JP5313054B2 - タイヤ用加硫装置 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用加硫装置に関する。より詳細には、加硫装置の改良に関する。
タイヤ用加硫装置は、モールドを備えている。このモールドには、ローカバー(未架橋タイヤとも称される)が投入される。このローカバーは、モールド内で加圧及び加熱される。この加圧及び加熱により、ローカバーのゴム組成物が流動する。加熱によりゴム組成物が架橋反応を起こし、タイヤが得られる。
加熱されたモールドは、ローカバーに熱エネルギーを供給する。不充分な熱エネルギーは、加硫不足を招来する。この加硫不足は、タイヤの品質に影響する。過剰な熱エネルギーは、過加硫を招来する。この過加硫も、タイヤの品質に影響する。高品質なタイヤを安定に生産するためには、モールドの温度が適切に制御される。品質安定性の観点から、モールドの温度制御に関して様々な検討がなされている。この検討の一例が、特開平11−138548号公報に開示されている。
特開平11−138548号公報
ローカバーの加硫状態を把握するために、熱電対が組み込まれたローカバーをモールドに投入して、このローカバーの温度を計測することがある。この場合、モールドの嵌合性への影響が配慮されて、この熱電対から延びるコードが配線される。この配線作業は、煩雑である。
温度計を組み込んだローカバーから得られたタイヤは、製品として取り扱うことはできない。生産される全てのタイヤについて、その加硫状態を把握することができないという問題がある。
タイヤのトレッド面には、溝が刻まれることがある。この溝は、モールドのキャビティ面に設けられた凸部をローカバーに当接させることにより形成される。この凸部の先端部分は、モールドが開けられた時に外気に接触して冷めやすい。しかも、この先端部分は、モールドを加熱するヒーターから離れた位置にあるので、加熱されにくい。このローカバーの、この溝の底に相当する部分を充分に加硫するには、時間がかかる。この部分の加硫を促進するためにモールドの温度が上げられると、この部分とは別の部分に過加硫が生じることがある。
本発明の目的は、ローカバーを加熱及び加圧しつつこのローカバーの温度を計測しうるタイヤ用加硫装置の提供にある。
本発明に係るタイヤ用加硫装置は、タイヤの外面を形成しうるモールドを備えている。このモールドは、タイヤのトレッド面に対応するキャビティ面を有する本体と、温度計とを備えている。この本体は、このタイヤのトレッドの溝に対応する凸部を備えている。この温度計は、温度を検出しうる検知部を備えている。この検知部は、この凸部の先端部分に取り付けられている。
好ましくは、このタイヤ用加硫装置では、上記タイヤのセンター領域に位置する溝に対応する凸部に、上記検知部は取り付けられている。この検知部が、このタイヤのショルダー領域に位置する溝に対応する凸部に取り付けられてもよい。
好ましくは、このタイヤ用加硫装置では、上記検知部が取り付けられる凸部の高さに対する、上記タイヤのプロファイルに相当する基準面からこの検知部の先端までの高さの比率は、5%以上70%以下である。好ましくは、このタイヤ用加硫装置では、上記検知部が取り付けられる凸部の高さは5mm以上20mm以下である。
本発明に係るタイヤ用加硫装置では、トレッドの溝の底の温度を計測しつつ、タイヤが得られる。加硫の達成に時間を要する部分の温度を把握できるので、適切な成形時間が設定されうる。この加硫装置では、高品質なタイヤが安定に生産されうる。この加硫装置によれば、生産される全てのタイヤについて、その加硫状態が正確に把握されうる。このような加硫装置は、生産性に寄与しうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る加硫装置で製造された空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの製造に用いられた加硫装置の一部が示された平面図である。 図3は、図2のIII−III線に沿った拡大断面図である。 図4は、図2のモールドのセグメントが示された斜視図である。 図5は、図4のセグメントのブロックの一部が示された断面図である。 図6は、図5のブロックの一部が示された断面図である。 図7は、本発明の他の実施形態に係る加硫装置で製造された空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図8は、図7のタイヤの製造に用いられるモールドの一部が示された断面図である。 図9は、図8のブロックの一部が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示された空気入りタイヤ2は、トレッド4、ウィング6、サイドウォール8、ビード10、カーカス12、ベルト14、バンド16、インナーライナー18及びチェーファー20を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、乗用車に装着される。この図1において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線CL1を中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CL1は、タイヤ2の赤道面を表す。
トレッド4は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、トレッド面22を備えている。このトレッド面22は、路面と接地する。
図1において、点PAで示されているのは、このトレッド面22の縁である。この縁PAは、トレッド4とウィング6との境界でもある。両矢印WAは、赤道面から縁PAまでの軸方向幅を表している。実線T1は、赤道面からの距離が幅WAの1/3に相当する位置を表している。本明細書では、赤道面からこの実線T1までの領域がセンター領域TCと称される。この実線T1から縁PAまでの領域がショルダー領域TSと称される。
トレッド面22には、複数の溝24が刻まれている。これら溝24により、トレッドパターンが形成されている。このタイヤ2では、トレッド面22の赤道面から軸方向外側の部分に、3の主溝24aと1の副溝24bとが設けられている。これら主溝24aは、周方向に延在している。これら主溝24aのそれぞれは、同等の深さを有している。これら主溝24aのうち、赤道面に近い主溝24a及びこの主溝24aの隣に位置する主溝24aが、センター領域TCに位置している。副溝24bは、周方向に延在している。この副溝24bは、主溝24aよりも浅い。このタイヤ2では、この副溝24bとこの副溝24bの隣に位置する主溝24aがショルダー領域TSに位置している。なお、溝24がセンター領域TCとショルダー領域TSとに跨っているときには、この溝24の中心が実線T1上から軸方向内側に位置する場合、この溝24はセンター領域TCに位置するものとされる。溝24の中心が実線T1よりも軸方向外側に位置する場合、この溝24はショルダー領域TSに位置するものとされる。なお、この溝24の中心は、この溝24の底における軸方向幅の中心である
サイドウォール8は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール8は、架橋ゴムからなる。
ビード10は、サイドウォール8よりも半径方向略内側に位置している。ビード10は、コア26と、このコア26から半径方向外向きに延びるエイペックス28とを備えている。コア26は、リング状である。コア26は、非伸縮性ワイヤーが巻かれてなる。エイペックス28は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス28は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス12は、カーカスプライ30からなる。カーカスプライ30は、両側のビード10の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール8の内側に沿っている。カーカスプライ30は、コア26の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。図示されていないが、カーカスプライ30は並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。このカーカス12は、ラジアル構造を有する。
ベルト14は、カーカス12の半径方向外側に位置している。ベルト14は、カーカス12と積層されている。ベルト14は、内側層32及び外側層34からなる。図示されていないが、内側層32及び外側層34のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。内側層32のコードの傾斜方向は、外側層34のコードの傾斜方向とは逆である。
バンド16は、ベルト14を覆っている。図示されていないが、このバンド16は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは実質的に周方向に延びており、螺旋状に巻かれている。バンド16は、いわゆるジョイントレス構造を有する。
図2は、図1のタイヤ2の製造に用いられる加硫装置36の一部が示された平面図である。図3は、図2のIII−III線に沿った拡大断面図である。この加硫装置36は、モールド38を備えている。このモールド38は、タイヤ2の外面を形成しうる。
モールド38は、多数のトレッドセグメント40と、上下一対のサイドプレート42と、上下一対のビードリング44とを備えている。セグメント40の平面形状は、実質的に円弧状である。多数のセグメント40が、リング状に連結される。セグメント40の数は、通常3以上20以下である。サイドプレート42及びビードリング44は、実質的にリング状である。このモールド38は、いわゆる「割モールド」である。図2において、紙面に対して垂直な方向がタイヤ2の軸方向に相当する。両矢印Aが、タイヤ2の周方向に相当する。図3において、左右方向がタイヤ2の半径方向に相当する。上下方向が、タイヤ2の軸方向に相当する。図3中、符号Gで示されているのはローカバーである。なお、このモールド38にツーピースモールドが採用されてもよい。
図4は、図2のモールド38のセグメント40が示された斜視図である。図4において、X方向は半径方向であり、Y方向は軸方向である。周方向は、X方向及びY方向に直交している。このセグメント40は、ホルダー46と、本体としてのブロック48とからなる。ホルダー46は、鋼又はアルミニウム合金からなる。ブロック48は、ホルダー46に装着されている。
図5は、図4のセグメント40のブロック48の一部が示された断面図である。ブロック48は、キャビティ面50を備えている。このキャビティ面50は、タイヤ2のトレッド面22に対応する。図5中、一点鎖線CL2はタイヤ2の赤道面に相当する線である。
キャビティ面50は、凸部52と凹部54とを備えている。凸部52は、筋山状である。この凸部52は、タイヤ2のトレッド4の溝24に対応する。凹部54は、タイヤ2のトレッド4のブロック56に対応する。この凸部52及び凹部54により、タイヤ2にトレッドパターンが形成される。凸部52及び凹部54の形状は、トレッドパターンに応じて、適宜決定される。なお図3では、凸部52及び凹部54の図示が省略されている。
図示されているように、キャビティ面50の、赤道面から軸方向外側の部分には、4の凸部52が設けられている。これら凸部52は、3の主凸部52aと、1の副凸部52bとから構成されている。これら主凸部52aは、周方向に延在している。これら主凸部52aのそれぞれは、同等の高さを有している。副凸部52bは、周方向に延在している。この副凸部52bは、主凸部52aよりも低い。
図6は、図5のブロック48の一部が示された断面図である。この図6には、赤道面の近傍に位置する主凸部52aが示されている。この主凸部52aは、前述のセンター領域TCに位置する主溝24aに対応する。図示されているように、この主凸部52aには温度計58が組み込まれている。換言すれば、この加硫装置36のモールド38は温度計58をさらに備えている。なお、この主凸部52aに複数の温度計58が設けられてもよい。この場合、これら温度計58は周方向に所定の間隔を空けて配置される。
温度計58は、検知部60と、この検知部60から延びる出力用のコード62と、保護管64とを備えている。検知部60は、温度計58の先端部分に位置している。検知部60は、温度を検出しうる。このモールド38では、この検知部60は熱電対である。この検知部60は、保護管64の先端に位置している。保護管64は、筒状である。この保護管64内には、コード62が収納されている。コード62は、この保護管64を通じてモールド38から引き出されている。この加硫装置36では、このコード62によるモールド38の嵌合性への影響が抑えられている。このコード62は、記録計(図示されず)に取り付けられている。なお、このコード62が演算手段としてのパーソナルコンピュータに接続されて、検知部60で計測された温度データがこのパーソナルコンピュータに入力されうるように構成されてもよい。
図1に示されたタイヤ2は、次のようにして生産される。トレッド4、サイドウォール8、ビード10等の部材が組み合わされ、ローカバーG(未架橋タイヤとも称される)が成形される。図2に示されたモールド38が開かれ、このモールド38にローカバーGが投入される。モールド38が締められ、ブラダー(図示されず)の内圧が高められる。ブラダーの外側表面が、ローカバーGの内側表面に当接する。ローカバーGの外側表面が、モールド38のキャビティ面50に当接する。この当接により、キャビティ面50に設けられた各凸部52がローカバーGのトレッド4にめり込んでいく。この凸部52が、このトレッド4に溝24を形成する。
この加硫工程では、ローカバーGは、モールド38及びブラダーからの熱伝導により、加熱される。ローカバーGは、加硫工程において加熱される。加圧と加熱とにより、ローカバーGのゴム組成物が流動する。流動によってモールド38の中に残存するエアーが移動し、モールド38から排出される。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤ2が得られる。
モールド38にローカバーGが投入される時、このモールド38は開けられる。モールド38からタイヤ2が取り出される時、このモールド38は開けられる。このモールド38が開けられた時、このモールド38の凸部52の先端部分は外気に接触して冷却される。しかも、この先端部分は、モールド38を加熱する熱源としてのヒーターから離れた位置にあるので、加熱されにくい。このため、この先端部分により形成される溝24の底を加硫するためには充分な時間を要する。換言すれば、この溝24の底は、加硫の達成に時間を要する部分である。
この加硫装置36では、モールド38に設けられた凸部52の先端は溝24の底に対応する。温度計58の検知部60は、前述した、主凸部52aの先端部分に取り付けられている。この加硫装置36では、トレッド4の溝24の底の温度を計測しつつ、タイヤ2が成形される。
この加硫装置36では、検知部60により溝24の底の温度が正確かつ容易に計測されうる。加硫の達成に時間を要する部分の加硫状態が把握されうるので、適切な成形時間が設定されうる。この加硫装置36では、高品質なタイヤ2が安定に生産される。この加硫装置36によれば、生産される全てのタイヤ2について、その加硫状態が正確に把握されうる。このような加硫装置36は、生産性に寄与しうる。
この加硫装置36では、直進走行時に主として接地するセンター領域TCに位置する主溝24aに対応する主凸部52aに温度計58が取り付けられている。主溝24aの底の温度を計測しつつタイヤ2が成形されるので、この主溝24aの底の部分も充分に加硫されうる。この加硫装置36は、トレッド4のセンター領域TCの品質安定化に寄与しうる。
この加硫装置36では、旋回走行時に主として接地するショルダー領域TSに位置する副溝24bに対応する副凸部52bに温度計58が取り付けられてもよい。この場合、この加硫装置36は、トレッド4のショルダー領域TSの品質安定化に寄与しうる。なお、高品質なタイヤ2を安定に生産しうるという観点から、センター領域TCとショルダー領域TSとの間に位置する主溝24に対応する主凸部52aにも、この温度計58が組み込まれてもよい。
図6において、両矢印HAは温度計58が取り付けられた主凸部52aの高さを表している。この高さHAは、この主凸部52aの隣に位置する凹部54の底からこの主凸部52aの先端までの高さを計測することにより得られる。両矢印HBは、凹部54の底から検知部60の先端までの高さを表している。なお、この凹部54の底は、タイヤ2のプロファイル(タイヤ2に溝24がないと仮定した場合のトレッド面22の形状)に相当する基準面でもある。
このモールド38では、この高さHAに対するこの高さHBの比率は5%以上70%以下であるのが好ましい。この比率が5%以上に設定されることにより、この検知部60が溝24の底の温度を適切に計測しうる。適切な計測は、温度の正確な把握に寄与しうる。このモールド38は、高品質なタイヤ2を安定に生産しうる。この観点から、この比率は、10%以上がより好ましく、15%以上が特に好ましい。この比率が70%以下に設定されることにより、モールド38の強度が適切に維持されうる。このモールド38は、耐久性に優れる。この観点から、この比率は50%以下がより好ましく、30%以下が特に好ましい。
このモールド38では、この高さHAは5mm以上20mm以下が好ましい、この高さHAが5mm以上に設定されることにより、この主凸部52aに設けられた温度計58により溝24の底の温度が適切に計測されうる。適切な計測は、温度の正確な把握に寄与しうる。このモールド38は、高品質なタイヤ2を安定に生産しうる。この観点から、この高さHAは6mm以上がより好ましく、7mm以上が特に好ましい。この高さHAが20mm以下に設定されることにより、この主凸部52aから形成された溝24の、タイヤ2の性能への影響が抑えられる。この観点から、この高さHAは18mm以下がより好ましく、15mm以下が特に好ましい。
本発明では、タイヤ2及び後述するタイヤの各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。乗用車用タイヤ2の場合は、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
図7は、本発明の他の実施形態に係る加硫装置で製造された空気入りタイヤ66の一部が示された断面図である。このタイヤ66は、トラック、バス等の車両に装着される。このタイヤ66は、トレッド68、サイドウォール70、カーカス72、ベルト74及びインナーライナー76を備えている。この図7には、このタイヤ66のトレッド68の部分が示されている。この図7において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ66は、図7中の一点鎖線CL1を中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CL1は、タイヤ66の赤道面を表す。
トレッド68は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド68は、トレッド面80を備えている。このトレッド面80は、路面と接地する。サイドウォール70は、トレッド68の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール70は、架橋ゴムからなる。
図7において、点PAで示されているのは、このトレッド面80の縁である。この縁PAは、トレッド68とサイドウォール70との境界でもある。両矢印WAは、赤道面から縁PAまでの軸方向幅を表している。実線T1は、赤道面からの距離が幅WAの1/3に相当する位置を表している。本明細書では、赤道面からこの実線T1までの領域がセンター領域TCと称される。この実線T1から縁PAまでの領域がショルダー領域TSと称される。
トレッド面80には、複数の主溝82が刻まれている。これら主溝82により、トレッドパターンが形成されている。このタイヤ66では、トレッド面80の赤道面から軸方向外側の部分に、3の主溝82が設けられている。これら主溝82は、周方向に延在している。これら主溝82のそれぞれは、同等の深さを有している。これら主溝82のうち、赤道面に近い主溝82a及びこの主溝82aの隣に位置する主溝82とが、センター領域TCに位置している。3の主溝82のうち、最も軸方向外側に位置する主溝82は、ショルダー領域TSに位置している。
図示されていないが、このタイヤ66は、図1に示されたタイヤ2と同様、加硫装置を用いて生産される。この加硫装置は、ローカバーが投入されるモールドを備えている。このモールド内でローカバーが加圧及び加熱され、タイヤ66が成形される。
図8は、図7のタイヤ66の製造に用いられるモールド84の一部が示された断面図である。この図8には、このモールド84の本体としてのブロック86の一部が示されている。この本体は、タイヤ66のトレッド面80に対応するキャビティ面88を有している。図8中、一点鎖線CL2はタイヤ66赤道面に相当する線である。
キャビティ面88は、凸部90と凹部92とを備えている。凸部90は、筋山状である。この凸部90は、タイヤ66のトレッド68の主溝82に対応する。凹部92は、タイヤ66のトレッド68のブロック94に対応する。この凸部90及び凹部92により、タイヤ66にトレッドパターンが形成される。凸部90及び凹部92の形状は、トレッドパターンに応じて、適宜決定される。
図示されているように、キャビティ面88の、赤道面から軸方向外側の部分に3の凸部90が設けられている。これら凸部90は、周方向に延在している。これら凸部90のそれぞれは、同等の高さを有している。
図9は、図8のブロック86の一部が示された断面図である。この図9には、赤道面の近傍に位置する凸部90aが示されている。この凸部90aは、前述のセンター領域TCに位置する主溝82aに対応する。図示されているように、この凸部90aには温度計96が埋め込まれている。
温度計96は、検知部98と、この検知部98から延びる出力用のコード100と、保護管102とを備えている。検知部98は、温度計96の先端部分に位置している。検知部98は、温度を検出しうる。このモールド84では、この検知部98は熱電対である。この検知部98は、保護管102の先端に位置している。保護管102は、筒状である。この保護管102内に、コード100が収納されている。コード100は、この保護管102を通じてモールド84から引き出されている。このコード100は、記録計(図示されず)に取り付けられている。
図7に示されたタイヤ66は、次のようにして生産される。トレッド68、サイドウォール70等の部材が組み合わされ、ローカバーが成形される。開かれたモールド84に、このローカバーが投入される。モールド84が締められ、ブラダーの内圧が高められる。ブラダーの外側表面が、ローカバーの内側表面に当接する。ローカバーの外側表面が、モールド84のキャビティ面88に当接する。この当接により、キャビティ面88に設けられた各凸部90がローカバーのトレッド68にめり込んでいく。この凸部90が、このトレッド68に主溝82を形成する。
この加硫工程では、ローカバーは、モールド84及びブラダーからの熱伝導により、加熱される。ローカバーは、加硫工程において加熱される。加圧と加熱とにより、ローカバーのゴム組成物が流動する。流動によってモールド84の中に残存するエアーが移動し、モールド84から排出される。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤ66が得られる。
この加硫装置では、モールド84に設けられた凸部90の先端は主溝82の底に対応する。温度計96の検知部98は、凸部90aの先端部分に取り付けられている。この加硫装置では、トレッド68の主溝82aの底の温度を計測しつつ、タイヤ66が成形される。
この加硫装置では、検知部98により主溝82aの底の温度が正確かつ容易に計測されうる。加硫の達成に時間を要する部分の加硫状態が把握されうるので、適切な成形時間が設定されうる。この加硫装置では、高品質なタイヤ66が安定に生産されうる。この加硫装置によれば、生産される全てのタイヤ66について、その加硫状態が正確に把握されうる。この加硫装置では、高品質なタイヤ66が安定に生産されうる。
この加硫装置では、直進走行時に主として接地するセンター領域TCに位置する主溝82aに対応する凸部90aに温度計96が取り付けられている。この主溝82aの底の温度を計測しつつ成形されるので、この主溝82aの底の部分も充分に加硫されうる。この加硫装置は、トレッド68のセンター領域TCの品質安定化に寄与しうる。より高品質なタイヤ66を安定に生産しうるという観点から、ショルダー領域TSに位置する主溝82bに対応する凸部90bにも温度計96が取り付けられてもよい。このショルダー領域TSに主溝82が設けられていない場合には、センター領域TCに位置する主溝82のうち、ショルダー領域TSに近い主溝82cに対応する凸部90cに温度計96が取り付けられてもよい。この凸部90cに設けられる温度計96がショルダー領域TSの加硫状態の把握に寄与しうるので、この場合においても、高品質なタイヤ66が安定に生産されうる。
図9おいて、両矢印HAは温度計96が取り付けられた凸部90aの高さを表している。この高さHAは、この凸部90aの隣に位置する凹部92の底からこの凸部90aの先端までの高さを計測することにより得られる。両矢印HBは、凹部92の底から検知部98の先端までの高さを表している。なお、この凹部92の底は、タイヤ66のプロファイルに相当する基準面でもある。
このモールド84では、この高さHAに対するこの高さHBの比率は5%以上70%以下であるのが好ましい。この比率が5%以上に設定されることにより、この検知部98が主溝82aの底の温度を適切に計測しうる。適切な計測は、温度の正確な把握に寄与しうる。このモールド84は、高品質なタイヤ66を安定に生産しうる。この観点から、この比率は、10%以上がより好ましく、15%以上が特に好ましい。この比率が70%以下に設定されることにより、モールド84の強度が適切に維持されうる。このモールド84は、耐久性に優れる。この観点から、この比率は50%以下がより好ましく、30%以下が特に好ましい。
このモールド84では、この高さHAは5mm以上20mm以下が好ましい、この高さHAが5mm以上に設定されることにより、この凸部90aに設けられた温度計96により主溝82aの底の温度が適切に計測されうる。適切な計測は、温度の正確な把握に寄与しうる。このモールド84は、高品質なタイヤ66を安定に生産しうる。この観点から、この高さHAは6mm以上がより好ましく、7mm以上が特に好ましい。この高さHAが20mm以下に設定されることにより、この凸部90から形成された主溝82の、タイヤ66の性能への影響が抑えられる。この観点から、この高さHAは18mm以下がより好ましく、15mm以下が特に好ましい。
以上説明された方法は、種々のタイヤの製造にも適用されうる。
2、66・・・タイヤ
24・・・溝
36・・・加硫装置
38、84・・・モールド
50、88・・・キャビティ面
52、52a、52b、90、90a、90b、90c・・・凸部
58、96・・・温度計
60、98・・・検知部
62、100・・・コード
64、102・・・保護管
82・・・主溝

Claims (5)

  1. タイヤの外面を形成しうるモールドを備えており、
    このモールドが、このタイヤのトレッド面に対応するキャビティ面を有する本体と、温度計とを備えており、
    この本体が、このタイヤのトレッドの溝に対応する凸部を備えており、
    この温度計が、温度を検出しうる検知部を備えており、
    この検知部が、この凸部の先端部分に取り付けられているタイヤ用加硫装置。
  2. 上記タイヤのセンター領域に位置する溝に対応する凸部に、上記検知部が取り付けられている請求項1に記載のタイヤ用加硫装置。
  3. 上記タイヤのショルダー領域に位置する溝に対応する凸部に、上記検知部が取り付けられている請求項1又は2に記載のタイヤ用加硫装置。
  4. 上記検知部が取り付けられる凸部の高さに対する、上記タイヤのプロファイルに相当する基準面からこの検知部の先端までの高さの比率が、5%以上70%以下である請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ用加硫装置。
  5. 上記検知部が取り付けられる凸部の高さが、5mm以上20mm以下である請求項4に記載のタイヤ用加硫装置。

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