以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態に係るスロットマシン10の外観を図1に示す。
図1において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられている。このフロントパネル20の中には、垂直方向に縦長の矩形の3つの表示窓22L、22C及び22Rが形成されている。これらの表示窓22L、22C及び22Rの両側には、各々の一般役に対応した入賞図柄を示す一般役ランプ24a〜24f(報知図形)が配置されている。なお、一般役ランプ24a〜24fの上方に、当たり遊技中であることを示すボーナスランプ26と、再遊技選択高状態(RT作動状態)を示すRTランプ28が配置されている。
また、表示窓22L、22C及び22Rの下方には、左側から順に、ベット数表示ランプ(ベット数表示手段)51a〜51c、クレジット数表示部53及び獲得枚数表示部54が設けてある。各ベット数表示ランプ51a〜51cの右側には、ベットされた遊技媒体の枚数を示す「1BET」、「2BET」、「3BET」の文字が表示してあり、各ベット数表示ランプ51a〜51cが点灯することによりベット数が指標されるようになっている。クレジット数表示部53及び獲得枚数表示部54は、ともに二桁の数字を表示可能なLEDからなっている。
上述した表示窓22L、22C及び22Rの下方には、概略水平の操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の左側には、1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34及び最大ベットスイッチ36が設けられている。また、操作パネル部30の右側には、遊技媒体を投入することができる遊技媒体投入口38が設けられている。
遊技媒体投入口38から遊技媒体が投入されると、遊技媒体カウンタ(図示せず)により遊技媒体の枚数が計数され、規定枚数以上の遊技媒体が投入された場合には、規定以上の枚数はクレジット数として後述するRAM110に記憶される。
1−ベットスイッチ32は、クレジット数のうちの1枚だけを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。2−ベットスイッチ34は、クレジット数のうちの2枚だけを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。最大ベットスイッチ36は、クレジット数のうちの3枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。
以下においては、賭けの対象となる遊技媒体の数を「ベット数」と称し、上述した1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34又は最大ベットスイッチ36の操作により遊技者によって賭けの対象として設定されたメダルの数を「設定ベット数」と称する。
1−ベットスイッチ32を遊技者が操作したときには、5本(3本の水平入賞ラインL1、L2A、L2Bと2本の斜め入賞ラインL3A、L3B)の入賞ラインのうちの1本、例えば中央の水平入賞ラインL1を有効化する。また、2−ベットスイッチ34を操作したときには、5本の入賞ラインのうちの3本、例えば3本の水平入賞ラインL1、L2A、L2Bを有効化する。更に、最大ベットスイッチ36を操作したときには、5本の入賞ラインの全て、即ち3本の水平入賞ラインL1、L2A、L2Bと2本の斜め入賞ラインL3A、L3Bを有効化する。
また、スロットマシン10の筐体の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される表示装置70が設けられている。なお、表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限られず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることが可能である。この表示装置70においては、様々な演出画像を表示することができる。
スロットマシン10の筐体の内部には、3個のリール40L,40C及び40Rが回転自在に設けられている。リール40L,40C及び40Rは、リング状の形状であり、このリール40L,40C及び40Rの外周面には、図柄が印刷されたリールテープが貼り付けられている。リール40L,40C及び40Rの各々には、例えば、21個の図柄が等間隔で配置されている。これらの図柄の配列は、リール40L,40C及び40Rの各々で異なる。これらのリール40L,40C及び40Rの各々は、上述した表示窓22L、22C及び22Rを介して視認可能に設けられている。リールが停止しているときには、1つの表示窓において、1本のリールの連続した3つの図柄が視認可能となる。このため、3つの表示窓22L、22C及び22Rの全てからは、合計9個の図柄が視認可能となる。
後述するように、リール40L,40C及び40Rの各々は、モータ(図示せず)により回転駆動され、表示窓22L、22C及び22Rにおいては、リール40L,40C及び40Rの外周面に描かれた図柄が上から下に向かって移動する。
操作パネル部30の前面の左側には、スタートスイッチ50が傾動可能に設けられている。操作パネル部30の前面の中央部には、3つのストップスイッチ52L、52C及び52Rが設けられている。ストップスイッチ52Lは左リール40Lに対応し、ストップスイッチ52Cは中リール40Cに対応し、ストップスイッチ52Rは右リール40Rに対応している。
上述したスタートスイッチ50を遊技者が傾動操作すると、上述した3つの40L,40C及び40Rは、一斉に回転を始める。3つのリール40L、40C及び40Rが回転したときには、リール40L,40C及び40Rの各々の外周面に描かれている図柄は、表示窓22L、22C及び22Rの各々において上から下へと移動表示される。
上述した3つのリール40L,40C及び40Rの回転速度が一定速度に達したときには、遊技者によるストップスイッチ52L,52C及び52Rの操作が有効となる。
ストップスイッチ52Lを遊技者が押動操作したときには、左リール40Lが停止する。ストップスイッチ52Cを遊技者が押動操作したときには、中リール40Cが停止する。ストップスイッチ52Rを遊技者が押動操作したときには、右リール40Rが停止する。
リール40L、40C又は40Rが停止するときには、リールの各々の外周面に描かれている図柄が、上述した入賞ラインに位置付けられるように、3つのリール40L、40C又は40Rの各々は、停止制御される。
スロットマシン10の筐体の下方の右側には、筐体の内部に収納されたスピーカ(図示せず。尚、後述する図3に示すスピーカ64に対応する。)から発せられた音を筐体の外部へ出すための透音穴60が設けられている。スロットマシン10の筐体の下方の中央部には、遊技媒体払出口62が設けられている。リール40L、40C又は40Rが停止して、有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが、所定の組合せ、即ち役を構成する図柄の組合せとなり、役に入賞したときには、その組合せに応じて予め定められた枚数の遊技媒体が遊技媒体払出口62から払い出される。
上述のように、スロットマシン10における遊技は、停止させられた複数のリール40L、40C又は40Rの停止位置により定まる図柄の組合せによって遊技結果が定まる遊技である。また、この遊技は、スタートスイッチ50を遊技者が傾動操作する度に行なわれ、複数のリール40L、40C又は40Rの回転開始から回転停止までの行程を1回の遊技として、繰り返され得る遊技である。
上述の役の種類には、例えば、当たり役、一般役、再遊技役等の種類がある。当たり役は、抽選で当たり役に当選し、その当たり役に応じた図柄が揃って入賞したときには、遊技を遊技者にとって有利に進行させる当たり遊技を行なうことができる役である。また、一般役は、抽選で一般役に当選し、その一般役に応じた図柄が揃って入賞すると、予め定められた数の遊技媒体の払い出しが行なわれる役である。また、再遊技役は、抽選で再遊技役に当選し、再遊技役に応じた図柄が揃って入賞したときに、遊技媒体を新たに投入することなく再遊技(リプレイとも称する。)が行なえるようにした役である。
また、当たり役には、ビックボーナス役(以下、BB役と称する。)及びレギュラーボーナス役(以下、RB役と称する。)がある。
RB役は、当たり遊技の1つであるRB遊技に移行させる役である。このRB遊技は、所定役が高確率で当選する遊技を一定条件下で所定回数行なう遊技である。また、BB役は、当たり遊技の1つであるBB遊技に移行させる役である。このBB遊技は、一般遊技を行なうとともに、この一般遊技中に一定条件下でRB遊技に移行できるようにした遊技であり、予め定められた遊技媒体の払い出し数に達するまで、一般遊技とRB遊技とを繰り返し行なえる遊技である。
<制御手段の説明>
スロットマシン10を制御する制御手段は、主制御回路100と副制御回路200から構成される。ここで、主制御回路100のブロック図を図2に示し、これに電気的に接続されている副制御回路200のブロック図を図3に示す。
上述したスタートスイッチ50は、主制御回路100のインターフェイス回路102に接続され、インターフェイス回路102は、入出力バス104に接続されている。スタートスイッチ50から発せられたリール回転開始信号は、インターフェイス回路102において所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。入出力バス104は、中央処理回路(以下、CPUと称する)106にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。上述したリール回転開始信号は、「操作信号」の1つを構成する。
また、上述したインターフェイス回路102には、ストップスイッチ52L,52C及び52R、並びに1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34及び最大ベットスイッチ36も接続されている。これらのボタンやスイッチから発せられる信号もインターフェイス回路102に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。上述したストップスイッチ52L,52C又は52Rから発せられる信号も、操作信号を構成する。
上述した入出力バス104には、ROM(リード・オンリー・メモリ)108及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)110も接続されている。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。例えば、後述する図5に示すメインルーチン、図6から図14に示すサブルーチン、及びこれらのプログラムで使用するための初期データを記憶する。また、RAM110は、上述した制御プログラムで使用するフラグや変数の値を一時的に記憶することができる。
入出力バス104には、乱数を発生させるための乱数発生器112も接続されている。乱数発生器112は、一定の範囲の数値、例えば0〜65535(2の16乗)に含まれる乱数を発生させる。尚、CPU106の演算処理により乱数を発させるように構成してもよい。
入出力バス104には、モータ駆動回路114が接続されている。モータ駆動回路114には、上述した3つのリール40L、40C及び40Rの各々を回転駆動するステッピングモータ80L、80C及び80Rが接続されている。ステッピングモータ80L、80C及び80Rの各々は、3つのリール40L、40C及び40Rの内部に設けられ、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転シャフトがリール40L、40C及び40Rの回転中心となるように、ステッピングモータ80L、80C及び80Rに取り付けられている。
CPU106から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路114により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ80L、80C及び80Rに供給される。なお、駆動制御命令には、回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転制御及び停止制御を行なうとともに、回転速度の制御も行なう。
CPU106が、上述したように、ステッピングモータ80L、80C及び80Rに対する制御をすることにより、リール40L、40C及び40Rの回転制御及び停止制御を行なうとともに、回転速度の制御を行なうことができる。
リール40L、40C及び40Rの各々には、各リールの回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ(図示せず)が設けられており、回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路116に接続されている。リール40L、40C及び40Rの各々の回転角度位置を示す信号が回転角度位置センサから発せられたときには、リール回転角度位置検出回路116に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。
CPU106は、供給された回転角度位置から図柄の番号を算出し、表示窓22L、22C及び22Rの各々に表示される図柄を特定する。
更に、インターフェイス回路102には、接続線118も接続されている。この接続線118によって、主制御回路100は、後述する副制御回路200に電気的に接続される。この副制御回路200を示すブロック図を図3に示す。
上述した接続線118は、副制御回路200のインターフェイス回路202に接続され、インターフェイス回路202は、入出力バス204に接続されている。主制御回路100から副制御回路200に送信された信号は、インターフェイス回路202において所望の信号に変換された後、入出力バス204に供給される。入出力バス204は、中央処理回路(以下、CPUと称する)206にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
上述した入出力バス204には、ROM(リード・オンリー・メモリ)208及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)210も接続されている。ROM208は、後述するランプ駆動回路218や、表示駆動装置220や、スピーカ駆動回路222を制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。ROM208は、表示装置70に表示するための種々の画像データや、スピーカ64から発するための演奏音データも記憶する。また、図示されていないが、演出を実施するか否かを決定のための抽選処理や演出の実施回数を定めるための抽選処理に用いる乱数発生器も設けられている。
入出力バス204には、一般役ランプ24a〜24fを含む各表示ランプ124を駆動するためのランプ駆動回路218も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じて駆動指令をランプ駆動回路218に発し、駆動指令に応じて表示ランプ124を点灯駆動する。
また、入出力バス204には、表示装置70を駆動する表示駆動装置220も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じてROM208に記憶されている画像データや文字データ等を読み出し、そのデータを表示駆動装置220に供給する。このようにすることにより、表示装置70には、画像データや文字データが画像として表示される。
更に、入出力バス204には、スピーカ64を駆動するためのスピーカ駆動回路222も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じてROM208に記憶されている音声データを読み出し、そのデータをスピーカ駆動回路222に供給する。このようにすることにより、スピーカ64から所定の音声が発せられる。
(機能ブロック図の説明)
次に、スロットマシン10の制御の機能ブロック図を図4に示す。
制御回路として、主制御手段100と副制御回路200が電気的に接続され、主制御回路100には、操作手段300が電気的に接続され、また、リール40L、40C及び40Rの各々に設けられたモータ80L、80C及び80Rが電気的に接続されている。副制御回路200には、表示装置70、表示ランプ124、及びスピーカ64が電気的に接続されている。
3つのストップスイッチ52L,52C及び52Rから停止操作手段310が構成され、この停止操作手段310と、スタートスイッチ50と、ベットスイッチ32、34及び36とから操作手段300が構成される。この操作手段300は、スイッチに限られず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。
<主制御回路100の説明>
主制御回路100は、役抽選手段410と、リール制御手段440と、当たり遊技制御手段450と、再遊技制御手段460と、再遊技選択高状態制御手段470とを含む。
役抽選手段410は、役抽選処理によって、役(当たり役であるBB役とRB役、一般役、再遊技役)の抽選を行なうものである。役抽選手段410は、例えば、役抽選用の乱数発生器112(ハード乱数等)と、この乱数発生器112が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段420と、乱数抽出手段420が抽出した乱数値に基づいて役の当選の有無及び当選役を判定する乱数判定手段430とを備えている。この役抽選手段410による制御処理は、役抽選処理サブルーチン(図6、図7参照)に示される。
リール制御手段440は、スタートスイッチ50から発信されたリール回転開始信号を受信することによって、モータ80L、80C、80Rの制御を行なって、リール40L、40C、40Rを回転させ、そして、ストップスイッチ52L、52C、52Rから発信されたリール停止信号の受信または所定時間の経過によって、リール40L、40C、40Rを停止させるリール作動に関する制御を行なう。停止の制御においては、当選した役に対応して、停止図柄が揃うまたは揃わないようにするための図柄組合せ制御を行なう。このリール制御手段440による制御処理は、リール変動、停止サブルーチン(図8参照)に示される。
当たり遊技制御手段450は、役抽選処理で当たり役や一般役が当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、各々の役に対応した図柄が揃ったと判別したときに、遊技が遊技者にとって有利に進行する当たり遊技や所定枚数の遊技媒体の払い出しを行なう。
再遊技制御手段460は、抽選処理で再遊技役が当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、再遊技役に対応した図柄が揃ったと判別したときに、遊技媒体を投入しないで、次の遊技を行なうための制御を行なう。また、所定の条件を満たす場合には、役抽選処理で再遊技役が当選する確率がより高く設定された再遊技選択高状態(以下RT(リプレイタイムの略)作動状態と称する。)が設定可能になっている。
再遊技選択高状態制御手段470は、所定の開始要件を達成したときに、遊技の態様を、役抽選手段により再遊技役が当選する確率がより高い値に設定されたRT作動状態(再遊技選択高状態)に変更し、RT作動状態(再遊技選択高状態)に変更後、所定の解除要件を達成したときに、RT作動状態(再遊技選択高状態)を解除する制御処理を行なう。
<副制御回路200の説明>
副制御回路200には、画像制御手段510、音声制御手段520、ランプ制御手段530、報知図形表示手段540、演出実施決定抽選手段550、及び演出実施回数抽選手段560が設けられている。画像制御手段510は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、ROM208に記憶した画像データを読み出し、表示駆動装置220を制御して、表示装置70に所定の演出画像を表示することができる。また、音声制御手段520は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、ROM208に記憶した記憶した音声データを読み出して、スピーカ駆動回路222を制御して、スピーカ64から所定の音声を発することができる。
ランプ制御手段530は、報知図形表示手段540からの信号を含む様々な操作信号に基づいて、ROM208に記憶したランプ点灯データを読み出し、ランプ駆動回路218を制御して、一般役ランプ24a〜24fを含む各表示ランプ124に関して、点灯、消灯、点滅等の制御を行なう。また、報知図形表示手段540は、ランプ制御手段530に制御信号を送信して、一般役ランプ24a〜24fを点灯し、リールが停止する毎に一般役ランプ24a〜24fの一部を消灯する一般役ランプを用いた演出を行なう。
演出実施決定抽選手段550は、RT作動状態(再遊技選択高状態)でない遊技において、一般役ランプを用いた演出を実施するか否かを抽選処理で定める。また、演出実施回数抽選手段560は、RT作動状態(再遊技選択高状態)において実施する一般役ランプを用いた演出の実施回数を抽選処理で定める。これらの抽選手段は、例えば、乱数発生器(ハード乱数等、図示せず)と、この乱数発生器が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段(図示せず)と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて1の値を定める乱数判定手段(図示せず)とを備えている。
(制御処理の説明)
以下に、上述した制御手段において行なわれる各種の制御について、フローチャートを用いながら詳細に説明する。
図5には、主制御回路100で行なわれる制御処理のメインルーチンを示す。図6から図14には、このメインルーチンで行なわれる制御処理である各サブルーチンを示す。
図6と図7には、役抽選手段410により行なわれる役抽選と、役抽選に引き続き行なわれるフラグオン処理を行なう役抽選処理サブルーチンを示す。図8には、リール制御手段440により、リールの回転、停止のための制御を行なうリール変動、停止サブルーチンを示す。図9には、リール変動、停止サブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理であるフラグオフ、RT設定処理サブルーチンを示す。
図10には、フラグオフ、RT設定処理サブルーチンの制御処理の一部であるRB遊技中処理サブルーチンを示し、図11には、フラグオフ、RT設定処理サブルーチンの制御処理の一部であるBB遊技中処理サブルーチンを示し、図12には、フラグオフ、RT設定処理サブルーチンの制御処理の一部である役当選時処理サブルーチンを示す。また、図13には、役当選時処理サブルーチンの制御処理の一部であるBB、RB判定処理サブルーチンを示し、図14には、役当選時処理サブルーチンの制御処理の一部である一般役入賞処理サブルーチンを示す。
また、上述にように、副制御回路200においては、主制御回路100から受信した信号に基づいて、画像表示のための制御、表示ランプを点灯させるための制御、及び音声を発するための制御を行なう。
図15には、報知図形表示手段540及び演出実施決定抽選手段550によって行なわれる一般役ランプ演出サブルーチンを示し、図16には、一般役ランプ演出サブルーチンの制御処理の一部である演出制御サブルーチンを示す。また、図17には、演出実施回数抽選手段560によって行なわれる演出実施回数決定サブルーチンを示す。
なお、以下に説明する制御処理においては、スロットマシン10は予め起動されており、上述した主制御回路100や副制御回路200において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
<メインルーチンの説明>
まず、メインルーチンの制御処理の説明を、図5のフローチャートを用いながら説明する。このメインルーチンでは、遊技者が遊技媒体を投入して、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させて停止させるまでの1工程を1回とする遊技を、1回行なうときの制御処理を示す。
まず、パラメータNRPの値が、0より大きいか否かを判断する(ステップS11)。ここでNRPは、再遊技を行なうか否かを定めるパラメータであり、0より大きい場合には再遊技を行ない、0以下の場合には再遊技を行なわないように設定されている。また、図11のステップS127や図12のステップS146に示すように、再遊技役に当選し入賞したときに、NRPの値として1をインプットするようになっている。
ステップ11の判断で、もし、NRPの値が0以下である(NO)と判別したときには、再遊技を行なわないと判断して、次に、遊技媒体が投入されたか否かを判断する(ステップS12)。この判断で、もし、遊技媒体が投入された(YES)と判別したときには、ステップS15へ進み、遊技媒体投入口38の下部に設置された遊技媒体カウンタでカウントした投入枚数を、ベット数として検出する。ただし、規定枚数(本実施形態では3枚)を越える枚数の遊技媒体が投入されたときには、規定枚数を越える分の遊技媒体は、クレジット枚数としてRAM110に記憶する。
ステップS12の判断において、もし、遊技媒体が投入されていない(NO)と判断したときには、次に、クレジットされた遊技媒体が有るか否かを判断する(ステップS13)。この判断で、もし、クレジットされた遊技媒体はない(NO)と判別したときには、再びステップS12へ戻り、ステップS12とステップS13の判断処理を繰り返し実行する。
また、ステップS13の判断で、もし、クレジットされた遊技媒体が有る(YES)と判別したときには、次に、ベット操作信号を受信したか否かを判断する(ステップS14)。このベット操作信号は、遊技者がベットスイッチ32、34または36の何れか1のスイッチを操作したときに発信される。この判断で、もし、ベット操作信号を受信していない(NO)と判別したときには、再びステップS12に戻り、ステップS12からステップS14までの判断処理を繰り返し実行する。ステップS14の判断で、もし、ベット信号を受信した(YES)と判別したときには、受信したベット操作信号からベット数を検出する(ステップS15)。そして、遊技媒体の投入またはクレジットされた遊技媒体の使用の何れの場合においても、検出したベット数を新たなベット数としてRAM110に記憶し、クレジットされた遊技媒体を使用する場合には、同時に、遊技媒体のクレジット数から、検出したベット数分の枚数だけ減じる処理を行なう(ステップS16)。そして、役抽選処理サブルーチン(ステップS18)へ進む。
ステップS11の判断において、もし、NRPの値が0より大きく(YES)、再遊技状態にあると判別したときには、NRPの値に0をインプットして再遊技状態を解除し(ステップS17)、ステップS12からステップS16の処理を行なうことなく、役抽選処理サブルーチン(ステップS18)へ進む。つまり、再遊技状態にあると判別したときには、遊技媒体を新たに投入したり、クレジットした遊技媒体を消費することなく、遊技を行なうことができる。また、再遊技におけるベット数としては、本実施形態では、前の遊技におけるベット数と同じベット数を設定するような制御が行なわれるが、前の遊技のベット数と異なる値のベット数を設定する制御も可能である。
ステップS18の役抽選処理サブルーチンでは、役抽選手段410による役抽選が行なわれ、当選した役に応じて、RBフラグ、BBフラグ、再遊技フラグ、一般役フラグをオンにするフラグオンの処理が行なわれる。このサブルーチンの詳細については、図6と図7のフローチャートを用いて後述する。
役抽選処理サブルーチン(ステップS18)に引き続いて、この役抽選の結果に基づいて、リール40L、40C、40Rを回転させてから停止させるリールの動きに関する制御処理を行なうリール変動、停止サブルーチン(ステップS19)が行なわれる。このリール変動、停止サブルーチンは、リール制御手段440によって行なわれ、このサブルーチンの詳細については、図8のフローチャートを用いて後述する。
次に、リール変動、停止サブルーチンによってリールが停止した後、入賞図柄判定を行なって、その判定結果に基づいて、フラグオフの処理を行なう入賞判定、フラグオフ処理サブルーチン(ステップS20)が行なわれる。このサブルーチンの詳細については、図9〜図14のフローチャートを用いて後述する。
そして、役抽選、入賞図柄判定の結果に基づいて、入賞した当たり遊技に対応した所定枚数の遊技媒体を払い出す払い出し処理(ステップS21)が行なわれる。この払い出し処理は、実際に遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すことも可能であるし、払い出す代わりに、所定枚数の遊技媒体をクレジットすることも可能である。以上の制御処理によって1回分の遊技が終了する。このメインルーチンに示される制御処理を繰り返すことによって、遊技者は複数回数の遊技を行なうことができる。
<役抽選処理サブルーチン>
次にメインルーチンのステップS18で行なわれる役抽選処理サブルーチンについて、図6と図7に示したフローチャートを用いながら詳細に説明する。
まず、スタートスイッチONの信号を受信したか否か判断する(ステップS31)。このスタートスイッチONの信号は、遊技者によるスタートスイッチ50の操作をしたときに操作手段300により発信される信号であり、この信号に基づいてリール制御手段440は、リールの回転を開始する制御を行なう(図8のステップS73参照)。
この判断で、スタートスイッチONの信号を受信していない(NO)と判別したときには、このステップS31の判断処理を繰り返す。つまり、遊技者がスタートスイッチ50を操作するまで、遊技のスタートを待つ待機状態となっている。
ステップS31の判断で、もし、スタートスイッチONの信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、パラメータNRBの値が、0より大きいか否かを判断する(ステップS32)。NRBは、RB遊技を行なうか否かを定めるパラメータであり、0より大きい場合にはRB遊技を行ない、0以下の場合にはRB遊技を行なわないように設定されている。また、図11のステップS124や図13のステップS164に示すように、RB役に当選し入賞した場合には、NRBの値として1をインプットするようになっている。
ステップS32の判断で、もし、NRBの値が0より大きい(YES)と判別したときには、ROM108に記憶されたRB用抽選表を読み出し(ステップS33)、ステップS43へ進む。ここで、RB用抽選表の実施例を図18に示す。
RB用抽選表では、図柄番号1の当たり役と、図柄番号2のはずれが設定されており、当たり役の場合には、3つのリール共にJACの図柄が揃うと入賞するように設定されている。後述するステップS43で行なう役抽選において、当たり役が当選する確率は1/1.01であり、非常に高く設定されている。従って、RB遊技中においては、当たり役に当選する可能性が高くなっており、逆に、はずれの確率は、約1/100に設定され、はずれとなる可能性は低くなっている。
ステップS32の判断で、もし、NRBの値が0以下である(NO)と判別したときには、次に、パラメータNBBの値が、0より大きいか否かを判断する(ステップS34)。NBBは、BB遊技を行なうか否かを定めるパラメータであり、0より大きい場合にはBB遊技を行ない、0以下の場合にはBB遊技を行なわないように設定されている。また、図13のステップS162に示すように、BB役に当選して入賞した場合には、NBBの値として1をインプットするようになっている。
ステップS34の判断で、もし、NBBが0より大きい(YES)と判別したときには、ROM108に記憶されたBB作動時一般抽選表を読み出し(ステップS35)、ステップS43へ進む。ここで、BB作動時一般抽選表の実施例を図19に示す。
BB作動時一般抽選表は、BB遊技中であって、かつRB遊技中ではない状態の場合に用いる抽選表である。もし、BB遊技中であってRB遊技中の場合には、上述の図18に示すRB用抽選表を用いる。BB作動時一般抽選表では、図柄番号1〜5の5種類の一般役と、図柄番号6のRB役と、図柄番号7のはずれが設定されている。ここで、後述するBB未作動時一般抽選表(図21参照)と比較すると、BB作動時一般抽選表では、再遊技役及びBB役がない設定になっている。
図柄番号1〜3の一般役1〜3は、入賞図柄として何れもチェリーが設定されている。まず、図柄番号1の一般役1は、役抽選における当選確率が1/240であって、左リールの図柄が白チェリーであれば、残り2つのリールの図柄については、何れの図柄であっても入賞するように設定されている。図柄番号2の一般役2は、役抽選における当選確率が1/240であって、左リールの図柄が赤チェリーであれば、残り2つのリールの図柄については、何れの図柄であっても入賞するように設定されている。図柄番号3の一般役3は、役抽選における当選確率が1/240であって、左リールの図柄が青チェリーであれば、残り2つのリールの図柄については、何れの図柄であっても入賞するように設定されている。
また、図柄番号4の一般役4は、役抽選における当選確率が1/10であって、3つのリール共にベルの図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。図柄番号5の一般役5は、役抽選における当選確率が1/100であって、3つのリール共にスイカの図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。
図柄番号6のRB役は、役抽選における当選確率が1/4であって、3つのリール共にリプレイの図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。後述するBB未作動時一般抽選表(図21参照)では、役抽選におけるRB役の当選確率は1/600であり、BB遊技中においては、通常遊技時に比べてRB役に当選する確率が高く設定されている。また、役抽選における図柄番号7のはずれの確率は、約1/1.59に設定されている。
次に、ステップS34の判断で、NBBの値が0以下である(NO)と判別したときには、次に、NRTが0より大きい値であるか否かを判断する(ステップS36)。ここでNRTは、遊技状態が、役抽選で再遊技が当選する可能性がより高くなるRT作動状態(再遊技選択高状態)であるか否かを定めるパラメータである。
NRTは、初期状態では0に設定されており、RT作動状態の開始要件が満たされたとき、具体的には、BB遊技が終了したときにNRTの値に1をインプットする(図10のステップS107、図11のステップS134参照)ようになっている。また、RT作動状態において、RT作動状態の解除要件が満たされたとき、具体的には、RT作動状態における遊技数が所定回数に達したとき(図6のステップS41)、BB役に当選したとき(図7のステップS54参照)、及び一般役1〜3が入賞したとき(図14のステップS183参照)に、NRTの値に0をインプットしてRT作動状態を解除する。
ステップS36の判断で、もし、NRTの値が0より大きい(YES)と判別したときには、次に、RTKAISUの値に1を加える処理を行なう(ステップS37)。ここでRTKAISUは、RT作動状態での遊技回数を数えるためのカウンタである。RT作動状態を設定するときに、RTKAISUOの値に0をインプットして初期化し(図10のステップS108、図11のステップS135参照)、RT作動状態で遊技を行なうたびに、RTKAISUの値に1を加えていく処理を行なう。
ステップS37に引き続き、ROM108に記憶されたRT作動時一般抽選表を読み出す(ステップS38)ここで、RT作動時一般抽選表の実施例を図20に示す。
RT作動時一般抽選表では、図柄番号1〜5の5種類の一般役と、図柄番号6の再遊技役と、図柄番号7のRB役と、図柄番号8のBB役と、図柄番号9のはずれが設定されている。このRT作動時一般抽選表と、通常の遊技状態において用いるBB未作動時一般抽選表(図21参照)と比較すると、設定されている役と図柄は同一であるが、RT作動時一般抽選表では、図柄番号6の再遊技役の当選確率が、BB未作動時一般抽選表よりも大きな値が設定されている。以下に、RT作動時一般抽選表について、図柄番号順に説明する。
図柄番号1〜5の5種類の一般役については、上述のBB作動時一般抽選表(図19参照)や後述するBB未作動時一般抽選表(図21)と、当選確率、図柄の全てにおいて同一に設定されている。
図柄番号6の再遊技役は、役抽選における当選確率が1/1.5であって、3つのリール共に「リプレイ」の図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。後述するBB未作動時一般遊技表(図21参照)においては、再遊技役が役抽選で当選する確率が1/7.3に設定されている。図20と図21との比較で明らかなように、RT作動時においては、再遊技役が役抽選で当選する確率が、通常の遊技状態に比べて非常に高く設定されている。
また、図柄番号7のRB役は、役抽選における当選確率が1/600であって、3つのリール共に青7の図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。図柄番号8のBB役は、役抽選処理における当選確率が1/300であって、3つのリール共に赤色の7の図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。従って、図20と図21との比較で明らかなように、RT作動時においては、通常の遊技状態に比べて、再遊技役の役抽選における当選確率がより高く設定されているが、一般役、当たり役については全く同一に設定されている。RT作動時におけるはずれの確率は、再遊技役が当選する確率が高く設定されている分、通常の遊技状態に比べて低く設定されている。
次に、図6のフローチャートの説明に戻り、ステップS38でRT作動時一般抽選表を読み出した後は、RT作動信号を副制御回路200へ送信する(ステップS39)。副制御回路200では、ステップS39で送信されたRT作動信号に基づいて、一般役ランプ演出サブルーチンのステップS203の判断処理を行なう(図15参照)。
次に、RTKAISUの値がRTMAX1以上であるか否かを判断する(ステップS40)。この判断で、もし、RTKAISUの値がRTMAX1以上である(YES)と判別したときには、NRTの値に0をインプットしてRT作動状態を解除し(ステップS41)、ステップS43へ進む。ステップS40の判断で、もし、RTKAISUの値がRTMAX1より小さい(NO)と判別したときには、RT作動状態を解除せずに、そのままステップS43へ進む。
本実施形態では、RTMAXの値として5000が設定されている。ただし、このRT作動状態においてこの遊技回数に達する前に、BB役に当選する場合(図7のステップS54参照)や一般役1〜3が入賞した場合(図14のステップS183参照)には、RT作動状態を解除することになる。
次に、ステップS36の判断に戻って、もし、NRTの値が0以下である(NO)と判別したときには、ROM108に記憶したBB未作動時一般抽選表を読み出す(ステップS42)。ここで、BB未作動時一般抽選表の実施例を図21に示す。
BB未作動時一般抽選表は、既に説明したように、通常の遊技状態において用いられる抽選表であり、図柄番号1〜5の5種類の一般役、図柄番号6の再遊技役、図柄番号7のRB役、図柄番号8のBB役、及び図柄番号9のはずれが設定されている。図柄番号1〜5の5種類の一般役は、上述のBB作動時一般抽選表(図19参照)と、役抽選における当選確率及び図柄の設定共に、同一の設定がなされている。図柄番号6の再遊技役は、役抽選処理における当選確率が1/7.3であって、3つのリール共にリプレイの図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。
図柄番号7のRB役は、役抽選処理における当選確率が1/600であって、3つのリール共に青7の図柄が揃う場合に入賞するように設定されており、BB遊技中に比べてRB役に当選する可能性は低くなっている。図柄番号8のBB役については、役抽選処理における当選確率が1/300であって、3つのリール共に赤7の図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。また、はずれの役抽選における確率は約1/1.36に設定されている。
以上のように、遊技の状態に応じた抽選表を読み出した後、乱数を取得して抽選判定を行なう役抽選を実施する(ステップS43)。具体的には、乱数発生器112で発生させた乱数を乱数抽出手段420で抽出し、乱数判定手段430が、この抽出した乱数と上述の読み出した抽選表を照らし合わせて当選の判定を行なう。
そして、図6に引き続いて図7に移り、この判定の結果、RB役に当選したか否かを判断する(ステップS50)。もし、RB役に当選した(YES)と判別したときには、RB役フラグをオンにして、RAM110に記憶し(ステップS51)、ステップS61へ進む。
ステップS50の判断で、もし、RB役に当選していない(NO)と判別したときには、次に、BB役に当選したか否かを判断する(ステップS52)。この判断で、もし、役抽選によってBB役に当選した(YES)と判別したときには、BB役フラグをオンにしてRAM110に記憶し(ステップS53)、NRTの値に0をインプットして初期化し(ステップS54)、ステップS61へ進む。このステップS54の処理により、仮にRT作動状態であったとしても、BB役に当選したときには、次の遊技からRT作動状態が解除される。
ステップS52の判断で、もし、BB役に当選していない(NO)と判別したときには、次に、再遊技役に当選したか否かを判断する(ステップS55)。この判断で、もし、役抽選によって再遊技役に当選した(YES)と判別したときには、再遊技フラグをオンにして、RAM110に記憶し(ステップS56)、再遊技役フラグの信号を副制御回路200へ送信し(ステップS57)、ステップS61へ進む。副制御回路200では、ステップS57で送信された再遊技フラグの信号に基づいて、一般役ランプ演出サブルーチンのステップS202の判断処理を行なう(図15参照)。
ステップS55の判断で、もし、再遊技役に当選していない(NO)と判別したときには、次に、一般役に当選したか否かを判断する(ステップS58)。この判断で、もし、役抽選によって一般役に当選した(YES)と判別したときには、一般役フラグをオンにして、RAM110に記憶し(ステップS59)、一般役フラグの信号を副制御回路200へ送信し(ステップS60)、ステップS61へ進む。副制御回路200では、ステップS60で送信された一般役フラグの信号に基づいて、一般役ランプ演出サブルーチンのステップS201の判断処理を行なう(図15参照)。
ステップS58の判断で、もし、一般役に当選していない(NO)と判別したときには、フラグオンの処理は行なわずに、そのままステップS61へ進む。
以上のようにフラグオンに関する一連の処理を行なった後、ステップ61において、役抽選で当選した役に対応した図柄番号、制御図柄データをROM108から読み出して、後述するリール変動、停止サブルーチンに用いるため、このデータをRAM110に記憶する。以上によって、役抽選処理サブルーチンを終了する。
<リール変動、停止サブルーチンの説明>
次に、図5のメインルーチンにおいて、上述の役抽選処理サブルーチン(ステップS18)が終了すると、次に、リール変動、停止サブルーチン(ステップS19)を行なう。図8に示すフローチャートを用いて、リール変動、停止サブルーチンの詳細な説明を行なう。
まず、図7のステップS61で記憶した図柄番号と制御図柄データを読み出す(ステップS71)。そして、予め定められた最短時間を経過したか否かの判断を行なう(ステップS72)。この判断で、もし、最短時間が経過していない(NO)と判別したときには、このステップS72の判断処理を繰り返し実行する。つまり、最短時間が経過するまで次の工程であるリールの回転開始を行なえないようなっている。この制御によって、一定時間に行なわれる遊技の回数を、所定の回数以内に抑える制御を行なっている。
ステップS72の判断で、もし、最短時間が経過した(YES)と判別したときには、既にスタートスイッチONの信号を受信しているので(図6のステップS31参照)、リール回転開始信号をモータ駆動回路114に送信して、モータ80L、80C、80Rの回転を開始させ、リール40L、40C、40Rを回転させる(ステップS73)。
次に、回転を始めたリールが定速回転になっているか否かを判断する(ステップS74)。この判断で、もし、リールの回転がまだ定速回転になっていない(NO)と判別したときには、このステップS74の判断処理を繰り返す。つまり、リールの回転が定速回転に達するまでは、次の工程であるリールの停止制御が行なえないようになっている。
ステップS74の判断で、もし、リールの回転が定速回転になっている(YES)と判断したときには、次に、リール停止信号を受信したか否かを判断する(ステップS75)。ここで、リール停止信号は、停止スイッチ52L、52C、52Rのうち、遊技者が何れか1つの停止スイッチを押動操作したときに、操作手段300によって発信される信号である。
ステップS75の判断で、もし、リール停止の操作検知信号を受信した(YES)と判別したときには、リール制御手段440は、操作検知信号を発信した停止スイッチに対応するリールの図柄組み合わせ制御(停止制御)を行ない(ステップS76)、ステップS77へ進む。
ここで、ステップS75、76の制御処理を更に詳細に説明すれば、左リール用の停止スイッチ52Lが押動操作された場合には、リール制御手段440は、左リール40Lを回転させるモータ80LについてステップS76の停止制御を行なう。同様に、中リール用の停止スイッチ52Cが押動操作された場合には、中リール40Cを回転させるモータ80CについてステップS76の停止制御を行ない、右リール用の停止スイッチ52Rが押動操作された場合には、右リール40Rを回転させるモータ80RについてステップS76の停止制御を行なう。
図柄組み合わせ制御(停止制御)は、ステップS71で読み出した図柄番号、制御図柄データに基づいて、リールを最大4コマ分滑らして、その範囲内で、所定の図柄を停止させる、または停止させないようにモータの停止制御を行なうものである。更に詳細な制御の説明については省略する。
次に、停止報知信号を副制御回路200へ送信し(ステップS77)、ステップS78へ進む。この停止報知信号には、左、中、右のうちどのリールが停止したか、及びどの図柄が停止したかに関する情報が含まれている。副制御回路200では、ステップS77で送信された停止報知信号に基づいて、演出制御サブルーチンのステップS221及び224の判断処理を行なう(図16参照)。
ステップS75の判断において、もし、リール停止信号を受信していない(NO)と判別したときには、停止に関する制御を行なわずに、次にステップS78へ進む。ステップS78では、全てのリールは停止したか否かを判断する。
この判断で、もし、全てのリールが停止してはいない(NO)と判別したときには、次に、タイムリミットが経過したか否かを判断する(ステップS79)。この判断で、もし、タイムリミットに達していない(NO)と判別したときには、再びステップS75に戻り、ステップS75からステップS79の制御処理を繰り返す。以上により、全リールが停止するまで、または、タイムリミットを経過するまでは、リール停止信号を受信するごとに、対応するリールの図柄組み合わせ制御(停止制御)を行なう工程を繰り返す。
ステップS79の判断で、もし、タイムリミットを経過した(YES)と判別したときには、まだ回転を続けているリールについて、自動図柄停止制御を行なって全リールを停止させ(ステップS80)、ステップS81へ進む。なお、この自動図柄停止制御では、最大4つ分の図柄(4コマ)停止位置をずらすことが可能であり、その範囲内で、常に入賞図柄が揃うことがないように停止制御を行なう。
次に、ステップS78の判断に戻り、もし、全てのリールが停止している(YES)と判別したときには、ステップS81へ進む。ステップS81では、全停止信号を副制御回路200へ送信し、本サブルーチンを終了する。副制御回路200では、ステップS81で送信された全停止信号に基づいて、演出制御サブルーチンのステップS227の判断処理を行なう(図16参照)。
<フラグオフ、RT設定処理サブルーチンの説明>
図5のメインルーチンにおいて、上述のリール変動、停止サブルーチン(ステップS19)が終了すると、次に、フラグオフ、RT設定処理サブルーチン(ステップ20)を行なう。図9に示すフローチャートを用いて、フラグオフ、RT設定処理サブルーチンの詳細な説明を行なう。
まず、遊技の状態がRB遊技中であるか否かの判断を行なう(ステップS91)。この判断で、もし、RB遊技中である(YES)と判別したときには、RB遊技中処理サブルーチン(ステップS92)を行なって、フラグオフ、RT設定処理サブルーチンを終了する。RB遊技中処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。
ステップS91の判断で、もし、遊技の状態がRB遊技中ではない(NO)と判別したときには、次に、遊技の状態がBB遊技中であるか否かを判断する(ステップS93)。この判断で、もし、BB遊技中である(YES)と判別したときには、BB遊技中処理サブルーチン(ステップS94)を行なって、フラグオフ、RT設定処理サブルーチンを終了する。BB遊技中処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。
ステップS93の判断で、もし、遊技の状態がBB遊技中ではない(NO)と判別したときには、次に、当選役があるか否かを判断する(ステップS95)。この判断で、もし、当選役がある(YES)と判別したときには、役当選時処理サブルーチン(ステップS96)を行なって、フラグオフ、RT設定処理サブルーチンを終了する。役当選時処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。
ステップS95の判断で、もし、当選役がない(NO)と判別したときには、一般処理サブルーチン(ステップS97)を行なって、フラグオフ、RT設定処理サブルーチンを終了する。一般処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。
以下に、ステップS92、S94、S96、S97に示されるサブルーチンの詳細な説明を行なう。
<RB遊技中処理サブルーチンの説明>
初めに、ステップ91の判断で、RB遊技中であると判別したときに実施するRB遊技中処理サブルーチン(ステップS92)の詳細な説明を、図10に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、上述のリール変動、停止サブルーチンによって停止したリール図柄が入賞しているか入賞図柄判定を行なう(ステップS101)。次に、ゲーム回数と入賞回数をカウントして、ゲーム回数と入賞回数のデータを更新し、更新したデータをRAM110に記憶する(ステップS102)。これらのデータは、RB遊技の終了条件に用いられ、ゲーム回数または入賞回数が所定の回数に達したときには、RB遊技を終了する。
次に、BB遊技中であるか否かを判断する(ステップS103)。この判断で、もし、BB遊技中である(YES)、つまり、BB遊技中においてRB遊技中であると判別したときには、払出枚数をカウントして払出枚数のデータを更新し、更新したデータをRAM110に記憶する(ステップS104)。このデータは、BB遊技の終了条件に用いられ、払出枚数が所定枚数に達したときには、BB遊技を終了する。
次に、BB遊技の終了条件を達成しているか否かを判断する(ステップS105)。この判断で、もし、BB遊技の終了条件を達成している(YES)と判別したときには、NBB及びNRBの値に0をインプットして、RB遊技状態、BB遊技状態を解除する(ステップS106)。
次に、NRTの値として1をインプットしてRT作動状態を設定し(ステップS107)、RT作動状態における遊技数を数えるためのカウンタRTKAISUの値に、0をインプットして初期化する(ステップS108)。そして、RT開始信号を副制御回路200へ送信して(ステップS109)、本サブルーチンを終了する。副制御回路200では、ステップS109で送信されたRT開始信号に基づき、演出実施回数決定サブルーチンのステップS240の判断処理を行なう(図17参照)。
また、ステップS105の判断で、もし、BB終了条件に達成していない(NO)と判別したときには、次に、RB終了条件を達成しているか否かを判断する(ステップS110)。この判断で、もし、RB終了条件を達成している(YES)と判別したときには、NRBの値に0をインプットしてRB遊技状態を解除し(ステップS111)、本サブルーチンを終了する。ステップS110の判断で、もし、RB終了条件を達成していない(NO)と判別したときには、RB遊技状態の解除は行なわずに本サブルーチンを終了する。
ステップS103の判断に戻って、BB遊技中でない(NO)と判別したときには、次に、RB終了条件を達成しているか否かを判断する(ステップS112)。この判断で、もし、RB終了条件を達成している(YES)と判別したときには、NRBの値に0をインプットしてRB遊技状態を解除し(ステップS113)、本サブルーチンを終了する。ステップS113の判断で、もし、RB終了条件を達成していない(NO)と判別したときには、RB遊技状態の解除は行なわずに本サブルーチンを終了する。
<BB遊技中処理サブルーチンの説明>
次に、フラグオフ、RT設定処理サブルーチン(図9参照)において、ステップS93でBB遊技中であると判別したときに実施するBB遊技中処理サブルーチン(ステップS94参照)の詳細な説明を、図11に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、上述のリール変動、停止サブルーチンによって停止したリール図柄が入賞しているか入賞図柄判定を行なう(ステップS121)。次に、この入賞図柄判定の結果、何らかの役が入賞しているか否かを判断する(ステップS122)。この判断で、もし、入賞がある(YES)と判別したときには、次にRB役が入賞したか否かを判断する(ステップS123)。この判断で、もし、RB役が入賞した(YES)と判別したときには、NRBの値に1をインプットしてRB遊技状態の設定を行ない(ステップS124)、RBフラグをオフにして(ステップS125)、ステップS131へ進む。
ステップS123の判断で、もし、RB役が入賞していない(NO)と判断したときには、次に、再遊技役が入賞したか否か判断する(ステップS126)。この判断で、もし、再遊技役に入賞した(YES)と判別したときには、NRPの値に1をインプットして再遊技の状態を設定し(ステップS127)、再遊技役フラグをオフにして(ステップS128)、ステップS131へ進む。また、ステップS126の判断で、もし、再遊技役に入賞していない(NO)と判別したときには、一般役のフラグをオフにして(ステップS129)、ステップS131へ進む。
ステップS122の判断に戻り、もし、入賞がない(NO)と判別したときには、何らかのフラグがオンになっていればフラグオフにして(ステップS130)、ステップS131へ進む。
ステップS131では、払出枚数をカウントして、払出枚数のデータを更新し、更新したデータをRAM110に記憶する。このデータは、BB遊技の終了条件に用いられ、払出枚数が所定の枚数に達したときには、BB遊技を終了する。
次に、BB遊技の終了条件が達成したか否かを判断する(ステップS132)。この判断で、もし、BB遊技の終了条件を達成している(YES)と判別したときには、NBBの値に0をインプットしてBB遊技状態を解除する(ステップS133)。そして、NRTの値として1をインプットしてRT作動状態を設定し(ステップS134)、RT作動状態における遊技数を数えるためのカウンタRTKAISUの値に0をインプットして初期化する(ステップS135)。そして、RT開始信号を副制御回路200へ送信して(ステップS136)、本サブルーチンを終了する。副制御回路200では、ステップS136で送信されたRT開始信号に基づき、演出実施回数決定サブルーチンのステップS240の判断処理を行う(図17参照)。
また、ステップS132の判断で、もし、BB終了条件が達成していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
<役当選時処理サブルーチンの説明>
次に、フラグオフ、RT設定処理サブルーチン(図9参照)において、ステップS95で当選役ありと判別したときに実施する役当選時処理サブルーチン(ステップS96参照)の詳細な説明を、図12に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、上述のリール変動、停止サブルーチンによって停止したリール図柄が入賞しているか入賞図柄判定を行なう(ステップS141)。次に、この入賞図柄判定の結果、何らかの役が入賞しているか否かを判断する(ステップS142)。
この判断で、もし、入賞している(YES)と判別したときには、次に、BB役またはRB役が入賞したのか否かの判断を行なう(ステップS143)。この判断で、もし、BB役またはRB役が入賞した(YES)と判別したときには、BB、RB判定処理サブルーチンを行なって(ステップS144)、本サブルーチンを終了する。このBB、RB判定処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。
ステップS143の判断で、もし、BB役またはRB役が入賞していない(NO)と判別したときには、次に、再遊技役が入賞したのか否かを判断する(ステップS145)。この判断で、もし、再遊技役が入賞した(YES)と判別したときには、NRPの値に1をインプットして再遊技状態の設定を行なう(ステップS146)。そして、再遊技役フラグをオフにし、もし、BB、RBフラグがオンになっている場合には、BB、RBフラグの持ち越し処理を行なって(ステップS147)、本サブルーチンを終了する。
ステップS145の判断で、もし、再遊技役が入賞していない(NO)と判別したときには、一般役に入賞したと判断して、一般役入賞処理サブルーチンを行なって(ステップS148)、本サブルーチンを終了する。この一般役入賞処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。
ステップS142の判断に戻って、もし、入賞がない(NO)と判別したときには、次に、BB、RBフラグはオンになっているか否かを判断する(ステップS149)。この判断で、もし、BB、RBフラグがオンになっている(YES)と判別したときには、このBB、RBフラグの持ち越し処理を行ない、他のフラグ(再遊技役、一般役)がオンになっていれば、そのフラグをオフにして(ステップS150)、本サブルーチンを終了する。
ステップS149の判断で、もし、BB、RBフラグがオンになっていない(NO)と判別したときには、フラグオンになっているフラグ(再遊技役、一般役)をオフにして(ステップS151)、本サブルーチンを終了する。
<BB、RB判定処理サブルーチン>
次に、役当選時処理サブルーチン(図12参照)において、ステップS143でBB役またはRB役が入賞したと判別したときに実施するBB、RB判定処理サブルーチン(ステップS144参照)の詳細な説明を、図13に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、BB役が入賞したか否かを判断する(ステップS161)。この判断で、もし、BB役が入賞した(YES)と判別したときには、NBBの値として1をインプットしてBB遊技状態の設定を行ない(ステップS162)、BBフラグをオフにして(ステップS163)、本サブルーチンを終了する。
ステップ161の判断に戻って、もし、BB役が入賞していない(NO)と判別したときには、RB役が入賞したと判断して、NRBの値に1をインプットしてRB遊技状態の設定を行なう(ステップS164)。そして、RBフラグをオフにして(ステップS165)、本サブルーチンを終了する。
<一般役入賞処理サブルーチン>
次に、役当選時処理サブルーチン(図12参照)において、ステップS145で一般役に入賞したと判断したときに実施する一般役入賞処理サブルーチン(ステップS148参照)の詳細な説明を、図14に示すフローチャートを用いて説明する
まず、NRTの値が0より大きいか否かを判断する(ステップS181)。この判断で、もし、NRTの値が0以下である(NO)、つまり、RT作動状態でないと判断された場合には、そのままステップS184へ進む。ステップS181の判断で、もし、NRTの値が0より大きい(YES)と判別したときには、次に、一般役1〜3が入賞したか否かを判断する(ステップS182)。この判断で、もし、一般役1〜3が何れも入賞していない(NO)と判別したときには、そのままステップS184へ進む。
ステップS182の判断で、もし、一般役1〜3が入賞した(YES)と判別したとき、つまり、RT作動時において一般役1〜3が入賞したと判別したときには、NRTの値に0をインプットしてRT作動状態を解除し(ステップS183)、ステップS184へ進む。本実施形態では、役抽選で一般役1〜3に当選した場合であっても、遊技者のリールの停止操作によって、一般役1〜3が入賞する場合も入賞しない場合もあり、入賞しない場合にはRT作動状態が継続する。また、遊技者は、リールの停止操作を行なうに当たり、後述する副制御回路200による一般役ランプ(報知図形)を用いた演出を参照して、リールの停止操作を行なうことができる。
ステップS184においては、一般役のフラグをオフにして、BB、RBフラグがオンであれば、持ち越し処理を行ない、本サブルーチンを終了する。
<メインルーチンの説明(続き)>
以上のように、ステップS92、S94、S96、S97に示されるサブルーチンが終了して、図9に示すフラグオフ、RT設定処理サブルーチンが終了する。ここで、図5のメインルーチンに戻り、ステップS20のフラグオフ、RT設定処理サブルーチンを終了し、ステップS21の払い出し処理を終了して、本メインルーチンを終了する。これにより、図柄が変動してから停止するまでの1工程を1回とする遊技を行なうための制御処理が終了する。
<一般役ランプ演出サブルーチン>
次に、副制御回路200により行なわれる一般役ランプ演出サブルーチンの説明を、図15に示すフローチャートを用いて行なう。本サブルーチンでは、リール40L、C、Rの両側に描かれた各一般役の入賞図柄を示す図形と、この図形を背後から照らすバックランプとを備えた一般役ランプ(報知図形)を用いて、バックランプを点灯することによって報知状態を示し、バックランプを消灯することによって非報知状態を示す演出を行なう。
まず、一般役フラグの信号(図7のステップS60参照)を主制御回路100から受信したか否かを判断する(ステップS201)。この判断で、もし、一般役フラグの信号を受信した(YES)と判別したときには、ステップS203へ進む。ステップS201の判断で、もし、一般役フラグの信号を受信していない(NO)と判別したときには、次に、再遊技役フラグの信号(図7のステップS57参照)を主制御回路100から受信したか否かを判断する(ステップS202)。
この判断で、もし、再遊技役フラグの信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。一般役フラグの信号及び再遊技役フラグの信号を主制御回路100から受信していない、つまり、役抽選で一般役にも再遊技役にも当選していない場合には、報知図形を用いた演出は行なわずに、本サブルーチンを終了する。ステップS202の判断で、もし、再遊技役フラグの信号を受信した(YES)と判別したときには、ステップS203へ進む。
ステップS203では、RT作動信号(図6のステップS39参照)を主制御回路100から受信したか否かを判断する。この判断で、もし、RT作動信号を受信した(YES)、つまり、遊技状態がRT作動状態である場合には、次に、一般役ランプを用いた演出を行なう回数を示すカウンタNAVIの値が、NAVIMAXより大きいか否かを判断する(ステップS204)。
ここで、NAVIMAXの値は、同一のRT作動状態において実施可能な一般役ランプを用いた演出の最大実施回数であり、本実施形態では、RT作動状態の設定時に、演出実施回数決定サブルーチンによってその値を定める。
次に、この演出実施回数決定サブルーチンの内容を、図17を用いて説明する。まず、RT開始信号(図10のステップS109、図11のステップS136参照)を主制御回路100から受信したか否か判断する(ステップ240)。この判断で、もし、RT開始信号を受信していない(NO)と判断したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS240の判断で、もし、RT開始信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、ROM208に記憶された演出実施回数抽選表を読み出して、抽選処理を行なう(ステップS241)。この抽選処理では、演出実施回数抽選表に示された5種類の演出実施回数(NAVIMAX)の中から、1つの回数を定めるものである。
この抽選処理は、副制御回路200に設置された演出実施回数抽選用の乱数発生器、乱数抽出手段、乱数判定手段により行なわれ、具体的には、乱数発生器で発生させた乱数を乱数抽出手段で抽出し、乱数判定手段が、この抽出した乱数と上述の読み出した演出実施回数抽選表を照らし合わせて1つの演出実施回数を定める判定を行なう。
ここで、演出実施回数抽選表の実施例を図22に示す。この演出実施回数抽選表では、演出実施回数(NAVIMAX)として、2回、5回、10回、20回、50回の5種類の回数が設定されており、抽選における当選確率が各々1/5に設定されている。
次に、この抽選処理により定められた値を、NAVIMAXの値としてインプットしてRAM210に記憶する(ステップS242)。そして、カウンタNAVIの値に0をインプットして初期化する(ステップS243)。NAVIの値については、図15のステップS205に示すように、一般役ランプを用いた演出を1回行なうごとに、1づつ加えていく制御処理を行なう。
図15の一般役ランプ演出サブルーチンの説明に戻り、ステップ204の判断で、もし、NAVIの値がNAVIMAXの値よりも大きい(YES)、つまり、一般役ランプを用いた演出を既にNAVIMAX回行なっている場合には、そのまま本サブルーチンを終了する。また、ステップS204の判断で、もし、NAVIの値がNAVIMAXの値以下である(NO)と判別したときには、次に、NAVIの値に1を加える制御処理を行なって(ステップS205)、ステップS208の演出制御サブルーチンへ進む。
次に、ステップS203の判断に戻り、もし、RT作動信号を受信していない(NO)と判別したときには、ROM208に記憶された演出実施決定抽選表を読み出して、抽選処理を行なう(ステップS206)。つまり、役抽選で一般役または再遊技役に当選しているがRT作動状態ではない場合には、抽選処理によって、一般役ランプを用いた演出を行なうか否かを定める。
この抽選処理は、副制御回路200に設置された演出実施決定抽選用の乱数発生器、乱数抽出手段、乱数判定手段により行なわれ、具体的には、乱数発生器で発生させた乱数を乱数抽出手段で抽出し、乱数判定手段が、この抽出した乱数と上述の読み出した演出実施決定抽選表を照らし合わせて演出を行なうか否かを定める判定を行なう。
ここで、演出実施決定抽選表の実施例を図23に示す。この演出実施回数抽選表では、演出を実施する確率が1/3に設定され、演出を実施しない確率が2/3に設定されている。そして、この抽選処理の結果、演出を実施するか、または実施しないかを判断する(ステップS207)。
この判断で、もし、演出を実施しない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS207の判断で、もし、演出を実施する(YES)と判別したときには、演出制御サブルーチンを行なって(ステップS208)、本サブルーチンを終了する。
<演出制御サブルーチン>
次に、図16を用いて、この演出制御サブルーチンの説明を行なう。演出制御サブルーチンでは、リール40L、C、Rの両側に描かれた各一般役の入賞図柄を示す図形と、この図形を背後から照らすバックランプとを備えた一般役ランプ(報知図形)を用いて、バックランプを点灯することによって報知状態を示し、バックランプを消灯することによって非報知状態を示す制御を行なう。
ここで、一般役ランプの実施例を図24に示す。この実施例では、一般役ランプ24a〜fが、フロントパネル20上のリール40L、C、Rの左右に配置されている。
左リール40Lの左側には、一般役1〜3に対応する図柄チェリーを示す一般役ランプ24a〜cが配置されており、上から順に、一般役1に対応する図柄白チェリーを示す一般役ランプ24a、一般役2に対応する図柄赤チェリーを示す一般役ランプ24b、及び一般役3に対応する図柄青チェリーを示す一般役ランプ24cが配置されている。一方、右リール40Rの右側には、上から順に、一般役4に対応する図柄スイカを示す一般役ランプ24d、一般役5に対応する図柄ベルを示す一般役ランプ24e、及び再遊技役に対応する図柄リプレイ(R)を示す一般役ランプ24fが配置されている。各々の一般役ランプ24a〜fは、フロントパネル20上に描かれた各々の図柄を示す図形と、この図形を背後から照らすバックランプとを備え、これらのバックランプは、個々に点灯または消灯することができるようになっている。
図16の演出制御サブルーチンの説明の戻ると、まず、全ての一般役ランプ24a〜24fを点灯させる(ステップS220)。具体的には、バックランプを点灯させる。つまり、全ての報知図形を報知状態にする。次に、1回目の停止報知信号(図8のステップS77参照)を、主制御回路100から受信したか否かを判断する(ステップS221)。なお、主制御回路100から受信する停止報知信号には、左、中、右リールのうちどのリールが停止したか、及びその停止図柄に関する情報も含まれている。
この判断で、もし、1回目の停止報知信号を受信していない(NO)と判別したときには、次に、全停止信号(図8のステップS81参照)を受信したか否かを判断する(ステップS222)。この判断で、もし、全停止信号を受信した(YES)、つまり、1回目の停止報知信号を受信する前に、リールが自動停止して遊技が終了したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。また、ステップS222の判断で、もし、全停止信号を受信していない(NO)と判別したときには、ステップS221とステップS222の制御処理を繰り返す。つまり、1回目の停止報知信号を受信するか、全停止信号を停止するまで、待機状態となり、全ての一般役ランプ24a〜fが点灯された状態を維持する。
ステップS221の判断で、もし、1回目の停止報知信号を受信した(YES)と判別したときには、左リール40Lの左側に配置された一般役ランプ24a〜24cの中から、入賞図柄に対応しない1個の一般役ランプを消灯し、同時に、右リール40Rの右側に配置された一般役ランプ24d〜24fの中から、入賞図柄に対応しない1つの一般役ランプを消灯する制御処理を行なう(ステップS223)。ここで、本実施形態では、入賞図柄に対応しない複数の一般役ランプの中から、抽選処理によって消灯する1つの一般役ランプを定めている。なお、遊技者に入賞の期待を持たせるために、例えば、停止したリールの停止図柄は、消灯せずに引き続き点灯させておく制御処理を行なうこともできる。
次に、2回目の停止報知信号(図8のステップS77参照)を、主制御回路100から受信したか否かを判断する(ステップS224)。この判断で、もし、2回目の停止報知信号を受信していない(NO)と判別したときには、次に、全停止信号(図8のステップS81参照)を受信したか否かを判断する(ステップS225)。この判断で、もし、全停止信号を受信した(YES)、つまり、2回目の停止報知信号を受信する前に、リールが自動停止して遊技が終了したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。また、ステップS225の判断で、もし、全停止信号を受信していない(NO)と判別したときには、ステップS224とステップS225の制御処理を繰り返す。つまり、2回目の停止報知信号を受信するか、全停止信号を停止するまで、待機状態となり、リールの左右で一般役ランプが2個づつ点灯した状態を維持するになっている。
ステップS224の判断で、もし、2回目の停止報知信号を受信した(YES)と判別したときには、左リール40Lの左側に配置された一般役ランプの中から、入賞図柄に対応しない1個の一般役ランプを消灯し、右リール40Rの右側に配置された一般役ランプの中から、入賞図柄に対応しない1つの一般役ランプを消灯する制御処理を行なう(ステップS226)。ここで、本実施形態では、入賞図柄に対応しない一般役ランプが複数ある場合には、抽選処理によって消灯する1つの一般役ランプを定める。また、より絞り込んだ入賞図柄の情報を遊技者に与えるために、例えば、既に停止したリールの停止図柄が入賞図柄でない場合には、優先的にその一般役ランプを消灯する制御処理を行なうこともできる。
以上のように、残り1つのリールが回転している状態において、左リール40Lの左側、及び右リール40Rの右側で点灯している各々1つの一般役ランプの中に、入賞図柄が含まれるので、遊技者は、この演出から得られる情報に基づいて、入賞図柄を推測しながらリールの停止操作を楽しみ、停止操作に基づいて、当選役を入賞させたり、させなかったりすることができる。
次に、主制御回路100から、全停止信号(図8のステップS81参照)を受信したか否かを判断する(ステップS227)。この全停止信号は、遊技者の停止操作により残り1つのリールが停止した場合と、所定時間が経過して自動停止した場合が考えられる。この判断で、全停止信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判断処理を繰り返す。つまり、残り1つのリールが停止するまで、リールの左右で各々1個づつの一般役ランプが点灯した状態を継続する。
そして、ステップS227の判断で、もし、全停止信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、点灯している一般役ランプを全て消灯して(ステップS228)、本サブルーチンを終了する。
なお、本実施形態では、役抽選で一般役1〜3に入賞したときには、左リール40Lで図柄チェリーが停止すれば、他のリールの停止図柄に関わらず入賞する設定になっている。また、RT作動状態において一般役1〜3が入賞したときには、RT作動状態を解除する設定になっておいる。従って、RT作動状態では、リールの停止順として、左リール40Lが最後に停止するような停止操作を行なうことによって、この演出の最も絞り込まれた情報を利用しながら停止操作が行なうことができるので、RT作動状態が継続する可能性がより高い遊技の進行を期待することができる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、RT作動時に一般役1〜3が入賞したときに、RT作動状態を解除するように設定しているが、解除要件となる役は、一般役1〜3(図柄チェリー)には限られず、その他の一般役や当たり役等あらゆる役を設定することができる。
また、上述の実施形態では、RT作動状態の解除要件として、BB役に当選した場合や、所定回数の遊技を行なった場合が設定されているが、必ずしも、これらの要件を設定する必要はなく、また、その他の要件を設定することも可能である。
また、上述の実施形態では、入賞図柄を示す図形を背後から照らすバックランプを点灯または消灯することによって、報知図形を報知状態または非報知状態に変更しているが、この実施形態に限られず、例えば、表示装置に入賞図柄を示す画像を表示し、または消去することによって行なうこともできるし、その他の様々な方法を用いることができる。
更に、本発明に係るスロットマシンは、上述の実施形態には限られず、その他様々な実施形態が含まれる。