JP5293333B2 - ケーブルの配線構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のタイヤハウスの内壁を構成するフェンダエプロンに配線される、ケーブルの配線構造に関する。
特開平10−19710号公報(特許文献1)に開示されているタイヤ空気圧モニタ装置や、特開2007−230295号公報(特許文献2)に開示されている車輪情報検出装置においては、ケーブルをタイヤハウス内へ配線する必要がある。
図10は特許文献1に開示されたタイヤ空気圧モニタ装置を示す図で、(a)は構成図であり、(b)はタイヤ周りの断面図である。
図10(a)において、車両1aの4つの車輪2には、タイヤ空気圧を検出する検出部10が設けられ、車室内には、検出部10によって検出されたタイヤ空気圧を報知するモニタ部20が設けられている。このモニタ部20は、モニタ部本体20a、ディスプレイ20b、アンテナ20cから構成されている。図10(b)に示すように、検出部10は、各車輪2毎にタイヤ2a内に設けられ、その取り付け位置は、車輪2のホイール2bの内側である。また、車体側には各車輪2毎に検出部10に対向するようにアンテナ20cが設けられ、これらのアンテナ20cは、図10(a)に示すように、ケーブル30によってモニタ部本体20aに接続されている。
図11は、特許文献2に開示された車輪情報検出装置を車両1bに搭載した状態を説明する図である。
図11に示すように、車輪情報検出装置は、車両1bの車輪3と一体で回転する鉄等の磁性体からなるロータ3aの近くに設置され、そのロータ3aの回転状態に応じた信号を出力する回転センサ21aと、回転センサ21aの出力信号を演算処理する演算回路部21bと、演算回路部21bによって演算処理された回転センサ21aの出力信号に基づいて、車輪3の回転状態を検出する検出回路部22とを備える。また、回転センサ21aと演算回路部21bとの間、及び、演算回路部21bと検出回路部22との間を接続することで、回転センサ21aと演算回路部21bと検出回路部22とを一続きに接続する配線31が設けられる。この配線31は、車輪3を覆うタイヤハウス5aの車外側を引き回された後で車内側に引き込まれ、検出回路部22に接続される。また、タイヤハウス5aに設けられた貫通穴4aから配線31を車内側に引き込む引込部4bが設けられ、該引込部4bを介して車内側に引き込まれる。
特開平10−19710号公報 特開2007−230295号公報
図10に示したタイヤ空気圧モニタ装置や図11に示した車輪情報検出装置においては、アンテナやセンサに繋がるケーブルが車室外に露出しているため、車室外に露出する該ケーブルがアンテナとなって、該ケーブルからのノイズ放射が懸念される。同じ車両の車室外にはノイズ感受性(サセプティビティ)が高いラジオアンテナも配置されているため、特に、該ラジオアンテナへのLF(Low Frequency、長波)帯放射ノイズの混入が懸念される。
そこで本発明は、車両のタイヤハウスの内壁を構成するフェンダエプロンに配線される、ケーブルの配線構造であって、製造コストを増大することなく、車両の周囲へのノイズ放射(特にラジオアンテナへのノイズ混入)を抑制することのできるケーブルの配線構造を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、車両のタイヤハウスを構成するフェンダエプロンと、前記車両のボディの外壁を構成するフェンダとが、フェンダエプロンおよびフェンダの端部であってタイヤに沿ってアーチ状に形成されたフェンダアーチで接続されてなり、前記車両の車室外に露出し、前記タイヤハウスの内壁の前記フェンダエプロンに配線される、ケーブルの配線構造であって、前記タイヤハウス内に引き込まれる始点の引込部から終点に至る前記ケーブルが、車両の側面視において、前記フェンダアーチを前記端部とする内側の前記フェンダに覆われるようにして、また、車両の正面からの断面視において、前記タイヤを間に挟んで前記フェンダエプロンに投影した前記フェンダアーチの投影線の構成要素である投影点と、前記フェンダとの接続点であるフェンダアーチの裏側の投影点との間において、前記タイヤハウスの内壁の前記フェンダエプロンに、前記タイヤに沿って配線されてなることを特徴としている。
上記ケーブルの配線構造は、車両のタイヤハウスを構成するフェンダエプロンと、車両のボディの外壁を構成するフェンダとが、フェンダエプロンおよびフェンダの端部であってタイヤに沿ってアーチ状に形成されたフェンダアーチで接続されてなり、車両の側面視において、前記フェンダアーチを前記端部とする内側のフェンダに覆われるように、タイヤハウス内に引き込まれる始点の引込部から終点に至る上記ケーブルを配線するものである。このため、該フェンダが、車室外に露出する上記ケーブルからのノイズ放射に対するシールドとして機能し、上記ケーブルからの当該車両の周囲へのノイズ放射を抑制することができる。特に、上記ケーブルは、タイヤに沿ってアーチ状に形成されたフェンダアーチの内側のフェンダに覆われるように配線されているため、該フェンダとタイヤの上方のフェンダエプロンによって、車両の上方へのノイズ伝播を抑制することができる。このため、特に、同じ車両の上方に配置されているラジオアンテナへのノイズの混入を抑制することができる。
尚、上記ケーブルの配線構造は、フェンダエプロンへのケーブルの配線位置を規定するものであり、該配線構造の採用による特別な製造コストの増大はない。
以上のようにして、上記ケーブルの配線構造は、タイヤハウスの内壁を構成するフェンダエプロンに配線されるケーブルの配線構造であって、製造コストを増大することなく、車両の周囲へのノイズ放射(特にラジオアンテナへのノイズ混入)を抑制することのできるケーブルの配線構造となっている。
上記ケーブルの配線構造においては、請求項2に記載のように、前記ケーブルが、車両の正面からの断面視において、前記投影線の構成要素である前記投影点と、前記タイヤの中心軸を含む平面内で該中心軸から最も離れた前記フェンダエプロンの頂部点(T3)との間(T1−T3)において、また、車両の側面視において、前記投影線と、前記頂部点をタイヤに沿ってアーチ状に連ねるフェンダエプロンの頂部包絡線(T3r)との間(T1r−T3r)おいて前記タイヤハウスの内壁の前記フェンダエプロンに、前記タイヤに沿って配線されてなることが好ましい。これによれば、上記ケーブルの長さを必要以上に長くすることなく、フェンダアーチの内側のフェンダに覆われるように配線することができる。このため、上記ケーブルによる信号や電力の伝送ロスを抑制することができる。
この場合、請求項3に記載のように、車両の側面視において、前記投影線から法線方向に所定幅だけ拡大して前記フェンダエプロンに描いた曲線を拡大投影線(K1r)としたとき、前記ケーブルが、前記所定幅を0.05m以上とする前記拡大投影線と前記頂部包絡線との間に、配線されてなることが好ましい。
シミュレーション結果によれば、車両の側面視において、ケーブルをフェンダアーチの内側のフェンダに0.05m以上覆われるようにすることで、LF帯放射ノイズを、車両におけるラジオ雑音発生の一般的な基準閾値である−54[dBμV/m]以下に抑制することができる。
この場合、請求項4に記載のように、前記ケーブルが、前記タイヤハウス内における始点から前記拡大投影線に至る第1直線線分(32a)と、前記拡大投影線に沿った拡大投影線線分(32b)と、前記拡大投影線から前記タイヤハウス内における終点に至る第2直線線分(32c)とで、構成されてなることが好ましい。これによれば、ケーブルをフェンダアーチの内側のフェンダに前記所定幅だけ覆った状態で、ケーブルの長さを最短にすることができる。これによって、上記ケーブルによる車両周囲へのノイズ放射の抑制および上記ケーブルによる信号や電力の伝送ロスの抑制を、好適に両立させることができる。
特に、請求項5に記載のように、前記所定幅が、0.05mである場合には、最短長さのケーブルで、LF帯放射ノイズを上記基準閾値である−54[dBμV/m]以下に抑制することができる。
上記ケーブルの配線構造は、請求項6に記載のように、前記ケーブルが、比較的自由な配線が可能なタイヤ空気圧モニタのアンテナケーブルである場合に好適である。
以上のようにして、上記ケーブルの配線構造は、いずれも、タイヤハウスの内壁を構成するフェンダエプロンに配線されるケーブルの配線構造であって、製造コストを増大することなく、車両の周囲へのノイズ放射(特にラジオアンテナへのノイズ混入)を抑制することができる。
本発明に係るケーブルの配線構造を説明する図で、(a)は、車両1cを側面視した車輪(タイヤ6)の周りの側面図であり、(b)は、(a)における一点鎖線A−Aでの部分的な断面図である。 シミュレーション方法を説明する図で、(a)は、タイヤハウス内に配線されたケーブル33と放射ノイズの評価領域Dの関係を示した斜視図である。(b)は、タイヤハウス内に配線されたケーブル33の近似方法を示した図である。 評価の一例を示した図で、評価に用いた配線構造の異なる3種類のケーブル33a〜33cを示した図である。 評価の一例を示した図である。図3のケーブル33aについて、図2(a)の評価領域Dにおける放射ノイズ強度のシミュレーション結果である。 評価の一例を示した図である。図3のケーブル33bについて、図2(a)の評価領域Dにおける放射ノイズ強度のシミュレーション結果である。 評価の一例を示した図である。図3のケーブル33cについて、図2(a)の評価領域Dにおける放射ノイズ強度のシミュレーション結果である。 別の評価例を示した図で、ケーブル34についてのシミュレーション結果である。 ケーブル32の好ましい配線構造を説明する図で、図1(b)と同様の図1(a)における一点鎖線A−Aでの部分的な断面図である。 より好ましいケーブル32の配線構造を説明する図で、上記した車両1cの側面視におけるフェンダアーチ7brの投影線T1rとフェンダエプロン7aの頂部包絡線T3rを示した図である。 特許文献1に開示されたタイヤ空気圧モニタ装置を示す図で、(a)は構成図であり、(b)はタイヤ周りの断面図である。 特許文献2に開示された車輪情報検出装置を車両1bに搭載した状態を説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るケーブルの配線構造を説明する図で、図1(a)は、車両1cを側面視した車輪(タイヤ6)の周りの側面図であり、図1(b)は、図1(a)における一点鎖線A−Aでの部分的な断面図である。
図1は、車両1cのタイヤハウス5bの内壁を構成するフェンダエプロン7aに配線される、ケーブル32の配線構造を説明する図である。ケーブル32は、図1(a)に示す車両1cの側面視において、ボディの外壁を構成するフェンダ7bの端部であってタイヤ6に沿ってアーチ状に形成された端点Z1,Z2を持つフェンダアーチ7brの内側のフェンダ7bに覆われるようにして、配線されている。上記ケーブル32が配線されるフェンダアーチ7brの内側のフェンダ7bに覆われ範囲は、図1(b)の断面図において、フェンダエプロン7aに投影したフェンダアーチ7brの投影線の構成要素である投影点T1とフェンダアーチ7brの裏側の投影点T2間における、図中に矢印で示した範囲(T1−T2)である。尚、図1のケーブル32は、比較的自由な配線が可能なタイヤ空気圧モニタのアンテナケーブルで、図1(a)に示す始点の引込部4cからタイヤハウス5b内に引き込まれ、終点にはアンテナ22が設けられている。該アンテナ22を介して、タイヤ6内に設置されている空気圧センサと、信号および電力の送受信が行われる。
図1(a)においてケーブル32が点線で示されているように、図1に示すケーブル32の配線構造は、フェンダアーチ7brの内側のフェンダ7bに覆われるように、ケーブル32を配線するものである。このため、該フェンダ7bが、車室外に露出するケーブル32からのノイズ放射に対するシールドとして機能し、ケーブル32からの当該車両1cの周囲へのノイズ放射を抑制することができる。特に、図1に示すケーブル32は、タイヤ6に沿ってアーチ状に形成されたフェンダアーチ7brの内側のフェンダ7bに覆われるように配線されているため、該フェンダ7bとタイヤ6の上方のフェンダエプロン7aによって、車両1cの上方へのノイズ伝播を抑制することができる。このため、特に、同じ車両1cの上方に配置されているラジオアンテナへのノイズの混入を抑制することができる。
尚、上記ケーブル32の配線構造は、フェンダエプロン7aへのケーブル32の配線位置を規定するものであり、該配線構造の採用による特別な製造コストの増大はない。
以上のようにして、図1に示すケーブル32の配線構造は、タイヤハウス5bの内壁を構成するフェンダエプロン7aに配線されるケーブルの配線構造であって、製造コストを増大することなく、車両1cの周囲へのノイズ放射(特にラジオアンテナへのノイズ混入)を抑制することのできるケーブルの配線構造となっている。
次に、図1に示すケーブル32の配線構造を導出する基となった、放射ノイズのシミュレーションについて説明する。
図2は、シミュレーション方法を説明する図で、図2(a)は、タイヤハウス内に配線されたケーブル33と放射ノイズの評価領域Dの関係を示した斜視図である。図2(b)は、タイヤハウス内に配線されたケーブル33の近似方法を示した図である。図3〜図6は、評価の一例を示した図である。図3は、評価に用いた配線構造の異なる3種類のケーブル33a〜33cを示した図であり、図4〜図6は、それぞれ、図3のケーブル33a〜33cについて、図2(a)の評価領域Dにおける放射ノイズ強度のシミュレーション結果である。
図2(a)に示すように、ラジオアンテナANTは、一般的に、車両の後部ルーフ周りに配置される。このため、シミュレーションは、後車輪のタイヤハウス内に配線されたケーブル33から放射されるLF帯の放射ノイズの大きさを、図中に一点鎖線で囲った後部ルーフ上の評価領域Dで評価した。
図2(b)において、破線で示した基準とする楕円曲線A(A5)は、車両の側面視においてフェンダアーチを楕円曲線で近似し、該楕円曲線を図1(b)で示したように車輪の裏側におけるフェンダエプロンの内壁に投影した投影線を示している。また、楕円曲線A(A5)に対して、法線方向に所定幅だけ縮小および拡大して描いた同心の楕円曲線を、Ai(A1、A2、・・・、A8)としている。次に、タイヤハウス内に任意の経路で配線したケーブル33を楕円曲線Aiで区分し、その線分を、Cj(C1、C2、・・・、Cn)としている。また、線分Cjの車長方向の長さをLj(L1、L2、・・・、Ln)[m]とし、線分Cnの基準とする楕円曲線A(A5)との距離をRj(R1、R2、・・・、Rn)とする。
このとき、線分Cjから放射されるLF帯のノイズがラジオアンテナへ伝搬する量Ej[dBμV/m]は、図中の数式1で表される。また、ケーブル33の全体から放射されるLF帯のノイズがラジオアンテナへ伝搬する量Et[dBμV/m]は、図中の数式2で表される。
放射ノイズのシミュレーション評価に用いた図3に示すケーブル33a〜33cは、ケーブル始点とケーブル終点が同じであり、該ケーブル始点とケーブル終点は、楕円曲線A(A5)の外側、すなわち図1の車両の側面視においてフェンダアーチ7brの内側のフェンダ7bに覆われる位置にある。一方、ケーブル33aは、途中経路を楕円曲線A(A5)の内側、すなわち図1においてフェンダアーチ7brの外側に露出しているのに対し、ケーブル33b,33cは、途中経路も楕円曲線A(A5)の外側、すなわち図1においてフェンダ7bに覆われる位置に配線されている。ケーブル33cの途中経路は、ケーブル33bの途中経路に較べて、より外側の楕円曲線に近い位置、すなわち図1においてフェンダアーチ7brからより内側の奥の位置に配線されている。
図4に示すように、途中経路を図1においてフェンダアーチ7brの外側に露出しているケーブル33aでは、ノイズ強度が−45[dBμV/m]以上の領域が大きく広がっており、最大値は約−40[dBμV/m]となる。これに対して、図5に示すように、途中経路も図1においてフェンダ7bに覆われるケーブル33bでは、ノイズ強度が−45[dBμV/m]以上の領域が狭くなっている。また、図6に示すように、ケーブル33bに較べて途中経路がフェンダアーチ7brからより内側の奥の位置に配線されるケーブル33cでは、−55[dBμV/m]程度が最大のノイズ強度領域となっている。
図7は、別の評価例を示した図で、ケーブル34についてのシミュレーション結果である。
図7に示すケーブル34は、図2で説明した方法により、4つの線分C1〜C4で構成されている。線分C2は、楕円曲線A6に沿った楕円曲線線分である。一方、線分C4と線分C3は、ケーブル始点から楕円曲線A6との接点S1に至る第1直線線分であり、線分C1は、楕円曲線A6との接点S2からケーブル終点に至る第2直線線分である。図7に示すケーブル34の配線構造は、図1においてフェンダアーチ7brの内側のフェンダ7bにケーブル34を0.05mの幅だけ覆った状態(楕円曲線A6)で、ケーブル34の長さを最短にした配線構造と言うことができる。尚、シミュレーションに用いた各線分C1〜C4のパラメータは、図7中に示したとおりである。該パラメータを用い、アンテナ位置における各線分C1〜C4からのノイズ強度の寄与量E1〜E4を図2の数式1で計算すると、図7中に示したE1〜E4の値となる。従って、ケーブル全長から放射するノイズ量(@ラジオアンテナ位置:車両リア側屋根上)を図2の数式2で計算すると、−54.4[dBμV/m]となる。この値は、LF帯において車両におけるラジオ雑音発生の一般的な基準閾値である−54[dBμV/m]以下の値であり、図7に示すケーブル34の配線構造は、上記ラジオ雑音発生の基準閾値をクリアするものである。
次に、一連のシミュレーション結果を基にして得られた、図1のケーブル32のより好ましい配線構造について説明する。
図8は、上記ケーブル32の好ましい配線構造を説明する図で、図1(b)と同様の図1(a)における一点鎖線A−Aでの部分的な断面図である。
図8においては、タイヤ6の中心軸B−Bから最も離れた、フェンダエプロン7aの頂部点T3が示されている。該頂部点T3は、図1(a)において、二点鎖線で示した頂部包絡線T3rを構成する。そして、ケーブル32は、図1(a)の車両1cの側面視において、フェンダエプロン7aに投影したフェンダアーチ7brの投影線と上記頂部包絡線T3rとの間に配線されてなることが好ましい。すなわち、図8の断面図において、フェンダエプロン7aに投影したフェンダアーチ7brの投影線の構成要素である投影点T1と、タイヤ6の中心軸B−Bから最も離れたフェンダエプロン7aの頂部点T3間における、図中に矢印で示した範囲(T1−T3)である。これによれば、ケーブル32の長さを必要以上に長くすることなく、フェンダアーチ7brの内側のフェンダ7bに覆われるように配線することができる。このため、ケーブル32による信号や電力の伝送ロスを抑制することができる。
図9は、より好ましいケーブル32の配線構造を説明する図で、上記した車両1cの側面視におけるフェンダアーチ7brの投影線T1rとフェンダエプロン7aの頂部包絡線T3rを示した図である。尚、フェンダアーチ7brの投影線T1rは、図2と図3のシミュレーションにおいて破線で示した基準とする楕円曲線A(A5)に相当している。
図9においては、フェンダアーチ7brの投影線T1rから法線方向に所定幅Wだけ拡大してフェンダエプロン7aに描いた曲線である、拡大投影線K1rが描かれている。そして、一連のシミュレーション結果によれば、上記したケーブル32は、前記所定幅Wを0.05m以上とする拡大投影線K1rと頂部包絡線T3rの間の斜線を入れた範囲に配線されていることが好ましい。
図7で例示したように、シミュレーション結果によれば、車両1cの側面視において、ケーブル32をフェンダアーチ7brの内側のフェンダ7bに0.05m以上覆われるようにすることで、LF帯放射ノイズを、車両におけるラジオ雑音発生の一般的な基準閾値である−54[dBμV/m]以下に抑制することができる。
また、図9においては、タイヤハウス内における始点D1から拡大投影線K1rとの接点D2に至る第1直線線分32aと、拡大投影線K1rに沿った拡大投影線線分32bと、拡大投影線K1rとの接点D3からタイヤハウス内における終点D4に至る第2直線線分32cとで構成されるケーブル32が例示されている。これによれば、ケーブル32をフェンダアーチ7brの内側のフェンダ7bに所定幅Wだけ覆った状態で、ケーブル32の長さを最短にすることができる。これによって、上記ケーブル32による車両周囲へのノイズ放射の抑制および上記ケーブル32による信号や電力の伝送ロスの抑制を、好適に両立させることができる。
特に、図7で例示したように、前記所定幅Wが0.05mである場合には、最短長さのケーブル32で、LF帯放射ノイズを上記基準閾値である−54[dBμV/m]以下に抑制することができる。
以上のようにして、上記したケーブル32の配線構造は、いずれも、タイヤハウス5bの内壁を構成するフェンダエプロン7aに配線されるケーブルの配線構造であって、製造コストを増大することなく、車両1cの周囲へのノイズ放射(特にラジオアンテナへのノイズ混入)を抑制することができる。
1a〜1c 車両
5b タイヤハウス
6 タイヤ
32〜34 ケーブル
32a 第1直線線分
32b 拡大投影線線分
32c 第2直線線分
7a フェンダエプロン
T3r 頂部包絡線
7b フェンダ
7br フェンダアーチ
T1r 投影線
K1r 拡大投影線

Claims (6)

  1. 車両(1c)タイヤハウス(5b)を構成するフェンダエプロン(7a)と、前記車両のボディの外壁を構成するフェンダ(7b)とが、フェンダエプロンおよびフェンダの端部であってタイヤ(6)に沿ってアーチ状に形成されたフェンダアーチ(7br)で接続されてなり、
    前記車両の車室外に露出し、前記タイヤハウスの内壁の前記フェンダエプロンに配線される、ケーブル(32)の配線構造であって、
    前記タイヤハウス内に引き込まれる始点の引込部(4c)から終点に至る前記ケーブルが、
    車両の側面視において、前記フェンダアーチを前記端部とする内側の前記フェンダに覆われるようにして、
    また、車両の正面からの断面視において、前記タイヤを間に挟んで前記フェンダエプロンに投影した前記フェンダアーチの投影線(T1r)の構成要素である投影点(T1)と、前記フェンダとの接続点であるフェンダアーチの裏側の投影点(T2)との間(T1−T2)において、
    前記タイヤハウスの内壁の前記フェンダエプロンに、前記タイヤに沿って配線されてなることを特徴とするケーブルの配線構造。
  2. 前記ケーブルが、
    車両の正面からの断面視において、前記投影線の構成要素である前記投影点と、前記タイヤの中心軸を含む平面内で該中心軸から最も離れた前記フェンダエプロンの頂部点(T3)との間(T1−T3)において、
    また、車両の側面視において、前記投影線と、前記頂部点をタイヤに沿ってアーチ状に連ねるフェンダエプロンの頂部包絡線(T3r)との間(T1r−T3r)おいて
    前記タイヤハウスの内壁の前記フェンダエプロンに、前記タイヤに沿って配線されてなることを特徴とする請求項1に記載のケーブルの配線構造。
  3. 車両の側面視において、前記投影線から法線方向に所定幅だけ拡大して前記フェンダエプロンに描いた曲線を拡大投影線(K1r)としたとき、
    前記ケーブルが、
    前記所定幅を0.05m以上とする前記拡大投影線と前記頂部包絡線との間に、配線されてなることを特徴とする請求項2に記載のケーブルの配線構造。
  4. 前記ケーブルが、
    前記タイヤハウス内における始点から前記拡大投影線に至る第1直線線分(32a)と、前記拡大投影線に沿った拡大投影線線分(32b)と、前記拡大投影線から前記タイヤハウス内における終点に至る第2直線線分(32c)とで、構成されてなることを特徴とする請求項3に記載のケーブルの配線構造。
  5. 前記所定幅が、0.05mであることを特徴とする請求項4に記載のケーブルの配線構造。
  6. 前記ケーブルが、タイヤ空気圧モニタのアンテナケーブルであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のケーブルの配線構造。
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