JP5116512B2 - 圧着端子を用いた圧着方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧着端子を用いた圧着方法に関し、特に、導体としてアルミニウム製又はアルミニウム合金製の導体を有するアルミニウム電線との圧着接続に好適な圧着端子を用いた圧着方法に関する。
従来の圧着端子は、前端側に電気接触部を備え、後端側に、一対の圧着片を有して電線の一端部で露出された導体に加締められる導体圧着部と、電線の被覆に加締められる被覆圧着部とを備えて構成されており、例えば特許文献1等において広く知られている。そして、従来、このような圧着端子を電線の一端部に圧着する場合には、上型と下型を用いて、まず下型の載置面上に圧着端子を載せ、電線の一端部で露出された導体を導体圧着部の圧着片の間に挿入する。そして、この圧着片の幅より小さい幅の上型を下降させることにより、導体を包むように圧着片を加締める。被覆圧着部についても従来と同様に加締める。
ところで、近年、銅資源の不足に加え、車両の軽量化やリサイクルの容易性を考慮して、導体としてアルミニウム製又はアルミニウム合金製の導体を有するアルミニウム電線が注目されている。しかしながら、アルミニウムは銅に比べて表面に形成される酸化皮膜が厚く、アルミニウム電線では、導体と端子(圧着端子等)との間の接触抵抗が比較的高くなる傾向にある。
この接触抵抗を低減するために、端子本体の圧着片(導体加締片)を電線の導体に強く加締め、導体の圧縮率を高くする方法が知られている。これによれば、導体を構成する各素線の酸化皮膜を効果的に破壊することができるので、導体と端子本体との間の接触抵抗を低減することができる。
なお、本明細書において、導体の圧縮率とは、圧着前の導体の断面積に対する圧着後の導体の断面積の比として規定される。
しかしながら、導体の圧縮率を高くした場合は、導体に作用する応力も合わせて高くなることになる。また、アルミニウムは銅に比べて機械的強度に劣ることから、アルミニウム電線に対する圧着構造では、導体に高い応力が作用した場合、端子の圧着強度が著しく低下してしまうという現象が起こりやすい。
そこで、アルミニウム電線と端子本体との圧着において、アルミニウム電線の導体と端子本体との接触抵抗の低減と、端子本体の圧着強度の確保と、を両立させることを目的としたアルミニウム電線と端子本体との圧着方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
ここで、特許文献2に開示された圧着方法では、アルミニウム電線の導体の断面積に応じて、導体と端子本体との接触抵抗の低減と、端子本体の圧着強度の確保と、を両立し得る導体の圧縮率を規定している。例えば、導体の断面積が1.5mm未満のものについては、導体の圧縮率を50〜70%とし、導体の断面積が1.5mm以上のものについては、導体の圧縮率を40〜70%とするようにしている。
なお、銅電線への端子本体の圧着における導体の圧着率は、一般的には75〜95%とされている。
特開平7−135031号公報(図8) 特開2005−174896号公報
ここで、アルミニウム電線に対して、機械的に安定した状態で且つ低い接触抵抗値で端子本体を圧着するためには、如何に端子と導体の凝着面積を大きくするかが重要になってくる。凝着面積を大きくするには、大きな圧着力を加えて、導体と端子の接触面を大きく変形させて、酸化被膜を破壊することが有効であるが、従来のように単純に圧縮率を規定するだけでは、電気的に十分な性能が得られない上に、機械的強度も十分に確保できないおそれがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧着による電線の導体との凝着性を促進させることができて、電気的接続性能及び機械的強度の向上を図ることができる圧着端子を用いた、特にアルミニウム電線に対する圧着方法及び圧着構造を提供することにある。
本発明の前述した目的は、下記(1)の圧着方法により達成される。
(1) 導電金属製の端子本体を備え、該端子本体に、その長手方向に延長する底板部と、該底板部の前記長手方向と交差する方向の両端部から上方に向かって延出形成された一対の導体加締片とが設けられており、該一対の導体加締片と前記底板部とにより電線の導体に圧着するための導体圧着部が形成された圧着端子に対し、
前記電線の導体を、前記長手方向に沿って前記底板部上の前記一対の導体加締片の間に配置した状態で、前記一対の導体加締片を内側に曲げるための凹状型面を有した第1の型と前記導体圧着部を載置するための載置面を有した第2の型とを用いて、前記一対の導体加締片を内側に曲げて加締めることにより、前記導体への前記導体圧着部の圧着接続を行う圧着方法であって、
前記第1の型の前記凹状型面の、加締め後の前記導体圧着部の最大外側面幅を規定する内面幅の寸法をCCWとし、前記電線の前記導体の直径の寸法をAとし、更に前記一対の導体加締片の厚みの寸法をtとした場合に、
5t ≦ CCW ≦ A+2t
の関係式を満足しており、
前記底板部と前記載置面とが係合するように前記圧着端子を前記第2の型に載置した状態で前記第2の型に対し前記第1の型を相対移動することで、前記一対の導体加締片を内側に曲げて加締めることにより、前記導体圧着部において、前記長手方向と交差する方向の前記導体の変形が抑制され、且つ該長手方向と交差する方向の前記導体の変形量と比較して大きな割合で前記導体が前記長手方向に延伸変形し、これにより前記導体を前記底板部に前記長手方向に摺動させることを特徴とする圧着方法。
本発明の前述した目的は、さらに下記(2)〜(4)の圧着方法により達成される。
(2) 前記電線が、前記導体としてアルミニウム製又はアルミニウム合金製の導体を有するアルミニウム電線であることを特徴とする上記(1)の圧着方法。
(3) 前記導体圧着部の内面に、少なくとも1つのセレーションが前記長手方向と交差する方向に延びるように設けられていることを特徴とする上記(1)または(2)の圧着方法。
(4) 前記端子本体が、銅又は銅合金により形成された端子母材と、当該端子母材の表面にメッキされたスズと、を含むことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つの圧着方法。
上記(1)の構成の圧着方法によれば、
第1の型の凹状型面の寸法を
5t ≦ CCW ≦ A+2t
の関係式を満足するように設けて、一対の導体加締片を加締めるので、導体圧着部において、長手方向に交差する方向の導体の変形が抑制され、この長手方向に交差する方向の導体の変形量と比較して大きな変形の割合になるように、導線を長手方向に効率よく延伸変形することができる。このため、導体圧着部の底板部に対し導体をより効果的に長手方向で摺動させることができ、且つ導体に対する圧着端子の機械的な接続強度を効果的に高めることができる。
上記(2)の構成の圧着方法によれば、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の導体を有するアルミニウム電線に対して適用したので、銅製の導体に比べて導電性の落ちるアルミニウム製又はアルミニウム合金製の導体に対しての端子本体の凝着力を高めることができ、電気接続性能の向上を図ることができる。これにより、車両等に配索されるワイヤハーネスの大幅な軽量化及び低燃費化を実現することができる。
上記(3)の構成の圧着方法によれば、導体圧着部の内面にはセレーションが設けられているので、導体圧着部のセレーションに交差する方向、即ち長手方向へ導体が摺動する際のセレーションとの間の摩擦、及び摺動する際のセレーションのエッジ部による引き裂き作用により、導体の表面に形成された酸化被膜を効果的に破壊することができる。したがって、酸化被膜の破壊により露出した新生面と圧着端子との凝着をより効果的に促進することができ、圧着端子と電線の導体との接触導通性(電気的接続性能)をより高めることができる。
上記(4)の構成の圧着方法によれば、端子本体が銅又は銅合金により形成された端子母材と、当該端子母材の表面にメッキされたスズと、を含むので、酸化被膜が破壊されることで露出した導体の新生面(アルミニウム又はアルミニウム合金)とメッキ金属であるスズとの間で効率よく凝着が生じ、良好な接触導通性(電気的接続性能)を得ることができる。
本発明によれば、圧着による電線の導体との凝着性を促進させることができて、電気的接続性能及び機械的強度の向上を図ることができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
まず、実施形態の説明を行う前に、銅製圧着端子を銅電線の導体に圧着する場合と、銅製圧着端子をアルミニウム電線の導体に圧着する場合と、の電気的接続性能に関する特徴的な違いについて述べる。
なお、以下、「摺動」は「導体と圧着端子とが凝着するように摺りつけること」を意味する。
図6は、スズメッキした銅プレート(銅製圧着端子に相当)に対し、銅製の、凸状のコンタクト部を有したサンプル板(銅電線の銅導体に相当)をこのコンタクト部を介して圧接した場合、そして同様に、スズメッキした銅プレート(銅製圧着端子に相当)に対し、アルミニウム製の、凸状のコンタクト部を有したサンプル板(アルミニウム電線のアルミニウム導体に相当)をこのコンタクト部を介して圧接した場合、のそれぞれにおける、加圧荷重(導体圧着部強度に相当)と電気抵抗(導体圧着部の接触抵抗に相当)の変化について調べた結果を示している。
なお、荷重の単位はN、抵抗の単位はΩである。そして、白抜きのポイントのグループは、荷重を徐々に増加していったときの抵抗変化を示し、黒塗りのポイントのグループは、荷重を一旦最大値まで加えた後、荷重を徐々に減少していったときの抵抗変化を示している。また、このとき、両者サンプルは同一条件にて、それぞれのコンタクト部で荷重を最大に加えた点の近傍において、銅プレートとサンプル板それぞれとを所定量(例えば、1mm)摺動させている。
なお、銅プレートとしてはインデントを設けたスズ(Sn)メッキを施した純銅(C1020)を用い、各サンプル板としては純銅(C1020)又は純アルミ(A1050)を用いた。また、電気抵抗は、デジタルマルチメータにより、加圧荷重はフォースリンクにより測定した。
ここで、図6に示すように、銅(銅電線)の場合は、荷重の増加時も減少時も抵抗の変化はあまり発生していないことが分かる。
一方、アルミニウム(アルミニウム電線)の場合は、荷重の増加時と減少時とで抵抗変化が大きく相違する傾向があることが分かる。特に、荷重が減少しても、抵抗が上がらないことが分かる。これは、アルミニウムの場合、電気抵抗の大きい、頑丈な酸化被膜が表面に存在しており、その被膜がいったん破れて、圧着端子表面のスズメッキとアルミニウムの凝着が進むと、その段階で荷重を減少しても、抵抗がほとんど変わらなくなるということを表している。このことから、アルミニウム導体に端子を圧着する際には、ある程度の荷重をかけた状態で、圧着端子と導体の摺動を促進させることが重要であることが分かる。
本発明は、この原理を応用するものである。
以下、本発明に係る好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
ここでは、オープンバレルタイプの圧着端子を、アルミニウム電線に圧着する場合の圧着方法と、その圧着方法の実施により得られた圧着構造と、について説明する。
図1はオープンバレルタイプの圧着端子とその圧着方法を説明するための図である。図2(a)は実施形態の圧着構造の導体圧着部の断面図である。図2(b)は使用するアルミニウム電線の一端部の斜視図である。なお、図1中、1は圧着端子、100はアルミニウム電線、31、32は圧着治具の下型及び上型を示している。
図1及び図2(b)に示すように、使用するアルミニウム電線100は、アルミニウム又はアルミニウム合金製の複数の素線が撚り合わされた導体101を絶縁樹脂製の被覆102で覆った構成のもので、圧着端子1を圧着するために、アルミニウム電線の一端部の被覆102が切り剥がされて、導体101が所定長さだけ露出させられている。ここでは、導体101の直径の寸法をAとする。
なお、アルミニウム合金の好ましい具体例としては、アルミニウムと鉄との合金を挙げることができる。この合金を採用した場合には、アルミニウム製の導体に比べて、延び易く、強度(特に引っ張り強度)を増すことができる。
図1に示すように、圧着端子1は、導電金属製の端子本体1aを備え、この端子本体1aに、その長手方向(以下、この方向を「前後方向」、これと直交する方向を「左右方向」ともいう。)に延長する底板部11と、この長手方向の前端側に相手端子に接続するための電気接続部2と、後端側にアルミニウム電線100の一端部に固定されるための電線固定部3と、が設けられている。ここで、圧着端子1、即ち端子本体1aは、銅又は銅合金により形成された端子母材と、当該端子母材の表面にメッキされたスズと、を含むものとして構成され、一定板厚の銅又は銅合金製の板材をプレス加工することにより形成される。
電線固定部3は、アルミニウム電線100の一端部で露出された導体101に圧着するための導体圧着部4を前側に有すると共に、アルミニウム電線100の絶縁被覆102を有する部分に加締められる被覆加締部5を後側に有し、これら電気接続部2と導体圧着部4と被覆加締部5は、共通の底板部11を含むものとして構成されている。
導体圧着部4は、電気接続部2から連続する底板部11の左右方向両端部に上方に向かって突出形成された一対の導体加締片14と、この一対の導体加締片14により挟まれた底板部11の一部分と、により形成された断面U字状の部分であり、その内面には、圧着端子1の左右方向に延びる複数本のセレーション(即ち、プレスにより線打ちした浅い溝)13が設けられている。
また、被覆加締部5は、底板部11の左右方向両端部に上方に向かって突出形成された一対の被覆加締片15と、この一対の被覆加締片15により挟まれた底板部11の一部分と、により形成された断面U字状の部分である。
そして、導体圧着部4と被覆加締部5は、前後方向に適当な間隔をおいて配置されている。また、導体圧着部4と電気接続部2との間には、底板部11の両端部から上方に延長し後端が導体加締片14の前端縁の下半部に連続する繋ぎ側板部12が設けられている。繋ぎ側板部12があることにより、導体圧着部4と電気接続部2との間が断面U字状となり、曲げ剛性が高められている。
ここでは、導体加締片14の板厚(厚み)の寸法をtとする{図2(a)参照}。
図1及び図3は、一対の導体加締片14を内側に曲げるための凹状型面32aを有した上型(第1の型)32と、導体圧着部4を載置するための載置面31aを有した下型(第2の型)31と、の構成を示しており、ここで、図3(a)は導体加締片14を加締めている状態を示す図ある。図3(b)は加締め後に、型を開いて、導体圧着部4を上型32と下型31の間から取り外した状態を示す図である。
図1に示すように、導体圧着部4をアルミニウム電線100の一端部で露出された導体101に圧着するには、下型31の載置面31a上に導体圧着部4の底板部11を載せると共に、アルミニウム電線100の一端部で露出された導体101を、導体圧着部4の導体加締片14の間に且つ導体圧着部4の底板部11上に配置する。
これにより、アルミニウム電線100の導体101が配置された、圧着端子1の導体圧着部4が、この導体圧着部4の底板部11と載置面31aとが係合するように下型31に載置された状態が得られる。
そして、この状態で、上型32を下型31に対して相対的に下降(移動)させることにより、導体圧着部4をプレス成形する。即ち、上型32の凹状型面32aを用いて導体加締片14の先端部側を徐々に内側に倒していき、最終的に凹状型面32aから中央の山形部32bに連なる湾曲面で、導体加締片14の先端部を、導体101側に折り返すように内側にカール(曲げ)させて、これら先端部同士を擦り合わせながら導体101に食い込ませる。これにより、導体101を包むように導体加締片14を加締める。また、被覆加締部5については、導体圧着部4の加締めに先だって、予め前述と同様にアルミニウム電線100の絶縁被覆102を有する部分に加締められる。
このように導体加締片14を加締めることにより、導体圧着部4をアルミニウム電線100の導体101に圧着した場合、圧着端子1を構成する導電性金属製の底板部11とアルミニウム電線100の導体101とが凝着(分子や原子レベルで結合)することになり、圧着端子1とアルミニウム電線100とを電気的および機械的に強く結合することができる。
さらに、この加締めの際に、上型32の凹状型面32aのうち、加締め後の導体圧着部4の最大外側面幅CWを規定する部分の内面幅の寸法CCW{図3(b)}を、次の(I)式を満足するように上型32の凹状型面32aを設けて、一対の導体加締片14を加締める。
5t ≦ CCW ≦ A+2t … (I)
なお、「CCW」の表記のうち、最初の「C」は「クリンパ」、続く「CW」は、「クリンプワイド」を意味している。
これにより、図4(b)に示すように、導体圧着部4内の導体101において、長手方向と直交する方向の導体101の変形(矢印S1)が抑制され、且つこの長手方向と直交する方向の導体101の変形量(矢印S1)と比較して大きな変形の割合で、導体101を長手方向に延伸変形(矢印S2)し、これにより、セレーション13に対して交差する方向、即ち端子本体1aの長手方向に、導体圧着部4の内面に対し導体101を摺動させる。このように加締めることで、図4(a)に示すように、導体圧着部4の最大外側面幅CWが小さくなり、導体101の断面を、原形の円形断面に近い正方形状断面にさせることができる。
一方、このように条件設定しないで加締めを行った場合は、図5(b)に示すように、導体圧着部4内の導体101が、長手方向と直交する方向に大きく伸び(矢印S1)てしまい、長手方向にはあまり延伸変形(矢印S2)しなくなる。したがって、セレーション13に対して交差する方向に、即ち、端子本体1aの長手方向に導体圧着部4に対して導体101が殆ど摺動しなくなる。このように加締めを行った場合は、図5(a)に示すように、導体圧着部4の最大外側面幅CWが大きくなり、導体101の断面が、導偏平な断面形状になってしまう。
ここで、上型32の凹状型面32aの内面幅の寸法CCWを「5t ≦ CCW」に設定したのは、「5t > 型C/W」にした場合には、導体加締片14の先端をスムーズにカールするができないからである。一方、「CCW ≦ A+2t」に設定したのは、「CCW > A+2t」にした場合には、導体101の長手方向と直交する方向の変形(矢印S1)を十分に抑制することができず、長手方向の延伸変形(矢印S2)を効率よく起こさせることがでないからである。
前述の(I)式の条件で加締めを行うことにより、次の(II)式のような条件、より好ましくは(III)式の条件を満たす実施形態の圧着構造を得ることができるので、その条件を満たす圧着構造を高品質な圧着端子1として評価することができる。
ただし、CWは、導体圧着部4の最大外側面幅の寸法を示している。
(A+2t)×1.0 < CW < (A+2t)×1.1 … (II)
(A+2t)×1.07 < CW <(A+2t)×1.08 … (III)
また、逆に換言すれば、加締め後に上型32および下型31から取り外した状態の導体圧着部4の最大外面幅の寸法CWが、前述の(II)式、より好ましくは、前述の(III)式の条件を満たすように、例えば、一対の導体加締片14を上型32と下型31を用いて導体101に加締めることにより、高品質な圧着端子1を実現する圧着構造を得ることができる{図2(a)を参照}。
図7は、前述した寸法、CWとCCWの比、即ち、CW/CCWの値を変化させた場合の、端子圧着部強度(N)と接触抵抗(mΩ)の関係を調べた結果を示すグラフである。グラフの下側の導体圧着部4の断面図は、その上の比率のときの断面形状を示している。ここでの試験項目は、サイマルショック試験であり、−40℃×120℃を240サイクル行った。
このグラフから、CW/CCWの値が、1.07〜1.08の範囲においては、機械的強度と電気的性能(抵抗)を共に十分に満足させることができることが分かる。
以上、述べたように、本実施形態によれば、導体圧着部4において、加締めによる圧縮作用により導体101が長手方向に延伸変形するように、一対の導体加締片14を電線の導体101に対して加締め付けるので、導体圧着部4の底板部11に対し導体101を効果的に長手方向で摺動させることができる。このため、圧着等により、導体101表面に形成された酸化被膜が破壊されて際に、この破壊により露出した新生面と圧着端子1との凝着を効率的に促進させることができ、圧着端子1とアルミニウム電線100の導体101との接触導通性(電気的接続性能)を高めることができる。また、長手方向に交差する方向の導体101の変形を抑制し、且つこの長手方向に交差する方向の変形量と比較して大きな変形の割合で、導体101が長手方向に延伸変形するので、導体101を偏平な断面形状に圧縮せずに、原形の円形断面に近い略正方形状断面に加締めることができる。したがって、偏平な断面形状にする場合と比べて、導体101に対するダメージを減らして、導体101に対する圧着端子1の機械的な接続強度を高めることができる。
また、本実施形態によれば、上型32の凹状型面32aの寸法を前述の(I)の関係式を満足するように設けて、一対の導体加締片14を加締めるので、導体圧着部4において、長手方向に交差する方向の導体101の変形が抑制され、この長手方向に交差する方向の導体101の変形量と比較して大きな変形の割合になるように、導線101を長手方向に効率よく延伸変形することができる。このため、導体圧着部4の底板部11に対し導体101をより効果的に長手方向で摺動させることができ、且つ導体101に対する圧着端子1の機械的な接続強度を効果的に高めることができる。
また、本実施形態によれば、一対の導体加締片の加締め後の導体圧着部の最大外側面幅の寸法CWが、前述の(II)式、より好ましくは前述の(III)式の関係式を満足するように、一対の導体加締片14をアルミニウム電線100の導体101に対して加締め付けるので、導体圧着部4において、長手方向に交差する方向の導体101の変形を抑制しながら、この長手方向に交差する方向の導体101の変形量と比較して大きな変形の割合になるように、導線101を長手方向に効率よく延伸変形することができる。このため、導体圧着部4の底板部11に対し導体101をより効果的に長手方向で摺動させることができ、且つ導体に対する圧着端子1の機械的な接続強度を効果的に高めることができる。
さらに、本実施形態によれば、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の導体101を有するアルミニウム電線100を適用したので、銅製の導体に比べて導電性の落ちるアルミニウム製又はアルミニウム合金製の導体に対しての端子本体1aの凝着力を高めることができ、電気接続性能の向上を図ることができる。これにより、車両等に配索されるワイヤハーネスの大幅な軽量化及び低燃費化を実現することができる。
また、本実施形態によれば、導体圧着部4の内面にはセレーション13が設けられているので、導体圧着部4のセレーション14に交差する方向、即ち長手方向へ導体101が摺動する際のセレーション14との間の摩擦、及び摺動する際のセレーション13のエッジ部による引き裂き作用により、導体101の表面に形成された酸化被膜を効果的に破壊することができる。したがって、酸化被膜の破壊により露出した新生面と圧着端子1との凝着をより効果的に促進することができ、圧着端子1とアルミニウム電線100の導体101との接触導通性(電気的接続性能)をより高めることができる。
また、本実施形態によれば、端子本体1aが銅又は銅合金により形成された端子母材と、当該端子母材の表面にメッキされたスズと、を含むので、酸化被膜が破壊されることで露出した導体101の新生面(アルミニウム又はアルミニウム合金)とメッキ金属であるスズとの間で効率よく凝着が生じ、良好な接触導通性(電気的接続性能)を得ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明の実施形態の圧着端子とアルミニウム電線の圧着方法の説明図である。 (a)は本発明の実施形態の圧着構造の導体圧着部の断面図であり、(b)は使用するアルミニウム電線の一端部の斜視図である。 本発明の実施形態の圧着方法の説明図であり、(a)は圧着端子の導体加締片を上型と下型で加締めている状態を示す図であり、(b)は加締め後に、型を開いて、導体圧着部を上型と下型の間から取り外した状態を示す図である。 (a)は本発明の圧着方法によって導体加締片を圧着した場合の導体圧着部の断面図であり、(b)は同導体圧着部における導体の延伸の仕方を示す図である。 本発明の圧着方法に対する比較例の構成図であり、(a)は導体圧着部の断面図であり、(b)は同導体圧着部における導体の延伸の仕方を示す図である。 銅と銅を圧着した場合と銅とアルミニウムを圧着した場合の特性の違いを示すグラフである。 本発明の圧着方法及び圧着構造における数値限定の意義を示すための試験の結果を示す特性図である。
符号の説明
1 圧着端子
1a 端子本体
4 導体圧着部
11 底板部
14 導体加締片
31 下型(第2の型)
31a 載置面
32 上型(第1の型)
32a 凹状型面
100 アルミニウム電線
101 導体

Claims (4)

  1. 導電金属製の端子本体を備え、該端子本体に、その長手方向に延長する底板部と、該底板部の前記長手方向と交差する方向の両端部から上方に向かって延出形成された一対の導体加締片とが設けられており、該一対の導体加締片と前記底板部とにより電線の導体に圧着するための導体圧着部が形成された圧着端子に対し、
    前記電線の導体を、前記長手方向に沿って前記底板部上の前記一対の導体加締片の間に配置した状態で、前記一対の導体加締片を内側に曲げるための凹状型面を有した第1の型と前記導体圧着部を載置するための載置面を有した第2の型とを用いて、前記一対の導体加締片を内側に曲げて加締めることにより、前記導体への前記導体圧着部の圧着接続を行う圧着方法であって、
    前記第1の型の前記凹状型面の、加締め後の前記導体圧着部の最大外側面幅を規定する内面幅の寸法をCCWとし、前記電線の前記導体の直径の寸法をAとし、更に前記一対の導体加締片の厚みの寸法をtとした場合に、
    5t ≦ CCW ≦ A+2t
    の関係式を満足しており、
    前記底板部と前記載置面とが係合するように前記圧着端子を前記第2の型に載置した状態で前記第2の型に対し前記第1の型を相対移動することで、前記一対の導体加締片を内側に曲げて加締めることにより、前記導体圧着部において、前記長手方向と交差する方向の前記導体の変形が抑制され、且つ該長手方向と交差する方向の前記導体の変形量と比較して大きな割合で前記導体が前記長手方向に延伸変形し、これにより前記導体を前記底板部に前記長手方向に摺動させることを特徴とする圧着方法。
  2. 前記電線が、前記導体としてアルミニウム製又はアルミニウム合金製の導体を有するアルミニウム電線であることを特徴とする請求項1に記載の圧着方法。
  3. 前記導体圧着部の内面に、少なくとも1つのセレーションが前記長手方向と交差する方向に延びるように設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧着方法。
  4. 前記端子本体が、銅又は銅合金により形成された端子母材と、当該端子母材の表面にメッキされたスズと、を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の圧着方法。
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