JP5298779B2 - 音響システム及びメインボックス - Google Patents

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Description

本発明は、音響システム及びメインボックスに関し、住宅の壁内に敷設したケーブルを介して住宅の各部屋にオーディオ信号及びビデオ信号を伝送し、このオーディオ信号及びビデオ信号を各部屋で再生する音響システムに適用することができる。本発明は、ソースユニットのビデオ信号及びオーディオ信号を選択出力するメインボックスに、別途モニタ用ビデオ信号を入力して選択出力することにより、この種の音響システムの拡張性を拡大して利用可能範囲を拡大する。
従来、米国等では、壁内に敷設したケーブルを介して住宅の各部屋にオーディオ信号を伝送し、壁に埋め込んだスピーカでオーディオ信号を再生する音響システムが提供されている。この音響システムは、住宅内の所定箇所に音楽ソースの機器が設置され、この音楽ソースの機器から出力されるオーディオ信号を各部屋に伝送する。またこの音響システムは、各部屋にコントローラが設けられ、このコントローラによりオーディオ信号の伝送等を制御する。従ってこの種の音響システムは、住宅によってシステム構成が異なることから、システムを構成する各機器に高い拡張性が設けられている。
この種の音響システムに関して、例えば特開2000−59408号公報には、ホームネットワークにおいてリソース共有を最適化する方法が提案されている。
特開2000−59408号公報
ところでこの種の音響システムの拡張性をさらに増大し、この種の音響システムの利用可能範囲を拡大することができれば、一段と便利であると考えられる。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、拡張性をさらに拡大して利用可能範囲を拡大することができる音響システムを提案しようとするものである。
上記の課題を解決するため、本開示によれば、オーディオ信号及びビデオ信号を出力するソースユニットと、それぞれ住宅の所望の箇所に設置され、ユーザーの操作に応じて制御データを出力し、オーディオ信号をスピーカから出力すると共にビデオ信号を表示する複数のゾーンユニットと、前記制御データにより、前記ソースユニットのオーディオ信号及びビデオ信号を前記ゾーンユニットに選択出力するメインボックスとを備える音響システムに適用する。ここで前記メインボックスは、前記住宅の壁内に敷設されたケーブルを介して、前記制御データ、前記オーディオ信号及びビデオ信号を入出力し、前記壁内に敷設されたケーブルを介して、モニタ用ビデオ信号を入力し、前記制御データにより、前記モニタ用ビデオ信号の選択出力処理を実行し、前記モニタ用ビデオ信号を対応する前記ゾーンユニットに選択出力する、音響システムが提供される
また、本開示によれば、前記住宅の壁内に敷設されたケーブルを介して、それぞれオーディオ信号及びビデオ信号を出力する複数のゾーンユニットと、それぞれビデオ信号及びオーディオ信号を再生する複数のソースユニットとに接続され、前記ゾーンユニットからの制御データにより、前記複数のソースユニットから出力されるオーディオ信号及びビデオ信号を前記ゾーンユニットに選択出力し、前記壁内に敷設されたケーブルを介して、モニタ用ビデオ信号を入力し、前記制御データにより、モニタ用ビデオ信号の選択出力処理を実行し、前記モニタ用ビデオ信号を対応する前記ゾーンユニットに選択出力する、メインボックスが提供される
本開示によれば、モニタ用のビデオカメラを設置して、このモニタ用のビデオカメラから出力されるモニタ用ビデオ信号をゾーンユニットが設置された部屋でモニタすることができる。従って一段と音響システムの機能を拡張し、この種の音響システムの利用可能範囲を拡大することができる。
本発明によれば、住宅の壁内に敷設したケーブルを介して住宅の各部屋にオーディオ信号及びビデオ信号を伝送し、このオーディオ信号及びビデオ信号を各部屋で再生する音響システムに関し、拡張性をさらに拡大して利用可能範囲を拡大することができる。
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。なお説明は、以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.変形例
<第1の実施の形態>
〔実施の形態の構成〕
〔全体構成〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る音響システムを示すブロック図である。この音響システム1は、壁内に敷設したケーブルを介して住宅の各部屋にオーディオ信号及びビデオ信号を伝送し、各部屋でオーディオ信号及びビデオ信号を再生する。
この音響システム1は、地下室等の目立たない箇所にメインボックス2が設けられ、メインボックス2の設置場所、リスニングルーム等にソースユニット3A〜3Dが設けられる。また各部屋にゾーンユニット4A〜4Dが設けられる。なおソースユニット3A〜3Dは、ゾーンユニット4A〜4Dと同一の部屋に設けられる場合もある。音響システム1は、壁内に敷設されたケーブルを介してメインボックス2にソースユニット3A〜3D及びゾーンユニット4〜4Dが接続される。この音響システム1は、このソースユニット3A〜3Dから出力されるオーディオ信号、ビデオ信号をメインボックス2から各ゾーンユニット4A〜4Dに伝送して再生する。
ここでソースユニット3A〜3Dは、それぞれメインボックス2の制御によりコンテンツを選択し、このコンテンツのオーディオ信号、ビデオ信号をメインボックス2に出力するソース側のユニットである。ソースユニット3A〜3Dは、オーディオ信号、若しくはオーディオ信号及びビデオ信号を出力する外部機器6と、この外部機器6とメインボックス2とのインターフェースを構成するウオールポート7とが設けられる。
ここで外部機器6は、専用のAVレシーバー、若しくはソースとして機能するオーディオ機器又はAV機器である。専用のAVレシーバーは、リスニングルーム等に設置されるプリメインアンプであり、FM放送及びテレビジョン放送の受信機能、外部入力機能、セレクタの機能、外部出力機能を有する。この専用のAVレシーバーは、ウオールポート7を介してメインボックス2から伝送される制御データにより、動作を切り換え、オーディオ信号及びビデオ信号をウオールポート7に出力する。また外部入力端子に接続された外部機器を制御し、外部入力端子に入力されるビデオ信号及びオーディオ信号を選択してウオールポート7に出力する。
従って音響システム1は、この専用のAVレシーバーを外部機器6に適用した場合には、このAVレシーバーの外部入力端子を使用して所望のオーディオ機器、AV機器を増設可能に構成される。またさらにこのAVレシーバーの外部入力端子に、他のソースユニットの外部機器6のビデオ信号及びオーディオ信号を直接入力して、他のソースユニットの外部機器6をリスニングルーム等で利用することができる。これに対してソースとして機能するオーディオ機器は、例えばコンパクトディスクプレイヤー、FM放送のチューナー等である。またソースとして機能するAV機器は、例えばテレビジョン放送のチューナー等である。
ウオールポート7は、壁面に設置される入出力端末である。ウオールポート7は、メインボックス4から出力される制御データを外部機器6に出力し、外部機器6から出力されるオーディオ信号及びビデオ信号をメインボックス2に出力する。
ゾーンユニット4A〜4Dは、部屋等に設置される端末のユニットである。ゾーンユニット4A〜4Dは、ユーザーの操作に応動してメインボックス2に制御データを出力し、メインボックス2から伝送されるオーディオ信号、音声信号を再生する。ゾーンユニット4A〜4Dは、壁に埋め込まれた外部スピーカ8と、メインボックス2に制御データを出力すると共にメインボックス2から出力されるオーディオ信号により外部スピーカ8を駆動するキーパッド9と、メインボックス2から出力されるビデオ信号を再生するディスプレイ装置10とが設けられる。なおディスプレイ装置10は、必要に応じて設置される。
メインボックス2は、ゾーンユニット4A〜4Dから出力される制御データにより動作を切り換え、各ソースユニット3A〜3Dの動作を制御する。メインボックス2は、この動作の切り換えにより各部から入力されるオーディオ信号及びビデオ信号をゾーンユニット4A〜4Dに選択出力する。
より具体的に、メインボックス2は、各ゾーンユニット4A〜4Dに設けられたキーパッド9の制御により、所望のソースユニット3A〜3Dから出力されるオーディオ信号及びビデオ信号を選択してゾーンユニット4A〜4Dに出力すると共に、ソースユニット3A〜3Dに設けられた外部機器6に制御データを出力する。その結果、この音響システム1では、各部屋でキーパッド9を操作してソース、コンテンツを選択し、選択したコンテンツを各部屋で楽しむことができる。
〔拡張機能に係る構成〕
ここでキーパッド9は、ユーザーの操作により動作モードをインターホンモードに切り換える。ここでインターホンモードは、キーパッド9をインターホンの端末装置として使用し、キーパッド9間で音声信号を送受する動作モードである。キーパッド9は、内蔵のマイクで取得した音声信号をメインボックス2に伝送する。メインボックス2は、この音声信号を他のゾーンユニット4A〜4Dに伝送し、他のゾーンユニット4A〜4Dではオーディオ信号を消音した後、伝送された音声信号を内部スピーカから出力する。またこれとは逆に、他のゾーンユニット4A〜4Dで音声信号を取得し、この音声信号をメインボックス2を介してゾーンユニット4A〜4Dに伝送する。これにより音響システム1は、各ゾーンユニット4A〜4Dをインターホンの端末として使用して、ゾーンユニット4A〜4Dを設置した部屋間で通話することができる。
さらにメインボックス2は、ドアホン11A及び11Bを接続することができ、このドアホン11A及び11Bで呼び出しの操作子が操作されると、ドアチャイム12を駆動して呼び出し音を出力する。またゾーンユニット4A〜4Dの制御により、ドアホン11A及び11Bから出力される音声信号を対応するゾーンユニット4A〜4Dに出力し、またこのゾーンユニット4A〜4Dで取得した音声信号をドアホン11A及び11Bに伝送して出力する。また対応するゾーンユニット4A〜4Dでは、オーディオ信号を消音した後、伝送された音声信号を内部スピーカから出力し、またマイクで取得した音声信号をメインボックス2に出力する。これにより音響システム1は、各ゾーンユニット4A〜4Dをドアホン11A及び11Bの端末として使用して、ゾーンユニット4A〜4Dを設置した各部屋で来訪者と会話することができる。
またメインボックス2は、ビデオカメラ13A及び13Bからモニタ用ビデオ信号を入力し、キーパッド9の制御により、このモニタ用ビデオ信号を所望のゾーンユニット4A〜4Dに出力する。これによりこの音響システム1は、ゾーンユニット4A〜4Dを設置した各部屋で例えばペット、玄関先の来訪者等を監視することができる。
ディジタルソースユニット14は、例えば携帯型音楽プレイヤー等のディジタルオーディオ機器15を音楽ソースとして利用するソース側のユニットである。ディジタルソースユニット14は、ディジタルウオールポート16を介してメインボックス2から出力される制御データをディジタルオーディオ機器15に出力する。またディジタルウオールポート16を介してディジタルオーディオ機器15から出力されるディジタルオーディオ信号をメインボックス2に出力する。メインボックス2は、このディジタルソースユニット14についても、ソースユニット3A〜3Dと同様に、制御データを出力し、またディジタルオーディオ信号を入力してゾーンユニット4A〜4Dに選択出力する。これにより音響システム1では、携帯型音楽プレイヤー等に蓄積された音楽コンテンツについても、ゾーンユニット4A〜4Dを設置した各部屋で楽しむことができる。
〔メインボックスの詳細構成〕
図2は、メインボックス2の外観構成を示す平面図である。メインボックス2は、箱形状により作成され、上面に、ドアホン11A、11B、ドアチャイム12、ディジタルソースユニット14をそれぞれ接続するコネクタCN11A、CN11B、CN12、CN14が設けられる。またこの上面に、ソースユニット3A〜3Dをそれぞれ接続するオーディオ信号用、データ通信用、ビデオ信号用のコネクタCN3AA〜CN3DA、CN3AC〜CN3DC、CN3AV〜CN3DVが設けられる。またこの上面に、ゾーンユニット4A〜4Dをそれぞれ接続するオーディオ信号用、データ通信用、ビデオ信号用のコネクタCN4AA〜CN4HA、CN4AC〜CN4HC、CN4AV〜CN4DVが設けられる。
なおゾーンユニット4A〜4Dを接続するオーディオ信号用、データ通信用のコネクタCN4AA〜CN4HA、CN4AC〜CN4HCは、8系統分設けられる。これに対してゾーンユニット4A〜4Dを接続するビデオ信号用のコネクタCN4AV〜CN4DVは、4系統分設けられる。従ってこのメインボックス2は、最大でゾーンユニットを8系統接続することが可能ではあるものの、そのうちの4系統は、ディスプレイ装置10を設置していないオーディオ信号のみ再生する端末となる。
またメインボックス2は、側面に、それぞれモニタ用ビデオ信号を入力するコネクタCN13AV、CN13BV、コンピュータを接続するコネクタCNPCA、CNPCBが設けられる。
図3は、このメインボックス2の詳細構成を示すブロック図である。メインボックス2において、ビデオスイッチャ21は、ビデオ信号の出力を切り換えるスイッチャである。ビデオスイッチャ21は、コネクタCN3AV〜CN3DVを介してソースユニット3A〜3Dのビデオ信号を入力し、コネクタCN13AV、CN13BVを介してビデオカメラ13A及び13Bからモニタ用ビデオ信号を入力する。ビデオスイッチャ21は、コントローラ22の制御により、入力したビデオ信号、モニタ用ビデオ信号をコネクタCN4AV〜CN4DVを介してゾーンユニット4A〜4Dに選択出力する。
オーディオスイッチャ20は、オーディオ信号及び音声信号の出力を切り換えるスイッチャである。オーディオスイッチャ20は、コネクタCN3AA〜CN3DAを介してソースユニット3A〜3Dのオーディオ信号を入力する。オーディオスイッチャ20は、コントローラ22の制御により、入力したオーディオ信号をコネクタCN4AA〜CN4HAを介してゾーンユニット4A〜4Dに選択出力する。
またオーディオスイッチャ20は、コネクタCN11A、CN11Bを介してドアホン11A、11Bから音声信号を入力し、コネクタCN4AA〜CN4HAを介してゾーンユニット4A〜4Dから音声信号を入力する。オーディオスイッチャ20は、コントローラ22の制御により、ドアホン11A、11Bからの音声信号をコネクタCN4AA〜CN4HAを介してゾーンユニット4A〜4Dに選択出力する。またゾーンユニット4A〜4Dからの音声信号をコネクタCN11A、CN11Bを介してドアホン11A、11Bに選択出力し、コネクタCN4AA〜CN4HAを介して他のゾーンユニット4A〜4Dに選択出力する。またオーディオスイッチャ20は、コネクタCN14を介して入力されるディジタルソースユニット14からのディジタルオーディオ信号をディジタルアナログ変換回路25によりアナログ信号に変換して入力する。オーディオスイッチャ20は、コントローラ22の制御により、ディジタルアナログ変換回路25から入力されるオーディオ信号をコネクタCN4AA〜CN4HAを介してゾーンユニット4A〜4Dに選択出力する。
コントローラ22は、この音響システム1の動作を制御する演算処理手段であり、メモリ26に記録されたプログラムを実行してこの音響システム1の各部の動作を制御する。このためコントローラ22は、データ通信用のコネクタCN3AC〜CN3DC、CN4AC〜CN4HCによりソースユニット3A〜3D、ゾーンユニット4A〜4Dと接続され、また呼び出しの操作子の操作を検出可能に、コネクタCN11A、CN11Bを介してドアホン11A、11Bに接続される。またドアチャイム12を制御可能に、コネクタCN14を介してドアチャイム12に接続される。
〔キーパッドの詳細構成〕
図4は、キーパッド9の外観構成を示す平面図である。キーパッド9は、背面が矩形形状により突出し、この突出した部位を壁に埋め込んで各部屋の壁面に設置される。キーパッド9は、メニュー画面等を表示する表示部27が設けられ、音量の操作子28U、28D、消音の操作子29、メニュー表示の操作子30、実行/リターンの操作子31、電源の操作子32、カーソル/入力の操作子33等が設けられる。
図5は、キーパッド9を示すブロック図である。キーパッド9は、内蔵のマイク34によりユーザーの音声信号を取得し、増幅回路35によりこの音声信号を増幅する。キーパッド9は、コントローラ36の制御により、増幅回路35から出力される音声信号をメインボックス2に出力する。またキーパッド9は、メインボックス2から伝送されるオーディオ信号により増幅回路37で外部スピーカ8を駆動する。またキーパッド9は、メインボックス2から伝送されるオーディオ信号により増幅回路38で内蔵スピーカ39を駆動する。
キーパッド9において、コントローラ36は、メインボックス2のコントローラ22と共にこの音響システム1の動作を制御する演算処理手段である。コントローラ36は、メモリ45に記録されたプログラムを実行してこの音響システム1の各部の動作を制御する。なおキーパッド9は、リモートコマンダからの遠隔制御信号を受光する受光部を有し、リモコンの操作によっても、各操作子28D〜33を操作した場合と同一に各部を制御可能に構成される。
〔コントローラ22、36の制御〕
この音響システム1において、キーパッド9のコントローラ36は、電源の操作子32、メニュー表示の操作子30、又は対応するリモートコマンダの操作子が操作されると、メインボックス2のコントローラ22の指示により表示部27にメインメニュー画面を表示する。なおコントローラ36は、待機状態において、内蔵のタイマで検出される現在時刻を表示部27で表示し、電源の操作子32又はリモートコマンダの対応する操作子が操作された場合には、キーパッド9の電源を立ち上げて表示部27の表示を切り換える。またこのキーパッド9の電源を立ち上げた時点で、メインボックス2の電源が立ち上がっていない場合には、メインボックス2のコントローラ22に制御データを出力し、併せてメインボックス2の電源を立ち上げる。
コントローラ36は、このメインメニュー画面において、カーソル/入力の操作子33又は対応するリモートコマンダの操作子の操作により、メニューの選択を受ける。またメニューの選択により、コントローラ22の指示に従って下位階層のメニュー画面を表示し、さらにメニューの選択を受け付ける。これにより音響システム1は、階層構造によりメニューを表示してメニューの選択を受け付ける。
ここでコントローラ22及び36は、このメニューの選択により、セットアップの設定を受け付け、セットアップの情報をコントローラ36のメモリ26に記録する。なおセットアップは、例えば、各ソースユニット3A〜3Dのメニューを構成するアイコン及び名称の設定、ゾーンユニット4A〜4Dが設けられた部屋の名称の設定、ドアホン11A、11Bのメニューを構成するアイコン及び名称の設定、ビデオカメラ13A、13Bとゾーンユニット4A〜4D又はドアホン11A、11Bとの対応付け等である。具体的に、ソースユニット3A〜3Dの名称は、例えばFM放送、AM放送、TV放送等であり、ゾーンユニット4A〜4Dが設けられた部屋の名称は、例えばリビング、キッチン等である。またドアホン11A、11Bの名称は、玄関等である。またビデオカメラ13A、13Bの対応付けは、例えばビデオカメラ13Aがゾーンユニット4Aを設置した部屋に設置されている場合に、ビデオカメラ13Aとゾーンユニット4Aとの間のリンクの設定である。
コントローラ22は、メモリ26に記録したセットアップの情報によりメインメニュー画面、下位階層のメニュー画面等の表示をコントローラ36に指示し、コントローラ36は、この通知によりセットアップにより設定したアイコン、名称によりメインメニュー画面、下位階層のメニュー画面等を表示して各種の選択を受け付ける。
〔ソースユニットの制御〕
ここでメインメニュー画面において、ソースユニット3A〜3Dのメニューが選択されると、コントローラ36は、この選択をメインボックス2のコントローラ22に通知する。コントローラ22は、この通知により対応するソースユニット3A〜3Dの外部機器6との間でデータ通信し、この外部機器6で選択可能なコンテンツを検出する。コントローラ22は、検出した選択可能なコンテンツをコントローラ36に通知し、コントローラ36は、この通知により選択可能なコンテンツのメニューを表示して下位階層のメニュー画面で表示する。またコンテンツのメニューが選択されると、この選択をコントローラ22に通知する。
メインボックス2のコントローラ22は、この通知により対応するソースユニット3A〜3D、オーディオスイッチャ20、ビデオスイッチャ21を制御し、ユーザーの選択したコンテンツに係るオーディオ信号、ビデオ信号を入力して対応するゾーンユニット4A〜4Dに選択出力する。
キーパッド9のコントローラ36は、増幅回路37の制御によりこのメインボックス2から出力されるオーディオ信号を外部スピーカ8から出力し、またディスプレイ装置10の電源を立ち上げてビデオ信号をディスプレイ装置10で再生する。
またコントローラ36は、音楽コンテンツ、映像コンテンツを再生した状態で、音量の操作子28U、28Dの操作、消音の操作子29の操作により、増幅回路37の動作を制御し、音量可変、消音、消音解除の処理を実行する。
また同様に音楽コンテンツ、映像コンテンツを再生した状態で、コントローラ36は、カーソル/入力の操作子33の操作により表示部27の表示を切り換えてソース、コンテンツの選択を受け付け、この選択されたソース、コンテンツへの切り換えをメインボックス2に指示する。メインボックス2のコントローラ22は、このコントローラ36からの指示に従って対応するゾーンユニット4A〜4D、ビデオスイッチャ21、オーディオスイッチャ20の動作を切り換え、ユーザーが選択し直したソース、コンテンツに係るオーディオ信号及びビデオ信号を入力して対応するゾーンユニット4A〜4Dに出力する。
この一連のコントローラ22、36の制御により、この音響システム1では、ゾーンユニット4A〜4Dが設置された各部屋でそれぞれ所望の音楽コンテンツ、映像コンテンツを利用することができる。
なお外部機器6に専用のAVレシーバーが適用され、このAVレシーバーの外部入力端子に外部機器が接続されている場合にあって、このAVレシーバーのソースユニットがメインメニュー画面で選択された場合、コントローラ36は、このAVレシーバーに接続された外部機器を選択するメニューを表示して下位階層のメニュー画面を表示する。またこの下位階層のメニュー画面における外部機器の選択により、対応する外部機器で選択可能なコンテンツのメニューを表示する。なおこれら下位階層のメニュー、コンテンツのメニューの表示に必要な情報は、例えばAVレシーバーを介してデータ通信によりメインボックス2のコントローラ22で外部機器から取得される。なおこの外部機器のメニュー表示は、セットアップで設定するようにしてもよい。
〔インターホンモード〕
図6は、インターホンモードにおけるコントローラ22、36の処理手順を示すフローチャートである。コントローラ36は、メインメニュー画面において、インターホンモードのメニューが選択されると、インターホンモードに動作モードを切り換えてこの処理手順を開始し、ステップSP1からステップSP2に移る。以下、このインターホンモードに設定したゾーンユニットを呼び出し側のゾーンユニットと呼ぶ。
このステップSP2において、コントローラ36は、メインボックス2のコントローラ22にインターホンモードを通知し、コントローラ22は、この通知によりメモリ26の記録に基づいて選択可能な通話対象をコントローラ36に通知する。ここで選択可能な通話対象は、他のゾーンユニットの全て又は1つである。コントローラ36は、メインボックス2のコントローラ22からの通知により、選択可能な通話対象をセットアップで設定された部屋の名称で一覧表示する。
続いてコントローラ36は、ステップSP3に移り、この一覧表示において、ユーザーにより通話対象の選択を受け付け、選択された通話対象をメインボックス2のコントローラ22に通知する。メインボックス2のコントローラ22は、この通知により呼び出し側ゾーンユニットが設置された部屋の名称を通話対象のキーパッド9に通知し、通話対象側の表示部27で呼び出し側の部屋の名称を表示する。なおこの場合に、通話対象のキーパッド9が電源を立ち上げていない場合、コントローラ22は、このキーパッド9の電源を立ち上げて部屋の名称を通知する。
続くステップSP4において、呼び出し側のコントローラ36は、外部スピーカ8からのオーディオ信号の出力を消音し、マイク34で取得した音声信号のメインボックス2への出力を開始する。なおそれまで外部スピーカ8からオーディオ信号を出力していない場合、消音の処理は省略される。メインボックス2のコントローラ22は、このステップSP4におけるコントローラ36の処理に対応してオーディオスイッチャ20の動作を制御し、呼び出し側のキーパッド9から出力される音声信号を通話対象のキーパッド9に出力する。通話対象のキーパッド9は、外部スピーカ8からのオーディオ信号の出力を消音し、メインボックス2から伝送される音声信号を内蔵スピーカ39から出力する。なおこの場合も、それまで外部スピーカ8からオーディオ信号を出力していない場合、消音の処理は省略される。
メインボックス2のコントローラ22は、続くステップSP5において、通話対象のキーパッド9から応答が得られたか否か判断する。ここで通話対象のキーパッド9のコントローラ36は、内蔵スピーカ39からの音声信号の出力を開始する。また通話対象のコントローラ36は、この状態で、所定の操作子が操作されると、メインボックス2に応答を通知すると共に、内蔵スピーカ39からの音声信号の出力を中止し、マイク34で取得した音声信号をメインボックス2に出力する。従ってメインボックス2のコントローラ22は、通話対象のキーパッド9で所定の操作子が操作されると、このステップSP5で肯定結果が得られ、ステップSP5からステップSP6に移る。
このステップSP6において、メインボックス2のコントローラ22は、この応答を呼び出し側のコントローラ36に通知し、呼び出し側のコントローラ36は、この通知により応答のあったゾーンユニットの部屋の名称を表示部27で表示する。また続くステップSP7において、オーディオスイッチャ20の動作を制御し、応答のあったキーパッド9からの音声信号を呼び出し側に伝送する。
続いてコントローラ22、36は、ステップSP8に移り、呼び出し側のキーパッドにおいて実行/リターンの操作子31が操作されたか否か判断することにより、インターホンモードの終了が指示されたか否か判断する。コントローラ22、36は、このステップSP8で否定結果が得られると、ステップSP5に戻る。これに対してステップSP5で否定結果が得られると、ステップSP9に移り、ステップSP8と同様にしてインターホンモードの終了が指示されたか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP5に戻る。これに対して呼び出し側のキーパッド9において実行/リターンの操作子31が操作されると、ステップSP8又はステップSP9で肯定結果が得られることにより、コントローラ22、36は、ステップSP10に移ってこの処理手順を終了する。なおこの処理手順の終了により呼び出し側のコントローラ36及び通話対象のコントローラ36は、元の動作モードに戻り、音声信号の出力、オーディオ信号の消音を終了する。
これによりこの音響システム1では、呼び出し側のキーパッドで取得された音声信号を通話対象に伝送すると共に、通話対象のキーパッドで取得された音声信号を呼び出し側に伝送し、各ゾーンユニットでインターホンの端末を構成する。
〔ドアホンモード〕
メインボックス2のコントローラ22は、ドアホン11A、11Bにおける呼び出しの操作子の操作が検出されると、ドアホンモードに動作モードを切り換える。ここにドアホンモードは、キーパッド9をドアホン11A又は11Bの端末として機能させる動作モードである。コントローラ22は、メインボックス2の電源が立ち下がっている場合には、電源を立ち上げた後、ドアホンモードに動作モードを切り換える。
図7は、このドアホンモードにおけるコントローラ22、36の処理手順を示すフローチャートである。メインボックス2のコントローラ22は、この処理手順を開始するとステップSP11からステップSP12に移り、呼び出し音を出力する。ここでドアチャイム12が接続され、かつセットアップの処理によりドアホン11A又は11Bとドアチャイム12とが対応付けられている場合、ドアチャイム12を駆動して呼び出し音を出力する。これに対してドアチャイム12が接続されていない場合、又はドアホン11A又は11Bとドアチャイム12とが対応付けられていない場合、コントローラ36は、ゾーンユニット4A〜4Dを制御し、内蔵スピーカ39から呼び出し音を出力する。
さらにコントローラ36は、セットアップで設定された対応するドアホン11A又は11Bの名称をゾーンユニット4A〜4Dに通知し、この名称を表示部27で表示する。さらにセットアップにおいて、ビデオカメラ13A又は13Bと、ドアホン11A又は11Bとが対応付けられている場合、ビデオスイッチャ21の制御により、対応付けられたビデオカメラ13A、13Bのモニタ用ビデオ信号をゾーンユニット4A〜4Dに出力して表示部27で表示する。これによりこの音響システム1は、事前に設定された各部屋で来訪者の姿を確認することができる。
続いてコントローラ22は、ステップSP13に移り、ゾーンユニットから応答が得られたか否か判断する。ここでキーパッド9のコントローラ36は、所定の操作子が操作されると、メインボックス2に応答を通知すると共に、オーディオ信号の出力を消音し、マイク34で取得した音声信号のメインボックス2への出力を開始する。メインボックス2のコントローラ22は、このコントローラ36からの応答により、ステップSP13で肯定結果が得られ、ステップSP13からステップSP14に移る。
このステップSP14において、コントローラ22は、オーディオスイッチャ20の制御により、ドアホン11A又は11Bと応答のあったゾーンユニットとの間で音声信号の送受を開始する。すなわちコントローラ22は、ドアホン11A又は11Bの音声信号については、応答のあったゾーンユニットへの出力を開始し、応答のあったゾーンユニットの音声信号については、ドアホン11A又は11Bへの出力を開始する。
続いてコントローラ22は、ステップSP15に移り、ここで応答のあったキーパッドで実行/リターンの操作子31が操作されたか否か判断することにより、ドアホンモードの終了が指示されたか否か判断する。コントローラ22は、このステップSP15で否定結果が得られると、ステップSP15を繰り返す。これに対してステップSP13で否定結果が得られると、ステップSP16に移り、一定時間経過したか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP13に戻る。これに対してステップSP15又はSP16で肯定結果が得られると、コントローラ22は、ステップSP17に移ってこの処理手順を終了する。なお応答のあったキーパッド9は、この処理手順の終了により元の動作に復帰し、音声信号の出力、オーディオ信号の消音等を終了する。
これによりこの音響システム1では、各部屋に設置されたキーパッド9をドアホン11A、11Bの端末装置として利用して、ドアホン11A、11Bとの間で音声を送受する。
〔モニタモードにおけるコントローラ22、36の制御〕
図8は、モニタモードにおけるコントローラ22、36の処理手順を示すフローチャートである。ここでモニタモードは、ゾーンユニット4A〜4Dが設置された部屋の1つをモニタ対象に設定し、このモニタ対象の音声、又は音声及び映像を他のゾーンユニットでモニタする動作モードである。キーパッド9のコントローラ36は、メインメニュー画面において、モニタモードのメニューが選択されると、モニタモードに動作モードを切り換えてこの処理手順を開始し、ステップSP21からステップSP22に移る。
このステップSP22において、キーパッド9のコントローラ36は、コントローラ22との間のデータ通信により、メモリ26の記録に基づいてモニタ可能な対象を一覧表示する。ここでコントローラ36は、コントローラ22からの通知により、他のゾーンユニットが設置された部屋の名称を一覧表示してモニタ可能な対象を一覧表示する。
続いてコントローラ36は、ステップSP23において、この一覧表示における選択によりモニタ対象の選択を受け付け、メインボックス2のコントローラ22に通知する。またそれまでオーディオ信号を外部スピーカ8で再生している場合には、オーディオ信号の出力を消音する。
メインボックス2のコントローラ22は、このコントローラ36からの通知により、続くステップSP24において、モニタ対象のキーパッド9に動作の切り換えを指示し、このキーパッド9におけるオーディオ信号の出力を消音する。またさらにこのキーパッド9において、増幅回路38の制御によりマイク34で取得した音声信号をメインボックス2に出力するように設定する。またオーディオスイッチャ20を制御し、モニタ対象のキーパッド9から出力され音声信号を、モニタモードのキーパッド9に出力して内蔵スピーカ39から出力する。これによりこの音響システム1では、モニタモードのキーパッド9で他の部屋の音声のモニタを開始する。
ここでセットアップの処理において、このモニタ対象のゾーンユニットとビデオカメラ13A又は13Bとが対応付けられている場合、コントローラ22は、この対応付けをモニタモードのキーパッド9に通知する。モニタモードのキーパッド9において、コントローラ36は、音声信号のモニタを開始すると、この通知により、表示部27にビデオモニタのメニューを表示する。またこのビデオモニタのメニューの選択が検出されると、メインボックス2のコントローラ22に通知する。
メインボックス2のコントローラ22は、この通知の有無をステップSP25で判定し、ここで肯定結果が得られると、ステップSP26に移る。ここでコントローラ22は、ビデオスイッチャ21の制御により対応するモニタ用ビデオ信号をモニタモードのキーパッド9に出力し、このキーパッド9では、コントローラ36による制御によりこのモニタ用ビデオ信号を表示部27で表示する。これによりこの音響システム1では、モニタモードのキーパッド9で他の部屋の映像のモニタを開始する。
続いてコントローラ22は、ステップSP27に移り、ここでモニタモードのキーパッド9で実行/リターンの操作子31が操作されたか否か判断することにより、モニタモードの終了が指示されたか否か判断する。コントローラ22は、このステップSP27で否定結果が得られると、ステップSP28に移り、ステップSP27を繰り返す。またステップSP25で否定結果が得られると、ステップSP27と同様にしてモニタモードの終了が指示されたか否か判断し、ここで否定結果が得られるとステップSP25に戻る。これに対してステップSP27、SP28で肯定結果が得られると、ステップSP29に移ってこの処理手順を終了する。なおモニタ対象及びモニタモードのキーパッドは、この処理手順の終了により元の動作に復帰し、音声信号の出力、オーディオ信号の消音等を終了する。
〔ディジタルソースユニットの制御〕
メインメニュー画面において、ディジタルソースユニット14のメニューがフォーカスされると、メインボックス2のコントローラ22は、ディジタルウオールポート16を介してこのディジタルオーディオ機器15との間でデータ通信し、このディジタルオーディオ機器15の属性情報を取得する。コントローラ22は、この属性情報によりディジタルオーディオ機器15のディバイス名を検出し、このディバイス名を対応するキーパッド9に通知してメインメニュー画面で表示する。なおここでこのディバイス名は、例えば携帯型音楽プレイヤー、音楽の再生機能を有する携帯電話等であり、コントローラ36は、セットアップで設定された呼称によりこれらのディバイス名を表示する。
またディバイス名の選択がコントローラ36から通知されると、コントローラ22は、同様のディジタルオーディオ機器15との間のデータ通信により、ディジタルオーディオ機器15で選択可能なメニューを検出する。コントローラ22は、検出したメニューを対応するキーパッド9に通知し、キーパッド9のコントローラ36は、この通知により検出したメニューを下位階層のメニュー画面を表示する。なおここでこの選択可能なメニューは、例えば携帯型音楽プレイヤーでは、プレイリスト、アーティスト、アルバム、ジャンル、曲等である。
またこの下位階層のメニュー画面において、メニューの選択がコントローラ36から通知されると、コントローラ22は、同様のディジタルオーディオ機器15との間でデータ通信により、選択可能なメニューを検出し、コントローラ36に通知して表示する。
これによりコントローラ36は、ディジタルオーディオ機器15を直接操作する場合と同一のユーザーインターフェースによりコンテンツの選択を受け付け、選択されたコンテンツを対応するゾーンユニットに出力するように各部の動作を制御する。
〔パーティーモード〕
図9は、パーティーモードにおけるコントローラ22、36の処理手順を示すフローチャートである。ここでパーティーモードは、全てのゾーンユニットで、同一ソースによる同一コンテンツを再生する動作モードである。キーパッド9のコントローラ36は、メインメニュー画面において、パーティーモードのメニューが選択されると、パーティーモードに動作モードを切り換えてこの処理手順を開始し、ステップSP31からステップSP32に移る。
ここでコントローラ36は、パーティーモードへの動作モードの切り換えをメインボックス2に通知する。また上述したと同様のメニュー画面を表示してユーザーによりソース、コンテンツの選択を受け付け、このソース、コンテンツの選択をメインボックス2に通知する。
メインボックス2のコントローラ22は、続くステップSP33において、ビデオスイッチャ21、オーディオスイッチャ20の制御により、全てのゾーンユニットに対して、ステップSP32で通知されたソース、コンテンツによるオーディオ信号及びビデオ信号を出力する。またこれに対応して全てのゾーンユニットのコントローラ36は、メインボックスから出力されるビデオ信号及びオーディオ信号を再生する。なおこの場合、キーパッド9の電源が立ち上げられていない場合、コントローラ36は、電源を立ち上げてビデオ信号及びオーディオ信号を再生する。これによりこの音響システム1では、1つのゾーンユニットで選択されたコンテンツを全てのゾーンユニットで再生する。なおコントローラ22は、ソース、コンテンツの切り換えについては、全てのゾーンユニットで操作を受け付ける。
続いてメインボックス2のコントローラ22は、何れかのゾーンユニットで、実行/リターンの操作子31が操作されたか否か判断することにより、パーティーモードの終了が指示されたか否か判断する。コントローラ22は、このステップSP34で否定結果が得られると、ステップSP34を繰り返す。これに対してステップSP34で肯定結果が得られると、ステップSP35に移り、この処理手順を終了し、パーティーモード開始前の状態に各部の設定を戻す。
〔アップデート処理〕
図10は、アップデート処理の説明に供するブロック図である。この音響システム1は、メインボックス2に接続したコンピュータ41でアップデートプログラム42を実行し、このアップデートプログラム42に保持されたメインボックス用プログラム43A、ゾーンユニット用プログラム43Bでそれぞれメインボックス2のメモリ26、各ゾーンユニット4A〜4Dのメモリ45に記録したプログラムをアップデートする。
図11は、このアップデートプログラムによるコンピュータ41の処理手順を示すフローチャートである。コンピュータ41は、このアップデートプログラムの実行が指示されると、ステップSP41からステップSP42に移る。コンピュータ41は、このステップSP42において、メインボックス2のコントローラ22との間のデータ通信により、コントローラ22のメモリ26に保持されたプログラムのバージョンを検出する。またコントローラ22を介した各キーパッド9のコントローラ36との間のデータ通信により、コントローラ36のメモリ45に保持されたプログラムのバージョンを検出する。
続いてコンピュータ41は、ステップSP43に移る。ここでコンピュータ41は、ステップSP42で検出した各バージョンをアップデートプログラムに保持されたプログラム43A、43Bのバージョンで判定し、アップデートが必要なメインボックス2、キーパッド9を検出する。コンピュータ41は、この検出結果に基づいてアップデートが必要か否か判定し、ここで否定結果が得られると、ステップSP43からステップSP44に移ってこの処理手順を終了する。
これに対してアップデートが必要なメインボックス2又はキーパッド9が存在する場合、ステップSP43で肯定結果が得られ、コンピュータ41は、ステップSP43からステップSP45に移る。ここでコンピュータ41は、アップデートが必要なメインボックス2又はキーパッド9の1つをアップデート対象に設定する。また保持したプログラム43A又は43Bをこのアップデート対象に伝送し、この伝送したプログラム43A又は43Bによりメモリ26又は45の記録を更新する。
続いてコンピュータ41は、ステップSP46に移り、アップデートが必要なメインボックス2、キーパッド9の全てをバージョンアップしたか否か判定する。ここで肯定結果が得られると、コンピュータ41は、ステップSP44に移り、この処理手順を終了する。これに対してステップSP46で否定結果が得られると、アップデート対象を切り換えてステップSP45に戻る。
これにより音響システム1は、メインボックス2に接続したコンピュータ41により、メインボックス2、キーパッド9のプログラムを順次アップデートする。
〔実施の形態の動作〕
以上の構成において、音響システム1では(図1〜図5)、何れかのゾーンユニット4A〜4Dに設けられたキーパッド9において、ソース、コンテンツが選択されると、この選択がメインボックス2に通知される。またこの通知によりメインボックス2に設けられたコントローラ22で各部が制御され、ユーザーの選択したコンテンツのビデオ信号及びオーディオ信号がビデオスイッチャ21、オーディオスイッチャ20を介して対応するゾーンユニット4A〜4Dに選択出力される。各ゾーンユニット4A〜4Dでは、このメインボックス2から出力されるビデオ信号及びオーディオ信号が壁内に敷設されたケーブルを介して伝送され、このビデオ信号及びオーディオ信号がディスプレイ装置10、スピーカ8で再生される。
これにより音響システム1では、各部屋でソースを共有し、各部屋に設置されたキーパッド9を操作して所望のコンテンツをそれぞれ各部屋で楽しむことができる。またソースユニット3A〜3Dの外部機器6に、リスニングルーム等に設置したオーディオ機器、映像機器を適用した場合には、リスニングルーム等で視聴する音楽コンテンツ、映像コンテンツを各部屋で楽しむことができる。
音響システム1では、このリスニングルームに設置するオーディオ機器として、FM放送及びテレビジョン放送の受信機能、外部入力機能、セレクタの機能、外部出力機能を有し、メインボックス2により制御可能な専用のAVレシーバーが用意されている。従ってこの専用のAVレシーバーを外部機器6に適用した場合には、このAVレシーバーの外部入力端子を使用して各種ソースを増設することができ、これにより音響システムの拡張性をさらに一段と拡大することができる。またこの場合、ソースユニットを増設することなく、ソースを増設することができることにより、住宅の壁内にケーブルを増設する等の大掛かりな工事を実行することなくソースを増設することができ、この種の音響システム1のシステム構成を柔軟かつ簡易に変更することができる。
また音響システム1では、ディジタルソースユニット14をメインボックス2に接続することができ、何れかのゾーンユニット4A〜4Dに設けられたキーパッド9において、このディジタルソースユニット14が選択されると、この選択がメインボックス2に通知される。またこの通知によりメインボックス2に設けられたコントローラ22で各部が制御され、ディジタルソースユニット14に設けられたディジタルオーディオ機器15のメニューが表示されてコンテンツの選択が受け付けられる。またこの選択によりメインボックス2でディジタルオーディオ機器15が制御され、ディジタルオーディオ機器15から出力されるオーディオ信号が対応するゾーンユニット4A〜4Dに伝送されて再生される。これにより音響システム1では、例えば携帯型音楽プレイヤー等のディジタルオーディオ機器15をソースとして利用して、このディジタルオーディオ機器15の音楽コンテンツを各部屋で楽しむことができる。
この音響システム1では、メインボックス2がモニタ用ビデオ信号を入力可能に構成され、ドアホンモード及びモニタモードにおいて、キーパッド9を介して検出されるユーザーの指示により、このモニタ用ビデオ信号がゾーンユニット4A〜4Dに選択出力される。また各ゾーンユニット4A〜4Dでは、このモニタ用ビデオ信号がキーパッド9の表示部27で表示される。これによりこの音響システム1では、ビデオ信号及びオーディオ信号を各ゾーンユニット4A〜4Dに出力する構成を有効に利用して、モニタ用ビデオ信号についてもゾーンユニット4A〜4Dが設置された部屋でモニタすることができる。従ってこの音響システム1では、モニタ用ビデオ信号を出力するビデオカメラを必要に応じて設置して、各種の監視等に利用することができ、一段と機能を拡張して利用可能範囲を拡大することができる。
より具体的に、メインボックス2は、ドアホン11A及び11Bを接続可能に構成され、ドアホンモードでは、このドアホン11A及び11Bにおける呼び出しの操作子の操作により、ドアチャイム12又はゾーンユニット4A〜4Dから呼び出し音が出力される。またゾーンユニット4A〜4Dの何れかをユーザーが操作して応答が得られると、応答の得られたゾーンユニット4A〜4Dとドアホン11A及び11Bとの間で音声信号が送受される。これにより音響システム1では、ゾーンユニット4A〜4Dに設けられたキーパッド9をドアホンの端末装置として使用して音声により来訪者に対応することができる。
音響システム1では、事前のセットアップ処理でドアホン11A又は11Bとビデオカメラ13A又は13Bとが対応付けられている場合、このドアホンモードにおける処理において、ユーザーの指示により、ビデオカメラ13A、13Bからのモニタ用ビデオ信号を対応するゾーンユニット4A〜4Dに出力して表示する。これによりこの音響システム1では、例えば玄関にビデオカメラ13A又は13Bを設置し、このカメラ13A又は13Bで来訪者の姿を確認することができ、従来に比して機能を拡張することができる。
これに対してモニタモードでは、ゾーンユニット4A〜4Dの何れかの操作によりモニタ対象が設定され、またユーザーの操作したゾーンユニットが伝送対象に設定される。モニタモードでは、モニタ対象に設定したゾーンユニット4A〜4Dで音声信号が取得され、この音声信号がメインボックス2を介して伝送対象に伝送される。またこの伝送対象では、この音声信号が内蔵のスピーカ8から出力される。これにより音響システム1では、例えば他のゾーンユニットが設置された部屋の様子を音声によりモニタし、この部屋の様子を監視することができる。
音響システム1では、事前のセットアップ処理でモニタ対象に設定されたゾーンユニット4A〜4Dとビデオカメラ13A又は13Bとが対応付けられている場合、このモニタモードにおいて、ユーザーの指示により、ビデオカメラ13A、13Bからのモニタ用ビデオ信号を対応するゾーンユニット4A〜4Dに出力して表示する。これによりこの音響システム1では、音声に加えて映像によっても他のゾーンユニットが設置された部屋の様子を監視することができ、一段と機能を拡張して利用可能範囲を拡大することができる。
特に、セットアップ処理における対応付けにより、ドアホンモード、モニタモードにおけるモニタ用ビデオ信号の出力を設定することにより、システム構成によって種々に変化するビデオカメラの設置場所に柔軟に対応して利用可能範囲を拡大することができる。すなわち、例えば2台のビデオカメラ13A及び13Bをそれぞれドアホン11A及び11Bと共に玄関及び裏口に設置して来訪者を確認することができ、またこれに代えてビデオカメラ13A及び13Bをそれぞれ玄関及び居間に設置し、それぞれ来訪者及びペットの監視に利用することもできる。また2台のビデオカメラ13A及び13Bを居間、ペットの部屋に配置して、ペットの監視等に利用することもできる。
これに対して音響システム1では、何れかのゾーンユニット4A〜4Dでユーザーがインターホンモードを選択すると、このゾーンユニットが呼び出し側に設定され、通話対象のゾーンユニット4A〜4Dの選択が受け付けられる。音響システム1では、この呼び出し側と通話対象側とで、キーパッド9に内蔵のマイク34で取得した音声信号がメインボックス2を介して送受される。これにより音響システム1では、ゾーンユニット4A〜4Dのキーパッド9をそれぞれインターホンの端末装置としても利用することができ、これによっても利用範囲を拡大することができる。
これに対して何れかのゾーンユニット4A〜4Dの1つでユーザーがパーティーモードを選択すると、このゾーンユニット4A〜4Dで選択されたソース、コンテンツのビデオ信号及びオーディオ信号がメインボックス2から全てのゾーンユニット4A〜4Dに出力される。これにより音響システム1では、例えば住宅内でパーティーを開催する場合に、各部屋で共通の音楽コンテンツ、映像コンテンツを提供することができ、従来に比して一段と使い勝手を向上することができる。
またこのパーティーモードでは、パーティーモードを選択したゾーンユニットを含むゾーンユニット4A〜4Dにおいて、ソース、コンテンツの切り換えが指示されると、この指示によりメインボックス2で全てのゾーンユニット4A〜4Dに出力するビデオ信号及びオーディオ信号が切り換えられる。これによりこの音響システム1では、例えばパーティーにおいて、各部屋で共通の音楽コンテンツ、映像コンテンツを提供するようにして、身近のゾーンユニット4A〜4Dの操作によりコンテンツを種々に変更することができ、一段と使い勝手を向上することができる。
ところで音響システム1では、メインボックス2、キーパッド9のメモリ26、45にそれぞれ格納されたプログラムをコントローラ22、36により実行して各部が制御される。従ってこれらメモリ26、45に格納されたプログラムをアップデートすることが必要になる。しかしながらキーパッド9が各部屋に設置されていることから、何ら工夫しない場合には、キーパッド9が設置された部屋にいちいち移動し、キーパッド9をそれぞれアップデートすることが必要になる。従ってアップデート処理が著しく煩雑になる。
特にこの種の音響システム1では、設置後、長期間経過してアップデートする場合も予測され、このような場合にあっては、キーパッド9の所在すら把握できない場合も予測される。従ってこの場合には、音響システムを構成する一部のキーパッド9については、結局、アップデートすることが困難になる。従って、音響システム1を全体として確実にアップデートすることが困難になる。
そこで音響システム1では(図10及び図11)、コンピュータを接続するコネクタCNPCA、CNPCBがメインボックス2に設けられ、このコネクタCNPCA、CNPCBにコンピュータが接続される。またこのコンピュータにより、メインボックス2を介してキーパッド9にアップデート用データを転送してキーパッド9を順次アップデートし、またメインボックス2をアップデートする。これにより音響システム1では、メインボックス2が設置された箇所で、各部屋に設置されたキーパッド9を順次アップデートすることができ、従来に比して格段的にアップデート処理を簡略化することができる。
またキーパッド9からの制御データを伝送するデータ通信用ケーブルを使用してアップデート用データを伝送することにより、所在すら把握できないキーパッド9についても、確実にアップデートすることができる。
〔実施の形態の効果〕
以上の構成によれば、ソースユニットのビデオ信号及びオーディオ信号を選択出力するメインボックスに、別途モニタ用ビデオ信号を入力して選択出力することにより、この種の音響システムの拡張性をさらに拡大して利用可能範囲を拡大することができる。
より具体的に、ドアホンの音声信号を入力してゾーンユニットに出力するようにして、事前の設定により、ドアホンとモニタ用ビデオ信号とが対応付けられている場合、モニタ用ビデオ信号の選択出力処理を実行することにより、必要に応じてビデオカメラを設置して来訪者の確認に役立てることができる。
またモニタ対象のゾーンユニットの音声信号を伝送対象のゾーンユニットに出力するようにして、事前の設定により、モニタ対象のゾーンユニットとモニタ用ビデオ信号とが対応付けられている場合、モニタ用ビデオ信号の選択出力処理を実行することにより、必要に応じてビデオカメラを設置してペットの監視等に役立てることができる。
またさらにゾーンユニット間で音声信号を送受することにより、ゾーンユニットをインターホンの端末装置として利用することもできる。
<変形例>
なお上述の実施の形態においては、セットアップ処理によりドアホン、キーパッドとモニタ用ビデオ信号とを対応付けし、ドアモード及びモニタモードにおいて、この対応付けに従ってモニタ用ビデオ信号をゾーンユニットに選択出力する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、ドアモード及びモニタモードとは別に、別途、モニタ用ビデオ信号を選択出力してゾーンユニットでモニタしてもよい。
また上述の実施の形態においては、モニタ用ビデオ信号を各ゾーンユニットの表示部で表示する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ディスプレイ装置10で表示してもよい。
本発明は、例えば住宅の壁内に敷設したケーブルを介して住宅の各部屋にオーディオ信号及びビデオ信号を伝送し、このオーディオ信号及びビデオ信号を各部屋で再生する音響システムに適用することができる。
本発明の実施の形態に係る音響システムを示すブロック図である。 図1の音響システムにおけるメインボックスを示す平面図である。 図2のメインボックスのブロック図である。 図1の音響システムにおけるキーパッドを示す平面図である。 のキーパッドのブロック図である。 インターホンモードにおける処理手順を示すフローチャートである。 ドアホンモードにおける処理手順を示すフローチャートである。 モニタモードにおける処理手順を示すフローチャートである。 パーティーモードにおける処理手順を示すフローチャートである。 バージョアップ処理における接続を示すブロック図である。 バージョアップ処理における処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1……音響システム、2……メインボックス、3A〜3D……ソースユニット、4A〜4D……ゾーンユニット、6……外部機器、9……キーパッド、11A、11B……ドアホン、12……ドアチャイム、13A、13B……ビデオカメラ、22、36……コントローラ

Claims (2)

  1. オーディオ信号及びビデオ信号を出力するソースユニットと、
    それぞれ住宅の所望の箇所に設置され、ユーザーの操作に応じて制御データを出力し、オーディオ信号をスピーカから出力すると共にビデオ信号を表示する複数のゾーンユニットと、
    前記制御データにより、前記ソースユニットのオーディオ信号及びビデオ信号を前記ゾーンユニットに選択出力するメインボックスとを備え、
    前記メインボックスは、
    前記住宅の壁内に敷設されたケーブルを介して、前記制御データ、前記オーディオ信号及びビデオ信号を入出力し、
    前記壁内に敷設されたケーブルを介して、モニタ用ビデオ信号を入力し、
    前記制御データにより、モニタ用ビデオ信号の選択出力処理を実行し、前記モニタ用ビデオ信号を対応する前記ゾーンユニットに選択出力し、
    前記ゾーンユニットは、
    ユーザーの音声を取得して音声信号を出力するマイクを有し、
    前記メインボックスは、
    1つのゾーンユニットからの制御データによりモニタ対象のゾーンユニット及び伝送対象のゾーンユニットの設定を受け付け、
    前記モニタ対象のゾーンユニットの前記音声信号を、前記伝送対象のゾーンユニットに出力し、
    事前の設定により、前記モニタ対象のゾーンユニットと前記モニタ用ビデオ信号とが対応付けられている場合、前記モニタ用ビデオ信号の選択出力処理を実行する
    音響システム。
  2. 宅の壁内に敷設されたケーブルを介して、それぞれオーディオ信号及びビデオ信号を出力する複数のゾーンユニットと、それぞれビデオ信号及びオーディオ信号を再生する複数のソースユニットとに接続され、
    前記ゾーンユニットからの制御データにより、前記複数のソースユニットから出力されるオーディオ信号及びビデオ信号を前記ゾーンユニットに選択出力し、
    前記壁内に敷設されたケーブルを介して、モニタ用ビデオ信号を入力し、
    前記制御データにより、モニタ用ビデオ信号の選択出力処理を実行し、前記モニタ用ビデオ信号を対応する前記ゾーンユニットに選択出力するメインボックスであって、
    前記ゾーンユニットは、
    ユーザーの音声を取得して音声信号を出力するマイクを有し、
    前記メインボックスは、
    1つのゾーンユニットからの制御データによりモニタ対象のゾーンユニット及び伝送対象のゾーンユニットの設定を受け付け、
    前記モニタ対象のゾーンユニットの前記音声信号を、前記伝送対象のゾーンユニットに出力し、
    事前の設定により、前記モニタ対象のゾーンユニットと前記モニタ用ビデオ信号とが対応付けられている場合、前記モニタ用ビデオ信号の選択出力処理を実行する
    メインボックス。
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