JP5295660B2 - ワイヤハーネス製造治具及びワイヤハーネスの製造方法 - Google Patents

ワイヤハーネス製造治具及びワイヤハーネスの製造方法 Download PDF

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本発明は少なくともアルミ電線を含むワイヤハーネスを所望の経路で布線するための複数の布線治具を備えるワイヤハーネス製造治具、及びそのワイヤハーネス製造治具を用いたワイヤハーネスの製造方法に関する。
図12において、自動車等の車両に所望の経路で配索されるワイヤハーネス1は、電力線や信号線などの各種電線を多数束ねることにより製造されている。ワイヤハーネス1には、この幹線2から分岐線3が複数分岐されている。各分岐線3の端末には、コネクタ4が設けられている。このようなワイヤハーネス1は、図13に示す如くのワイヤハーネス製造治具5によって製造されている(例えば下記特許文献1参照)。
ワイヤハーネス製造治具5は、基板6と、この基板6の表面に固定される複数の布線治具7と、同じく基板6の表面に固定される複数のコネクタ保持部材8とを備えて構成されている。布線治具7は、ワイヤハーネス1の配索経路に合わせて配置されている。この布線治具7は、幹線2を基板6表面から一定の高さ位置で支持すると共に、配索経路に合わせて分岐線3を幹線2に対し様々な方向へ曲げて布線するための治具になっている。
図14において、布線治具7は、一端が基板6に固定されるシャフト部9と、このシャフト部9の他端に連成されるフォーク部10とを有している。フォーク部10は、底部分となる電線載置部11と、この電線載置部11の両端からそれぞれ真っ直ぐ上にのびる左右一対の棒状のガイド部12とを有している。フォーク部10は、略音叉形状に形成されている。尚、図12の引用符号13はテープ巻きを示している。
ところで、近年においては、車両の軽量化の要求に伴ってワイヤハーネスの軽量化も一層強く要望されることから、電線束の構成にアルミ電線を含んだワイヤハーネスが用いられるようになってきている(例えば下記特許文献2参照)。アルミ電線は、アルミニウム材からなる素線を撚り合わせた導体と、この導体を被覆する被覆材とを備えて構成されている。
特開平6−318410号公報 特開平8−124426号公報
アルミ電線は、一般的な銅電線に比べて屈曲性などの機械的強度が劣ることが知られている。従って、従来の布線治具7を用いて少なくともアルミ電線を含むワイヤハーネスを製造する場合には、十分な注意が必要である。例えば、一般的な銅電線からなる分岐線3は、図14に示す如く細い棒状のガイド部12に引っ掛けてこのガイド部12と接触する一点のみに荷重がかかるような曲げ布線を行っても問題ないが、アルミ電線を同様に曲げ布線すると、機械的強度面に支障を来してしまうことになる。従って、従来の布線治具7にあっては、アルミ電線を含むワイヤハーネスを製造する工程のうち、特にアルミ電線を曲げ布線する場合に適していないという問題点を有している。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、アルミ電線の曲げ布線に好適な布線治具を有するワイヤハーネス製造治具を提供することを課題とする。また、アルミ電線を含むワイヤハーネスの製造に好適な製造方法をあわせて提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明のワイヤハーネス製造治具は、少なくともアルミ電線を含むワイヤハーネスを所望の経路に布線するための複数の布線治具を備えるワイヤハーネス製造治具において、前記布線治具は、前記アルミ電線を所望の方向に曲げて布線するためのアルミ電線用布線治具を含み、該アルミ電線用布線治具は、複数の布線ガイドからなる布線治具本体と、該布線治具本体を支持する支軸とを有し、前記複数の布線ガイドは、それぞれ、前記支軸を中心として該支軸から遠心方向に伸びるシャフト部と、該シャフト部の先端に形成されて前記アルミ電線を受ける電線受け部とを有することを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、アルミ電線を所望の方向に曲げて布線する必要がある場合には、アルミ電線用布線治具を用いる。アルミ電線用布線治具を用いると、複数の電線受け部を有することから、各電線受け部に沿わせて布線を行うだけで、複数の接触部分を有する状態でアルミ電線を曲げることができる。従って、アルミ電線にかかる荷重が一点に集中することのない状態で曲げ布線を行うことができる。すなわち、アルミ電線の機械的強度の低下につながるようなことはない。尚、布線治具本体は、布線ガイドの数を調節することにより、ワイヤハーネス製造治具における他の部品との干渉を避けることが可能になる。
請求項2記載の本発明のワイヤハーネス製造治具は、請求項1に記載のワイヤハーネス製造治具において、各前記電線受け部は、前記シャフト部の前記先端に位置するシャフト連結部と、該シャフト連結部の両端から伸びて横向きに開口する上下一対のガイド部とを有することを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、上下に並ぶ一対のガイドによりアルミ電線の上下方向の移動が規制される。これにより、布線されたアルミ電線はこの位置が安定し、結果、製造後のワイヤハーネス線長も安定する。
請求項3記載の本発明のワイヤハーネス製造治具は、請求項1に記載のワイヤハーネス製造治具において、各前記電線受け部は、前記シャフト部の前記先端に位置するシャフト連結部と、該シャフト連結部の両端から伸びて上向きに開口する左右一対のガイド部とを有することを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、左右に並ぶ一対のガイドによりアルミ電線の左右方向の移動が規制される。これにより、布線されたアルミ電線はこの位置が安定し、結果、製造後のワイヤハーネス線長も安定する。
請求項4に記載の本発明のワイヤハーネス製造治具は、請求項2に記載のワイヤハーネス製造治具において、前記上下一対のガイド部は、前記アルミ電線の挿抜を行う側となる上側が下側よりも短く形成されることを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、上側のガイド部が短いことから、アルミ電線を布線する作業やワイヤハーネスを取り出す作業が行い易くなる。
請求項5記載の本発明のワイヤハーネス製造治具は、請求項2又は請求項4に記載のワイヤハーネス製造治具において、前記上下一対のガイド部を有する前記アルミ電線布線治具は、前記布線ガイドの各前記シャフト連結部に接し、該シャフト連結部同士を結んで描く円弧状の軌跡に沿う環状の弾性部材を更に有することを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、環状の弾性部材に沿って布線を行うことにより、アルミ電線は環状の弾性部材に対して線接触又は略面接触した状態となる。これにより、アルミ電線を曲げて布線する時にかかる荷重を環状の弾性部材で受けるため、アルミ電線にかかる荷重が一点に集中することのない状態で曲げ布線を行うことができる。また、本発明によれば、アルミ電線の曲げ部にかかる荷重の一部が弾性部材によって吸収される。すなわち、アルミ電線の曲げ部にかかる荷重が軽減され、布線作業も良好となる。
請求項6記載の本発明のワイヤハーネス製造治具は、請求項5に記載のワイヤハーネス製造治具において、前記弾性部材は、電線挿入用の横溝部を有することを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、アルミ電線を横溝部に差し込みつつ布線を行うと、アルミ電線は横溝部により挟まれた状態となり、上下方向への移動がより規制される。これにより、布線されたアルミ電線はこの位置が安定し、結果、製造後のワイヤハーネス線長も安定する。
請求項7記載の本発明のワイヤハーネス製造治具は、請求項6に記載のワイヤハーネス製造治具において、前記弾性部材は、前記横溝部の下側が上側よりも肉厚に形成されることを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、アルミ電線を差し込む部分となる横溝部が肉厚部分により更に深くなっており、上下方向への移動がさらに規制されるのは勿論のこと、横溝部からの抜け落ちも防止される。これにより、布線されたアルミ電線はこの位置が安定し、結果、製造後のワイヤハーネス線長も安定する。
請求項8記載の本発明のワイヤハーネス製造治具は、請求項3に記載のワイヤハーネス製造治具において、前記左右一対のガイド部を有する前記アルミ電線用布線治具は、前記アルミ電線と前記電線受け部との間に介在する弾性部材を有し、該弾性部材は、電線挿入用の縦溝部を有することを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、アルミ電線の曲げ部にかかる荷重の一部が弾性部材により吸収される。すなわち、アルミ電線にかかる荷重を軽減しつつ、布線作業も良好となる。また、本発明によれば、アルミ電線を縦溝部に差し込みつつ布線を行うと、アルミ電線は縦溝部に挟まれた状態となり、左右方向への移動がより規制される。これにより、布線されたアルミ電線はこの位置が安定し、結果、製造後のワイヤハーネス線長も安定する。
請求項9記載の本発明のワイヤハーネス製造治具は、請求項1ないし請求項4いずれか記載のワイヤハーネス製造治具において、各前記電線受け部は、これ自体が弾性部材で形成されることを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、アルミ電線を布線したり、ワイヤハーネスを取り出したりする際に、弾性の電線受け部は押されて弾性変形することから荷重の一部が吸収される。本発明によれば、非弾性部材と比べて引っ掛かりによりアルミ電線にかかる荷重が小さいことから、アルミ電線の布線やワイヤハーネスの取り出しに係る作業性が良好となる。また、本発明によれば、アルミ電線を曲げ部にかかる荷重の一部が、弾性を有する電線受け部のシャフト連結部によって吸収される。すなわち、アルミ電線の曲げ部にかかる荷重が軽減され、布線作業も良好となる。
請求項10記載の本発明のワイヤハーネス製造治具は、請求項2又は請求項4に記載のワイヤハーネス製造治具において、各前記電線受け部は、これ自体が弾性部材で形成されるとともに前記シャフト連結部同士が該シャフト連結部同士を結んで描く円弧状の軌跡に沿う環状の弾性部材によって連結される、又は、各前記電線受け部は、これ自体が弾性部材で形成されるとともに各前記シャフト連結部に接して前記シャフト連結部同士を結んで描く円弧状の軌跡に沿う環状の弾性部材を更に有することを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、弾性部材により連結されることで部品点数が少なくなり、又、組み立て工数も少なくなる。本発明によれば、環状の弾性部材に沿って布線を行うことで、アルミ電線は環状の弾性部材に対して線接触又は略面接触した状態となる。これにより、アルミ電線を曲げて布線する時にかかる荷重を環状の弾性部材で受けるため、アルミ電線にかかる荷重が一点に集中することのない状態で曲げ布線を行うことができる。また、本発明によれば、アルミ電線の曲げ部にかかる荷重の一部が弾性部材によって吸収される。すなわち、アルミ電線の曲げ部にかかる荷重が軽減され、布線作業も良好となる。
請求項11記載の本発明のワイヤハーネスの製造方法は、少なくともアルミ電線を含むワイヤハーネスを所望の経路に布線するための複数の布線治具を備え、前記布線治具は、前記アルミ電線を布線するためのアルミ電線用布線治具を含み、該アルミ電線用布線治具は、複数の布線ガイドからなる布線治具本体と、該布線治具本体を支持する支軸とを有し、前記複数の布線ガイドは、それぞれ、前記支軸を中心として該支軸から遠心方向に伸びるシャフト部と、該シャフト部の先端に形成されて前記アルミ電線を受ける電線受け部とを有するワイヤハーネス製造治具を用い、前記アルミ電線を所望の方向に曲げて布線する場合には、前記アルミ電線を各前記電線受け部に沿わせて曲げ布線を行うことを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、各電線受け部に沿わせて布線を行うだけで、複数の接触する部分を有する状態でアルミ電線を曲げて布線することができる。従って、アルミ電線にかかる荷重が一点に集中することのない状態で曲げ布線を行うことができる。本発明によれば、アルミ電線を曲げて布線してもアルミ電線の機械的強度の低下につながるようなことはない。すなわち、アルミ電線を含むワイヤハーネスを好適に製造することができる。
請求項1に記載された本発明によれば、アルミ電線の曲げ布線に好適な布線治具を有するワイヤハーネス製造治具を提供することができるという効果を奏する。本発明によれば、一般的な銅電線に比べて屈曲性などの機械的強度が劣るアルミ電線を曲げて布線する時にアルミ電線へかかる荷重が一点集中にならないという効果を奏する。
請求項2及び請求項3に記載された本発明によれば、ワイヤハーネス線長を安定させることができるという効果を奏する。
請求項4に記載された本発明によれば、アルミ電線の布線に係る作業性やワイヤハーネスの取り出しに係る作業性に配慮することができるという効果を奏する。
請求項5に記載された本発明によれば、一般的な銅電線に比べて屈曲性などの機械的強度が劣るアルミ電線を曲げて布線する時にアルミ電線へかかる荷重が一点集中にならないという効果を奏する。本発明によれば、アルミ電線にかかる荷重の一部が弾性部材によって吸収される。すなわち、アルミ電線にかかる荷重が軽減され、布線作業も良好となるという効果を奏する。
請求項6に記載された本発明によれば、アルミ電線を曲げて布線する時にアルミ電線へかかる荷重を軽減することができ、又、ワイヤハーネス線長を安定させることもできるという効果を奏する。
請求項7に記載された本発明によれば、ワイヤハーネス線長を安定させることができ、又、ワイヤハーネスの抜け防止を図ることもできるという効果を奏する。
請求項8に記載された本発明によれば、アルミ電線を曲げて布線する時にアルミ電線へかかる荷重を軽減することができ、又、ワイヤハーネス線長を安定させることができるという効果を奏する。
請求項9に記載された本発明によれば、アルミ電線を曲げて布線する時にかかるアルミ電線への荷重を軽減することができ、アルミ電線の布線に係る作業性やワイヤハーネスの取り出しに係る作業性に配慮することができるという効果を奏する。
請求項10に記載された本発明によれば、アルミ電線を曲げて布線する時にアルミ電線へかかる荷重を軽減することができ、又、アルミ電線用布線治具の組み立てにかかる工数や製造コストの低減を図ることができるという効果を奏する。
請求項11に記載された本発明によれば、少なくともアルミ電線を含むワイヤハーネスの製造に好適な製造方法を提供することができるという効果を奏する。本発明によれば、一般的な銅電線に比べて屈曲性などの機械的強度が劣るアルミ電線を曲げて布線する時にアルミ電線へかかる荷重が一点集中することのない状態で曲げ布線を行うことができるという効果を奏する。本発明によれば、アルミ電線を曲げて布線してもアルミ電線の機械的強度の低下につながることはない。すなわち、アルミ電線を含むワイヤハーネスを好適に製造することができるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら説明する。図1は本発明のワイヤハーネス製造治具の一実施の形態を示す模式的な主要構成図である。また、図2は図1のアルミ電線用布線治具の拡大斜視図である。
図1において、引用符号21は本発明のワイヤハーネス製造治具を示している。ワイヤハーネス製造治具21は、少なくともアルミ電線22を含むワイヤハーネスの各種電線を布線して、ワイヤハーネスを所望の経路となるように製造するためのものであって、基板23と、この基板23の表面に固定される図示しない複数の一般布線治具と、同じく基板23の表面に固定される複数のコネクタ保持部材24と、同じく基板23の表面に固定される複数のアルミ電線用布線治具25とを備えて構成されている。
ワイヤハーネス製造治具21は、一般的な銅電線に比べて屈曲性などの機械的強度が劣るアルミ電線22を曲げて布線する時に、アルミ電線22へかかる荷重が一点に集中することがないように構成されている。以下、先ず各構成部材について説明する。
アルミ電線22は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる素線を複数撚り合わせて導体を形成し、そして、この導体の外側に絶縁性を有する被覆材を押し出し被覆することにより製造されている。アルミ電線22は、予め所定の長さに検尺されており、この端末にはコネクタ26が設けられている。尚、図中のアルミ電線22は一本のみであるが、これは便宜上のことであるものとする。実際には複数本あって、これにより電線束を構成することができるようになっている。上記ワイヤハーネスは、アルミ電線22の他に銅電線も含まれている(一例であるものとする。アルミ電線22のみでワイヤハーネスを構成してもよいものとする)。
基板23上には、図示しない複数の一般布線治具、複数のコネクタ保持部材24、及び複数のアルミ電線用布線治具25がワイヤハーネスの配策経路に合わせて配置されている。
基板23、図示しない一般布線治具、コネクタ保持部材24、及びコネクタ26は、基本的に背景技術の欄で説明した、基板6、布線治具7、コネクタ保持部材8、及びコネクタ4と同じであるものとする(図12〜図14参照)。
図1及び図2において、アルミ電線用布線治具25は、アルミ電線22を所望の方向に曲げて布線する際に用いる布線治具であって、一端が基板23に公知の方法で固定される支軸27と、この支軸27の他端に設けられる布線治具本体28とを備えて構成されている。支軸27は、基板23の表面から上方に真っ直ぐ伸びる金属製の棒部材であって、十分な強度を有している。
布線治具本体28は、硬質の材料(金属又は樹脂)によって形成されている(一例であるものとする)。布線治具本体28は、5つの布線ガイド29を有している(数は一例であるものとする)。この布線ガイド29は、それぞれ、シャフト部30と、このシャフト部30の先端に形成されてアルミ電線22を受けて曲げるための電線受け部31とを有している。シャフト部30は、支軸27を中心としてこの支軸27から遠心方向に伸びるように形成されている。電線受け部31は、棒状の部材をU字形状に曲げて形成されている(形状は一例であるものとする)。電線受け部31は、シャフト部30の先端位置に形成されてアルミ電線22を受けて曲げる部分となるシャフト連結部32と、このシャフト連結部32の両端から伸びる上下一対のガイド部33、33とを有している。上下一対のガイド部33、33は、基板23に対して上下に並び、横方向(支軸を中心とした遠心方向)に開口するように配置形成されている。布線治具本体28は、支軸27を中心とする円の円周上に各電線受け部31のシャフト連結部32が位置し、更に、この円周を略5等分する位置に各布線ガイド29が配置形成されている(一例であるものとする)。
尚、布線治具本体28は、布線治具本体28に向かう側(アルミ電線用布線治具25に向かう側)のアルミ電線22aの軸L1と、布線治具本体28から離れていく側(アルミ電線用布線治具25から離れていく側)のアルミ電線22bの軸L2とが交差する角度θが鋭角となるようにアルミ電線22を曲げて布線する(曲げ部22cを形成する)ことができるように形成されている。すなわち、布線ガイド29のシャフト連結部32同士を結んで描く円弧状の軌跡(支軸27を中心とする上記円でも同じ)の曲率半径がアルミ電線22の曲げにおいて許容される最小曲率半径以上となる曲率半径を有するように各布線ガイド29が配置形成されている。布線治具本体28は、アルミ電線22の過度な曲げを防止できるようになっている。
次に、上記構成及び構造に基づきながら、アルミ電線22を布線する際の作業について説明する。ここでは、図1の左側から右側へとアルミ電線22を布線する際の作業を説明する。
先ず、アルミ電線22の一方の端末に設けたコネクタ26をコネクタ保持部材24に差し込んでこれを保持する。次に、アルミ電線22をアルミ電線用布線治具25における布線治具本体28の左側から右側に通してアルミ電線22を各電線受け部31に挿入し、各シャフト連結部32に沿わせる。これにより、アルミ電線22には複数の接触する部分をを有する状態の曲げ部22cが形成される。最後に、アルミ電線22の他方の端末に設けたコネクタ26をコネクタ保持部材24に差し込んで保持する。以上により、アルミ電線22の布線にかかる作業が完了する。
ここまでの作業を繰り返すとともに、テープ巻きを施したり所定位置にクリップ等を組み付けたりすると、ワイヤハーネスの製造が完了する。そして、ワイヤハーネスはワイヤハーネス製造治具21から取り外されると、自動車等の車両に配策することができるような状態になる。
各電線受け部31に挿入されてシャフト連結部32に沿わされたアルミ電線22は、一対の上下に並ぶガイド部33、33によって上下方向の移動が規制される。これにより、布線されたアルミ電線22はこの位置が安定し、結果、製造後のワイヤハーネス線長も安定する。
以上、図1及び図2を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、アルミ電線用布線治具25は、布線治具本体28を有することから、アルミ電線22を曲げて布線する時にかかるアルミ電線22への荷重が一点に集中することがない状態で曲げ布線を行うことができる。また、本発明によれば、アルミ電線用布線治具25は、布線治具本体28を有することから、アルミ電線22の過度な曲げを抑制した状態で布線をすることができる。従って、アルミ電線22はこの導体に例えば断線が生じることはなく、断線による強度低下も起こることはない。
尚、アルミ電線用布線治具25は、アルミ電線22の曲げ布線に好適な布線治具であるが、銅電線にも適用可能であることは言うまでもない。銅電線にあっては、特に断線防止の必要がある細線が好適である。
続いて、図3を参照しながらアルミ電線用布線治具の第二実施例を説明する。図3は、アルミ電線用布線治具の第二実施例を示す模式的な拡大斜視図である。
図3において、アルミ電線用布線治具41は、布線治具本体28と、布線ガイドチューブ42とを有している(図1及び図2で説明したアルミ電線用布線治具25と同じ形状・機能を有する部分には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする)。また、アルミ電線用布線治具41は、一端が基板23に公知の方法で固定される支軸27を有している。支軸27は、基板23の表面から上方に真っ直ぐ伸びる金属製の棒部材であって、十分な強度を有している。
布線ガイドチューブ42は、ゴム又はエラストマー製の弾性を有する部材であって、電線受け部31のシャフト連結部32同士を結んで描く円弧状の軌跡に沿うような略環状に形成されている。布線ガイドチューブ42は、均一な肉厚で形成される(一例であるものとする)とともに、この軸に垂直な断面形状が略円形になるように形成されている(一例であるものとする)。布線ガイドチューブ42は、図3に示すように各電線受け部31のシャフト連結部32に接するように設けられている。
次に、上記構成及び構造に基づきながら、アルミ電線22を布線する際の作業について説明する。ここでは、図3の右側へアルミ電線22を曲げて布線する際の作業を説明する。
先ず、アルミ電線22の一方の端末に設けたコネクタ26(図1参照)をコネクタ保持部材24(図1参照)に差し込んでこれを保持する。次に、アルミ電線22をアルミ電線用布線治具41における布線治具本体28の左側から右側に通してアルミ電線22を弾性を有する環状の布線ガイドチューブ42に沿わせる。これにより、アルミ電線22には弾性を有する環状の布線ガイドチューブ42に対して線接触又は略面接触する曲げ部22cが形成される。最後に、アルミ電線22の他方の端末に設けたコネクタ26(図1参照)をコネクタ保持部材24に差し込んで保持する。以上により、アルミ電線22の布線にかかる作業が完了する。
布線ガイドチューブ42は、上述のとおり弾性を有することから、曲げ部22cにかかる荷重の一部を吸収することができる。すなわち、アルミ電線22を曲げて布線する時にかかるアルミ電線22への荷重が軽減され、布線作業の作業性が良好となる。
以上、図3を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、アルミ電線用布線治具41は、環状の布線ガイドチューブ42を有することから、アルミ電線22を曲げて布線するときにかかる荷重を環状の布線ガイドチューブ42で受けるため、アルミ電線22にかかる荷重が一点に集中することのない状態で曲げ布線を行うことができる。また、本発明によれば、アルミ電線用布線治具41は、布線ガイドチューブ42を有することから、布線治具本体28が有する曲率半径より大きな曲率半径でアルミ電線22を曲げられるようになっており、アルミ電線22の過度な曲げをさらに抑制した状態で布線をすることができる。従って、アルミ電線22はこの導体に例えば断線が生じることはなく、断線による強度低下も起こることはない。
続いて、図4を参照しながらアルミ電線用布線治具の第三実施例を説明する。図4は、アルミ電線用布線治具の第三実施例の電線受け部を示す拡大正面図である。
図4において、アルミ電線用布線治具51は、布線治具本体28と、布線ガイドチューブ52とを有している(図1及び図2で説明したアルミ電線用布線治具25と同じ形状・機能を有する部分には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする)。また、ここでは図示しないがアルミ電線用布線治具51は支軸27(図1参照)も有している。
布線ガイドチューブ52は、ゴム又はエラストマー製の弾性を有する部材であって、電線受け部31のシャフト連結部32同士を結んで描く円弧状の軌跡に沿うような略環状に形成されている。布線ガイドチューブ52は、均一な肉厚に形成されている(一例であるものとする)。
布線ガイドチューブ52は、この軸に垂直な断面形状が略U字形状に形成されており(形状は一例であるものとする)、U字形状の溝部分が電線挿入用の横溝部53となっている。横溝部53は、布線されたアルミ電線22を上下から挟み込むようになっている。すなわち、布線されたアルミ電線22を保持する機能を有するように形成されている。また、横溝部53は、アルミ電線22が差し込まれると弾性変形して、アルミ電線22と略面接触するようになっている(図4は横溝部53が弾性変形する前の状態を示している)。尚、横溝部53の形状は、円弧形状よりも尖った形に形成することが好ましい。布線ガイドチューブ52は、図4に示すように、横溝部53が電線受け部31と同じ方向に開口した状態で各電線受け部31のシャフト連結部32に接するように設けられている。
次に、上記構成及び構造に基づきながら、アルミ電線22を布線する際の作業について説明する。
先ず、アルミ電線22の一方の端末を設けたコネクタ26(図1参照)をコネクタ保持部材24(図1参照)に差し込んでこれを保持する。次に、アルミ電線22をアルミ電線用布線治具51における布線治具本体28(図1参照)の左側から右側に通して、アルミ電線22を弾性を有する環状の布線ガイドチューブ52の横溝部53へ差し込むようにして沿わせる。これにより、アルミ電線22には環状の布線ガイドチューブ52に対し略面接触する状態の曲げ部22c(図1参照)が形成される。最後に、アルミ電線22の他方の端末に設けたコネクタ26(図1参照)をコネクタ保持部材24(図1参照)に差し込んで保持する。以上により、アルミ電線22の布線にかかる作業が完了する。
布線ガイドチューブ52は、上述のとおり弾性を有することから、曲げ部22cにかかる荷重の一部を吸収することができる。すなわち、アルミ電線22を曲げて布線する時にかかるアルミ電線22への荷重が軽減され、布線作業の作業性が良好となる。
以上、図4を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、アルミ電線用布線治具51は、環状の布線ガイドチューブ52を有することから、アルミ電線22を曲げて布線する時にかかる荷重を環状の布線ガイドチューブ52で受けるため、アルミ電線22にかかる荷重が一点に集中することのない状態で曲げ布線を行うことができる。また、本発明によれば、アルミ電線用布線治具51は布線ガイドチューブ52を有することから、布線治具本体28が有する曲率半径より大きな曲率半径でアルミ電線22を曲げられるようになっており、アルミ電線22の過度な曲げをさらに抑制した状態で布線をすることができる。従って、アルミ電線22はこの導体に例えば断線が生じることはなく、断線による強度低下も起こることはない。
本発明によれば、布線されたアルミ電線22は横溝部53により上下方向への移動が規制されるため、この位置が安定し、結果製造後のワイヤハーネス線長も安定する。
続いて、図5を参照しながらアルミ電線用布線治具の第四実施例を説明する。図5はアルミ電線用布線治具の第四実施例の電線受け部62を示す拡大正面図である。
図5においてアルミ電線用布線治具61は、上述した第一実施例のアルミ電線用布線治具25と比較して、電線受け部62のみが異なっている。従って、本実施例においては、電線受け部62についてのみを説明する。ここでは図示していないが、アルミ電線用布線治具61の布線治具本体は、シャフト部30と電線受け部62とを備える5つの布線ガイド65を上述した第一実施例の布線治具本体28と同様の形状・機能を有するように配置して形成されている。尚、図1及び図2で説明したアルミ電線用布線治具25と同じ形状・機能を有する部分には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。また、ここでは図示しないがアルミ電線用布線治具61は支軸27(図1参照)も有している。
電線受け部62は、シャフト連結部32と、このシャフト連結部32の一端から伸びる第1ガイド部63と、シャフト連結部32の他端から伸びる第2ガイド部64とを有している。第1ガイド部63及び第2ガイド部64は、第1ガイド部63を基板23に対し上側にして上下に並び、横方向(支軸を中心とした遠心方向)に開口するように配置形成されている。第1ガイド部63は、第2ガイド部64より長さが短く形成され、アルミ電線22が挿入される側及びワイヤハーネスが取り出される側となっている。
次に、上記構成及び構造に基づきながら、アルミ電線22を布線する際の作業について説明する。
先ず、アルミ電線22の一方の端末に設けたコネクタ26(図1参照)をコネクタ保持部材24(図1参照)に差し込んでこれを保持する。次に、アルミ電線22をアルミ電線用布線治具61における各電線受け部62に対しこの上側からアルミ電線22を挿入し、各シャフト連結部32に沿わせる。これにより、アルミ電線22には複数の接触する部分を有する状態の曲げ部22c(図1参照)が形成される。最後に、アルミ電線22の他方の端末に設けたコネクタ26(図1参照)をコネクタ保持部材24(図1参照)に差し込んで保持する。以上により、アルミ電線22の布線にかかる作業が完了する。
以上、図5を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、アルミ電線用布線治具61は、アルミ電線22を曲げて布線する時にアルミ電線22へかかる荷重が一点に集中することのない状態で曲げ布線を行うことができる。また、本発明によれば、アルミ電線用布線治具61は、アルミ電線22の過度な曲げを抑制した状態で布線をすることができる。従って、アルミ電線22はこの導体に例えば断線が生じることはなく、断線による強度低下も起こることはない。
本発明によれば、電線受け部62を有することにより、アルミ電線22の布線に係る作業やワイヤハーネスの取り出しに係る作業性に配慮することができる。
続いて図6を参照しながらアルミ電線用布線治具の第五実施例を説明する。図6はアルミ電線用布線治具の第五実施例の電線受け部を示す拡大正面図である。
図6においてアルミ電線用布線治具71は、第四実施例のアルミ電線用布線治具61に布線ガイドチューブ72を更に設けたものとなっている。従って、本実施例においては布線ガイドチューブ72についてのみ説明する。尚、第一実施例から第四実施例で説明したアルミ電線用布線治具25、41、51、61と同じ形状・機能を有する部分には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
布線ガイドチューブ72は、ゴム又はエラストマー製の弾性を有する部材であって、電線受け部62のシャフト連結部32同士を結んで描く円弧状の軌跡に沿うような略環状に形成されている。布線ガイドチューブ72は、電線受け部62の内側全体にわたって接するような形状に形成されている。また、布線ガイドチューブ72は、シャフト連結部32側に電線挿入用の横溝部73が形成されている。布線ガイドチューブ72は、電線受け部62の第二ガイド部64と接する部分に肉厚部分74を有しており、この肉厚部分74によって、上記横溝部53(図4参照)より深い横溝部73が形成されている。
横溝部73は、布線されたアルミ電線22を上下から挟み込むようになっている。すなわち、布線されたアルミ電線22を保持する機能を有するように形成されている。また、横溝部73は、アルミ電線22が差し込まれると弾性変形して、アルミ電線22と略面接触するようになっている(図6は横溝部73が弾性変形する前の状態を示している)。
次に、上記構成及び構造に基づきながら、アルミ電線22を布線する作業について説明する。
先ず、アルミ電線22の一方の端末を設けたコネクタ26(図1参照)をコネクタ保持部材24(図1参照)に差し込んでこれを保持する。次に、アルミ電線用布線治具71における電線受け部62に対しこの上側からアルミ電線を挿入して、弾性を有する環状の布線ガイドチューブ72に沿わせて横溝部73へ差し込むように布線を行う。これにより、アルミ電線22には環状の布線ガイドチューブ72に対し略面接触する状態の曲げ部22c(図1参照)が形成される。最後に、アルミ電線22の他方の端末に設けたコネクタ26(図1参照)をコネクタ保持部材24(図1参照)に差し込んで保持する。以上により、アルミ電線22の布線にかかる作業が完了する。
布線ガイドチューブ72は、上述のとおり弾性を有することから、曲げ部22cにかかる荷重の一部を吸収することができる。つまり、アルミ電線22を曲げて布線する時にかかるアルミ電線22への荷重が軽減され、布線作業の作業性が良好となる。
以上、図6を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、アルミ電線用布線治具71は、環状の布線ガイドチューブ72を有することから、アルミ電線22を曲げて布線する時にかかる荷重を環状の布線ガイドチューブ72で受けるため、アルミ電線22にかかる荷重が一点に集中することのない状態で曲げ布線を行うことができる。また、本発明によれば、アルミ電線用布線治具71は布線ガイドチューブ72を有することから、布線治具本体28が有する曲率半径より大きな曲率半径でアルミ電線22を曲げられるようになっており、アルミ電線22の過度な曲げをさらに抑制した状態で布線をすることができる。従って、アルミ電線22はこの導体に例えば断線が生じることはなく、断線による強度低下も起こることはない。
本発明によれば、布線されたアルミ電線22は横溝部73により、上下方向への移動が規制されるため、この位置が安定し、結果、製造後のワイヤハーネス線長も安定する。また、本発明によれば、布線されたアルミ電線22は、より深い横溝部73に差し込まれているため、アルミ電線用布線治具71からの抜けが防止される。
続いて、図7を参照しながらアルミ電線用布線治具の第六実施例を説明する。図7はアルミ電線用布線治具の第六実施例を示す模式的な拡大斜視図である。
図7において、アルミ電線用布線治具81は、布線治具本体82を有している。また、アルミ電線用布線治具81は、一端が基板23に公知の方法で固定される支軸27(図1及び図2で説明したアルミ電線用布線治具25と同じ形状・機能を有する部分には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする)を有している。支軸27は、基板23の表面から上方に真っ直ぐのびる金属製の棒部材であって、十分な強度を有している。
布線治具本体82は、5つの布線ガイド86を有している(数は一例であるものとする)。この布線ガイド86は、それぞれ、シャフト部30と、このシャフト部30の先端に形成されてアルミ電線22を受けて曲げるための電線受け部83とを有している。電線受け部83は、ゴム又はエラストマー製の弾性を有する部材により形成され、U字形状に形成されている(形状は一例であるものとする)。電線受け部83は、シャフト部30の先端に位置に形成されてアルミ電線22を受けて曲げる部分となるシャフト連結部85と、このシャフト連結部85の両端から伸びる上下一対のガイド部87、87とを有している。上下一対のガイド部87、87は、基板23に対して上下に並び、横方向(支軸を中心とした遠心方向)に開口するように配置形成されている。各電線受け部83は、リム84によってシャフト連結部85同士が連結されている。リム84は、各電線受け部83と同様にゴム又はエラストマー製の弾性を有する部材により形成され、シャフト連結部85同士を結んで描く円弧状の軌跡に沿うように略環状に形成されている。布線治具本体82は、支軸27を中心とする円の円周上に各電線受け部83のシャフト連結部85が位置し、更に、この円周を略5等分する位置に各布線ガイド86が配置形成されている(一例であるものとする)。
尚、布線治具本体82は、布線治具本体82に向かう側(アルミ電線用布線治具81に向かう側)のアルミ電線22aの軸L1と、布線治具本体82から離れていく側(アルミ電線用布線治具81から離れていく側)のアルミ電線22bの軸L2とが交差する角度θが鋭角となるようにアルミ電線22を曲げて布線する(曲げ部22cを形成する)ことができるように形成されている。すなわち、布線ガイド86のシャフト連結部85同士を結んで描く円弧状の軌跡(支軸27を中心とする上記円でも同じ)の曲率半径がアルミ電線22の曲げにおいて許容される最小曲率半径以上となる曲率半径を有するように各布線ガイド86が配置形成されている。布線治具本体82は、アルミ電線22の過度な曲げを防止できるようになっている。
次に、上記構成及び構造に基づきながら、アルミ電線22を布線する際の作業について説明する。ここでは、図7の左側から右側へアルミ電線22を曲げて布線する際の作業を説明する。
先ず、アルミ電線22の一方の端末に設けたコネクタ26(図1参照)をコネクタ保持部材24(図1参照)に差し込んでこれを保持する。次に、アルミ電線22をアルミ電線用布線治具81における布線治具本体82の左側から右側に通して、アルミ電線22を弾性を有する電線受け部83のシャフト連結部85と同じく弾性を有するリム84に沿わせる。これにより、アルミ電線22にはシャフト連結部85と環状のリム84のそれぞれに対して線接触又は略面接触した状態の曲げ部22cが形成される。最後に、アルミ電線22の他方の端末に設けたコネクタ26(図1参照)をコネクタ保持部材24(図1参照)に差し込んで保持する。以上により、アルミ電線22の布線にかかる作業が完了する。
布線治具本体82は、電線受け部83のシャフト連結部85とリム84とのそれぞれが上述のとおり弾性を有することから、曲げ部22cにかかる荷重の一部を吸収することができる。すなわち、アルミ電線22を曲げて布線する時にかかるアルミ電線22への荷重が軽減され、布線作業の作業性が良好となる。
布線治具本体82は、アルミ電線22を布線したり、ワイヤハーネスを取り出したりする際に、弾性の電線受け部82は押されて弾性変形する。非弾性部材と比べて引っ掛かりによりアルミ電線22にかかる荷重が小さいことから、アルミ電線22の布線やワイヤハーネスの取り出しに係る作業性が良好となる。
以上、図7を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、アルミ電線用布線治具81は、弾性を有する各シャフト連結部85と環状のリム84を有することから、アルミ電線22を曲げて布線する時にかかる荷重を各シャフト連結部85と環状リム84とで受けるため、アルミ電線22にかかる荷重が一点に集中することのない状態で曲げ布線を行うことができる。本発明によれば、アルミ電線用布線治具81は、アルミ電線22の過度な曲げを抑制した状態で布線をすることができる。従って、アルミ電線22はこの導体に例えば断線が生じることはなく、断線による強度低下も起こることはない。
本発明によれば、アルミ電線用布線治具81は、少ない部品数で組み立てることができることから、係る製造コストの低減を図ることができる。
続いて、図8を参照しながらアルミ電線用布線治具の第七実施例を説明する。図8は、アルミ電線用布線治具の第七実施例を示す拡大斜視図である。
図8において、アルミ電線用布線治具91は、支軸27(図1及び図2で説明したアルミ電線用布線治具25と同じ形状・機能を有する部分には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする)と、4つの布線ガイド29からなる布線治具本体92(数は一例であるものとする)と、布線ガイドチューブ93とを有している。
布線治具本体92は、2つの布線ガイド29、29が支軸27を中心として180°反対向きに配置されている。そして、残りの2つの布線ガイド29、29は、180°反対向きに配置された布線ガイド29、29を直径とする円の半円周を3等分するように配置されている(配置は一例であるものとする)。アルミ電線用布線治具91は、布線治具本体92をこのように形成することでアルミ電線用布線治具25よりも小型に形成されている。
尚、布線治具本体92は、布線治具本体92に向かう側(アルミ電線用布線治具91に向かう側)のアルミ電線22aの軸L1と、布線治具本体92から離れていく側(アルミ電線用布線治具91から離れていく側)のアルミ電線22bの軸L2とが交差する角度θが鋭角となるようにアルミ電線22を曲げて布線する(曲げ部22cを形成する)ことができるように形成されている。すなわち、布線ガイド29のシャフト連結部32同士を結んで描く円弧状の軌跡(支軸27を中心とする上記円でも同じ)の曲率半径がアルミ電線22の曲げにおいて許容される最小曲率半径以上となる曲率半径を有するように各布線ガイド29が配置形成されている。布線治具本体92は、アルミ電線22の過度な曲げを防止できるようになっている。
布線ガイドチューブ93は、ゴム又はエラストマー製の弾性を有する部材であって、電線受け部31のシャフト連結部32同士を結んで描く円弧状の軌跡に沿うように略半円に形成された部分と、この略半円の両端を結ぶ直線部分とにより形成されている。布線ガイドチューブ93は、均一な肉厚で形成される(一例であるものとする)とともに、この軸に垂直な断面形状が略円形になるように形成されている(一例であるものとする)。布線ガイドチューブ93は、図8に示すように直線部分を180°反対向きに配置されている布線ガイド29、29に合わせるようにして設けられるとともに略半円部分が電線受け部31のシャフト連結部32に接するように設けられている。
次に、上記構成及び構造に基づきながら、アルミ電線22を布線する際の作業について説明する。ここでは、図8の左側から右側へアルミ電線22を曲げて布線する際の作業を説明する。
先ず、アルミ電線22の一方の端末に設けたコネクタ26(図1参照)をコネクタ保持部材24(図1参照)に差し込んでこれを保持する。次に、アルミ電線22をアルミ電線用布線治具91における布線治具本体92の左側から右側に通して、アルミ電線22を弾性を有する環状の布線ガイドチューブ93に沿わせる。これにより、アルミ電線22には環状の布線ガイドチューブ93に対して線接触又は略面接触する曲げ部22cが形成される。最後に、アルミ電線22の他方の端末に設けたコネクタ26(図1参照)をコネクタ保持部材24(図1参照)に差し込んで保持する。以上により、アルミ電線22の布線にかかる作業が完了する。
布線ガイドチューブ93は、上述のとおり弾性を有することから、曲げ部22cにかかる荷重の一部を吸収することができる。つまり、アルミ電線22を曲げて布線する時にかかるアルミ電線22への荷重が軽減され、布線作業の作業性が良好となる。
以上、図8を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、アルミ電線用布線治具91は、環状布線ガイドチューブ93を有することから、アルミ電線22を曲げて布線する時にかかる荷重を略半円の布線ガイドチューブ93で受けるため、アルミ電線22にかかる荷重が一点に集中することのない状態で曲げ布線を行うことができる。また、本発明によれば、アルミ電線用布線治具91は布線ガイドチューブ93を有することから、布線治具本体92が有する曲率半径より大きな曲率半径でアルミ電線22を曲げるようになっており、アルミ電線22の過度な曲げをさらに抑制した状態で布線をすることができる。従って、アルミ電線22はこの導体に例えば断線が生じることはなく、断線による強度低下も起こることはない。
本発明によれば、アルミ電線用布線治具91は、第一実施例のアルミ電線用布線治具25と比較して小型に形成されることから、アルミ電線22の布線作業がより行い易くなる。また、基板23上において占有するスペースが少なくなることから、複数の他部材を配置する際に干渉を避け易くなる。
続いて、図9を参照しながらアルミ電線用布線治具の第八実施例を説明する。図9は、アルミ電線用布線治具の第八実施例を示す模式的な拡大斜視図である。
図9において、アルミ電線用布線治具25’は、一端が公知の方法で固定される支軸27(図1及び図2で説明したアルミ電線用布線治具25と同じ形状・機能を有する部分には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする)と、この支軸27の他端に設けられる布線治具本体28’とを備えて構成されている。
布線治具本体28’は、硬質の材料(金属又は樹脂)によって形成されている(一例であるものとする)。布線治具本体28’は、5つの布線ガイド29’を有している(数は一例であるものとする)。この布線ガイド29’は、それぞれ、シャフト部30と、このシャフト部30の先端に形成されてアルミ電線22を受けて曲げるための電線受け部31’とを有している。電線受け部31’は、棒状の部材をU字形状に曲げて形成されている(一例であるものとする)。電線受け部31’は、シャフト部30の先端位置にアルミ電線22の下側を横切るように形成されてアルミ電線22が布線される部分となるシャフト連結部32’と、このシャフト連結部32’の両端から上向きに真っ直ぐ伸びる左右一対のガイド部33’、33’とを有している。左右一対のガイド部33’、33’は、支軸27側を右側として左右に並び、上方向に開口するように配置形成されている。布線治具本体28’は、支軸27を中心とする円の円周上に各電線受け部31’のシャフト連結部32’が位置し、更に、この円周を略5等分する位置に各布線ガイド29が配置形成されている(一例であるものとする)。
尚、布線治具本体28’は、布線治具本体28’に向かう側(アルミ電線用布線治具25’に向かう側)のアルミ電線22aの軸L1と、布線治具本体28’から離れていく側(アルミ電線用布線治具25’から離れていく側)のアルミ電線22bの軸L2とが交差する角度θが鋭角となるようにアルミ電線22を曲げて布線する(曲げ部22cを形成する)ことができるように形成されている。すなわち、布線ガイド29’のシャフト連結部32’同士を結んで描く円弧状の軌跡(支軸27を中心とする上記円でも同じ)の曲率半径がアルミ電線22の曲げにおいて許容される最小曲率半径以上となる曲率半径を有するように各布線ガイド29’が配置形成されている。布線治具本体28’は、アルミ電線22の過度な曲げを防止できるようになっている。
次に、上記構成及び構造に基づきながら、アルミ電線22を布線する際の作業について説明する。ここでは、図9の左側から右側へとアルミ電線22を布線する際の作業を説明する。
先ず、アルミ電線22の一方の端末に設けたコネクタ26(図1参照)をコネクタ保持部材24(図1参照)に差し込んでこれを保持する。次に、アルミ電線22をアルミ電線用布線治具25’における各電線受け部31’に対しこの上側からアルミ電線22を挿入し、各電線受け部31’の各シャフト連結部32’に沿わせる。これにより、アルミ電線22には複数の接触する部分を有する状態の曲げ部22cが形成される。最後に、アルミ電線22の他方の端末に設けたコネクタ26(図1参照)をコネクタ保持部材24(図1参照)に差し込んで保持する。以上により、アルミ電線22の布線にかかる作業が完了する。
各電線受け部31’に挿入されての各シャフト連結部32’に沿わされたアルミ電線22は、一対の左右に並ぶガイド部33’、33’によって左右方向の移動が規制される。これにより、布線されたアルミ電線22はこの位置が安定し、結果、製造後のワイヤハーネス線長も安定する。
以上、図9を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、アルミ電線用布線治具25’は、布線治具本体28’を有することから、アルミ電線22を曲げて布線する時にアルミ電線22へかかる荷重が一点に集中することがない状態で曲げ布線を行うことができる。また、本発明によれば、アルミ電線用布線治具25’は、布線治具本体28’を有することから、アルミ電線22の過度な曲げを抑制した状態で布線をすることができる。従って、アルミ電線22はこの導体に例えば断線が生じることはなく、断線による強度低下も起こることはない。
続いて、図10を参照しながらアルミ電線用布線治具の第九実施例を説明する。図10は、アルミ電線用布線治具の第九実施例の電線受け部を示す拡大正面図である。
図10において、アルミ電線用布線治具51’は、布線治具本体28’の各電線受け部31’に弾性部材54を設けたものとなっている。また、ここでは図示しないがアルミ電線用布線治具51’は支軸27(図1参照)も有している。尚、図1及び図2及び図9で説明したアルミ電線用布線治具25、25’と同じ形状・機能を有する部分には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
弾性部材54は、ゴム又はエラストマー製の弾性を有する部材で形成されている。弾性部材54は、電線挿入用の縦溝部55を有するように形成されてシャフト連結部32’に接するように設けられている。弾性部材54は、均一な肉厚に形成されている(一例であるものとする。例えば、アルミ電線22の曲げ方向となる部分を肉厚に形成しても良い)。縦溝部55は、布線されたアルミ電線22を左右から挟み込むようになっている。すなわち、布線されたアルミ電線22を保持する機能を有するように形成されている。また、縦溝部55は、アルミ電線22が差し込まれると弾性変形して、アルミ電線22と略面接触するようになっている(図10は横溝部73が弾性変形する前の状態を示している)。尚、縦溝部55の形状は、円弧形状よりも尖った形に形成することが好ましい。
次に、上記構成及び構造に基づきながら、アルミ電線22を布線する際の作業について説明する。
先ず、アルミ電線22の一方の端末を設けたコネクタ26(図1参照)をコネクタ保持部材24(図1参照)に差し込んでこれを保持する。次に、アルミ電線22をアルミ電線用布線治具51’における各電線受け部31’に対しこの上側からアルミ電線22を挿入し、アルミ電線22を弾性部材54の縦溝部55へ差し込むようにして沿わせる。これにより、アルミ電線22には複数の接触部分を有する状態の曲げ部22c(図1参照)が形成される。最後に、アルミ電線22の他方の端末に設けたコネクタ26(図1参照)をコネクタ保持部材24(図1参照)に差し込んで保持する。以上により、アルミ電線22の布線にかかる作業が完了する。
弾性部材54は、上述のとおり弾性を有することから、曲げ部22cにかかる荷重の一部を吸収することができる。すなわち、アルミ電線22を曲げて布線する時にかかるアルミ電線22への荷重が軽減され、布線作業の作業性が良好となる。
以上、図10を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、アルミ電線用布線治具51’は、布線治具本体28’を有することから、アルミ電線22を曲げて布線する時にかかるアルミ電線22への荷重が一点に集中することのない状態で曲げ布線を行うことができる。また、本発明によれば、アルミ電線用布線治具51’は、弾性部材54を有することから、布線治具本体28’が有する曲率半径より大きな曲率半径でアルミ電線22を曲げられるようになっており、アルミ電線22の過度な曲げをさらに抑制した状態で布線をすることができる。従って、アルミ電線22はこの導体に例えば断線が生じることはなく、断線による強度低下も起こることはない。
本発明によれば、布線されたアルミ電線22は縦溝部55により左右方向への移動が規制されるため、この位置が安定し、結果、製造後のワイヤハーネス線長も安定する。
尚、上述の各実施例にて、横向きに開口する電線受け部31、62、83と上向きに開口する電線受け部31’を例に挙げて説明してきたが、これらの開口向きは、上向きもしくは横向きに限定されるものではない。例えば、上斜め方向や下斜め方向であっても良いものとする。
尚、上述の各実施例にて、U字形状に形成される電線受け部31、31’、62、83を例に挙げて説明してきたが、この形状に限定されるものではない。例えば、シャフト連結部の両端から伸びる一対のガイド部の内、一方を真っ直ぐ上向きに伸ばし、他方を支軸27を中心として遠心方向に伸ばして形成されるL字形状でも良いものとする。
最後に、図11を参照しながら本発明のワイヤハーネス製造治具の他の実施形態を説明する。図11は、本発明のワイヤハーネス製造治具の他の実施形態を示す模式的な主要構成図である。尚、従来例及び上述してきた各実施例において説明した部材と同一の部材については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図11において、引用符号101はワイヤハーネス製造治具を示している。ワイヤハーネス製造治具101は、少なくともアルミ電線22を含むワイヤハーネスの各種電線を布線して、ワイヤハーネスを所望の経路となるように製造するためのものであって、基板23と、この基板23の表面に固定される複数の一般布線治具7と、同じくこの基板23の表面に固定される複数のコネクタ保持部材24と、同じくこの基板23の表面に固定される複数のアルミ電線用布線治具25とを備えて構成されている(アルミ電線用布線治具25は一例であるものとする。上述した各実施例におけるアルミ電線用布線治具25、41、51、61、71、81、91から適宜選択したものを用いて良いものとする)。基板23上には、複数の一般布線治具7、複数のコネクタ保持部材24、及び複数のアルミ電線用布線治具25がワイヤハーネスの配策経路に合わせて配置されている。
基板23上において、一般布線治具7とコネクタ保持部材24とアルミ電線用布線治具25は、各々が基板23の表面からの高さが異なるように設けられている。アルミ電線用布線治具25は、支軸27の先端までの高さAが一般布線治具7の全高Bとワイヤハーネス22b側のコネクタ保持部材24の全高Cのいずれよりも高くなるように形成されている(A>B、C)。且つ、アルミ電線用布線治具25の全高Dが、ワイヤハーネス22a側のコネクタ保持部材24の全高Eよりも低くなるように形成されている(E>D。各高さは一例であるものとする)。このようにワイヤハーネス製造治具101は、各部材に高低差を設け、各部材同士がお互いに干渉することがないように形成されている。
尚、一般布線治具7は、アルミ電線22を略直線的に布線する、又は、アルミ電線22以外の他の電線を曲げ布線あるいは略直線的に布線するための治具として設けられている。
上記構造に基づきながら、アルミ電線22を布線する際の作業について説明する。ここでは、図11の右側へアルミ電線を曲げて布線する際の作業を説明する。
先ず、アルミ電線22の一方の端末に設けたコネクタ26を全高Eのコネクタ保持部材24に差し込んでこれを保持する。次に、アルミ電線22を全高Dのアルミ電線用布線治具25における布線治具本体28の左側から右側に通してアルミ電線22を各電線受け部31に挿入し、各シャフト連結部32に沿わせる。これにより、アルミ電線22には複数の接触する部分をを有する状態の曲げ部22cが形成される。続いて、アルミ電線22の略直線的に布線する部分を全高Bの一般布線治具7で支持する。最後に、アルミ電線22の他方の端末に設けたコネクタ26を全高Cのコネクタ保持部材24に差し込んで保持する。以上により、アルミ電線22の布線にかかる作業が完了する。
以上、図11を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、上述してきた各実施形態の効果に加えて、アルミ電線22とその他の電線の配索を分けて行うこともできるという効果を奏する。
以上、図1ないし図11において、本発明によれば、アルミ電線22の曲げ布線に好適な布線治具(アルミ電線用布線治具25、25’、41、51、51’、61、71、81、91)を有するワイヤハーネス製造治具(21、101)を提供することができるという効果を奏する。本発明によれば、一般的な銅電線に比べて屈曲性などの機械的強度が劣るアルミ電線を曲げて布線する時にアルミ電線へかかる荷重が一点集中にならないという効果を奏する。
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
尚、ここで背景技術の欄で挙げた特許文献1の開示技術に生じる次のような問題点を解消することができるワイヤハーネス製造治具21の他の特徴を幾つか列挙することにする。問題点とは、従来の布線治具を用いてアルミ電線を曲げて布線する場合に、例えば、一般的な銅電線からなる分岐線3は、図14に示す如く棒状のガイド部12によって角度θが鋭角となるような急激な曲げの布線を行っても問題ないが、アルミ電線を同様に布線すると、機械的強度面に支障を来してしまうことになるという問題点である。
(1)少なくともアルミ電線を含むワイヤハーネスを所望の経路で布線するための複数の布線治具備えるワイヤハーネス製造治具において、
前記布線治具は、前記アルミ電線を布線するためのアルミ電線用布線治具を含み、
該アルミ電線用布線治具は、該アルミ電線用布線治具に向かう側の前記アルミ電線の軸と前記アルミ電線用布線治具から離れていく側の前記アルミ電線の軸とが交差する角度が鋭角になるように前記アルミ電線を曲げて布線するための部分として、支軸と複数の布線ガイドから形成される布線治具本体とを有し、
前記布線ガイドは、前記支軸を中心として該支軸から遠心方向に伸びるシャフト部と、該シャフト部の先端に形成される電線受け部とを有し、
該電線受け部は、前記シャフト部の先端に位置して前記アルミ電線を受けるシャフト連結部と、該シャフト連結部の両端から伸びて上下方向に並ぶ一対のガイド部とを有し、
前記布線治具本体は、前記布線ガイドの前記シャフト連結部同士を結んで描く円弧状の軌跡の曲率半径が、前記アルミ電線の曲げにおいて許容される最小曲率半径以上となるように前記布線ガイドを配置してなる
ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
(2)上記(1)に記載のワイヤハーネス製造治具において、
各前記電線受け部は、この前記アルミ電線を挿抜する側となる上側の前記ガイド部が下側の前記ガイド部よりも短く形成される
ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
(3)上記(1)又は上記(2)に記載のワイヤハーネス製造治具において、
前記アルミ電線用布線治具は、前記布線ガイドの各前記シャフト連結部に接し、前記円弧状の軌跡に沿う環状の弾性部材を更に有する
ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
(4)上記(1)又は上記(2)に記載のワイヤハーネス製造治具において、
各前記布線ガイドは、少なくとも前記シャフト連結部に弾性部材を有する
ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
(5)上記(3)又は上記(4)に記載のワイヤハーネス製造治具において、
前記弾性部材は、電線挿入用の横溝部を有する
ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
(6)上記(5)に記載のワイヤハーネス製造治具において、
前記弾性部材は、前記横溝部の下側が上側よりも肉厚に形成される
ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
(7)上記(1)又は上記(2)に記載のワイヤハーネス製造治具において、
各前記電線受け部は、これ自体が弾性部材で形成される
ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
(8)上記(7)に記載のワイヤハーネス製造治具において、
各前記電線受け部は、前記シャフト連結部同士が前記円弧状の軌跡に沿う円弧状の弾性部材によって連結される、又は、各前記シャフト連結部に接して前記円弧状の軌跡に沿う環状の弾性部材を有する
ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
上記(1)から(8)の特徴によれば、アルミ電線を曲げて布線する必要がある場合、アルミ電線用布線治具を用いて曲げを行う。アルミ電線用布線治具を用いることにより、布線治具本体の各布線ガイドあるいは環状の弾性部材に沿って布線を行うだけで、アルミ電線の曲げにおいて許容される最小曲率半径を下回るような曲げの発生が避けられる。従って、一般的な銅電線に比べて屈曲性などの機械的強度が劣るアルミ電線の過度な曲げを抑制することができるという効果を奏する。
本発明のワイヤハーネス製造治具の一実施の形態を示す模式的な主要構成図である。 図1のアルミ電線用布線治具の拡大斜視図である。 アルミ電線用布線治具の第二実施例を示す拡大斜視図である。 アルミ電線用布線治具の第三実施例の電線受け部を示す拡大正面図である。 アルミ電線用布線治具の第四実施例の電線受け部を示す拡大正面図である。 アルミ電線用布線治具の第五実施例の電線受け部を示す拡大正面図である。 アルミ電線用布線治具の第六実施例を示す拡大斜視図である。 アルミ電線用布線治具の第七実施例を示す拡大斜視図である。 アルミ電線用布線治具の第八実施例を示す拡大斜視図である。 アルミ電線用布線治具の第九実施例の電線受け部を示す拡大正面図である。 本発明のワイヤハーネス製造治具の他の実施形態を示す模式的な主要構成図である。 従来例のワイヤハーネスを示す平面図である。 従来例のワイヤハーネス製造治具を示す平面図である。 従来例の布線治具を示す斜視図である。
符号の説明
21 ワイヤハーネス製造治具
22 ワイヤハーネス
23 基板
24 コネクタ保持部材
25、25’ アルミ電線用布線治具
26 コネクタ
27 支軸
28、28’ 布線治具本体
29、29’ 布線ガイド
30 シャフト部
31、31’ 電線受け部
32、32’ シャフト連結部
33、33’ ガイド部
41 アルミ電線用布線治具
42 布線ガイドチューブ(弾性部材)
51、51’ アルミ電線用布線治具
52 布線ガイドチューブ(弾性部材)
53 横溝部
54 弾性部材
55 縦溝部
61 アルミ電線用布線治具
62 電線受け部
63 第1ガイド部
64 第2ガイド部
65 布線ガイド
71 アルミ電線用布線治具
72 布線ガイドチューブ(弾性部材)
73 横溝部
74 肉厚部分
81 アルミ電線用布線治具
82 布線治具本体
83 電線受け部(弾性部材)
84 リム(弾性部材)
85 シャフト連結部
86 布線ガイド
91 アルミ電線用布線治具
92 布線治具本体
93 布線ガイドチューブ(弾性部材)
101 ワイヤハーネス製造治具

Claims (11)

  1. 少なくともアルミ電線を含むワイヤハーネスを所望の経路に布線するための複数の布線治具を備えるワイヤハーネス製造治具において、
    前記布線治具は、前記アルミ電線を所望の方向に曲げて布線するためのアルミ電線用布線治具を含み、
    該アルミ電線用布線治具は、複数の布線ガイドからなる布線治具本体と、該布線治具本体を支持する支軸とを有し、
    前記複数の布線ガイドは、それぞれ、前記支軸を中心として該支軸から遠心方向に伸びるシャフト部と、該シャフト部の先端に形成されて前記アルミ電線を受ける電線受け部とを有する
    ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
  2. 請求項1に記載のワイヤハーネス製造治具において、
    各前記電線受け部は、前記シャフト部の前記先端に位置するシャフト連結部と、該シャフト連結部の両端から伸びて横向きに開口する上下一対のガイド部とを有する
    ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
  3. 請求項1に記載のワイヤハーネス製造治具において、
    各前記電線受け部は、前記シャフト部の前記先端に位置するシャフト連結部と、該シャフト連結部の両端から伸びて上向きに開口する左右一対のガイド部とを有する
    ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
  4. 請求項2に記載のワイヤハーネス製造治具において、
    前記上下一対のガイド部は、前記アルミ電線を挿抜する側となる上側が下側よりも短く形成される
    ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
  5. 請求項2又は請求項4に記載のワイヤハーネス製造治具において、
    前記上下一対のガイド部を有する前記アルミ電線布線治具は、前記布線ガイドの各前記シャフト連結部に接し、該シャフト連結部同士を結んで描く円弧状の軌跡に沿う環状の弾性部材を更に有する
    ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
  6. 請求項5に記載のワイヤハーネス製造治具において、
    前記弾性部材は、電線挿入用の横溝部を有する
    ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
  7. 請求項6に記載のワイヤハーネス製造治具において、
    前記弾性部材は、前記横溝部の下側が上側よりも肉厚に形成される
    ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
  8. 請求項3に記載のワイヤハーネス製造治具において、
    前記左右一対のガイド部を有する前記アルミ電線用布線治具は、前記アルミ電線と前記電線受け部との間に介在する弾性部材を有し、
    該弾性部材は、電線挿入用の縦溝部を有する
    ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
  9. 請求項1ないし請求項4いずれか記載のワイヤハーネス製造治具において、
    各前記電線受け部は、これ自体が弾性部材で形成される
    ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
  10. 請求項2又は請求項4に記載のワイヤハーネス製造治具において、
    各前記電線受け部は、これ自体が弾性部材で形成されるとともに前記シャフト連結部同士が該シャフト連結部同士を結んで描く円弧状の軌跡に沿う環状の弾性部材によって連結される、
    又は、
    各前記電線受け部は、これ自体が弾性部材で形成されるとともに各前記シャフト連結部に接して前記シャフト連結部同士を結んで描く円弧状の軌跡に沿う環状の弾性部材を有する
    ことを特徴とするワイヤハーネス製造治具。
  11. 少なくともアルミ電線を含むワイヤハーネスを所望の経路に布線するための複数の布線治具を備え、前記布線治具は、前記アルミ電線を布線するためのアルミ電線用布線治具を含み、該アルミ電線用布線治具は、複数の布線ガイドからなる布線治具本体と、該布線治具本体を支持する支軸とを有し、前記複数の布線ガイドは、それぞれ、前記支軸を中心として該支軸から遠心方向に伸びるシャフト部と、該シャフト部の先端に形成されて前記アルミ電線を受ける電線受け部とを有するワイヤハーネス製造治具を用い、前記アルミ電線を所望の方向に曲げて布線する場合には、前記アルミ電線を各前記電線受け部に沿わせて曲げ布線を行う
    ことを特徴とするワイヤハーネスの製造方法。
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