JP5308169B2 - 自動車及び自動車用音漏れ防止構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自車及び自動車用音漏れ防止構造に関する。
従来、この種の音漏れ防止構造としては、下記特許文献1に記載されたインシュレータダッシュの取り付け構造が提案されている。この取り付け構造においては、インシュレータダッシュ、即ち、ダッシュインシュレータが、自動車のエンジン室と車室とを区画するダッシュパネルに車室内側から装着されている。また、コックピットモジュールが、車室内側からダッシュインシュレータを介しダッシュパネルに組み付けられており、このコックピットモジュールのインストルメントパネルが、その先端部にて、自動車のフロントウインドガラスの下端部にシール部材を介し当接されている。
ここで、ダッシュインシュレータは、そのヒンジ部から上端末にかけて、帯状折曲片を形成してなり、この帯状折曲片は、その先端にてヒンジ部よりも車室内後方に位置するように、ヒンジ部から折れ曲がって形成されている。また、当該帯状折曲片の先端のヒンジ部からの寸法は、フロントウインドガラスの下端部にシール部材を介し当接された状態にあるインストルメントパネルの先端とヒンジ部との間の寸法よりも長くなるように、ダッシュインシュレータが形成されている。
しかして、ダッシュインシュレータをダッシュパネルに装着した状態では、ダッシュインシュレータの帯状折曲片は、インストルメントパネルから浮いた状態にある。従って、上述のようにコックピットモジュールをダッシュパネルに組み付けるにあたっては、インストルメントパネルによりその先端にて帯状折曲片をダッシュパネル側に押しやりつつ、コックピットモジュールを、ダッシュインシュレータを介しダッシュパネルに組み付ける。これに伴い、帯状折曲片の先端とインストルメントパネルの裏面との間をゼロ合わせにするように、ダッシュインシュレータが、帯状折曲片にて、インストルメントパネルの裏面に向けバネ付勢される。
特開2008−143400号公報
ところで、上述のようダッシュなインシュレータの取り付け構造においては、単に、ダッシュインシュレータの帯状折曲片が上述のごとくインストルメントパネルの裏面に向けバネ付勢されるのみである。
従って、コックピットモジュールをダッシュパネルに組み付けたときのダッシュインシュレータとインストルメントパネルとの間の相対的な位置関係にずれが生じると、上述のように帯状折曲片を単にインストルメントパネルの裏面に向けバネ付勢するのみでは、帯状折曲片の先端とインストルメントパネルの裏面との間がゼロ合わせになるとは限らない。その結果、エンジン室内のエンジン音等の雑音が、帯状折曲片の先端とインストルメントパネルの裏面との間を通り車室内に漏洩するおそれがある。
また、仮に、上述のようにダッシュインシュレータの帯状折曲片がインストルメントパネルの裏面にバネ付勢されることで、帯状折曲片の先端とインストルメントパネルの裏面との間がゼロ合わせになるとしても、例えば、当該自動車の走行の際に、ダッシュインシュレータが、インストルメントパネルをその裏面から上方へ向け担ぎながら機械的に振動して、当該インストルメントパネルの先端を上下に波打たせ、その結果、エンジ音がインストルメントパネルとダッシュインシュレータとの間から車室内に漏洩するおそれがある。
また、上述のごとくコックピットモジュールをダッシュパネルに組み付けようとすると、この組み付け過程において、噛み込みが、ダッシュインシュレータとインストルメントパネルとの間に生じて、帯状折曲片の先端とインストルメントパネルの裏面との間をゼロ合わせにすることができず、その結果、上述と同様に、エンジ音がインストルメントパネルとダッシュインシュレータとの間から車室内に漏洩するおそれがある。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、ダッシュインシュレータ及びインストルメントパネルの形状に工夫を凝らし、当該ダッシュインシュレータ及びインストルメントパネルの間を介するエンジン室から車室内へのエンジン音等の雑音の漏洩を良好に防止するようにした自車及び自動車用音漏れ防止構造を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明に係る自動車は、請求項1の記載によれば、
エンジン(E)を収容してなるエンジン室(10)と車室(20)とを区画する境界壁部材(30、40)に車室の内部から設けられるダッシュインシュレータ(60)と、
車室の内部からダッシュインシュレータの上端部と車室のフロントウインドシールド(50)の下端部(51)との間に向けて下方へ傾斜状に延出するインストルメントパネルであってその延出前端部(71b)にて帯状防音部材(72)を介しフロントウインドシールドの上記下端部に当接するインストルメントパネル(71)とを備える
当該自動車において、インストルメントパネルは、その前後方向中間部位から下方に向けて突出する係止壁(71c、71d、71e、73、74)を設けてなり、
ダッシュインシュレータは、境界壁部材の下部に沿い設けたインシュレータ本体部(60a)と、インストルメントパネルの上記係止壁の前側にて境界壁部材の上部に対し後方へ離れるように上記インシュレータ本体部の上端部から前後方向へ弾性変形可能に上方へ延出する撓み部(60b、60c)とを備えており
インストルメントパネルをその延出前端部にて帯状防音部材を介しフロントウインドシールドの上記下端部に当接させるとき、上記撓み部は、インストルメントパネルの上記延出前端部との当接により当該延出前端部により押動されて前方へ弾性変形した後上記延出前端部からの解離に伴い後方へ弾性変形することで、上記係止壁にその前側から予圧を付与して一様に係止するようにしたことを特徴とする。
これによれば、インストルメントパネルを、ダッシュインシュレータを介し境界壁部材及びフロントウインドシールドの下端部に組み付けるにあたり、インストルメントパネルをその延出前端部にて帯状防音部材を介しフロントウインドシールドの下端部に当接させるとき、インストルメントパネルをその傾斜状態のままダッシュインシュレータに向けて移動させて、当該インストルメントパネルがその延出前端部により撓み部に後方から当接して当該撓み部を前方に向けて押動することで前側へ弾性変形させる。
の前側への弾性変形後、撓み部がインストルメントパネルの延出前端部から解離すると、当該撓み部は、後方へ弾性変形することで、係止壁にその前側から予圧を付与して一様に係止する。このため、インストルメントパネルとダッシュインシュレータの撓み部との間が、これらインストルメントパネルとダッシュインシュレータの間の噛み込み等を招くことなく、音漏洩不能にシールされ得る。
その結果、エンジン音等の雑音がエンジン室から境界壁部材の上部とフロントウインドシールドの下端部との間からダッシュインシュレータ側へ漏洩しても、この漏洩雑音は、ダッシュインシュレータの撓み部の係止壁との間の予圧を付与した一様な係止でもって、車室の内部から良好に遮音され得る。
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の自動車において、
境界壁部材の上部にその幅方向に間隔をおいて設けられて上記係壁(74)に向けて突出する各支持ボックス(40a)を設けてなり、
インストルメントパネルは、各支持ボックスに対応する部位から上記係壁を介し支持柱(75)を前側下方へ傾斜状に突出形成してなり
上記撓み部は、各支持ボックスに対応する部位にて各コ字状切り欠き部(64b)を切り欠き形成するとともに、当該各切り欠き部の外周部から後方へ各隆起部(66)をコ字状に隆起してなり、
インストルメントパネルは、各支持柱にて、上記各隆起部の内側を通り各支持ボックス内にその上壁部(43)に形成した支持孔部(43a)を介し挿入支持されるとともに、上記撓み部は、その弾性変形により、各支持ボックスの上側後端隅角部を介し前方から後方に向け係止壁に予圧を付与して一様に係止するようにしたことを特徴とする。
これによれば、インストルメントパネルを、ダッシュインシュレータを介し境界壁部材及びフロントウインドシールドの下端部に組み付けるにあたり、インストルメントパネルをその延出前端部にて帯状防音部材を介しフロントウインドシールドの下端部に当接させるとき、インストルメントパネルをその傾斜状態のままダッシュインシュレータに向けて移動させる。これに伴い、インストルメントパネルが、その延出前端部にて、各支持ボックスの上側後端隅角部により上側へ押し上げられながら前方へ移動する。なお、各支持柱は、インストルメントパネルの移動に伴い、撓み部の各隆起部の内側を通り、各支持ボックス内に上壁部の支持孔部を介し挿入されて支持される。これにより、インストルメントパネルの補強がなされる。
然る後、インストルメントパネルが、さらに前方へ移動すると、撓み部が、その後面にて、係止壁の前面に予圧を付与して係止する。ここで、係止壁の前面が、撓み部の後面の凹凸形状とは逆の凸凹形状に対応するように形成されていれば、撓み部は、その各隆起部の後面にて、係止壁に当接するとともに、その各隆起部以外の部位にて、係止壁の各隆起部に対する対応部位以外の部位に前方から当接する。これにより、撓み部は、その後面にて、係止壁の前面に予圧を付与して一様に係止し得る。このことは、撓み部は係止壁との間にて音漏洩不能にシールされることを意味する。
これにより、係止壁と撓み部の各隆起部との間が、音漏洩不能にシールされ得る。その結果、上述のように、インストルメントパネルの補強を確保しつつ、エンジン室からダッシュインシュレータ側へ漏洩するエンジン音等の雑音が、撓み部と係止壁との間の上記シールでもって、車室の内部から良好に遮音され得る。
また、本発明に係る自動車用音漏れ防止構造は、請求項3の記載によれば、
自動車のエンジン(E)を収容してなるエンジン室(10)と車室(20)とを区画する境界壁部材(30、40)に車室の内部から設けられるダッシュインシュレータ(60)と、
このダッシュインシュレータの上端部と車室のフロントウインドシールド(50)の下端部(51)との間に向けて車室の内部から下方へ傾斜状に延出するように設けられるイインストルメントパネルであってその延出前端部にて帯状防音部材(72)を介しフロントウインドシールドの上記下端部に当接するインストルメントパネル(71)とを備える
当該音漏れ防止構造において、インストルメントパネルは、その前後方向中間部位から下方に向けて突出する係止壁(71c、71d、71e、73)を設けてなり、
ダッシュインシュレータは、境界壁部材の下部に沿い設けたインシュレータ本体部(60a)と、インストルメントパネルの上記係止壁の前側にて境界壁部材の上部に対し後方へ離れるように上記インシュレータ本体部の上端部から前後方向へ弾性変形可能に上方へ延出する撓み部(60b、60c)とを備えており
インストルメントパネルをその延出前端部にて帯状防音部材を介しフロントウインドシールドの上記下端部に当接させるとき、上記撓み部は、インストルメントパネルの上記延出前端部との当接により当該延出前端部により押動されて前方へ弾性変形した後上記延出前端部からの解離に伴い後方へ弾性変形することで、上記係止壁にその前側から予圧を付与して一様に係止するようにしたことを特徴とする。
これによれば、インストルメントパネルを、ダッシュインシュレータを介し境界壁部材及びフロントウインドシールドの下端部に組み付けるにあたり、インストルメントパネルをその延出前端部にて帯状防音部材を介しフロントウインドシールドの下端部に当接させるとき、インストルメントパネルをその傾斜状態のままダッシュインシュレータに向けて移動させて、当該インストルメントパネルの延出前端部により撓み部を後方から前方に向けて押動することで前側へ弾性変形させる。
の前側へ弾性変形後、撓み部がインストルメントパネルの延出前端部から解離すると、当該撓み部は、後方へ弾性変形することで、係止壁にその前側から予圧を付与して一様に係止する。このため、インストルメントパネルとダッシュインシュレータの撓み部との間が、これらインストルメントパネルとダッシュインシュレータの間の噛み込み等を招くことなく、音漏洩不能にシールされ得る。
その結果、エンジン音等の雑音がエンジン室から境界壁部材の上部とフロントウインドシールドの下端部との間からダッシュインシュレータ側へ漏洩しても、この漏洩雑音は、ダッシュインシュレータの撓み部の係止壁との間の予圧を付与した一様な係止でもって、車室の内部から良好に遮音される自動車用音漏れ防止構造の提供が可能となる。
また、請求項1或いは3に記載の発明においては、撓み部と係止壁との間の一様な係止が確保できればよく、例えば、係止壁のインストルメントパネルからの下方への突出方向は、前後方向において変わっていてもよく、また、撓み部は係止壁に面状に係止したり、或いは、撓み部が係止壁の突出端部に線状に係止してもよい。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形状に記載の具体的手段との対応関係を示す。
本発明に係るダッシュインシュレータ及びインストルメントパネルを備える自動車の第1実施形態を示す部分破断概略側面図である。 図3にて2−2線に沿う部分拡大断面図である。 図1のダッシュインシュレータを車室内側から見た概略後面図である。 インストルメントパネルを図1のフロントウインドシールド、カウルパネル、ダッシュパネル及びダッシュインシュレータに組み付ける過程を示す拡大断面図である。 上記第1実施形態の第1変形例の要部を示す断面図である。 上記第1実施形態の第2変形例の要部を示す断面図である。 上記第1実施形態の第3変形例の要部を示す断面図である。 本発明の第2実施形態の要部を、図9の8−8線に沿う断面にて示す部分拡大断面図である。 上記第2実施形態におけるダッシュインシュレータを車室内側から見た概略後面図である。 上記第2実施形態におけるインストルメントパネルを、カウルパネルのボス及びダッシュインシュレータから分解した状態を示す分解斜視図である。
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用してなる自動車の第1実施形態を示している。当該自動車は、エンジン室10及び車室20を備えており、車室20は、当該自動車において、エンジン室10に後続して設けられている。なお、エンジン室10内には、エンジンEが配設されている。
当該自動車は、ダッシュパネル30及びカウルパネル40を備えており、これらダッシュパネル30及びカウルパネル40は、境界壁部材として、エンジン室10と車室20と区画するようにこれらエンジン室10と車室20との境界部に組み付けられている。
ダッシュパネル30は、カウルパネル40の下側に位置しており、このダッシュパネル30は、図2にて拡大して示すごとく、そのL字状上端部31にて、カウルパネル40のL字状下端部41に固着されて、当該カウルパネル40と一体的になっている。これにより、当該ダッシュパネル30は、カウルパネル40とともに、上述のごとく、境界壁部材としてエンジン室10と車室20との境界部に組み付けられている。
ここで、ダッシュパネル30は、その下端部32(図1参照)にて、車室20の床壁21の前端部に連結されている。一方、カウルパネル40は、その上端部42(図1参照)にて、当該自動車のフロントウインドシールド50の下端部51に沿うように車幅方向に延在している(図2参照)。
また、上記自動車は、図1にて示すごとく、ダッシュインシュレータ60及びインストルメントパネルモジュール70を備えている。ダッシュインシュレータ60は、図1にて示すごとく、ダッシュパネル30及びカウルパネル40に沿うように車室20の内部から組み付けられている。なお、このダッシュインシュレータ60の左右方向幅は、上記自動車の車幅方向幅に対応している。
当該ダッシュインシュレータ60は、図2及び図3にて示すごとく、インシュレータ本体部60aの上端部から先端部60bを撓み部(以下、撓み部60bともいう)として延出して構成されている。インシュレータ本体部60aは、図2にて示すごとく、ダッシュパネル30の後面(車室20内側面)に沿い装着されている。
撓み部60bは、図2にて示すごとく、基部61、始点部62、中間傾動部63及び先端側傾動部64でもって構成されている。基部61は、図2にて示すごとく、インシュレータ本体部60aの上端部からダッシュパネル30のL字状上端部31及びカウルパネル40のL字状下端部41の後方に向け折れ曲がって傾斜状に延出されており、この基部61の延出端部は、L字状上端部31及びL字状下端部41の各後端部に対向している。なお、インシュレータ本体部60aは、その下端部(図1参照)にて、車室20の床壁21上に沿い配設したティビアパッド22の前端部に対向している。
支点部62は、基部61の延出端部からダッシュパネル30にほぼ平行となるように前側上方へ延出されており、この支点部62は、その前面部にて、ダッシュパネル30のL字状上端部31及びカウルパネル40のL字状下端部41の各後端部に対し後方から所定の間隔(図2参照)をおいて対向している。これにより、支点部62は、その弾性変形により、前方へ向け撓み可能となっている。
中間傾動部63は、支点部62と交差するように当該支点部62の延出端部からその前側上方に向け一体的に延出されており、この中間傾動部63は、その弾性変形により、支点部62を基準として前後方向に傾動可能となっている。先端側傾動部64は、中間傾動部63の延出端部からインストルメントパネル71(後述する)の裏面に向け前側上方へ一体的に延出されている。
なお、本第1実施形態においては、カウルパネル40と撓み部60bとの間には、所定の空間部A(図2参照)が形成されている。これにより、撓み部60bが、中間傾動部63及び先端側傾動部64にて、支点部62を基準として前方へ傾動可能となっている。また、基部61の剛性が、支点部62の剛性よりも高くなっている。これにより、撓み部60bは、基部61の前方への弾性変形を確保しつつ、中間傾動部63及び先端側傾動部64にて、支点部62を基準として、弾性変形により前後方向へ傾動可能となっている。
インストルメントパネルモジュール70は、図1から分かるように、車室20の内部からダッシュインシュレータ60を介しダッシュパネル30及びカウルパネル40に組み付けられている。このインストルメントパネルモジュール70は、モジュール本体70a及びコンソールボックス70bを備えている。
モジュール本体70aは、車室20の内部からダッシュインシュレータ60の上部を介しダッシュパネル30の上部及びカウルパネル40に組み付けられている。当該モジュール本体70aは、弾性合成樹脂材料からなるインストルメントパネル71を有しており、このインストルメントパネル71は、モジュール本体70aの上壁(図1参照)として、パネル基部71a及びパネル端部71b(図2参照)でもって構成されている(図2参照)。なお、インストルメントパネル71の左右方向幅は、ダッシュインシュレータ60の左右方向幅(図3参照)に対応している。
インストルメントパネル71において、パネル基部71aは、図1或いは図2から分かるように、モジュール本体70aの上側後方隅角部から上に凸な緩やかな断面湾曲形状でもって前方に向け延出されており、このパネル基部71aは、図2にて示すごとく、パネル端部71b側において、前側下方に向け緩やかに傾斜するように延出されている。
パネル端部71bは、図2にて示すごとく、フロントウインドシールド50にほぼ平行となるように、パネル基部71aの前端部から前側下方に向け屈曲して傾斜状に延出されている。当該パネル端部71bは、帯状防音部材72を介しフロントウインドシールド50の下端部51に当接しており、このパネル端部71bは、パネル基部71aとの境界部にて、当該パネル基部71aと共に上に凸な断面山形形状を形成する。なお、帯状防音部材72は、エプトシーラー、ゴム、ウレタン等の音の漏洩の防止可能な材料からなるもので、この帯状防音部材72は、フロントウインドシールド50側からパネル端部71bに沿い接着されている。
また、インストルメントパネル71は、図2にて示すごとく、係止壁71cを有している。この係止壁71cは、パネル基部71aの前後方向中間部位にその左右方向(上記自動車の車幅方向)に沿い、長手状にかつ一体的に形成されており、当該係止壁71cは、パネル基部71aの上記前後方向中間部位から後側下方に向け傾斜状に突出するように形成されている。
これにより、当該係止壁71cは、その前面にて、撓み部60bの先端側傾動部64によりその延出端部64aの後面にて前側から係止されるようになっている。なお、係止壁71cの左右方向幅は、インストルメントパネル71の左右方向幅に対応している。
本第1実施形態では、インストルメントパネル71が図1にて示す位置にある状態において、上述したように先端側傾動部64が図2にて示すごとく係止壁71cに係止することで、先端側傾動部64の延出端部64aが係止壁71cに対し一様に予圧を付与するように、係止壁71cのパネル基部71aからの突出位置及び突出方向が選定されている。なお、係止壁71cのパネル基部71aからの突出長さは、図3にて示すダッシュインシュレータ60の各コ字状切り欠き部64bの切り欠き深さよりも幾分長い。これにより、係止壁71cは、各コ字状切り欠き部64bに対する各対応部にて当該各コ字状切り欠き部64bに対応するようになっている。
コンソールボックス70bは、空調ユニット、カーラジオやCDカセット(図示しない)等を内蔵してなるもので、このコンソールボックス70bは、モジュール本体70aの左右方向中央から下方に向け延出しかつ車室20の床壁21に沿い後方へ延出している。
なお、図1にて、符号23は、カーペットを示しており、このカーペット23は、車室20内にて、インシュレータ本体部60aの上下方向中間部位からティビアパッド22の前端部にかけてインシュレータ本体部60bの後面及びティビアパッド22の上面に沿うように配設されている。また、図1にて各符号SH及びSTは、それぞれ、上記自動車の操舵機構及び運転席を示しており、操舵機構SHは、インストルメントパネルモジュール70を介しダッシュパネル30に組み付けられている。
以上のように構成した本第1実施形態において、ダッシュインシュレータ60を介し、インストルメントパネルモジュール70を上述のようにダッシュパネル30及びカウルパネル40に組み付けるにあたっては、まず、インストルメントパネルモジュール70を、車室20内にて、ダッシュインシュレータ60に対しその後方から対向するように床壁21上に位置させる。このとき、インストルメントパネル71は、そのパネル端部71bにて、ダッシュインシュレータ60の先端側傾動部64の延出端部64aをその後方から水平方向に臨むように位置する。
このような状態において、インストルメントパネルモジュール70をそのままダッシュパネル30に向けて水平方向(図4にて二点鎖線H参照)に押動すると、インストルメントパネル71が水平方向に移動する。これに伴い、インストルメントパネル71は、図4にて示すごとく、そのパネル端部71bにて、ダッシュインシュレータ60の先端側傾動部64の延出端部64aにその後方から当接する。
このように当接した後、インストルメントパネル71が、さらに、パネル端部71bにより先端側傾動部64を押動しながら前方へ移動すると、ダッシュインシュレータ60の撓み部60bが、中間傾動部63及び先端側傾動部64にて、支点部62を基準に、弾性変形しつつ前方に向け傾動する。
このとき、上述のごとく、所定の空間部Aが、カウルパネル40とダッシュインシュレータ60の撓み部60bとの間において形成されているので、上述した撓み部60bの傾動が容易になされ得る。また、上述したごとく、撓み部60bにおいては、基部61の剛性が、支点部63の剛性よりも高くなっているので、基部61が、撓み部60bの上述した傾動に伴い傾動することもない。
しかして、インストルメントパネル71が、さらに、パネル端部71bにより先端側傾動部64を押動しながら前方へ移動すると、ダッシュインシュレータ60の撓み部60bが、支点部62を基準として、さらに弾性変形しつつ前方に向け傾動する。
ここで、インストルメントパネル71のパネル端部71bは、上述したごとく、パネル基部71aとの境界部にて、当該パネル基部71aと共に上に凸な断面山形形状を形成する。このため、パネル基部71aの裏面は、その後方程、上方に位置する。従って、ダッシュインシュレータ60が、撓み部60bにて、上述のように前方に向けさらに傾動すると、先端側傾動部64が、その先端部64aにて、パネル端部71bから解離する。これに伴い、撓み部60bは、中間傾動部63及び先端側傾動部64にて、その弾性力により、原形状に復帰すべく支点部62を基準に後方へ傾動する。これにより、撓み部60bは、先端側傾動部64にて係止壁71cにその前面から係止する。
然る後、インストルメントパネルモジュール70をさらに前方へ移動させると、インストルメントパネル71が、パネル端部71bにて、帯状防音部材72を介し、フロントウインドシールド50の下端部51に当接するとともに、撓み部60bが係止壁71cの前面に予圧を付与して一様に係止した状態になる。なお、図2では、撓み部60bの先端部64aが、便宜上、パネル基部71aの裏面に接触したように描かれているが、撓み部60bの先端部64aは、実際には、パネル基部71aの裏面に対し間隙をおいて係止壁71cに係止している。
以上のようなインストルメントパネルモジュール70の組み付けにより、インストルメントパネル71のパネル端部71bとフロントウインドシールド50の下端部51との間が、帯状防音部材72によって、音漏洩不能にシールされ得るとともに、パネル端部71bと撓み部60bの先端側傾動部64との間が、先端側傾動部64の係止壁71cに対する予圧を付与した一様な係止でもって、音漏洩不能にシールされ得る。
その結果、エンジン音等の雑音がエンジン室10からカウルパネル40の上端部42とフロントウインドシールド50の下端部51との間からダッシュインシュレータ60側へ漏洩しても、この漏洩雑音は、上述した帯状防音部材72によるシール及び撓み部60bの先端側傾動部64と係止壁71cとの間の予圧を付与した一様な係止によるシールでもって、車室20の内部から良好に遮音され得る。なお、上述のごとく、係止壁71cのパネル基部71aからの突出長さは、図3にて示すダッシュインシュレータ60の各コ字状切り欠き部64bの切り欠き深さよりも幾分長いので、上述した音漏洩は、各コ字状切り欠き部64bを介しては、発生しにくい。
ここで、上述のように係止壁71cをインストルメントパネル71に設けて、撓み部60bの先端側傾動部64を係止壁71cに上述のごとく係止させるようにしたので、上述したインストルメントパネルモジュール70の組み付けの際に、噛み込みが、ダッシュインシュレータ60とインストルメントパネル71との間に生ずることもない。また、上記自動車の走行の際にインストルメントパネル71が振動しても、ダッシュインシュレータ60がインストルメントパネル71を下方から担いで波打たせるようなこともない。従って、上述したダッシュインシュレータ60とインストルメントパネル71との間を介するエンジン音等の雑音の車室20内への漏洩の防止は良好に維持され得る。
なお、本第1実施形態において、インストルメントパネル71のパネル基部71a及びパネル端部71bの裏面は、平面でなくてもよい。例えば、パネル基部71a及びパネル端部71bが、その裏面にて、リブを有していても、ダッシュインシュレータ60の先端側傾動部64は、当該リブの下端部に沿い傾動して、係止壁71cに係止するので、リブの有無にかかわりなく、先端側傾動部64と係止壁71cとの間のシールを一様に確保することができる。
図5は、上記第1実施形態の第1変形例を示しており、この第1変形例では、ダッシュインシュレータ60の撓み部60bは、上記第1実施形態とは異なり、先端側傾動部64に代えて、先端側傾動部65を有するとともに、インストルメントパネルモジュール70が、上記第1実施形態とは異なり、係止壁71cに代えて、係止壁71dを有する。
ここで、先端側傾動部65は、上記第1実施形態にて述べた先端側傾動部64に代えて、撓み部60bの中間傾動部63から一体的に上側後方へ傾斜して延出されている。なお、当該先端側傾動部65は、先端側傾動部64よりもさらに後方側へ傾斜するように中間傾動部63から延出されている。このため、中間傾動部63の全長は、上記第1実施形態の場合よりも幾分長くなっている。
また、係止壁71dは、上記第1実施形態にて述べた係止壁71cに代えて、インストルメントパネル71のパネル基部71aの上記前後方向中間部位から下方に向け延出されている。ここで、係止壁71dは、その傾斜方向を先端側傾動部65の傾斜方向にあわせるために、係止壁71cよりも前側に向け傾斜して延出されている。このことは、先端側傾動部65が、その延出先端部65aにて、係止壁71dに一様に係止し得るように傾斜して延出されていることを意味する。これにより、係止壁71dは、先端側傾動部65とともに、上記第1実施形態における係止壁71c及び先端側傾動部64よりも、前側下方に向け傾斜することとなる。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第1変形例においては、上述のごとく、係止壁71d及び先端側傾動部65は、上記第1実施形態における係止壁71c及び先端側傾動部64よりも、前側下方に向け傾斜している。従って、先端側傾動部65の係止壁71dに対する前側からの係止状態が、先端側傾動部64の係止壁71cに対する前側からの係止状態に比べてより一層良好に維持され得る。その他の作用効果は上記第1実施形態と同様である。
図6は、上記第1実施形態の第2変形例を示しており、この第2変形例においては、上記第1変形例において、インストルメントパネルモジュール70が、係止壁71dに代えて、係止壁71eを有する。
この係止壁71eは、上記第1変形例にて述べた係止壁71dに代えて、インストルメントパネル71のパネル基部71aの上記前後方向中間部位から下方に向け延出されている。ここで、当該係止壁71eは、上記第1変形例における係止壁71dよりも前側下方に向け延出している。これに伴い、本第2変形例においては、先端側傾動部65を、上記第1変形例の場合よりも前側に位置させるため、上記第1変形例における中間傾動部63の全長は、上記第1変形例の場合よりも幾分長くなっている。その他の構成は上記第1実施形態或いは第1変形例と同様である。
このように構成した本第2変形例においては、上述のごとく、中間傾動部63が、上記第1変形例よりも幾分長く、また、係止壁71eが、上記第1変形例における係止壁71dよりも前側下方に向け傾斜している。このため、上述したようなインストルメントパネルモジュール70の組み付けの際には、先端側傾動部65が、その先端部65aの後面にて、係止壁71eの下端部に係止することとなる。これによっても、上記第1変形例と同様に、先端側傾動部65の係止壁71eに対する係止が、良好に達成され得る。その結果、上記第1変形例と同様の作用効果が達成され得る。
また、図7は、上記第1実施形態の第3変形例を示している。この第3変形例においては、係止壁73が、上記第1実施形態にて述べた係止壁71cに代えて、インストルメントパネル71のパネル基部71aの前後方向中間部位に接着されている。なお、この係止壁73は、エプトシーラー、ゴム、ウレタン等の音の漏洩の防止可能な材料により形成されている。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
このように、係止壁73が、上記第1実施形態とは異なり、インストルメントパネル71とは別体に構成されてパネル基部71aの前後方向中間部位に接着されていても、上記第1実施形態と同様の作用効果が達成され得る。
(第2実施形態)
図8〜図10は、本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態では、
上記第1実施形態にて述べたカウルパネル40において、複数の支持ブラケット40aが、図8にて例示するごとく、付加的に設けられている。当該各支持ブラケット40aは、ボックス状のもので、当該各支持ブラケット40aは、互いにカウルパネル40の左右方向に間隔をおいて、その開口底部にて、カウルパネル40の後面に装着されて、当該カウルパネル40から上側後方に向けて傾斜状に突出している。ここで、各支持ブラケット40aの上壁43には、支持孔部43aが図8にて示すごとく形成されている。
また、本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べたダッシュインシュレータ60は、その先端部である撓み部60bに代えて、図8及び図9にて示すごとく、撓み部60cを備えている。
この撓み部60cは、上記第1実施形態にて述べた撓み部60bにおいて、複数の隆起部66を付加的に構成してなるもので、当該複数の隆起部66の各々は、上記第1実施形態にて述べたダッシュインシュレータ60の各コ字状切り欠き部64bをその外周部にてその後方へ隆起形成して、コ字状に構成されている(図8〜図10参照)。従って、当該撓み部60cは、各隆起部66以外の部位にて、上述した撓み部60bのうち各切り欠き部64b以外の部位と同様に構成されている。
しかして、このように構成した各隆起部66は、支持ブラケット40aの上壁43とインストルメントパネル71の係止壁74(後述する)との間に挟持されて、上壁部66a(図10参照)にて、当該係止壁74にその前側から係止するようになっている。
また、本第2実施形態において、上記第1実施形態にて述べたインストルメントパネル71は、係止壁71cに代えて、図8にて示すごとく、係止壁74及び複数の四角柱75を備えている。係止壁74は、図8にて示すごとく、インストルメントパネル71のパネル基部71aの上記前後方向中間部位から撓み部60c側へ後側下方に向け一体的に傾斜して延出されている。
当該係止壁74は、各隆起部66に対応する部位から壁部74a(図8及び図10参照)を延出してなるもので、この係止壁74は、その各壁部74aにて、その前方から、撓み部60cの各隆起部66の後壁部66aにより予圧を付与された状態で、各隆起部66の後壁部66aに係止する。なお、係止壁74の左右方向幅は、ダッシュインシュレータ60の左右方向幅に対応する。また、本第2実施形態では、係止壁74の前面は、撓み部60cの後面の凹凸形状に対応するように、当該凹凸形状とは逆の凸凹形状に形成されている。
複数の四角柱75は、それぞれ、複数の隆起部66の各々に対応するようにインストルメントパネル71のパネル基部71aに設けられている。当該複数の四角柱75の各々は、基端側四角柱部75a及び先端側四角柱部75bを有しており、各基端側四角柱部75aは、インストルメントパネル71のパネル基部71aの前後方向中間部位の幅方向中央から、係止壁74の各壁部74aに形成した四角孔部74bを通り、前側下方に向け一体的に傾斜状に延出されている(図8及び図10参照)。
また、各先端側四角柱部75bは、各基端側四角柱部75aの延出端部から前方へ屈曲して下方に向け傾斜状に延出されており、当該各先端側四角柱部75bは、撓み部60cの各隆起部66の内側を通り支持ブラケット40aの上壁43の支持孔部43aに同軸的にかつ変位不能に挿通されている。これにより、カウルパネル40は、支持ブラケット40aにより、各四角柱75を介し、インストルメントパネル71の補強を強化する役割をも果たす。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
以上のように構成した本第2実施形態において、インストルメントパネルモジュール70を上記第1実施形態と同様にダッシュパネル30及びカウルパネル40に組み付けるにあたっては、インストルメントパネルモジュール70を、上記第1実施形態と同様に、ダッシュパネル30に向けて水平方向に移動させる。これに伴い、インストルメントパネル71が、パネル端部71bにて、各支持ボックス40aの後方隅角部により、上側へ押し上げられながら、前方へ移動する。なお、各四角柱75は、インストルメントパネル71の移動に伴い、撓み部60cの各隆起部66の内側を通り、各支持ボックス40a内に上壁部43の四角孔部43aを介し挿入されて支持される。これにより、上述のごとく、インストルメントパネル71の補強がなされる。
然る後、インストルメントパネル71が、さらに前方へ移動すると、ダッシュインシュレータ60の撓み部60cが、その後面にて、係止壁74の前面に予圧を付与して係止する。このとき、係止壁74の前面は、上述のごとく、撓み部60cの後面の凹凸形状に対応するように、当該凹凸形状とは逆の凸凹形状に形成されている。このため、撓み部60cは、その各隆起部66の後壁部66a及び各隆起部66以外の部位にて、係止壁74のうちの各壁部74a及び当該各壁部74a以外の部位の双方に前方から係止する。
これにより、撓み部60cは、その後面にて、係止壁74の前面に予圧を付与して一様に係止し得る。このことは、撓み部60cは係止壁74との間が音漏洩不能にシールされることを意味する。
これにより、係止壁74の壁部74aと撓み部60cの各隆起部66との間が、音漏洩不能にシールされ得る。その結果、上述のように、インストルメントパネル71の補強を確保しつつ、上記第1実施形態と同様に、エンジン室10からカウルパネル40の上端部42とフロントウインドシールド50の下端部51との間からダッシュインシュレータ60側へ漏洩するエンジン音等の雑音が、ダッシュインシュレータ60の撓み部60cと係止壁74との間の上記シールでもって、車室20の内部から良好に遮音され得る。その他の作用効果は上記第1実施形態と同様である。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)インストルメントパネル71は、上記各実施形態とは異なり、インストルメントパネルモジュール70とは別体に構成してもよい。
(2)帯状防音部材72或いは係止壁73は、上記各実施形態にて述べた材料に限ることなく、インストルメントパネル71と同一の形成材料であってもよく、また、防音可能な材料であればどのようなものであってもとよい。
(3)ダッシュインシュレータ60の基部61は、上記第1実施形態とは異なり、前後方向に弾性変形により傾動可能であってもよい。
(4)ダッシュパネル30のL字状上端部31及びカウルパネル40のL字状下端部41は、ダッシュパネル30とカウルパネル40との間の固着状態を維持できれば、上端部31及び端部41の各延出長さはさらに短くてもよく、或いは、上端部31及び端部41を廃止してもよい。
(5)上記第1実施形態にて述べたダッシュインシュレータ60においては、撓み部60bは、インシュレータ本体部60aとは別体に形成されて、当該インシュレータ本体部60aの基部61から延出されていてもよい。
10…エンジン室、20…車室、30…ダッシュパネル、40…カウルパネル、
40a…支持ブラケット、50…フロントウインドシールド、51…下端部、
60…ダッシュインシュレータ、60b、60c…撓み部、
71…インストルメントパネル、71b…パネル端部、
71c、71d、71e、73、74…係止壁、72…帯状防音部材、
75…四角柱、E…エンジン。

Claims (3)

  1. エンジンを収容してなるエンジン室と車室とを区画する境界壁部材に前記車室の内部から設けられるダッシュインシュレータと、
    前記車室の内部から前記ダッシュインシュレータの上端部と前記車室のフロントウインドシールドの下端部との間に向けて下方へ傾斜状に延出するインストルメントパネルであってその延出前端部にて帯状防音部材を介し前記フロントウインドシールドの前記下端部に当接するインストルメントパネルとを備える自動車において、
    前記インストルメントパネルは、その前後方向中間部位から下方に向けて突出する係止壁を設けてなり、
    前記ダッシュインシュレータは、前記境界壁部材の下部に沿い設けたインシュレータ本体部と、前記インストルメントパネルの前記係止壁の前側にて前記境界壁部材の上部に対し後方へ離れるように前記インシュレータ本体部の上端部から前後方向へ弾性変形可能に上方へ延出する撓み部とを備えており
    前記インストルメントパネルをその延出前端部にて前記帯状防音部材を介し前記フロントウインドシールドの前記下端部に当接させるとき、前記撓み部は、前記インストルメントパネルの前記延出前端部との当接により当該延出前端部により押動されて前方へ弾性変形した後前記延出前端部からの解離に伴い後方へ弾性変形することで、前記係止壁にその前側から予圧を付与して一様に係止するようにしたことを特徴とする自動車。
  2. 前記境界壁部材の上部にその幅方向に間隔をおいて設けられて前記係止壁に向けて突出する各支持ボックスを設けてなり、
    前記インストルメントパネルは、前記各支持ボックスに対応する部位から前記係止壁を介し支持柱を前側下方へ傾斜状に突出形成してなり、
    前記撓み部は、前記各支持ボックスに対応する部位にて各コ字状切り欠き部を切り欠き形成するとともに、当該各切り欠き部の外周部から後方へ各隆起部をコ字状に隆起してなり、
    前記インストルメントパネルは、前記各支持柱にて、前記各隆起部の内側を通り前記各支持ボックス内にその上壁部に形成した支持孔部を介し挿入支持されるとともに、前記撓み部は、その弾性変形により、前記各支持ボックスの上側後端隅角部を介し前方から後方に向け前記係止壁に予圧を付与して一様に係止するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動車。
  3. 自動車のエンジンを収容してなるエンジン室と車室とを区画する境界壁部材に前記車室の内部から設けられるダッシュインシュレータと、
    このダッシュインシュレータの上端部と前記車室のフロントウインドシールドの下端部との間に向けて前記車室の内部から下方へ傾斜状に延出するように設けられるインストルメントパネルであってその延出前端部にて帯状防音部材を介し前記フロントウインドシールドの前記下端部に当接するインストルメントパネルとを備える音漏れ防止構造において、
    前記インストルメントパネルは、その前後方向中間部位から下方に向けて突出する係止壁を設けてなり、
    前記ダッシュインシュレータは、前記境界壁部材の下部に沿い設けたインシュレータ本体部と、前記インストルメントパネルの前記係止壁の前側にて前記境界壁部材の上部に対し後方へ離れるように前記インシュレータ本体部の上端部から前後方向へ弾性変形可能に上方へ延出する撓み部とを備えており
    前記インストルメントパネルをその延出前端部にて前記帯状防音部材を介し前記フロントウインドシールドの前記下端部に当接させるとき、前記撓み部は、前記インストルメントパネルの前記延出前端部との当接により当該延出前端部により押動されて前方へ弾性変形した後前記延出前端部からの解離に伴い後方へ弾性変形することで、前記係止壁にその前側から予圧を付与して一様に係止するようにしたことを特徴とする自動車用音漏れ防止構造。
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