JP5303676B1 - 保護膜を形成するための電解液並びに保護膜及びその形成方法 - Google Patents
保護膜を形成するための電解液並びに保護膜及びその形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5303676B1 JP5303676B1 JP2012268021A JP2012268021A JP5303676B1 JP 5303676 B1 JP5303676 B1 JP 5303676B1 JP 2012268021 A JP2012268021 A JP 2012268021A JP 2012268021 A JP2012268021 A JP 2012268021A JP 5303676 B1 JP5303676 B1 JP 5303676B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- protective film
- zinc
- electrolytic solution
- hydroxide
- electrolyte
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
Abstract
【解決手段】本発明の電解液は、銀を含んだ面を光学性能の劣化から保護する保護膜を電解法によって形成するための電解液であって、0.03乃至6.0g/Lの亜鉛と、水酸化物イオンとを含有し、亜鉛のモル濃度に対する水酸化物イオンのモル濃度の比(MOH/MZn)は75以上であり、電解液中の硝酸イオン濃度は0.05g/L以下である。
【選択図】なし
Description
本発明の態様によれば、銀を含んだ面に、所定の電解液を用いた陰極電解法により保護膜を形成して、先の表面を光学性能の劣化から保護する。本発明の態様において、電解液の組成及び保護膜の形成条件は、加熱処理した保護膜の銀を含んだ面の保護効果に着目して決定されている。そのため、本発明の態様に従って形成される保護膜は、高い耐熱性を有している。
銀を含んだ面は、例えば、反射体の反射面である。以下の説明では、「銀を含んだ面」は、反射体の反射面であるとする。
電解液は、亜鉛と水酸化物イオンとを含有した水溶液である。
保護膜において、水酸化亜鉛の酸素と酸化亜鉛の酸素との合計に対する酸化亜鉛の酸素の原子比率は、0.5以下である。好ましくは、保護膜における水酸化亜鉛の酸素と酸化亜鉛の酸素との合計に対する酸化亜鉛の酸素の原子比率は、0.4乃至0.5である。 保護膜における単位面積当たりの亜鉛の量が、2.2乃至49.5μg/cm2の範囲から外れるか、又は保護膜における水酸化亜鉛の酸素と酸化亜鉛の酸素との合計に対する酸化亜鉛の酸素の原子比率が0.5を超えると、反射率が低下するのを抑制する効果が小さくなる。
<例1>
本例では、電解液中の水酸化物イオン濃度が、加熱処理された保護膜の性能に及ぼす影響を調べた。
まず、試料1Bの電解液として亜鉛のみを含有した水溶液を調製し、試料1C乃至1Lの電解液として亜鉛と水酸化物イオンを含有した水溶液を調製した。亜鉛源としては塩化亜鉛を使用し、水酸化物イオン源として水酸化ナトリウムを使用した。pH調整剤は添加しなかった。試料1C乃至1Lの電解液は12以上のpHを示した。以下の表1に、試料1B乃至1Lの電解液の組成を纏める。MOH/MZnは、亜鉛のモル濃度に対する水酸化物イオンのモル濃度の比を表す。
評価A:R0≧85%
評価B:85%>R0≧80%
評価C:80%>R0≧75%
評価D:75%>R0≧70%
評価E:70%>R0
評価結果を表1に纏める。表1に示すように、加熱処理された保護膜の初期性能については、亜鉛のみを含有する電解液を使用して保護膜を形成した場合の評価はDであった。また、亜鉛と水酸化物イオンを含有し、亜鉛のモル濃度に対する水酸化物イオンのモル濃度の比(MOH/MZn)が6乃至50の範囲内にある電解液は、白濁し、保護膜形成のための電解液として使用することができなかった。また、亜鉛と水酸化物イオンを含有し、亜鉛のモル濃度に対する水酸化物イオンのモル濃度の比(MOH/MZn)が75乃至600の範囲内にある電解液を使用して保護膜を形成した場合の評価はAであった。なお、保護膜を備えていない反射体の評価もAであった。
評価B:85%>R1≧80%
評価C:80%>R1≧75%
評価D:75%>R1≧70%
評価E:70%>R1
評価結果を表1に纏める。表1に示すように、加熱処理された保護膜の加速試験後の性能については、亜鉛のみを含有する電解液を使用して保護膜を形成した場合の評価はDであった。また、亜鉛と水酸化物イオンを含有し、亜鉛のモル濃度に対する水酸化物イオンのモル濃度の比(MOH/MZn)が75乃至600の範囲内にある電解液を使用して保護膜を形成した場合の評価はAであった。なお、保護膜を備えていない反射体の評価はEであった。
本例では、電解液中の亜鉛濃度が、加熱処理された保護膜の性能に及ぼす影響を調べた。
本例では、保護膜形成時の通電量が、加熱処理された保護膜の性能に及ぼす影響を調べた。
本例では、保護膜形成時の電流密度が、加熱処理された保護膜の性能に及ぼす影響を調べた。
本例では、電解液中の硝酸イオンが、加熱処理された保護膜の性能に及ぼす影響を調べた。
本例では、電解液中の硝酸イオンの濃度が、加熱処理された保護膜の性能に及ぼす影響を調べた。
本例では、亜鉛を溶解させるための電解質の種類が、加熱処理された保護膜の性能に及ぼす影響を調べた。
本例では、水酸化物イオン源として水酸化ナトリウムを使用し、MOH/MZn=100となる量で存在する電解液において、炭酸塩の存在が、加熱処理された保護膜の性能に及ぼす影響を調べた。
本例では、加熱処理された保護膜が反射率の低下を抑制する効果を種々の波長において調べた。
本例では、保護膜中の亜鉛含有量が、加熱処理された保護膜の性能に及ぼす影響を調べた。
また、保護膜中の亜鉛含有量を、表10に記載の陽極電解法に従って決定し、その結果を表10に示す。
本例では、保護膜中の酸化亜鉛と水酸化亜鉛の比率が、加熱処理された保護膜の性能に及ぼす影響を調べた。
本例では、電解液中の硝酸イオンが、皮膜形成に及ぼす影響を調べた。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]銀を含んだ面を光学性能の劣化から保護する保護膜を電解法によって形成するための電解液であって、0.03乃至6.0g/Lの亜鉛と、水酸化物イオンとを含有し、亜鉛のモル濃度に対する水酸化物イオンのモル濃度の比(M OH /M Zn )は75以上であり、電解液中の硝酸イオン濃度は0.05g/L以下である電解液。
[2]項1に記載の電解液を用い、銀を含んだ面を陰極として、0.02A/dm 2 以上の電流密度及び1.0乃至20.0C/dm 2 の通電量の下で電着を行うことにより、前記面に保護膜を形成することを含んだ保護膜の形成方法。
[3]銀を含んだ面に形成された保護膜であって、水酸化亜鉛と酸化亜鉛とを含有し、単位面積当たりの亜鉛の量は2.2乃至49.5μg/cm 2 の範囲内にあり、水酸化亜鉛の酸素と酸化亜鉛の酸素との合計に対する酸化亜鉛の酸素の原子比率は0.5以下である保護膜。
[4]項1に記載の電解液の濃縮液。
Claims (4)
- 銀を含んだ面を光学性能の劣化から保護する保護膜を電解法によって形成するための電解液であって、0.03乃至6.0g/Lの亜鉛と、水酸化物イオン源としてのアルカリ金属の水酸化物塩とを含有し、前記亜鉛のモル濃度に対する前記水酸化物塩のモル濃度の比は75以上であり、電解液中の硝酸イオン濃度は0.05g/L以下であり、pHは12以上である電解液。
- 請求項1に記載の電解液を用い、銀を含んだ面を陰極として、0.02A/dm2以上の電流密度及び1.0乃至20.0C/dm2の通電量の下で電着を行うことにより、前記面に保護膜を形成することを含んだ保護膜の形成方法。
- 銀を含んだ面に形成された保護膜であって、
水酸化亜鉛と酸化亜鉛とを含有し、
単位面積当たりの亜鉛の量は2.2乃至49.5μg/cm2の範囲内にあり、
前記水酸化亜鉛の酸素と前記酸化亜鉛の酸素との合計に対する前記酸化亜鉛の酸素の原子比率は0.5以下である保護膜。 - 請求項1に記載の電解液の濃縮液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012268021A JP5303676B1 (ja) | 2012-04-26 | 2012-12-07 | 保護膜を形成するための電解液並びに保護膜及びその形成方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012101337 | 2012-04-26 | ||
JP2012101337 | 2012-04-26 | ||
JP2012268021A JP5303676B1 (ja) | 2012-04-26 | 2012-12-07 | 保護膜を形成するための電解液並びに保護膜及びその形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP5303676B1 true JP5303676B1 (ja) | 2013-10-02 |
JP2013241669A JP2013241669A (ja) | 2013-12-05 |
Family
ID=49529436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012268021A Expired - Fee Related JP5303676B1 (ja) | 2012-04-26 | 2012-12-07 | 保護膜を形成するための電解液並びに保護膜及びその形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5303676B1 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3721416A1 (de) * | 1987-06-29 | 1989-01-12 | Dn G Uni Im 300 Letija Vossoed | Verfahren zum galvanischen verzinken von gegenstaenden |
JP3273294B2 (ja) * | 1995-02-13 | 2002-04-08 | 大阪市 | 酸化亜鉛膜作製用電解液 |
JP3437475B2 (ja) * | 1998-12-28 | 2003-08-18 | キヤノン株式会社 | 酸化亜鉛膜の形成方法及び該酸化亜鉛膜を用いた光起電力素子 |
JP2001011642A (ja) * | 1999-06-25 | 2001-01-16 | Osaka City | 透明導電性酸化亜鉛皮膜及びその作製方法 |
JP2003147586A (ja) * | 2001-11-05 | 2003-05-21 | Canon Inc | 酸化亜鉛膜の電解析出装置 |
US20100200408A1 (en) * | 2009-02-11 | 2010-08-12 | United Solar Ovonic Llc | Method and apparatus for the solution deposition of high quality oxide material |
-
2012
- 2012-12-07 JP JP2012268021A patent/JP5303676B1/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013241669A (ja) | 2013-12-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101374466B1 (ko) | 표면에 산화층을 갖는 전기 은도금 및/또는 전기 은합금 도금물 | |
KR20120089567A (ko) | 광반도체 장치용 리드 프레임, 광반도체 장치용 리드 프레임의 제조방법, 및 광반도체 장치 | |
JP5854726B2 (ja) | ニッケル上に銀ストライクを電気めっきする方法 | |
TW200905317A (en) | Light reflecting plate, method of manufacturing the same, and light reflecting device | |
US20090246486A1 (en) | Light-transmittable electromagnetic wave shielding film, process for producing light-transmittable electromagnetic wave shielding film, film for display panel, optical filter for display panel and plasma display panel | |
WO2006132415A1 (ja) | 反射率・透過率維持特性に優れた銀合金 | |
US9783901B2 (en) | Electroplating of metals on conductive oxide substrates | |
WO2011090207A1 (ja) | 反射膜積層体 | |
US20150190989A1 (en) | Transparent laminate film | |
JP2013177667A (ja) | 反射膜および/または透過膜、もしくは電気配線および/または電極に用いられるAg合金膜、並びにAg合金スパッタリングターゲットおよびAg合金フィラー | |
US8603648B2 (en) | Reflective film laminate | |
TWI467052B (zh) | 金屬之表面處理劑 | |
WO2006132417A1 (ja) | 反射率・透過率維持特性に優れた銀合金 | |
JP5303676B1 (ja) | 保護膜を形成するための電解液並びに保護膜及びその形成方法 | |
WO2006132416A1 (ja) | 反射率・透過率維持特性に優れた銀合金 | |
JP5097031B2 (ja) | 反射膜、led、有機elディスプレイ及び有機el照明器具 | |
JP2012122115A (ja) | 銅又は銅合金板へのAg−Snめっき方法及びその方法により製造されたAg−Snめっきが施された銅或いは銅合金板 | |
JP2013174865A (ja) | 銅又は銅合金層上にインジウム−銀合金層を有する積層構造物、及び該積層構造物の製造方法 | |
CN102713007A (zh) | 金属的表面处理剂 | |
Chen et al. | Tin-Manganese Alloy Electrodeposits: I. Electrodeposition and Microstructural Characterization | |
ES2848870T3 (es) | Un método para pasivar electrolíticamente una superficie de plata, una aleación de plata, oro o una aleación de oro | |
JP5860335B2 (ja) | 反射膜積層体およびその製造方法 | |
WO2013001673A1 (ja) | 酸化物層を有する銀合金層を備える積層構造物 | |
JP2011032533A (ja) | 反射膜積層体 | |
JP2014101540A (ja) | 鉄を含有する基材上に、銅層と、インジウム−銀合金層と、その酸化物層とを有する積層構造物、及び鉄を含有する基材上に、銅層と、インジウムと銀とSe,Sb,Co,Niからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属との合金層と、その酸化物層とを有する積層構造物、並びに該積層構造物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130528 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130624 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5303676 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |