JP6372123B2 - コンクリートの固化体の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、鉄鋼スラグを骨材とするコンクリート及びコンクリートの固化体の製造方法に関する。
鉄鋼の製造工程で発生する鉄鋼スラグは、近年ではコンクリートの材料として用いることによる再資源化が図られている。例えば、特許文献1には、粉体成分として、製鋼スラグ粉末、γ−CS及びポルトランドセメントを含有するコンクリート混練物が記載されている。このコンクリート混練物は、上記紛体成分に加え、水、粗骨材及び細骨材等も構成材料として含む。また、特許文献2には、水、セメント、及び軟質高炉スラグからなる細骨材を含むコンクリートが記載されている。このコンクリートでは、軟質高炉スラグの細骨材を使用することによって、コンクリートから生成されるブロック等における保水量が高まっている。
特開2011−168436号公報 特開2013−199805号公報
ブロック等のコンクリート二次製品を製造する場合、大型のコンクリートブロックを作製し、このコンクリートブロックを切断等によって所定の形状及びサイズに加工することで多数の二次製品を生成する製造方法がある。この製造方法では、固化後の大型コンクリートブロックに加工の容易さが求められる。しかしながら、特許文献1に記載のコンクリート混練物では、含有する硬度が高く粒状をした粗骨材及び細骨材が加工の支障となるため、固化後のコンクリートブロックの加工に手間を要し、さらに加工精度及び加工面の仕上がりが低くなる。また、特許文献2に記載のコンクリートでは、粗骨材は含まれていないが、粒度が10mm以下の粒状の軟質高炉スラグの細骨材が加工の支障となる。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、鉄鋼スラグを骨材とすると共に固化後のコンクリートの加工を容易にするコンクリート及びコンクリートの固化体の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明に係るコンクリートは、セメント、骨材及び水が混練されて生成され、上記骨材が、水硬性を有し且つ比表面積が1700〜4000cm/gである鉄鋼スラグの微粉末からなる。
上記コンクリートは、副材料として、フライアッシュ、鋳物砂、スラッジ、ダスト、有機質材料の少なくとも1つを含んでよい。
また、上記コンクリートの固化体を製造する方法は、鉄鋼スラグを粉砕することと、粉砕後の鉄鋼スラグとセメントと水とを混練してフレッシュコンクリートを製造することと、フレッシュコンクリートを型枠内に打設し、加圧養生により固化させてコンクリートの固化体を生成することとを含む。
或いは、上記コンクリートの固化体を製造する方法は、鉄鋼スラグ及び副材料を粉砕することと、粉砕後の鉄鋼スラグ及び副材料とセメントと水とを混練してフレッシュコンクリートを製造することと、フレッシュコンクリートを型枠内に打設し、加圧養生により固化させてコンクリートの固化体を生成することとを含む。
上記方法はいずれも、型枠内に打設したフレッシュコンクリートに対して、加圧養生時に0.5〜10kg/cmの圧力を付与することを含み、混練時の水/セメント比が100%以上であってよい。
この発明に係るコンクリート及びコンクリートの固化体の製造方法によれば、鉄鋼スラグを骨材としながらも固化後のコンクリートの加工を容易にすることが可能になる。
本発明の実施の形態に係るコンクリートの固化体を製造するための各工程の流れを示す図である。
実施の形態
以下、この発明の実施の形態におけるコンクリートの固化体100(以下、コンクリート固化体100と呼ぶ)の製造方法について添付図面に基づいて説明する。
図1を参照すると、固化することでコンクリート固化体100を形成するフレッシュコンクリート(生コンクリートとも呼ぶ)17は、骨材等の固形材料11、結合材であるセメント14、水15、並びにフレッシュコンクリート17の性状を調整するための混和材料・混和剤等を混練して形成される。
ここで、コンクリート固化体100及びフレッシュコンクリート17は、コンクリートを構成している。
そして、コンクリート固化体100は、固形材料11を粉砕する粉砕工程1、粉砕した固形材料11、セメント14、水15等を混練してフレッシュコンクリート17を生成する混練工程2、フレッシュコンクリート17を型枠23内に打設する打設工程3、打設したフレッシュコンクリート17を加圧養生する加圧養生工程4、フレッシュコンクリート17が固化したコンクリート固化体100から型枠を除去する脱型工程5が順次実施されて生成される。さらに、続く加工工程6において、生成されたコンクリート固化体100は、切断・切削等されて複数のコンクリート二次製品のブロック101に加工され、製品として出荷される。あるいは複数のコンクリートブロックを部品として、これらを接合して組立てたものが製品として出荷される。
本実施の形態では、固形材料11は、骨材である鉄鋼スラグ12及び副材料13によって構成される。骨材とは一般的にコンクリート材料として使われる粗骨材や細骨材という数mm〜数十mmの大きさの塊状、粒状のものをいうが、本実施の形態では、塊状、粒状の鉄鋼スラグ12を微粉状に粉砕して用いる。これにより活性な表面が露出した状態で鉄鋼スラグ12をセメント・水と固化反応させるので、塊状、粒状をした骨材状の鉄鋼スラグ12が有効に利用できる。
鉄鋼スラグ12としては、電気炉スラグ、脱硫処理等の炉外精練処理で生成するスラグ、AOD、転炉、真空脱ガス処理装置等での精練処理で生成するスラグ(これらを総じて「製鋼スラグ」と呼ぶ)、高炉スラグ等の潜在水硬性を有するスラグが用いられる。
副材料13としては、フライアッシュ、廃鋳物砂、生コンクリートスラッジ等の鉱物成分を含むもの、及び、木材屑、麻、米糠等の有機質廃材から選択して用いられる。
鉄鋼スラグ12及び副材料13は、その粒度分布を調整するために、粉砕工程1において混合して粉砕される。
粉砕工程1では、鉄鋼スラグ12及び副材料13は、ボールミル、ロッドミル、鋼球を投入したダルマミキサ、傾胴型ミキサ等の粉砕器21に投入され、湿式粉砕又は乾式粉砕される。なお、図1の粉砕器21は、ボールミルである。
また、本発明では、鉱物成分を含み硬度が比較的高い鉄鋼スラグ12を微粉状にするため、湿式粉砕の方がより好適である。
粉砕器21には、固形材料11の質量100%の中で、鉄鋼スラグ12を50質量%以上、副材料13を25質量%以下とした配合割合で、各材料が水15と共に投入される。さらに、粉砕器21を稼動させることで、鉄鋼スラグ12及び副材料13が、粉砕器21内で分散しながら混合及び粉砕される。なお、投入される副材料13内における有機質材料の割合を10質量%以下としている。
そして、粉砕器21では、鉄鋼スラグ12の粒度が700μm以下、比表面積が1700〜4000cm/gとなるように、粉砕が実施される。1700cm/gより小さい比表面積では、コンクリートの固化後の強度が十分ではなく、且つコンクリート固化体100の加工時の表面仕上がりが粗くなる。一方で4000cm/gより大きい比表面積にまで粉砕すると、いたずらに粉砕コストがかかってしまうだけでコンクリート強度の上昇はあまり望めない。
粉砕の完了後、鉄鋼スラグ12及び副材料13の混合物16は、混練工程2に移され、混練ミキサ22に投入される。さらに混練ミキサ22には、水15及びセメント14が投入されると共に混和材料・混和剤が投入され、そして、混練ミキサ22が稼動されて投入材料が混合される。混練ミキサ22への投入材料が混練されることによって、フレッシュコンクリート17が生成される。
このとき、混練ミキサ22へ投入するセメント14は、フレッシュコンクリート17の固化後に所望の強度(設計強度)を達成することができるように、フレッシュコンクリート17の1m当たりの添加質量として設計される。なお、通常はコンクリートの強度は水の量に大きく影響されるので、水/セメント比の調整はシビアに行われる。本発明では、水セメント比は従来の常識範囲以上の水を添加するのでコンクリート1m当たりの水の質量で調整する意味は無く、固化後のコンクリートを構成する材料(後述する加圧養生工程による脱水後の目標水分量を含む)とセメントの比が重要になる。そこで本発明では固化後のコンクリートを構成する材料全体の質量100%の中の割合としてセメントの配合割合を設定している。そして、例えば、コンクリートの目標とする設計強度を30〜50N/mmとする場合、セメントの配合割合を15〜25質量%とする。15%未満では加圧養生をしても目標の強度が得られず、25%以上であると、いたずらに材料コストが上昇するだけで目標とする強度を得るには十分なセメント量である。
水15は、水/セメント比が100%以上となるような配合割合で投入される。なお、混和材料及び混和剤の添加量は、フレッシュコンクリート17の配合割合に対して影響を与えない無視できる程度のものであるため、フレッシュコンクリート17の配合割合には含めない。
なお、混練時に投入される水15は、粉砕工程1の粉砕器21に対して、混練時に水/セメント比が100%以上となるような分量で予め投入されていてもよい。さらに、粉砕器21を混練ミキサとして用いてもよい。
上述のようにして生成されたフレッシュコンクリート17は、高い流動性を有している。そして、この高い流動性を有するフレッシュコンクリート17が、型枠23内に流し込むようにして打設される(打設工程3)。打設時のフレッシュコンクリート17には、必要に応じて高周波振動機、型枠振動機等を用いて振動が加えられ、それによりフレッシュコンクリート17の内部の気泡が外部に放出される。その結果、フレッシュコンクリート17の固化後の表面の仕上がりが良好になる。
所定体積のフレッシュコンクリート17を打設後、加圧養生工程4に移り、型枠23の上部の開放した開口部が、上蓋23aによって閉じられる。なお、上蓋23aは、型枠23の内壁面に沿って上下に摺動できるように構成されている。
さらに、型枠23に配設された上蓋23aには、上方から下方に向かって押圧力が加えられる。このとき、押圧力は、上蓋23aに対して0.5〜10kg/cmの下方への圧力が作用するように、加えられる。
これにより、型枠23及び上蓋23aの内部のフレッシュコンクリート17が加圧され、フレッシュコンクリート17に含有される過剰な水分が外部に放出され、放出された過剰水分は、型枠23の底部と上蓋23aに形成された水抜き穴23bを通って型枠23の外部に流出する。水抜き穴23bは、フィルター23cにより濾された水を型枠23外へ排出するための穴であり、底部の底板や上蓋23aに設けられる。フィルター23cは炉布や金属製メッシュ、これらを組み合わせたものなどが用いられる。
上蓋23aへの押圧力の付加は、水抜き穴23bからの過剰水分の流出が終了するまで、又は、フレッシュコンクリート17が固化するまでの所定の養生期間にわたって実施される。
養生期間は、フレッシュコンクリート17が固化して所定の強度が得られるまでの期間、フレッシュコンクリート17が固化したコンクリート固化体100の用途・目的などに基づき、3日〜28日の間、またはそれ以上の期間で設定される。
なお、上蓋23aへの押圧力を0.5〜10kg/cmの圧力とすることによって、フレッシュコンクリート17から過剰水分を効果的に除去することができる、固化初期のフレッシュコンクリート17が押圧力によって破壊されるのを防ぐことができる、フレッシュコンクリート17の固化後に高い強度を得ることができる、養生期間を短くすることができるといった効果が生じる。
養生期間の終了後、フレッシュコンクリート17が固化したコンクリート固化体100から上蓋23a及び型枠23が取り外される(脱型工程5)。さらに、大型のコンクリート固化体100は、切断、切削等の加工を受けて、複数のコンクリートブロック101に切り出される(加工工程6)。コンクリートブロック101は、塀材、壁材、張ブロック、擁壁ブロック、縁石、魚礁ブロック、藻場ブロック等のコンクリート二次製品として加工されて出荷される。
なお、大型ブロックの二次製品を作製する場合には、加工工程6が省略されてもよい。フレッシュコンクリート17が高い流動性を有するため、例えば大型の異形ブロックを作製する場合でも、異形の型枠内にフレッシュコンクリート17を流し込んで打設するだけで、脱型後のコンクリート固化体100は、加工工程6を必要とせずに所望の異形ブロックを形成することができる。また、複雑な形状の藻場ブロックなどの場合は、複数の異形のコンクリートブロックを部品として、これらをボルトや接着剤を使用して、接合して組立てて製品とすることができる。
また、コンクリート固化体100は、固形材料11として微粉状をした鉄鋼スラグ12及び副材料13を含んでいるにすぎないため、コンクリート固化体100内には、加工機械の歯等の加工動作の支障となる硬い粒状物も塊状物も存在しない。このため、コンクリート固化体100の加工が容易になっている。
さらに、コンクリート固化体100では、微粉状をした鉄鋼スラグ12及び副材料13によって形成される微粉状の固形材料11が、結合材であるセメント14及び水15の混合物(セメントペースト)との接触面積を大きく増大させている。さらに、鉄鋼スラグ12は、水と反応することによって結合材として作用する。このため、固形材料11の結合強度が増大し、コンクリート固化体100の強度が向上する。
(実施例)
以下、本実施の形態のコンクリート固化体100の実施例と、本実施の形態のコンクリート固化体100と異なる配合を有するコンクリート固化体の比較例とを比較検証する。なお、実施例及び比較例では、鉄鋼スラグとして製鋼スラグを使用した。使用した製鋼スラグは、CaO(酸化カルシウム)を30〜65質量%、SiO(二酸化ケイ素)を20〜55質量%、Al(アルミナ)を4〜9質量%、MgO(酸化マグネシウム)を5〜10質量%で含有するものである。
互いに配合又は製造方法の異なる8つの実施例1〜8と、互いに配合の異なる3つの比較例1−1〜1−3と、互いに配合の異なる4つの比較例2−1〜2−4とを検証した。
実施例1〜8の配合材料の配合質量一覧表を表1に示し、配合材料の配合百分率一覧表を表2に示す。また、表3には、実施例1〜8において加圧養生による脱水後の目標とする水分量に基づく配合材料の配合百分率(換算配合百分率)一覧表を示す。なお、脱水後のコンクリートにおける米糠及び麻(ペーパースラッジ)からなる有機質副材料は、漁礁、藻場ブロック用途で、海草類の着生が促進されるように添加するが、コンクリートの強度の低下を抑えるために、その配合率は10%以下とすることが好ましい。なお、実施例1、2、3、4、5及び6、7、並びに8の間で配合材料の配合割合が異なっている。実施例5及び6では、配合材料の配合割合が同一であるが、使用する製鋼スラグの粒度が異なっている。
Figure 0006372123
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実施例1〜8では、固形材料として、製鋼スラグと、鋳物砂、米糠及び麻(ペーパースラッジ)のうちの保水材である麻を少なくとも含む副材料とを使用した。製鋼スラグは、フレッシュコンクリート100質量%の中での配合百分率を43.0〜60.8%とした。さらに、製鋼スラグは、固形材料100質量%の中での配合百分率を73.5〜98.8%とした。粉砕工程では、製鋼スラグが700μm以下の粒度及び1750〜3800cm/gの比表面積を有するように湿式粉砕を行った。混練工程では、フレッシュコンクリート100質量%の中でのセメントの配合率を12.9〜18.2質量%とし、水/セメント比を111〜222%とした。加圧養生工程では、型枠の上蓋に1.0〜10.0kg/cmの圧力をかけた状態で3日間養生した。3日間の養生後に脱型して生成されるコンクリート固化体は、約2.1mの体積、約4200kgの質量を有する円柱型ブロックとして生成され、このコンクリート固化体に対して、さらに養生1ヶ月後に、供試体を切り出し、圧縮強度試験を行った。
さらに、コンクリート固化体に対して、230mm×230mm×230mmのブロック64個を切り出す加工を実施し、加工後のブロックの表面性状と切削時間(切削スピード)とにより、加工性を評価した。
また、比較例1−1〜1−3の配合材料の配合質量一覧表を表4に示し、配合材料の配合百分率一覧表を表5に示す。さらに、比較例2−1〜2−4の配合材料の配合質量一覧表を表6に示し、配合材料の配合百分率一覧表を表7に示す。また、表8に、比較例2−1〜2−4における加圧養生による脱水後の目標水分量に基づく配合材料の換算配合百分率一覧表を示す。
Figure 0006372123
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比較例1−1〜1−3では、細骨材としての製鋼スラグの砂状スラグ(粒度5mm以下)と、粗骨材としての砕石(粒度20mm以下)と、セメント及び水とを使用した通常のコンクリート二次製品製造時の配合で混練を行った。製鋼スラグとしては、実施例の製鋼スラグと同じ成分のものを使用した。混練時、フレッシュコンクリート100質量%の中でのセメントの配合率を15.3〜15.6質量%とし、水/セメント比を46〜55%とした。養生工程では、型枠に上蓋を設置せずにコンクリートに圧力もかけずに3日間養生した。3日間の養生後に脱型して生成されるコンクリート固化体は、約2.1mの体積、約4200kgの質量を有する円柱型ブロックとして生成され、このコンクリート固化体に対して、さらに養生1ヶ月後に、供試体を切り出し、圧縮強度試験を行った。
さらに、コンクリート固化体に対して、230mm×230mm×230mmのブロックを切り出す加工を実施し、加工後のブロックの表面性状と切削時間(切削スピード)とにより、加工性を評価しようとしたが、途中で著しく不具合(切断歯の欠損トラブルなど)が起きたため、加工は中断した。
比較例2−1〜2−4では、固形材料として実施例と同様の製鋼スラグ及び副材料を使用した。しかしながら、比較例2−1〜2−4では、粉砕工程において、製鋼スラグが700μm以下の粒度及び1700〜1950cm/gの比表面積を有するように湿式粉砕を行った。さらに、比較例2−1及び2−2では、混練時の水/セメント比を通常のコンクリート二次製品のレベルである50%とし、養生工程において型枠の上蓋に5kg/cmの圧力をかけた状態で3日間養生した。比較例2−3及び2−4では、混練時の水/セメント比を実施例と同様に100%以上である167%としたが、養生工程において型枠に上蓋を設置せずにコンクリートに圧力もかけずに3日間養生した。3日間の養生後に脱型して生成されるコンクリート固化体は、約2.1mの体積、約4200kgの質量を有する円柱型ブロックとして生成され、このコンクリート固化体に対して、さらに1ヶ月養生後に、供試体を切り出し、圧縮強度試験を行った。
さらに、コンクリート固化体に対して、230mm×230mm×230mmのブロック16個を切り出す加工を実施し、加工後のブロックの表面性状と切削時間(切削スピード)とにより、加工性を評価した。
下記の表9に、実施例並びに比較例の配合条件(加圧養生による脱水後の目標水分量に基づく換算配合率を使用)及び評価を一覧表にまとめた。
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実施例1〜8のいずれにおいても、目標圧縮強度(材齢28日強度で30N/mm)以上となる材齢28日での圧縮強度を得ることができた。なお、フレッシュコンクリートの型枠への打設(流し込み)作業に関して、実施例1〜8では、混練時に水が多量に加えられており、水/セメント比が従来のコンクリート二次製品製造時の場合の水/セメント比(40〜50%)と比べて非常に高い100%以上であり、さらに粒状の粗骨材及び細骨材を含まないことから、フレッシュコンクリートの流動性が高く、打設が非常に容易であった。このため、バイブレータ等の振動締固め装置を用いなくとも、フレッシュコンクリートを型枠内の全体に充填することができた。また、コンクリート固化体を切り出し加工して生成したブロックに対して評価を行ったが、加工時の作業性(切削スピード)は良好であり、ブロックの型枠内の位置による表面性状の品質のバラツキ(切削面・切断面の目視評価による)も認められなかった。つまり、加工時の作業性及び加工後の表面性状が良好で満足のいくものであった。
比較例1−1〜1−3のいずれにおいても、目標圧縮強度(材齢28日強度で30N/mm)以上となる材齢28日での圧縮強度を得ることができた。比較例1−1〜1−3の加工性に関して、加工時の作業性では、コンクリート固化体内に粒状の粗骨材及び細骨材が存在することから、切削スピードが実施例よりも遅く、場合によっては切削カッターの刃が欠損することがあり、それによる作業の中断等で作業性が実施例よりも悪化した。さらに、コンクリート固化体を切り出し加工して生成したブロックに対して評価を行った結果、ブロックは、粗骨材及び細骨材の存在により表面に凹凸を形成していたり粗骨材及び細骨材とマトリックスとの間に空洞を生じているといった表面性状を有し、実施例よりも各段に悪い表面性状を有していた。
比較例2−1〜2−4については、比較例2−1〜2−3において、目標圧縮強度(材齢28日強度で30N/mm)以上となる材齢28日での圧縮強度を得ることができず、比較例2−4では、目標圧縮強度と同等の材齢28日での圧縮強度を得ることができた。なお、フレッシュコンクリートの型枠への打設(流し込み)作業に関して、比較例2−1〜2−4は、フレッシュコンクリートの打設が非常に容易であり、振動締固め装置を用いなくとも型枠内の全体にフレッシュコンクリートを充填することができた。コンクリート固化体を切り出し加工して生成したブロックに対して評価を行った結果、加工時の作業性(切削スピード)は良好であったが、ブロックの角部の欠損が多数確認された。
上述の結果より、実施例1〜8のブロックは、圧縮強度、加工作業性及び表面性状のいずれについても所望の結果を得ることができ、比較例1−1〜1−3のブロックは、加工作業性及び表面性状について所望の結果を得ることができず、比較例2−1〜2−4のブロックは、圧縮強度及び表面性状について所望の結果を得ることができなかった。
このように、この発明の実施の形態に係るコンクリート固化体100は、セメント14、骨材及び水15が混練されて生成され、上記骨材が、水硬性を有し且つ比表面積が1700〜4000cm/gである鉄鋼スラグ12の微粉末からなる。
このとき、コンクリート固化体100では、骨材が鉄鋼スラグ12の微粉末からなるため、切削時に骨材が支障とならず、加工が容易になる。また、水硬性を有する鉄鋼スラグ12の微粉末は、水と反応(水和反応)して結合材として機能してコンクリートを固化させるが、鉄鋼スラグ12は、比表面積1700〜4000cm/gである微細な粒子によって構成されるため、結合対象及び別の結合材であるセメントペーストとの接触面積を大きくすることができる。このため、コンクリート固化体100の強度を向上させることができる。さらに、微細な粒子からなる鉄鋼スラグ12は、コンクリート固化体100中で他の材料の粒子同士の間隙を埋めるように存在し、コンクリート固化体100の気孔率を低くすると共に、コンクリート固化体100の表面及び切削面を滑らかな性状にすることができる。
また、コンクリート固化体100は、副材料13として、フライアッシュ、鋳物砂、スラッジ、ダスト、有機質材料の少なくとも1つを含む。これにより、廃材の有効利用を図ることができる。さらに、有機質材料を含むことによって、コンクリート固化体100は、漁礁ブロック等の海中構造物に用いられる場合、海草、藻等がコンクリート固化体100に生育しやすくなり、自然環境の育成に貢献することができる。また、コンクリート固化体100は加工が通常の粗骨材、細骨材をそのまま使用したコンクリート固化体よりも優れるため、厚板建材用途の素材としても用いる事ができる。
また、コンクリート固化体100を製造する方法は、鉄鋼スラグ12及び副材料13を粉砕することと、粉砕後の鉄鋼スラグ12及び副材料13とセメント14と水15とを混練してフレッシュコンクリート17を製造することと、フレッシュコンクリート17を型枠内に打設し加圧養生を伴って固化させてコンクリート固化体100を生成することとを含む。さらに、混練時の水/セメント比が100%以上であり、上記方法は、型枠内に打設したフレッシュコンクリート17に対して、加圧養生時に0.5〜10kg/cmの圧力を付与することを含む。なお、上記方法において、副材料13を含んでも含まなくてもよい。
このとき、混練時の水/セメント比が100%以上とすることによって、フレッシュコンクリート17の流動性を高めることができ、型枠への打設が容易になる。そして、養生時、打設後のフレッシュコンクリートを加圧することによって、過剰な水分を外部へ放出させることができる。
また、実施の形態のコンクリート固化体100の製造方法では、鉄鋼スラグ12及び副材料13を湿式粉砕していたが、これに限定されるものでなく、乾式粉砕してもよい。
また、実施例では、鉄鋼スラグとして製鋼スラグを用いてコンクリート固化体を生成する例を挙げて説明したが、鉄鋼スラグとして高炉スラグ等の他の鉄鋼スラグからコンクリート固化体を生成してもよい。鉄鋼スラグは、水硬性を有し且つ1700〜4000cm/gの比表面積を有するものであればよい。
11 固形材料、12 鉄鋼スラグ、13 副材料、14 セメント、15 水、17 フレッシュコンクリート(コンクリート)、100 コンクリート固化体(コンクリート)、101 コンクリートブロック。

Claims (2)

  1. セメント、骨材及び水が混練されて生成され、前記骨材が、水硬性を有し且つ比表面積が1700〜4000cm/gである鉄鋼スラグの微粉末からなるコンクリートの固化体を製造する方法において、
    前記鉄鋼スラグを粉砕することと、
    粉砕後の前記鉄鋼スラグとセメントと水とを混練してフレッシュコンクリートを製造することと、
    前記フレッシュコンクリートを型枠内に打設し、加圧養生により固化させて前記コンクリートの固化体を生成することと
    を含み、
    型枠内に打設した前記フレッシュコンクリートに対して、加圧養生時に0.5〜10kg/cm の圧力を付与することを含み、
    前記混練時の水/セメント比が100%以上である、コンクリートの固化体の製造方法
  2. セメント、骨材、副材料及び水が混練されて生成され、前記骨材が、水硬性を有し且つ比表面積が1700〜4000cm /gである鉄鋼スラグの微粉末からなり、前記副材料が、フライアッシュ、鋳物砂、スラッジ、ダスト、有機質材料の少なくとも1つであるコンクリートの固化体を製造する方法において、
    前記鉄鋼スラグ及び前記副材料を粉砕することと、
    粉砕後の前記鉄鋼スラグ及び前記副材料とセメントと水とを混練してフレッシュコンクリートを製造することと、
    前記フレッシュコンクリートを型枠内に打設し、加圧養生により固化させて前記コンクリートの固化体を生成することと
    を含み、
    型枠内に打設した前記フレッシュコンクリートに対して、加圧養生時に0.5〜10kg/cm の圧力を付与することを含み、
    前記混練時の水/セメント比が100%以上である、コンクリートの固化体の製造方法。
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