない場合は、粗骨材を含まない重量モルタルを含む広い概念で使用する。本発明において重量骨材とは、表乾密度が4g/cm3以上の骨材を指す。
本発明の機械基礎に用いる重量コンクリートは、重量細骨材として、鋼スラブ表面の溶削処理工程で発生するホットスカーフを含むことを特徴とする。ホットスカーフは、連続鋳造スラブにより鋼スラブを鋳造する際、鋳型への溶鋼注入流によって、鋼スラブの長手方向表層部に連続的に析出するAl等の介在物を溶削除去する工程で発生するリサイクル材料であり、酸化鉄を主要構成成分とするため、重量骨材として使用するのに十分な4.8g/cm3以上の表乾密度を有する。また、溶削工程で一旦液状に溶融した後、空中で冷え固まることにより、体積あたりの表面積が最小となる球形に近い形状の粒子またはその破砕物や凝集物で構成され、球状粒子が70%以上を占めている。さらには、粒度分布に偏りがなく、ホットスカーフを重量細骨材として用いることにより、材料分離を抑えながら高い流動性のある重量コンクリートが得られ、機械基礎に好適に用いることができる。
しかし、本発明の機械基礎に用いる骨材のホットスカーフはリサイクル材としての発生量が多くないので、他のリサイクル材等と混合して用いることが好ましい。ホットスカーフと混合して用いる材としては、製鋼用転炉ダストを50μmふるいで分離した粗粒分や高炉水砕スラグから粉砕過程で分離される粒状銑鉄、製鋼の圧延工程で発生するミルスケールなどの製鋼リサイクル材が高い表乾密度を有するので好ましいが、電気炉酸化スラグや砕砂などの表乾密度が4g/cm3以下の材であってもよい。ただし、混合した後の細骨材が、以下の条件を満たすときに、材料分離を抑えながら高い流動性のある重量コンクリートが得られる。すなわち、細骨材のうち呼び寸法0.15mmのふるいを通過する細骨材が質量百分率で10%ないし20%であって、球状粒子が粒径50μm以上5mm以下の全粒子のうち20%以上であることが望ましい。
本発明の機械基礎に用いる重量粗骨材としては、従来の鉄鉱石を用いることもできるが、高価な天然資源の使用は、経済的にも、環境配慮の観点からも好ましくない。また、電気炉酸化スラグ粗骨材を用いることもできる。本発明では、産業的な利用が十分になされていない資源の活用を目的のひとつにしており、製鋼過程で発生するダストを含む廃棄物を溶融して製造された人工石材を用いることが好ましい。特に、製鋼過程で発生するダストと、粉末状にした還元スラグとを混合して加熱溶融させ、冷却固化させて製造される人工石材は、溶融過程で遊離石灰や低沸点金属酸化物が除かれており、また重量粗骨材として十分な密度も有することから、本発明の粗骨材として有効である。
また、本発明の機械基礎に使用する重量骨材は、主要構成成分としてFeO、Fe2O3、金属鉄の少なくともひとつを含む。主要構成成分としてFeO、Fe2O3、金属鉄の少なくともひとつを含むとは、構成元素を蛍光X線分析により酸化物換算で求めたときのFe2O3が65%以上であることが好ましい。構成元素を蛍光X線分析により酸化物換算で求めたときのFe2O3が65%に満たないときは、骨材の表乾密度が4g/cm3未満となる場合があり、好ましくない。より好ましくは、構成元素を蛍光X線分析により酸化物換算で求めたときのFe2O3が75%以上であり、このときの重量骨材の表乾密度は、4.5g/cm3以上になる。
本発明の機械基礎に用いる重量コンクリート、モルタルの細骨材の最適粒度は、骨材の形状、表面粗滑度、配合等により変化するものである。例えば砕砂のJIS規格(A 5005;非特許文献1)では、表1のように粒度分布が規定され、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で2%ないし15%とされている。一方、電気炉酸化スラグ骨材のJIS規格(A 5011−4;非特許文献2)では、その解説の中で微粒分を多くした方が良好なフレッシュコンクリートの性状が得られることが示され、1.2mm電気炉酸化スラグ骨材では、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%ないし30%とされている。しかし、密度が4.5g/cm3以上であり、全粒子のうち球状の粒子が20%以上含まれる重量骨材で、良好なフレッシュコンクリートの性状を得るための最適な粒度分布についての知見が公開されたことはない。
特許文献3には、重量コンクリート用の細骨材としてショットブラスト用スチール細粒を配合して用いることが示されているが、JASS5(日本建築学会 建築工事標準仕様書5 鉄筋コンクリート工事)に規定された粒度分布を満足するように調整されているだけで、コンクリート、モルタルの良好なフレッシュ性状を得るための重量骨材の詳細な粒度分布についての検討はなされていない。
本発明者は、良好なモルタルフローを得るための重量骨材の粒度分布を詳細に検討し、表1に示す最適粒度分布を見出した。すなわち、本発明の重量骨材は、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%ないし20%であることを特徴とする。呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%に満たないとき、あるいは20%を超えるときには、十分なモルタルフローが得られない、あるいは骨材とセメントペーストの分離が発生する場合がある。
日本工業規格 JIS A 5005 コンクリート用砕石及び砕砂
日本工業規格 JIS A 5011−4 コンクリート用スラグ骨材 第4部:電気炉酸化スラグ骨材
また、呼び寸法1.2mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で70%ないし90%であることが好ましい。呼び寸法1.2mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で70%に満たないとき、あるいは90%を超えるときには、十分なモルタルフローが得られない、あるいは骨材とセメントペーストの分離が発生する場合がある。さらに、本発明の重量骨材は、製鋼過程で発生するリサイクル材を混合して得ることが好ましい。
連続鋳造スラブにより鋳造した鋼スラブは、鋳型への溶鋼注入流によって、鋼スラブの長手方向表層部に連続的にAl等の介在物が析出する。この鋼スラブの表層介在物を溶削除去する工程で発生するリサイクル材料のホットスカーフは、主要構成成分としてFeO、Fe2O3、金属鉄を含み、構成元素を蛍光X線分析により酸化物換算で求めたときのFe2O3が80%以上で、表乾密度は、4.8g/cm3以上になる。また球状粒子が約70%を占め、しかも呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%ないし20%の範囲内であり、そのまま本発明の重量骨材として用いることができる。
高炉水砕スラグから粉砕過程で分離される粒状銑鉄も金属鉄が主成分で4.8g/cm3以上の表乾密度を示すとともに、球形に近い形状の粒子が50%程度含まれ、ホットスカーフと混合使用できるリサイクル材である。ホットスカーフ70に対し、粒状銑鉄30の容積比までならば、混合することができる。それ以上に粒状銑鉄を混合すると、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%に満たないため、十分なモルタルフローが得られない場合がある。
本発明者は、ホットスカーフとミルスケールを種々の混合比で混合し、重量骨材としての適正を検討した。その結果、ホットスカーフ30に対し、ミルスケール70の容積比まで混合できることを確認した。それ以上にミルスケールを混合すると、球状粒子の割合が20%を下回り、流動性が確保できず、十分なモルタルフローが得られない場合がある。さらに、モルタルフローを得るために単位水量を増加した場合には、骨材とセメントペーストとの分離が生じる場合がある。なお、ホットスカーフとミルスケールの混合容積比が40:60か、それよりもホットスカーフの割合が多い場合には、モルタルから空気が抜けやすく、モルタルの単位容積質量が大きくできるので、より好ましい。
ここで本願発明における「球状粒子」について詳細に説明する。球状粒子とは、文字通り真球形に近い形状の粒子である。球状粒子の生成過程には、(1)固体が熱で液状に溶融した後、空中で冷え固まることにより、体積あたりの表面積が最小となる球形に近い形状となる場合、(2)非球形粒子が物理的な研磨により角を失い、球形に近い形状となる場合、(3)粉末または溶解液から析出した微粒が核の周囲に結合し、球形に近い形状に成長する場合がある。(2)(3)の場合には、球形から非球形まで連続的な形状の粒子が生成するが、(1)の場合には、中間形状の粒子は生成しない。
ホットスカーフは前記の通り、鋼スラブの表層介在物を溶削除去する工程で発生するリサイクル材料であり、前記(1)の生成過程で球状粒子が生成する。粗粉転炉ダスト及び粒状銑鉄にも球状粒子が含まれるが、その生成過程は前記(1)だけでなく、(2)の場合も含まれると考えられる。
本発明の重量骨材は、全粒子のうち「球状粒子」が20%以上であることが必須であるが、下記する歪凹凸度が3.3以下の「球状粒子」が、全粒子のうち20%以上であることが好ましい。
本発明の重量骨材は、全粒子のうち「球状粒子」が20%以上であることが必須であるが、下記する歪凹凸度が3.3以下の「球状粒子」が、全粒子のうち20%以上であることが好ましい。
ここで、「歪凹凸度」は以下の式で定義される。
[歪凹凸度]=[粒子輪郭の周の長さ]/[粒子輪郭面積と同じ面積の正円の直径]
すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)画像の目視によって、その陰影から円板状や半球状と判断できる粒子を除き、明らかに球形に近い粒子を画像処理して解析する。画像処理は、一般的な画像処理ソフト(例えばAdobe Photoshop)を用いて行えばよい。まず、球形に近い粒子の画像から陰影を消して輪郭のみの図形を作成し、該図形の面積と、輪郭の周の長さを求める。該図形を円に近似して(該図形と同面積の円を想定して)、その円の面積πr2から半径rを求め、その2倍として直径を求める。直径に対する周の長さの比は、輪郭が円に近いほど、すなわち粒子が球形に近いほど、小さくなり、円周率πに近い値になる。ちなみに、ホットスカーフに含まれる球状粒子では、歪凹凸度が3.3以下となる。
[歪凹凸度]=[粒子輪郭の周の長さ]/[粒子輪郭面積と同じ面積の正円の直径]
すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)画像の目視によって、その陰影から円板状や半球状と判断できる粒子を除き、明らかに球形に近い粒子を画像処理して解析する。画像処理は、一般的な画像処理ソフト(例えばAdobe Photoshop)を用いて行えばよい。まず、球形に近い粒子の画像から陰影を消して輪郭のみの図形を作成し、該図形の面積と、輪郭の周の長さを求める。該図形を円に近似して(該図形と同面積の円を想定して)、その円の面積πr2から半径rを求め、その2倍として直径を求める。直径に対する周の長さの比は、輪郭が円に近いほど、すなわち粒子が球形に近いほど、小さくなり、円周率πに近い値になる。ちなみに、ホットスカーフに含まれる球状粒子では、歪凹凸度が3.3以下となる。
また、全粒子のうちの球状粒子の割合を求める場合、複数のSEM写真に写った全粒子の数と球状粒子の数を数えて平均を求めればよいが、粒子の粒径に関わらず球状粒子の割合は一定であると仮定し、一定粒径、例えば50μm以上の粒子のみを数える。
一方、本発明の重量骨材は、製鋼の圧延工程で発生するミルスケール、製鋼用転炉ダストのうち粒径50μmで篩い分けられた粗粒分、及び高炉水砕スラグから分離された粒状銑鉄から選択される少なくとも2種以上を混合しても得られる。前記ミルスケール、転炉ダスト粗粒分、及び粒状銑鉄は、いずれも、鋼スラブ表面の溶削処理工程で発生するホットスカーフよりも発生量の多いリサイクル材である。
一方、本発明の重量骨材は、製鋼の圧延工程で発生するミルスケール、製鋼用転炉ダストのうち粒径50μmで篩い分けられた粗粒分、及び高炉水砕スラグから分離された粒状銑鉄から選択される少なくとも2種以上を混合しても得られる。前記ミルスケール、転炉ダスト粗粒分、及び粒状銑鉄は、いずれも、鋼スラブ表面の溶削処理工程で発生するホットスカーフよりも発生量の多いリサイクル材である。
ミルスケールは製鋼の圧延工程で発生するリサイクル材であり、構成元素を蛍光X線分析により酸化物換算で求めたときのFe2O3が80%以上で、表乾密度は4.8g/cm3以上になる。しかも表2に示すように砕砂JISに近い粒度分布を有している。しかし、粒子形状は扁平なものが多いため、骨材として利用した場合にはコンクリートやモルタルの流動性が低下しやすく、過剰に単位水量や減水剤量を増やした場合には骨材とペーストが分離しやすい。したがって、ミルスケールをそのまま単独で重量骨材として用いることはできない。
製鋼用転炉ダストの粗粒分は球状粒子を70%以上含むが、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で25%以上、呼び寸法0.3mmのふるいを通過する粒子が65%以上と、骨材としては粒度分布が細粒側に偏りすぎるため、粒子が凝集しやすく、粗粉転炉ダストを単独で重量骨材として用いた場合には十分なモルタルフローを得ることは困難である。
高炉水砕スラグから分離された粒状銑鉄も球状粒子を約50%含むが、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で5%以下、呼び寸法0.3mmのふるいを通過する粒子が20%以下である一方、呼び寸法1.2mmのふるいを通過する粒子が85%以上と、粒径が0.3mmから1.2mmの間に集中する偏った粒度分布を有する。そのため、粒状銑鉄を単独で重量骨材として用いた場合には骨材とセメントペーストの分離が起こりやすい。
以上のように前記3種のリサイクル材は、いずれも単独で重量骨材として用いた場合には、十分なモルタルフローが得られないか、あるいは骨材とセメントペーストの分離が起こりやすい。しかし前記3種のリサイクル材のうち、少なくとも2種以上を適切な混合割合で混合することにより、骨材とセメントペーストの分離が起こらず、モルタル及びコンクリートに十分な流動性とワーカビリティーを与えることができる重量骨材が得られる。
本発明の重量骨材は、前記ミルスケール、転炉ダスト粗粒分、及び粒状銑鉄の混合割合が、各々質量百分率で0〜70%、0〜50%、及び0〜60%であることが好ましく、特に20〜70%、20〜50%、及び0〜40%であることが好ましい。
ミルスケールの混合割合が70%を超えるとき、または転炉ダスト粗粒分の混合割合が50%を超えるとき、該重量骨材を用いたモルタルでは、十分なモルタルフローが得られない場合があり、好ましくない。粒状銑鉄の混合割合が60%を超えるとき、該重量骨材を用いたモルタルでは、骨材とセメントペーストの分離が起こる場合があり、好ましくない。
ミルスケールの混合割合が70%を超えるとき、または転炉ダスト粗粒分の混合割合が50%を超えるとき、該重量骨材を用いたモルタルでは、十分なモルタルフローが得られない場合があり、好ましくない。粒状銑鉄の混合割合が60%を超えるとき、該重量骨材を用いたモルタルでは、骨材とセメントペーストの分離が起こる場合があり、好ましくない。
ミルスケールの混合割合が20%に満たないとき、該重量骨材を用いたモルタルでは、残りのリサイクル材の混合割合によっては、骨材とセメントペーストの分離が起こる、または十分なモルタルフローが得られない場合がある。転炉ダスト粗粒分の混合割合が20%に満たないとき、または粒状銑鉄の混合割合が40%を超えるとき、該重量骨材を用いたモルタルでは、残りのリサイクル材の混合割合によっては、骨材とセメントペーストの分離が起こる場合がある。
本発明の機械基礎に用いるセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の各種混合セメントや、エコセメント等が挙げられる。
本発明の機械基礎に用いる重量粗骨材としては、従来の鉄鉱石を用いることもできるが、高価な天然資源の使用は、経済的にも、環境配慮の観点からも好ましくない。また、電気炉酸化スラグ粗骨材を用いることもできる。本発明では、産業的な利用が十分になされていない資源の活用を目的のひとつにしており、製鋼過程で発生するダストを含む廃棄物を溶融して製造された人工石材を用いることが好ましい。特に、製鋼過程で発生するダストと、粉末状にした還元スラグとを混合して加熱溶融させ、冷却固化させて製造される人工石材は、溶融過程で遊離石灰や低沸点金属酸化物が除かれており、また重量粗骨材として十分な密度も有することから、本発明の粗骨材として有効である。また、重量コンクリートの密度が、あまり高くなくても良い場合には、重量粗骨材に砕石等の密度の低い粗骨材を混合して使っても良い。
本発明の機械基礎に用いる重量コンクリートは、通常のコンクリートと同様の方法で製造することができる。すなわち、前記重量細骨材、前記重量粗骨材、前記セメントを混合し、水を加えて混練りすればよい。必要に応じて、減水剤や消泡剤などの混和剤を添加しても良い。重量コンクリートは高い密度を確保するため、単位水量を低くすることが好ましく、減水剤を添加することが好ましい。減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤または高性能AE減水剤を使用することができる。これらのうち、減水効果の大きな高性能AE減水剤を使用することが好ましい。また、高い密度を確保するために、特に、空気の巻込みを抑える必要があるときは、消泡剤を添加することが望ましい。
細骨材粗骨材容積比、単位水量、水セメント比は、用途に合わせて適宜選択できる。現場施工でポンプ圧送を行う場合には、練り上がり時にスランプ18cm以上となる軟練りの配合やスランプフローが50〜60cmとなるような配合を行う。本発明では、例えば細骨材粗骨材容積比0.4〜0.8、単位水量160〜200kg/m3、水セメント比30〜55%の範囲で適宜調整し、材料分離を抑えながらスランプ18cm以上またはスランプフロー50〜60cmを得ることができる。また、流し込みによる施工後に振動締固めを行う場合には、スランプ8〜18cm程度とすることで、高い充填性が得られる。本発明では、例えば細骨材粗骨材容積比0.4〜0.7、単位水量140〜200kg/m3、水セメント比30〜55%の範囲で適宜調整し、材料分離を抑えながらスランプ8〜18cmを得ることができる。
以下に、本発明の機械基礎組成物(コンクリート及びモルタル)の実験例を挙げて、比較例との対比で、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
(コンクリート使用原料)
機械基礎に用いた重量コンクリートの使用原料を表3に示す。
(コンクリート使用原料)
機械基礎に用いた重量コンクリートの使用原料を表3に示す。
(試験方法)
(1)表乾密度4.98g/cm3のミルスケールとホットスカーフ50/50の混合品1534kg/m3と、表乾密度4.13g/cm3の電気炉ダスト溶融人工石材1553kg/m3と、水175kg/m3と、普通ポルトランドセメント350kg/m3と、AE減水剤0.875kg/m3とを適宜混合し、スランプ試験を行った。(スランプ実施例)
(2)ミルスケールとホットスカーフ50/50の混合品の代わりに表乾密度4.95g/cm3のミルスケール1525kg/m3を用いた以外は、実施例と同様な方法及び手段でスランプ試験を行った(同比較例1)
(3)ミルスケールとホットスカーフ50/50の混合品の代わりに表乾密度5.84g/cm3の転炉ダスト粗粒分1799kg/m3を用いた以外は、実施例と同様な方法及び手段でスランプ試験を行った(同比較例2)
(4)ミルスケールとホットスカーフ50/50の混合品の代わりに表乾密度4.50g/cm3の磁鉄鉱1787kg/m3を用い、表乾密度4.13g/cm3の電気炉ダスト溶融人工石材を1185kg/m3とした以外は、実施例と同様な方法及び手段でスランプ試験を行った(同比較例3)
(1)表乾密度4.98g/cm3のミルスケールとホットスカーフ50/50の混合品1534kg/m3と、表乾密度4.13g/cm3の電気炉ダスト溶融人工石材1553kg/m3と、水175kg/m3と、普通ポルトランドセメント350kg/m3と、AE減水剤0.875kg/m3とを適宜混合し、スランプ試験を行った。(スランプ実施例)
(2)ミルスケールとホットスカーフ50/50の混合品の代わりに表乾密度4.95g/cm3のミルスケール1525kg/m3を用いた以外は、実施例と同様な方法及び手段でスランプ試験を行った(同比較例1)
(3)ミルスケールとホットスカーフ50/50の混合品の代わりに表乾密度5.84g/cm3の転炉ダスト粗粒分1799kg/m3を用いた以外は、実施例と同様な方法及び手段でスランプ試験を行った(同比較例2)
(4)ミルスケールとホットスカーフ50/50の混合品の代わりに表乾密度4.50g/cm3の磁鉄鉱1787kg/m3を用い、表乾密度4.13g/cm3の電気炉ダスト溶融人工石材を1185kg/m3とした以外は、実施例と同様な方法及び手段でスランプ試験を行った(同比較例3)
(試験結果)
本発明の機械基礎組成物等のスランプ値の測定結果を、表5に示す。
本発明の機械基礎組成物等のスランプ値の測定結果を、表5に示す。
表5に示した結果より、実施例、比較例ともスランプフローが50cm程度となるように配合調整した。比較例では流動性を高めるため、実施例に比べ、単位水量を10kg/m3、ペースト分(セメント)を27kg/m3、高機能AE減水剤を0.9kg/m3(比較例1、2)、1.4kg/m3(比較例3)多く混合した。実施例では骨材とセメントペーストが分離することなく広がったが、比較例では材料分離し、中心に骨材が残り、セメントペーストだけが広がった。
実施例の配合の重量コンクリート骨材を幅1m×長さ2m×高さ0.5mの型枠に流し込み機械基礎を作製したところ、材料分離もなく良好な機械基礎が得られた。一方、同様な方法及び手段で比較例1の配合の重量コンクリートで機械基礎を作製したところ、単位水量が多くなりその分密度が低くなった。また、材料分離が見られた。
実施例の配合の重量コンクリート骨材を幅1m×長さ2m×高さ0.5mの型枠に流し込み機械基礎を作製したところ、材料分離もなく良好な機械基礎が得られた。一方、同様な方法及び手段で比較例1の配合の重量コンクリートで機械基礎を作製したところ、単位水量が多くなりその分密度が低くなった。また、材料分離が見られた。
次に、本発明の機械基礎組成物のコンクリートフロー試験結果を行った。前記材料を用いて、目標スランプフロー50cmで各コンクリート組成物の評価を行った。
(試験方法)前表参照
(1)表乾密度4.98g/cm3のミルスケールとホットスカーフ50/50の混合品1609kg/m3と、表乾密度4.13g/cm3の電気炉ダスト溶融人工石材1330kg/m3と、水175kg/m3と、普通ポルトランドセメント473kg/m3と、電気炉系重量骨材1330kg/m3、高性能AE減水剤7.10kg/m3とを適宜混合し、スランプフロー試験を行った。(コンクリ−フロー実施例)
(2)ミルスケールとホットスカーフ50/50の混合品の代わりに表乾密度4.95g/cm3のミルスケール1554kg/m3を用い、実施例と同様な方法及び手段でスランプフロー試験を行った(同比較例1)
(3)ミルスケールとホットスカーフ50/50の混合品の代わりに表乾密度5.84g/cm3の転炉ダスト粗粒分1834kg/m3を用い、実施例と同様な方法及び手段でスランプフロー試験を行った(同比較例2)
(4)ミルスケールとホットスカーフ50/50の混合品の代わりに表乾密度4.50g/cm3の磁鉄鉱1751kg/m3を用い、実施例と同様な方法及び手段でスランプ試験を行った(同比較例3)
(1)表乾密度4.98g/cm3のミルスケールとホットスカーフ50/50の混合品1609kg/m3と、表乾密度4.13g/cm3の電気炉ダスト溶融人工石材1330kg/m3と、水175kg/m3と、普通ポルトランドセメント473kg/m3と、電気炉系重量骨材1330kg/m3、高性能AE減水剤7.10kg/m3とを適宜混合し、スランプフロー試験を行った。(コンクリ−フロー実施例)
(2)ミルスケールとホットスカーフ50/50の混合品の代わりに表乾密度4.95g/cm3のミルスケール1554kg/m3を用い、実施例と同様な方法及び手段でスランプフロー試験を行った(同比較例1)
(3)ミルスケールとホットスカーフ50/50の混合品の代わりに表乾密度5.84g/cm3の転炉ダスト粗粒分1834kg/m3を用い、実施例と同様な方法及び手段でスランプフロー試験を行った(同比較例2)
(4)ミルスケールとホットスカーフ50/50の混合品の代わりに表乾密度4.50g/cm3の磁鉄鉱1751kg/m3を用い、実施例と同様な方法及び手段でスランプ試験を行った(同比較例3)
(試験結果)
本発明の機械基礎組成物等のコンクリートフロー試験結果を、表7に示す。
本発明の機械基礎組成物等のコンクリートフロー試験結果を、表7に示す。
前表の通り、目標スランプフロー値を得るために、比較例では、単位水量を10kg増加し、更に高性能減水剤の添加量も増加した。スランプフロー実施例の重量コンクリート組成物は、骨材とセメントのペーストが分離することなく、広がった。一方、同比較例の組成物では、全てのケースで、中心に骨材が分離して残存し、セメントペーストが広がる現象が見られ、組成物の分離が認められた。
このコンクリ−フロー実施例の重量コンクリート組成物を機械基礎に前述と同様に図2の要領で流し込んだ。その結果、機械基礎の角部まで重量コンクリートは充填され、空隙部は生じなかった(図3参照)。
このコンクリ−フロー実施例の重量コンクリート組成物を機械基礎に前述と同様に図2の要領で流し込んだ。その結果、機械基礎の角部まで重量コンクリートは充填され、空隙部は生じなかった(図3参照)。
次に記載する実施例2から実施例6に記載する本発明の機械基礎組成物等のモルタルフロー試験結果を行い、本発明の機械基礎組成物のモルタルについては、重量モルタル組成物を機械基礎に流し込んだ(図2参照)。その結果、流し込み時のモルタルの骨材とセメントペーストの分離は生ずることはなく、機械基礎の角部まで重量モルタルは充填され、空隙部は生じないことを確認した(図3参照)。
実施例2
(試験方法)
(1)表乾密度5.08g/cm3、球状粒子約75%のホットスカーフと、表乾密度5.84g/cm3、球状粒子約73%の粗粉転炉ダストを適宜混合し、表2に粒度分布を示す混合砂1〜4を調整した。(混合砂2の混合容積比;ホットスカーフ70:粗粉転炉ダスト30)
(2)(1)で調整した混合砂に普通ポルトランドセメントを砂セメント容積比3.19で混合し、セメント547kg/m3あたり、4.37kg/m3のポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤と、0.22kg/m3の消泡剤と、246kg/m3の水(水セメント比45.0%)を加えて、混練りした。
(3)JIS R 5201セメントの物理試験方法のフローコーンを用い、直径100mm、高さ40mmのフローコーンに(2)で調整したモルタルを充填し、コーンを引き抜いて、モルタルフローを測定した。
実施例2
(試験方法)
(1)表乾密度5.08g/cm3、球状粒子約75%のホットスカーフと、表乾密度5.84g/cm3、球状粒子約73%の粗粉転炉ダストを適宜混合し、表2に粒度分布を示す混合砂1〜4を調整した。(混合砂2の混合容積比;ホットスカーフ70:粗粉転炉ダスト30)
(2)(1)で調整した混合砂に普通ポルトランドセメントを砂セメント容積比3.19で混合し、セメント547kg/m3あたり、4.37kg/m3のポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤と、0.22kg/m3の消泡剤と、246kg/m3の水(水セメント比45.0%)を加えて、混練りした。
(3)JIS R 5201セメントの物理試験方法のフローコーンを用い、直径100mm、高さ40mmのフローコーンに(2)で調整したモルタルを充填し、コーンを引き抜いて、モルタルフローを測定した。
(試験結果)
モルタルフローの測定結果を表8に示した。
モルタルフローの測定結果を表8に示した。
表8に示した結果より、混合砂1と2では、良好なモルタルフローが得られた。混合砂4では、粒径の小さな粒子が密に充填するため、混練りも困難なほど硬く、モルタルの流動が見られなかった。混合砂3ではわずかながらモルタルフローが見られ、詳細は示さないが、水セメント比を50%に増加すれば、モルタルフローは130mmまで増加したが、骨材とセメントペーストとの分離が生じた。以上のように、重量骨材の粒度分布を呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で20%以下となるように限定することにより、モルタルフローにおいて格段に顕著な効果が得られることが明らかになった。
実施例3
(試験方法)
(1)表乾密度5.08g/cm3、球状粒子約75%のホットスカーフと、表乾密度5.60g/cm3、球状粒子約54%の粒状銑鉄(高炉水砕スラグから粉砕過程で磁選分離したもの)を適宜混合し、表7に粒度分布を示す混合砂5〜10を調整した。(混合砂7の混合容積比;ホットスカーフ70:粒状銑鉄30)
(2)(1)で調整した混合砂に普通ポルトランドセメントを砂セメント容積比3.19で混合し、セメント547kg/m3あたり、5.46kg/m3のポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤と、0.22kg/m3の消泡剤と、246kg/m3の水(水セメント比45.0%)を加えて、混練りした。
(3)実施例1と同様に、モルタルフローを測定した。
(試験方法)
(1)表乾密度5.08g/cm3、球状粒子約75%のホットスカーフと、表乾密度5.60g/cm3、球状粒子約54%の粒状銑鉄(高炉水砕スラグから粉砕過程で磁選分離したもの)を適宜混合し、表7に粒度分布を示す混合砂5〜10を調整した。(混合砂7の混合容積比;ホットスカーフ70:粒状銑鉄30)
(2)(1)で調整した混合砂に普通ポルトランドセメントを砂セメント容積比3.19で混合し、セメント547kg/m3あたり、5.46kg/m3のポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤と、0.22kg/m3の消泡剤と、246kg/m3の水(水セメント比45.0%)を加えて、混練りした。
(3)実施例1と同様に、モルタルフローを測定した。
(試験結果)
モルタルフローの測定結果を表9に示した。
モルタルフローの測定結果を表9に示した。
表9に示した結果より、混合砂5、6および7では、良好なモルタルフローが得られた。これに比べ混合砂8、9および10では、明らかにモルタルの流動性が低くなった。また、混合砂9および10では若干、骨材とセメントペーストとの分離が生じた。以上のように、重量骨材の粒度分布を呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%以上となるように限定することにより、モルタルフローにおいて格段に顕著な効果が得られることが明らかになった。
実施例4
(試験方法)
(1)表乾密度5.08g/cm3、球状粒子約75%のホットスカーフと、表乾密度4.95g/cm3、扁平な粒子で構成されるミルスケールを種々の容積比で混合し、混合砂11〜18を調整した。
(2)(1)で調整した混合砂に普通ポルトランドセメントを砂セメント容積比2.68で混合し、セメント584kg/m3あたり、5.84kg/m3のポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤と、0.23kg/m3の消泡剤と、292kg/m3の水(水セメント比50.0%)を加えて、混練りした。
(3)実施例1と同様に、モルタルフローを測定した。また、モルタルの単位容積質量を測定した。
(試験方法)
(1)表乾密度5.08g/cm3、球状粒子約75%のホットスカーフと、表乾密度4.95g/cm3、扁平な粒子で構成されるミルスケールを種々の容積比で混合し、混合砂11〜18を調整した。
(2)(1)で調整した混合砂に普通ポルトランドセメントを砂セメント容積比2.68で混合し、セメント584kg/m3あたり、5.84kg/m3のポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤と、0.23kg/m3の消泡剤と、292kg/m3の水(水セメント比50.0%)を加えて、混練りした。
(3)実施例1と同様に、モルタルフローを測定した。また、モルタルの単位容積質量を測定した。
(試験結果)
モルタルフローの測定結果を図5に、モルタルの単位容積質量を図6に示した。ホットスカーフ(HS)とミルスケール(MS)の混合比率が、20:80ではほとんどモルタルフローが見られず、骨材とセメントペーストとの分離が見られた。30:70からホットスカーフの混合比率が高い場合には、良好なモルタルフローが得られた。このとき、球状粒子の比率は20%以上であった。
ホットスカーフとミルスケールの混合比率が、40:60からホットスカーフの混合比率が高い場合には、モルタルの単位容積質量が格段に高くなっており、より好ましいことが示された。このとき、球状粒子の比率は25%以上であった。
モルタルフローの測定結果を図5に、モルタルの単位容積質量を図6に示した。ホットスカーフ(HS)とミルスケール(MS)の混合比率が、20:80ではほとんどモルタルフローが見られず、骨材とセメントペーストとの分離が見られた。30:70からホットスカーフの混合比率が高い場合には、良好なモルタルフローが得られた。このとき、球状粒子の比率は20%以上であった。
ホットスカーフとミルスケールの混合比率が、40:60からホットスカーフの混合比率が高い場合には、モルタルの単位容積質量が格段に高くなっており、より好ましいことが示された。このとき、球状粒子の比率は25%以上であった。
実施例5
(試験方法)
(1)表乾密度4.95g/cm3、扁平な粒子で構成されるミルスケールと、表乾密度5.84g/cm3、球状粒子約73%の転炉ダスト粗粉分(粗粒ダスト)と、表乾密度5.60g/cm3、球状粒子約54%の粒状銑鉄(高炉水砕スラグから粉砕過程で磁選分離したもの)を各々質量百分率で30〜80%、0〜60%、及び0〜60%の割合で混合し、混合砂を調整した。
(2)(1)で調整した混合砂に普通ポルトランドセメントを砂セメント容積比2.68で混合し、セメント584kg/m3あたり、5.84kg/m3のポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤と、0.23kg/m3の消泡剤と、292kg/m3の水(水セメント比50.0%)を加えて、混練りした。
(3)実施例1と同様に、モルタルフローを測定した。
(試験方法)
(1)表乾密度4.95g/cm3、扁平な粒子で構成されるミルスケールと、表乾密度5.84g/cm3、球状粒子約73%の転炉ダスト粗粉分(粗粒ダスト)と、表乾密度5.60g/cm3、球状粒子約54%の粒状銑鉄(高炉水砕スラグから粉砕過程で磁選分離したもの)を各々質量百分率で30〜80%、0〜60%、及び0〜60%の割合で混合し、混合砂を調整した。
(2)(1)で調整した混合砂に普通ポルトランドセメントを砂セメント容積比2.68で混合し、セメント584kg/m3あたり、5.84kg/m3のポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤と、0.23kg/m3の消泡剤と、292kg/m3の水(水セメント比50.0%)を加えて、混練りした。
(3)実施例1と同様に、モルタルフローを測定した。
(試験結果)
モルタルフローの測定結果を表10に示した。モルタルフローの判定は、130mm以上で良好とした。
モルタルフローの測定結果を表10に示した。モルタルフローの判定は、130mm以上で良好とした。
実施例6
(試験方法)
(1)前記ミルスケールと、転炉ダスト粗粉分と、粒状銑鉄を各々質量百分率で0〜30%、10〜60%、及び10〜70%の割合で混合し、混合砂を調整した。
(2)(1)で調整した混合砂に普通ポルトランドセメントを砂セメント容積比3.19で混合し、セメント547kg/m3あたり、5.46kg/m3のポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤と、0.22kg/m3の消泡剤と、246kg/m3の水(水セメント比45.0%)を加えて、混練りした。
(3)実施例1と同様に、モルタルフローを測定した。
(試験結果)
モルタルフローの測定結果を表11に示した。モルタルフローの判定は、130mm以上で良好とした。
(試験方法)
(1)前記ミルスケールと、転炉ダスト粗粉分と、粒状銑鉄を各々質量百分率で0〜30%、10〜60%、及び10〜70%の割合で混合し、混合砂を調整した。
(2)(1)で調整した混合砂に普通ポルトランドセメントを砂セメント容積比3.19で混合し、セメント547kg/m3あたり、5.46kg/m3のポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤と、0.22kg/m3の消泡剤と、246kg/m3の水(水セメント比45.0%)を加えて、混練りした。
(3)実施例1と同様に、モルタルフローを測定した。
(試験結果)
モルタルフローの測定結果を表11に示した。モルタルフローの判定は、130mm以上で良好とした。
一般に、水セメント比が高い場合には、モルタルの流動性が高くなるが、セメントペーストと骨材の分離が起こりやすくなり、水セメント比が低い場合には、セメントペーストと骨材の分離は起こりにくくなるが、モルタルの流動性が低くなる。一方、ミルスケールの混合割合が高いほど、流動性が低くなり、粒状銑鉄の混合割合が高いほど、セメントペーストと骨材の分離が起こりやすくなる傾向が見られることから、実施例5では、ミルスケールの混合割合を30%以上で、水セメント比を50.0%とし、実施例6では、ミルスケールの混合割合を30%以下で、水セメント比を45.0%とした。表5及び表6に示した結果より、重量モルタルに用いる重量骨材としては、ミルスケール、転炉ダスト粗粒分、及び粒状銑鉄の混合割合が、各々質量百分率で0〜70%、0〜50%、及び0〜60%であることが好ましく、特に20〜70%、20〜50%、及び0〜40%であることが好ましいことが明らかとなった。
なお、ミルスケール、転炉ダスト粗粒分、及び粒状銑鉄の混合割合が、各々質量百分率で0〜70%、0〜50%、及び0〜60%であるとき、該重量骨材は主要構成成分としてFeO、Fe2O3、金属鉄の少なくともひとつを含み、全粒子のうち球状粒子が20%以上であり、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%ないし20%であり、さらに呼び寸法1.2mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で70%ないし90%の各要件を満たしていた。さらには、表1に示す本発明の重量骨材の粒度分布を全ての粒度範囲にわたって満たしていた。
例えば、半導体製造装置や精密工作機械などの精密駆動装置において、装置の駆動に伴う振動を抑制するために用いる固定機械基礎に利用可能である。
Claims (10)
- 主要構成成分としてFeO、Fe2O3、金属鉄の少なくともひとつを含む骨材であって、全粒子のうち球状の粒子が20%以上であり、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で10%ないし20%である重量骨材を含む機械基礎。
- 製鋼過程で発生するリサイクル材を混合して得られる重量骨材であって、呼び寸法1.2mmのふるいを通過する粒子が全粒子のうち質量百分率で70%ないし90%であることを特徴とする請求項1に記載の重量骨材を含む機械基礎。
- 鋼スラブ表面の溶削処理工程で発生するホットスカーフを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の重量骨材を含む機械基礎。
- 製鋼の圧延工程で発生するミルスケール、製鋼用転炉ダストのうち粒径50μmで篩い分けられた粗粒分、及び高炉水砕スラグから分離された粒状銑鉄から選択される少なくとも1種以上とホットスカーフとを混合して得られる重量骨材を含む請求項3記載の機械基礎
- ホットスカーフとミルスケールとを混合容積比が100:0から30:70の範囲で混合して得られる請求項1から4のいずれかに記載の重量骨材を含む機械基礎。
- ホットスカーフと製鋼用転炉ダストのうち粒径50μmで篩い分けられた粗粒分とを混合容積比が100:0から70:30の範囲で混合して得られる請求項1から4のいずれかに記載の重量骨材を含む機械基礎。
- ホットスカーフと高炉水砕スラグから分離された粒状銑鉄とを混合容積比が100:0から70:30の範囲で混合して得られる請求項1から4のいずれかに記載の重量骨材を含む機械基礎。
- 製鋼の圧延工程で発生するミルスケール、製鋼用転炉ダストのうち粒径50μmで篩い分けられた粗粒分、及び高炉水砕スラグから分離された粒状銑鉄から選択される少なくとも2種以上を混合して得られることを特徴とする請求項1または2に記載の重量骨材を含む機械基礎。
- 前記ミルスケール、転炉ダスト粗粒分、及び粒状銑鉄の混合割合が、各々質量百分率で20〜70%、20〜50%、及び0〜40%であることを特徴とする請求項8に記載の重量骨材を含む機械基礎。
- 重量粗骨材が、製鋼過程で発生するダストを含む廃棄物を溶融して製造された人工石材を含むことも特徴とする機械基礎請求項1から9のいずれかに記載の機械基礎。
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