JP5309605B2 - ステアリング装置 - Google Patents
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Description
この特許文献1の装置は、アウタコラムを、円筒形状のインナコラムと、このインナコラムにコラム軸方向に摺動可能に外嵌している円筒形状のアウタコラムとで構成し、インナコラムの全周を抱持する円筒形状のアウタコラムの抱持部に、コラム軸方向に延在するスリットを形成し、このスリットを車幅方向から跨ぐように車両前後方向から見て方形枠状のコラム側ブラケットを抱持部に固定し、車体側部材に固定した車体側ブラケットがコラム側ブラケットを車幅方向の外方から挟み込み、手動式のクランプ機構を介して車体側ブラケット及びコラム側ブラケットを連結している。そして、アウタコラム及びインナコラムをコラム軸方向及び上下方向に相対移動させ、ステアリングホイールのテレスコ位置、或いはチルト位置の調整を行ってから、クランプ機構のクランプ操作によりスリットの幅が小さくなるようにコラム側ブラケットを締付けて抱持部を縮径することで、ステアリングコラムの傾動、伸縮が不可能となるようにアウタコラム及びインナコラムをクランプしている。
また、コラム側ブラケットの剛性が高く、クランプ操作時において抱持部がインナコラムの外周を締め付けるクランプ力が弱いと、アウタコラム及びインナコラムの間にガタ付きが発生するおそれがある。
図1は本発明に係る車両用ステアリング装置を示す図、図2は図1のA−A線矢視図である本発明に係る第1実施形態の位置調整式ステアリング装置を示す図、図3は第1実施形態で使用するクランプ補助部材を示す図、図4は第1実施形態のアウタコラムの形状を示す側面図、図5は本発明に係る第2実施形態の位置調整式ステアリング装置を示す断面図、図6は本発明に係る第3実施形態の位置調整式ステアリング装置を示す断面図、図7は第3実施形態で使用するクランプ補助部材を示す図、図8は第3実施形態のアウタコラムの形状を示す側面図、図9は本発明に係る第4実施形態の位置調整式ステアリング装置を示す断面図、図10は本発明に係る第5実施形態の位置調整式ステアリング装置を示す断面図、図11はクランプ機構をアンクランプ操作したときの第5実施形態のクランプ補助部材の状態を示す図、図12はクランプ機構をクランプ操作したときの第5実施形態のクランプ補助部材の状態を示す図、図13は本発明に係る第6実施形態の位置調整式ステアリング装置を示す断面図である。
ステアリングコラム2は、ステアリングシャフト3を軸受(図示せず)を介して回動自在に保持する車両前方に配置したインナコラム7と、インナコラム7が摺動自在に内嵌する車両後方に配置したアウタコラム8とで構成されている。そして、インナコラム7がロア車体側ブラケット9を介して車体側部材11に支持され、アウタコラム8が位置調整機構10を介して車体側部材11に支持されている。
位置調整機構10は、図2に示すように、車体側部材11に固定されているアッパ車体側ブラケット20と、アウタコラム8の車両前方側に一体に形成され、インナコラム7の外周の上部略半周に当接する半円弧形状の抱持部21と、この抱持部21の一対の下端部から連続して形成され、互いに車幅方向に平行に離間して車両下方に延在している板状の一対の被挟持部22a,22bと、アッパ車体側ブラケット20及び一対の被挟持部22a,22bに係合しているクランプ機構23と、一対の被挟持部22a,22bに係合してインナコラムの下部外周に当接しているクランプ補助部材24とを備えている。
また、クランプ補助部材24は、弾性変形自在な金属板材であり、インナコラム7の下部外周と略同一の曲率で湾曲している湾曲板部24aと、この湾曲板部24aの幅方向の両側に、湾曲板部24aが突出している方向に端部が位置するように小さな曲率半径で曲げ形成された丸み係合部24b,24cとで構成されている。
一対の被挟持部22a,22bには、図4に示すように、長軸がコラム軸P1方向に延在するテレスコ用長孔25が形成されている。
なお、本発明の車体側ブラケットがアッパ車体側ブラケット20に対応している。
チルト・テレスコ調整を行なうには、先ず、クランプ機構23の操作レバー23gをアンクランプ方向に操作する。この操作を行うと、アッパ車体側ブラケット20の一対の側板20b,20cが互いに車幅方向外方に離間していく。これにより、一対の側板20b,20cに挟持されている一対の被挟持部22a,22bは車幅方向外方に弾性変形していき、インナコラム7の下部外周に当接している半円弧形状の抱持部21の内径が拡径していく。
チルト位置を調整するには、締付けボルト23aをアッパ車体側ブラケット20のチルト用長孔20dの長軸方向にスライドさせていく。この動作により、クランプ補助部材24を介してインナコラム7を支持しているアウタコラム8(抱持部21)を上下方向に揺動させることでステアリングホイール4の傾動位置を調整する。
一方、クランプ機構23の操作レバー23gをクランプ方向に操作すると、アッパ車体側ブラケット20の一対の側板20b,20cが互いに車幅方向内方に近接していく。
次に、図5に示すものは、図2から図4で示した第1実施形態の変形例(第2実施形態)である。なお、図2で示した構成と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態によると、位置調整機構10を構成するアウタコラム8の車両前方側の構造が閉断面構造(半円弧形状の抱持部21、一対の被挟持部22a,22b及び閉塞部22cを備えた構造)となっており、従来装置の構造(アウタコラムの抱持部に固定され、車幅方向の剛性が高い方形枠状(閉断面構造)のコラム側ブラケット)と比較して、閉断面構造の一部である一対の側板20b,20cの車幅方向の剛性はさほど高くならない。そのため、クランプ機構23の操作力を大きくする必要がないので操作性を良好とすることができる。
次に、図6から図8を参照して、第3実施形態を説明する。
第3実施形態の位置調整機構10は、インナコラム7の他の外周を包み込むように装着してインナコラム7の外周と抱持部21の内周との間に配置したクランプ補助部材26と、クランプ補助部材26の両端部が一対の側板20b,20cに直接当接するように、一対の被挟持部22a,22bに形成した一対の通過孔27,27とを備えている。
なお、本発明の係合部が丸み係合部26a,26bに対応している。
チルト・テレスコ調整を行なうには、先ず、クランプ機構23の操作レバー23gをアンクランプ方向に操作する。この操作を行うと、アッパ車体側ブラケット20の一対の側板20b,20cが互いに車幅方向外方に離間していく。これにより、一対の側板20b,20cに挟持されている一対の被挟持部22a,22bは車幅方向外方に弾性変形していき、半円弧形状の抱持部21の内径が拡径していく。
一方、クランプ機構23のクランプ操作を行うと、アッパ車体側ブラケット20の一対の側板20b,20cが互いに車幅方向内方に近接していく。
次に、図9に示すものは、図6から図8で示した第3実施形態の変形例(第4実施形態)である。
本実施形態は、第2実施形態と同様に、一対の被挟持部22a,22bの下部間に閉塞部22cが車幅方向に延在して一体に形成されているとともに、半円弧形状の抱持部21、一対の被挟持部22a,22b及び閉塞部22cを備えた車両前後方向から見て閉断面構造となっている。この閉断面構造のアウタコラム8もハイドロフォーミング製法により形成されている。
次に、図10から図12を参照して、第5実施形態を説明する。
第5実施形態の位置調整機構10は、締付けボルト23aとインナコラム7の下部外周の間にクランプ補助部材28を配置している。
クランプ補助部材28は、図11及び図12に示すように、インナコラム7の下部外周に固定されているバネ部材29と、締付けボルト23aの外周に固定され、クランプ機構23がクランプ操作を行うときにインナコラム7の下部に向かう付勢力をバネ部材29に発生させる付勢力発生部材30とを備えている。
付勢力発生部材30は、一対の被挟持部22a,22bの間に位置している締付けボルト23aの外周に固定されている筒部30aと、この筒部30aの一部から径方向外方に突出した凸部30bとで構成されている。
なお、本発明の弾性部材がバネ部材29に対応している
チルト・テレスコ調整を行なうために、クランプ機構23の操作レバー23gをアンクランプ方向に操作すると、アッパ車体側ブラケット20の一対の側板20b,20cが互いに車幅方向外方に離間していき、この一対の側板20b,20cに挟持されている一対の被挟持部22a,22bも車幅方向外方に弾性変形していくので、半円弧形状の抱持部21の内径が拡径していく。
次に、図13に示すものは、図10から図12で示した第5実施形態の変形例(第6実施形態)である。
本実施形態も、第2実施形態と同様に、一対の被挟持部22a,22bの下部間に閉塞部22cが車幅方向に延在して一体に形成されているとともに、半円弧形状の抱持部21、一対の被挟持部22a,22b及び閉塞部22cを備えた車両前後方向から見て閉断面構造となっている。この閉断面構造のアウタコラム8もハイドロフォーミング製法により形成されている。
なお、各実施形態では、インナコラム7の外周面形状を円とし、この外周面に湾曲したクランプ補助部材24の湾曲板部24a、クランプ補助部材26の丸み係合部26a,26b以外の部位、クランプ補助部材28の基部29aが当接する構造としているが、インナコラム7の外周面形状を多角形や楕円などの非円形の形状とし、湾曲板部24a、丸み係合部26a,26b以外の部位、クランプ補助部材28の基部29aも、多角形や楕円などの非円形の形状としてインナコラム7の外周面に当接するようにしてもよい。。
また、各実施形態では、テレスコ位置を調整する際に、アウタシャフト3a及びインナシャフト3bからなるステアリングシャフト3を伸縮させてステアリングホイール4の車両前後位置を調整しているが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、伸縮不可能な1本のステアリングシャフト3とし、インナコラム7が車両前後方向に移動可能となるようにロア車体側ブラケットに支持され、中間シャフト6が伸縮することでステアリングホイール4の車両前後位置を調整してようにしてもよい。
Claims (1)
- ステアリングホイールを取付けたステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムを、円筒形状のインナコラムと、このインナコラムにコラム軸方向に摺動自在に外嵌した円筒形状のアウタコラムとで構成し、
前記アウタコラムに一体に形成され、縮径可能とされながら前記インナコラムの外周の一部を抱持している半円弧形状の抱持部と、
この抱持部の両端から連続して互いに平行に延在している一対の被挟持部と、
車体側部材に固定され、前記一対の被挟持部を外側から挟持する一対の側板を備えた車体側ブラケットと、
操作レバーの操作により前記車体側ブラケットの前記一対の側板を締め付けることで前記一対の被挟持部を互いに近接する方向に変形させ、前記抱持部が縮径することでコラム軸方向に相対移動不能となるように前記抱持部及び前記インナコラムの両者をクランプする手動式のクランプ機構と、
このクランプ機構の操作により前記一対の側板を締め付けた際に、前記抱持部及び前記インナコラムの両者に対して補助クランプ力を付与するクランプ補助部材と、を備え、
前記クランプ補助部材は、アンクランプ時に前記抱持部に抱持されていない前記インナコラムの外周に当接し、且つ前記一対の被挟持部の内壁に係合し、前記抱持部とともに前記インナコラムを挟み込んで保持する弾性部材であり、クランプ時に前記一対の被挟持部が互いに近接する方向に変形することで弾性変形し、その弾性付勢力が前記抱持部に向かう方向に前記補助クランプ力として作用することを特徴とするステアリング装置。
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