JP5297722B2 - 歯ブラシ用毛材の製造方法、歯ブラシ用毛材、歯ブラシ - Google Patents

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Description

本発明は、モノフィラメントに撚りが加えられてなるブラシ用毛材の製造方法、並びにそのような製造方法により得られるブラシ用毛材、そのようなブラシ用毛材を用いてなる歯ブラシに関する。
合成樹脂製のモノフィラメントからなるブラシ用毛材は、歯ブラシ用の刷毛などに広く用いられている。また、このようなブラシ用毛材を用いた歯ブラシでは、刷毛の形状等の違いによって刷掃性や歯茎への負荷などが大きく異なるために、これまでにも様々なブラシ用毛材が提案されている。
具体的に、歯ブラシの分野では、刷掃時に歯の表面に付着した汚れを効率良く除去するために、例えばモノフィラメントの表面に凹凸を設けたブラシ用毛材や、モノフィラメントの断面を多角形状としたブラシ用毛材などが提案されている(例えば、特許文献1,2などを参照。)。
しかしながら、このような形状のブラシ用毛材では、汚れの掻き取り能力を向上させることができるものの、長さ方向の形状が直線状となるために、歯面に接触する角度によって十分な清掃効果が得られなくなるといった欠点がある。また、断面が多角形状であるブラシ用毛材では、刷掃時に角部が損傷し易いといった欠点がある。
一方、モノフィラメントに撚りが加えられてなるブラシ用毛材も提案されている(例えば、特許文献2〜4を参照。)。このような形状のブラシ用毛材は、断面が多角形状であるモノフィラメントに対して撚りを加えることにより、表面に螺旋状の凹凸が形成されている。この場合、長さ方向の形状を変化させることができるため、歯面に接触する角度によらずに汚れを効率良く除去することが可能である。
しかしながら、このような形状のブラシ用毛材でも、断面が多角形状であるモノフィラメントを用いて撚りを加えているために、刷掃時に角部が損傷し易いといった欠点がある。また、モノフィラメントの周面に螺旋状の突条が形成されたものも提案されている(例えば、特許文献5を参照。)。しかしながら、このような形状のブラシ用毛材は、製造工程が複雑になるだけでなく、上述したブラシ用毛材と同様に、刷掃時に突条が損傷し易いといった欠点がある。
特開平6−169816号公報 特開平6−233709号公報 特開平3−289906号公報 特開2002−360342号公報 特表平11−513269号公報
ところで、モノフィラメントに撚りが加えられてなるブラシ用毛材では、一般に断面が多角形(又は非円形)であるモノフィラメントにのみ撚りを加えることが可能とされている。すなわち、このような形状のモノフィラメントでは、撚りが加えられたときに角部が起点となって撚りが生じるものと考えられている。
一方、断面が実質的に円形であるモノフィラメントの場合、撚りを加えても撚りの起点が生じにくく、また撚りが復元し易いために、このような断面が実質的に円形であるモノフィラメントに撚りを加えたブラシ用毛材を得ることは非常に困難とされている。
そこで、本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、断面が実質的に円形であるモノフィラメントに撚りを加えたブラシ用毛材を得ることを可能としたブラシ用毛材の製造方法、並びにそのような製造方法により得られるブラシ用毛材、そのようなブラシ用毛材を用いてなる歯ブラシを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、モノフィラメントに撚りが加えられてなるブラシ用毛材の製造方法であって、断面が実質的に円形であるモノフィラメントを用意し、このモノフィラメントに対して複数本を束ねた状態で第1の撚りを加える第1の工程と、第1の撚りが加えられた複数本のモノフィラメントを解きほぐした後に、第1の撚りが加えられたモノフィラメントに対して個別に第1の撚りよりも短いピッチで第2の撚りを加える第2の工程とを含むことを特徴とするブラシ用毛材の製造方法である。
また、請求項2に係る発明は、第1の工程において、複数本に束ねられた状態のモノフィラメントに対して加えられる撚り数を50T/m以上とし、第2の工程において、第1の撚りが加えられたモノフィラメントに対して個別に加えられる撚り数を75〜300T/mとすることを特徴とする請求項1に記載のブラシ用毛材の製造方法である。
また、請求項3に係る発明は、モノフィラメントに撚りが加えられてなるブラシ用毛材であって、断面が実質的に円形であるモノフィラメントに対して、第1の撚りと、この第1のよりも短いピッチで第2の撚りとが重畳的に加えられてなることを特徴とするブラシ用毛材である。
また、請求項4に係る発明は、刷毛の毛束が植設されてなる歯ブラシであって、刷毛に請求項3に記載のブラシ用毛材を用いることを特徴とする歯ブラシである。
以上のように、本発明に係るブラシ用毛材の製造方法では、断面が実質的に円形であるモノフィラメントに対して複数本を束ねた状態で第1の撚りを加え、第1の撚りが加えられた複数本のモノフィラメントを解きほぐした後に、第1の撚りが加えられたモノフィラメントに対して個別に第1の撚りよりも短いピッチで第2の撚りを加えることによって、断面が実質的に円形であるモノフィラメントに撚りを加えたブラシ用毛材を容易に得ることが可能である。
また、本発明に係るブラシ用毛材では、断面が実質的に円形であるモノフィラメントに対して、第1の撚りと、この第1の撚りよりも短いピッチで第2の撚りとが重畳的に加えられてなることで、角部のない撚り形状とすることが可能である。
したがって、このようなブラシ用毛材を歯ブラシの刷毛に用いた場合には、刷掃時の刷毛による損傷を防ぐと共に、清掃効果の向上が可能である。
以下、本発明を適用したブラシ用毛材の製造方法及びブラシ用毛材について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を模式的に示している場合があり、各部の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(ブラシ用毛材の製造方法及びブラシ用毛材)
先ず、本発明を適用したブラシ用毛材の製造方法、並びにこのような製造方法により得られるブラシ用毛材について説明する。
本発明を適用したブラシ用毛材の製造方法では、先ず、図1に示すように、断面が実質的に円形であるモノフィラメント10を用意する。
モノフィラメント10の材質については、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12などのポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデンなどのポリハロゲン化ビニル等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。モノフィラメント10は、このような熱可塑性樹脂を従来より公知の方法を用いて紡糸したもの、例えば断面形状が円形のノズルを用いて押し出し成形等により紡糸したものを用いることができる。
なお、モノフィラメント10の断面が実質的に円形であるとは、このモノフィラメントの軸線と直交する方向の断面(横断面)形状が、真円若しくはこれに近い円形であることを言い、角部のない円形を指す。
モノフィラメント10の太さ(最大径)については、3〜10mil(0.076〜0.254mm)のものが好ましく、より好ましくは5〜8mil(0.125〜0.203mm)である。
次に、図2に示すように、このモノフィラメント10に対して複数本を束ねた状態で撚りを加える。具体的には、上述した押し出し成形等によりモノフィラメント10を紡糸した後に、冷却・延伸された複数本のモノフィラメント10に撚りかけて撚糸とする。又は、モノフィラメント10の未延伸糸を得た後に、紡糸−延撚工程を直結したスピンドロー法や高速紡糸法(スピンテイクアップ法)などにより複数本のモノフィラメント10に撚りをかけて撚糸とする。また、このときに熱セットを行ってもよい。
モノフィラメント10の束ねる本数については、特に限定されないものの、撚糸した後の解撚のし易さから2〜3本程度とすることが好ましい。また、複数本のモノフィラメント10に対して加えられる撚り数は、第2工程で個々のモノフィラメントを撚るときの起点を確保する上で50T/m以上とすることが好ましい。なお、撚り数の上限については、第2の工程で加えられる撚り数以下とすればよく、それ以上はモノフィラメントに余分な歪み蓄積するため好ましくない。なお、ここまでの工程が本発明の第1の工程に対応する。
次に、図3に示すように、上記撚糸を解撚する。すなわち上記工程で撚りが加えられた複数本のモノフィラメントを解きほぐして、個々のモノフィラメント(単糸)10とする。これにより、個々のモノフィラメント10には、第1の撚り11が付与される。
次に、図4に示すように、上記第1の撚り11が加えられたモノフィラメント10に対して、更に個別に撚りを加える。このとき、上記第1の撚り11が加えられたモノフィラメント10に対して個別に加えられる撚り数は75〜300T/mとすることが好ましい。
このモノフィラメント10に対する撚り数が75T/m未満であると、このような撚りが加えられたモノフィラメント10からなるブラシ用毛材を歯ブラシの刷毛に用いた場合に、撚りのないブラシ用毛材を用いた場合と比較して、清掃効果の差が不明確となる。一方、このモノフィラメントに対する撚り数が300T/mを超えると、モノフィラメントの機械的強度が著しく低下し、歯ブラシの刷毛に用いた場合に、本来の強度が発揮できず、曲げ強度が著しく低下することになる。
また、撚りを加えた後は、熱セットを行うことで撚りを固定する。これにより、モノフィラメント10には、第1の撚り11よりも短いピッチで第2の撚り12が付与される。なお、ここまでの工程が本発明の第2の工程に対応する。
以上の工程を経ることにより、図5に示すような断面が実質的に円形であるモノフィラメント10に対して、第1のピッチで第1の撚り11と、この第1の撚り11よりも短いピッチで第2の撚り12とが重畳的に加えられてなるブラシ用毛材1を得ることができる。
なお、上記ブラシ用毛材1を得た後は、このブラシ用毛材1を所定本数ずつ束ねてスプールで巻き取った状態としたり、このブラシ用毛材1を所定の長さに切断した後に数cm〜10cm程度の直径に束ね、紙やフィルムで巻いた状態としたりする。また、その後に、上記ブラシ用毛材1の残留ひずみを低減するため、例えば60〜160℃で数分間から数日間のオフライン熱処理を上記ブラシ用毛材1に対して行ってもよい。
以上のように、本発明を適用したブラシ用毛材の製造方法では、断面が実質的に円形であるモノフィラメント10に対して複数本を束ねた状態で撚りを加えた後に、この撚りが加えられたモノフィラメント10に対して個別に撚りを加えることによって、断面が実質的に円形であるモノフィラメント10に撚りを加えたブラシ用毛材1を容易に得ることが可能である。
また、本発明を適用したブラシ用毛材では、断面が実質的に円形であるモノフィラメントに対して、第1の撚り11と、この第1の撚り11よりも短いピッチで第2の撚り12とが加えられてなることで、角部のない撚り形状とすることが可能である。
したがって、このようなブラシ用毛材1を歯ブラシの刷毛に用いた場合には、刷掃時の刷毛による損傷を防ぐと共に、清掃効果の向上が可能である。
(歯ブラシ)
次に、上記ブラシ用毛材1を用いた歯ブラシの一例について図6を参照しながら説明する。
この歯ブラシは、図6に示すように、長尺状のハンドル部21と、このハンドル部21の先端に設けられたヘッド部22とを備えている。ハンドル部21は、使用者が把持する部分であり、ヘッド部22には、複数の毛束23が植設されている。
ハンドル部21の材質については、特に限定されないものの、例えば、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、セルロースプロピオネート樹脂(CP)、ポリアリレート樹脂、飽和ポリエステル樹脂(PCTA、PCTG)、ポリカーボネート樹脂(PC)、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、生分解性樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂を単独又は混合して用いることができる。また、これらの樹脂や、熱可塑性エラストマー、シリコン樹脂などを組み合わせた多色成形によりハンドル部21を成形することも可能である。なお、ハンドル部21の形状、大きさ、デザイン等については、何ら制限を受けるものではなく、適宜選択することができる。
また、ヘッド部22は、その形状、大きさ、デザインとも何ら制限を受けるものではなく、例えばヘッド部22の厚みは、平線を用いる植毛方法又は平線を用いない植毛方法によって若干違いが見られるが、2〜6mm程度とすることができる。
毛束23は、複数本の刷毛24を束ねて二つ折りにし、その間に平線と呼ばれる抜止め材を挟んでヘッド部22の一面(植毛面)22aに設けられた植毛穴に植設されている。なお、植毛穴は、ヘッド部22の長さ方向と幅方向とに複数の列をなして設けられている。そして、この植毛穴の1つ1つに刷毛24の毛束23が植設されている。
なお、植毛穴の形状については、通常は円形であるが、角形や、略楕円形、略長円形、略長方形など長径と短径が異なる形状としてもよい。また、植毛穴は、通常は格子状や千鳥状に配列されるが、植毛穴の形状や配列の組合せ、目的・機能等に応じて適宜選択することができる。
また、植毛穴に対する毛束23の固定方法としては、上述した平線を用いて固定する平線植毛法以外にも、毛束23の下端をヘッド部22となる溶融樹脂中へ圧入して固定する熱融着法や、毛束23の下端を加熱して溶融塊を形成した後に、金型中に溶融樹脂を注入してヘッド部22と一体に成形するインモールド法などを用いることができる。また、毛束23は、ヘッド部22の植毛面22aに対して必ずしも垂直に植設される必要はなく、例えば特定方向の歯垢の掻き取り効果を高める目的で、任意の角度に傾斜させて植設してもよい。
毛束23は、各刷毛24の毛丈が揃っていてもよく、不揃いであってもよい。また、毛束23の毛先輪郭形状(毛切り形状)も、いわゆる平切りにより毛束23の先端を平らに剪定した平面形状以外にも、例えば毛束23の先端を山切り状に剪定したり、外側と内側、先端部と後端部などで形状の異なった凹凸形状としたりしてもよい。
刷毛24には、上記ブラシ用毛材1が用いられている。刷毛24は、上記ブラシ用毛材1を透明(ナチュラル)用毛のまま用いることもできるし、顔料や染料による透明系着色用毛や、不透明着色(白を含む)用毛として用いることもでき、歯ブラシの外観の商品性を考慮して適宜選択して用いることができる。また、これら透明用毛、透明系着色用毛、不透明着色(白を含む)用毛は、必要に応じて、毛束単位や毛束内で2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、透明系着色用毛及び不透明着色(白を含む)用毛などの着色用毛は、紡糸する際の樹脂そのものを着色する方法や、紡糸後又は紡糸工程に付随して、表面から着色する方法によって製造することができる。また、歯ブラシに植毛する前のカットピース状態(25〜35mm程度の用毛長さの束)で、又は植毛後に用毛の先端部分のみ、若しくは用毛の全部に着色することもできる。また、刷毛24の先端形状は、テーパー状、ヘラ状、スクレイパー状、球状など適宜選択することができる。さらに、使用性、刷掃感、清掃効果、耐久性など考慮して、1つの歯ブラシを構成する刷毛24として、太さの異なる複数のブラシ用毛材1を組み合わせて用いてもよい。
また、上記モノフィラメント10は、ブラシ用毛材1の特性を大きく損なわない範囲内で改質することができる。具体的には、例えば、モノフィラメント10となる樹脂に、熱や光に対する安定化剤、難燃剤、フィラー、表面潤滑剤、帯電防止剤、殺菌素材(抗菌素材)などの改質材、他の硬質樹脂やエラストマーなどを1種又は2種以上適宜配合したり、モノフィラメントに塗布したりしてもよい。
なお、上記ブラシ用毛材1は、上述した図6に示す歯ブラシに適用したものに限らず、電気的に駆動される電動歯ブラシやその取替用ブラシなどにも適用可能である。また、上記ブラシ用毛材1は、歯ブラシのような口腔用のブラシに限らず、様々な用途のブラシに対して幅広く適用することが可能である。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
本実施例では、先ず、材質がポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCTA)樹脂からなり、穴径1.6mmの植毛穴を23個有するブラシハンドルを用意し、このブラシハンドルの植毛穴に、表1に示す実験例1〜12のブラシ用毛材からなる刷毛の毛束を植設した歯ブラシを製造した。
実験例1〜12のブラシ用毛材は、表1に示す各樹脂を用いて押し出し成形により紡糸した断面円形のモノフィラメントに対して、2本を束ねた状態で75〜300T/m(第2の工程の撚り数と同じ)の撚りを加えた後に、この撚りが加えられたモノフィラメントに対して、更に表1に示す各撚り数で撚りを加えることによって、撚りが加えられてなるものである。なお、各ブラシ用毛材の径は8milである。また、実験例7〜9のブラシ用毛材は、その先端をテーパー形状に加工した。
Figure 0005297722
そして、これら実験例1〜12のブラシ用毛材を用いた歯ブラシについて、以下に示すモデル清掃力試験及び用毛耐久性試験を行った。その結果を表2に示す。
(1)モデル清掃力試験
本試験では、ニッシン社製の成人上顎模型の右側頬側第一大臼歯、第二大臼歯の歯面及び歯間部に、モデル歯垢として赤色ペイントを塗布し、実験例1〜12の歯ブラシを歯面に対して垂直に200gの荷重で押し当てて、ストローク20mmで20回刷掃した後、歯垢除去率を測定した。
<歯垢除去率>
清掃力試験前に第一大臼歯、第二大臼歯頬側の歯面及び歯間部に設けられたモデル歯垢の占有面積を画像解析により測定し、清掃力試験後に再度同部位のモデル歯垢の占有面積を測定し、その差を試験前の歯垢占有面積で除して100倍してパーセント表示したものである。
歯垢除去率(%)=((清掃力試験前の歯垢占有面積−清掃力試験後の歯垢占有面積)/(清掃力試験前の歯垢占有面積))×100
モデル清掃力試験の評価基準は以下のとおりである。
○:70%以上
△:50%以上70%未満
×:50%未満
(2)用毛耐久性試験
本試験では、実験例1〜12の歯ブラシをモデル耐久性試験機にセットして、以下に示すように、ヘッド部開き率の試験を行った。具体的には、各歯ブラシのヘッド部を金属製の波板に対して平行に配置し、刷毛の先端が波板の表面に接するようにした。そして、この状態で歯ブラシのヘッド部と波板とを35℃の温水に浸漬した。そして、各歯ブラシのヘッド部に400gの荷重をかけた状態で、ヘッド部を波板の山と谷とが繰り返す方向に、往復速度150回/分、刷掃ストローク40mmで、5万回往復運動させて刷掃し、歯ブラシのヘッド部開き率を評価した。
<ヘッド部開き率>
刷掃試験前にヘッド部に植設された毛束群の幅(ヘッド部の短手方向において測定される毛束群の毛先位置での幅)を測定し、モデル耐久性試験機で所定回数(5万回)刷掃した後、再度毛束群の幅を測定し、その差を刷掃前の毛束群の幅で除して100倍しパーセント表示したものである。なお、このとき毛束群の中で最も外側を向いた部分の幅を測定した。
ヘッド部開き率(%)=((刷掃後の毛束群の幅−刷掃前の毛束群の幅)/(刷掃前の毛束群の幅))×100
用毛耐久性試験の評価基準は以下のとおりである。
○60%未満
△:60%以上80%未満
×:80%以上
Figure 0005297722
表2に示すように、実験例1〜9の歯ブラシは、75〜300T/mの範囲で撚りが加えられたブラシ用毛材を用いたものである。一方、実験例10〜12の歯ブラシは、この範囲から外れるブラシ用毛材を用いたものである。この場合、実験例1〜9の歯ブラシは、実験例10〜12の歯ブラシに比べて、モデル清掃力試験及び用毛耐久性試験の何れにおいても良好な結果を示した。
ここで、実験例1において歯間清掃力が△となったのは、表面に形成された螺旋状の凹凸が少ないために撚りの多いものに比べると用毛が曲がりにくく、やや歯間に入りにくくなっているためである。また、一般にテーパー毛は歯間部に入り易いものの、掻き取り力が弱くなる傾向にあるが、実験例7〜9のように表面に螺旋状の凹凸をつけることで清掃力が向上し、○の評価となった。
図1は、本発明を適用したブラシ用毛材の製造方法を説明するための図であり、断面が実質的に円形であるモノフィラメントを示す斜視図である。 図2は、本発明を適用したブラシ用毛材の製造方法を説明するための図であり、複数本のモノフィラメントに撚りを加えた状態を示す斜視図である。 図3は、本発明を適用したブラシ用毛材の製造方法を説明するための図であり、第1の撚りが加えられたモノフィラメントを示す斜視図である。 図4は、本発明を適用したブラシ用毛材の製造方法を説明するための図であり、第1の撚りが加えられたモノフィラメントに更に撚りを加えた状態を示す斜視図である。 図5は、モノフィラメントに第1の撚りと第2の撚りとが重畳的に加えられてなるブラシ用毛材を示す斜視図である。 図6は、本発明を適用した歯ブラシの一例を示す側面図である。
符号の説明
1…ブラシ用毛材 10…モノフィラメント 11…第1の撚り 12…第2の撚り 21…ハンドル部 22…ヘッド部 23…毛束 24…刷毛

Claims (4)

  1. モノフィラメントに撚りが加えられてなるブラシ用毛材の製造方法であって、
    断面が実質的に円形であるモノフィラメントを用意し、このモノフィラメントに対して複数本を束ねた状態で第1の撚りを加える第1の工程と、
    前記第1の撚りが加えられた複数本のモノフィラメントを解きほぐした後に、前記第1の撚りが加えられたモノフィラメントに対して個別に前記第1の撚りよりも短いピッチで第2の撚りを加える第2の工程とを含むことを特徴とするブラシ用毛材の製造方法。
  2. 前記第1の工程において、前記複数本に束ねられた状態のモノフィラメントに対して加えられる撚り数を50T/m以上とし、
    前記第2の工程において、前記第1の撚りが加えられたモノフィラメントに対して加えられる撚り数を75〜300T/mとすることを特徴とする請求項1に記載のブラシ用毛材の製造方法。
  3. モノフィラメントに撚りが加えられてなるブラシ用毛材であって、
    断面が実質的に円形であるモノフィラメントに対して、第1の撚りと、この第1の撚りよりも短いピッチで第2の撚りとが重畳的に加えられてなることを特徴とするブラシ用毛材。
  4. 刷毛の毛束が植設されてなる歯ブラシであって、
    前記刷毛に請求項3に記載のブラシ用毛材を用いることを特徴とする歯ブラシ。
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