JP5302545B2 - 圧電トランス - Google Patents
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Description
すなわち、特に、特許文献2の如く内壁と電極との隙間が非常に狭いと、この圧電体をケース内に収容し難くなるため、圧電体の組み付け作業に大きな労力を要するのである。
このように、これら内壁と電極との隙間が狭い上記技術では、圧電体の組み付け作業や検査作業の容易化の点については格別な配慮がなされていない。
第1の発明によれば、圧電トランスは、外面に電極が形成された圧電体と、この圧電体の電極に対向して配置された端子とを備えており、圧電体はケースに収容される。また、当該ケースは内壁を備えており、この内壁は、圧電体を囲繞し、この圧電体の電極に対向して形成されている。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、上述のスペースが、圧電体を挟んで対をなして形成され、圧電体の厚み方向でみた第1距離を有していれば、上記冶具は圧電体の両側を掴んでケース内に収容し、その収容後に圧電体から離れた冶具は内壁に衝突することなく、圧電体から逃げられる。よって、圧電体の組み付け作業がより一層容易になる。
第3の発明によれば、第2の発明の作用に加えてさらに、上述のスペースが、圧電体の長手方向でみて圧電体の略中央位置に少なくとも形成されていれば、上記冶具は圧電体の略中央位置を掴んで、安定した状態で圧電体をケース内に収容できる。
第4の発明によれば、第1から第3の発明の作用に加えてさらに、上述のスペースが、圧電体の長手方向でみて圧電体の略中央位置に少なくとも形成され、電極を露出させて圧電体の厚み方向でみた第1距離を有していることから、この電極に上記プローブを取り付け易くなる。よって、圧電体の検査作業がより一層容易になる。
第5の発明によれば、第1から第4の発明の作用に加えてさらに、上述のスペースが、圧電体の長手方向でみて圧電体の略端部分に少なくとも形成され、電極を露出させて圧電体の厚み方向でみた第1距離を有しているので、この場合にも電極に上記プローブを取り付け易くなる。
第6の発明によれば、第4や第5の発明の作用に加えてさらに、上述のスペースが、圧電体を挟んで対をなして形成されると、この電極を挟んだ両側のいずれにも上記プローブを取り付け易くなる。
第7の発明によれば、第1から第6の発明の作用に加えてさらに、これら電極と端子との間には弾性部材が配置される。この弾性部材は導電性を有するものであり、電極及び端子の双方に接触してこれらを相互に導通させることができる。これにより、圧電体の組み付け時には、電極と端子とを金糸線で接続する作業が省略されるし、仮に、その後の圧電体の検査結果によって圧電体の交換が必要になったときにも、半田を用いて金糸線で接続した場合に比して圧電体を容易に交換できる。
図1は、本実施例における圧電トランス100の分解斜視図であり、図2は、この圧電トランス100を完成状態で示す水平断面図(図1のII−II線からみた矢視断面図)である。そして、この圧電トランス100は、例えば液晶バックライト用のインバータ等の高圧用電源に使用され、低電圧の入力で高電圧の出力を発生させる。
凹部104c〜104fうち、2つの凹部104c,104dは、一次電極106側に配置されており、本体104b内で圧電セラミックス102を挟んで対向する位置関係にあり、凹部104c,104dは互いに同一(対称)形状で構成されている。
ただし、導電体ブロック120は二次電極108と端子114との間で圧縮されていることから、樹脂ケース104内でのバランスを考慮すると、本実施例のように、二次電極108とは反対側の面にもシリコーンゴム122を配置することが好ましい。換言すれば、このシリコーンゴム122は、ケース104内で圧電セラミックス102の両面を導電体ブロック120とで挟み込み、圧電セラミックス102の機械的振動を吸収するのに寄与している。
ここで、上述した圧電セラミックス102が、冶具を用いて樹脂ケース104に組み付けられた後、上記導電体ブロック116,116,120やシリコーンゴム122に接続されると、圧電トランス100は組み立てられる。
続いて、先端部152,152が相反方向、具体的には、内壁104a,104aに向けてそれぞれ移動し、圧電セラミックス102の両面から離間してスペース104s,104sに配置される(図5)。
すなわち、この場合のスペース104sは、例えば、圧電セラミックス102の全長に亘って形成されていても良く、当該スペース104s,104sは、圧電セラミックス102の略中央部分及びその長手方向の前端部分に形成された一次電極106,106の他、二次電極108も大きく露出させる。そして、圧電セラミックス102の検査では、その一次電極106や二次電極108に上記プローブ等が取り付けられる。
つまり、この場合のスペース104sは、圧電セラミックス102の長手方向の前端部分に形成された一次電極106,106だけ、或いは、その後端部分に形成された二次電極108だけを大きく露出させることになる。
ここで、上述した組み付け・検査用スペース104s,104sは、圧電セラミックス102の長手方向の軸線における対称位置にて略同一形状で構成されている。しかし、このスペース104sは、この軸線における対称位置にて異なる形状でそれぞれ構成されていても良いし、又は、この軸線における非対称位置にて略同一形状、若しくは異なる形状でそれぞれ構成されても良い。
つまり、内壁104aと圧電セラミックス102との間に上述した組み付け・検査用スペース104s,104sが設けられている限り、各電極106,108と端子110,112,114との接続は、圧入状態で配置させた導電体ブロック116,120であっても、半田で接続される金糸線であっても良い。
そして、本実施例によれば、圧電トランス100は、外面に電極106,108が形成された圧電セラミックス102と、この電極106,108に対向して配置された端子110,112,114とを備えており、この圧電セラミックス102は樹脂ケース104に収容されている。また、当該ケース104は内壁104aを備えており、この内壁104aは、圧電セラミックス102を囲繞し、この圧電セラミックス102の電極106,108に対向して形成されている。
また、これら電極106,108と端子110,112,114との間には導電体ブロック116,120が配置される。この導電体ブロック116,120は導電性を有し、電極106,108及び端子110,112,114の双方に接触してこれらを相互に導通させることができる。
また、導電体ブロック116,120の構成も上記実施例に限定されるものではなく、例えば、この一次側の導電体ブロック116は、導電性部材を中間層とし、圧電セラミックス102の長手方向に沿った両側に、弾性保持部材の保持層をそれぞれ設けても良い。
さらにまた、これら導電体ブロック116,120は、それぞれ異なる導電材料で構成されていても良い。
そして、これらいずれの場合にも、上記と同様に、圧電体の組み付け作業や検査作業の容易化を図るとの効果を奏する。
102 圧電セラミックス(圧電体)
104 樹脂ケース(ケース)
104a 内壁
104b ケース本体
104s 組み付け・検査用スペース(スペース)
106 一次電極(電極)
108 二次電極(電極)
110,112,114 端子
116,120 導電体ブロック(弾性部材)
Claims (6)
- 外面に電極が形成された圧電体と、
該圧電体を収容するケースと、
前記電極に対向して配置された端子とを具備し、
前記ケースは、
前記圧電体を囲繞し、前記電極に対向して形成された内壁と、
前記端子近傍を除いた該内壁と前記圧電体との第1距離が前記端子近傍における前記内壁と前記圧電体との第2距離よりも大きく形成されたスペースとを有するとともに、前記内壁面に沿う方向でみて一端面側が閉塞される一方、他端面側が開口されることで前記スペースを前記ケースの外側へ開放しており、
前記スペースは、前記圧電体の長手方向でみて該圧電体の略中央位置に少なくとも形成されていることを特徴とする圧電トランス。 - 請求項1に記載の圧電トランスであって、
前記圧電体は、略直方体形状に構成されており、
前記スペースは、該圧電体を挟んで対をなして形成され、前記圧電体の厚み方向でみた前記第1距離を有していることを特徴とする圧電トランス。 - 請求項1又は2に記載の圧電トランスであって、
前記圧電体は、略直方体形状に構成される一方、前記電極は、該圧電体の厚み方向で対をなす面のうち少なくとも片方の面に形成されており、
前記スペースは、該圧電体の長手方向でみて該圧電体の略中央位置に少なくとも形成され、前記電極を露出させて前記圧電体の厚み方向でみた前記第1距離を有していることを特徴とする圧電トランス。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の圧電トランスであって、
前記圧電体は、略直方体形状に構成される一方、前記電極は、該圧電体の厚み方向で対をなす面のうち少なくとも片方の面に形成されており、
前記スペースは、該圧電体の長手方向でみて該圧電体の略端部分に少なくとも形成され、前記電極を露出させて前記圧電体の厚み方向でみた前記第1距離を有していることを特徴とする圧電トランス。 - 請求項3又は4に記載の圧電トランスであって、
前記スペースは、該圧電体を挟んで対をなして形成されていることを特徴とする圧電トランス。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の圧電トランスであって、
前記ケース内で前記電極及び前記端子の双方に接触し、これらを相互に導通させる導電性を有した弾性部材と
を備えることを特徴とする圧電トランス。
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