JP5302044B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関し、ステアリングホイールに対する軽い操舵力で車両を旋回できるように、例えば電動モータの動力を補助力として操舵系に伝えて、ステアリングホイールに対する操作負荷を軽減する車両の電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置では、基本的には、車速が低くなるほど、ステアリングホイールの操舵力(操舵トルク)に対する電動モータによるアシスト量、換言すれば電動モータに供給されるアシスト電流が大きくなるように設定するようにしている(例えば特許文献1参照)。
この特許文献1には、車速をパラメータとして操舵トルクに対するアシスト電流の特性をドライバが再設定できるようにした電動パワーステアリングの操舵特性設定方法が開示されている。
また、従来では、舵角と車速センサとから得られる規範ヨーレートと、ヨーレートセンサから得られる実ヨーレートとを比較し、その比較結果からオーバーステア傾向にあると判定した場合に、電動モータに供給されるアシスト電流の値を下げるようにした車両用操舵装置が開示されている(例えば特許文献2参照)。
特開2002−293257号公報 特開平11−78951号公報
ところで、車両が滑り易い路面、例えば雪道、雨で濡れた道路やオフロードのような低摩擦抵抗の路面(いわゆる低μ路)を走行している状態で、ステアリングホイールを例えば右に回転操作した場合に、オーバーステア傾向になり易いことから、例えば特許文献2に示す装置では、電動モータに供給されるアシスト電流の値を下げることとなる。すなわち、操舵角の増加に対するアシスト電流の増加幅が小さく設定され、これにより、ステアリングホイールに対する操作負荷が幾分大きくなり、低μ路でのオーバーステア傾向を抑制することができる。
しかしながら、例えばステアリングホイールを、中立位置以外のある一定の操舵角を維持させた状態で走行する場合においては、低μ路からのセルフアライメントトルクが小さいことから、ステアリングホイールが容易に動いてしまい、一定の操舵角を維持することが困難になるという問題がある。
つまり、低μ路において、ステアリングホイールを回転操作する際には、ステアリングホイールに対する操作が重く感じるにもかかわらず、ステアリングホイールを一定の操舵角で維持させる場合には軽く感じることとなり、低μ路でのステアリングホイールでの操作に違和感が生じるという問題がある。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、ステアリングホイールを中立位置に戻す方向の補助トルクを路面状態に応じて変えることにより、路面状態に応じた違和感のないステアリングホイールの操作感覚を運転者に持たせることができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、運転者が車両のステアリングホイールを操舵することによって発生する操舵トルクを、前記車両の車輪に伝えて該車輪を転舵させる車輪転舵機構と、前記ステアリングホイールの操舵角を検出する舵角センサと、前記車両の速度を検出する車速センサと、前記車両の速度と前記操舵角に応じた補助トルクを発生するアクチュエータとを有する電動パワーステアリング装置において、少なくとも前記路面状態を推定する路面状態推定部と、前記アクチュエータにて発生させる前記補助トルクを、少なくとも前記車両の速度、前記操舵角及び前記推定された路面状態に基づいて設定する補助トルク設定部とを有し、前記補助トルク設定部は、少なくとも前記ステアリングホイールを中立位置に戻す方向の補助トルクの大きさを、前記推定された路面状態に応じて異ならせるように設定することを特徴とする。
これにより、例えば雪道のような滑り易い路面を走行しているときに、例えばステアリングホイールを中立位置以外のある一定の操舵角を維持させようとした場合、ステアリングホイールを中立位置に戻す方向の補助トルクを大きく設定することができ、ステアリングホイールが容易に動いてしまうという不都合を回避することができる。
すなわち、ステアリングホイールを中立位置に戻す方向の補助トルクを路面状態に応じて変えることにより、路面状態に応じた違和感のないステアリングホイールの操作感覚を運転者に持たせることができる。
そして、本発明において、前記補助トルク設定部は、前記アクチュエータにて前記ステアリングホイールの操舵方向の第1補助トルクを発生させるための第1設定部と、前記アクチュエータにて前記ステアリングホイールを中立位置に戻す方向の第2補助トルクを発生させるための第2設定部とを有し、前記第2設定部は、前記推定された路面状態に応じて前記第2補助トルクの大きさを異ならせることを特徴とする。
また、本発明において、前記第2補助トルク設定部は、前記操舵角が0°以外であって、且つ、前記操舵角の変化がほぼ一定である期間に動作するようにしてもよい。
また、本発明において、前記第2補助トルク設定部は、前記推定された路面状態が低摩擦係数の路面状態での相対操舵角に対する前記第2補助トルクが、前記推定された路面状態が前記低摩擦係数の路面状態以外での相対操舵角に対する前記第2補助トルクよりも大きくなるように設定してもよい。
また、本発明において、さらに、実ヨーレートを出力するヨーレートセンサを有し、前記路面状態推定部は、前記舵角センサからの舵角と前記車速センサからの車両の速度に基づいて規範ヨーレートを算出する規範ヨーレート演算部を有し、得られた前記規範ヨーレートと前記ヨーレートセンサからの前記実ヨーレートとに基づいて前記路面状態を推定するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、ステアリングホイールを中立位置に戻す方向の補助トルクを路面状態に応じて変えることができ、路面状態に応じた違和感のないステアリングホイールの操作感覚を運転者に持たせることができる。
本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置を示す構成図である。 コントローラの構成を示すブロック図である。 図3Aは第1マップを示す特性図であり、図3Bは第2マップを示す特性図である。 図4Aは第3マップを示す特性図であり、図4Bは第4マップを示す特性図である。 本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態例を図1〜図5を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置10は、運転者が車両のステアリングホイール12を操舵することによって発生する操舵トルクを、車両の車輪14に伝えて該車輪14を転舵させる車輪転舵機構16と、操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ18と、ステアリングホイール12の操舵角と操舵方向を検出する舵角センサ20と、直進走行時のステアリングホイール12の操舵角情報が記憶される中立位置記憶部21と、車両の速度(車速)を検出する車速センサ22と、車速と操舵角に応じた補助トルクを発生し、少なくとも操舵トルクと補助トルクとに基づく操作トルクを車輪転舵機構16を通じて車輪14に伝えるアクチュエータ24と、少なくともアクチュエータ24を駆動制御するコントローラ26とを有する。
また、車両の重心位置付近には、ヨーレートセンサ28が設置されている。このヨーレートセンサ28からは、車両重心の鉛直(重心)軸回りのヨーレート(回転角速度)に応じた信号(実ヨーレート)が出力される。
車輪転舵機構16は、ピニオン16aとラック16bとからなるラック・ピニオン機構を有する。この場合、操舵トルクは、ステアリングシャフト30及び操舵トルクセンサ18を介して車輪転舵機構16に伝えられる。ステアリングシャフト30からピニオン16aが受けた回転力は、ラック16bの軸方向の直線運動に変換され、タイロッド32を介して車輪14(前輪)の走行方向を変化させる。
アクチュエータ24は、コントローラ26からの駆動電流(アシスト電流)に基づいてラック16bを回転駆動する電動モータ34を有する。
そして、ステアリングホイール12に対する操作負荷を軽減するために、操舵トルクセンサ18により検出された操舵トルク値及びトルク方向がコントローラ26に入力される。
コントローラ26には、操舵トルクのほか、車速センサ22からの車速情報、舵角センサ20からの操舵角情報、ヨーレートセンサ28からの情報(実ヨーレート)が入力されるようになっている。コントローラ26は、これらの入力情報に応じて、手動によるステアリングホイール12の操舵力をアシストする電流値Ie(アシスト電流値)を決定し、電動モータ34に出力する。電動モータ34は、供給された電流値Ieに対応する補助トルクを発生させる。これにより、運転者による操舵トルクと電動モータ34による補助トルクとに基づく操作トルクがラック16bに加わり、車輪14を容易に転舵することが可能となる。すなわち、運転者のステアリングホイール12に対する操作負荷が軽減されることになる。
そして、本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置10は、図1に示すように、コントローラ26内に、車両が走行している路面状態を推定する路面状態推定部40と、アクチュエータ24にて発生させる補助トルクを、少なくとも車速、操舵角及び推定された路面状態に基づいて設定する補助トルク設定部42とを有する。補助トルク設定部42は、少なくともステアリングホイール12を中立位置に戻す方向の補助トルクの大きさを、推定された路面状態に応じて異ならせるように設定する。この補助トルク設定部42の詳細は後述する。
路面状態推定部40は、図2に示すように、舵角センサ20からの操舵角情報Saと車速センサ22からの車速情報Sbに基づいて規範ヨーレートRaを算出する規範ヨーレート演算部44と、得られた規範ヨーレートRaとヨーレートセンサ28からの実ヨーレートRbとを比較して比較結果に応じた信号を出力する比較部46とを有する。
規範ヨーレート演算部44は、舵角と車速に対応する低μ路以外の規範ヨーレートを予め実験等で求めて、マップ48としてコントローラ26のメモリ50に記憶させておき、このマップ48に基づいて、舵角情報Saと車速情報Sbに対応する規範ヨーレートRaを読み出したり、近似演算して規範ヨーレートRaを求める。
比較部46は、実ヨーレートRb>規範ヨーレートRaの場合に、路面が低μ路であることを示す第1推定信号S1を出力し、実ヨーレートRb≦規範ヨーレートRaの場合に、路面が低μ路以外であることを示す第2推定信号S2を出力する。
一方、補助トルク設定部42は、図2に示すように、第1設定部52Aと、第2設定部52Bと、これら第1設定部52Aと第2設定部52Bを選択的に起動する選択起動部54と、そのための判別を行う起動判別部56と、第1設定部52Aからの第1補助トルクSj1又は第2設定部52Bからの第2補助トルクSj2を電流値Ie(アシスト電流値)に変換して電動モータ34に出力する電流変換部58とを有する。これら第1設定部52A及び第2設定部52Bには、路面状態推定部40における比較部46からの出力信号(第1推定信号S1又は第2推定信号S2)が供給されるようになっている。
起動判別部56は、舵角センサ20からの操舵角情報、この例では、操舵角の微分情報(操舵角速度情報Sc)に基づいて、第1設定部52Aと第2設定部52Bのうち、起動すべき設定部を示す起動信号を出力する。
具体的には、先ず、運転者がステアリングホイール12を左方向あるいは右方向に回転すると、舵角センサ20からは、操舵角が時間の経過と共に変化する情報と操舵方向の情報が出力されることとなる。そのうち、操舵角が後段の微分回路60に入力され、操舵角速度情報Scとして出力される。操舵角が時間の経過と共に変化する場合は、その変化に応じた値の操舵角速度情報Scが出力される。
一方、運転者がステアリングホイール12を、中立位置以外のある一定の操舵角を維持した状態にした場合は、操舵角がほぼ一定の値を示すことになり、操舵角速度情報Scとして、0を中心とし、振幅が±mに変位する値が出力される。±mの範囲としては、操舵角で換算した場合に、例えば±5°〜±10°の範囲である。従って、以下の説明では、操舵角速度情報Scの値が、0を中心とし、振幅が±mに変位する値であれば、「操舵角がほぼ一定の値」であるとして記載する。
そして、起動判別部56は、所定の時間間隔で操舵角速度情報Scを取り込んで、操舵角が時間の経過と共に変化(右回転又は左回転)するのであれば、操舵角が変化している期間にわたって、第1設定部52Aを動作させることを示す信号(第1起動信号Sd1)を出力する。反対に、所定の時間間隔で操舵角速度情報Scを取り込んで、操舵角がほぼ一定であれば、操舵角がほぼ一定に維持されている期間にわたって、第2設定部52Bを動作させることを示す信号(第2起動信号Sd2)を出力する。なお、上述の所定の時間間隔としては、例えば30〜100msecを採用することができる。
選択起動部54は、起動判別部56から第1起動信号Sd1が出力された時点で第1設定部52Aを起動し、第1起動信号Sd1が供給されている期間にわたって第1設定部52Aを動作させる。第1設定部52Aが動作している間に、起動判別部56から第2起動信号Sd2が出力された時点で、第1設定部52Aに代えて第2設定部52Bを起動し、第2起動信号Sd2が供給されている期間にわたって第2設定部52Bを動作させる。同様に、第2設定部52Bが動作している間に、起動判別部56から第1起動信号Sd1が出力された時点で、第2設定部52Bに代えて第1設定部52Aを起動し、第1起動信号Sd1が供給されている期間にわたって第1設定部52Aを動作させる。
第1設定部52Aは、基準位置の情報(操舵角情報)が記憶される基準位置記憶部62を有する。
基準位置は、直進走行時の操舵角や、操舵角が0°以外であって、且つ、操舵角の変化がほぼ一定である場合の該操舵角が挙げられる。従って、直進走行時においては、中立位置記憶部21に記憶されるステアリングホイール12の操舵角情報が基準位置の情報として記憶され、操舵角が0°以外であって、且つ、操舵角の変化がほぼ一定である場合には、該傾斜角情報が、後述する第2設定部52Bの基準位置設定部64によって設定される。この基準位置は、ステアリングホイール12の操舵方向の補助トルク(第1補助トルクSj1)を算出するために使用される。すなわち、現在の操舵角と基準位置との差分(絶対値)をとることによって、第1補助トルクSj1の算出に必要な相対操舵角が求められる。
そして、この第1設定部52Aは、上述したように、操舵角が時間の経過と共に変化する方向にステアリングホイール12が操舵されている期間に動作し、路面状態推定部40の比較部46から第1推定信号S1が供給されると、路面状態が低μ路であると判断し、相対操舵角の増加に対する補助トルクSjの増加幅を小さく設定する。この実施の形態では、相対操舵角と車速をパラメータとして、第1マップ66A(図3A参照)から第1補助トルクSj1を算出する。なお、第1マップ66A(及び第2マップ66B:図3B参照)において、第1補助トルクSj1は、ステアリングホイール12の操舵方向を正方向としており、ステアリングホイール12の操舵方向に第1補助トルクSj1が付与されることを示している。そして、この第1マップ66Aは、相対操舵角の増加に対する第1補助トルクSj1の正方向の増加幅d1が、通常の場合の増加幅d2(図3Bの第2マップ66B参照)よりも小さく、且つ、車速が大きいほど第1補助トルクSj1のピーク値が低く設定されている。この第1マップ66Aは、後述する第2マップ66B〜第4マップ66Dと共にコントローラ26のメモリ50に記憶される。
反対に、比較部46から第2推定信号S2が供給されると、路面状態が低μ路以外であると判断し、相対操舵角と車速をパラメータとして、第2マップ66B(図3B参照)から第1補助トルクSj1を算出する。この第2マップ66Bは、図3Bに示すように、相対操舵角の増加に対する第1補助トルクSj1の正方向の増加幅d2が、低μ路の場合の増加幅d1(図3A参照)よりも大きく、且つ、車速が大きいほど第1補助トルクSj1のピーク値が低く設定されている。
一方、第2設定部52Bは、基準位置の情報(操舵角情報)を設定する基準位置設定部64を有する。この基準位置設定部64は、選択起動部54によって第2設定部52Bが起動された段階で、舵角センサ20からの現在の操舵角情報を取得し、該操舵角情報を基準位置として基準位置記憶部62に格納(上書き)する。但し、この第2設定部52Bで使用される相対操舵角は、第1設定部52Aの場合と異なり、現在の操舵角と中立位置(中立位置記憶部21に記憶された操舵角)との差分(絶対値)である。
そして、この第2設定部52Bは、上述したように、操舵角が0°以外であって、且つ、操舵角の変化がほぼ一定である期間に動作し、路面状態推定部40の比較部46から第1推定信号S1が供給されると、路面状態が低μ路であると判断し、相対操舵角の増加に対する第2補助トルクSj2の負方向の増加幅を大きく設定する。この実施の形態では、相対操舵角と車速をパラメータとして、第3マップ66C(図4A参照)から第2補助トルクSj2を算出する。なお、第3マップ66C(及び第4マップ66D:図4B参照)において、第2補助トルクSj2は、ステアリングホイール12を中立位置に戻す方向を負方向としており、ステアリングホイール12を中立位置に戻す方向に第2補助トルクSj2が付与されることを示している。そして、この第3マップ66Cは、図4Aに示すように、相対操舵角の増加に対する第2補助トルクSj2の負方向の増加幅d3が、第1設定部52Aでの増加幅d1(図3A参照)よりも大きく、且つ、車速が大きいほど第2補助トルクSj2のピーク値が低く設定されている。
反対に、比較部46から第2推定信号S2が供給されると、路面状態が低μ路以外であると判断し、相対操舵角と車速をパラメータとして、第4マップ66Dから第2補助トルクSj2を算出する。この第4マップ66Dは、図4Bにも示すように、相対操舵角の増加に対する第2補助トルクSj2の負方向の増加幅d4が、第1設定部52Aでの増加幅d2(図3B参照)よりも小さく、且つ、車速が大きいほど第2補助トルクSj2のピーク値が低く設定されている。
第1設定部52Aから出力された第1補助トルクSj1又は第2設定部52Bから出力された第2補助トルクSj2は、それぞれ正負の符号情報と共に電流変換部58に供給される。電流変換部58は、供給された第1補助トルクSj1又は第2補助トルクSj2を電流値Ie(アシスト電流値)に変換して電動モータ34に出力する。この電流値Ieへの変換は、舵角センサ20からの操舵方向Seと正負の符号情報に基づいて、電流方向(電動モータ34の回転方向)も設定される。
ここで、本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置10の動作について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、図5のステップS1において、選択起動部54は、操舵角がほぼ一定であるか否かを判別する。この判別は、起動判別部56から第2起動信号Sd2が出力されているか、あるいは第1起動信号Sd1が出力されているかどうかで行われる。
操舵角がほぼ一定でない、すなわち、起動判別部56から第1起動信号Sd1が出力された時点で、ステップS2に進み、選択起動部54は、第1設定部52Aを起動する。
その後、ステップS3において、第1設定部52Aは、走行中の路面状態が低μ路であるか否かを判別する。この判別は、路面状態推定部40の比較部46から第1推定信号S1が供給されているかどうかで行われる。
低μ路であると判別された場合は、次のステップS4に進み、第1設定部52Aは、メモリ50から第1マップ66A(図3A参照)を読み出す。
そして、次のステップS5において、第1設定部52Aは、舵角センサ20からの舵角情報Saと基準位置記憶部62に記憶されている基準位置との差分(絶対値)を演算して相対操舵角を求め、さらに、この相対操舵角と車速センサ22からの車速情報Sbをパラメータとして、第1マップ66Aから第1補助トルクSj1を算出して出力する。
上述したステップS3において、低μ路でないと判別された場合は、ステップS6に進み、第1設定部52Aは、メモリ50から第2マップ66B(図3B参照)を読み出す。
次のステップS7において、第1設定部52Aは、ステップS5と同様に、相対操舵角と車速センサ22からの車速情報Sbをパラメータとして、第2マップ66Bから第1補助トルクSj1を算出して出力する。
そして、ステップS8において、電流変換部58は、得られた第1補助トルクSj1を電流値Ie(アシスト電流値)に変換して電動モータ34に出力する。電動モータ34は、供給された電流値Ieと電流方向に基づいてラック16bを回転駆動し、これによって、運転者のステアリングホイール12に対する操作負荷が、路面状態に応じて軽減されることとなる。すなわち、低μ路では、第1マップ66Aが使用されることから、操舵角の増加に対するアシスト電流の増加幅が小さく設定され、これにより、ステアリングホイールに対する操作負荷が幾分大きくなる。一方、低μ路以外では、第2マップ66Bが使用されることから、操舵角の増加に対するアシスト電流の増加幅が低μ路の場合よりも大きく設定され、これにより、ステアリングホイール12に対する操作負荷が少なくなり、運転操作が容易になる。
上述したステップS1において、操舵角がほぼ一定であると判別された場合、すなわち、起動判別部56から第2起動信号Sd2が出力された時点で、ステップS9に進み、選択起動部54は、第1設定部52Aに代えて、第2設定部52Bを起動する。なお、第2設定部52Bは、起動された段階で、舵角センサ20からの舵角情報Saを、基準位置として第1設定部52Aの基準位置記憶部62に格納する。
その後、ステップS10において、第2設定部52Bは、走行中の路面状態が低μ路であるか否かを判別する。この判別は、路面状態推定部40の比較部46から第1推定信号S1が供給されているかどうかで行われる。
低μ路であると判別された場合は、次のステップS11に進み、第2設定部52Bは、メモリ50から第3マップ66C(図4A参照)を読み出す。
そして、次のステップS12において、第2設定部52Bは、舵角センサ20からの舵角情報Saと中立位置記憶部21に記憶されている中立位置との差分(絶対値)を演算して相対操舵角を求め、さらに、この相対操舵角と車速センサ22からの車速情報Sbをパラメータとして、第3マップ66Cから第2補助トルクSj2を算出して出力する。
上述したステップS10において、低μ路でないと判別された場合は、ステップS14に進み、第2設定部52Bは、メモリ50から第4マップ66D(図4B参照)を読み出す。
次のステップS14において、第2設定部52Bは、ステップS12と同様に、相対操舵角と車速センサ22からの車速情報Sbをパラメータとして、第4マップ66Dから第2補助トルクSj2を算出して出力する。
そして、ステップS15において、電流変換部58は、得られた第2補助トルクSj2を電流値Ie(アシスト電流値)に変換して電動モータ34に出力する。電動モータ34は、供給された電流値Ieと電流方向に基づいてラック16bを回転駆動し、これによって、運転者によるステアリングホイール12を中立位置以外のある一定の操舵角で維持させようとする操作負荷が、路面状態に応じて増減することとなる。
そして、上述したステップS8又はステップS15の処理を経た段階で、次のステップS16に進み、コントローラ26は、終了要求(車両の停止、電源断等)があったか否かを判別する。終了要求がなければ上述したステップS1以降の処理を繰り返し、終了要求があった段階で、この電動パワーステアリング装置10での動作が終了する。
この電動パワーステアリング装置10では、上述のように、ステアリングホイール12を中立位置に戻す方向の補助トルクの大きさを、路面状態に応じて異ならせることができる。従って、低μ路において、ステアリングホイールを回転操作する際に、ステアリングホイールに対する操作が重く感じ、しかも、ステアリングホイールを一定の操舵角で維持させる場合にも重く感じることとなり、低μ路でのステアリングホイールでの操作に違和感が生じるということがない。もちろん、ステアリングホイールを中立位置以外のある一定の操舵角を維持させようとした場合に、ステアリングホイールが容易に動いてしまうという不都合を回避することができる。
このように、本実施の形態では、ステアリングホイールを中立位置に戻す方向の補助トルクを路面状態に応じて変えることができ、路面状態に応じた違和感のないステアリングホイールの操作感覚を運転者に持たせることができる。
上述の例では、第4マップ66Dとして、図4Bに示すように、相対操舵角の増加に対する第2補助トルクSj2の負方向の増加幅d4が、第1設定部52Aでの増加幅d2(図3B参照)よりも小さく、且つ、車速が大きいほど第2補助トルクSj2のピーク値が低く設定された情報を用いている。従って、例えば乾いた道路やオフロード等の高μ路(高摩擦抵抗の路面)を走行しているときに、ステアリングホイールを中立位置以外のある一定の操舵角を維持させようとした場合、ステアリングホイールを中立位置に戻す方向の補助トルクが小さく設定されることになる。これにより、高μ路において、ステアリングホイールを回転操作する際に、ステアリングホイールに対する操作が軽く感じ、しかも、ステアリングホイールを一定の操舵角で維持させる場合にも軽く感じることとなり、高μ路でのステアリングホイールでの操作に違和感が生じるということがない。
なお、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…電動パワーステアリング装置 12…ステアリングホイール
14…車輪 16…車輪転舵機構
18…操舵トルクセンサ 20…舵角センサ
22…車速センサ 24…アクチュエータ
26…コントローラ 28…ヨーレートセンサ
34…電動モータ 40…路面状態推定部
42…補助トルク設定部 44…規範ヨーレート演算部
46…比較部 52A…第1設定部
52B…第2設定部 54…選択起動部
56…起動判別部 58…電流変換部

Claims (2)

  1. 運転者が車両のステアリングホイールを操舵することによって発生する操舵トルクを、前記車両の車輪に伝えて該車輪を転舵させる車輪転舵機構と、
    前記ステアリングホイールの操舵角を検出する舵角センサと、
    前記車両の速度を検出する車速センサと、
    前記車両の速度と前記操舵角に応じた補助トルクを発生するアクチュエータとを有する電動パワーステアリング装置において、
    少なくとも路面状態を推定する路面状態推定部と、
    前記アクチュエータにて発生させる前記補助トルクを、少なくとも前記車両の速度、前記操舵角及び前記推定された路面状態に基づいて設定する補助トルク設定部とを有し、
    前記補助トルク設定部は、前記アクチュエータにて前記ステアリングホイールの操舵方向の第1補助トルクを発生させるための第1設定部と、
    前記アクチュエータにて前記ステアリングホイールを中立位置に戻す方向の第2補助トルクを発生させるための第2設定部とを有し、
    前記第2設定部は、前記操舵角が0°以外であって、且つ、前記操舵角の変化がほぼ一定である期間に動作し、前記推定された路面状態が低摩擦係数の路面状態での相対操舵角に対する前記第2補助トルクが、前記推定された路面状態が前記低摩擦係数の路面状態以外での相対操舵角に対する前記第2補助トルクよりも大きくなるように設定することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項記載の電動パワーステアリング装置において、
    さらに、実ヨーレートを出力するヨーレートセンサを有し、
    前記路面状態推定部は、
    前記舵角センサからの舵角と前記車速センサからの車両の速度に基づいて規範ヨーレートを算出する規範ヨーレート演算部を有し、
    得られた前記規範ヨーレートと前記ヨーレートセンサからの前記実ヨーレートとに基づいて前記路面状態を推定することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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