JP2006327900A - セメントクリンカおよびその製造方法 - Google Patents
セメントクリンカおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006327900A JP2006327900A JP2005156272A JP2005156272A JP2006327900A JP 2006327900 A JP2006327900 A JP 2006327900A JP 2005156272 A JP2005156272 A JP 2005156272A JP 2005156272 A JP2005156272 A JP 2005156272A JP 2006327900 A JP2006327900 A JP 2006327900A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cement
- barium
- cement clinker
- mass
- raw material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
流動性が良く、コンクリートのスランプロスを低減するセメントクリンカおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】
普通ポルトランドセメントの原料にバリウムを添加する。次いで、これらを混合し、粉砕する。この後、これらをロータリーキルンに投入して焼成する。焼成する温度は1200℃〜1550℃である。より好ましい温度は1350℃〜1450℃である。この結果、セメントクリンカが得られる。得られたセメントクリンカには、バリウムが含まれている。これにより、流動性が良く、スランプロスが低減されたセメントクリンカが得られる。
【選択図】図1
Description
ここで使われるセメントの原料として、例えば、特許文献1に記載の通り、ポルトランドセメントにシリカフューム、フライアッシュ等の各種混和材の開発がなされている。また、各種高性能AE減水剤、増粘剤を添加したセメントも開発されている。さらに、セメント鉱物である3CaO・Al2O3の量を減らしたセメントなどが提案されている。
上述した難点を改善する方法として、特開平5−294686号公報には、(SO3/アルカリ)のモル比が0.7以上望ましくは、0.8〜1.0のセメントクリンカを有した高流動性セメント、すなわち、(水溶性アルカリ/全アルカリ)のモル比が0.7以上、望ましくは0.8〜1.0のセメントクリンカを有した高流動性セメントが提案されている。
しかしながら、この提案されたセメントであっても、上記難点はある程度改善できるが、高硫黄含有量の燃料を使用するため、クリンカ製造時に大気汚染の原因物質であるSOX濃度が高くなりやすく改良の余地がある。
コンクリート、モルタルあるいはペーストの調整にあたっては、その流動性を所定期間内において、十分に確保すること、すなわち、スランプロスが少ないことが常に要求される。
ポルトランドセメントの原料としては、石灰石などのCaO原料、珪石、粘土等のSiO2原料、粘土などのAl2O3原料、鉄鉱石、鉄滓等のFe2O3原料を使用することができる。
また、バリウムとしては、硫酸バリウム、炭酸バリウム、塩化バリウム、水酸化バリウム等や、これらを含む産業廃棄物、一般廃棄物及びバリウムで汚染された土壌を使用することができる。
最初にセメントクリンカの製造方法を説明する。まず、普通ポルトランドセメントの原料とバリウムとを準備する。普通ポルトランドセメントの原料としては、石灰石などのCaO原料、珪石、粘土等のSiO2原料、粘土などのAl2O3原料、鉄鉱石、鉄滓等のFe2O3原料を使用することができる。また、バリウムとしては、硫酸バリウム、炭酸バリウム、塩化バリウム、水酸化バリウム等や、これらを含む産業廃棄物、一般廃棄物及びバリウムで汚染された土壌を使用することができる。
次いで、普通ポルトランドセメントの原料とバリウムとを所定の水硬率(H.M)、ケイ酸率(S.M)、鉄率(I.M)となるように配合し、混合し、粉砕する。上記各原料を粉砕、混合する方法は、特に限定されない。また、混合し、粉砕する装置も限定されない。
この後、温度1200〜1550℃、好ましくは温度1300〜1450℃で焼成することにより、セメントクリンカが製造される。上記各原料を焼成する装置も限定されず、例えば、ロータリーキルンを使用することができる。
上記焼成して得られたセメントクリンカは、この後冷却され、通常のセメントと同様に石膏を添加し粉砕される。これによりセメントとすることができる。
石膏としては2水石膏、α型またはβ型半水石膏、無水石膏などを単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
なお、粉砕物の粉末度は、ブレーン比表面積2500〜4500cm2/gに粉砕することが好ましい。
また、本願発明においては、上記得られたセメントには、コンクリートの流動性や強度発現性により減水剤を混和剤として使用することができる。減水剤としては、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤(AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤も含む)が挙げられる。
さらに、本願発明においては、混和材として、高炉スラグ、石灰石粉末、フライアッシュ、シリカフュームなども配合することもできる。
まず、普通ポルトランドセメントの原料と炭酸バリウムとを準備する。そして、これらを、水硬率(H.M)が2.1、ケイ酸率(S.M)が2.6、鉄率(I.M)が1.9であり、バリウム含有量がBaO換算で0.06〜5.5質量%となるように添加し、混合した。表1に比較例と実施例のセメントクリンカの組成を示す。なお、比較例1でのバリウム量は、もとの原料に含まれていたものを示すものであり、ここではバリウムを添加していない。通常のセメントでもこの程度のバリウムは含まれている。
そして、これらを、電気炉を用いて1450℃で焼成し、セメントクリンカとした。なお、各セメントクリンカのフリーライム量は0.4〜1.6%であった。
1)細骨材;JIS R 5201 |セメントの物理試験方法|10.2で規定する標準砂
2)混和剤;主剤・エヌエムビー社製レオビルドSP8S Bs(高性能AE減水剤)
助剤・エヌエムビー社製マイクロエア(空気量調整剤)
3)水 ;水道水
上記試製セメントおよびモルタル用材料を用いて、日本建築学会JASS 5T−701−2005「高強度コンクリート用セメントの品質基準(案)」4.4、4.5、4.7に従いモルタルを混練する。そして、混練直後と60分間静置したモルタルをフローコーン(上面内径7cm、下面内径10cm、高さ6cm)に詰め、フローコーンを上方へ取り去った際のモルタルの広がり(0打フロー)を測定した。また、混練直後の0打フローから60分後の0打フローを差し引き「0打フローの60分経時低下量」を測定した。その結果を表2、図1、2に示す。
なお、モルタルの配合は、水/セメント(質量)比=0.30、細骨材/セメント=1.4、混和剤(助剤)/セメント=0.0002とした。混和剤(主剤)量は、配合により変更し、表2に示している。
また、表2および図2の結果により、バリウムを添加して製造したセメントクリンカを使用したモルタルでは、「0打フローの60分経時低下量」が小さくなり、混練後1時間程度の範囲では、時間とともに流動性が悪くなることが改善されたことがわかる。図2から、流動性を改善する効果は1%まではバリウム添加量に比例しているが、1%を越えると急に改善効果が大きくなり、6%程度までは同様の効果を示すことが分かる。
1)細骨材;木更津山砂
2)粗骨材;八王子砕石
3)混和剤;主剤・エヌエムビー社製レオビルドSP8S Bs(高性能AE減水剤)
助剤・エヌエムビー社製マイクロエア404(空気量調整剤)
4)水 ;水道水
コンクリートの配合を次に示す。
水/セメント(質量)比=0.50、
細骨材/セメント(質量)比=1.4、
細骨材/(細骨材+粗骨材)(質量)比=0.5、
混和剤(主剤)/セメント(質量)比=0.015、
混和剤(助剤)/セメント(質量)比=0.0002
Claims (5)
- ポルトランドセメントの原料にバリウムの原料を添加し、これらを焼成するセメントクリンカの製造方法。
- 上記バリウムの原料は、セメントクリンカ中に、BaO換算で0.4質量%〜5質量%含まれる請求項1に記載のセメントクリンカの製造方法。
- BaO換算で0.4質量%〜5質量%のバリウムの原料を含有するセメントクリンカ。
- BaO換算で0.4質量%〜5質量%のバリウムの原料を含有するセメントクリンカから得られるセメント。
- BaO換算で0.4質量%〜5質量%のバリウムの原料を含有するセメントクリンカから得られるセメントを用いて製造されたコンクリート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005156272A JP2006327900A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | セメントクリンカおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005156272A JP2006327900A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | セメントクリンカおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006327900A true JP2006327900A (ja) | 2006-12-07 |
Family
ID=37549982
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005156272A Pending JP2006327900A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | セメントクリンカおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006327900A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013082568A (ja) * | 2011-10-06 | 2013-05-09 | Taiheiyo Cement Corp | 低水和熱セメントクリンカおよび低水和熱セメント組成物 |
JP2015067490A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | 太平洋セメント株式会社 | セメントクリンカ及びセメント |
-
2005
- 2005-05-27 JP JP2005156272A patent/JP2006327900A/ja active Pending
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
JPN6010049265, A.Braniski, "Bariumoxydhaltige weiβe Portlandzemente", ZEMENT−KALK−GIPS, 1959, Nr.9, p.412−414 * |
JPN6010049267, E.REVERTEGAT, "INFLUENCE DE L’OXYDE DE BARYUM SUR LES PROPRIETES CRISTALLOGRAPHIQUES ET TECHNOLOGIQUES DU CLINKER D", Ann. Chim. Fr., 1981, Vol.6, No.4, p.327−339, FR * |
JPN6010049268, K Rajczyk, "STUDIES OF BELITE CEMENT FROM BARIUM CONTAINING BY−PRODUCT", 9th International Congress on the Chemistry of cement, 1992, p.250−254 * |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013082568A (ja) * | 2011-10-06 | 2013-05-09 | Taiheiyo Cement Corp | 低水和熱セメントクリンカおよび低水和熱セメント組成物 |
JP2015067490A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | 太平洋セメント株式会社 | セメントクリンカ及びセメント |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6021753B2 (ja) | 混合セメント | |
JP5750011B2 (ja) | 高炉セメント組成物 | |
CN107986648A (zh) | 矿渣硅酸盐水泥及其制备方法 | |
JP7218083B2 (ja) | セメント組成物の製造方法 | |
JP2008094674A (ja) | 鉄筋継手用充填材及びそれを用いた鉄筋継手充填施工方法 | |
JP4166178B2 (ja) | 水硬性組成物 | |
JP6947501B2 (ja) | セメント組成物 | |
JP2004203733A (ja) | モルタル・コンクリートの製造方法、及びモルタル・コンクリートの製造に用いられるセメント | |
JP4176660B2 (ja) | 水硬性組成物 | |
JP5583429B2 (ja) | 水硬性組成物 | |
JP6234739B2 (ja) | セメント硬化体の製造方法およびセメント硬化体 | |
JP7369849B2 (ja) | セメント組成物 | |
WO2014097938A1 (ja) | セメント及び混合セメント | |
JP4842211B2 (ja) | セメント添加材用焼成物、セメント添加材及びセメント組成物 | |
JP6316576B2 (ja) | セメント組成物 | |
JP2002068804A (ja) | コンクリート組成物 | |
JP5574758B2 (ja) | セメント含有粉体組成物、及び水硬性組成物 | |
JP2006327900A (ja) | セメントクリンカおよびその製造方法 | |
JP2010168256A (ja) | セメント添加材及びセメント組成物 | |
JP4176668B2 (ja) | コンクリート | |
JP3970616B2 (ja) | 高性能コンクリート | |
JP7042643B2 (ja) | セメント組成物 | |
JP2013087036A (ja) | 低水和熱セメントクリンカおよび低水和熱セメント組成物 | |
JP4116987B2 (ja) | 水硬性組成物 | |
JP5474604B2 (ja) | 水硬性組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080321 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100818 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100827 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101025 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110729 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120605 |