以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図1および図2に基づいて、本実施の形態に係る画像形成装置について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の概略構成を正面側から透視した状態として示す透視正面図である。なお、正面とは、操作者側、つまり前面である。
本実施の形態に係る画像形成装置100は、原稿画像を読み取って記録用紙に原稿画像を再現する基本的な機能を実現するために、例えば、画像読取装置102、レーザ露光装置104、現像装置106、感光体ドラム107、中間転写部108、2次転写装置110、定着装置112、給紙トレイ114を備える。
画像読取装置102は、原稿画像を読み取って画像データを取得する。レーザ露光装置104は、画像読取装置102が読み取った画像データに基づいて、感光体ドラム107を露光し感光体ドラム107の表面に潜像を形成する。現像装置106は、感光体ドラム107に形成された静電潜像を現像する。中間転写部108は、無端ベルト状とされ、移動しながら4個(黒K、シアンC、マゼンタM、イエローYの4色に対応)の感光体ドラム107に順次接触することによって、感光体ドラム107の表面の静電潜像を順次重ねてトナー像として転写する。
2次転写装置110は、中間転写部108に転写されたトナー像を記録用紙に転写する。定着装置112は、2次転写装置110で記録用紙に転写されたトナー像を定着し、原稿画像を記録用紙に再現(画像形成:複写)する。原稿画像が再現された記録用紙は、用紙排出トレイ116へ排紙される。記録用紙は、給紙トレイ114から2次転写装置110へ供給される。
なお、以上では、画像読取装置102で原稿画像を読み取った場合の画像形成について説明したが、電子データとして外部から送信された画像データをレーザ露光装置104に入力して同様に原稿画像を記録用紙に再現(画像形成:印刷)することも可能である。また、ファクシミリの出力部(画像形成装置)として適用することも可能である。
画像形成装置100は、画像形成装置としての機能を制御するために制御部130を備える。制御部130は、例えばCPU(中央処理装置)を備えて、画像読取装置102、レーザ露光装置104、現像装置106、感光体ドラム107、中間転写部108、2次転写装置110、定着装置112の動作を制御する。
つまり、制御部130は、画像形成装置100全体の制御を司っており、電源スイッチがオンになると、予め設定された手順で画像形成装置100の各部を駆動制御して、画像形成装置100を動作前の待機状態に設定する。
待機状態となっている場合は、操作パネル132の入力操作により原稿画像の複写を指示することができる。制御部130は、操作パネル132の入力操作に基づく複写を指示する印刷指示信号を入力すると、この印刷指示信号に応答して画像形成装置100の動作を開始して、画像形成装置100の動作状態を設定し、原稿画像を読取り、読取った原稿画像を記録用紙に複写する。つまり、画像形成装置100は、複写機として機能する。
また、画像形成装置100は、ネットワークNWに接続されたインターフェース(I/F)134を備えており、ネットワークNWを通じてパーソナルコンピュータ等の外部の端末装置PC(図12参照)に接続され、インターフェース134で端末装置PCからの画像データおよび印刷指示信号を受信する。
制御部130は、インターフェース134が受信した画像データおよび印刷指示信号に対して画像形成装置100の動作を開始する。制御部130は、画像形成装置100の動作状態を設定し、端末装置PCから送信された画像データに対応する画像を記録用紙に印刷する。つまり、画像形成装置100は、プリンタとして機能する。
なお、印刷処理が終了した後、印刷処理が実行されないまま一定時間が経過すると、画像形成装置100は、再び待機状態となり、次の印刷指示信号の入力まで待機する。ここで、待機状態とは、印刷処理が実行されていない状態であって、直ちに印刷処理の実行に移れる状態である。
画像形成装置100は、上述したとおりの電子写真方式により記録用紙への画像形成を行うことから、加熱に起因する排出ガスが生じることがある。排出ガスの主成分は、記録用紙から発生すると推定されるロンギフォレン等である。排出ガスは、画像形成装置100の外へ排出される。
本実施の形態に係る画像形成装置100は、外形部100bの上方に空気清浄装置200を備える。空気清浄装置200は、正イオンおよび負イオンを発生させ、正イオンおよび負イオンを画像形成装置100が配置された空間(例えば、オフィス空間)へ放出することができる。
画像形成装置100と空気清浄装置200とを結合していることから、空気清浄装置200が作用する領域の空間(例えば、オフィス空間)を有効利用することができる。また、画像形成装置100で発生したガスに対するイオン(正イオンおよび負イオン)による処理が可能となり、また、空気清浄装置200を作用させる空間での除菌(空気清浄化)を効率的に実施することができる。
空気清浄装置200から放出された正イオンおよび負イオンは、空間へ分散され、空間での除菌作用を行うことができる。また、画像形成装置100の周囲に分散された正イオンおよび負イオンは、画像形成装置100の周囲にエアーカーテンを形成し、画像形成装置100で発生した排出ガスに対するイオンによる処理を施すことから空気の正常化を実行することができる。特に前面に正イオンおよび負イオンを分散させた場合は、画像形成装置100を操作する操作者に対して有効に作用させることができる。
なお、画像形成装置100の周囲に正イオンおよび負イオンを分散(分布)させることによって、画像形成装置100から発生する排出ガスの影響を効果的に抑制できることを実験的に確認した。
空気清浄装置200は、空気清浄装置200から延長された回転軸200sを介して支柱190に取り付けられ、空気放出方向制御部148によって空気放出方向を制御される。空気清浄装置200は、例えばファン駆動部210を備え、発生させた正イオンおよび負イオン(以下、正イオンおよび負イオンを単に正負イオン、あるいは単にイオンということがある。)を外部(例えば、オフィス空間)へ放出することができる。
空気清浄装置200は、一端側に突出して配置された回転軸200sを介して支柱190の上端に支持されている。つまり、空気清浄装置200は、支柱190によって水平方向に片持ちされている。したがって、画像形成装置100の上方スペースが開放され、画像形成装置100の使い勝手を損なわずに済む。
また、空気清浄装置200は、回転軸200sの軸心を回転中心として回転できることから、回転軸200sを中心とした円周方向で回転することができる。また、空気放出方向制御部148は、回転軸200sを中心として空気清浄装置200の回転位置を制御する構成とされている。空気放出方向制御部148は、具体的にはモータ駆動ユニットで構成されている。したがって、空気清浄装置200は、空気放出方向制御部148、回転軸200sによって、適宜の回転角度で回動することができる。
なお、空気清浄装置200の回転位置については、図2でさらに説明する。
図2は、図1に示した空気清浄装置の空気放出方向の状態を模式的に示す斜視図であり、(A)は、空気放出方向を画像形成装置の周囲に向けた場合を示し、(B)は、空気放出方向を上方に向けた場合を示す。
支柱190は、画像形成装置100(外形部100b)の背面片側のコーナー100cに配置されている。図1で説明したとおり、空気清浄装置200は、支柱190の上端に回転軸200sを介して取り付けられている。また、回転軸200sは、空気放出方向制御部148によって適宜の回転角度で垂直方向での往復回動Rotvで回転(往復回転)することができる。つまり、空気放出方向制御部148は、空気清浄装置200からの空気放出方向(イオンの放出方向)を一定の範囲内で調整することができる。あるいは、往復回動Rotvの両端位置を交互に選択して切り替える形態とすることも可能である。
なお、空気放出方向制御部148は、画像形成装置100に内蔵された制御部130に接続され、制御部130によって駆動制御される。また、制御部130は、空気放出方向制御部148の制御だけではなく、画像形成装置100全体の制御を実行できる。したがって、画像形成装置100の動作状態に応じて空気放出方向制御部148を駆動制御して、空気清浄装置200の回転位置を制御することが可能である。
画像形成装置100は、外形部100bの背面側が壁等に向けて配置されるように構成されている。また、空気清浄装置200は、画像形成装置100の背面側に設けられている。したがって、空気清浄装置200は、壁際に配置されることになり、画像形成装置100の配置に対して邪魔になることはない。
画像形成装置100が稼動状態の場合は、画像形成装置100による排出ガスが発生することがある。したがって、画像形成装置100の周囲に正負イオンを分散させて画像形成装置100からの排出ガスを迅速に処理し、排出ガスの拡散を防止することが望ましい。つまり、画像形成装置100が稼動しているときは、空気清浄装置200から斜め下向き方向の放出空気流AFod(図2(A))によって正負イオンが放出されるようにすることが望ましい。
図2(A)では、正負イオンの放出方向を空気清浄装置200から斜め下向きの放出空気流AFodに設定したが、図示した放出空気流AFodに限らず、正負イオンが画像形成装置100を覆うように画像形成装置100に向けて分散(分布)されれば、正負イオンの放出方向自体は他の方向を向いていてもよい。
画像形成装置100が待機状態の場合は、画像形成装置100による排出ガスは発生しない。したがって、空気清浄装置200からの正負イオンの放出方向は、画像形成装置100に対して反対方向である空気清浄装置200の上側方向の放出空気流AFov(図2(B))と重畳させることが望ましい。つまり、放出空気流AFovに正負イオンを重畳させて放出することによって、正負イオンを室内全体に広く拡散させることが望ましい。正負イオンを室内全体に広く拡散させることから、正負イオンによって空気中の浮遊細菌を除去し、空気の浄化を広い範囲で実行することが可能となる。
図2(B)では、正負イオンの放出方向を空気清浄装置200から上側方向の放出空気流AFovに重畳させて設定したが、上側方向の放出空気流AFovに限らず、正負イオンが空気清浄装置200の水平位置(図2(B)の一点鎖線で示す位置)から上側の範囲Yvに向けて分散(分布)されれば、正負イオンの放出方向は、いずれの方向を向いていてもよい。
<実施の形態2>
図3ないし図6に基づいて、本実施の形態に係る空気清浄装置について説明する。なお、空気清浄装置の基本的な構成は、実施の形態1で示した空気清浄装置200と同様であるので、符号を適宜援用し、主に異なる事項について説明する。
図3は、本発明の実施の形態2に係る空気清浄装置の空気吸入方向および空気放出方向を含む平面での断面を示す断面図である。
本実施の形態に係る空気清浄装置200は、外形構造を構成する筐体250、外形構造の基礎となる基本構造部250b、外形構造の放出側となる放出構造部250tを備えている。また、空気清浄装置200は、基本構造部250bに配置されたファンユニット252、基本構造部250bの外壁に配置された吸入面254、吸入面254に形成された複数の吸入孔254h、吸入孔254hとファンユニット252の吸入口252mとの間に配置された吸入ダクト256、放出構造部250tに形成された吹き出し口258とファンユニット252のファン吹き出し口260との間に配置された吹き出しダクト262、および、ファンユニット252の周囲に配置された素子配置部264に組み込まれた複数のイオン発生素子266を備えている。
空気清浄装置200は、画像形成装置100の幅方向に沿わせた長い形状としてある(図1参照)。したがって、筐体250、ファンユニット252、吸入面254、吸入ダクト256、ファン吹き出し口260、吹き出しダクト262、および素子配置部264は、画像形成装置100の幅方向に長く形成(配置)されている。また、イオン発生素子266は、素子配置部264に沿わせて画像形成装置100の幅方向に配列されている。吸入孔254hは、吸入面254で画像形成装置100の幅方向に沿わせて多数形成されている。
ファンユニット252のファン268は、モータで構成されるファン駆動部210(図16参照)により回転駆動され、ファンユニット252の内部にファン空気流AFfを発生する。したがって、ファンユニット252は、外部の空気を吸入孔254hおよび吸入ダクト256を通じて流入空気流AFinとして吸入し、吸入した空気をイオン発生素子266の近傍を通過させて正負イオンを含有させる。正負イオンを含有した空気は、ダクト空気流AFdtとしてファン吹き出し口260を通過し、吹き出しダクト262を通過して吹き出し口258から放出空気流AFoutとして外部へ放出される。ファン268を駆動するファン駆動部210(図16参照)は、空気放出方向制御部148と同様に、制御部130に接続され、制御部130により駆動制御される。
上述したとおり、イオン発生素子266(空気清浄装置200)は、正イオンおよび負イオンを外部へ放出する構成とされている。したがって、画像形成装置100は、正イオンおよび負イオンによって空気中の浮遊細菌を除去することが可能となり、空気の浄化を効果的に行うことができる。
また、画像形成装置100で発生するガスを適宜処理することができる。空気清浄装置200(空気清浄装置200A)は、正イオンおよび負イオンを外部へ放出するファン268を備える。したがって、ファン268の回転数を制御することによって、イオンの放出量を容易に、かつ効率的に調整することができる。
このような、正負イオンによる空気(空間)に対する衛生上の効果(除菌、滅菌)は、本件出願人によって種々の適用分野で確認されている。
図4は、図3に示した空気清浄装置の矢符X方向から見たイオン発生素子の正面配置状態を概念的に示す正面図である。
イオン発生素子266は、上述したとおり、画像形成装置100の幅方向で素子配置部264に複数個配列されている。イオン発生素子266は、正イオンを発生する一対の正イオン発生部266pと、負イオンを発生する一対の負イオン発生部266mとを備えている。イオン発生素子266により発生された正イオンおよび負イオンは、ファン268が発生したファン空気流AFfと共に吹き出しダクト262を経由して吹き出し口258から放出される。(イオン発生素子に関する貴社公開公報は、先行特許文献の位置へ移しました。)
なお、イオン発生素子266は、正負イオンを発生するための高電圧を発生するイオン発生素子駆動部220によって駆動され、適宜の正負イオンを発生することができる。イオン発生素子駆動部220は、制御部130(清浄動作制御部146、イオン発生素子制御部152。図16参照)によって制御される。
つまり、イオン発生素子制御部152からの制御信号に基づいてイオン発生素子駆動部220は、イオン発生素子266を制御する。したがって、複数配置されたイオン発生素子266の動作数を変更することによって、空気中のイオン濃度を変更することができるので、イオン発生素子266の動作数を増やすことによって、空間への正負イオンのイオン放出量を増強することができる。
空気清浄装置200(空気清浄装置200A)は、複数のイオン発生素子266を備え、イオン発生素子266の動作数を変更する構成とされている。したがって、画像形成装置100は、空気中のイオン濃度値に応じてイオン発生素子266の動作数を変更することから、効率的、効果的な動作状態とし、省エネルギー状態を実現することができる。
図5は、図1に示した画像形成装置に実施の形態2に係る空気清浄装置を適用したときの空気吸入方向および空気放出方向の実施例を示す概念図である。
制御部130は、画像形成装置100を例えば待機状態に設定した場合、空気放出方向制御部148を駆動制御して、空気清浄装置200の回転位置を制御し、放出空気流AFoutを垂直方向で上方側へ向けることが望ましい。なお、このような制御は、制御部130と連携するように配置されたプログラムメモリ(図16参照)に予め制御プログラムを記憶させておくことで実行することができる。
なお、流入空気流AFinは、水平方向から流入する形態となっている。つまり、図5での空気の放出方向の状態は、図2(B)の場合と同様となる。
放出空気流AFoutが上方側へ向けられた場合、正負イオンは空間の天井側へ拡散した後、空気流に乗って室内全体を覆うように拡散する。したがって、空間全体(室内全体)で、正負イオンにより空気中の浮遊細菌が除去されるので、広い範囲で空気の浄化が行われる。
一般に、画像形成装置100で待機状態となっている時間は、動作状態となっている時間よりも長くなる。画像形成装置100が待機状態となっているときに、正負イオンを室内空間全体に供給して拡散させれば、室内の空気の浄化は、より効果的になされる。
制御部130は、空気放出方向制御部148を駆動制御することによって空気清浄装置200を回転軸200sの円周方向の一定角度範囲で往復回転させてもよい(例えば、図2(A)の状態と図2(B)の状態との間での往復回転をさせることができる)。すなわち、空気清浄装置200の放出空気流AFoutがスイングするように動作させる。つまり、スイング動作をさせることによって、正負イオンの放出範囲をさらに広げることができ、さらに効果的に正負イオンを作用させることができる。
制御部130は、ファンユニット252のファン268を駆動するファン駆動部210(図16参照)を構成するモータの回転速度を調整することができる。モータの回転速度を早くした場合は、空気清浄装置200からの空気の放出速度および放出量を増大させることになり、正負イオンの放出量をさらに増大することができる。正負イオンの放出量を増大させることによって、正負イオンをさらに広く拡散することが可能となり、空気の清浄度をさらに向上させることができる。
つまり、ファン268の回転数を変えることにより、風量を変更することが可能であり、イオン放出量を変えることが可能となる。したがって、ファン268の回転数を高くすると、イオン放出量を増強(増強制御)することができる。また風量が増加することによって、正負イオンを遠方へ放出することができる。
図6は、図1に示した画像形成装置に実施の形態2に係る空気清浄装置を適用したときの空気吸入方向および空気放出方向の実施例を示す概念図である。
制御部130は、画像形成装置100を例えば動作状態に設定した場合、空気放出方向制御部148を駆動制御して、空気清浄装置200の回転位置を制御し、放出空気流AFoutを斜め下方側へ向けることが望ましい。なお、このような制御は、制御部130と連携するように配置されたプログラムメモリ138(図16参照)に予め制御プログラムを記憶させておくことで実行することができる。
なお、流入空気流AFinは、略垂直方向(斜め上方方向)から流入する形態となっている。つまり、図6での空気の放出方向の状態は、図2(A)と同様となる。
放出空気流AFoutが斜め下方側へ向けられた場合、正負イオンは、画像形成装置100の前面側を主に覆うこととなる。したがって、画像形成装置100からの排出ガスを有効に処理して排出ガスによる室内空間への影響を抑制し、室内空間の空気を清浄に維持することができる。
通常、利用者は、画像形成装置100(外形部100b)の前面側に立つことから、放出空気流AFoutが斜め下方側へ向くように空気清浄装置200を制御して、正負イオンを斜め下方側へ放出すれば、画像形成装置100の前面側を多くの正負イオンで覆うことが可能となり、利用者周辺での排出ガスの影響を効果的に抑制することができる。
制御部130は、空気放出方向制御部148を駆動制御することによって空気清浄装置200を回転軸200sの円周方向の一定角度範囲で往復回転させてもよい。すなわち、空気清浄装置200の放出空気流AFoutをスイング動作させてもよい。つまり、スイング動作をさせることによって、正負イオンの放出範囲をさらに広げることができ、さらに効果的に正負イオンを作用させることができる。
上述したとおり、制御部130は、ファンユニット252のファン268を駆動するファン駆動部210(図16参照)を構成するモータの回転速度を調整することができる。モータの回転速度を遅くした場合は、空気清浄装置200からの空気の放出速度および放出量を抑制(低減)することになり、放出空気流AFoutは、徐々に下方へ曲がる曲線を描き、放出された空気は、画像形成装置100の外形部100bに沿って下降する。
つまり、空気清浄装置200から放出された空気は、画像形成装置100の前面側に立った利用者に強く吹き付けられることがないので、正負イオンを穏やかに拡散させて、正負イオンにより画像形成装置100の前面側を確実に覆うことが可能になる。
上述したとおり、ファン268の回転数を変えることにより、風量を変更することが可能であり、イオン放出量を変えることが可能となる。つまり、ファン268の回転数を低くすると、イオン放出量を抑制(抑制制御)することができる。また、風量が抑制されることによって、正負イオンを画像形成装置100の近辺側へ放出して分布させることができる。
上述したとおり、本実施の形態では、画像形成装置100の待機状態および動作状態に応じて、空気清浄装置200からの放出空気流AFoutの方向を制御することができる。つまり、空気清浄装置200で発生した正負イオンの放出方向を変更することから、待機状態のときには空気の浄化を行い、動作状態のときには排出ガスを処理することができるので、1台の空気清浄装置200を2役で機能させることができる。
また、エアーカーテンのように正負イオンで画像形成装置100を覆った場合、画像形成装置100の排出ガスの影響を効果的に抑えられることを実験で確認した。したがって、空気清浄装置200は、画像形成装置100の外側に配置された場合でも十分に作用させることができるので、画像形成装置100の大型化を避けることができる。また、空気清浄装置200により室内の空気を浄化することができるので、空気清浄装置を別途設ける必要がなく、室内の空間を有効利用することができ、また設備費用を節減することができる。
<実施の形態3>
図7および図8に基づいて、本実施の形態に係る空気清浄装置について説明する。なお、空気清浄装置の基本的な構成は、実施の形態2で説明した空気清浄装置200と同様であるので、符号を適宜援用し、主に異なる事項について説明する。
図7は、本発明の実施の形態3に係る空気清浄装置の空気吸入方向および空気放出方向を含む平面での断面を第1開閉状態として示す断面図である。
図8は、本発明の実施の形態3に係る空気清浄装置の空気吸入方向および空気放出方向を含む平面での断面を第2開閉状態として示す断面図である。
本実施の形態に係る空気清浄装置200Aは、実施の形態2に係る空気清浄装置200が有する吹き出しダクト262に代えて、相互に対向する第1可動ダクト壁270および第2可動ダクト壁272を備えている。つまり、第1可動ダクト壁270は、駆動軸270sを回転中心として第1開閉方向MV1で開閉動作(往復両端への配置)を行い、第2可動ダクト壁272は、駆動軸272sを回転中心として第2開閉方向MV2で開閉動作(往復両端への配置)を行う。
したがって、空気清浄装置200Aは、空気清浄装置200が有する吹き出し口258と同様の状態を第1開閉状態(第1位置決め状態。図7)として実現し、吹き出し口258を閉鎖して新たな吹き出し口としての吹き出し口258Aを筐体250の側面に構成した状態を第2開閉状態(第2位置決め状態。図8)として実現する。
吹き出し口258Aは、相互に対向する第1可動ダクト壁270および第2可動ダクト壁272によって構成される。第1可動ダクト壁270は、吹き出し口258の側に配置された駆動軸270sを枢軸として回動するように制御され、第2可動ダクト壁272は、ファンユニット252のファン吹き出し口260の側に配置された駆動軸272sを枢軸として回動するように制御される。
第1可動ダクト壁270および第2可動ダクト壁272は、ダクト壁駆動部230(図16参照)によって駆動制御される。ダクト壁駆動部230は、駆動軸270sおよび駆動軸272sを同時に回転駆動することによって、第1可動ダクト壁270および第2可動ダクト壁272を同時に制御し、第1位置決め状態(図7)および第2位置決め状態(図8)を選択的に実現する。
制御部130は、画像形成装置100の待機状態および動作状態に応じて第1位置決め状態および第2位置決め状態を選択することができる。例えば、待機状態の場合、第1位置決め状態(図7)とすれば、実施の形態2(図5)と同様の状態となる。また、動作状態の場合、第2位置決め状態(図8)とすれば、実施の形態2(図6)と同様の状態となる。
第1位置決め状態、つまり、第1可動ダクト壁270および第2可動ダクト壁272が図7の状態とされた場合、第1可動ダクト壁270は、吹き出し口258Aを閉鎖している。したがって、ファン空気流AFfが発生した状態の空気清浄装置200Aでは、吸入孔254h→吸入ダクト256→ファンユニット252の内側に配置されたイオン発生素子266の近傍→ファン吹き出し口260→(ダクト空気流AFdt)→吹き出し口258という経路で空気が流れ、垂直上側方向を向くように放出空気流AFoutを発生させることができる。
また、第2位置決め状態、つまり、第1可動ダクト壁270および第2可動ダクト壁272が図8の状態とされた場合、第1可動ダクト壁270は、吹き出し口258Aを開放し、第2可動ダクト壁272は、吹き出し口258を閉鎖する。したがって、ファン空気流AFfが発生した状態の空気清浄装置200Aでは、吸入孔254h→吸入ダクト256→ファンユニット252の内側に配置されたイオン発生素子266の近傍→ファン吹き出し口260→(ダクト空気流AFdt)→吹き出し口258Aという経路で空気が流れて斜め下方向に放出される。
空気清浄装置200Aは、空気清浄装置200Aの底面中央に連結された支柱190Aによって安定的に支持される。支柱190Aには、空気放出方向制御部148Aが配置され、回転軸200saを介して空気清浄装置200Aを水平方向で左右に首振り制御する構成とされている。なお、支柱190Aは、画像形成装置100(図9参照)に設けられる。空気放出方向制御部148Aは、具体的には空気放出方向制御部148と同様、モータ駆動ユニットで構成されている。
なお、空気放出方向制御部148Aによる首振り制御は、画像形成装置100の前面に対して、左右一定角度の範囲内での往復運動状態、右側一定角度の範囲での固定状態、左側一定角度の範囲での固定状態を実現することが可能な構成とされている。このような制御は、制御部130と連携するように配置されたプログラムメモリ138(図16参照)に予め制御プログラムを記憶させておくことで実行することができる。
<実施の形態4>
図9ないし図11に基づいて、本実施の形態に係る画像形成装置について説明する。なお、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な構成は、実施の形態1に係る画像形成装置100と同様であるので、符号を適宜援用し、主に異なる事項について説明する。また、本実施の形態に係る画像形成装置に適用される空気清浄装置の基本的な構成は、実施の形態3に係る空気清浄装置200Aと同様であるので、符号を適宜援用し、主に異なる事項について説明する。
図9は、本発明の実施の形態4に係る画像形成装置での空気清浄装置の取り付け状態を示す斜視図である。
本実施の形態に係る画像形成装置100は、実施の形態3に係る空気清浄装置200Aを取り付けたものである。つまり、空気清浄装置200Aは、画像形成装置100の外形部100bの背面中央に配置された支柱190Aの上端に中央部が安定的に支持されている。
なお、斜め下方側へ向けて放出された空気流(空気放出方向)の状態を放出空気流AFodとして示す。この場合の空気流(空気放出方向)は、図2(A)とほぼ同様の状態となっている。
図10は、図9に示した空気清浄装置の空気放出方向の第1開閉状態を模式的に示す模式側面図である。なお、図7に示した空気清浄装置(第1開閉状態)の断面に対応させた透視側面を示す。
制御部130は、画像形成装置100を例えば待機状態に設定した場合、ダクト壁制御部154(図16参照)を介してモータで構成されるダクト壁駆動部230(図16参照)を駆動制御する。ダクト壁駆動制御部230は、第1可動ダクト壁270の駆動軸270s、および第2可動ダクト壁272の駆動軸272sを同時に回転させ、第1可動ダクト壁270および第2可動ダクト壁272を第1位置決め状態(図7参照)に位置決めする。
したがって、正負イオンを含有する空気流は、空気清浄装置200の吹き出し口258から垂直上側方向を向く放出空気流AFoutとして放出される。垂直上側方向へ向けて放出された放出空気流AFoutは、空間の上方へ上昇した後、空間全体に分散(拡散)するので、正負イオンが室内全体に流れて拡散し、空気の浄化が効果的になされる。
ファン268は、上述したとおり、モータで構成されるファン駆動部210(図16参照)により回転駆動される。したがって、ファン268の回転速度を速くすることにより、空気清浄装置200Aからの空気の放出速度および放出量を増大させ、正負イオンの放出範囲をより広げることが可能となる。
図11は、図9に示した空気清浄装置の空気放出方向の第2開閉状態を模式的に示す模式側面図である。なお、図8に示した空気清浄装置(第2開閉状態)の断面に対応させた透視側面を示す。
制御部130は、画像形成装置100を例えば動作状態に設定した場合、ダクト壁制御部154(図16参照)を介してモータで構成されるダクト壁駆動部230(図16参照)を駆動制御する。ダクト壁駆動制御部230は、第1可動ダクト壁270の駆動軸270s、および第2可動ダクト壁272の駆動軸272sを同時に回転させ、第1可動ダクト壁270および第2可動ダクト壁272を第2位置決め状態(図8参照)に位置決めする。
したがって、正負イオンを含有する空気流は、空気清浄装置200の吹き出し口258Aから斜め下向き方向(画像形成装置100の上面方向)の放出空気流AFoutとして放出される。斜め下向き方向へ向けて放出された放出空気流AFoutは、画像形成装置100の周囲、特に画像形成装置100(外形部100b)の前面を被覆するので、正負イオンが画像形成装置100からの排出ガスを処理(清浄化)し、利用者周辺の排出ガスの処理が効果的になされる。
ファン268は、上述したとおり、モータで構成されるファン駆動部210(図16参照)により回転駆動される。したがって、ファン268の回転速度を遅くすることにより、空気清浄装置200Aからの空気の放出速度および放出量を抑制し、正負イオンを緩やかに拡散させて、画像形成装置100(外形部100b)の前面を正負イオンにより確実に覆うようにすることが可能となる。
上述したとおり、本実施の形態に係る画像形成装置100は、空気清浄装置200Aを適用することができる。したがって、画像形成装置100の待機状態および動作状態に応じて正負イオンの放出方向、放出量を変更することが可能である。つまり、待機状態のときには空気(空間の空気)の浄化を行い、動作状態のときには排出ガスに対する処理を施すことができる。
<実施の形態5>
図12ないし図15に基づいて、本実施の形態に係る画像形成装置について説明する。
なお、本実施の形態に係る画像形成装置、空気清浄装置の基本的な構成は、実施の形態1ないし実施の形態4に係る画像形成装置100、空気清浄装置200、空気清浄装置200Aと同様であるので、符号を適宜援用し、主に異なる事項について説明する。なお、空気清浄装置として、空気清浄装置200および空気清浄装置200Aのいずれを適用するかは、適宜選択することが可能である。
図12は、本発明の実施の形態5に係る画像形成装置の空間での配置状況を示すレイアウト図である。
本実施の形態に係る画像形成装置100は、例えばオフィスルーム(オフィス空間。以下、単に「空間」とすることもある。)の適宜の位置に配置される。画像形成装置100は、オフィスルームの例えば一壁面に沿った中央領域に配置された状態とされている。
オフィスルームには、画像形成装置100の他に、例えば、端末装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)、端末装置PCに接続されたイオン濃度検知装置(IC)が配置されている。端末装置PCは、端末装置PC1から端末装置PC18までの18台が配置され、イオン濃度検知装置ICは、例えばUSB端子(Universal Serial Bus 端子)を介して各端末装置PCにそれぞれ接続されている。つまり、イオン濃度検知装置IC1からイオン濃度検知装置IC18までの18個が各端末装置PCに対応させて配置されている。
18台の端末装置PC(端末装置PC1〜端末装置PC18。なお、以下、端末装置PC1〜端末装置PC18を特に区別して記載する必要がないときは、単に端末装置PCと記載することがある。)は、例えばLANで構成されたネットワークNWを介して、サーバー500に接続され、サーバー500は、ネットワークNWを介して画像形成装置100に接続されている。したがって、端末装置PCは、画像形成装置100に対して通信することが可能な構成とされている。
また、イオン濃度検知装置IC(イオン濃度検知装置IC1〜イオン濃度検知装置IC18。なお、以下、イオン濃度検知装置IC1〜イオン濃度検知装置IC18を特に区別して記載する必要がないときは、単にイオン濃度検知装置ICと記載することがある。)は、対応する端末装置PCを介して画像形成装置100に接続され、画像形成装置100に対する通信が可能な状態とされている。したがって、画像形成装置100は、適宜のタイミングでイオン濃度検知装置ICが検出したイオン濃度値(イオン濃度データ)をイオン濃度検知装置ICから取得することができる。イオン濃度検知装置ICからのイオン濃度値を取得するタイミングとして、定期的に取得すること、画像形成装置100の動作状況(稼働中、停止中、スリープ状態など)に応じて適宜のタイミングで取得することなど、予め種々のタイミングをプログラムで設定しておくことが可能である。定期的に取得することにした場合は、イオン濃度の変化に対して空気清浄装置を迅速に機能させて、迅速なイオン放出制御を実行することができる。
なお、端末装置PCの配置、イオン濃度検知装置ICの配置、画像形成装置100の配置、サーバー500の配置は例示であり、種々のレイアウトが可能である。また、イオン濃度検知装置ICは、全ての端末装置PCに対応させる必要は無く、空間でのイオン濃度に対する適宜のサンプリングができるように適宜の位置に選択的に配置することが可能である。空間を均等に分割して、分割した領域の適宜の端末装置PCにイオン濃度検知装置ICを接続する形態とすることができる。
イオン濃度検知装置ICは、周囲の空気中のイオン濃度を検知(測定)し、イオン濃度値として画像形成装置100が備えるイオン濃度値収集部140(図16参照)にデータを送信する。逆に言えば、画像形成装置100のイオン濃度値収集部140は、イオン濃度検知装置ICからイオン濃度値を取得する。
なお、イオン濃度検知装置ICは、端末装置PCのUSB端子を利用して容易に着脱できる構成とされている。
図13は、図12に示した画像形成装置の配置状況を区分領域に対応させて示すレイアウト図である。
図14は、図13に示した空間での画像形成装置およびイオン濃度検知装置の配置状況を区分領域に対応させて示す一覧表である。なお、図14では、便宜上、イオン濃度検知装置ICをイオンカウンタICとして示し、また、イオンカウンタICは一部のみを示している。
空気清浄装置200が作用する領域LA(空間LA)としての空間を例えばマトリックス(m行n列)状の複数の区分に分割して、区分領域LAmn(配置場所)に分けた状態を示す。つまり、区分領域LAmnは、領域LA11、区分領域LA12、区分領域LA13、区分領域LA21、区分領域LA22、区分領域LA23、区分領域LA31、区分領域LA32、区分領域LA33の9区分で構成されている。なお、以下では、区分領域LAmn(m=1〜3、n=1〜3)のそれぞれを特に区別する必要がないときは、単に区分領域LAmnとして、全部または個々の区分を示すことがある。
このように区分領域LAmnを画定することによって、端末装置PC、イオン濃度検知装置IC(なお、図14では、イオン濃度検知装置ICは、選択的に示している。)の配置状態を容易にデータ化することが可能となり、画像形成装置100に対するイオン濃度検知装置ICの位置関係を容易に画定することができる。
つまり、画像形成装置100は、位置関係画定部142(図16参照)を備え、位置関係画定部142は、画像形成装置100に対するイオン濃度検知装置ICの位置関係を画定する。
本実施の形態では、サーバー500は、区分領域LA11に配置され、画像形成装置100(空気清浄装置200)は、区分領域LA12に配置されている。また、端末装置PC1、端末装置PC2は、区分領域LA21に、端末装置PC3、端末装置PC4は、区分領域LA22に、端末装置PC5、端末装置PC6は、区分領域LA23に配置されている。端末装置PC13、端末装置PC14は、区分領域LA31に、端末装置PC15、端末装置PC16は、区分領域LA32に、端末装置PC17、端末装置PC18は、区分領域LA33に配置されている。さらに、端末装置PC7、端末装置PC8、端末装置PC9、端末装置PC10、端末装置PC11、端末装置PC12は、各列に対応させて、第2行と第3行とにまたがって配置されている。
いずれの区分領域LAmnにイオン濃度検知装置ICを配置したか、また、画像形成装置100をいずれの区分領域LAmnに配置したかは、操作パネル132(図16参照)から予め設定入力する構成とすることができる。設定入力されたイオン濃度検知装置ICの区分領域LAmn(例えば、区分領域LA21、区分領域LA22、区分領域LA23、区分領域LA31、区分領域LA32、区分領域LA33)、および画像形成装置100の区分領域LAmn(区分領域LA12)は、画像形成装置100に対するイオン濃度検知装置ICの位置関係を画定する位置関係画定部142に登録しておくことによって、相互の位置関係を画定することができる。
なお、位置関係画定部142は、画像形成装置100が有する記憶装置(例えば、一時データ記憶部136)によって適宜構成することができる。位置関係画定部142は、例えば、図14に示した一覧表の形式で位置関係を登録することができる。
イオン濃度検知装置ICは、区分領域LAmnのそれぞれに対応させて少なくとも1個配置する構成とすることができる。このように構成したときは、区分領域LAmnのそれぞれに対応させて空気清浄装置200を作用させることが可能となり、高精度に空気の浄化を図ることができる。なお、イオン濃度検知装置ICは、適宜の区分領域LAmnを選択して間欠的に配置することも可能である。
上述したとおり、本実施の形態に係る画像形成装置100では、領域LAは複数に区分されて区分領域LAmnを構成してあり、イオン濃度検知装置ICおよび端末装置PCは、複数の区分領域LAmnそれぞれに対応させてある。したがって、画像形成装置100は、区分領域LAmnに対応させてイオン濃度、さらには、端末装置PCの動作状況を把握することが可能となり、高精度に空気清浄装置200を制御することができる。
図15は、図12に示した画像形成装置の水平方向での往復回動を説明する斜視図である。
空気清浄装置200Aは、画像形成装置100の本体に対して、水平方向で左右に回転するように構成されている。空気清浄装置200Aの底面は、支柱190Aの上端部を支点にして取り付けられている。また、支柱190Aの上端部には、空気放出方向制御部148Aが配置されている。空気放出方向制御部148は、具体的にはモータ駆動ユニットで構成されている。したがって、空気清浄装置200Aは、空気放出方向制御部148A、回転軸200sa(図7、図8参照)によって、適宜の回転角度で回動することができる。つまり、空気清浄装置200Aは、水平方向での往復回動Rothで左右に首振り回転することができる。
なお、図2に示した空気清浄装置200(実施の形態1)の場合は、既に説明したとおり、支柱190の上方で、垂直方向での往復回動Rotvで回転することによって、画像形成装置100の前方(前面側)に正負イオンを放射させることができる。
<実施の形態6>
図16および図17に基づいて、本実施の形態に係る画像形成装置、および画像形成装置による空気清浄方法について説明する。なお、本実施の形態に係る画像形成装置、空気清浄装置の基本的な構成は、実施の形態1ないし実施の形態5に係る画像形成装置100、空気清浄装置200、空気清浄装置200Aと同様であるので、符号を適宜援用し、主に異なる事項について説明する。
なお、空気清浄装置として、空気清浄装置200および空気清浄装置200Aのいずれを適用するかは、適宜選択することが可能である。以下では、便宜上いずれか一方のみについて説明することがある。
図16は、本発明の実施の形態6に係る画像形成装置の機能ブロックを概念的に示すブロック図である。
画像形成装置100は、制御部130、操作パネル132、インターフェース134を備える。画像形成装置100は、インターフェース134を介してネットワークNWに接続され、サーバー500、端末装置PC、イオン濃度検知装置ICと通信することができる。端末装置PCおよびイオン濃度検知装置ICは、区分領域LAmnに対応して配置されている。なお、区分領域LAmnは、予め一時データ記憶部136へ記憶させておくことができる。
制御部130は、CPU(中央処理装置)で構成され、プログラムメモリ138に予め登録されたプログラムに基づいて他の機能ブロックと連携して動作し、あるいは、単独で動作して、画像形成装置100の機能、空気清浄装置200(空気清浄装置200A)の機能など種々の機能を実行することができる。また、イオン濃度検知装置ICが検知したイオン濃度値は、一時データとして一時データ記憶部136で記憶される。
画像形成装置100は、制御部130に関連して機能するイオン濃度値収集部140、位置関係画定部142、動作状況検知部144を備える。なお、イオン濃度値収集部140、位置関係画定部142、動作状況検知部144は、制御部130が実現する機能として設定することが可能である。
イオン濃度値収集部140は、空気清浄装置200が作用する領域LA(区分領域LAmn)に配置されたイオン濃度検知装置ICによって検知されたイオン濃度値を収集する。
位置関係画定部142は、空気清浄装置200(画像形成装置100)に対するイオン濃度検知装置ICの位置関係を画定する。つまり、位置関係画定部142は、例えば一時データ記憶部136に記憶された区分領域LAmn(配置場所)を適用してイオン濃度検知装置ICの位置を認識(図14参照)することが可能となるので、空気清浄装置200の作用方向を対象とするイオン濃度検知装置ICの方向へ向けるように制御することが可能となる。
動作状況検知部144は、端末装置PCの動作状況を検知する。端末装置PCの動作状況は、例えば端末装置PCの電源状態、キーボードの操作状態などを適宜の手段で検知することによって実行することができる。
清浄動作制御部146は、空気清浄装置200からのイオン放出の状態を制御する。具体的には、制御部130が実現する機能として設定することが可能である。プログラムメモリ138に予め登録されたプログラムを適用して実現することができる。代表的な機能として、空気放出方向制御部148(148A)、ファン制御部150、イオン発生素子制御部152、ダクト壁制御部154(空気清浄装置200Aに対応)を備えている。
また、空気清浄装置200(空気清浄装置200A)は、ファン駆動部210、イオン発生素子駆動部220、ダクト壁駆動部230を備える。ファン駆動部210、イオン発生素子駆動部220、ダクト壁駆動部230は、清浄動作制御部146(空気放出方向制御部148(148A)、ファン制御部150、イオン発生素子制御部152、ダクト壁制御部154)と連携して対応する処理を実現する。
空気放出方向制御部148は、空気清浄装置200が放出する空気流(例えば、実施の形態1、図2(A)の放出空気流AFod、あるいは、図2(B)の放出空気流AFod)の方向を図2(A)あるいは図2(B)の間で切り替えること、またはこの2つの間での往復回動を行わせることなどを制御することができる。また、空気放出方向制御部148Aは、空気清浄装置200A(例えば、実施の形態3、図7、図8、図9)に対して適用され、空気清浄装置200を水平方向(例えば、実施の形態5、図15)で左右に首振り制御させることができる。
ファン制御部150は、ファン駆動部210を駆動して、ファン268の回転数を制御する。ファン268の回転数を制御することによって、空気清浄装置200から排出される放出空気流を調整して、空気中へ放出される正負イオンの量を調整することができる。
イオン発生素子制御部152は、イオン発生素子駆動部220を制御してイオン発生素子266の動作状態を制御する。したがって、制御部130(清浄動作制御部146、イオン発生素子制御部152、イオン発生素子駆動部220)によって、正負イオンの発生量を制御することができる。
ダクト壁制御部154は、空気清浄装置200A(図7、図8、図10、図11参照)に対して適用される。ダクト壁制御部154は、ダクト壁駆動部230を制御して、第1可動ダクト壁270および第2可動ダクト壁272の位置を制御し、第1位置決め状態(図7)および第2位置決め状態(図8)のいずれかを選択する制御を実行する。
図17は、本発明の実施の形態6に係る画像形成装置での検出したイオン濃度に対する清浄動作制御の処理状態を示すフローチャートである。
画像形成装置100(制御部130)は、予めプログラムメモリ138に登録されたプログラムなどに基づいて各部(各機能ブロック)と連携することによってステップS10からステップS26までの処理を行う構成とされている。
ステップS10:
制御部130およびイオン濃度値収集部140は、インターフェース134、サーバー500、端末装置PCを介してイオン濃度検知装置ICとの間で通信を行い、イオン濃度検知装置ICが検知したイオン濃度値を取得、収集する。収集されたイオン濃度値は、適宜一時データ記憶部136で記憶され、以降のステップで演算処理を施される。
つまり、本ステップは、空気清浄装置200(空気清浄装置200A)が作用する領域LA(区分領域LAmn)に配置されたイオン濃度検知装置ICによって検知されたイオン濃度値を取得するイオン濃度値取得ステップである。
なお、イオン濃度値の収集は、例えば、定期的に収集するように予めプログラムしておくことが可能である。また、イオン濃度値の収集は、画像形成装置100の動作状況(画像を形成する稼働状態、あるいは、画像を形成する稼働状態とは異なる待機状態など)に対応させて実行させる形態とすることができる。
画像形成装置100は、イオン濃度検知装置ICが接続され領域LA(区分領域LAmn)に配置された端末装置PCを介してイオン濃度値を収集する構成とされている。したがって、画像形成装置100は、イオン濃度検知装置ICが接続された端末装置PCを介してイオン濃度値を収集することから、イオン濃度検知装置ICに対する接続を簡略化することができる。
ステップS12:
制御部130は、プログラムメモリ138に記憶された処理フローに基づいて、収集したイオン濃度値と予め設定された基準値とを比較する。なお、基準値は、操作パネル132から適宜基準値として入力して設定することができ、例えば一時データ記憶部136へ記憶させておくことができる。また、基準値は、単一の値ではなく、適宜の範囲内として設定することができる。
ステップS14:
制御部130は、収集したイオン濃度値が基準値より大きいか否かを判定する。イオン濃度値が基準値より大きい場合(ステップS14:YES)は、ステップS16へ進む。イオン濃度値が基準値より小さい場合(ステップS14:NO)は、ステップS18へ進む。
ステップS16:
基準値より大きいイオン濃度値を示した該当する区分領域LAmnを抽出する。つまり、位置関係画定部142は、記憶されている空気清浄装置200(画像形成装置100)とイオン濃度検知装置ICとの位置関係(配置状態)に基づいて、対象となっているイオン濃度検知装置ICの空気清浄装置200(画像形成装置100)に対する位置関係を画定する。その後、ステップS20へ進む。
つまり、本ステップは、画像形成装置100に対するイオン濃度検知装置ICの位置関係を画定する位置関係画定ステップである。
なお、画像形成装置100に対するイオン濃度検知装置ICの位置関係は、位置関係画定部142に記憶する形態として説明したが、イオン濃度検知装置ICがサーバー500を介して通信できる状態とされている場合は、例えばサーバー500に位置関係を登録させることも可能である。位置関係画定部142は、サーバー500に登録した位置関係を読み出して画像形成装置100に対するイオン濃度検知装置ICの位置関係を画定することが可能である。
ステップS18:
制御部130は、収集したイオン濃度値が基準値より小さいか否かを判定する。イオン濃度値が基準値より小さい場合(ステップS18:YES)は、ステップS22へ進む。イオン濃度値が基準値より大きい場合(ステップS18:NO)は、ステップS26へ進む。
ステップS20:
抽出した区分領域LAmnに対して清浄動作制御部146による動作状態制御を実行する。つまり、画定した位置関係(ステップS16)と収集したイオン濃度値(ステップS10)との関係から空気清浄装置200の動作状態を制御する。なお、イオン濃度値は、基準値より高いことから、本ステップでは正負イオンの発生を抑制する抑制制御を実行する。
すなわち、イオン濃度値が高い場合であるから、制御部130(清浄動作制御部146)は、演算処理を行ってイオン濃度値を抑制する処理(抑制制御)を実行する。つまり、清浄動作制御部146は、イオン濃度値収集部140が収集したイオン濃度値と位置関係画定部142が画定した位置関係とに基づいて空気清浄装置200の動作状態を制御して空間に供給されるイオン放出量を抑制する。
例えば、全ての区分領域LAmnのイオン濃度値が基準値より高い場合、空気清浄装置200(イオン発生素子266)の動作を一時停止させる。例えば、イオン発生素子制御部152によってイオン発生素子駆動部220を制御し、イオン発生素子266を停止させる。イオン発生素子266の停止によって正負イオンの発生は停止する。イオン発生素子266の停止によって空間でのイオン濃度を抑制することから、区分領域LAmnでのイオン濃度値は、適宜の値に抑制される。なお、イオン濃度検知装置ICを周期的に機能させる場合は、一定時間後に次のイオン濃度値を収集して次の制御動作を決定することができる。
また、特定の区分領域LAmn(例えば、区分領域LA21)のイオン濃度値が基準値より高い場合、区分領域LA21は、近い位置であるから、放出空気流AFoutの方向を例えば上方側へ向けることによって正負イオンを遠方に拡散させること、放出空気流AFoutの方向を例えば区分領域LA21とは異なる区分領域LAmnの方向へ向けることなどの対応が可能である。
つまり、本ステップは、イオン濃度値取得ステップで取得したイオン濃度値と位置関係画定ステップで画定した位置関係とに基づいて空気清浄装置200(空気清浄装置200A)の動作状態を制御する清浄動作制御ステップである。
ステップS22:
基準値より小さいイオン濃度値を示した該当する区分領域LAmnを抽出する。つまり、位置関係画定部142は、空気清浄装置200(画像形成装置100)に対するイオン濃度検知装置ICの位置関係を画定する。その後、ステップS24へ進む。
本ステップは、画像形成装置100に対するイオン濃度検知装置ICの位置関係を画定する位置関係画定ステップである。
ステップS24:
抽出した区分領域LAmnに対して清浄動作制御部146による動作状態制御を実行する。なお、イオン濃度値は、基準値より低いことから、本ステップでは正負イオンの発生を増強する増強制御を実行する。
すなわち、イオン濃度値が低い場合は、制御部130(清浄動作制御部146)は、演算処理を行ってイオン濃度値を増強する処理(増強制御)を実行する。つまり、清浄動作制御部146は、イオン濃度値収集部140が収集したイオン濃度値と位置関係画定部142が画定した位置関係とに基づいて空気清浄装置200の動作状態を制御して空間に供給されるイオンを増強する。
例えば、全ての区分領域LAmnのイオン濃度値が基準値より低い場合、空気清浄装置200の動作を増強させることができる。
つまり、本ステップは、イオン濃度値取得ステップで取得したイオン濃度値と位置関係画定ステップで画定した位置関係とに基づいて空気清浄装置200(空気清浄装置200A)の動作状態を制御する清浄動作制御ステップである。
具体的には、放出空気流AFoutの方向を例えば図2(B)、図5、図10の場合のように上方側へ向けることによって正負イオンを空間全体に拡散させることができる。また、放出空気流AFoutの方向を垂直方向(例えば、図2(A)および図2(B)の間)または水平方向(例えば、図15の往復回動Roth)でスイングさせることによって、全ての区分領域LAmnに対する正負イオンの供給をより迅速に行うことも可能である。
なお、空気放出方向だけでなく、イオン放出量を増強することも可能である。ファン268の回転数を上げること、イオン発生素子266の動作数を増やすことによってイオン放出量を増強することができる。
また、例えば、区分領域LA31のイオン濃度値が低い場合、空気清浄装置200の空気放出方向を区分領域LA31の方向へ向けることが可能である。また、区分領域LA31は、遠方であるから、放出空気流AFoutを上方側へ向けること、あるいは、イオン発生素子266の動作数を増やすことによって区分領域LA31でのイオン放出量を増強することができる。
また、例えば、区分領域LA22のイオン濃度値のみが低い場合、空気清浄装置200の空気放出方向を区分領域LA22の方向へ向けることが可能である。また、区分領域LA22は、近い区分であるから、放出空気流AFoutを水平側へ向けることなどによって区分領域LA22でのイオン放出量を増強することができる。なお、近い区分であることから、イオン発生素子266の動作数は、適宜制限することができる。
ステップS26:
イオン濃度検知装置ICで検知したイオン濃度値は正常である(基準値の範囲内)であることから、空気清浄装置200(イオン発生素子266)の動作状態を維持する。
つまり、本ステップは、イオン濃度値取得ステップで取得したイオン濃度値と位置関係画定ステップで画定した位置関係とに基づいて空気清浄装置200(空気清浄装置200A)の動作状態を制御(維持)する清浄動作制御ステップである。
上述したとおり、本実施の形態に係る画像形成装置100は、イオンを放出する空気清浄装置200を備えた画像形成装置100であって、空気清浄装置200(空気清浄装置200A)が作用する領域LA(区分領域LAmn)に配置されたイオン濃度検知装置ICによって検知されたイオン濃度値を収集するイオン濃度値収集部140と、空気清浄装置200(画像形成装置100)に対するイオン濃度検知装置ICの位置関係を画定する位置関係画定部142と、イオン濃度値収集部140が収集したイオン濃度値と位置関係画定部142が画定した位置関係とに基づいて空気清浄装置200の動作状態を制御する清浄動作制御部146とを備えることを特徴とする。
したがって、画像形成装置100は、空気清浄装置200(空気清浄装置200A)を作用させる領域LAでのイオン濃度値の状況に応じて空気清浄装置200の動作状態を制御することから、空気清浄装置200が作用する領域LAに対してイオンを効果的に供給して分布させることができる。つまり、効果的に空気清浄装置200を運転して空気状態を快適で衛生的な状態に維持することが可能となる。
また、清浄動作制御部146は、空気清浄装置200の空気放出方向、および、空気清浄装置200のイオン放出量の少なくとも一方を制御する構成とされていることを特徴とする。
したがって、画像形成装置100は、空気放出方向を制御することによって、領域LA(区分領域LAmn)に対応させて空気清浄装置200を作用させることができ、また、イオン放出量を制御することによって、領域LA(区分領域LAmn)でのイオン濃度に対応させて空気清浄装置200を作用させることができるので、空気清浄化の対象である領域LA(区分領域LAmn)に対して必要性に応じて高精度に空気清浄装置200を作用させることが可能となる。
空気清浄装置200は、空気放出方向制御部148によって、垂直方向(上下方向)に対する空気放出方向を回転制御することができる。空気清浄装置200Aは、空気放出方向制御部148Aによって、水平左右方向に対する空気放出方向を回転制御し、ダクト壁制御部154およびダクト壁駆動部230によって、垂直方向(上下方向)に対する空気放出方向を切り替え制御することができる。
また、イオン放出量は、風量を増やす(ファン268の回転数を増やす)こと、イオン発生素子266の動作数を変更することによって増減することができる。
本実施の形態に係る空気清浄方法は、イオンを放出する空気清浄装置200(空気清浄装置200A)を備えた画像形成装置100による空気清浄方法であって、空気清浄装置200が作用する領域LA(区分領域LAmn)に配置されたイオン濃度検知装置によって検知されたイオン濃度値を取得するイオン濃度値取得ステップと、画像形成装置100に対するイオン濃度検知装置の位置関係を画定する位置関係画定ステップと、イオン濃度値取得ステップで取得したイオン濃度値と位置関係画定ステップで画定した位置関係とに基づいて空気清浄装置200の動作状態を制御する清浄動作制御ステップとを備えることを特徴とする。
したがって、画像形成装置100による空気清浄方法は、空気清浄装置200(空気清浄装置200A)を作用させる領域LAでのイオン濃度値の状況に応じて空気清浄装置200の動作状態を制御することから、空気清浄装置200が作用する領域LAに対してイオンを効果的に供給して分布させることができる。つまり、効果的に空気清浄装置200を運転して空気状態を快適で衛生的な状態に維持することが可能となる。
<実施の形態7>
図18ないし図20に基づいて、本実施の形態に係る画像形成装置、および画像形成装置の空気清浄方法について説明する。なお、本実施の形態に係る画像形成装置、空気清浄装置の基本的な構成は、実施の形態1ないし実施の形態6に係る画像形成装置100、空気清浄装置200、空気清浄装置200Aと同様であるので、符号を援用し、主に異なる事項について説明する。
なお、本実施の形態は、端末装置PC(図12、図13参照)の動作状態に対応させた清浄動作制御を実行する形態であり、実施の形態6(図17)のステップS16(イオン濃度値が基準値より高い場合の区分領域の抽出)、ステップS22(イオン濃度値が基準値より高い場合の区分領域の抽出)、ステップS18(イオン濃度値が基準値を満たしている場合)の後に継続する処理として実行される。
図18は、本発明の実施の形態7に係る画像形成装置での端末装置の動作状況に対する清浄動作制御の処理状態(その1)を示すフローチャートである。
ステップS16の後の処理について説明する。なお、ステップS16で、イオン濃度値が高い区分領域LAmnが抽出された状態である。したがって、イオン濃度値が高い区分領域に対する抑制制御を実行することになる。以下の処理フローは、単なる例示であり適宜その他の処理フローで処理することが可能である。
ステップS30:
抽出された区分領域LAmnに対応する端末装置PCが動作中か否かを判定する。動作中の場合(ステップS30:YES)は、ステップS32へ進む。動作していない場合(ステップS30:NO)は、ステップS34へ進む。
なお、端末装置PCが動作中か否かは、キー入力の状況などを検知して動作状況検知部144(図16参照)で判定することができる。また、端末装置PCが動作していない場合は、例えば操作者(人)は不在と判定し、端末装置PCが動作している場合は、例えば操作者は在席と判定する。「動作中か否か」と「操作者が在席か不在か」との関連づけについては、適宜判定基準を設定することができる。ここでは、簡単のため、単に「動作中」は「操作者は在席」に対応させ、「停止中」は「操作者は不在」に対応させている。
ステップS32:
抽出した区分領域LAmnに対して動作状態制御(端末装置PCの動作状態に関連付けた抑制制御)を実行する。イオン濃度値が基準値より高く、端末装置PCが動作状態(操作者は在席と判定)の場合であることから、「端末装置PCの動作状態に関連付けた抑制制御」とは、イオン濃度値を基準値範囲内に収めるように抑制制御を実行することである。なお、本実施の形態では、本ステップは、ステップS20と同様、清浄動作制御ステップとなる。
すなわち、抽出した区分領域LAmnのイオン濃度値が基準値より高い状態であり、また、端末装置PCが動作中(操作者は在席)である。したがって、抽出した区分領域LAmnでのイオン濃度値が標準値に収まるように動作状態を制御する。つまり、本ステップでは正負イオンの発生を抑制する抑制制御を実行する。なお、具体的な抑制制御は、ステップS20と同様に実行することができる。
ステップS34:
抽出した区分領域LAmnに対して動作状態制御(端末装置PCの動作状態(停止状態)に関連付けた抑制制御)を実行する。イオン濃度値が基準値より高く、端末装置PCが停止状態(操作者は不在と判定)の場合であることから、「端末装置PCの動作状態(停止状態)に関連付けた抑制制御」とは、イオン濃度値を基準値範囲内または基準値未満に収めるように抑制制御を実行することである。なお、本実施の形態では、本ステップは、ステップS20と同様、清浄動作制御ステップとなる。
すなわち、抽出した区分領域LAmnのイオン濃度値が基準値より高い状態であり、また、端末装置PCが停止中(操作者が不在)である。したがって、抽出した区分領域LAmnでのイオン濃度値が標準値または基準値未満に収まるように動作状態を制御する。つまり、本ステップでは正負イオンの発生を抑制する抑制制御を実行する。なお、具体的な抑制制御は、ステップS20と同様に実行することができる。
抽出した区分領域LAmn(例えば、区分領域LA22)に対応する端末装置PC(例えば、端末装置PC3、端末装置PC4)が停止中であるとき、区分領域LA22の方向に対しては空気清浄装置200の動作を停止して、区分領域LA22以外の他の区分領域LAmnに対して空気清浄装置200を機能させるように制御することも可能である。
なお、区分領域LA22以外の他の区分領域LAmnに対して空気清浄装置200を機能させるときの具体例としては、区分領域LA22は区分領域LAmnの中央部であることから、空気清浄装置200を左右に首振り動作させることが可能である。
図19は、本発明の実施の形態7に係る画像形成装置での端末装置の動作状況に対する清浄動作制御の処理状態(その2)を示すフローチャートである。
ステップS22の後の処理について説明する。なお、ステップS22で、イオン濃度値が低い区分領域LAmnが抽出された状態である。したがって、イオン濃度値が低い区分領域に対する抑制制御を実行することになる。以下の処理フローは、単なる例示であり適宜その他の処理フローで処理することが可能である。
ステップS40:
抽出された区分領域LAmnに対応する端末装置PCが動作中か否かを判定する。動作中の場合(ステップS40:YES)は、ステップS42へ進む。動作していない場合(ステップS40:NO)は、ステップS44へ進む。
なお、端末装置PCが動作中か否かは、上述したとおり、キー入力の状況などを検知して判定することができる。ステップS30と同様に処理することができる。
ステップS42:
抽出した区分領域LAmnに対して動作状態制御(端末装置PCの動作状態に関連付けた増強制御)を実行する。イオン濃度値が基準値より低く、端末装置PCが動作状態(操作者は在席と判定)の場合であることから、「端末装置PCの動作状態に関連付けた増強制御」とは、イオン濃度値を基準値範囲内に収めるように増強制御を実行することである。なお、本実施の形態では、本ステップは、ステップS24と同様、清浄動作制御ステップとなる。
すなわち、抽出した区分領域LAmnのイオン濃度値が基準値より低い状態であり、また、端末装置PCが動作中(操作者は在席)である。したがって、抽出した区分領域LAmnでのイオン濃度値が標準値に収まるように動作状態を制御する。つまり、本ステップでは正負イオンの発生を増強する増強制御を実行する。なお、具体的な増強制御は、ステップS24と同様に実行することができる。
ステップS44:
抽出した区分領域LAmnに対して動作状態制御(端末装置PCの動作状態(停止状態)に関連付けた抑制制御)を実行する。イオン濃度値が基準値より低く、端末装置PCが停止状態(操作者が不在と判定)の場合であることから、「端末装置PCの動作状態(停止状態)に関連付けた抑制制御」とは、イオン濃度値を基準値範囲内または基準値未満に収めるように抑制制御を実行することである。なお、本実施の形態では、本ステップは、ステップS20と同様、清浄動作制御ステップとなる。
すなわち、抽出した区分領域LAmnのイオン濃度値が基準値より低い状態であり、また、端末装置PCが停止中(操作者は不在)である。したがって、抽出した区分領域LAmnでのイオン濃度値が標準値または基準値未満に収まるように動作状態を制御する。つまり、本ステップでは正負イオンの発生を抑制する抑制制御を実行する。なお、具体的な抑制制御は、ステップS20と同様に実行することができる。
例えば、区分領域LA31に配置されたイオン濃度検知装置IC13、イオン濃度検知装置IC14のイオン濃度値が基準値より低く、また、区分領域LA31に対応する端末装置PC13、端末装置PC14は、停止状態である場合、動作状態を維持すること、あるいは、区分領域LA31に空気放出方向を向けた場合は、ファン268の回転数を低減することによって、または、イオン発生素子266の動作数を低減することにイオン放出量を抑制する。
図20は、本発明の実施の形態7に係る画像形成装置での端末装置の動作状況に対する清浄動作制御の処理状態(その3)を示すフローチャートである。
ステップS18でイオン濃度値が基準値を満たしている場合(ステップS18:NO)の後の処理について説明する。イオン濃度値が基準値を満たしていない場合は、ステップS16、ステップS22で該当する区分領域LAmnを抽出していることから、イオン濃度値が基準値を満たしている場合は、イオン濃度値に関連させて区分領域LAmnを特定するステップは設けていない。また、端末装置PCの停止状態に関連させて区分領域LAmnを画定する。なお、以下の処理フローは、単なる例示であり適宜その他の処理フローで処理することが可能である。
ステップS50:
端末装置PCが動作中か否かを判定する。動作中の場合(ステップS50:YES)は、ステップS52へ進む。動作していない場合(ステップS50:NO)は、ステップS54へ進む。
なお、端末装置PCが動作中か否かは、上述したとおり、キー入力の状況などを検知して判定することができる。ステップS30と同様に処理することができる。
ステップS52:
動作状態制御(端末装置PCの動作状態に関連付けた抑制制御)を実行する。イオン濃度値が基準値を満たしており、端末装置PCが動作状態(操作者は在席と判定)の場合であることから、そのまま動作状態を維持する。端末装置PCが動作状態の場合であることから、「端末装置PCの動作状態に関連付けた抑制制御」とは、動作状態を維持することである。なお、本実施の形態では、本ステップは、清浄動作制御ステップとなる。
ステップS54:
まず、停止状態の端末装置PCが配置されている区分領域LAmnを予め抽出(画定)しておく。端末装置PCが停止状態(操作者は不在と認定)の場合であることから、動作状態を維持するか、あるいは、端末装置PCに対応する区分領域LAmnに対して動作状態制御(端末装置PCの動作状態(停止状態)に関連付けた抑制制御)を実行する。
イオン濃度値が基準値を満たし、端末装置PCが停止状態(操作者は不在と判定)の場合であることから、「端末装置PCの動作状態(停止状態)に関連付けた抑制制御」とは、イオン濃度値を基準値範囲内または基準値未満に収めるように抑制制御を実行することである。なお、本実施の形態では、本ステップは、ステップS20と同様、清浄動作制御ステップとなる。
区分領域LAmnに対応する端末装置PCは、停止状態(操作者は不在)であることから、空気清浄装置200は、動作状態を維持すること、あるいは、停止させることが可能である。また、全ての端末装置PCが停止状態となっている場合は、空気清浄装置200の空気放出方向を垂直方向では上下に往復回動させ、水平方向で左右に首振り回動させることによって、空間の空気状態を均一化し、また、イオン発生素子266の動作数を低減してイオン放出量を抑制し、イオン濃度を低減することが可能である。
上述したとおり、本実施の形態に係る画像形成装置100は、端末装置PCの動作状況を検知する動作状況検知部144を備え、清浄動作制御部146は、動作状況検知部144が検知した端末装置PCの動作状況に応じて空気清浄装置200の動作状態を制御する構成とされている。
したがって、画像形成装置100は、端末装置PCの動作状況によって端末装置PCを操作する操作者の存否を判定して空気清浄装置200の動作状態を制御することができる。つまり、端末装置PCが動作していないときは操作者が不在であると判断して空気清浄装置200の動作を例えば抑制するように制御し、端末装置PCが動作しているときは操作者が在席していると判断して空気清浄装置200の動作を例えば増強するように制御する。したがって、操作者が居る領域に対して効果的に空気清浄装置200を作用させることが可能となるので、イオン濃度の制御を効率的に行うことができる。
なお、ステップS34、ステップS44、ステップS54のように、端末装置PCが停止中の場合の空気清浄装置200に対する制御として、イオン放出量を抑制すること、あるいは、イオン放出を停止することなどを予めプログラムとして組み込んでおくことが可能である。