JP6616686B2 - 水硬性組成物の硬化体の製造方法 - Google Patents

水硬性組成物の硬化体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水硬性組成物の硬化体の製造方法、遠心成形用水硬性組成物、及び遠心成形用水硬性組成物添加剤に関する。
管類、パイル、ポール等の中空円筒型コンクリート成形品を製造する方法として、遠心成形法が知られている。この遠心成形法は、型枠内に混練したコンクリート材料を投入し、型枠を高速回転させて生じる遠心力によって、型枠内面にコンクリートを押し付けるようにして締固める方法である。
日本では高強度が要求されるコンクリートパイルを製造する際に、混練から7日で出荷できる強度を担保するために、高強度混和材がコンクリートに添加され、蒸気養生が施されている。
高強度混和材は遠心成形用コンクリートの硬化体強度の向上に有効であるが、高強度混和材を多量に使用すると、製造現場では養生後のコンクリート製品が膨張したり、表面がひびわれしたりするおそれがあることが判明した。高強度混和材を低減すればこのような問題発生の回避につながると考えられるが、遠心成形用コンクリートの硬化体強度が不十分となる。
そこで、高強度混和材に依存しない遠心成形用水硬性組成物の硬化体の強度のさらなる向上が望まれる。
特許文献1には、所定のセメントに、グリセリンを基礎とする三官能性ポリアルキレングリコールを含有する組成物が開示されている。特許文献1の組成物によると、低い温度(殊に5〜15℃といった、フロストライン付近に近い温度)で最適な固化及び強度を形成でき、高い温度(殊に20〜30℃)で十分長い加工時間又はポットライフを有することが開示されている。
特許文献2には、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合体を含有するセメントコンクリートと、セルロース類を含有する急結剤スラリーが配合された吹付材料が開示されている。前記セメントコンクリートと前記急結剤スラリーとを施工前に合流混合して得た吹付材料を使用することで、吹付け時のリバウンド(跳ね返り)率が低減でき、吹付初期に高い強度が得られることが開示されている。
しかしながら、特許文献1、2には、遠心成形用水硬性組成物についての開示はない。
特表2013−521217号公報 特開2004−323356号公報
本発明は、水硬性組成物の硬化体の強度が向上し、優れた遠心成形性を有する、水硬性組成物の硬化体の製造方法、遠心成形用水硬性組成物、及び遠心成形用水硬性組成物添加剤を提供する。
本発明は、次の工程1〜4を含む水硬性組成物の硬化体の製造方法を提供する。
工程1:(A)成分、(B)成分、(C)成分、セメント、水、及び骨材を混練し、水硬性組成物を得る工程、
(A)成分:グリセリン
(B)成分:糖類から選ばれる一種以上の化合物
(C)成分:ナフタレン系重合体から選ばれる一種以上の分散剤
工程2:工程1で得られた水硬性組成物を型枠に充填する工程、
工程3:工程2で型枠に充填した水硬性組成物を、遠心力をかけて型締めする工程、
工程4:工程3で型締めした水硬性組成物を型枠中で凝結させる工程。
また、本発明は、次の工程1〜4を含む水硬性組成物の硬化体の製造方法を提供する。
工程1:(A)成分、(B)成分、(C)成分、セメント、水、及び骨材を混練し、水硬性組成物を得る工程であって、セメント100質量部に対し、(A)成分を0.01質量部以上0.15質量部以下、(B)成分を0.001質量部以上0.02質量部以下、(C)成分を0.1質量部以上4.0質量部以下、混練する工程。
(A)成分:グリセリン
(B)成分:糖類から選ばれる一種以上の化合物
(C)成分:ナフタレン系重合体から選ばれる一種以上の分散剤
工程2:工程1で得られた水硬性組成物を型枠に充填する工程。
工程3:工程2で型枠に充填した水硬性組成物を、遠心力をかけて型締めする工程。
工程4:工程3で型締めした水硬性組成物を型枠中で凝結させる工程。
また、本発明は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、セメント、水、及び骨材を含有する遠心成形用水硬性組成物であって、
セメント100質量部に対し、
(A)成分を0.01質量部以上0.15質量部以下、
(B)成分を0.001質量部以上0.02質量部以下、
(C)成分を0.1質量部以上4.0質量部以下含有する、
遠心成形用水硬性組成物を提供する。
(A)成分:グリセリン
(B)成分:糖類から選ばれる一種以上の化合物
(C)成分:ナフタレン系重合体から選ばれる一種以上の分散剤
また、本発明は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する遠心成形用水硬性組成物添加剤であって、
(A)成分を0.2質量%以上20質量%以下、
(B)成分を0.02質量%以上5質量%以下、
(C)成分を5質量%以上50質量%以下含有する、
遠心成形用水硬性組成物添加剤を提供する。
(A)成分:グリセリン
(B)成分:糖類から選ばれる一種以上の化合物
(C)成分:ナフタレン系重合体から選ばれる一種以上の分散剤
本発明によれば、水硬性組成物の硬化体の強度が向上し、優れた遠心成形性を有する、水硬性組成物の硬化体の製造方法、遠心成形用水硬性組成物、及び遠心成形用水硬性組成物添加剤が提供される。本発明によれば、例えば、遠心成形用水硬性組成物を調製後、それを用いた硬化体の7日後の強度において、高い強度を有する硬化体が得られる。
比較例1の調製30分後の遠心成形用水硬性組成物を用いた硬化体の外観を示す写真 比較例2の調製30分後の遠心成形用水硬性組成物を用いた硬化体の外観を示す写真 比較例6の調製30分後の遠心成形用水硬性組成物を用いた硬化体の外観を示す写真 実施例1の調製30分後の遠心成形用水硬性組成物を用いた硬化体の外観を示す写真 実施例4の調製30分後の遠心成形用水硬性組成物を用いた硬化体の外観を示す写真
本発明者らは、グリセリンとスクロース等の糖類とを、好ましくは、それぞれ一定量以下で水硬性組成物に配合すると、相乗的に水硬性組成物の硬化体の7日強度の向上効果が得られることを見出した。なお、7日強度は、硬化体の強度を示す指標である。
グリセリンと糖類は、共にセメントの水和反応の最適化に寄与するが、その働きにおける両者の挙動は異なる。
グリセリンは、セメントのC3Aに作用することにより、セメントの水和反応を促進する。そのときに、エトリンガイトを生成する。エトリンガイトは、水硬性組成物中に存在するとアルミン酸カルシウム水和物に分解することにより、7日強度が発現しにくくなると考えられる。スクロース等の糖類はエトリンガイトに作用することにより、水硬性組成物中でのエトリンガイトを安定化する。その結果、エトリンガイトによる7日強度低下への作用を抑制し、水硬性組成物の硬化体における良好な強度を発現するものと推認される。
以下、まず、本発明の遠心成形用水硬性組成物について説明する。本発明の遠心成形用水硬性組成物で述べた事項は、適宜、後述する本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法及び本発明の遠心成形用水硬性組成物添加剤に適用することができる。
[遠心成形用水硬性組成物]
<(A)成分>
本発明の遠心成形用水硬性組成物において、(A)成分はグリセリンである。
(A)成分を用いることで、その硬化体は7日強度に優れる。
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、水硬性組成物の硬化体の7日強度の観点から、(A)成分を、セメント100質量部に対し、0.01質量部以上、好ましくは0.02質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上、そして、0.15質量部以下、好ましくは0.10質量部以下、より好ましくは0.07質量部以下、含有する。
<(B)成分>
本発明の遠心成形用水硬性組成物において、(B)成分は糖類から選ばれる一種以上の化合物である。糖類には、単糖類、二糖類、糖骨格を3〜6個有する少糖類(オリゴ糖)、及び糖誘導体(デオキシ糖、ウロン酸、アミノ糖等)が含まれる。
具体的な単糖類として、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース、アビオース、リブロース、キシルロース等のテトロース(五炭糖)、アロース、タロース、グロース、グルコース、アルトロース、マンノース、イドース、ガラクトース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース等のヘキソース、シマロース(六炭糖)、セドヘプツロース、コリオース等のヘプトース(七炭糖)等が挙げられる。
また具体的な二糖類として、トレハロース、イソトレハロース、コージビオース、ソホロース、ニゲロース、ラミナリビオース、マルトース、セロビオース、イソマルトース、ゲンチビオース、ラクトース、スクロース、メリビオース、パラチノース、アガロビオース、キシロビオース、ラクツロース、ルチノース等が挙げられる。
また具体的な少糖類(オリゴ糖)として、ラフィノース、ゲンチアノース、セロトリオース、マルトトリオース、メレンジトース等の三糖類、スタキオース等の四糖類、キシロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、フルクトオリゴ糖、キトサンオリゴ糖、キチンオリゴ糖、セロオリゴ糖等のオリゴ糖等が挙げられる。
また具体的な多糖類として、カードラン、シクロデキストリン、ペクチン、デンプン、アガロース、アミロース、アミロペクチン、アラビナン、アラビノガラクタン、アルギン酸、イヌリン、ガラクタン、キシラン、キチン、キトサン、グリコーゲン、グルコマンナン、ケラタン硫酸、コロミン酸、セルロース、デキストラン、ペクチン、ペクチン酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、マンナン、リケナン、レバン、レンチナン等、が挙げられる。
これら多糖類は、単糖、二糖、少糖類(糖骨格を3〜6個有する)を含んでいても構わない。
また具体的な糖誘導体として、デオキシリボース、フコース、ラムノース等のデオキシ糖、グルクロン酸、ガラクスロン酸、イズロン酸、マンヌロン酸、グルロン酸等のウロン酸、グルコサミン、ガラクトサミン、フコサミン、マンノサミン等のアミノ糖等が挙げられる。
水硬性組成物を含むコンクリートの流動性の観点から、糖類としては、グルコース、マルトース、スクロース、トレハロース、セロビオース、ラクトース、シクロデキストリン、ペクチン、デンプン、アガロース、アミロース、アミロペクチン、アルギン酸、キチン、キトサン、グリコーゲン、セルロース、デキストラン、ペクチン、ペクチン酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、及びβ−シクロデキストリンからなる群より選ばれる一種以上の化合物がより好ましく、グルコース、マルトース、スクロース、及びβ−シクロデキストリンからなる群より選ばれる一種以上の化合物が更に好ましい。
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、水硬性組成物を含むコンクリートの流動性の観点から、(B)成分を、セメント100質量部に対し、0.001質量部以上、好ましくは0.002質量部以上、より好ましくは0.003質量部以上、そして、0.02質量部以下、より好ましくは0.01質量部以下、より好ましくは0.008質量部以下、含有する。
<(C)成分>
本発明の遠心成形用水硬性組成物において、(C)成分は、ナフタレン系重合体から選ばれる一種以上の分散剤である。(C)成分は、セメント等の水硬性粉体の分散剤として機能し、液状及び粉末状のものを用いることができる。
(C)成分としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物が好ましい。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の重量平均分子量は、好ましくは1000以上、より好ましくは3000以上、更に好ましくは4000以上、より更に好ましくは5000以上、そして、好ましくは200000以下、より好ましくは100000以下、更に好ましくは80000以下、より更に好ましくは50000以下である。この重量平均分子量は、次に示すゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定されたものである。
GPC条件
カラム:G4000SWXL+G200SWXL(東ソー株式会社製)
溶離液:30mMCHCOONa/CHCN=6/4(pH=6.9)
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:UV(280nm)
サンプルサイズ:2mg/mL,0.01mL
換算用標準物質:ポリスチレンスルホン酸
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の製造方法は、例えば、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとを縮合反応により縮合物を得る方法が挙げられる。前記縮合物の中和を行っても良い。また、中和で副生する水不溶解物を除去しても良い。例えば、次の製造方法が挙げられる。まず、ナフタレンスルホン酸を得るために、ナフタレン1モルに対して、硫酸1.2〜1.4モルを用い、150〜165℃で2〜5時間反応させてスルホン化物を得る。次いで、該スルホン化物1モルに対して、ホルムアルデヒドとして0.95〜0.99モルとなるようにホルマリンを85〜95℃で、3〜6時間かけて滴下し、滴下後95〜105℃で縮合反応を行う。要すれば縮合物に、水と中和剤を加え、80〜95℃で中和工程を行う。中和剤は、ナフタレンスルホン酸と未反応硫酸に対してそれぞれ1.0〜1.1モル倍添加することが好ましい。また中和により生じる水不溶解物を除去、好ましくは濾過により分離しても良い。これらの工程によって、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物水溶性塩の水溶液が得られる。この水溶液をナフタレン系分散剤としてそのまま使用することができる。更に必要に応じて該水溶液を乾燥、粉末化して粉末状のナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物水溶性塩を得ることができ、これを粉末状のナフタレン系分散剤として用いてもよい。乾燥、粉末化は、噴霧乾燥、ドラム乾燥、凍結乾燥等により行うことができる。上記方法により、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物を得る事ができるが、その他の条件や方法にて目的物を得る事ができる。
(C)成分としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の市販品を使用することもでき、例えばマイテイ150(花王(株)製)等が挙げられる。
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、水硬性組成物の硬化体の7日強度の観点から、(C)成分を、セメント100質量部に対し、0.1質量部以上、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、そして、4.0質量部以下、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.0質量部以下、含有する。
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、(A)成分と(B)成分の質量比である(A)/(B)が、水硬性組成物の硬化体の成形性と強度の両立の観点から、好ましくは1.0以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは3.0以上、そして、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは10以下である。
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、水硬性組成物の硬化体の成形性と強度の両立の観点から、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計量中、(A)成分の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、そして、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下である。
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、水硬性組成物の硬化体の成形性と強度の両立の観点から、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計量中、(B)成分の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは3.0質量%以下、より好ましく2.0質量%以下、である。
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、水硬性組成物の硬化体の成形性の観点から、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計量中、(C)成分の含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは99質量%以下である。
<(D)成分>
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、(D)成分として高強度混和材を含有してもよい。
(D)成分としては、無水石膏を含む高強度混和材が挙げられる。無水石膏を含む高強度混和材は、無水石膏を60質量%以上含有するものが挙げられる。
(D)成分は、粉末度(ブレーン比表面積)が好ましくは4000cm/g以上、より好ましくは5000cm/g以上、好ましくは15000cm/g以下、より好ましくは13000cm/g以下の範囲であってもよい。
(D)成分は、電気化学工業株式会社製デンカΣ1000、太平洋マテリアル株式会社製スーパーミックス、住友大阪セメント株式会社製ノンクレーブ、昭和KDE株式会社製ダイミックスなどの市販品を用いることができる。
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、(D)成分を、セメント100質量部に対し、水硬性組成物の硬化体の7日強度の観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは4質量部以上、更に好ましくは7質量部以上、含有する。
また、本発明の遠心成形用水硬性組成物は、遠心成形時の成形の容易性の観点と水硬性組成物の硬化後の膨張やひび割れの発生を回避する観点から、(D)成分を、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、含有する。
<セメント>
本発明の遠心成形用水硬性組成物に用いるセメントとしては、特に制限はなく、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、混合セメント、エコセメント(例えばJIS R5214等)等の各種セメントが挙げられる。遠心成形用水硬性組成物には、セメント以外の水硬性粉体として、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム等が含まれてよい。
<骨材>
本発明の遠心成形用水硬性組成物に用いる骨材としては、細骨材や粗骨材等が挙げられ、細骨材は山砂、陸砂、川砂、砕砂が好ましく、粗骨材は山砂利、陸砂利、川砂利、砕石が好ましい。用途によっては、軽量骨材を使用してもよい。なお、骨材の用語は、「コンクリート総覧」(1998年6月10日、技術書院発行)による。
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、骨材として細骨材を含有する場合、水硬性組成物1mに対する細骨材の含有量は、水硬性組成物の遠心成形性と強度の観点から、450kg以上が好ましく、550kg以上がより好ましく、そして、950kg以下が好ましく、750kg以下がより好ましい。
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、骨材として粗骨材を含有する場合、粗骨材の水硬性組成物1mに対する含有量は、水硬性組成物の遠心成形性と強度の観点から、1000kg以上が好ましく、1050kg以上がより好ましく、そして、1300kg以下が好ましく、1200kg以下がより好ましい。
また本発明の遠心成形用水硬性組成物は、骨材として、細骨材と粗骨材とを含有することができる。
<その他の成分及び遠心成形用水硬性組成物の物性等>
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、その他の添加剤を含有することもできる。例えば、以下の成分が挙げられる。
・(D)成分以外の粉末混和材:炭酸カルシウム、フライアッシュ、高炉スラグ、もみ殻灰、非晶質シリカフューム等
・AE剤:樹脂石鹸、飽和もしくは不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホネート、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩、蛋白質材料、アルケニルコハク酸、α−オレフィンスルホネート等
・起泡剤
・増粘剤
・珪砂
・発泡剤
・防水材:樹脂酸又はその塩、脂肪酸エステル、油脂、シリコーン、パラフィン、アスファルト、ワックス等
・高炉スラグ
・流動化剤
・消泡剤:ジメチルポリシロキサン系、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル系、鉱油系、油脂系、オキシアルキレン系、アルコール系、アミド系等
・防泡剤
・防錆剤:亜硝酸塩、燐酸塩、酸化亜鉛等
・水溶性高分子(但し(B)成分を除く):メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系、β−1,3−グルカン、キサンタンガム等の天然物系水溶性高分子、ポリアクリル酸アミド、ポリエチレングリコール、オレイルアルコールのエチレンオキシド付加物もしくはこれとビニルシクロヘキセンジエポキシドとの反応物等の合成系水溶性高分子等
・高分子エマルジョン:(メタ)アクリル酸アルキル等の単量体を用いた高分子のエマルジョン
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、セメントの含有量に対する水の含有量の割合が、(水の含有量)/(セメントの含有量)×100(以下、W/Cという)で、生コンクリートの、混練性、及び作業性の観点から、好ましくは15質量%以上である。そして、遠心成形による硬化体における内面平滑性、端面の外観の改善効果の観点から、W/Cは、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
また本発明の遠心成形用水硬性組成物は、(D)成分やその他の粉末混和材(以下、まとめて粉末混和材という)を含有する場合、粉末混和材の含有量とセメントの含有量に対する水の含有量の割合が、(水の含有量)/(粉末混和材の含有量とセメントの含有量の合計)×100(以下、W/Pという)で、生コンクリートの、混練性、及び作業性の観点から、好ましくは13質量%以上である。そして、遠心成形による硬化体における内面平滑性、端面の外観の改善効果の観点から、W/Pは、好ましくは33質量%以下、より好ましくは28質量%以下、更に好ましくは23質量%以下である。
本発明の遠心成形用水硬性組成物が細骨材(S)と粗骨材(G)を含有する場合、水硬性組成物の硬化体の7日強度の観点から、細骨材率(s/a)は、好ましくは30体積%以上、より好ましくは35体積%以上、そして、好ましくは45体積%以下、より好ましくは40体積%以下である。s/aは、細骨材(S)と粗骨材(G)の体積に基づき、s/a=〔S/(S+G)〕×100(体積%)で算出されるものである。
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、細骨材と粗骨材とを含有することができる。その場合、遠心成形体の内面平滑性の観点から細骨材を、未硬化のコンクリート(フレッシュ状態のコンクリート)1mに対して、好ましくは450kg以上、より好ましくは550kg以上、そして、好ましくは950kg以下、より好ましくは750kg以下含有する。また、粗骨材を、未硬化のコンクリート(フレッシュ状態のコンクリート)1mに対して、1000kg以上、より好ましくは1050kg以上、そして、好ましくは1300kg以下、より好ましくは1200kg以下含有する。
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、ノロの低減の観点から、スランプ値が、好ましくは0cm以上8cm以下であり、水硬性組成物の内面平滑性の観点から、好ましくは0.5cm以上、より好ましくは1cm以上、そして、好ましくは6cm以下、より好ましくは4cm以下である。スランプ値は、JIS A 1101に従い測定する。
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、コンクリート、又はモルタルとして使用できる。
〔水硬性組成物の硬化体の製造方法〕
本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法は、次の工程1〜4を含む。
工程1:次の(A)成分、(B)成分、(C)成分、セメント、水、及び骨材を混練し、水硬性組成物を得る工程。
(A)成分:グリセリン
(B)成分:糖類から選ばれる一種以上の化合物
(C)成分:ナフタレン系重合体から選ばれる一種以上の分散剤
工程2:工程1で得られた水硬性組成物を型枠に充填する工程。
工程3:工程2で型枠に充填した水硬性組成物を、遠心力をかけて型締めする工程。
工程4:工程3で型締めした水硬性組成物を型枠中で凝結させる工程。
具体的には、本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法は、次の工程1〜4を含む。
工程1:(A)成分、(B)成分、(C)成分、セメント、水、及び骨材を混練し、水硬性組成物を得る工程であって、セメント100質量部に対し、(A)成分を0.01質量部以上0.15質量部以下、(B)成分を0.001質量部以上0.02質量部以下、(C)成分を0.1質量部以上4.0質量部以下、混練する工程。
(A)成分:グリセリン
(B)成分:糖類から選ばれる一種以上の化合物
(C)成分:ナフタレン系重合体から選ばれる一種以上の分散剤
工程2:工程1で得られた水硬性組成物を型枠に充填する工程。
工程3:工程2で型枠に充填した水硬性組成物を、遠心力をかけて型締めする工程。
工程4:工程3で型締めした水硬性組成物を型枠中で凝結させる工程。
工程1で用いる(A)成分、(B)成分、(C)成分、セメント、水、骨材の好ましい態様は、それぞれ前記した本発明の遠心成形用水硬性組成物における各成分の好ましい態様と同じである。
工程1で得られる水硬性組成物が、本発明の遠心成形用水硬性組成物であってもよい。
工程1でのセメント100質量部に対する(A)成分の混練量の範囲は、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.02質量部以上、更に好ましくは0.03質量部以上、そして、好ましくは0.15質量部以下、より好ましくは0.10質量部以下更に好ましくは0.07質量部以下である。
工程1でのセメント100質量部に対する(B)成分の混練量の範囲は、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.002質量部以上、更に好ましくは0.005質量部以上、そして、好ましくは0.02質量部以下、より好ましくは0.01質量部以下、更に好ましくは0.008質量部以下である。
工程1でのセメント100質量部に対する(C)成分の混練量の範囲は、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上そして、好ましくは4.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下である。
工程1では、(A)成分と(B)成分の質量比である(A)/(B)が、水硬性組成物の硬化体の成形性と強度の両立の観点から、好ましくは1.0以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは3.0以上、そして、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは10以下である。
工程1では、(A)成分、(B)成分、(C)成分はそれぞれ別々に添加してもよいし、予めこれらの2種以上を混合してから添加してもよい。また、水硬性組成物を調製する際に、セメントと骨材とを混合した後、水と(A)成分と(B)成分と(C)成分とを含む混合物を添加して混合する方法が、水硬性組成物を製造する際に、(A)成分、(B)成分、(C)成分を容易に均一に混合できる点で好ましい。
工程1の具体的な方法としては、セメント及び骨材を混合し、水と(A)成分と(B)成分と(C)成分とを含む混合物を、前記の量的関係を満たすように添加し、混練して水硬性組成物を調製する工程が挙げられる。
工程1で用いられる混練手段として、具体的には、パン型ミキサー、2軸ジクロスミキサー、強制2軸ミキサー、強制複数軸ミキサー等が挙げられる。
工程1では、更に次の(D)成分を添加して、水硬性組成物を調製してもよい。
(D)成分:無水石膏を含む高強度混和材
工程1で用いる(D)成分の好ましい態様は、前記した本発明の遠心成形用水硬性組成物における(D)成分と同じである。
工程1でのセメントに対する(D)成分の混練量の好ましい範囲は、前記した本発明の遠心成形用水硬性組成物における(D)成分の含有量の好ましい範囲と同じである。
また工程1では、更にその他添加剤、例えば(D)成分以外の粉末混和材、好ましくは炭酸カルシウムを添加して、水硬性組成物を調製してもよい。
工程1で用いる(D)成分の好ましい態様は、前記した本発明の遠心成形用水硬性組成物における(D)成分と同じである。
工程1では、水硬性組成物を調製する際に、セメント、(D)成分やその他粉体混和材、骨材を混合した後、水と(A)成分と(B)成分と(C)成分とを含む混合物を、前記の量的関係を満たすように添加し、混練して水硬性組成物を調製してもよい。
工程1では、生コンクリートの、混練性、作業性、及びの観点から、W/Cが、好ましくは15質量%以上、そして、遠心成形による硬化体における内面平滑性、端面の外観の改善効果の観点から、W/Cは、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下の水硬性組成物を得る。
また工程1では、生コンクリートの、混練性、作業性、及び保存安定性の観点から、W/Pが、好ましくは13質量%以上、そして、遠心成形による硬化体における内面平滑性、端面の外観の改善効果の観点から、W/Pは、好ましくは33質量%以下、より好ましくは28質量%以下、更に好ましくは23質量%以下の水硬性組成物を得る。
工程2で、工程1で得られた水硬性組成物を型枠に充填する方法は、混練後の水硬性組成物を混練手段から排出し、手作業にて型枠へ投入してならす方法が挙げられる。
工程3では、型枠に充填した水硬性組成物を、0.5G以上の遠心力で型締めすることが好ましい。遠心成形の遠心力は、好ましくは0.5G以上、そして、30G以下、より好ましくは25G以下である。エネルギーコスト低減と成形性向上の面から、少なくとも1分以上、遠心力を15G以上、そして、30G以下、更に25G以下の範囲に保持することが好ましい。
遠心力での締め固めは、例えば0.5G以上30G以下の遠心力で、好ましくは5分以上、より好ましくは7分以上、更に好ましくは9分以上、そして、好ましくは40分以下行なう。
遠心力での締め固めは、段階に分けて行うことができ、水硬性組成物の硬化体の成形性の観点から、段階的に遠心力Gを大きくする方法が好ましい。例えば、五段階の場合、(1)一段階目である初速が0.5G以上2G未満の遠心力で1分間以上10分間以下、(2)二段階目である二速が2G以上5G未満の遠心力で1分間以上10分間以下、(3)三段階目である三速が5G以上10G未満の遠心力で1分間以上10分間以下、(4)四段階目である四速が10G以上20G未満の遠心力で1分間以上10分間以下、(5)五段階目である五速が20G以上30Gの遠心力で1分間以上10分間以下、締め固めを行うことが好ましい。
工程4では、工程3で得られた水硬性組成物を凝結させる。具体的には、例えば、混練後3〜4時間の気中養生を行う方法が挙げられる。
更に本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法は、次の工程5を含むことができる。
工程5:工程4で凝結した水硬性組成物を型枠中で蒸気養生する工程。
工程5では、工程4で得られた型枠に入った硬化した水硬性組成物を蒸気養生する。養生条件としては、室温(20℃)に1〜4時間放置する前養生を行った後、60℃以上85℃以下で蒸気養生を行なうことが好ましい。
具体的な養生条件として、1時間当たり10℃以上30℃以下の昇温速度で型枠の周囲温度を60℃以上85℃以下に昇温し、昇温した温度を2時間以上8時間以下保持する。
更に本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法は、更に次の工程6、工程7を含むことができる。
工程6:工程5の後、水硬性組成物を冷却して、型枠から脱型する工程。
工程7:工程6で得られた水硬性組成物の硬化体を常温常圧で養生する工程。
工程5と工程6は一連の温度制御のもとに連続して行うことができる。
具体的な養生条件として、工程5に次いで、工程6として、1時間当たり5℃以上20℃以下の降温速度で室温、例えば20℃まで冷却し、成形体を脱型する。
工程5と工程6の、一連の好ましい条件の一例を挙げれば、室温、例えば20℃に4時間放置し、昇温速度20℃/時間、60℃で4時間保持し(工程5)、次いで、10℃/時間で室温まで冷却して、20時間以上30時間以下の後に成形体を脱型する(工程6)方法が挙げられる。
また、更に、100〜180℃でのオートクレーブ養生を行なう事も可能である。
工程7では、工程6で得られた水硬性組成物の硬化体を常温常圧で養生する。具体的には、20℃、大気圧下で保存する。
本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法としては、水硬性組成物の調製を開始してから脱型するまでの時間が8時間以上30時間以下である、水硬性組成物の硬化体の製造方法が挙げられる。ここで、水硬性組成物の調製の開始とは、セメントと水とが最初に接触した時点である。
本発明の製造方法により得られる水硬性組成物の硬化体は、遠心成形コンクリート製品として使用でき、具体的には、パイル、ポール、ヒューム管等が挙げられる。本発明の製造方法により得られる水硬性組成物の硬化体は、初期強度に優れるとともに、締め固めに優れることから、当該製品の内面及び端面凹凸が少なく、表面美観に優れるとともに、更に製品内面が平滑に仕上がることから、パイル打ち込み、中堀工法時の切削機の障害が改善される。
<遠心成形用水硬性組成物添加剤>
本発明の遠心成形用水硬性組成物添加剤は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する遠心成形用水硬性組成物添加剤であって、
(A)成分を0.2質量%以上20質量%以下、
(B)成分を0.02質量%以上5質量%以下、
(C)成分を5質量%以上50質量%以下含有する。
(A)成分、(B)成分、(C)成分の説明は、本発明の遠心成形用水硬性組成物で用いられる(A)成分、(B)成分、(C)成分と同じものであり、(A)成分、(B)成分、(C)成分の好ましい態様も、それぞれ前記した本発明の遠心成形用水硬性組成物における各成分の好ましい態様と同じである。
本発明の遠心成形用水硬性組成物添加剤は、(A)成分を、0.2質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、そして、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、含有する。
本発明の遠心成形用水硬性組成物添加剤は、(B)成分を、0.02質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.08質量%以上、そして、5質量%以下、好ましくは3.5質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、含有する。
本発明の遠心成形用水硬性組成物添加剤は、(C)成分を、5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、そして、50質量%以下、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、含有する。
また、本発明の遠心成形用水硬性組成物添加剤は、水硬性組成物の硬化体の成形性と強度の両立の観点から、該添加剤中、(A)成分の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上、そして、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下、より更に好ましくは4.0質量%以下である。
また、本発明の遠心成形用水硬性組成物添加剤は、水硬性組成物の硬化体の成形性と強度の両立の観点から、該添加剤中、(B)成分の含有量は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.20質量%以上、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましく0.5質量%以下、更に好ましくは0.4質量%以下である。
また、本発明の遠心成形用水硬性組成物添加剤は、水硬性組成物の硬化体の成形性の両立の観点から、該添加剤中、(C)成分の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは48質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。
本発明の遠心成形用水硬性組成物添加剤は、(A)成分と(B)成分の質量比である(A)/(B)が、水硬性組成物の硬化体の成形性と強度の両立の観点から、好ましくは1.0以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは3.0以上、そして、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは10以下である。
本発明の遠心成形用水硬性組成物添加剤は、添加剤として、水を含有することが好ましい。
(A)成分、(B)成分、(C)成分には以下のものを用いた。
[(A)成分]
グリセリン:花王(株)製、純度98%以上
[(B)成分]
スクロース:和光純薬工業(株)製、純度98%以上
マルトース:和光純薬工業(株)製、純度98%以上
グルコース:和光純薬工業(株)製、純度98%以上
β−シクロデキストリン:和光純薬工業(株)製、純度98%以上
[(C)成分]
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物(表中、NSFと表記):重量平均分子量20,000、花王株式会社製、マイテイ150。重量平均分子量は、前記条件のGPCにて測定を行なった。
表1、2中の成分は以下である。
W:和歌山市水道水
C:早強ポルトランドセメント:太平洋セメント(株)製普通ポルトランドセメント/住友大阪セメント(株)製普通ポルトランドセメント=50/50(質量比)の混合セメント
S:細骨材、城陽産 山砂
(1−1)7日強度評価用モルタルの調製
表1に示す配合条件でモルタルを製造した。具体的には、パン型ミキサーを用いて、セメント(C)、細骨材(S)を投入し空練りを15秒間行い、(A)成分、(B)成分、(C)成分を含む練り水(W)を加え低速回転にて300秒間混練して遠心成形用モルタルを調製した(工程1)。Wの量が表1のWの量である。
なお、(A)成分、(B)成分、(C)成分のセメント100質量部に対する有効分の添加量(質量部)は表3、表4の通りである。
(1−2)遠心成形用コンクリートの調製
表2に示す配合条件で0.03mのコンクリートを製造した。具体的には、2軸ジクロスミキサーを用いて、セメント(C)、細骨材(S)、粗骨材(G)を投入し空練りを30秒間行い、(A)成分、(B)成分、(C)成分を含む練り水(W)を加え低速回転にて300秒間混練して遠心成形用コンクリートを調製した(工程1)。Wの量が表2のWの量である。
なお、(A)成分、(B)成分、(C)成分のセメント100質量部に対する有効分の添加量(質量部)は表3の通りである。
(2−1)7日強度評価
前記(1−1)で得られた遠心成形用モルタルを用いて、本発明の工程2〜5、更に工程6、7を行い、7日強度測定用の硬化体を製造した。
JIS A1132に従い、円柱型プラモールド(内径:5cm、高さ10cm)の型枠に、二層詰め方式によりモルタルを充填した。20℃で1時間、前置きした後、20℃/時間の割合で60℃まで昇温し、60℃で4時間保持して蒸気養生を行った。その後、常温(20℃)まで自然冷却し、大気中で養生を行い、モルタル硬化体を得た。そして、7日後にそれぞれの硬化体について、JIS A1108に基づいて硬化体の圧縮応力を測定し、圧縮強度を求めた。これらの結果を表3、表4に示した。なお、ここで得られた圧縮強度は、遠心成形して得た硬化体の圧縮強度と相関する。
(2−2)遠心成形性評価
前記(1−2)で得られた遠心成形用コンクリートを用いて本発明の工程2〜5、更に工程6、7を行うことで、遠心成形性評価用の硬化体を製造した。
調製30分後の遠心成形用コンクリートを遠心成形型枠(内径20cm、外径25cm、高さ40cm)に入れて(工程2)、初速が1Gで3分間、二速が3Gで3分間、三速が7Gで2分間、四速が15Gで2分間、五速が25Gで2分間の条件で遠心締め固めを行った(工程3)。その後、20℃で4時間、前置きした後(工程4)、20℃/時間の割合で60℃まで昇温し、60℃で4時間して蒸気養生を行った(工程5)。その後、常温(20℃)まで自然冷却し、脱型後大気中で養生を24時間行い(工程6、7)、筒状のコンクリート硬化体(内径12cm、外径20cm、高さ30cm)を得た。
筒状のコンクリート硬化体の上端面の部分の厚み(mm)を、4箇所測定し、4箇所の厚みの標準偏差を算出し、結果を表3に示した。標準偏差は小さいほど筒状の硬化体の厚みの変動が小さく、遠心成形性に優れる。
なお、一部の比較例及び実施例の硬化体の外観写真を図1〜5に示した。図1〜5には、厚み(mm)の標準偏差に応じて、以下の基準で記号を付して示した。
○:筒状の硬化体の4箇所の厚み(mm)の標準偏差が1未満
×:筒状の硬化体の4箇所の厚み(mm)の標準偏差が1以上

Claims (5)

  1. 次の工程1〜4を含む水硬性組成物の硬化体の製造方法。
    工程1:(A)成分、(B)成分、(C)成分、セメント、水、及び骨材を混練し、水硬性組成物を得る工程であって、
    セメント100質量部に対し、(A)成分を0.01質量部以上0.15質量部以下、(B)成分を0.001質量部以上0.02質量部以下、(C)成分を0.1質量部以上4.0質量部以下、混練する工程。
    (A)成分:グリセリン
    (B)成分:糖類から選ばれる一種以上の化合物(マンノース、ガラクトース、タロース、リボース、及びエリトロースを除く。)
    (C)成分:ナフタレン系重合体から選ばれる一種以上の分散剤
    工程2:工程1で得られた水硬性組成物を型枠に充填する工程。
    工程3:工程2で型枠に充填した水硬性組成物を、遠心力をかけて型締めする工程。
    工程4:工程3で型締めした水硬性組成物を型枠中で凝結させる工程。
  2. 更に、次の工程5を含む請求項1に記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
    工程5:工程4で凝結した水硬性組成物を型枠中で蒸気養生する工程。
  3. 工程1における(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)が1.0以上100以下である、請求項1又は2に記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
  4. (A)成分、(B)成分、(C)成分、セメント、水、及び骨材を含有する遠心成形用水硬性組成物であって、
    セメント100質量部に対し、
    (A)成分を0.01質量部以上0.15質量部以下、
    (B)成分を0.001質量部以上0.02質量部以下、
    (C)成分を0.1質量部以上4.0質量部以下含有する、
    遠心成形用水硬性組成物。
    (A)成分:グリセリン
    (B)成分:糖類から選ばれる一種以上の化合物(マンノース、ガラクトース、タロース、リボース、及びエリトロースを除く。)
    (C)成分:ナフタレン系重合体から選ばれる一種以上の分散剤
  5. (A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する遠心成形用水硬性組成物添加剤であって、
    (A)成分を0.2質量%以上20質量%以下、
    (B)成分を0.02質量%以上5質量%以下、
    (C)成分を5質量%以上50質量%以下含有する、
    遠心成形用水硬性組成物添加剤。
    (A)成分:グリセリン
    (B)成分:糖類から選ばれる一種以上の化合物(マンノース、ガラクトース、タロース、リボース、及びエリトロースを除く。)
    (C)成分:ナフタレン系重合体から選ばれる一種以上の分散剤
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