JP5309005B2 - 車両用表示装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複数の表示部に画像の表示を行う車両用表示装置に関するものである。
従来から、車両のインストゥルメントパネルの内部に設けられたケース内に、2つの表示器を配置し、一方の表示器で生成した画像をメータパネルに投影させ、他方の表示器で生成した画像をフロントウインドシールドの車室内側に投影させる車両用表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
実開平5−72553号公報
しかしながら、上述した従来の車両表示装置は、複数の表示器を備えているため、部品点数が増加しコストが上昇してしまうとともに、部品点数の増加により装置が大型化してしまい、設置スペースに限りがあるインストゥルメントパネルへの設置自由度が低下してしまうという課題がある。
部品点数を低減するためには、例えば、単一の表示器により2つの画像を生成して、これらの2つの画像を反射板などで反射させてそれぞれメータパネルとフロントウインドシールドとに投影させる方法が考えられるが、単一の表示器を用いているため、例えば、画像を投影させる場所の周囲の照度が異なる場合に、光源の輝度を調整しても何れか一方の画像が適正な明るさで表示されず商品性の低下を招いてしまう虞がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、異なった場所に投影させる複数の画像の明るさを適正な明るさにしつつ、部品点数を低減してコストの低減および設置自由度の向上を図ることができる車両用表示装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、第1画像および第2画像を表示する画像表示手段(例えば、実施形態における映像表示部22)と、該画像表示手段の前記第1画像および前記第2画像の表示領域(例えば、実施形態における第1映像表示部20および第2映像表示部21)に光を照射する光源(例えば、実施形態における光源部23)とを車両のインストゥルメントパネル(例えば、実施形態におけるインストゥルメントパネル13)内部に有し、前記インストゥルメントパネルに設けられた映像表示部(例えば、実施形態における凹面鏡19)に前記第1画像を表示させるとともに、ヘッドアップディスプレイの映像表示部(例えば、実施形態におけるHUD表示部5)に第2画像を表示させる単一の画像生成手段(例えば、実施形態における表示器18)を備えた車両用表示装置において、車室外の照度および車室内の照度を検出する照度検出手段(例えば、実施形態における車外照度計29および車内照度計30)と、該照度検出手段により検出された車室外の照度および車室内の照度のうち高い方の照度に基づいて前記光源の輝度を制御する光源輝度制御手段(例えば、実施形態における光源輝度制御手段32)と、前記照度検出手段により検出された車室内の照度が、該照度検出手段により検出された車室外の照度よりも低いときに前記第1画像の画素値を前記第2画像の画素値よりも低下させる制御を行う画素値制御手段(例えば、実施形態における画素値制御手段33)とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、第1画像および第2画像を表示する画像表示手段と、該画像表示手段の前記第1画像および前記第2画像の表示領域に光を照射する光源とを車両のインストゥルメントパネル内部に有し、前記インストゥルメントパネルに設けられた映像表示部に前記第1画像を表示させるとともに、ヘッドアップディスプレイの映像表示部に前記第2画像を表示させる単一の画像生成手段を備えた車両用表示装置において、車室外の照度および車室内の照度を検出する照度検出手段と、該照度検出手段により検出された車室外の照度および車室内の照度のうち高い方の照度に基づいて前記光源の輝度を制御する光源輝度制御手段と、前記照度検出手段により検出された車室外の照度が、該照度検出手段により検出された車室内の照度よりも低いときに前記第2画像の画素値を前記第1画像の画素値よりも低下させる制御を行う画素値制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記第2画像の表示輝度を算出するとともに、前記車室内の照度に基づき前記第1画像の表示輝度を算出する輝度算出手段(例えば、実施形態における輝度レベル計算部26)を備え、前記画素値制御手段は、第1画像または第2画像の画素値を低下させる際に、該画素値を前記輝度算出手段により算出された前記第1画像の表示輝度と前記第2画像の表示輝度との比率に応じて低下させることを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記第2画像の表示輝度を算出するとともに、前記車室内の照度に基づき前記第1画像の表示輝度を算出する輝度算出手段(例えば、実施形態における輝度レベル計算部26)を備え、前記画素値制御手段は、前記第1画像の表示輝度が前記第2画像の表示輝度よりも低い場合に、前記第1画像の画素値を前記第2画像の画素値よりも低下させる一方、前記第2画像の表示輝度が前記第1画像の表示輝度よりも低い場合に、前記第2画像の画素値を前記第1画像の画素値よりも低下させることを特徴とする。
請求項1,2に記載した発明によれば、光源の輝度を車室外の照度と車室内の照度のうち高い方の照度すなわち明るい方に合わせることで、明るい方の照度の影響を受ける第1画像と第2画像とのうち一方の明るさを適正な明るさに調整しつつ、車室外の照度と車室内の照度とのうち低い方の照度に基づき第1画像または第2画像の画素値を低下させることが可能となるため、同一輝度の光源の光を照射しつつ、第1画像と第2画像とのうち一方の画像の明るさだけを低下させることができる。したがって、第1画像を表示する画像生成手段と第2画像を表示する画像生成手段とを個別に設ける場合と比較して部品点数の低減を図りつつ第1画像と第2画像とをそれぞれ適正な明るさで表示することができる効果がある。
請求項に記載した発明によれば、車室外の照度に基づき算出された第2画像の表示輝度と車室内の照度に基づき算出された第1画像の表示輝度との比率に応じて、第1画像と第2画像とのうち一方の画素値を低下させることができるため、より適正な画素値を設定することができる効果がある。
請求項に記載した発明によれば、車室外の照度に基づき算出された第2画像の表示輝度よりも車室内の照度に基づき算出された第1画像の表示輝度の方が低い場合、つまり、車室内が車室外よりも暗い場合には、車室内の照度の影響を受けるインストゥルメントパネルに設けられた映像表示部に表示される第1画像の明るさを低下させることができるとともに、車室外が車室内よりも暗い場合には、車室外の照度の影響を受けるヘッドアップディスプレイの映像表示部に表示される第2画像の明るさを低下させることができるため、光源の輝度値によらず、第1画像および第2画像を個別に適切な明るさで表示させることができる効果がある。
本発明の実施形態における車両用表示装置の概略構成を示す側断面図である。 本発明の実施形態における、HUD表示部およびメータパネルに表示される第1画像および第2画像を運転席側から見た図である。 本発明の実施形態における表示器の概略構成図である。 本発明の実施形態における透過型液晶パネルの第1映像表示部および第2映像表示部の配置図である。 本発明の実施形態における車両用表示装置のシステム構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態における輝度調整手段の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の変形例における表示輝度レベルh,m,m’の変化を示すグラフである。
次に、この発明の実施形態における車両用表示装置について図面を参照して説明する。
図1は、この実施形態の車両用表示装置1を側方から見た概略構成を示している。この図1に示すように、自動車の運転席(不図示)に着座した乗員により操作されるステアリングホイール12の前方にインストゥルメントパネル13が配置され、インストゥルメントパネル13の上方にフロントウインドシールド14が傾斜配置される。インストゥルメントパネル13には、ステアリングホイール12の前方側に開口13aが形成されている。
インストゥルメントパネル13内にはケース15が収納されており、このケース15のインストゥルメントパネル13の開口13aに対応する位置に開口15aが設けられている。これら開口13a,15aの下方のケース15内には、高輝度反射型の第1スクリーン16と第2スクリーン17とが設置されている。これら第1スクリーン16と第2スクリーン17とは一体的に形成され、第1スクリーン16の上方に第2スクリーン17が配置されている。第1スクリーン16および第2スクリーン17は、上記開口13a,15aの下方に配置されていることで運転者から直接的に視認されないようになっている。
ケース15内部の第1スクリーン16および第2スクリーン17の車両前方側には、表示器18が配置されており、この表示器18は、その投射口18aが車両後方の第1スクリーン16および第2スクリーン17に対向するように配置されている。表示器18は、第1スクリーン16および第2スクリーン17に対してそれぞれ異なる第1画像および第2画像を投影するもので、例えば、第1スクリーン16に投影される第1画像はスピードメータやタコメータ等のいわゆるメータパネルの画像からなり、一方、第2スクリーン17に投影される第2画像は、運転者が確実に認識する必要がある車速や各種の警報等の情報を含む画像からなる。
表示器18から投影されて第1スクリーン16上で拡散された第1画像は、表示器18の上方に配置された凹面鏡19により開口13a,15a側に反射されて、開口15a,13aを介して運転者のアイポイントに到達する。つまり、第1スクリーン16に投影された第1画像が凹面鏡19よりも前方に存在する虚像として運転者に視認される。上述した表示器18、第1スクリーン16および凹面鏡19により、投影式のメータパネルが構成される。
一方、第2スクリーン17に投影される第2画像はケース15上面に形成された上部開口15bに向かって反射される。上部開口15bの前縁には、利用時にのみ起き上がるポップアップ式のHUD表示部5が開閉可能に支持されており、上述した第2スクリーン17に投影された第2画像がHUD表示部5で反射されてHUD表示部5よりも前方に存在する虚像として運転者に視認される。上述した表示器18、第2スクリーン17およびHUD表示部5により、インストゥルメントパネル13の上方に表示部を備えるいわゆるヘッドアップディスプレイ(以下、単にHUDと称す)が構成される。
図2は、上述した第1スクリーン16を介して凹面鏡19で反射して視認される第1画像の虚像、および、第2スクリーン17を介してHUD表示部5で反射して視認される第2画像の虚像の一例を示している。この図2に示す第1画像は、各種メータ類からなるメータパネルの画像で構成され、第2画像は、車速をデジタル表示した画像で構成されている。第1画像および第2画像がそれぞれHUD表示部5および凹面鏡19よりも車両前方に存在する虚像として視認できることで、運転中に第1、第2画像を視認する際に運転者の焦点調整にかかる負担を軽減することが可能となっている。
図3は、表示器18の一例として3板式の透過液晶プロジェクタの概略構成を示したものである。この表示器18は光源23と映像表示部22(図5参照)とを備えており、光源部23から出力される光が全反射ミラー35により方向を変えられた後、ダイクロイックミラー36,37,38を通してrgb成分に順次波長分離され、この波長分離された光が、映像表示部22を構成するrgb毎に設けられた透過型液晶パネル39,40,41をそれぞれ透過するようになっている。そして、これら透過型液晶パネル39,40,41を透過した光は、それぞれプリズム42により合成された後、投射レンズ43を介して投射口18aから投射される。
透過型液晶パネル39,40,41は図4に示すように、上述した第1スクリーン16に対応する第1映像表示部20と第2スクリーン17に対応する第2映像表示部21とが、上下に並んで一体的に形成されたものである。これら透過型液晶パネル39,40,41の各第1映像表示部20および各第2映像表示部21は、表示ECU25により個別に表示制御が行われるようになっている。
光源部23は、高輝度ランプ等、単一の光源であり、表示ECU25により輝度調整が可能となっている。なお、表示器18は、高輝度ランプを光源とした透過液晶プロジェクタに限られるものではなく、例えば、反射型液晶プロジェクタや、光源としてLEDを光源として用いたものであっても良い。
図5に示すように、表示器18の制御を行う表示ECU(Electronic Control Unit)25は、輝度レベル計算部26と、原映像生成部27と、輝度調整部28とを備えて構成され、車室外の照度を検出する車外照度計29と、車室内の照度、より具体的にはインストゥルメントパネル13よりも車両後方側の車室内の照度を検出する車内照度計30とがそれぞれ接続されている。
輝度レベル計算部26は、車外照度計29により検出された照度oと、車内照度計30により検出された照度iとに基づき、HUDに最適な表示輝度レベルhと、メータパネルに最適な表示輝度レベルmとをそれぞれ計算により求め、これら表示輝度レベルhと表示輝度レベルmとを輝度調整部28へ出力する。照度oと照度iとは、昼間の逆光状態の場合には、相対的に照度oが高く照度iが低くなり、夜間に室内照明を点灯させた場合には、照度oが低く照度iが高くなる。昼間の逆光などの状態であれば、照度oが非常に大きな値となるので、この照度oに対応して表示輝度レベルhが相対的に非常に大きな値となり、さらに、夜間に室内照明を点灯しているなどの状態であれば照度iが大きな値となるので、この照度iに対応して表示輝度レベルmが相対的に大きな値となる。
上述した表示輝度レベルhは、予め設定された所定の比例定数を照度oに積算することで求めることができ、また、表示輝度レベルmは、予め設定された所定の比例定数を照度iに積算することで求めることができる。つまり、表示輝度レベルh,mの比率と照度o,iの比率とは等しくなり、h:m=o:iとなる。
原映像生成部27は、車輪速センサ(不図示)などの各種センサより入力される車両状態に関する情報に基づいて、表示器18の映像表示部22を構成する透過型液晶パネル39,40,41の第1映像表示部20および第2映像表示部21に表示させる画像をそれぞれ生成して輝度調整部28へ出力する。
輝度調整部28は、表示器18による第1スクリーン16への第1画像の投影および第2スクリーンへの第2画像の投影を制御するものであって、光源輝度制御手段32と、画素値制御手段33とをそれぞれ備えて構成される。輝度調整部28は、輝度レベル計算部26より入力された表示輝度レベルhおよび表示輝度レベルmを比較して高低を判定する。つまり、輝度調整部28では、間接的に照度oと照度iとの高低が判定される。なお、直接的に照度o,iを比較してそれぞれの高低を判定するようにしてもよい。
光源輝度制御手段32は、照度o,iのうち高い方の照度に対応する表示輝度レベルh又は表示輝度レベルmで光源部23を点灯制御するための輝度制御信号を光源部23へ出力する。具体的には、照度o(表示輝度レベルh)の方が高い場合には、表示輝度レベルhで光源部23を点灯制御し、照度i(表示輝度レベルm)が高いと判定された場合には、表示輝度レベルmで光源部23を点灯制御する。
画素値制御手段33は、表示輝度レベルhと表示輝度レベルmとのうち高い方の表示輝度レベルに最適な原画像の表示画素値rgb(x,y)を求める。ここで、「x」は画像中の画素の横位置、「y」は同縦位置を示しており、「rgb」は、透過型液晶パネル39,40,41にそれぞれ対応する赤(red)、緑(green)、青(blue)の三色の組み合わせを意味している。そして一般的に、「r」,「g」,「b」には「0」〜「255」の範囲でそれぞれ表示画素値が設定される。例えば、第1画像または第2画像において横10、縦20の位置の画素の色が黄色である場合、rgb(10,20)=(255,255,0)すなわち、赤色を担当する透過型液晶パネル39の横10,縦20の表示画素値が「255」、緑色を担当する透過型液晶パネル40の横10,縦20の表示画素値が「255」、青色を担当する透過型液晶パネル41の横10,縦20の表示画素値が「0」に設定される。
また、画素値制御手段33は、表示輝度レベルhと表示輝度レベルmとのうち低い方の表示輝度レベルと、原画像の表示画素値rgb(x,y)とに基づき、第1画像および第2画像の表示画素値である表示画素値RGB(x,y)を求める。より具体的には、表示輝度レベルmが表示輝度レベルhよりも低い場合は、第1画像の表示画素値を演算により求め、表示輝度レベルhが表示輝度レベルmよりも低い場合は、第2画像の表示画素値を演算により求める。また、この求められた表示画素値と原画像の表示画素値rgb(x,y)と表示輝度レベルh,mの比率とを用いて第1画像および第2画像の表示画素値RGB(x,y)を求め、この表示画素値RGB(x,y)で第1画像および第2画像の表示制御を行うための映像信号を映像表示部22へ出力する。
この実施形態の車両用表示装置1は上述した構成を備えており、次にこの車両用表示装置1の動作を図6のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、表示ECU25は、輝度レベル計算部26によって車外照度計29と車内照度計30とによって検出された照度oおよび照度iに基づきHUDの表示輝度レベルhおよびメータパネルの表示輝度レベルmを算出し、輝度調整部28により表示輝度レベルhと表示輝度レベルmとを比較して高低を判定するべく、表示輝度レベルhが表示輝度レベルmよりも高いか否かを判定する(ステップS01)。
そして、表示輝度レベルhが表示輝度レベルmよりも高いと判定された場合には(ステップS02においてYES)、照度oに基づく表示輝度レベルhを光源部23の表示輝度レベルLとして設定すると共に、映像表示部22の表示画素値RGB(x,y)のうち、第2画像(HUD用)の表示画素値として原映像生成部27で設定される表示画素値rgb(x,y)を設定する一方、第1画像(メータパネル用)の表示画素値として、低い方の表示輝度レベルを高い方の表示輝度レベルで除算したものすなわちm/hを上記表示画素値rgb(x,y)に対して積算したものを設定する(ステップS02)。これにより、第1画像の表示画素値が、表示輝度レベルhと表示輝度レベルmとの比率に応じて、第2画像の表示画素値よりも低下されることとなる。ここで、表示輝度レベルh,mは0〜100%の値で設定され、表示輝度レベルh,mが(h,m)=(80,50)であったと仮定すると、h>mとなるから、光源部23の表示輝度レベルLは80%となり、第1画像(メータパネル用)の表示画素値は原映像生成部27で設定されるrgb(x,y)に50/80=0.63を積算した表示画素値となる。
また、表示輝度レベルhが表示輝度レベルm以下であると判定された場合、つまり表示輝度レベルmが高いと判定された場合には(ステップS02においてNO)、光源部23の表示輝度値Lに、照度iに基づく表示輝度レベルmを設定すると共に、映像表示部22の表示画素値RGB(x,y)のうち、第1画像(メータパネル用)の表示画素値として、原映像生成部27で設定される表示画素値rgb(x,y)を設定する一方、第2画像の画素値として、低い方の表示輝度レベルを高い方の表示輝度レベルで除算したものすなわちh/mを上記表示画素値rgb(x,y)に対して積算したものを設定する(ステップS03)。これにより、第2画像の表示画素値が、表示輝度レベルhと表示輝度レベルmとの比率に応じて、第1画像の表示画素値よりも低下される。ここで、表示輝度レベルh,mがそれぞれ0〜100%の値となり、また表示輝度レベルh,mがそれぞれ(h,m)=(30,60)であったと仮定すると、h<mであるから、光源部23の表示輝度値Lは60%となり、第2画像(HUD用)の表示画素値は原映像生成部27で設定されるrgb(x,y)に30/60=0.5を積算した表示画素値となる。
そして、上述したように表示輝度レベルhと表示輝度レベルmとの高低に応じて表示画素値RGB(x,y)がそれぞれ設定されると(ステップS02およびステップS03)、表示器18に表示輝度レベルLと表示画素値RGB(x,y)による原画像の映像信号を出力して(ステップS04)、上述した処理を繰り返す。
すなわち、第1スクリーン16に投影され、凹面鏡19を介して視認できる第1画像と、第2スクリーン17に投影され、HUD表示部5を介して視認できる第2画像とのうち、表示画素値がrgb(x,y)のままである一方の画像の明るさは、光源部23の輝度調整により適切な明るさに調整され、他方の画像の明るさは、表示画素値の低下によって、適切な明るさに調整されることとなる。
したがって、上述した第1実施形態の車両用表示装置1によれば、映像表示部22に照射する光源部23の輝度を車室外の照度oと車室内の照度iのうち高い方の照度すなわち明るい方に基づいて制御することで、明るい方の照度の影響を受ける第1画像と第2画像とのうち一方の明るさを適正な明るさに調整しつつ、車室外の照度oと車室内の照度iとのうち低い方の照度に基づき第1画像または第2画像の表示画素値を低下させることが可能となるため、同一輝度の光源部23の光を照射しつつ、第1画像と第2画像とのうち一方の画像の明るさだけを低下させることができ、この結果、第1画像を表示する表示器18と第2画像を表示する表示器18とを個別に設ける場合と比較して部品点数の低減を図りつつ第1画像と第2画像とをそれぞれ適正な明るさで表示することができる。
また、車室外の照度oに基づき算出された第2画像の表示輝度レベルhと、車室内の照度iに基づき算出された表示輝度レベルmとの比率に応じて、第1画像と第2画像とのうち一方の表示画素値を低下させることができるため、より適正な表示画素値を設定することができる。
さらに、車室外の照度oよりも車室内の照度iの方が低い場合に、第1画像の表示画素値を低下させて、車室内の照度iの影響を受けるインストゥルメントパネル13に設けられた映像表示部の表示画像すなわち、凹面鏡19(メータパネル)に表示される第1画像の明るさを低下させることができるとともに、車室内の照度iよりも車室外の照度oの方が低いと判定された場合には、第2画像の表示画素値を低下させて、車室外の照度oの影響を受けるHUD表示部5に表示される第2画像の明るさを低下させることができるため、第1画像および第2画像の両方を適切な明るさで表示させることができる。
なお、上述した実施形態では表示輝度レベルh,mを照度o,iに基づき計算で求める場合について説明したが、これら表示輝度レベルh,mの計算結果を手動入力により微調整できるようにしてもよい。また、車外照度計29および車内照度計30の2つの照度計によって照度o,iを検出する場合について説明したが、この構成に限られず、例えば、車外照度計29と車内照度計30とのうち一方の照度計やヘッドランプ等の点灯状態から車内外の照度o,iを推定するようにしてもよい。これにより、照度計の数を削減することができるので、コスト低減を図ることができる。
また、上述した実施形態では、第1スクリーン16と第2スクリーン17とに表示器18から投影された第1画像および第2画像を拡散させ、第1画像を凹面鏡19で反射させて第2画像をHUD表示部5で反射させる場合について説明したが、これらの構成に限られず、例えば、表示器18を省略して、さらに、第1スクリーン16および第2スクリーン17に換えて、液晶パネルとバックライトからなる液晶ディスプレイを設けるようにしてもよい。この場合、液晶ディスプレイの液晶パネルが上述の映像表示部22に相当し、バックライトが光源部23に相当する。この液晶ディスプレイを設けた場合、一つの液晶ディスプレイの表示領域を第1領域と第2領域とに上下分割して、下側に位置する第1領域に第1画像、上側に位置する第2領域に第2画像を表示し、上述した映像表示部22と同様に、それぞれの領域の表示画素値を照度i,m(又は表示輝度レベルh,m)に基づき個別に制御すればよい。また、バックライトは、種々の光源を利用してもよく、上述した光源部23と同様に、照度i,m(又は表示輝度レベルh,m)に基づき表示輝度値が制御される。
さらに、この発明は、上述した実施形態の車両用表示装置1の構成に限られるものではない。一般的な車両の走行環境においては、メータパネルの表示輝度(例えば、数十〜1000cd/m)よりもHUDの表示輝度(例えば、数十〜数千cd/m)の方が、その変化する範囲が大きく取り得る最大表示輝度も大きくなる。つまり、車室外の照度oと比較して、車室内の照度iが低く、その差分が非常に大きい場合には、第1画面の表示画素値rgb(x,y)を著しく減少させる必要があり表示品質が低下する虞がある。そのため、上述した実施形態の変形例として、例えば、第1スクリーン16と表示器18との間や第1スクリーン16と凹面鏡19との間や、凹面鏡19のアイポイント側などに輝度を1/K倍に低下させる減光フィルタを挿入して設けてもよい。このように構成することで、第1画像の表示画素値rgb(x,y)を相対的に高い状態で維持できるので、第1画像のコントラストを最適化でき、この結果、第1画像の表示画素値rgb(x,y)の著しい低下によって表示品質が低下するのを防止しつつ、第1画像の見た目の明るさを低下させることができる。
図7は、縦軸を表示輝度レベルh,m、横軸を照度oとしたグラフであり、主に照度oに対する表示輝度レベルhの変化を示している。このグラフ中の表示輝度レベルmの曲線は、図7のように表示輝度レベルhが変化する場合に、第1画像を表示する最適な表示輝度レベルの一例を示している。また、表示輝度レベルm’は、表示輝度レベルhで光源部23を点灯制御した場合に、第1画像の表示品質を十分に確保することができる程度に表示画素値rgb(x,y)を減少させた表示輝度レベルである。つまり、表示輝度レベルm’を減光フィルタによって1/K倍して低下させることで、表示画素値の減少分を抑制でき、表示画素値の減少に起因する画質の低下を防止しつつ、最適な表示輝度レベルmまで低下させた第1画像をユーザのアイポイントに到達させることができる。
なお、図7のグラフのHUDの画質が優先される領域とは、表示輝度レベルhに応じて光源部23の輝度が設定されて第2画像の表示画素値rgb(x,y)が低下されない、すなわち、第2画像の画質が優先される領域を示す一方、メータの画質が優先される領域とは、表示輝度レベルmに応じて光源部23の輝度が設定されて第1画像の表示画素値rgb(x,y)が低下されない領域すなわち、第1画像の画質が優先される領域を示している。
5 HUD表示部(ヘッドアップディスプレイの映像表示部)
13 インストゥルメントパネル
18 表示器(画像生成手段)
19 凹面鏡(インストゥルメントパネルに設けられた映像表示部)
20 第1映像表示部(表示領域)
21 第2映像表示部(表示領域)
22 映像表示部(画像表示手段)
23 光源部(光源)
29 車外照度計(照度検出手段)
30 車内照度計(照度検出手段)
32 光源輝度制御手段
33 画素値制御手段

Claims (4)

  1. 第1画像および第2画像を表示する画像表示手段と、該画像表示手段の前記第1画像および前記第2画像の表示領域に光を照射する光源とを車両のインストゥルメントパネル内部に有し、前記インストゥルメントパネルに設けられた映像表示部に前記第1画像を表示させるとともに、ヘッドアップディスプレイの映像表示部に第2画像を表示させる単一の画像生成手段を備えた車両用表示装置において、
    車室外の照度および車室内の照度を検出する照度検出手段と、
    該照度検出手段により検出された車室外の照度および車室内の照度のうち高い方の照度に基づいて前記光源の輝度を制御する光源輝度制御手段と、
    前記照度検出手段により検出された車室内の照度が、該照度検出手段により検出された車室外の照度よりも低いときに前記第1画像の画素値を前記第2画像の画素値よりも低下させる制御を行う画素値制御手段と、を備えることを特徴とする車両用表示装置。
  2. 第1画像および第2画像を表示する画像表示手段と、該画像表示手段の前記第1画像および前記第2画像の表示領域に光を照射する光源とを車両のインストゥルメントパネル内部に有し、前記インストゥルメントパネルに設けられた映像表示部に前記第1画像を表示させるとともに、ヘッドアップディスプレイの映像表示部に前記第2画像を表示させる単一の画像生成手段を備えた車両用表示装置において、
    車室外の照度および車室内の照度を検出する照度検出手段と、
    該照度検出手段により検出された車室外の照度および車室内の照度のうち高い方の照度に基づいて前記光源の輝度を制御する光源輝度制御手段と、
    前記照度検出手段により検出された車室外の照度が、該照度検出手段により検出された車室内の照度よりも低いときに前記第2画像の画素値を前記第1画像の画素値よりも低下させる制御を行う画素値制御手段と、を備えることを特徴とする車両用表示装置。
  3. 前記照度取得手段により取得された前記車室外の照度に基づき前記第2画像の表示輝度を算出するとともに、前記車室内の照度に基づき前記第1画像の表示輝度を算出する輝度算出手段を備え、
    前記画素値制御手段は、前記第1画像または前記第2画像の画素値を低下させる際に、該画素値を前記輝度算出手段により算出された前記第1画像の表示輝度と前記第2画像の表示輝度との比率に応じて低下させることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用表示装置。
  4. 前記照度取得手段により取得された前記車室外の照度に基づき前記第2画像の表示輝度を算出するとともに、前記車室内の照度に基づき前記第1画像の表示輝度を算出する輝度算出手段を備え、
    前記画素値制御手段は、前記第1画像の表示輝度が前記第2画像の表示輝度よりも低い場合に、前記第1画像の画素値を前記第2画像の画素値よりも低下させる一方、前記第2画像の表示輝度が前記第1画像の表示輝度よりも低い場合に、前記第2画像の画素値を前記第1画像の画素値よりも低下させることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用表示装置。
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