JP5295722B2 - コンクリートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はコンクリートの製造方法に関する。
近年、鉄筋コンクリート造の建築現場では、部材断面の制約に伴う過密配筋化や、熟練技術者の不足等の理由からコンクリート構造物の品質確保に懸念が持たれている。コンクリート構造物の施工品質を確保するために、施工現場では流動性や充填性の高いコンクリートが望まれるケースが多い。また、河川、湧水、海岸周辺など施工箇所に水が多く存在する場合には、高い流動性と共に水中不分離性がコンクリートに求められる。
一方、コンクリート構造物の施工では、生コンクリート工場でコンクリートを生産し(いわゆるレディーミクストコンクリート)、ミキサー車で施工現場に輸送し、打設する方法が一般的である。流動性の高いコンクリートをこのように生コンクリート工場で生産して現場に打設する場合、製造後の経時に伴う材料分離や流動性の変化等に対応するため、普通コンクリートよりも物性管理を厳しくする必要が生じる。また、工場では特殊仕様のコンクリートを製造することになるため、工場全体の生産性にも影響する。
特許文献1には、JIS A−5308記載のレディーミクストコンクリート(普通コンクリート)にセメント分散剤と不分離性混和剤とを混合して、コンクリートの調合を変化させることなく、材料分離抵抗性の非常に高い、スランプフロー35cm以上の高流動性コンクリートを製造する方法が開示されている。
また、特許文献2には特定の多糖誘導体と高性能減水剤とを添加して得られるスランプフロー値が50〜70cmの水硬性組成物が開示されている。
特開平8−52730号公報 特許第3260100号公報
プラントで製造したコンクリートを用いて、施工現場でコンクリートの流動性を高めることが可能となれば、原料コンクリートの仕様変更なく、施工性の向上、品質の確保が達成できるので、多くの現場で採用されると予想される。しかしながら、特許文献1の技術も広く普及するまで至っていないのが現状であり、さらなる性能の向上が望まれている。すなわち、特許文献1の不分離性混和剤として記載されているヒドロキシエチルセルロース等を用いて、流動性が高く材料分離抵抗性の優れるコンクリートを得るためには、ヒドロキシエチルセルロース等を大量に配合する必要がある。しかし、ヒドロキシエチルセルロースを大量に配合するとセメント等の水硬性粉体の水和反応が抑制され、硬化遅延を起こすことがある。また、ブリーディング性や流動保持性の点でも性能向上が望まれる。
さらに、各種のセルロース誘導体が本用途様に提案されているが、ポリマーであるセルロースを骨格とする限り、多くの水酸基を有するために、本質的な水和反応の遅延を改善するには至っていないのが現状である。
本発明の課題は、高い流動性を有し、材料分離抵抗性(耐ブリーディング性、水中不分離性等)に優れ、硬化遅延が少ないコンクリートを製造できる方法を提供することである。
本発明は、下記工程(I)及び工程(II)を有するコンクリートの製造方法に関する。
工程(I):プラントにて、水、水硬性粉体、骨材、及びコンクリート混和剤を混練りし、水セメント重量比が25〜65重量%の水硬性組成物(I)を調製する工程
工程(II):コンクリート施工現場において、水硬性組成物(I)に一般式(a1)で表される化合物を含有するレオロジー改質剤を添加して、スランプフロー値が35〜75cmである水硬性組成物(II)を調製する工程
Figure 0005295722
(式中、R1aは炭素数10〜26のアルキル基、R2aは炭素数1〜22のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、R3a、R4aは、それぞれ、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、Yはエチレン基又はプロピレン基、nは0又は1の数、X-はアニオン性芳香族化合物残基を表す。)
本発明によれば、高い流動性を有し、材料分離抵抗性(耐ブリーディング性、水中不分離性等)に優れ、硬化遅延が少ないコンクリートを製造することができる。
<工程(I)>
本発明の工程(I)は水(W)、水硬性粉体(C)、骨材〔細骨材(S)及び粗骨材(G)〕、及びコンクリート混和剤〔以下、コンクリート混和剤(I)という〕を混練し、W/C(重量比)が25〜65%である水硬性組成物(I)を調製する工程である。W/Cは、〔水(W)の重量/水硬性粉体(C)の重量〕×100(重量%)により算出される。
水(W)は、通常に用いるものが使用でき、水道水等が挙げられる。
水硬性粉体(C)は、水和反応により硬化する物性を有する粉体のことであり、セメント、石膏などが挙げられる。好ましくはセメントであり、またこれらに高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等が添加されたものでもよい。その他、早強セメント、超早強セメント、高ビーライト系セメント、エコセメント等でもよい。
骨材としては、細骨材(S)及び粗骨材(G)が挙げられる。骨材の使用量は、水硬性組成物において1000〜2300kg/m3、1350〜2150kg/m3、1500〜1900kg/m3が好ましい。
細骨材(S)として、JIS A0203−2302で規定されるものが挙げられる。例えば細骨材としては、川、陸、山、海、石灰砂、珪砂及びこれらの砕砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、軽量細骨材(人工及び天然)及び再生細骨材等が挙げられる。細骨材(S)の使用量は、水硬性組成物において500〜1100kg/m3、600〜1000kg/m3、700〜900kg/m3が好ましい。
また、粗骨材(G)として、JIS A0203−2303で規定されるものが挙げられる。例えば粗骨材としては、川、陸、山、海、石灰砂利、これらの砕石、高炉スラグ粗骨材、フェロニッケルスラグ粗骨材、軽量粗骨材(人工及び天然)及び再生粗骨材等が挙げられる。粗骨材(G)の使用量は、水硬性組成物において500〜1200kg/m3、750〜1150kg/m3、800〜1000kg/m3が好ましい。
コンクリート混和剤(I)としては、減水剤、高性能減水剤及び高性能AE減水剤から選ばれる1種以上が挙げられる。減水剤としては、具体的にはリグニンスルホン酸塩及びその誘導体、オキシカルボン酸塩、ポリオール誘導体が挙げられる。また、高性能減水剤及び高性能AE減水剤としては、工程(II)で使用するものと同じものから選択して使用できる。コンクリート混和剤(I)は、水硬性粉体(C)100重量部に対して、固形分(有効分)で0.01〜1.0重量部用いることが好ましく、0.05〜0.5重量部がより好ましい。
工程(I)では、これらの材料を、W/C(重量比)が25〜65%、より好ましくは35〜60%、さらに好ましくは、40〜55%になるように配合し、混練を行い水硬性組成物(I)を調製する。この際の各材料の配合比率は、土木学会コンクリート標準示方書、建築工事標準仕様書に準じて得られた配合やJIS A5308「レディミクストコンクリート」であることが好ましい。
混練は、二軸ミキサー等の混練機を用いることができる。混練方法は、例えば、水硬性粉体(C)、細骨材(S)及び粗骨材(G)を空練り後、水(W)とコンクリート混和剤(I)を予め混合した混練水を添加し、混練する方法が挙げられる。
混練により得られる水硬性組成物(I)は、スランプ(JIS A 1101)が8〜23cmであることが好ましく、さらには15〜21cmが好ましい。スランプフロー値(JIS A1150)が20〜75cmであることが好ましく、さらに、35〜70cmであることがより好ましい。空気量(JIS A 1128)が3.5〜6.0%であることが好ましい。
<工程(II)>
工程(II)は、工程(I)で得られた水硬性組成物(I)に、前記一般式(a1)で表される化合物を含有するレオロジー改質剤を添加して、スランプフロー値が35〜75cmである水硬性組成物(II)を調製する工程である。レオロジー改質剤と一緒にさらにカチオン性ポリマーやコンクリート混和剤を水硬性組成物(I)に添加しても良い。
一般式(a1)中、X-はアニオン性芳香族化合物であり、好ましくはパラトルエンスルホン酸に由来するアニオン基である。
本発明に用いられるレオロジー改質剤では、増粘する温度領域を広くできる点で、炭化水素基R1の長さが異なる4級カチオン基が2種以上存在することが好ましく、そのためには、4級カチオン基の炭化水素基R1の長さが異なる一般式(a1)の化合物を2種以上併用することが好ましい。これは、水への溶解性とレオロジー改質の効果の点からも好ましい。
一般式(a1)で表される化合物の製造方法としては、(i)3級アミンをアニオン性芳香族化合物の酸型で中和しそこにエチレンオキサイド(以下、EOという)を反応させる方法、(ii)4級塩型化合物とアニオン性芳香族化合物の混合物を脱塩する方法、(iii)4級塩型化合物の対イオンを芳香族アニオン基で対イオン交換する方法などが挙げられる。これらの製造工程では、ハロゲン元素は元々含まれないか、または系外に除去されるので、金属が存在する部分に使用しても腐食を起こさないことから、これらの製造法が好ましい。
また、本発明に用いられるレオロジー改質剤は、前記一般式(a1)で表される化合物の性能を大きく妨げない範囲で、その他の成分を含有することができる。その他の成分としては、例えば、樹脂石鹸、飽和もしくは不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸(塩)、アルカンスルホネート、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル(塩)、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル(塩)、蛋白質材料、アルケニルコハク酸、α−オレフィンスルホネート等のAE剤;グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸、クエン酸等のオキシカルボン酸系、デキストリン、単糖類、オリゴ糖類、多糖類等の糖系、糖アルコール系等の遅延剤;起泡剤;増粘剤;珪砂;AE減水剤;塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、沃化カルシウム等の可溶性カルシウム塩、塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物等、硫酸塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸塩、チオ硫酸塩、蟻酸(塩)、アルカノールアミン等の早強剤又は促進剤;発泡剤;樹脂酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコーン、パラフィン、アスファルト、ワックス等の防水剤;高炉スラグ;流動化剤;ジメチルポリシロキサン系、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル系、鉱油系、油脂系、オキシアルキレン系、アルコール系、アミド系等の消泡剤;防泡剤;亜硝酸塩、燐酸塩、酸化亜鉛等の防錆剤;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系、β−1,3−グルカン、キサンタンガム、ウエランガム等の天然物系、ポリアクリル酸アミド、ポリエチレングリコール、オレイルアルコールのEO付加物もしくはこれとビニルシクロヘキセンジエポキシドとの反応物等の合成系等の水溶性高分子、合成繊維として、ポリアセタール繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等の合繊繊維、レーヨン繊維等の再生繊維等の爆裂防止用繊維が挙げられる。
本発明のレオロジー改質剤中の一般式(a1)で表される化合物の含有量は、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜100重量%である。本発明のレオロジー改質剤の固形分中の一般式(a1)で表される化合物の固形分の比率は50重量%以上が好ましい。工程(II)におけるレオロジー改質剤、更にレオロジー改質剤中の一般式(a1)で表される化合物の添加量が多いと粘性が高くなり、材料分離抵抗性が向上する。
工程(II)におけるレオロジー改質剤の添加量は、目的とする増粘の程度に応じ適宜決めればよいが、例えば水硬性組成物(I)で用いた水硬性粉体量(C)100重量部に対して、一般式(a1)で表される化合物が好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.05〜3重量部、更に好ましくは0.1〜2重量部となる量が適している。
工程(II)では、レオロジー改質剤と共に、更に、カチオン性ポリマーを水硬性組成物(I)に添加することが好ましい。カチオン性ポリマーとしては、カチオン性窒素を含むカチオン性ポリマー、更に、分子中に4級塩構造を有するポリマー、なかでもカチオン性窒素が、第4級窒素であるカチオン性ポリマーが挙げられる。
カチオン性ポリマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドエチルジメチルアミン、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルアミン、アリルアミン、アリルメチルアミン、アリルジメチルアミン、ジアリルアミン、ジアリルメチルアミン等のホモポリマー、及びこれらのモノマーと他のモノマーとから得られる共重合体が挙げられ、いずれも中和型でも未中和型でも使用できる。
また、カチオン性ポリマーとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン等のポリアルキレンポリアミンおよび、ポリアルキレンポリアミンに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加させたポリマーが挙げられ、いずれも中和型でも未中和型でも使用できる。
その他にもポリエチレンイミンおよびポリエチレンイミンに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加させたポリマーをカチオン性ポリマーとして使用できる。
カチオン性ポリマーとしては、カチオン性窒素を含むものが好ましく、更に当該カチオン性ポリマーのカチオン性窒素に、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜8のオキシアルキレン基を含んでなるポリオキシアルキレン基、水素原子及び下記式(b1)
Figure 0005295722
で表される基〔ここで、R1b〜R5bは、同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子又は炭素数1〜22のアルキルもしくはアルケニル基であり、Zは−O−又は−NY−(Yは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基)であり、nは1〜10の数である。ただし、R1b及びR3bはポリマー構造中に取り込まれていても良く、その場合はR1b及びR3bは存在しない。〕から選ばれる基が結合しているものが好ましい。
一般式(b1)で表される基の由来となる化合物としては、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩、メタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウム塩、メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩、メタクリロイルオキシプロピルジメチルエチルアンモニウム塩、メタクリルアミドエチルトリメチルアンモニウム塩、メタクリルアミドエチルジメチルエチルアンモニウム塩、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、メタクリルアミドプロピルジメチルエチルアンモニウム塩、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩、アクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウム塩、アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩、アクリロイルオキシプロピルジメチルエチルアンモニウム塩、アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウム塩、アクリルアミドエチルジメチルエチルアンモニウム塩、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、アクリルアミドプロピルジメチルエチルアンモニウム塩等が挙げられ、これらはアルキル硫酸塩、中でもエチル硫酸塩、メチル硫酸塩が好ましい。
また、カチオン性ポリマーのカチオン性窒素が、ジアリルジアルキルアンモニウム塩、好ましくはジアリルジメチルアンモニウム塩に由来するポリマーもまた好適であり、具体的には、ジアリルジメチルアンモニウム塩とアクリル酸系モノマーとの共重合体等が挙げられる。
また、カチオン性ポリマーとしては、カチオン基を有する(メタ)アクリル酸系モノマー、カチオン基を有するスチレン系モノマー、ビニルピリジン系モノマー、ビニルイミダゾリン系モノマー、及びジアリルジアルキルアミン系モノマーからなる群から選ばれるモノマーに由来する構造を有するものが挙げられる。
カチオン性ポリマーの対イオンとしては、ハロゲンイオン、硫酸イオン、アルキル硫酸イオン、リン酸イオン、有機酸イオン等のアニオン性イオンが挙げられる。
カチオン性ポリマーの具体例としては、ポリアリルトリメチルアンモニウム塩等のポリアリルトリアルキルアンモニウム塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム塩)、ポリメタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウム塩、ポリメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、カチオン化でん粉、カチオン化セルロース、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース等であり、これらは4級塩構造を有するモノマーを重合して得ても、対応するポリマーを4級化剤で4級化して得ても良い。これらは、ホモポリマーでなくてもよく、必要に応じて共重合可能なモノマーとの共重合物としても良い。具体的には、ジアリルジメチルアンモニウム塩−SO2共重合体、ジアリルジメチルアンモニウム塩−アクリルアミド共重合体、ジアリルジメチルアンモニウム塩−アクリル酸−アクリルアミド共重合物、メタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウム塩−ビニルピロリドン共重合体、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩−ビニルピロリドン共重合体、等が挙げられる。これらは、未反応モノマー、副生物、異なるカチオン化密度のポリマーを含んでいてもよい。これらは2種以上併用することができる。
上記の中でも、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートジエチル硫酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム塩)、ポリメタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウム塩、ポリメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、メタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウム塩−ビニルピロリドン共重合体、及びメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩−ビニルピロリドン共重合体から選ばれるカチオン性ポリマーが好ましく、更にこれらの中でも、レオロジー改質効果の観点から、対イオンがアルキル硫酸イオンであるもの、中でもエチル硫酸塩、メチル硫酸塩がより好ましい。
カチオン性ポリマーの分子量は、1000以上が好ましく、1000〜300万が更に好ましく、この点で一般式(a1)で表される化合物とは区別される。この分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、以下の条件で測定された重量平均分子量である。
カラム:α−M(東ソー製) 2本連結
溶離液:0.15mol/L硫酸Na、1%酢酸水溶液
流速 :1.0mL/min
温度 :40℃
検出器:RI
分子量標準はプルランを使用
カチオン性ポリマーは、カチオン化密度が0.5〜10meq/g、更に1〜9meq/g、より更に3〜8meq/gであることが、スラリー調製直後及び経時的な粘弾性維持の点から好ましい。カチオン化密度は、後述の実施例の方法により測定することができる。
工程(II)におけるカチオン性ポリマーの添加量は、所望とする流動性に応じて適宜決定することができるが、水硬性粉体(C)100重量部に対して、好ましくは0.001〜1.0重量部、より好ましくは0.02〜0.2重量部である。工程(II)におけるカチオン性ポリマーの添加量が多いと材料分離抵抗性が向上する。
また、工程(II)では、レオロジー改質剤と共に、更に、高性能減水剤及び高性能AE減水剤から選ばれるコンクリート混和剤〔以下、高性能(AE)減水剤という〕を水硬性組成物(I)に添加することが好ましい。高性能(AE)減水剤としては、JIS A 6204に規定される減水率18%以上のコンクリート用化学混和剤が好適に用いられ、具体的には、ナフタレン、メラミン、フェノール、尿素およびアニリンの何れかのメチロール化物およびスルホン化物の群から選ばれる1種又は2種以上の化合物のホルムアルデヒド縮合物が挙げられる。例えば、ナフタレンスルホン酸金属塩ホルムアルデヒド縮合物[例えば花王(株)製マイテイ150]、メラミンスルホン酸金属塩ホルムアルデヒド縮合物[例えば花王(株)製マイテイ150−V2]、フェノールスルホン酸ホルムアルデヒド化合物(特許第1097647号に記載の化合物等)、フェノール・スルファニル酸ホルムアルデヒド共縮合物(特開平1−113419号公報に記載の化合物等)等である。さらにまた他の例として、エチレン系不飽和モノカルボン酸、そのアルキレンオキシド付加物又はその誘導体、並びにエチレン系不飽和ジカルボン酸、そのアルキレンオキシド付加物又はその誘導体からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する単量体を重合して得られる重合体又は共重合体(特公平2−7901号公報、特開平3−75252号公報、特公平2−8983号公報などに記載の化合物等)が挙げられる。
また、本発明において用いられる高性能(AE)減水剤としては、下記一般式(c1)で表される単量体と、下記一般式(c2)及び(c3)で表される化合物の中から選ばれる一種以上を含有する単量体とを重合して得られる、オキシアルキレン基を有する水溶性ビニル共重合体がより好ましく用いられる(例えば花王(株)製マイテイ3000)。こうした高性能減水剤については、例えば特開平7−223852号公報に記載がある。
Figure 0005295722
[式中、
R1c,R2c:水素原子又はメチル基
m1:0〜2の数
AO:炭素数2〜3のオキシアルキレン基
n:平均付加モル数であり、2〜300の数
X:水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
を表す。]
Figure 0005295722
[式中、
R3c,R4c,R5c:水素原子、メチル基又は(CH2)m2COOM2
R6c:水素原子又はメチル基
M1,M2,Y:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム、アルキルアンモニウム又は置換アルキルアンモニウム
m2:0〜2の数
を表す。]
上記の好ましい高性能減水剤として用いられる共重合体において、上記一般式(c1)で表される単量体としては、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリエチレンポリプロピレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコール、プロポキシポリエチレングリコールおよびプロポキシポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末端アルキル封鎖ポリアルキレングリコールとアクリル酸、メタクリル酸又は脂肪酸の脱水素(酸化)反応物とのエステル化物や、アクリル酸、メタクリル酸又は脂肪酸の脱水素(酸化)反応物へのEO、プロピレンオキサイド(以下、POという)付加物が用いられる。またポリアルキレングリコールのモノマーの繰り返し単位としては、EO単独、PO単独、EOとPOのランダム、ブロック、交互付加の何れでも用いることができる。ポリアルキレングリコールのモノマーの繰り返し単位の平均付加モル数が、上記特開平7−223852号公報に記載の場合のように110〜300であると、硬化遅延の短縮、高流動性、高充填性、高分離低減性の面でより好ましい。
上記一般式(c2)で表される化合物としては、不飽和モノカルボン酸系単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、又はこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩(1/2原子)、アンモニウム塩、アミン塩、置換アミン塩が挙げられる。また、不飽和ジカルボン酸系単量体として、無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸、フマル酸、又はこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩(1/2原子)、アンモニウム塩、アミン塩、置換アミン塩が挙げられる。
また、上記一般式(c3)で表される化合物としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、又はこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩(1/2原子)、アンモニウム塩、アミン塩、置換アミン塩が挙げられる。
さらに、本発明において用いられる高性能(AE)減水剤としては、下記一般式(d1)で表される単量体1と、下記一般式(d2)で表される単量体2及び下記一般式(d3)で表される単量体3を含む混合単量体とを、pH7以下で共重合して得られるリン酸エステル系重合体が好適に用いられる。かかるリン酸エステル系重合体は、特開2006−52381号を参照することができる。
Figure 0005295722
〔式中、R1d、R2dは、それぞれ水素原子又はメチル基、R3は水素原子又は-COO(AO)nX、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基、nはAOの全平均付加モル数であり、3〜200の数、Xは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表す。〕
Figure 0005295722
〔式中、R4dは水素原子又はメチル基、R5dは炭素数2〜12のアルキレン基、m1は1〜30の数、Mは水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属(1/2原子)を表す。〕
Figure 0005295722
〔式中、R6d、R8dは、それぞれ水素原子又はメチル基、R7d、R9dは、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基、m2、m3は、それぞれ1〜30の数、Mは水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属(1/2原子)を表す。〕
これらの高性能(AE)減水剤のうち、工程(II)では、ポリカルボン酸系EO付加物を主成分とする高性能(AE)減水剤、あるいは上記リン酸エステル系重合体を主成分とする高性能(AE)減水剤が好適である。
工程(II)における高性能(AE)減水剤の添加量は、所望とする流動性に応じて適宜決定することができるが、水硬性粉体(C)100重量部に対して、好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部である。
工程(II)におけるレオロジー改質剤の水硬性組成物(I)への添加は、水溶液または粉末のどちらの状態でも可能である。また、予めレオロジー改質剤と、カチオン性ポリマー及び/又は高性能(AE)減水剤とを混合した混合物を添加しても良い。さらにレオロジー改質剤、カチオン性ポリマー、及び高性能(AE)減水剤のそれぞれあるいは混合物を、一時に全量添加する方法、あるいは数回に分割して添加する方法のどちらを採用することもできる。
レオロジー改質剤を水硬性組成物(I)に添加後、混練することで水硬性組成物(II)が得られる。混練は、二軸ミキサー、等の混練機、ミキサー車の混練り装置を用いることができる。本発明では、工程(I)で調製した水硬性組成物(I)をアジテーター車で施工現場に搬送し、工程(II)の少なくとも一部を、アジテータ車内の水硬性組成物(I)へのレオロジー改質剤の添加により行うことができる。
工程(II)では、計量の手間を省き、投入作業の簡便性をはかるために、レオロジー改質剤を、該レオロジー改質剤を収容した水溶性包装体として用いることが好ましい。その際、レオロジー改質剤は粉末状のものが好ましい。また、レオロジー改質剤は、一般式(a1)で表される化合物と共に、他の成分とを含有することもできる。レオロジー改質剤は、更にカチオン性ポリマー及び/又は高性能(AE)減水剤を含有することが好ましい。レオロジー改質剤に配合されるカチオン性ポリマー、高性能(AE)減水剤等の成分は粉末状ものが好ましい。工程(II)では、レオロジー改質剤を収容した水溶性包装体を用いることが好ましい。水溶性包装体は、水溶性材料でレオロジー改質剤を包装してなるものであり、形状は問わない。また、密封されていなくてもよく、開放容器に収容した状態の水溶性包装体を使用してもよい。かかる水溶性包装体を、アジテーター車、又は攪拌機内に投入することが好ましい。
水溶性包装体には、例えば、水溶性樹脂であるポリビニルアルコールを原料としたシートを袋状に成型したものや、例えば、特開平5−9900に記載されているような水難溶性ないし不溶性のカルボキシメチルセルロース(CMC)またはカルボキシエチルセルロース繊維と、水難溶性ないし不溶性の無機粉体と、パルプ等の製紙用繊維とを混抄したシートに、アルカリ可溶性ないし解砕性の重合体を一体化したアルカリ崩壊性のシートを袋状に成型したものを用いることができる。水溶性包装体を構成する水溶性材料の厚みは、10〜150μm程度が適当であり、好ましくは15〜50μmである。また、これら水溶性包装体を構成する水溶性材料は、農薬、染料、顔料、ワックス、トイレ殺菌剤等にも使用されるが、中でもセメントへの遅延性が小さいものが好ましい。
水硬性組成物(II)は、JIS A 1150に規定するスランプフロー値が35〜75cmの範囲であり、より好ましくは40〜70cm、さらに好ましくは50〜68cmである。スランプフロー値は、フレッシュコンクリートの流動性を示す指標の一つであり、スランプコーンを引き上げた後の試料の直径の広がりで表す。スランプフロー値が50cmを超え、単位粉体量が500kgを超えるコンクリートでは、練り上がり後、流動性が安定する時間で測定することが好ましい。例えば、練り上がり後、5〜15分の間が望ましい。
また、水硬性組成物(II)は、スランプ値(JIS A 1101)が10〜25cm、さらには15〜25cm、18〜25cmであることがより好ましい。また、空気量(JIS A 1128)が3.5〜6%であることが好ましい。
本発明の製造方法は、生コンクリート工場で生産されたレディーミクストコンクリートとして水硬性組成物(I)を調製し、コンクリート施工現場で工程(II)を行う方法として実施できる。レディーミクストコンクリートを用いることで、水硬性組成物(I)として安定した物性のコンクリートが得られる。工程(I)と工程(II)の間にミキサー車等による輸送工程を有しても、輸送中のコンクリート物性管理は普通セメントの条件で行えばよく、特別な管理は不要である。さらに、工程(II)を施工現場で行うことで、輸送中のコンクリート物性変化に対してしても、レオロジー改質剤と高性能(AE)減水剤の添加量の微調整で対応できる。また、工程(II)の直後にコンクリート打設を開始できるため、流動性の高いコンクリートの流動性保持等の管理が容易になる。流動性保持の観点から、水硬性組成物組成物(II)の打設は、工程(II)の後、90分以内に開始することが好ましい。なお、工程(I)の終了後、直ちに工程(II)を行うことができるが、上記の通り、ミキサー車等による輸送等を考慮すると、適当な間隔(30分間等)をおいた後、施工現場で工程(II)を行うことが好ましい。また、打設の終了は、工程(II)の後、210分以内であることが好ましい。
製造例1(a−1の製造)
反応槽にヘキサデシルジメチルアミン39.1kg、オクタデシルジメチルアミン100.4kgを仕込み、65℃に昇温した。イオン交換水487.2kg、p−トルエンスルホン酸の70%水溶液122.7kgを仕込み、攪拌した後、更にイオン交換水27kgを仕込み、1時間攪拌し均一化させた。得られた混合水溶液の全量を65℃まで昇温し、攪拌後、系内を窒素置換した。EO27.4kgを仕込み、3時間、65℃で反応させた。その後、反応器内の残圧を系外にブローし、65℃で200torr(26.7kPa)、30分間の脱気を行った。さらに、p−トルエンスルホン酸の70%水溶液32.3kgを仕込み、48重量%NaOH水溶液8.0kgで中和し、さらにカチオン性ポリマー〔ポリジメチルアミノエチルメタクリレートジエチル硫酸塩(重量平均分子量12万、カチオン化密度3.6meq/g)の35重量%水溶液〕155.4kg、消泡剤0.5kg(FSアンチフォームQ1−1183:東レ・ダウコーニング社製)を仕込み均一化させ、目的とするジメチルヒドロキシエチルアルキルアンモニウムp−トルエンスルホネート及びカチオン性ポリマーを含む混合水溶液約1tを得た。混合水溶液の分析値は、pH7.2、水分66.8%、原料アミン反応率99%であった。
次に、槽内温度90℃に設定した横型円筒ジャケット式真空乾燥機(高砂化工機株式会社製、容量:3.136m、直径1.1m×長さ3.5m、動力11kW、粉砕棒サイズ:φ35×3.38m、)に、前記混合水溶液1tを投入した。攪拌速度6.4rpm、減圧度0.070MPa、乾燥時間12時間の条件で乾燥させた後、乾燥物が室温になるまで6時間冷却した。乾燥物の水分量を計測し、水分量が1重量%以下になった乾燥物を粉砕機(ミル)で粉砕し、目的とするレオロジー改質剤a−1〔一般式(1)で表される化合物及びカチオン性ポリマーを含有する粉末状組成物〕を得た。
製造例(a−2の製造)
フラスコに水50g、p−トルエンスルホン酸1水和物95.1g、イソプロピルアルコール(IPA)85.0gを仕込み、60℃に昇温、攪拌して溶解した。混合調整溶液を50から60℃に保ち、予め融解させておいた硬化牛脂ジメチルアミン145.4gを、60℃に保持して3時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃でさらに1時間攪拌後、硬化牛脂ジメチルアミンのp−トルエンスルホン酸塩のIPA/水−混合溶液(1)375.5gを得た。次に、2Lのオートクレーブに、混合溶液(1)375gを仕込み、攪拌後、系内を窒素置換した。65℃まで昇温し、EO28.6gを仕込み、3時間反応させた。反応器内の残圧を系外にブローし、45℃で200torr(26.7kPa)、30分間の脱気をした。さらに、pH調整(p−トルエンスルホン酸1水和物、IPA)を行い、目的とするレオロジー改質剤(a−2)(ジメチルヒドロキシエチルアルキルアンモニウムp−トルエンスルホネートのIPA/水−混合溶液)390gを得た。
表1に、以下の実施例及び比較例で用いたレオロジー改質剤を示す。
Figure 0005295722
また、表2に、以下の実施例で用いたコンクリート混和剤を示す。
Figure 0005295722
実施例1
表3の配合1で、セメント(C)、細骨材(S)及び粗骨材(G)を100リットルの強制2軸ミキサーに投入後、20℃にて10秒間空練りを行った。次いで水道水(W)に、コンクリート混和剤をその添加量が表3の通りとなるように加えた混練水を加え60秒間本練りを行い、水硬性組成物(I)を調製した〔工程(I)〕。
得られた水硬性組成物(I)を練り舟に排出し、コンクリートの運搬時間を想定して30分間静置した。その後、傾胴式ミキサーに水硬性組成物(I)を移し、レオロジー改質剤を表4の量で添加し90秒間混練し、水硬性組成物(II)を得た〔工程(II)〕。
水硬性組成物(I)は、スランプ値、流動性としてスランプフロー値を、水硬性組成物(II)は、スランプ値、流動性としてスランプフロー値、材料分離抵抗性としてブリーディング量、圧縮強度(材齢1日)を測定した。また、水硬性組成物(I)の空気量については、空気量調整剤(マイテイAE02、花王製)および消泡剤(市販品:脂肪酸エステル系)を使用し、4.5±1.5%になるように調整した。各評価は以下の方法で行った(試験温度は20℃)。結果を表5に示す。
・スランプ値:JIS A 1101
・スランプフロー値:JIS A 1150
・ブリーディング量:JIS A 1123
・圧縮強度:JIS A 1108
Figure 0005295722
表3中の使用材料は以下の通りである。
・水(W):水道水
・セメント(C):普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製普通ポルトランドセメントと住友大阪セメント株式会社製普通ポルトランドセメントの1:1混合物)、密度3.16g/cm3
・細骨材(S):君津産 山砂(密度2.60g/cm3、粗粒率2.63)
・粗骨材(G):鳥形山産 石灰砕石(密度2.70g/cm3、粗粒率7.03、最大寸法20mm)
Figure 0005295722
ここで、実施例1−1及び比較例1−1の工程(II)では、レオロジー改質剤は、ポリビニルアルコールフィルムからなる13.5cm(長さ)×10cm(幅)の粉体包装用袋に封入して水硬性組成物(I)に添加した。
Figure 0005295722
実施例1−1、1−2は、比較例1−1に比べて工程(II)においてスランプフロー値の低下が少ない。コンクリートを施工する段階で、スランプフロー値が低下するとポンプ圧送性が低下したり、充填作業に支障を来すので、スランプフロー値の低下が少ない方が好ましい。また、比較例1−1の材齢1日の圧縮強度やブリーディング量については、凝結遅延の影響が認められ、実施例1−1、1−2に及ばない結果となった。材齢1日の圧縮強度は、硬化遅延の指標になり、型枠を外す時期を決める目安となる。材齢1日の圧縮強度が大きい方が、型枠を確実に早い時期に外すことができ、次の工程に早く取り掛かることができるので好ましい。また、ブリーディング量は材料分離を表す。ある程度のブリーディング量はコテ均しをする際にやり易くなるので問題にならないが、比較例1−1のようにブリーディング量が大きくなると材料分離を起こしていることになる。
実施例2
実施例1と同様に、ただしコンクリート配合は表6の配合2の通りとし、コンクリート混和剤の種類を表7のように変更して、水硬性組成物(I)を得た〔工程(I)〕。傾胴式ミキサーに水硬性組成物(I)を移し、レオロジー改質剤及びコンクリート混和剤を表7の量で添加し180秒間混練し、水硬性組成物(II)を得た〔工程(II)〕。この水硬性組成物(II)は、水中不分離コンクリートとして好適である。
この水硬性組成物(II)について、以下に示す試験法にしたがって、材料分離抵抗性として懸濁物質量(SS)の測定を、また、圧縮強度(材齢3日)の測定を行った。また、水硬性組成物(I)、(II)のスランプ値及び流動性としてスランプフロー値を実施例1と同様に測定した。その結果を表8に示す。
1.懸濁物質量(SS):「土木学会、水中不分離性コンクリート設計施行指針(案)、水中不分離性コンクリートの水中分離度試験方法(案)」に基づいて評価した。評価基準は以下の通りである。
A:15%以下
B:15%超30%以下
C:30%超60%以下
D:60%超
2.圧縮強度(材齢3日):「土木学会、水中不分離性コンクリート設計施行指針(案)、水中不分離性コンクリートの圧縮強度試験用水中作製供試体の作り方(案)」に基づいて評価した。
Figure 0005295722
表6中の使用材料は以下の通りである。
水(W):水道水
セメント(C):普通ポルトランドセメント、市販品、密度3.16g/cm3
細骨材(S):千葉県君津産山砂、表乾密度2.62g/cm3、粗粒率2.57
粗骨材(G):高知県鳥形山産石灰砕石、表乾密度2.71g/cm3、粗粒率7.03、最大寸法20mm
Figure 0005295722
ここで、実施例2−1及び比較例2−1の工程(II)では、レオロジー改質剤及びセメント混和剤の両方を、ポリビニルアルコールフィルムからなる13.5cm(長さ)×10cm(幅)の粉体包装用袋に封入して水硬性組成物(I)に添加した。
Figure 0005295722
表8から明らかなように、実施例2−1、2−2は、水中での材料分離抵抗性に優れると同時に、3日後の水中作製供試体の強度発現も同時に優れた結果が得られている。これに対し比較例2−1では、材料分離抵抗性を得るために所定の添加量を加えると、未硬化を起こし型枠を外す事ができなかった。また、比較例2−1は、セルロース系のポリマーを使用しているため、コンクリートの流動性の低下を引き起こしやすく、スランプフロー値が50cmを超える高流動性が得られなかった。

Claims (6)

  1. 下記工程(I)及び工程(II)を有するコンクリートの製造方法。
    工程(I):プラントにて、水、水硬性粉体、骨材、及びコンクリート混和剤を混練りし、水セメント重量比が40〜55重量%の水硬性組成物(I)を調製する工程
    工程(II):コンクリート施工現場において、水硬性組成物(I)に一般式(a1)で表される化合物を含有するレオロジー改質剤とカチオン性ポリマーとを添加して、スランプフロー値が50〜68cmであり、スランプ値が18〜25cmである水硬性組成物(II)を調製する工程であって、前記カチオン性ポリマーが、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートジエチル硫酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム塩)、ポリメタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウム塩、ポリメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、メタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウム塩−ビニルピロリドン共重合体、及びメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩−ビニルピロリドン共重合体から選ばれるカチオン性ポリマーである、工程
    Figure 0005295722

    (式中、R1aは炭素数10〜26のアルキル基、R2aは炭素数1〜22のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、R3a、R4aは、それぞれ、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、Yはエチレン基又はプロピレン基、nは0又は1の数、X-はパラトルエンスルホン酸に由来するアニオン基を表す。)
  2. 工程(I)で調製した水硬性組成物(I)をアジテーター車で施工現場に搬送し、工程(II)の少なくとも一部を、アジテータ車内の水硬性組成物(I)へのレオロジー改質剤の添加により行う、請求項1記載のコンクリートの製造方法。
  3. 工程(II)において、レオロジー改質剤を、該レオロジー改質剤を収容した水溶性包装体として用いる、請求項1又は2記載のコンクリートの製造方法。
  4. 水溶性包装体が、ポリビニルアルコールを原料としたシートを袋状に成型したものである、請求項3記載のコンクリートの製造方法。
  5. 工程(II)において、レオロジー改質剤と共に、更に、高性能減水剤及び高性能AE減水剤から選ばれるコンクリート混和剤を水硬性組成物(I)に添加する、請求項1〜4の何れか1項記載のコンクリートの製造方法。
  6. 工程(II)において、水硬性組成物(I)で用いた水硬性粉体100重量部に対して、一般式(a1)で表される化合物が0.01〜5重量部となるようにレオロジー改質剤を添加し、水硬性組成物(I)で用いた水硬性粉体100重量部に対して、カチオン性ポリマーを0.001〜1.0重量部添加する、請求項1〜5の何れか1項記載のコンクリートの製造方法。
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