JP5300136B2 - 圧着端子及び圧着構造 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム電線に対する圧着端子及び圧着構造に関する。
端子と電線を接続する方法として、広く圧着という方法が用いられている。圧着は、端子に設けたU字状の圧着部に電線の導体露出部を挿入し、その導体露出部を包み込むように圧着部を圧着治具等で加締めることにより、圧着部に電線を接続するものである。
従来、圧着による接続性能の向上のために、端子の表面にスズメッキを施しておき、これにより圧着性能の向上を図ることが行なわれている。このようなスズメッキした端子を電線に圧着した場合、メッキしたスズが電線の導体と端子母材とを仲介することで、より接続性能の向上が図れることが知られている。また、特許文献1には、「雄部品および雌部品の嵌合によって電気的接触を得る嵌合型接続端子の製造方法であって、(a)前記雄部品または前記雌部品のうち少なくとも一方の銅母材の表面に錫めっき層を形成するめっき工程と、(b)前記錫めっき層が形成された前記銅母材に熱処理を行って前記錫めっき層のうち前記銅母材との界面近傍のみをCuSnに合金化する熱処理工程と、を備えることを特徴とする嵌合型接続端子の製造方法。」により端子挿入力の低減を図ったりすることが知られている。
ところで、自動車等の車両の内部に配索されるワイヤーハーネスには、銅電線を使用するのが一般的であって、導電性や強度等の特性(物性)に劣るアルミニウム電線は使用が困難であるために、従来ではあまり使われたことがなかった。しかしながら、近年、車両の軽量化およびそれによる低燃費化と、リサイクル性に鑑みて、アルミニウム電線の使用に関する要望が高まっている。
アルミニウム電線を使用する場合、その導体を構成するアルミニウムまたはアルミニウム合金が銅よりも機械強度や電気伝導度が劣ることから、圧着部の接続性能をより高めることが必要となる。また、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体の表面には、通常、固有抵抗値の高い酸化被膜が生成されているので、圧着に際しては、酸化被膜を破りながら、導体同士(端子とアルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体と)の十分な接触導通を図らなければならない。しかし、従来では、アルミニウム電線の使用が少ないために、それらの点の十分な検討がなされていないのが現状である。
特開平10−302867号公報
アルミニウム電線を端子に圧着する場合にも、上述したスズメッキ端子の使用は、接続性能の向上に寄与するが、従来のものでは、まだ十分な性能向上は期待できなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アルミニウム電線等を使用する場合に、圧着による凝着を促進させることができ、電気接続性能の向上が期待できるアルミニウム電線等に対する圧着端子及び圧着構造を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明は、下記を特徴としている。
1)相手方端子に対する電気接続部と電線の導体部を加締める導体圧着部を備え、導電性母材表面にスズメッキを施した部分を有し、該部分のうち前記導体圧着部が前記電線の前記導体部に圧着されることで該電線と電気的に接続する圧着端子であって、
前記スズメッキは、前記電気接続部については薄く施され、前記導体圧着部については厚く施されて、
圧着前の前記導体圧着部のエンボス加工による表面粗さが0.1〜1.0μmであり、かつ当該圧着により、スズが導体を構成する素線の表面に凝着しながら各素線間の隙間を埋め、前記導体圧着部と前記導体部とが凝着することを特徴とする圧着端子。
2)前記電線が、前記導体部としてアルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体部を有するアルミニウム電線であることを特徴とする上記1)に記載の圧着端子。
3)前記導体圧着部の表面にディンプル状の凹凸が形成されていることを特徴とする上記1)または2)に記載の圧着端子。
4)前記導体圧着部の表面が、ショットピーニングで処理されたものであることを特徴とする請求項3に記載の圧着端子。
5)アルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体部を有するアルミニウム電線と、導電性母材表面にスズメッキを施した部分を有する圧着端子と、を備え、前記圧着端子の前記部分のうち導体圧着部が前記アルミニウム電線の導体部に圧着され、これにより前記圧着端子が該アルミニウム電線と電気的に接続される圧着構造であって、
圧着前の前記アルミニウム電線の導体部の表面粗さが0.1〜1.0μmであり、かつ当該圧着により前記導体圧着部と前記導体部とが凝着することを特徴とする圧着構造。
6)前記導体圧着部が圧着する前記アルミニウム電線の導体部の表面にディンプル状の凹凸が形成されていることを特徴とする上記5)に記載の圧着構造。
7)前記導体圧着部が圧着する前記アルミニウム電線の導体部の表面が、ショットピーニングで処理されたものであることを特徴とする上記6)に記載の圧着構造。
本発明によれば、端子側のスズメッキを施した部分および/またはアルミニウム電線の導体部の表面粗さを特定したので、接続部の接触面積が増大し、端子と導体の凝着を促進させることができ、端子と電線の電気接続の信頼性の向上を図れる。
アルミニウム電線と端子の圧着端子における凝着方法を説明するための図である。 図1の圧着端子における圧着部の断面図である。 前記導体圧着部のセレーションのある部分の縦断面図である。 前記導体圧着部と電線の導体との関係を示す側断面図である。 導体部を構成する素線の隙間に圧着部にメッキしたスズが入り込んでいる状態を模式的に示す断面図である。 メッキ方法の説明図である。 別のメッキの方法の説明図である。 更に別のメッキの方法の説明図である。 圧着部をモデル化して圧着部の電気的接続性能を試験した例の結果を示す図である。
本発明において、端子側の導電性母材表面にスズメッキを施した部分のうち導体圧着部と接続される電線の導体部を総称して圧着部という。本発明においては、圧着部において表面粗さが特定されるものは端子側のみであっても、導体部側のみであっても、その両者でもよい。また、圧着部において、該導体部と該スズメッキを施した部分における実際に両者が圧着により接続する領域は、該導体圧着部および導体部の少なくとも一部である。なお、導体部とは、端子側の導体圧着部と接続される電線導体の一部特定領域である。更に、本発明において、アルミニウム電線の導体とは、アルミニウム単体及びアルミニウム合金を含む意味である。請求項1において、電線の導体部の素材は、銅、アルミニウム等、特に限定されないが、アルミニウムまたはアルミニウム合金が好適である。
本発明においては、接続前の導体圧着部または導体部の表面粗さを0.1〜1.0μm、好ましくは0.2〜0.8μm、更に好ましくは0.3〜0.6μmとする。この表面粗さが0.1μm未満及び1.0μmを超えると十分な凝着が得られない。なお、本発明においては、圧着端子及び圧着構造において、導体圧着部及び導体部の表面粗さを上記のように規定してもよい。また、表面粗さが本発明の範囲に規定される領域は、少なくとも上記圧着部が含まれれば、それ以外の領域が包含されてもよい。
本発明において、圧着部における表面粗さは、JIS B0601−1994で規定される算術平均粗さと定義される。
上記表面粗さを得るための該表面は、特に制限はないがディンプル状の凹凸からなることが好ましい。
上記表面粗さを得るための手段としては、特に制限されないが、ショットピーニング、ローラ等によるエンボス加工等が挙げられるが、ショットピーニングが好ましい。
ショットピーニングに用いる素材としては、特に制限されるものではないが、セラミック微粒子を用いたものが好ましい。この素材としては、球形もしくは球形に類似の形状が表面をディンプル状に形成できる観点から好ましく、その平均粒径は20〜100μmが好ましく、40〜60μmが更に好ましい。
表面粗さが本発明の範囲になるように表面処理された圧着部は、表面が適度に粗くなり、圧着部の接触面積が増大すると共に後述するような端子接続工程での摺動抵抗が増大するために凝着(原子間結合)エネルギーが増大し、圧着端子の信頼性が向上する。
特にショットピーニングにより表面処理された圧着部は、表面粗さが粗くなると同時に硬度が向上するので端子接続工程での摺動抵抗が更に増大することが期待できるために凝着(原子間結合)エネルギーが増大し、圧着端子及び圧着構造の更なる信頼性向上が期待できる。
上記端子接続工程は、圧着部を電気的に導通するように凝着により接続する工程である。本発明において、凝着とは圧着部において、少なくとも端子側のスズ原子と導体部の原子との原子間結合が形成されることを意味する。この原子間結合は端子の導電性母材構成原子と導体部の原子との間で形成されてもよい。なお、導電性母材を以下、単に母材ともいう。
この凝着は、少なくとも圧着部に圧力を印加することにより行われる。場合により更に熱を印加してもよい。
次に、上記凝着のメカニズムについて、圧着部をモデル化して圧着部の電気的接続性能を試験した例に基づいて説明する。
図9は、銅プレート(銅電線の導体部に相当)に対し、銅合金にスズメッキした凸状のコンタクト部を有したサンプル板(端子の導体圧着部に相当)をこのコンタクト部を介して圧接した場合、そして同様にアルミニウムプレート(アルミニウム電線の導体部に相当)に対し、上記銅合金にスズメッキした凸状のコンタクト部を有したサンプル板(端子の導体圧着部に相当)をこのコンタクト部を介して圧接した場合、のそれぞれにおける、加圧荷重(端子圧着部強度に相当)と電気抵抗(圧着部の接触抵抗に相当)の変化について調べた結果を示している。
なお、荷重の単位はN、抵抗の単位はΩである。そして、白抜きのポイントのグループは、銅プレート−サンプル板間、又はアルミニウムプレート−サンプル板間の荷重を徐々に増加していったときの抵抗変化をプロット(図中、銅プレート−サンプル板間は、Cuで矢印は右向きに表示、アルミニウムプレート−サンプル板間は、Alで矢印は右向きに表示)したものを示し、黒塗りのポイントのグループは、銅プレート−サンプル板間又はアルミニウムプレート−サンプル板間の荷重をいったん最大値(10N)まで加えた後、サンプル板を1mm摺動した後、荷重を徐々に減少していったときの抵抗変化をプロット(図中、銅プレート−サンプル板間は、Cuで矢印は左向きに表示、アルミニウムプレート−サンプル板間は、Alで矢印は左向きに表示)したものを示している。
なお、サンプル板としてはインデントを設けた銅合金にスズ(Sn)メッキを施したものを用い、銅プレートとしては純銅(C1020)を、アルミニウムプレートとしては、アルミ(A1050)を用いた。また、電気抵抗は、デジタルマルチメータにより、加圧加重はフォースリンクにより測定した。
サンプル板のメッキ表面の表面粗さは、0.046μm、アルミニウムプレートの表面粗さは、0.048μmである。
ここで、図9に示すように、プレートが銅の場合は、銅プレート−サンプル板間の荷重の増加時も減少時も抵抗の変化はあまり相違しない。
一方、プレートがアルミニウムの場合は、アルミニウムプレート−サンプル板間の荷重の増加時と減少時とで抵抗変化が大きく相違する傾向があることが分かる。特にアルミニウムプレート−サンプル板間の荷重が減少しても、抵抗が上がらないことが分かる。これは、プレートが銅の場合とアルミニウムの場合とでサンプル板のスズに対する荷重による親和力が異なることが起因すると考えられる。プレートが銅の場合もアルミニウムの場合も現実にはそのプレート表面及びサンプル板のスズ表面は酸化膜で被覆されている。アルミニウムの場合、酸化被膜が荷重により破れて、アルミニウム原子及びスズ原子の活性面が露出しアルミニウムとスズとの原子間結合(凝着)が進むものと考えられ、その結果この段階で荷重を減少しても、アルミニウムプレート−サンプル板間の抵抗がほとんど変わらなくなるものと考えられる。銅の場合は、アルミニウムに比べてスズとの凝着は起こり難いため上記結果となるものと考えられる。このことから、アルミニウム導体の導体部に端子の導体圧着部を圧着する際には、ある程度の荷重をかけた状態で、圧着部の摺動を促進させ該活性面を露出させることが重要であることが分かる。
本発明は、この原理を応用するものである。
上記電気的接続性能試験において、スズメッキしたサンプル板とアルミニウムプレートの組み合わせを以下の組み合わせ(例1〜7)に変更した以外は、上記と同様の条件で試験を行った。
(1)
スズメッキしたサンプル板:表面粗さを0.05μm(例1)、0.4μm(例2)、1.2μm(例3)とした。
アルミニウムプレート:図9の場合と同じ。
(2)
スズメッキしたサンプル板:図9の場合と同じ。
アルミニウムプレート:表面粗さを0.05μm(例4)、1.2μm(例5)、2.2μm(例6)とした。
(3)
スズメッキしたサンプル板:表面粗さを0.05μm(例7)、0.4μm(例8)、1.2μm(例9)とした。
銅プレート:図9の場合と同じ。
上記試験の結果、アルミニウムプレート−サンプル板間、銅プレート−サンプル板間の荷重に対する接触抵抗の変化の形は、概ね図9と同様であった。該荷重を減少させて0.1Nとなったときの該接触抵抗を比較した結果は以下のとおりである。
例2は例1、例3並びに図9の結果よりも接触抵抗が低下していた。例5は例4、例6並びに図9の結果よりも接触抵抗が低下していた。例8は例7、例9並びに図9の結果よりも接触抵抗が低下していた。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための具体的態様例を添付の図面を参照して説明するが、本発明はこれらの例により限定されるものではない。
図1はアルミニウム電線と端子の圧着端子における凝着方法を説明するための図、図2は図1の圧着端子における圧着部の断面図、図3は導体圧着部のセレーションのある部分の縦断面図、図4は導体圧着部と電線の導体との関係を示す側断面図、図5は導体部を構成する素線の隙間に導体圧着部にメッキしたスズが入り込んでいる状態を模式的に示す断面図である。
図1において、図中10は端子、100はアルミニウム電線(アルミニウム製の導体)、31、32は圧着治具の下型と上型である。本実施形態では、銅または銅合金製の端子母材51(図5)の表面に、スズメッキ52が施された端子10を使用する。また、アルミニウム電線100は、絶縁被覆100bの中心に、撚線等の形態の複数の素線100c(図5)の束からなるアルミニウム製の導体部100aを有するものである。
端子10は、その長手方向(以下、この方向を「前後方向」、これと直交する方向を「左右方向」と呼ぶ。)の前端側に相手方端子等に対する電気接続部12を備え、後端側にアルミニウム電線100の先端が露出された導体部100aを加締める導体圧着部13と、アルミニウム電線100の被覆100bを有する部分を加締める被覆加締部14とを備えており、これら電気接続部12と導体圧着部13と被覆加締部14は、共通の底板部11を含むものとして構成されている。
導体圧着部13は、電気接続部12から連続する底板部11の左右方向両側縁に、一対の導体加締片13aを起立形成した断面U字状の部分であり、その内面には、端子10の左右方向に延びる複数本のセレーション(即ち、プレスにより線打ちした浅い溝)13bが設けられている。また、被覆加締部14は、底板部11の左右方向両側縁に、一対の被覆加締片14aを起立形成した断面U字状の部分であり、導体圧着部13と被覆加締部14は、前後方向に適当な間隔をおいて配置されている。
スズメッキ52は、端子10の前端側の電気接続部12については薄く施されているものの、端子10の後端側の導体圧着部13や被覆加締部14については厚く施されている。図1において、メッキの厚さが厚い部分を斜線を付して示してある。特に、導体加締片13aを加締めた際にアルミニウム電線100のアルミニウム製の導体部100aに接触する部分である導体圧着部13の内面については、表面粗さが0.1〜1.0μmに設定されている。なお、スズメッキ52の厚みは、1.0μmである。
この構成の端子10をアルミニウム電線100の先端が露出された導体部100aに圧着する場合、まず、下型31の載置面31a上に端子10を載せると共に、アルミニウム電線100の先端の導体部100aを導体圧着部13の導体加締片13a間に挿入し、かつ、底板部11上に載せる。そして、上型32を下降させることにより、上型32の案内斜面32aで導体加締片13aの先端側を徐々に内側に倒し、さらに最終的には、案内斜面32aから中央の山形部32bに連なる湾曲面で、導体加締片13aの先端を導体部100a側に折り返すように丸めて、図2に示すように、それら先端同士を擦り合わせながら導体部100aに食い込ませることにより、導体部100aを包むように導体加締片13aを加締める。被覆加締部14については、導体圧着部13の加締めに先だって、予め前述と同様に導体100の被覆100bを有する部分を加締める。
このように導体加締片13aを加締めることによって導体圧着部13を導体部100aに圧着した場合、端子10を構成する導電性金属と導体部100aのアルミニウムとを凝着させることができ、端子10とアルミニウム電線100とを電気的および機械的に強く結合することができる。
即ち、端子10の導体圧着部13の内面の表面粗さを0.1〜1.0μmの範囲に設定しているので、図4及び5に示すように、端子母材51上にメッキしたスズと導体部100aとの凝着性を高めることができ、電気接続の安定を図ることができる。特に、図5に示すように、端子母材51上のスズメッキ52のスズが、圧着により、導体を構成する素線100cの表面に凝着しながら各素線100c間の隙間を埋めることになるため、素線100c間および素線100cと端子間の接触面積を大きくすることができて、凝着領域を大きくでき、接触抵抗の低減を図ることができると共に接触信頼性が向上する。
また、図3に示すように、導体圧着部13の内面にセレーション13bがある場合は、そのセレーション13bに、圧着によって変形したスズメッキ52(図5参照)が入り込みながらアルミニウム製の導体部100aと凝着することになるので、アルミニウム電線100の軸方向に対する端子10の結合強度が高まる。
次に、端子10の後端側(導体圧着部13のある部分)だけを厚くメッキするための方法について簡単に説明する。
図6は第1の方法の説明図である。この方法では、プレス加工後のキャリー200に、連なった状態の端子10の前端側(電気接触部12のある部分)をメッキ槽250内のメッキ液252上に出し、端子10の後端側(導体圧着部13や導体加締片14のある部分)をメッキ液252内に浸漬させて、端子10を水平に移動させながらメッキを行う。このように選択的にメッキを行うことにより、導体圧着部13を含む端子10の後端側だけを厚くメッキすることができる。
図7は第2の方法の説明図である。この方法では、プレス加工後のキャリー200に連らなった状態の端子10を、前端側(電気接触部12のある部分)を上に向け、後端側(導体圧着部13や導体加締片14のある部分)を下に向けた姿勢で、下から上に向けて斜めに移動させながらメッキ液252中を通過させる。このように斜めに移動させると、メッキ液252に浴している時間が、端子10の前端側に比して後端側の方が長くなる。従って、メッキ液252に浴している時間が長い部分のメッキ厚が大きくなり、メッキ液252に浴している時間の短い部分のメッキ厚が小さくなり、導体圧着部13を含む端子10の後端側だけを厚くメッキすることができる。
図8は第3の方法の説明図である。この方法では、端子をプレス加工する前の素材300の段階で、前端側の電気接触部となる部分312と後端側の導体圧着部や被覆加締部となる部分315とを区別し、前者の領域にマスキング350を施して、後者の領域だけを選択的にメッキする。そして、メッキ後に電気接続部や導体圧着部、被覆加締部をプレス加工することにより、後端側だけがメッキが施された端子を得ることができる。
このようにマスキング350を施してメッキする場合は、素材300の片面だけをメッキすることができるので、端子の導体圧着部の内面だけメッキすることができる。
端子の導体圧着部の表面処理は、第1及び第2の方法でも行うことは可能であるが、第3の方法で得たメッキ表面を処理し、本発明範囲の表面粗さとすることが好ましい。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、アルミニウム電線100の導体100aをアルミニウム合金製としてもよい。当該アルミニウム合金の具体例としては、アルミニウムと鉄との合金を挙げることができる。この合金を採用した場合、アルミニウム製の導体に比べて、延び易く、強度(特に引っ張り強度)を増すことができる。
また、上記実施態様では、端子の導体圧着部のみの表面粗さを規定したが、アルミニウム電線の導体部の表面粗さを規定したものを併用してもよい。あるいは、端子の表面粗さを規定するのではなく、該導体部の表面粗さを規定したものを用いてもよい。
10:端子
11:底板部
12:電気接続部
13:導体圧着部
13a:導体加締片
51:端子母材
52:スズメッキ
100:アルミニウム電線
100a:アルミニウム製の導体部

Claims (7)

  1. 相手方端子に対する電気接続部と電線の導体部を加締める導体圧着部を備え、導電性母材表面にスズメッキを施した部分を有し、該部分のうち前記導体圧着部が前記電線の前記導体部に圧着されることで該電線と電気的に接続する圧着端子であって、
    前記スズメッキは、前記電気接続部については薄く施され、前記導体圧着部については厚く施されて、
    圧着前の前記導体圧着部のエンボス加工による表面粗さが0.1〜1.0μmであり、かつ当該圧着により、スズが導体を構成する素線の表面に凝着しながら各素線間の隙間を埋め、前記導体圧着部と前記導体部とが凝着することを特徴とする圧着端子。
  2. 前記電線が、前記導体部としてアルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体部を有するアルミニウム電線であることを特徴とする請求項1に記載の圧着端子。
  3. 前記導体圧着部の表面にディンプル状の凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧着端子。
  4. 前記導体圧着部の表面が、ショットピーニングで処理されたものであることを特徴とする請求項3に記載の圧着端子。
  5. アルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体部を有するアルミニウム電線と、導電性母材表面にスズメッキを施した部分を有する圧着端子と、を備え、前記圧着端子の前記部分のうち導体圧着部が前記アルミニウム電線の導体部に圧着され、これにより前記圧着端子が該アルミニウム電線と電気的に接続される圧着構造であって、
    圧着前の前記アルミニウム電線の導体部の表面粗さが0.1〜1.0μmであり、かつ当該圧着により前記導体圧着部と前記導体部とが凝着することを特徴とする圧着構造。
  6. 前記導体圧着部が圧着する前記アルミニウム電線の導体部の表面にディンプル状の凹凸が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の圧着構造。
  7. 前記導体圧着部が圧着する前記アルミニウム電線の導体部の表面が、ショットピーニングで処理されたものであることを特徴とする請求項6に記載の圧着構造。
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