JP6372123B2 - コンクリートの固化体の製造方法 - Google Patents
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Description
上記コンクリートは、副材料として、フライアッシュ、鋳物砂、スラッジ、ダスト、有機質材料の少なくとも1つを含んでよい。
或いは、上記コンクリートの固化体を製造する方法は、鉄鋼スラグ及び副材料を粉砕することと、粉砕後の鉄鋼スラグ及び副材料とセメントと水とを混練してフレッシュコンクリートを製造することと、フレッシュコンクリートを型枠内に打設し、加圧養生により固化させてコンクリートの固化体を生成することとを含む。
上記方法はいずれも、型枠内に打設したフレッシュコンクリートに対して、加圧養生時に0.5〜10kg/cm2の圧力を付与することを含み、混練時の水/セメント比が100%以上であってよい。
以下、この発明の実施の形態におけるコンクリートの固化体100(以下、コンクリート固化体100と呼ぶ)の製造方法について添付図面に基づいて説明する。
図1を参照すると、固化することでコンクリート固化体100を形成するフレッシュコンクリート(生コンクリートとも呼ぶ)17は、骨材等の固形材料11、結合材であるセメント14、水15、並びにフレッシュコンクリート17の性状を調整するための混和材料・混和剤等を混練して形成される。
ここで、コンクリート固化体100及びフレッシュコンクリート17は、コンクリートを構成している。
鉄鋼スラグ12としては、電気炉スラグ、脱硫処理等の炉外精練処理で生成するスラグ、AOD、転炉、真空脱ガス処理装置等での精練処理で生成するスラグ(これらを総じて「製鋼スラグ」と呼ぶ)、高炉スラグ等の潜在水硬性を有するスラグが用いられる。
副材料13としては、フライアッシュ、廃鋳物砂、生コンクリートスラッジ等の鉱物成分を含むもの、及び、木材屑、麻、米糠等の有機質廃材から選択して用いられる。
鉄鋼スラグ12及び副材料13は、その粒度分布を調整するために、粉砕工程1において混合して粉砕される。
また、本発明では、鉱物成分を含み硬度が比較的高い鉄鋼スラグ12を微粉状にするため、湿式粉砕の方がより好適である。
粉砕器21には、固形材料11の質量100%の中で、鉄鋼スラグ12を50質量%以上、副材料13を25質量%以下とした配合割合で、各材料が水15と共に投入される。さらに、粉砕器21を稼動させることで、鉄鋼スラグ12及び副材料13が、粉砕器21内で分散しながら混合及び粉砕される。なお、投入される副材料13内における有機質材料の割合を10質量%以下としている。
そして、粉砕器21では、鉄鋼スラグ12の粒度が700μm以下、比表面積が1700〜4000cm2/gとなるように、粉砕が実施される。1700cm2/gより小さい比表面積では、コンクリートの固化後の強度が十分ではなく、且つコンクリート固化体100の加工時の表面仕上がりが粗くなる。一方で4000cm2/gより大きい比表面積にまで粉砕すると、いたずらに粉砕コストがかかってしまうだけでコンクリート強度の上昇はあまり望めない。
水15は、水/セメント比が100%以上となるような配合割合で投入される。なお、混和材料及び混和剤の添加量は、フレッシュコンクリート17の配合割合に対して影響を与えない無視できる程度のものであるため、フレッシュコンクリート17の配合割合には含めない。
なお、混練時に投入される水15は、粉砕工程1の粉砕器21に対して、混練時に水/セメント比が100%以上となるような分量で予め投入されていてもよい。さらに、粉砕器21を混練ミキサとして用いてもよい。
さらに、型枠23に配設された上蓋23aには、上方から下方に向かって押圧力が加えられる。このとき、押圧力は、上蓋23aに対して0.5〜10kg/cm2の下方への圧力が作用するように、加えられる。
養生期間は、フレッシュコンクリート17が固化して所定の強度が得られるまでの期間、フレッシュコンクリート17が固化したコンクリート固化体100の用途・目的などに基づき、3日〜28日の間、またはそれ以上の期間で設定される。
なお、大型ブロックの二次製品を作製する場合には、加工工程6が省略されてもよい。フレッシュコンクリート17が高い流動性を有するため、例えば大型の異形ブロックを作製する場合でも、異形の型枠内にフレッシュコンクリート17を流し込んで打設するだけで、脱型後のコンクリート固化体100は、加工工程6を必要とせずに所望の異形ブロックを形成することができる。また、複雑な形状の藻場ブロックなどの場合は、複数の異形のコンクリートブロックを部品として、これらをボルトや接着剤を使用して、接合して組立てて製品とすることができる。
さらに、コンクリート固化体100では、微粉状をした鉄鋼スラグ12及び副材料13によって形成される微粉状の固形材料11が、結合材であるセメント14及び水15の混合物(セメントペースト)との接触面積を大きく増大させている。さらに、鉄鋼スラグ12は、水と反応することによって結合材として作用する。このため、固形材料11の結合強度が増大し、コンクリート固化体100の強度が向上する。
以下、本実施の形態のコンクリート固化体100の実施例と、本実施の形態のコンクリート固化体100と異なる配合を有するコンクリート固化体の比較例とを比較検証する。なお、実施例及び比較例では、鉄鋼スラグとして製鋼スラグを使用した。使用した製鋼スラグは、CaO(酸化カルシウム)を30〜65質量%、SiO2(二酸化ケイ素)を20〜55質量%、Al2O3(アルミナ)を4〜9質量%、MgO(酸化マグネシウム)を5〜10質量%で含有するものである。
互いに配合又は製造方法の異なる8つの実施例1〜8と、互いに配合の異なる3つの比較例1−1〜1−3と、互いに配合の異なる4つの比較例2−1〜2−4とを検証した。
さらに、コンクリート固化体に対して、230mm×230mm×230mmのブロック64個を切り出す加工を実施し、加工後のブロックの表面性状と切削時間(切削スピード)とにより、加工性を評価した。
さらに、コンクリート固化体に対して、230mm×230mm×230mmのブロックを切り出す加工を実施し、加工後のブロックの表面性状と切削時間(切削スピード)とにより、加工性を評価しようとしたが、途中で著しく不具合(切断歯の欠損トラブルなど)が起きたため、加工は中断した。
さらに、コンクリート固化体に対して、230mm×230mm×230mmのブロック16個を切り出す加工を実施し、加工後のブロックの表面性状と切削時間(切削スピード)とにより、加工性を評価した。
このとき、コンクリート固化体100では、骨材が鉄鋼スラグ12の微粉末からなるため、切削時に骨材が支障とならず、加工が容易になる。また、水硬性を有する鉄鋼スラグ12の微粉末は、水と反応(水和反応)して結合材として機能してコンクリートを固化させるが、鉄鋼スラグ12は、比表面積1700〜4000cm2/gである微細な粒子によって構成されるため、結合対象及び別の結合材であるセメントペーストとの接触面積を大きくすることができる。このため、コンクリート固化体100の強度を向上させることができる。さらに、微細な粒子からなる鉄鋼スラグ12は、コンクリート固化体100中で他の材料の粒子同士の間隙を埋めるように存在し、コンクリート固化体100の気孔率を低くすると共に、コンクリート固化体100の表面及び切削面を滑らかな性状にすることができる。
このとき、混練時の水/セメント比が100%以上とすることによって、フレッシュコンクリート17の流動性を高めることができ、型枠への打設が容易になる。そして、養生時、打設後のフレッシュコンクリートを加圧することによって、過剰な水分を外部へ放出させることができる。
また、実施例では、鉄鋼スラグとして製鋼スラグを用いてコンクリート固化体を生成する例を挙げて説明したが、鉄鋼スラグとして高炉スラグ等の他の鉄鋼スラグからコンクリート固化体を生成してもよい。鉄鋼スラグは、水硬性を有し且つ1700〜4000cm2/gの比表面積を有するものであればよい。
Claims (2)
- セメント、骨材及び水が混練されて生成され、前記骨材が、水硬性を有し且つ比表面積が1700〜4000cm2/gである鉄鋼スラグの微粉末からなるコンクリートの固化体を製造する方法において、
前記鉄鋼スラグを粉砕することと、
粉砕後の前記鉄鋼スラグとセメントと水とを混練してフレッシュコンクリートを製造することと、
前記フレッシュコンクリートを型枠内に打設し、加圧養生により固化させて前記コンクリートの固化体を生成することと
を含み、
型枠内に打設した前記フレッシュコンクリートに対して、加圧養生時に0.5〜10kg/cm 2 の圧力を付与することを含み、
前記混練時の水/セメント比が100%以上である、コンクリートの固化体の製造方法。 - セメント、骨材、副材料及び水が混練されて生成され、前記骨材が、水硬性を有し且つ比表面積が1700〜4000cm 2 /gである鉄鋼スラグの微粉末からなり、前記副材料が、フライアッシュ、鋳物砂、スラッジ、ダスト、有機質材料の少なくとも1つであるコンクリートの固化体を製造する方法において、
前記鉄鋼スラグ及び前記副材料を粉砕することと、
粉砕後の前記鉄鋼スラグ及び前記副材料とセメントと水とを混練してフレッシュコンクリートを製造することと、
前記フレッシュコンクリートを型枠内に打設し、加圧養生により固化させて前記コンクリートの固化体を生成することと
を含み、
型枠内に打設した前記フレッシュコンクリートに対して、加圧養生時に0.5〜10kg/cm 2 の圧力を付与することを含み、
前記混練時の水/セメント比が100%以上である、コンクリートの固化体の製造方法。
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