JP5303163B2 - カートンブランク用通い箱及びこれを用いたカートンブランクの搬出方法 - Google Patents
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この際、カートンブランクは通い箱に接触している状態で収容されているため、通い箱との間の摩擦によって搬出されるのが遅れることがあり、整列した状態でカートンブランクをマガジンに供給することが困難な場合があった。このため、例えば、洗剤用カートンのような、開口部に折返片が貼着されるともに、底部に封緘用のフラップが設けられたカートンが折り畳まれた状態のカートンブランクでは、上端側と下端側とで厚さが異なることから、整列状態でマガジン上に供給するのが一層困難になるという問題があった。
まず、図9(a)、(b)に示すように、中仕切り板110が備えられた通い箱100の内部に収容された複数のカートンブランク10を、開口側端部101から通い箱100内に2つの押出部材200を挿入してF方向に押し出すことにより、底部102側から外部に搬出する。そして、図10(a)、(b)に示すように、図9(a)、(b)に示す通い箱100内から搬出された複数のカートンブランク10は、マガジン300の底板301上に、立位状態で一括して供給される。
また、本発明のカートンブランク用通い箱は、前記内部空間に収容される前記カートンブランクが、前記内部空間における立位状態で、上端側が下端側よりも薄い厚さとされたものとすることができる。
また、本発明のカートンブランクの搬出方法は、前記押出部材が、前記一対の切り欠き部の各々の間の距離よりも長寸とされた棒状部材である構成とすることができる。
本実施形態のカートンブランク用通い箱1は、サック貼りされてなり且つ板状に折り畳まれたカートンブランク10を、立位状態で同一方向に複数整列させて内部空間1A、1Bに収容し、カートンブランク10の整列方向で対向して配される一対の側板部11、11には、各々の開口2側の端部11a、11aにおいて少なくとも一対の切り欠き部41、42が設けられ、概略構成されている。また、図1等に例示する本実施形態の通い箱1には、内部空間を2つに仕切るための中仕切り板9が設けられており、図2の展開図に示すように一体に形成されている。
開口部22をなす一対の長辺のうち、一方の長辺の近傍において、折り返し部31と重なっている胴部21には、図示略の蓋体のつまみ部と係合する切り欠き33が設けられている。また、切り欠き33内においては、折り返し部31の裏面31aが露出している。
また一方の長辺の近傍において、折り返し部31と重なっている胴部21には、図示略の蓋体と接合されてヒンジ部を形成するための切り込み34が設けられている。
また、本実施形態で説明するカートン10(カートンブランク10)の材質としては、例えば、厚さ0.6〜1.0mm程度の板状の紙素材が用いられる。
また、カートン10は、胴部21の内、折り返し部31と重なっている部分に切り欠き33や切り込み34を設けることにより、開封前の防湿性および開封後の密閉性を損なわずに、蓋部のつまみ受けやヒンジ部を設けて使い勝手を向上させることできる。
図1及び図2に示すように、本実施形態の通い箱1は、開口2側においてフラップ状の天板21、21が設けられ、また、底部3側において底板31、31及び底板32、32が設けられることにより、上下両方向から開閉が可能な箱体として構成されている。通い箱1は、底部3をなす底板31、31及び底板32、32を貼着手段等によって閉じた状態とし、内部空間1A、1Bの各々に、立位状態で同一方向(図示例では一対の側板部11、11の方向)に複数整列させてカートンブランク10を収納する。そして、開口2において、上記フラップ状の天板21、21を閉じることにより、カートンブランク10を一括して運搬することが可能になるというものである。
また、本実施形態で説明する通い箱1は、図1の斜視図及び図2の展開図に示すように、一対の側壁12、12の内の一方が、貼着代12Cによって側壁12A、12Bの各々が貼着され、一体化されることで形成されている。また、これに伴い、天板21については、貼着代21Cによって天板21A、21Bの各々が貼着され、底板31についても、貼着代31Cによって底板31A、31Bの各々が貼着され、それぞれ一体化されることで形成されている。また、図示例では、側板12Aから中仕切り板9が延出して設けられており、この中仕切り板9に備えられる側端部91が、他方の側板12の内壁に貼着される。
また、各切り欠き部41、42、43、44の形状は、図示例では略矩形状とされているが、これには限定されない。このような各切り欠き部41、42、43、44の形状や、横幅方向及び縦長方向の寸法等は、通い箱1に収容されるカートンブランク10の寸法や形状の他、後述の搬出方法において説明する押出部材の寸法や形状を考慮しながら、適宜採用することが可能である。
これに対し、本実施形態の通い箱1では、上述したように、一対の側板部11、11及び中仕切り板9の開口2側に各切り欠き部41、42、43、44が設けられた構成とすることにより、内部に収容されたカートンブランク10全てを押下げることができるので、カートンブランク10を、整列状態で全数一括して搬出することが可能となる。
本実施形態のカートンブランクの搬出方法は、上述したような本実施形態のカートンブランク用通い箱1を用い、該通い箱1の内部空間1A、1Bに立位状態で同一方向に複数整列して収容され、サック貼りされてなり且つ板状に折り畳まれたカートンブランク10を、内部空間1A、1Bから外部に搬出する方法であり、カートンブランク10の整列方向で対向して配される一対の側板部11、11の、各々の開口2側の端部11aに設けられる少なくとも一対の切り欠き部41、42に、この一対の切り欠き部41、42の各々の間の距離L1よりも長寸とされた押出部材5を挿入し、該押出部材5でカートンブランク10の上端10A側を押し下げることにより、カートンブランク10を通い箱1の底部3側から外部に搬出する方法である。また、上述したように、本実施形態で用いる通い箱1には、内部空間を2つに仕切るための中仕切り板9が設けられており、この中仕切り板9にも、上記一対の切り欠き部41、42に対応する位置で、切り欠き部43、44が設けられている。
なお、図4に示す例の押出部材5は、プッシャー部材51、52によって下方に押出される構成とされているが、これには限定されず、押出部材5の駆動手段としては、各種機構を何ら制限無く採用することが可能である。
また、押出部材5の材質についても、カートンブランク10を搬出する際に、カートンブランク10を傷つけることが無く、また、搬出に耐え得る充分な強度を持つものであれば特に限定されず、各種樹脂材料又は金属材料等を適宜選択して用いることができる。
まず、図3(a)に示すように、板状に折り畳まれたカートンブランク10は、通い箱1の内部空間1A、1Bに、厚みが下端10Bよりも薄く構成された上端10Aを上側にして、立位状態で同一方向(図示例では一対の側板部11、11の方向)に複数整列して収納されている。そして、例えば、包装材料メーカーから梱包状態で搬送された通い箱1は、図示例のように、底部3をなす底板31、31及び底板32、32、並びに開口2を閉じる天板21、21を開放した状態として工程上にセットされる。
図6(b)に示すように、カートンブランク10はマガジン6内に立位状態で収容され、マガジン6内において、カートンブランク10はY方向と平行に配され、X方向に集積して整列されている。即ち、カートンブランク10の整列方向はX方向である。
マガジン6には、図6(b)に示すように、板状に折り畳まれた状態のカートンブランク10が、開口部22側(厚さが大きい側)となる下端10Bが下側となるように立位状態で集積され、複数整列された状態で収容される。ここで、複数のカートンブランク10が通い箱1内に収容される枚数、即ち1個のマガジン6に収容されるカートンブランク10の枚数は、特に限定されないが、一般的に50〜300枚程度である。
また、図6(b)に示すように、複数のカートンブランク10がマガジン6に収容された状態で、段差手段63の上面上に存在するカートンブランク10は、段差手段63の各々の間、及び段差手段63と側板62との間に収容されている他のカートンブランク10よりも1段高く保持されている。従って、カートンブランク10がマガジン6に収容された場合、カートンブランク10のZ方向における上端も段差状となり、揃っていない状態となる。
段差手段63のX方向の寸法bは、少なくとも1枚のカートンブランク10を上面上に保持できる大きさであればよいが、寸法bが小さいと、整列状態を安定化させるために段差手段63の数を多くすることが必要となり、マガジン6の製造に手間がかかるようになる。また、段差手段63のX方向の寸法bは、例えば40〜70mmの範囲であることが好ましい。
段差手段63のZ方向の寸法eとしては、Z方向におけるカートンブランク10の高さよりも低い寸法であれば良いが、次工程へカートンブランク10を受け渡した際、Z方向におけるカートンブランク10の上端10Aを安定して整列させる点から、Z方向におけるカートンブランク10の高さの20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。また、カートンブランク10の表面に切り欠き33や切り込み34(図5を参照)が設けられている場合には、マガジン6にカートンブランク10が収容されている状態で、切り欠き33や切り込み34に段差手段63が触れないように構成することが好ましい。即ち、段差手段63のZ方向の寸法eを、カートンブランク10の開口部22から切り欠き33又は切り込み34迄の距離の最小値よりも小さく設定することが、整列状態の安定性の点で好ましい。本実施形態においては、段差手段63のZ方向の寸法eを5〜10mm程度とすることが好ましい。
また、段差手段63の材質は特に制限されないが、製造容易性の点からは、テフロン(登録商標)等のフッ素樹脂やポリプロピレン等が好適である。
底板61の材質は特に制限されないが、強度の点からステンレス等が好適である。
また、側板62は、底板61と一体でもよく、あるいは別体で構成してもよい。あるいは、それぞれの側板62が独立して、底板61とは別にX方向及び/又はY方向にスライド移動できるように構成してもよい。
なお、底板61のY方向の一端又は両端にも、必要に応じて側板(図示せず)を設けてもよいが、これらは必須ではない。
また、本実施形態の搬出方法では、詳細な図示を省略するが、段差手段が設けられていない構成とされたマガジンについても何等制限なく用いることが可能であり、この場合においても、上記同様、通い箱内部のカートンブランクが、全数漏れなく一括して供給されるという効果が得られる。
図7に示す搬送装置8は、カートンブランク用通い箱1(図3等を参照)に収容され、一括搬送されてきた複数枚のカートンブランク10を受け取り、整列させた状態で次工程へ送るための装置であり、第1のマガジン81と、第2のマガジン82と、第3のマガジン83を備えている。図7において、矢印で示すX方向は、通い箱1(図3等を参照)及び第1〜第3のマガジン81、82、83の長さ方向であり、カートンブランク10の整列方向である。また、Y方向は通い箱及びマガジン第1〜第3のマガジン81、82、83の幅方向であり、Z方向は該X方向とY方向の両方に垂直な方向である。
第1のマガジン81、第2のマガジン82、および第3のマガジン83は、上記Y方向に沿って、この順で隣接して配されている。
第2の底板82aの上面は、第1の底板81aの上面より若干低い位置に設けられており、第1の底板81a上のカートンブランク10をY方向へスライドさせることにより、第2の底板82a上に容易に搬送できるように構成されている。この場合、Z方向における第1の底板81aの上面と、第2の底板82aの上面との高さの差は、2〜10mm程度であることが好ましい。
第3の底板83aのY方向両側には、上面が平坦面からなるベルト(上面が平坦面とされた支持部材)84(一方のベルトは図示略)が、それぞれ第3の底板83aに隣接して設けられている。このようなベルト84は、X方向に沿って進行するように構成されている。
図7に示すように、第3の底板83aが最も高い位置にある状態で、ベルト84の上面は、第3の底板83aの上面のうちで最も低い部分(段差手段63と段差手段63の間)よりも、さらに低い位置に配置されている。従って、この状態で、第3のマガジン83に収容されているカートンブランク10の第3の底板83aからはみ出している部分は、ベルト84には接触しないようになっている。
そして、図7中に鎖線で示すように、第3の底板83aが最も低い位置に降下すると、第3の底板83aの上面のうちで最も高い部分(段差手段63の上面)が、ベルト84の上面よりも低くなるように構成されている。これにより、第3のマガジン83に収容されているカートンブランク10の、第3の底板83aからはみ出している部分の下端がベルト84の上面に当接し、カートンブランク10が第3の底板83aから離れる。この状態で、第3のマガジン83に収容されていた全部のカートンブランク10の下端が、平坦面であるベルト84の上面に当接するので、Z方向におけるカートンブランク10の高さが揃う。
また、第2の底板82aと第3の底板83aとの間には上下に進退可能な側板85が設けられている。
また、Y方向において、第1の底板81aの、第2の底板82aと反対側には可動側板89が設けられており、この可動側板89はY方向にスライドして、前記第2の底板82aと第3の底板83aとの間の側板85の位置まで進退可能に構成されている。
また、第3の底板83aのX方向片端外方には、第3のマガジン83に収容されているカートンブランク10をX方向に押すためのプッシャー88が設けられている。
まず、カートンブランク10が収容されている通い箱1(図1及び図3等を参照)を第1のマガジン81の底板81aの上方に配置させる。この際の通い箱の向きは、該通い箱内のカートンブランク10の整列方向がX方向となり、カートンブランク10の開口部22側、つまり下端10B側が下側となるようにする。
次いで、この状態で通い箱の底部を開放した後、上述したような操作で、押出部材5を通い箱1の切り欠き部41、42、43、44内に挿入してカートンブランク10の上端部10Aを押下げ、通い箱1内の複数枚のカートンブランク10を底部3側から一括的に搬出して第1の底板81a上に落下させる(図3(a)、(b)等も参照)。
また、第1の底板81aのX方向両端に側板87が設けられているので、カートンブランク10はX方向に倒れることなく、X方向の左右何れかの方向に傾斜した状態となっている。
そして、第3の底板83aの、X方向一端部の外方に設けられているプッシャー88でカートンブランク10をX方向に押し、カートンブランク10の傾斜方向を一方向に揃える。これにより全てのカートンブランク10が、第3の底板83aのX方向他端部に設けられている図示略のストッパに支えられて傾斜している状態となる。
このような状態で、好ましくは、図示略のローラをカートンブランク10の上端10Aに接触させながら、X方向に沿ってプッシャー88から前記ストッパに向かう方向に駆動させることにより、カートンブランク10の傾斜状態を揃える。
また、本実施形態では、マガジンの底板近傍に、上面が平坦面とされた支持部材を配した状態で底板を下方に移動させ、マガジン内に収容されている複数のカートンブランク10の下端10B側を支持部材の平坦面に当接させる方法とすることにより、マガジンに収容された全てのカートンブランク10の高さを簡単に揃えることが可能となる。
Claims (5)
- サック貼りされてなり且つ板状に折り畳まれたカートンブランクを、立位状態で同一方向に複数整列させて内部空間に収容するカートンブランク用通い箱であって、
前記カートンブランクの整列方向で対向して配される一対の側板部には、各々の開口側の端部において、前記の一対の側板部の各々の間の距離よりも長寸とされた押出部材が前記開口側から挿入される少なくとも一対の切り欠き部が設けられていることを特徴とするカートンブランク用通い箱。 - 前記内部空間に収容される前記カートンブランクが、前記内部空間における立位状態で、上端側が下端側よりも薄い厚さとされたものであることを特徴とする請求項1に記載のカートンブランク用通い箱。
- 請求項1又は2に記載のカートンブランク用通い箱の内部空間に立位状態で同一方向に複数整列して収容され、サック貼りされてなり且つ板状に折り畳まれたカートンブランクを、前記内部空間から外部に搬出するカートンブランクの搬出方法であって、
前記カートンブランクの整列方向で対向して配される一対の側板部の、各々の開口側の端部に設けられる少なくとも一対の切り欠き部に、該一対の切り欠き部の各々の間の距離よりも長寸とされた押出部材を挿入し、該押出部材で前記カートンブランクの上端側を押し下げることにより、前記カートンブランクを前記カートンブランク用通い箱の底部側から外部に搬出することを特徴とするカートンブランクの搬出方法。 - 前記内部空間に収容される前記カートンブランクが、前記内部空間における立位状態で、上端側が下端側よりも薄い厚さであることを特徴とする請求項3に記載のカートンブランクの搬出方法。
- 前記押出部材が、前記一対の切り欠き部の各々の間の距離よりも長寸とされた棒状部材であることを特徴とする請求項3又は4に記載のカートンブランクの搬出方法。
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