JP5292391B2 - クローズドループコントローラを備える高速走査型プローブ顕微鏡とその操作方法 - Google Patents

クローズドループコントローラを備える高速走査型プローブ顕微鏡とその操作方法 Download PDF

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Description

より好適な実施形態が、走査型プローブ顕微鏡(SPM)のコントローラを対象にしている。より詳細には、高品質の試料データを取得する能力を維持しつつ、走査速度を改善することができる走査型プローブ顕微鏡のコントローラを対象にしている。
原子間力顕微鏡(AFM)のような走査型プローブ顕微鏡は、試料の1以上の特性を測定しながら、測定プローブと試料との間の相対的走査動作を提供することによって、機能する。図1に典型的な原子間力顕微鏡システムを図示する。原子間力顕微鏡10は、カンチレバー15を有するプローブ14を含むプローブ装置12を使用する。プローブと試料との相互作用が測定されつつ、スキャナ24は、プローブ14と試料22との間の相対的動作を生成する。この方法において、試料の画像または他の試料測定結果を得ることができる。スキャナ24は、典型的には、3つの直交方向(XYZ)において通常動作を生成する1以上のアクチュエータを有する。しばしば、スキャナ24は、全ての3方向において試料またはプローブを動作させる1以上のアクチュエータ、例えば、ピエゾ電気チューブアクチュエータを有する単一の一体型ユニットである。代替的には、スキャナは複数の分離したアクチュエータのアセンブリである。原子間力顕微鏡のいくつかは、スキャナを、複数の部品、例えば試料を動かすXYスキャナや、プローブを動かす分離Zアクチュエータといった部品に分離する。
一般的な構成において、プローブ14は、多くの場合、振動アクチュエータに、または、カンチレバー15の共鳴振動数付近でプローブ14を駆動するべく使用されるプローブ振動子16に結合される。代替的な構成は、カンチレバー15の偏位、ねじれ、または他の動作を測定する。プローブ14は、一般的に一体型チップ17を備えた微細加工されたカンチレバーである。
一般的に、電気信号は、走査型プローブ顕微鏡コントローラ20の制御中に、AC信号源18から引加され、プローブ振動子16(または代替的にはスキャナ24)が、プローブ14を振動させる。プローブと試料との間の相互作用は、典型的には走査型プローブ顕微鏡コントローラ20によるフィードバックを通じて制御される。特に、プローブ振動子16は、スキャナ24に結合されてもよく、自己アクチュエートされたカンチレバー/プローブの一部として、プローブ14のカンチレバー15と一体的に形成されてもよい。
上述したようにプローブ14の振動の1以上の特性における変化を検出することによって試料の特性が監視されるように、しばしば、選択されたプローブ14は振動され、試料22と接触する。この点において、偏位検出装置25は、ビームをプローブ14の背面に向けるように使用され、4象限光検出器のようにビームは検出器26に反映する。偏位検出装置25の検出光源は、典型的にはレーザであり、多くの場合、可視または赤外レーザダイオードであることを記しておく。検出光源はまた、他の光源、例えばヘリウムーネオンまたは他のレーザ源、超発光ダイオード(SLD)、LED、光ファイバー、または小さなスポットに集束されうる任意の他の光源によって、生成されうる。ビームが検出器26を通過すると、適切な信号が走査型プローブ顕微鏡コントローラ20に送信され、走査型プローブ顕微鏡コントローラ20は信号を処理し、プローブ14の振動中の変化を判定する。一般に、走査型プローブ顕微鏡コントローラ20は制御信号を生成することによって、チップと試料との間の相対的に一定の相互作用(またはカンチレバー15の一定の偏位)を維持し、典型的にはプローブ14の振動の設定点の特性を維持する。例えば、走査
型プローブ顕微鏡コントローラ20は、しばしば設定点の値における振幅Aを維持すべく使用され、チップと試料との間の一般的に一定な力を保証する。代替的には、設定点の位相または周波数が使用されうる。
コントローラから収集データを受信し、走査中に取得されたデータを操作し、点選択と、曲線フィッティングと、距離決定処理とを実行するワークステーションもまた、走査型プローブ顕微鏡コントローラ20におよび/または分離型コントローラに、または接続されたコントローラのシステムにまたはスタンドアロンのコントローラのシステムに、提供される。ワークステーションは、結果情報をメモリに格納することができ、その結果情報を追加計算に使用でき、および/または結果情報を適切なモニタ上に表示し、および/または結果情報を有線または無線によって他のコンピュータまたは装置に送信することができる。メモリは、任意のコンピュータが読み込み可能なデータ記憶媒体を有しうる。例えば、以下に限定されないが、コンピュータRAM、ハードディスク、ネットワーク記憶装置、フラッシュドライブ、CD―ROMが含まれる。特に、スキャナ24はしばしば、ピエゾ電気スタック(これからしばしば「ビエゾスタック」と呼ぶ)または、ピエゾ電気チューブを有する。ピエゾ電気スタックまたはピエゾ電気チューブは、測定プローブと試料表面との間の相対的動作を生成すべく使用される。ピエゾスタックは、スタック上に位置する電極に引加される電圧に基づき、1以上の方向に動作する装置である。ピエゾスタックはしばしば、ピエゾスタックの動作を導き、制約し、および/または拡張させる働きをする機械的湾曲部と組み合わせて使用される。加えて、2007年3月16日に出願された、「高速スキャンSPMスキャナとその操作方法」という名称の同時係属米国出願番号11/687,304において記述されるように、湾曲部は、1以上の方向におけるアクチュエータの剛性を増加させるべく使用される。アクチュエータは、プローブと試料の少なくとも一つに接続されてもよい。最も典型的には、アクチュエータアセンブリは、水平面またはXY平面にプローブまたは試料を動作させるXYアクチュエータと、垂直方向またはZ方向にプローブ又は試料を動作させるZアクチュエータの形で提供される。
走査型プローブ顕微鏡の実用性が発展するにつれて、試料測定スループット(例えば、1時間に試料20個以上)を改善すべく、および/または現在可能な時間分解能よりも高い時間分解能においてナノスケール処理を測定すべく、より速い速度で異なる型の試料の画像を取得する必要性が生じている。原子間力顕微鏡のイメージングは、高い空間分解能(ナノスケール)を提供するが、原子間力顕微鏡は、一般的に低い時間分解能を有している。典型的な高品質の原子間力顕微鏡像取得は、特に走査サイズが数ミクロンを超える場合は、数分かかる。
復調システムと力のフィードバック追従システムだけでなく、カンチレバー応答時間と、X、Y、Z方向における使用可能な走査バンド幅と、スキャナを駆動する高圧増幅器のパワーおよびバンド幅と、カンチレバーの力検出速度とを含む、いくつかの要因が、イメージング速度を限定している。
走査型プローブ顕微鏡像は、典型的には試料の異なる位置において記録された測定アレイから構成される。例えば、画像は、試料上の異なる多くのXY位置で測定された相対的試料高さの局所的な値を含みうる。代替的な測定は、カンチレバーの振幅と位相と周波数、試料の電気力と磁力と摩擦と剛性などを含みうる。
この点において、プローブと試料との間の相対的位置決定は非常に重要である。取得データおよび結果として得られた画像の質は、収集されたデータの正確な位置を認識するシステムに依存する。位置エラーが像の劣化を引き起こし、広いバンド幅に渡って原子間力顕微鏡を操作することによって問題が増幅されるという結果になる。
この点において重要な課題は、ピエゾ電気スタックと、チューブと、ある種の走査型プローブ顕微鏡アクチュエータとが不完全であるということである。所望の走査動作を考慮すると、理想的な振舞は、引加電圧または引加された他の制御信号に実質的に線形に比例して、アクチュエータが動作することであろう。代わりに、ピエゾスタックを含むアクチュエータは、しばしば不均一に動作し、このことは、アクチュエータの感度(例えば、ナノメータの動作と引加電圧との関係)は、電圧増加とともに変化しうることを意味する。更に、アクチュエータのドリフトとヒステリシスとクリープとは、プローブおよび試料の少なくとも一つの正確な位置決定を更に悪化させる作用がある。ヒステリシスに関しては、例えば、増加する電圧変化への応答は、アクチュエータに引加されたそれまでの電圧履歴に依存するであろう。ヒステリシスはしたがって、大きな初期動作を引き起こし、命令された動作に応答することを、何分も後にしてしまうおそれがある。命令電圧が引加された後、ピエゾは所望の距離だけ動きうるが、クリープの影響によって制御不能に動き続ける。そのような影響は、命令された動作の10%を超えるおそれがあり、実質的な位置エラーを引き起こす。
特に、原子間力顕微鏡のプローブ装置がアクチュエータに結合されている場合でも(すなわち、プローブ装置が3つの直交方向に動く場合)、または試料がアクチュエータに結合されている場合でも、これらの項目は存在する。更に、既知の解決法が前述の課題を克服しようとしているが、その解決法は不完全である。
例えば、走査型プローブ顕微鏡アクチュエータを駆動するいくつかのオープンループ方法が、コントローラとアクチュエータの制限を補償し、そのことによって、所望の走査動作と実際の動作との間の粗悪な追尾を限定する試みがなされてきた。アクチュエータは、例えば、XYアクチュエータに電圧を引加し、その次に試料又はプローブが動く実際の距離を測定することによって、較正されうる。次にルックアップテーブルが作成されうる。それから、操作中に、アクチュエータの位置を、XYアクチュエータとZアクチュエータの少なくとも一つに引加された電圧を監視することによって、見積もることができる。他のオープンループ方法の代替では、スキャナとその動作が、数学的に厳密な方法を用いてモデル化されうる。
この点でより詳細には、図2に移ると、オープンループ方法は一般的には、固有の駆動信号u41を提供する。駆動信号u41は、アクチュエータまたは原子間力顕微鏡40のスキャナ42に渡され、原子間力顕微鏡プローブと試料との間の走査動作を提供する。駆動信号は、例えば、モデルからまたはルックアップテーブルから導出され、アクチュエータの所望の動作に対応する。駆動信号uは、実質的に所望の動作を追尾することによって均一な走査を生成する実際のスキャナ動作を生成すべく意図される。例えば、予め較正された一連のデータによって定義された形状を有する非線形駆動電圧を、ピエゾアクチュエータに引加し、ピエゾアクチュエータを実質的に線形動作で駆動させることを記載した、ビーコ・インスツルメンツ・インコーポレイテッド所有の特許文献1を参照。一連のデータはまた、スキャンテーブルとも呼ばれうる。本方法は、アクチュエータの非線形性を弱めるのに成功しているが、較正手順が複雑であり、且つドリフトとクリープとを適切に対処しない。加えて、アクチュエータの応答は、走査速度に強く依存し、走査型プローブ顕微鏡の走査速度が増えるにつれて、複雑な較正とルックアップテーブルとをますます必要とする。スキャナが次の走査線を走査すべく転回する場合に、またはスキャナが異なる位置にずれる場合に、過渡の応答が励起されうる。そのような過渡信号は、データの完全性を悪化させるおそれがある。例えば、図2の過渡信号43は、典型的なラスタースキャン駆動信号41の転回ポイントに存在しうる。特に、転回ポイントにおける過渡信号を最小化するために、代替駆動信号が使用されうる。図3に示すように、原子間力顕微鏡44は、転回ポイントにおいて転回する駆動信号45を使用しうる。この方法は、相対的に低い走査レートにおいて過渡信号を静める働きをする。しかし、高い走査レートにおい
て、スキャナの動作は(曲線46によって示されるように)、ほとんどの場合、所望の軌跡(三角波形47に対応するラスタースキャン)に追従しない。更に、転回によって、駆動信号の使用可能領域は限定される。
そのようなオープンループ方法は、複雑であり、特に高い走査速度においては、一般的に許容可能な位置精度を依然として提供しないため、いくつかの走査型プローブ顕微鏡は、クローズドループの位置制御を実行する。積極的にアクチュエータの動作を監視すべく、すなわち、実際の動作が命令された動作をいかに良く追尾するかを判定すべく、且つ動的に適切な走査型プローブ顕微鏡のアクチュエータに引加された制御信号をいかに良く調整するかを判定すべく、フィードバック準備において、そのようなシステムは、予備の位置センサを使用することによって精度を改善する。このように、アクチュエータは、既定の軌跡に追従すべく線形的な方法で駆動されることが可能で、非線形と、ヒステリシスと、ドリフトを同時に補償しうる。結果として、より正確な画像を得ることができる。しかしながら、位置制御フィードバックのバンド幅は、しばしば制限され(以下に議論する)、そして実際のスキャナ動作を検出すべく使用されるセンサによって引き起こされたノイズは、フィードバックループを通じて画像を劣化させるおそれがある。したがって、そのようなノイズは原子間力顕微鏡が走査中に高速の命令信号を追尾する能力を、そして高速走査において、許容可能な画像を生成する能力を制限する。このノイズによる制限によって、多くの位置制御フィードバックシステムは、小さな走査サイズでは使用不可能である。つまり、より高い画像取得速度において、位置フィードバックシステムの実行はしばしば、走査型プローブ顕微鏡システムの性能を劣化させる。
クローズドループの位置制御の詳細に戻り、図4に目を向ける。クローズドループ制御システム50は、位置エラーを最小化しつつ、所望の軌跡を追従すべくアクチュエータを駆動するのに使用される。三角波参照波形51は、所望のスキャナ動作のモデルとして、例えば三角波のモデルとして、生成される。位置センサ54は、スキャナ52の実際の動作を測定し、感知された信号を、加算ブロック56(例えば、デジタル加算回路またはアナログ加算回路)に送信する。この加算ブロック56は、スキャナの所望の動作と、実際のスキャナの動作との違いを表すエラー信号を生成する。予備的変位センサまたは予備的位置センサが提案され、実際の動作を監視すべく使用されている。予備的変位センサまたは予備的位置センサには、線形可変変位変換器(LVDTs)と、容量センサと、歪ゲージと、インダクタンスセンサと、例えば光学変位センサ(ODSs)および干渉計を含む光学センサとが、含まれる。相対的位置の関数として、予想可能且つ較正された出力を提供する任意の代替センサが使用されうる。これらのセンサは一般的には、スキャナに関連するクローズドループコントローラの一部として、所望の動作と実際の動作との差を補正する作用を有する。
比例積分(PI)コントローラ(または、例えば、二重積分器)といったコントローラ58は、スキャナを駆動すべく使用されるエラー信号に応答して、制御信号uを生成する。コントローラは、全てのアナログエレクトロニクスとともに実行され、デジタルフィードバックループは、デジタル信号プロセッサ(DSP)と、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)と、他の組込型コントローラと、パーソナルコンピュータを含むデジタルコンピューティング装置とによって動作する。制御信号は、スキャナによって発生される測定位置エラー、例えば、クリープおよびドリフト起因の測定位置エラーを補償する働きがある。
従来のクローズドループ制御システム50は、所望の動作を追尾するスキャナの能力に悪影響を及ぼすシステム条件の影響を最小化するのに有効であるが、従来のクローズドループ制御システム50のバンド幅は制限される。スキャナ共鳴と、位置センサノイズと、バンド幅制限とを含む従来の位置制御システムにおけるこれらの制限にはいくつかの理由
がある。
まず、スキャナの共鳴特性を考慮しなくてはならない。三角波参照波形51における各転回点は、好ましくない寄生共鳴を励起しうる実質的なインパルス力を、スキャナに引き起こす。これらの共鳴は、軸間において結合し、試料に向かい合うカンチレバーの相対的動作の測定動作中に現れうる。図3に示したオープンループシステムに関連して先に記したように、従来の原子間力顕微鏡は、好ましくない振動の振幅を、受け入れ可能なレベルに減少させるに充分なほど遅く走査し、および/またはいくつかの走査範囲を変更し、三角波参照波形の頂点と底を丸くする。走査型プローブ顕微鏡が、好ましくない振動無しに、高速で広い領域を走査できないことは、より速い速度において走査型プローブ顕微鏡を操作することに対して大きな障害となっている。
更に、これらの共鳴は、コントローラ58の動作速度を制限する。180度の位相シフトを有する1を超えるゲインがある場合、フィードバックループは不安定となる。スキャナの単純な機械的共鳴は、共鳴ピークにおいて90度の位相シフトと、実質的なゲイン増幅とを蓄積する。コントローラ58のゲイン(と、つまりバンド幅)は、位相シフトとスキャナの機械的共鳴のゲインを補償すべく、制限される。不安定状態の前でさえ、不足減衰共鳴は、スキャナの実際の動作において振動とオーバーシュートとを引き起こしうる。結果として、従来の位置制御フィードバックループの作用は、スキャナの最小の観測共鳴のごくわずかまたは「基本共鳴振動数」に制限される。特に、最小の観測共鳴は、ほとんどの場合、軸間に典型的に存在する応答のカップリングによって、軸に依存していて、したがってスキャナ/アクチュエータの最小の観測共鳴を制限する。
更に、位置センサ54は、システムにノイズを引き起こし、所望の動作を充分に追尾するコントローラの能力を落とす。センサノイズの影響は、図4に示される(実際には、もちろん、センサノイズには信号が伴う)。スキャナの実際の位置とセンサノイズ(信号55)との両方は、コントローラ58によって処理される参照波と結果として得られるエラーと比較される。コントローラは、したがって、スキャナが実際の位置エラーと好ましくないセンサノイズとの両方に応答するよう試み、故に信号53によって説明されるアクチュエータの動作を生成する。結果として得られた画像は、それ故、フィードバックバンド幅内の全てのセンサノイズによって悪化する。制御信号uは、熱ドリフトとクリープを含むシステムのダイナミクスを悪化させるが、感知形態を通じて引き起こされた追加の高周波ノイズによって、所望のスキャナ動作を生じることができない。センサノイズは、典型的にはバンド幅の関数であり、つまり位置センサエレクトロニクスおよび/またはコントローラは、このノイズの画像を減少させるべく、試料の位置センサ信号のバンド幅を制限しうる。制限されたセンサのバンド幅の影響は、しかしながら、典型的には、センサ出力対スキャナの実際の動作における位相シフトの蓄積である。これらの位相シフトは、それ故、コントローラ58によって使用されうる最大ゲインおよびバンド幅を制限する。この場合のセンサノイズおよびバンド幅の実際の影響は、これに対応して、高品質のデータ取得のために位置ノイズの許容可能なレベルを維持すべく、走査速度を減少しなくてはならないということである。
いくつかのグループはまた、制御構想に基づくモデルを開発することによって、スキャナの好ましくない共鳴の影響を弱めるシステムを開発している。このテーマの著者には、例えば、Stemmer、Schitter、Ando、Salapaka、Zouが含まれる。走査型プローブ顕微鏡の典型的なモデルベースのコントローラにおいて、スキャナの動的特性が測定され、最適なクローズドループ制御システムが、広いバンド幅にわたってフィードバックループの安定性を維持すべく設計される。典型的な第1ステップは、システム識別であり、手順は、スキャナ対周波数の振幅および位相応答を描き、「伝達関数」として知られる特性を定義することである。この伝達関数は、好ましくない共鳴によ
る振動を最小にすることを試みつつ、最高のスキャナバンド幅を達成するコントローラにおいて使用されうる。この点において、典型的なクローズドループ制御の策略は、文献に記載されたH無限コントローラまたはH2コントローラを含む。代替のシステムは、インパルス過渡信号を、三角波の転回時にインパルスを弱めるタイミングで、制御波形に意図的に加えることを含む。例えば、基本共鳴の振動周期の半分に対応する時間において、インパルス力はスキャナに引加されうる。相殺的干渉は、2つのインパルス間に発生し、迅速に好ましくない振動を減衰するであろう。そうは言っても、そのようなクローズドループシステムは、広いバンド幅に渡って作用するよう意図されているため、センサノイズに関連する問題は、システム性能を制限し続ける。
オープンループモデルベースのコントローラには、スキャナの共鳴を相殺する一方で、スキャナの非線形性と、クリープと、熱ドリフトとを含むシステムにおいて好ましくない動作が課せられるであろう。したがって、このようなシステムにおける追尾は、不完全なままである。劣化した画質を調整すべく、オープンループフィードフォワードコントローラが開発され、非線形性と、クリープと、熱ドリフトといったシステム要因をモデル化しようとしている。非線形性と、クリープと、熱ドリフトといったシステム要因は、最適化された駆動波形を生成するための得られたデータに影響を与える。フィードフォワードコントローラに関連するそのようなモデルは、結果を制御することが困難である。そして、まず全ての所望の画像取得条件に適合する実行可能なモデルを作成する課題によって、典型的には決して理想的な結果を生成しない。そのような画像取得条件は、機械的環境における変化をしばしば生成し、故に、モデル中に使用される伝達関数の変化をしばしば生成する。究極的には、これらのオープンループ法で線形的スキャナ動作を達成することは、非常に困難である。したがって、改善が望まれていた。
結局、ほとんどの場合、原子間力顕微鏡の設計は、低いノイズ性能(例えば、オープンループ)と、画像位置精度(例えば、クロースドループ)とのトレードオフの舵取りをしなくてはならない。オープンループ原子間力顕微鏡スキャンコントローラの一つの型によると、制御システムは、較正されたスキャナと、修正三角波といった対応する入力信号とを使用する。そのような制御システムは、走査時にシステムの不正(例えば、共鳴)を明らかにすべく構成される。フィードフォワードモデルを使用するそのようなオープンループシステムは、システムノイズによる位置決定に対する悪影響を最小化する。なぜなら、(予備センサのような)外部からの構造が最小化されるからである。
米国特許第5、557、156号
Q.Zouら"Control Issues in High−speed AFM for Biological Applications:Collagen Imaging Example"、Asian J Control、6(2)、pp.164―178、June(2004) S.Devasiaら"Nonlinear Inversion―Based Output Tracking"、IEEE Transactions on Automatic Control、Vol.41、No.7、pp.930−942(1996) Q.Zouら"Precision tracking of driving wave forms for inertial reaction devices"、Review of Scientific Instruments 76 023701、pp.203701−1−203701−9(2005)
しかしながら、スキャナおよび究極の画像精度の正確な操作は、システムの能力によって制御される。システムの能力は、正確にスキャナの特性を示し、またさもなければ、ドリフトおよびクリープのような環境的な影響を明らかにする。このことは、ほとんどの場合、典型的に不完全な結果を引き起こす困難な課題であり、詳細な環境条件を正確にモデル化することはできず、または詳細な環境条件を予測することはできない。更に、このような困難性によって、これらのシステムは、多くのアプリケーションに使用されるほど十分に強力ではない。較正が正確で、使用中に一定である場合は、オープンループフィードフォワードシステムは、スキャナの非線形性を補償するにおいては有効でありうる。しかし、オープンループフィードフォワードシステムは依然として、線形三角波形走査の転回ポイントにおいてインパルス力によって引き起こされる共鳴歪みに対処できない。
走査型プローブ顕微鏡の分野は、このように、熱ドリフトやクリープといった位置を歪める操作条件を補償しつつ、低ノイズで、高速のスキャナ動作を追尾することを促進するコントローラを必要としていた。理想的には、システム性能に対するセンサノイズの影響を最小化するクローズドループスキャナが望まれていた。
本発明は、フィードバックセンサによって制御システムに引き起こされる高周波ノイズを減衰させるクローズドループフィードバックコントローラとともに、適合型フィードフォワードアルゴリズムを使用することによって、オープンループまたはクローズドループのいずれかを用いて、先行技術の原子間力顕微鏡の問題を克服する。フィードバックループは、低いバンド幅(走査周波数未満)において作用するが、熱ドリフトやクリープのような現象によって引き起こされる低い周波数位置エラーを補償するには十分である。フィードフォワードアルゴリズムは、繰り返し使用され、最小時間で閾値以下のエラー(例えば、初期走査範囲の約1%のピークエラー)を達成する。現在の原子間力顕微鏡のスキャンコントローラによって支持される走査速度よりも非常に大きな走査速度(数ヘルツから、本発明では、数十ヘルツ、そして数百ヘルツでさえも)が、画質を落とすことなく達成されうる。
実施形態の第1態様によると、計測装置の操作方法は、走査周波数において、アクチュエータを用いることによって、プローブと試料との間の相対的動作を生成することを含む。この方法は、アクチュエータの動作のノイズを引き起こす位置センサを用いて、アクチュエータの動作を検出することを含み、且つフィードバックループおよびフィードフォワードアルゴリズムを用いてアクチュエータの位置を制御することを含む。制御のフィードフォワード部は、適合して、例えば繰り返して、フィードフォワード波形を最適化することによって、高いバンド幅位置の追尾を実行する。適合した最適化は、例えば、走査サイズと、走査角度と、走査速度との変更を用いて行われうる。1実施形態では、センサ応答は、センサノイズの影響を実質的に弱めるべく動作の複数サイクルを通じて平均化される(データ平滑化もまた実行されうる)。一度、フィードフォワードアルゴリズムが最小または閾値の走査エラーを達成すると、最終フィードフォワード波形(例えば、スキャンテーブル)が使用されオープンループ法においてスキャナを駆動する。しかし、依然として、クローズドループ法で動作しているかのようにセンサの線形性を維持する。そのような作用は、センサノイズの悪影響なしに、非常に小さな走査サイズを含む様々な走査サイズに渡って、高速走査を可能にする。
より詳細には、フィードフォワードアルゴリズムは、アクチュエータに関連する伝達関数を使用する反転ベースの制御アルゴリズムの使用を含む。反転ベースの制御アルゴリズ
ムから導出されるスキャナの駆動は、反復的な走査の転回における衝撃のダイナミクスを予想し、且つ修正された駆動を通じて衝撃を補償し、スキャナの物理的動作が実質的に正確に参照波の軌跡を追従する。本実施形態の更なる態様では、反転ベースの制御アルゴリズムは、アクチュエータの非線形性を補償する制御信号に寄与する補正を、繰り返し生成する。
本実施形態の別の態様によると、制御信号は、1回の反復あたり10本の走査線の約10回未満の反復後、トータルの走査範囲の約1%未満のピーク位置エラーを生成する。より好ましくは、制御信号は、約5回未満の反復後、トータルの走査範囲の約1%未満のピーク位置エラーを生成する。
本実施形態の更なる態様では、走査周波数は、アクチュエータの基本共鳴周波数の少なくとも1/100であり、好ましくは1/10である。より好ましくは、走査周波数は、アクチュエータの基本共鳴周波数の少なくとも1/3である。
本実施形態の他の態様によると、アクチュエータの共鳴周波数は、約900ヘルツを超えていて、且つ走査周波数は少なくとも約10ヘルツである。しかし、好ましくは、走査周波数は、少なくとも約100ヘルツである。より好ましくは、走査周波数は、少なくとも約300ヘルツである。
本実施形態の更なる態様によると、計測装置の操作方法は、アクチュエータによって、選択された走査サイズ、数十ナノメートルから数十ミクロンまで、プローブと試料との間の相対的動作を生成することと、位置センサを用いて、アクチュエータの動作を検出することとを含む。本方法はまた、フィードバックループおよびフィードフォワードアルゴリズムの少なくとも一つによる、生成ステップの制御を含む。生成ステップは、参照信号に実質的に追従し、参照信号と比較して、走査サイズの約1%未満である相対的動作全体の位置エラーを実現する。この場合、反復中のデータ平均化によって、位置センサのノイズの寄与は、約1オングストロームのRMS(二乗平均平方根)未満に低減される。1実施形態では、走査バンド幅は、走査周波数の少なくとも約7倍に等しい。
本実施形態の他の態様では、フィードバックループのバンド幅は、走査周波数よりも非常に小さく、ピエゾクリープによる非常に遅いドリフトを補正するだけであれば実質的に十分である。
本実施形態の更なる別の態様では、走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、走査周波数において、プローブと試料との間の相対的動作を生成するアクチュエータを含む。コントローラは、検出された動作に基づき位置制御信号を生成しつつ、走査型プローブ顕微鏡はまた、アクチュエータの動作を検出し、且つ高周波数ノイズを引き起こす位置センサを含む。本実施形態では、走査周波数の少なくとも7倍に等しいノイズバンド幅において、コントローラはノイズを1オングストロームのRMS未満に減衰させる。
本実施形態の他の態様では、フィードフォワードアルゴリズムは、反転ベースの制御アルゴリズムを使用することを含む。そのアルゴリズムは、繰り返し使用され、アクチュエータの非線形性を補償する制御信号に寄与する走査駆動波形の補正を生成する。1実施形態では、補正はスキャンテーブルを用いて行われる。
本実施形態の更なる態様によると、計測装置の操作方法は、走査周波数において、アクチュエータを用いることによってプローブと試料との間の相対的動作を生成することを含む。この操作方法はまた、検出した動作にノイズを引き起こす位置センサを用いてアクチュエータの動作を検出することを含む。この操作方法はまた、フィードバックループのバ
ンド幅が走査周波数未満であるフィードバックループおよびフィードフォワードアルゴリズムの両方を用いて、アクチュエータの位置エラーを補償する。
他の実施形態では、計測装置の操作方法は、走査周波数において、アクチュエータを用いることによってプローブと試料との間の相対的動作を生成することを含む。本方法は更に、検出した動作にノイズを引き起こす位置センサを用いて、アクチュエータの動作を検出することを含む。アクチュエータの位置は、フィードバックループと適合型フィードフォワードアルゴリズムとを用いて制御される。より詳細には、制御ステップは、走査周波数の少なくとも7倍に等しいノイズバンド幅に渡って、アクチュエータの動作に対する、検出した動作のノイズの衝撃を減衰させる。そして、適合型フィードフォワードアルゴリズムは、アクチュエータの検出された動作に応答し、繰り返して生成ステップを更新する。
本実施形態の他の態様によると、適合型フィードフォワードアルゴリズムは、生成ステップに対する補正を繰り返し決定する。特に、生成ステップは、三角波である参照信号を使用することを含み、本方法は、ウィンドウを用いて三角波のリップルを減衰させることを含む。一例では、ハニングウィンドウが使用される。
これらおよび他の特徴と本発明の利点は、以下の詳細な説明とそれに伴う図面とから当業者に明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明と具体例は、本発明の好ましい実施形態を示す一方で、図示によって与えられるが、限定されないことを理解すべきである。多くの変化および改良が、本発明の精神から外れることなく、本発明の範囲内でなされうる。そして、本発明はすべての改良を含みうる。
本発明の好ましい実施形態は、添付図面において説明される。添付図面において、参照番号は、部材を表している。
適切に「先行技術」とラベリングされた先行技術の走査型プローブ顕微鏡(SPM)を説明するブロック図。 適切に「先行技術」とラベリングされた先行技術のオープンループ走査型プローブ顕微鏡スキャナを説明するブロック図。 適切に「先行技術」とラベリングされた代替の先行技術のオープンループ走査型プローブ顕微鏡スキャナを説明するブロック図。 適切に「先行技術」とラベリングされた先行技術のクローズドループ走査型プローブ顕微鏡スキャナを説明するブロック図。 低いゲインフィードバックと高いバンド幅フィードフォワードアルゴリズムを用いて、均一なスキャナ動作を提供する好ましい実施形態によるコントローラのブロック図。本質的にアクチュエータ動作から除去されるセンサノイズを図示している。 好ましい実施形態による、パラレルフィードフォワード制御ループを有するクローズドループスキャナのブロック図。 図6のコントローラの適合型フィードフォワードアルゴリズムの作用を説明するフローチャート。 フィードフォワードアルゴリズムの初期スキャンテーブルの生成を説明するブロック図。 振幅応答を含むアクチュエータの伝達関数を説明するグラフ。 位相応答を含むアクチュエータの伝達関数を説明するグラフ。 特に位置エラーを低減する際の、図6に示されるコントローラの性能を説明するグラフ。 図10を拡大したグラフ。 較正有無の、図7のフィードフォワードアルゴリズムの作用を説明するグラフ。 位置センサノイズの電力密度対周波数を説明し、所望のノイズ減衰のために選択された走査バンド幅を説明するグラフ。 本発明の実施形態による、コントローラを用いた原子間力顕微鏡によって取得された試料画像。 本発明の実施形態による、コントローラを用いた原子間力顕微鏡によって取得された試料画像。 本発明の実施形態による、コントローラを用いた原子間力顕微鏡によって取得された試料画像。 好ましい実施形態を用いて取得された、先鋭なエッジを有する試料の画像。 好ましい実施形態を用いて取得された、先鋭なエッジを有する試料の画像。 好ましい実施形態を用いて取得された、先鋭なエッジを有する試料の画像。
本発明は、高い走査速度で典型的にみられる画像劣化を最小限にすべく、位置の完全性を維持しつつ、原子間力顕微鏡の走査速度を改善するパラレルフィードフォワード制御ループと組み合わせた低バンド幅フィードバック制御ループを有するクローズドループ走査型プローブ顕微鏡に関する。より詳細には、フィードフォワードアルゴリズムは、反転ベースのアルゴリズムを使用する。この反転ベースのアルゴリズムは、高いバンド幅に渡ってスキャナに引加された駆動信号を知的制御することによって、実際の走査動作が、所望のスキャナ動作を追尾する。そして、比較的低いゲインでフィードバック制御ループを動作させることによって、高周波数ノイズ(例えばセンサノイズ)による位置決定に対する悪影響は、実質的に最小化される。全体に、オープンループ走査型プローブ顕微鏡の性能(すなわち、低ノイズ)が、画像劣化を最小にして達成される。
実施形態の利点を強調すべく、最初に参照波形が図4および図5に作成される。図4では、基準として、意図されたパス(例えばラスター走査)において均一な動作を維持しようとする参照信号との比較において、従来の原子間力顕微鏡のコントローラ58は、スキャンアクチュエータの動作を測定および監視する高いゲインフィードバックループを含む。相対的に均一且つ線形なアクチュエータ動作を提供すべく作用するが、フィードバックループに使用されるセンサは、ノイズ成分「n」を、コントローラ58によって処理される検出された動作55に引き起こす。結果として、実際の動作は、実質的に線形ではあるが、センサ信号92によって引き起こされるノイズによって悪化させられる。対応するデータは、したがって、特に小さい走査サイズにおいては、画像を劣化させうるか、または一般的には劣化させる。更に、制限されたフィードバックバンド幅は、より高い走査レートにおいて追尾エラーを増加させ、より高い走査レートにおいては歪んだ画像を生ずる。図5に戻ると、本発明の実施形態の装置が図示されている。コントローラ90は、同様にセンサノイズ「n」を含むセンサ信号を取得する。しかし、コントローラ90は、フィードフォワード要素を有する構造を含む。フィードフォワード要素は、低いゲイン(すなわち、低いバンド幅、例えば、走査周波数未満)においてスキャンアクチュエータに引加される制御信号へのセンサノイズの衝撃を最小化するように働くフィードバック要素と連動する。そして、アクチュエータ動作94は、より正確に所望の参照信号96に追従する。センサ信号92(すなわちノイズ)の高周波部の減衰に伴い、画像の劣化は大いに低減される。全体的に、クローズドループスキャナを伴う先行技術の原子間顕微鏡は、約2nmのRMSの領域までセンサノイズを含みうるが、コントローラ90はセンサノイズを減衰させ、走査中のRMSを0.1nm未満に維持できる。結果として、画質を落とすことな
く、より大きな走査速度を達成できる。すなわち、アクチュエータの位置エラーは走査サイズの1%未満である。
位置センサノイズを排斥しつつ、高い走査周波数において動作し、且つクリープと、熱ドリフトと、スキャナ105のダイナミクスの影響を最小にするコントローラの実施を、我々はこれから記述する。図6に示すように、コントローラ100は、所望の走査動作の代表である、参照波、信号、またはデータセット「R」(例えば、三角波)を使用すべく構成される。動作中、所望の走査動作は、比較ブロック112を用いて、スキャナ105のスキャンアクチュエータ110の測定された動作と比較される。スキャンアクチュエータ110は、図1に示すようにプローブまたは試料に結合されうる。または、スキャンアクチュエータ110は、プローブと試料の少なくとも一つに動作を提供する要素の組合せを含みうる。プローブ14は、大概、一体型のチップを備えたマイクロ加工されたカンチレバーであることを記しておく。プローブは、代替的には、走査型プローブ顕微鏡(SPM)に用いられる任意のプローブでありうる。任意のプローブは、走査型トンネル顕微鏡のチップ、磁力顕微鏡、電気力顕微鏡、表面ポテンシャル顕微鏡、化学力顕微鏡のプローブ、カーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバのプローブ、絞りベースまたは絞りのない近接場走査型光学顕微鏡のプローブを含むが、これらに限定されない。
本実施形態のコントローラ100は、スキャナのダイナミクスおよび/または非線形性を補償するフィードフォワード分岐102を使用するだけでなく、クリープやドリフトといった低周波数源からの位置エラーを補償する比較的遅いフィードバックループ104を使用する。
スキャナ105がジグザグのラスタースキャンを実行する際、転回動作は、減速力および加速力の大きな増加に相当する。先に記述したように、そのような力は、スキャナを制御不能に共鳴させる多くの高周波数励起を含む。そのような共鳴動作がスキャナの線形動作に重なると、画像が歪み、転回のコーナー付近のデータ中にリップルを示す。そして、重度の共鳴は、すべての画像にリップルの影響を及ぼしうる。転回部における鋭いコーナーの影響を低減すべく、参照波形Rはローパスフィルタを適用され、図3に示すようにピークにおいて丸みのある形状を生成しうる。1実施形態では、参照波形Rは、走査周波数fにおける三角波の最初の4つのフーリエ項を合計することによって合成される。基本要素fと、3fおよび5fおよび7fにおける3つの倍音を含む最初の4つのフーリエ要素は、平滑に近似するためピーク位置において悪い近似ではあるが、線形三角波の良い近似を与える。転回ポイントにおける線形性とインパルス力との間の所望のトレードオフに依存して、より多くのフーリエ要素またはより少ないフーリエ要素を使用することが可能である。1実施形態では、ハニングウィンドウを含むが、ハニングウィンドウに限定されないウィンドウ法が使用され、フーリエ要素を調整し、有限の数のフーリエ要素起因のリップルの量を低減する。そのようなウィンドウを適用することによって、リップルの大きさは1/20に低減することができる。
フィードバックループとフィードフォワードループとの間の運動の分割は可能である。なぜなら、熱ドリフトおよびピエゾクリープは、典型的にはスキャナ動作およびスキャナダイナミクスとは実質的に異なる時間に発生するからである。熱ドリフトおよびピエゾクリープは、秒〜時間のスケールの時定数を有し、時定数は約0.1ヘルツから10−5ヘルツに対応する。一方で、典型的な従来の原子間力顕微鏡は、10ヘルツから10ヘルツかそれより高い範囲の高速スキャンを有する原子間力顕微鏡であるため、10ヘルツの範囲のスキャナダイナミクスを有する。典型的な原子間力顕微鏡の走査速度は、おおまかに言って、通常の原子間力顕微鏡では0.1ヘルツから10ヘルツであり、高速原子間力顕微鏡では10ヘルツから10ヘルツである。したがって、低バンド幅フィードバックループは、走査周波数未満のバンド幅だが、ドリフトおよびクリープに関連する周波
数よりも高いバンド幅を持つように、選択される。一例として、30ヘルツで走査する走査型プローブ顕微鏡システムでは、1ヘルツのフィードバックバンド幅は、ドリフトおよびクリープを補償するのに必要なバンド幅よりも大きいが、走査周波数よりも依然として低い。
先行技術のフィードバックループは、図4に示すように、フィードバックループが忠実に三角波参照波形51を再現できるように、一般的に、最大走査周波数よりもはるかに高いバンド幅のコントローラ58を持つように配置される。この広いバンド幅の要求は、より大きいセンサノイズを、スキャナの動作に引き起こす。本実施形態では、しかしながら、フィードバックループの低バンド幅は、センサノイズの影響をスキャナ/アクチュエータの動作に実質的に減衰させる。
例でこの影響を説明すると、fが10ヘルツの走査周波数で動作し、ランダムなセンサノイズにさらされるスキャナを考慮する。三角波参照波形を忠実に再現すべく、クローズドループバンド幅は、参照波形の周波数の少なくとも数倍である。上述したように、三角波の少なくとも最初の4つのフーリエ要素を再現させようとする場合、先行技術のフィードバックループは、7fの走査バンド幅、または大まかに言って70ヘルツの周波数を必要とする。しかしながら、フィードバックループがクリープおよび/またはドリフトを補償するためにのみ必要な場合は、例えば、0.1ヘルツのバンド幅を選択してもよい。単純な場合は、センサノイズは白色ノイズである。70ヘルツから0.1ヘルツのフィードバックバンド幅をカットすることは、センサノイズのアクチュエータ位置に対する衝撃を√(70/0.1)=26のファクター分を減衰させる結果となりうる。500ヘルツの走査周波数において動作する高速原子間力顕微鏡では、センサノイズ衝撃の改善は、図3のフィードバックループ構造に対して、ほぼ200のファクタとなりうる。
ノイズ減衰量を見積もるべく、本例で使用される7fのバンド幅は、本発明では必要ないことを記す。代りに、センサノイズのアクチュエータ位置に対する衝撃中の低減量を見積もるべく、バンド幅は便利な基準として単に使用される。走査バンド幅は、走査波形に要求される精度に依存して、7fよりも大きい値または小さい値が選択されうる。より高い走査バンド幅は、走査波形を構築するべく使用されるフーリエ構成要素数を増加させる。
アクチュエータ位置でのノイズは、任意の様々な方法で測定されうる。例えば、アクチュエータを駆動する制御信号u(図6)の電圧ノイズを測定することと、アクチュエータの感度によってこの電圧ノイズを増幅することが可能である。特定のノイズバンド幅中のトータルのノイズはシステムのノイズ性能を明らかにするべく使用される。我々は、「走査バンド幅」と「ノイズバンド幅」を区別していることを記す。ノイズバンド幅は、ノイズ測定が実行されるバンド幅を定義する。ノイズ評価の目的で、ノイズバンド幅を特定することによって、我々は、システムの走査バンド幅が同じであることを意味していない。また、一般的に、三角波形は、ノイズ解析の前にデータから除去されることを記す。
代替的には、地理的特徴の場所におけるノイズ、例えば走査型プローブ顕微鏡像において観察されるグラファイト表面のステップエッジの位置を測定しうる。伝統的なクローズドループ原子間力顕微鏡像は、そのようなステップエッジ上で1nmから数nmのノイズを引き起こすが、本発明は、オープンループスキャナの質と同等の1オングストローム未満のノイズを達成しうる。
フィードバックシステムに戻ると、フィードバックループ104は、クローズドループフィードバックコントローラ106(PI制御ブロック、例えば、デジタル的に実行されるか、アナログ回路で実行される)と、入力信号uに応答してスキャンアクチュエータ1
10の検出された動作を示す信号109を生み出す位置センサ108とを使用する。検出された動作を示す信号109に関連する大きなノイズ要素を記す。既知の原子間力顕微鏡のコントローラを用いた場合に、図4の信号53によって図示されるアクチュエータ位置中のノイズを引き起こすのが、この検出動作ノイズである。しかしながら、本実施形態のコントローラを用いる場合、図6の信号107によって示されるように、アクチュエータの位置は、参照波形Rによって示されるように、所望の走査動作の軌跡に追従する。全体的に、既知の原子間力顕微鏡のコントローラと対照的に、検出された動作(信号109)と関連した検出動作ノイズと比較して、アクチュエータの位置(信号107)に関連した位置ノイズは、図6(分解図)に示すように、劇的に低減される。
1実施形態では、クローズドループフィードバックコントローラ106は、センサノイズおよび低安定状態エラーを効率よく排斥するための積分ゲインのみを含む。この実施形態では、積分ゲインの値は、センサノイズを実質的に排除させるほど十分に低い制御バンド幅、更に低周波数クリープおよび/またはドリフトを補償する十分な高いバンド幅を提供すべく設定される。この実施形態では、積分ゲインは、フィードバックバンド幅が概して走査周波数よりも低くなるように設定される。代替的には、クローズドループフィードバックコントローラ106は、例えばPIコントローラまたはPIDコントローラでありうる。クローズドループフィードバックコントローラ106はまた、フィードバックに加えて、システム特性に関する過去の知見と、非線形性と、履歴挙動とのうち少なくとも一つを使用する複雑なモデルベースのコントローラでありうる。
比較ブロック112によって決定される位置エラーに基づき、クローズドループフィードバックコントローラ106は、適切な制御信号ufbを生成する。比較ブロック112は、アナログ回路およびデジタル計算要素の少なくとも一つを有しうる。アナログ回路およびデジタル計算要素の少なくとも一つは、参照波形と測定されたアクチュエータの軌跡との間のエラーを示す信号およびデータの少なくともいずれかを生成する。(フィードフォワード分岐102(すなわち、uff)からuへの寄与は以下で議論されることを記す。)クローズドループフィードバックコントローラ106、より詳細にはufbは、参照信号「R」と、実際のスキャンアクチュエータのスキャナ動作との間の低周波数位置エラーを補償するように作用する。参照信号「R」は、所望のスキャナ動作を定義し、実際のスキャンアクチュエータのスキャナ動作は、位置センサ108の出力信号によって示される。結果として、クリープおよび/または熱ドリフトによる相対的なプローブ位置および試料位置への悪影響を、最小限にできる。更に、上述のように、低バンド幅において動作することによって、制御信号u、したがってアクチュエータ動作に対するセンサノイズ(高周波数ノイズ)の位置決定の悪影響を、最小限にできる。1実施形態では、x、y、z軸のスキャンアクチュエータ110は、異なる剛性の湾曲部に結合されたピエゾ電気スタックである。そのスキャンアクチュエータ110は、本出願の係属出願である、「高速スキャン走査型プローブ顕微鏡とその操作方法」という名称の、2007年3月16日出願の米国出願番号11/687304に記載されている。しかしながら、アクチュエータはまた、任意の代替アクチュエータ技術を使用できる。任意の代替アクチュエータ技術は、ピエゾチューブまたは他のビエゾ電気デバイス、電歪と磁歪と静電と音声コイル駆動メカニズムとのうち少なくとも一つから形成されたアクチュエータ、入力信号に応答して動作を生成する他のアクチュエータを含むが、これらに限定されない。スキャンアクチュエータ110は、それ自身によって、例えばスキャンアクチュエータ110がピエゾ電気チューブである場合、スキャナを構成しうる。スキャンアクチュエータ110はまた、例えばアクチュエータの動作を導くおよび/または増幅させる湾曲要素のような他の要素を含むスキャナ105の要素でありうる。実際に、アクチュエータおよび他のスキャナ要素の両方のダイナミクスは、さもなければ、最大走査周波数を制限しうる。本発明は、個々のアクチュエータおよび更に複雑なスキャナアセンブリの両方の性能を改善すべく使用されうる。
位置センサ108は、ほとんどの場合、スキャンアクチュエータ110の位置を示す信号を生成する。適切な位置センサはまた、アクチュエータの速度を示す信号を生成しうる。適切な位置センサは次に、(例えば、プロセッサによって)相対的なアクチュエータの位置を判定すべく構成されうる。位置センサは、アクチュエータの動作を直接測定すべく構成されうる。または、位置センサは、アクチュエータによって移動させられた離れた参照ポイントまたは表面の位置を測定すべく構成されうる。位置センサ108は更に、前置増幅器および信号状態の少なくとも一つを含みうる。前置増幅器および信号状態の少なくとも一つは、センサから、元の信号を増幅し、線形にしたり、コントローラによってより良く使用されうる信号に復調させたりする。
ここで我々は、フィードフォワードアルゴリズムの作用に戻る。再び図6を参照すると、コントローラ100のフィードフォワード分岐102は、フィードフォワードアルゴリズム120を用いて、スキャナの共鳴歪を最小にしつつ、高速走査を促進する。一般的に、フィードフォワードアルゴリズムは、システム特性の過去の知見を用いて、所望の出力を生成するのに必要とされる制御信号を見積もるアルゴリズムである。フィードフォワードアルゴリズム120は、以下において更に詳細に記述されるが、最初にアクチュエータ(またはスキャナユニット)のダイナミクス(すなわち、非線形性等)の知見を使用し、所望の軌跡に沿ってスキャンアクチュエータ110を駆動させる制御信号uのフィードフォワード要素uffを生成する。
1実施形態では、スキャンアクチュエータ110はアクチュエータを駆動させる波形の最初の見積uffとともに使用される。この見積は、例えば、過去の測定結果または初期較正ステップによってもたらされる。コントローラ100は、駆動波形uffを更新し、更新されたスキャン制御波形uffを生成することによって、スキャン位置(比較ブロック112の出力)中の高周波エラーを最小化する。1実施形態では、波形uffは、スキャナの寄生共鳴振動を抑制したり、アクチュエータの非線形性を補正したりする要素を含む。フィードフォワード制御アルゴリズムの既存版は、Stemmer、Schitter、Ando、Salapaka、Devasia、Zouにおいて大まかに記述されている。例えば、非特許文献1および非特許文献2である。いずれの文献も、参照されることによって特にここで援用される。
より詳細には、この場合、コントローラ100のフィードフォワード分岐102は、例えば、高周波数位置エラーを含む周期的エラーを低減すべく作用する。この作用は、スキャンアクチュエータ110のダイナミクス(例えば、非線形性)および/または原子間力顕微鏡の走査中にスキャナ105全体のダイナミクスを明らかにすることによって行われる。1実施形態では、フィードフォワードアルゴリズム120は、適合型アルゴリズムであり、以後には反転ベースの反復制御アルゴリズム(IIC)と呼ばれる。この反転ベースの反復制御アルゴリズムはセンサエラーを使用し、位置エラーを補正するための適切な制御信号uffを決定する作用がある。反転ベースの反復制御アルゴリズムは、スキャナまたはアクチュエータの伝達関数を反転させる。センサエラーおよび先の制御信号に基づき、反転ベースの反復制御は、走査全体に渡って測定された位置エラーを低減させる新しい制御信号uffを計算する。そのような反転ベースの反復制御アルゴリズムの1つは、非特許文献3において、Zouらによって記述されている。1実施形態では、スキャン制御信号uffは、スキャンテーブルとして計算される。または、スキャン制御信号uffは、スキャン位置の関数および時間位置の関数のうち少なくとも一つとしての制御値として計算される。スキャンアクチュエータに関連するスキャンテーブルは、繰返し更新され、できるだけ迅速に位置エラーを最小化するための適切なuffを生成する。
図7を参照すると、フィードフォワードアルゴリズム120の処理は、更に詳細に議論
される。原子間力顕微鏡の操作を初期化する際、ユーザは通常は、試料上に調査スキャンを行う。観察したい領域が特定されると、ユーザはオフセットと、走査サイズと、走査速度とを入力し、初期のスキャンテーブルは、ブロック121において、過去にセーブされたパラメタまたはモデル化されたスキャンテーブルのいずれかによって決定される。モデル化されたスキャンテーブルは、例えば、ユーザが入力した値と、伝達関数の反転(図8を参照して以下に詳細が記述される)に基づく。テストスキャンはそこで、この初期スキャンテーブル(ブロック122)を用いて実行され、目標とする参照信号に対する位置エラーが測定される。アルゴリズムはそれから、判定ブロック124において、走査サイズに対する位置エラーが数パーセント「x」未満であるか否かを判定する。「x」未満の場合、コントローラ100のフィードフォワード分岐102の処理は、減算のスキャンテーブルを用いて適切なuffを生成すべく補償される位置エラーとともに、ブロック126において終了する。「x」未満でない場合、コントローラは、現在のエラーと新たに調節されたモデルとを組み合わせることによって新しい反復を初期化し、更にエラーを低減すべく新たなスキャンテーブルを生成する。新たなスキャンテーブルは、ブロック128においてフィードフォワードアルゴリズムの次の反復である「i+1」を用いて判定される。より詳細には、ブロック122において、この新たに生成されたスキャンテーブルは、スキャナを駆動すべく使用され(すなわち、駆動を更新するための補正が決定される)、新たな走査エラーがそこで、再びエラーマージン「x」と比較される。随意的には、センサエラーは、前述したように、エラー判定に対するノイズの寄与を実質的に低減すべく、複数回の走査を実行することによって平均化されうる。反復を継続することは、結局エラーを「x」未満に低減し、最終スキャンテーブルは、現在のユーザ入力パラメタにおけるスキャナの駆動テーブルとなる。現在のスキャンテーブルの位置エラーが選択された「x」パーセント未満となるまで、フィードフォワードアルゴリズムは反復する。実際には、最終的反復エラーの判定基準は、大抵の場合、フル画像サイズの約1%未満と設定される。
1実施形態では、図7の判定ブロック124によって使用される位置エラーは、走査波形上のピークエラーである。位置エラーは随意的に、走査波形上の積分エラー、積分エラーの集まり、RMSエラー、または他の任意のデータ、または命令された位置と、位置センサによって測定された位置との差に関連する計算結果になりうる。
いくつかの実施形態では、図10〜図12に関連して以下で更に議論されるように、トータルの走査サイズに対するピークエラーの理想的な閾値は、約1%であり、且つ走査周波数の約7倍に等しいノイズバンド幅に渡っての約1オングストローム未満の位置ノイズである。この結果は、フィードフォワードアルゴリズムを3−4回反復することによって達成されうる。そしていくつかの場合、初期走査波形と同時に達成されうる。実際には、このことは、位置エラーが、約2秒後に1パーセントの閾値に低減されうることを意味する。したがって、高いバンド幅において位置決定を制御するuff波形/信号/データアレイと、熱ドリフトやピエゾクリープといった低バンド幅の位置エラーを補正するufbとによって、最小の画像劣化を提供する安定な位置決定は、したがって高いバンド幅に維持される。高い走査速度では、1パーセントの閾値にするには数回の反復(例えば、6回以上)かかることを記す。ほとんどの場合、しかしながら、閾値に5秒未満で到達し、好ましくは2秒未満で到達する。
図8に移ると、フィードフォワードアルゴリズム120によって処理される初期スキャンテーブル140を生成すべく使用される要素を説明するブロック図が示される。初期スキャンテーブル140の第1要素は、そのダイナミクスを取得すべく全体として(複数の伝達関数が、複数軸および可能であれば軸間の結合のために使用されうる)、スキャンアクチュエータ110および/またはスキャナに関連する1以上の伝達関数142を特定する。伝達関数142は、スキャンアクチュエータ110のダイナミクスを示す。駆動波形
(例えば三角波)は、スキャンアクチュエータ110に、典型的には周波数範囲に渡って引加されると、アクチュエータの動作はセンサによって測定され、スキャンアクチュエータは、特定の応答、伝達関数を生ずる。伝達関数は、図9Aおよび図9Bに図示される。図9Aは、一定の振幅の駆動信号が周波数範囲に渡ってスイープされた際の、アクチュエータの振幅応答を示す。図9Bは、スキャナの対応する位相応答を説明する。伝達関数は、動作条件に基づき変化しうることと、スキャナのダイナミクスは、(ダイナミクスの線形部分を定義する)伝達関数以上のものを代表することとを記す。特に、既定の伝達関数は、全体のシステムの一部として使用され、駆動波形uffを最適化する。
伝達関数は、従来のシステム識別法によって取得されうる。例えば、スキャナを、既知の周波数および振幅を持つ信号によって励起することによって、駆動信号によって分割されたスキャナの応答は、その周波数におけるゲインおよび位相を定義する。所望の範囲全体において周波数をスイープすることによって、スキャナの周波数の関数としてのゲインおよび位相である伝達関数が、測定されうる。白色ノイズまたはシステムモデルからスキャナを励起する際、応答のゲインおよび位相を通じて、伝達関数はまた測定されうる。図9Aおよび図9Bは、1キロヘルツに近い周波数におけるダイナミクスを有するアクチュエータを示す。
伝達関数は、アクチュエータの期待される応答を特定のユニットによって詳細に示す。動作中、フィードフォワードアルゴリズム120は、伝達関数を反転させるよう作用し、エラー(図6のブロック112の出力)および先のスキャンテーブルに基づき、適切なスキャンテーブルを決定し、この場合は位置エラーを補償する適切な制御信号uffを提供する。
図8を更に参照すると、初期スキャンテーブルはまた、走査サイズ、走査角度、動作周波数といったユーザが選択したパラメタによって定義される。特に、好ましい実施形態を用いると、スキャンアクチュエータの共鳴周波数の少なくとも1/3までの走査周波数が、位置安定性を維持しつつ、達成されうる。図9Aおよび図9Bに説明されるスキャナでは、このことは、約300ヘルツの走査速度が達成されうることを意味する。これは、概して一桁ヘルツの範囲で走査する既知の原子間力顕微鏡とは全く対照的である。この初期スキャンテーブルはまた、較正されたスキャナファイル146によって定義されうる。より好ましい実施形態を動作させることは必要ではないが、スキャンアクチュエータに関連する較正されたデータは、初期スキャンテーブルの生成時に使用されうる。これらの較正されたデータは、既知の線形的な次元を有する多くの特性を用いて試料を走査することによって得られる。最後に、現在の測定のための初期スキャンテーブルは、スキャンアクチュエータに関連する保存されたスキャンテーブルによって修正されうる。例えば、スキャンアクチュエータによって実行された先の実験に対応するスキャンテーブル情報は、実際のアクチュエータの応答をより正確に反映する初期スキャンテーブルを生成すべく使用される。しかし、スキャンテーブル情報は、動作中、フィードフォワードアルゴリズムの第1の反復時に、対応して閾値エラーを生成するおそれがある。較正の効果は図12に示され、以下で議論される。
コントローラ100の処理は、図10〜図12において説明される。縦軸は、対応する信号の電圧信号を示し、横軸はミリ秒の時間である。全ての信号は、図6の異なるテストポイントにおいて同時にサンプリングされる。図10は、スキャナの所望の動作、例えばラスタースキャンを説明する純粋な三角波である、「参照信号」とラベルされた第1の曲線を示す。曲線「駆動信号」は、プローブと試料の位置エラーを補正するためにコントローラによって生成する駆動信号uffを示す。駆動信号(すなわち、uff)は、スキャナによって生成すべく意図された純粋な三角波であって、すなわち参照信号であり、かつ実質的に同時に発生する三角波である「センサ信号」とラベルされたセンサ信号を生ずる
。純粋な三角信号または波形(参照信号)と、感知されたアクチュエータの動作「センサ信号」との間のエラーは、「エラー信号」として示されるエラープロファイルを生成する。「エラー信号」は、コントローラ100のフィードフォワードアルゴリズム120を用いて、高周波数エラーの補償と、低バンド幅フィードバックとの組み合わせを通じて、最小化の状態に保たれる。図10に示す場合、このエラー量は、フィードフォワードアルゴリズムの約3〜4回の反復後に、完了する。
図11は、図10において説明されたアクチュエータ応答の縦軸における拡大図である。より詳細には、「反復前のエラー信号(ESBI)」および「反復後のエラー信号(ESAI)」の波形は、コントローラ100とともにアクチュエータを駆動することに関連したエラーを図示する。より詳細には、波形「ESBI」は、フィードフォワードアルゴリズム120の最初の処理後の初期エラーを示す。開始するには比較的大きいが、フィードフォワードアルゴリズムの約3〜4回の反復後、エラーは、波形ESAIによって図示される程度に低減される。画質を劣化させることなく高速における走査に必要な閾値未満であるのが、このエラー量である。すなわち、位置エラーは理想的に走査サイズの1%未満である。ESBIは、エラーが典型的には、ラスタースキャンの遷移ポイントにおいて最大であるということを例証することを記す。そしてそのように、エラーは、取得されたデータによって生成する得られた画像に大いに影響しないことをESBIが例証することを記す。
図12では、本発明の1実施形態による、高速走査のための選択されたエラー量を達成するためのフィードフォワードアルゴリズム120の反復回数が示される。スキャナが較正されない場合、この場合、全体の走査サイズの1%の最大エラーを達成する反復回数は、約7〜8回のフィードフォワードアルゴリズム反復回数である。スキャナが較正された場合は、しかしながら、上述のように、1%の閾値は3〜4回の反復回数後に達成されうる。いずれの場合も、高い完全性の高速走査は、走査初期化の約2秒以内に、実行されうる。
つまり、本発明のコントローラ100および関連する制御アルゴリズムは、従来の原子間力顕微鏡のスキャナの走査速度を1桁以上改善しうる。適合型フィードフォワードアルゴリズム120は、高周波数センサのダイナミクスおよび非線形性に関連するアクチュエータの位置に対する悪影響を最小化しつつ、低バンド幅フィードバックコントローラは、実質的に低周波数または位置エラーのDC要素の影響を除去する。制御分岐ufbおよびuffのそれぞれによって生成される2つの信号は組み合わされ、実質的に線形なスキャナ動作を生ずる制御信号uを提供する。線形スキャナ動作は、図5に示すように、スキャナ(アクチュエータ)の基本共鳴周波数の1/100を超える速度において、より好ましくはスキャナの共鳴周波数の1/10を超える速度において、更に好ましくは1/3を超える速度において、参照信号に追従する。意図された応用(約900ヘルツの共鳴周波数)において使用される典型的なピエゾ電気アクチュエータでは、このことは、画質を落とすことなく、300ヘルツでの走査が可能であることを意味する。
コントローラ100の処理は、図13に、ノイズ密度対スキャナ周波数のプロットとして、図示される。示されるように、走査バンド幅が適切な周波数に設定される場合、スキャナ制御信号uへのフィードフォワードの寄与uffは、高周波数の位置エラーを補償すべく使用されうる。フィードバック制御ループと、スキャナ制御信号uに寄与する制御信号ufbとは、十分に低いバンド幅において、クリープおよび熱ドリフトといった位置エラーに寄与する低バンド幅を補正すべく作用する。このように、フィードバックループの位置センサからのノイズと、フィードバックループのノイズ密度に寄与するノイズとは、本質的に最小化される。例えば、位置センサノイズの衝撃を最小限にしつつ、走査バンド幅は、走査周波数の約7倍に設定されうる。つまり、低バンド幅においてフィードバック
ループ104(図6)を動作させることによって、位置センサによって引き起こされたノイズは、図13に図示されるように領域150に最小化される。結果として、高周波数位置エラーの補正を提供する作用があるフィードフォワードアルゴリズム120を用いることによって著しく大きな速度において走査しつつ、画像の完全性は感知できるほどには劣化しない。
本発明によって提供されるより正確な位置決定の1つの実際的効果を図14A〜図14Cに示す。図14Aは、高分解能において画像取得されるべき「A」と記された観察したい領域を有する較正用回折格子(10ミクロンピッチサイズ、100ミクロン走査サイズ、10ヘルツ)の例を示す。アクチュエータを高周波数において動作させつつ、図14Aに示されるプローブ−試料位置から、拡大された領域「A」に移動するには、位置エラーは、好ましい実施形態によって達成されるように走査サイズの例えば、約1%に、実質的に維持されるべきである。この場合、領域「A」は、拡大された領域中に位置する。高周波数におけるエラーが大きい、例えば、約10%の範囲にあることを考えると、このことは、既知の原子間力顕微鏡および既知の原子間力顕微鏡に関連する制御技術とは対照的である。そのような場合、領域「A」が命令されたプローブ−試料位置内にとどまるように、100×100ミクロンの走査範囲から、1×1ミクロンの副領域まで動くことは、約10ミクロンのエラーを生ずることとなり、原子間力顕微鏡が信頼できる位置にプローブと試料を配置することはできない。図14Bは、先に記述されたコントローラを使用して、拡大された場所「A」(約5ミクロン領域)を示す。図14Cに移ると、本発明のコントローラを用いて図14B(10ヘルツで、約3.2ミクロンの走査)に示される新しい走査領域に関連した画像は、クリープなしで低ノイズであることと、スキャナの正確な位置とを明らかにする。
図15A〜図15Cに移ると、本発明の原子間力顕微鏡だけでなく既知の原子間力顕微鏡を用いた、プローブ−試料の位置決定に対するノイズの影響が説明される。対応する試料像は、オープンループ位置コントローラを有する原子間力顕微鏡を用いて画像化されたエッジ形状(図15A)であり、クローズドループ位置コントローラを有する原子間力顕微鏡を用いて画像化されたエッジ形状(図15B)である。図15Cは、本発明を具現化する原子間力顕微鏡を用いて得られた像を示す。より詳細には、図15Aは、位置センサが無い場合の、低ノイズ(振幅が200)のエッジ形状を示す。図15Bは、ノイズの多い像を生成するセンサノイズを処理する従来のクローズドループコントローラを用いて得られたエッジ像である。示すように、予想通り、クローズドループノイズ210は、オープンループノイズ200よりも顕著に大きい。図15Cは、オープンループの画像取得のノイズ性能を達成しつつ、同じ位置精度およびクローズドループコントローラの線形性が維持される本発明を用いて得られた像である。換言すると、アクチュエータノイズ220は、クローズドループノイズ210と比較して大きく低減され、且つ図15Aに示されるオープンループノイズ200よりも低減される。
本発明を実行する発明者によって意図される最良の形態が上記に開示されているが、本発明の実施は、それには限定されない。例えば、数十ナノメートルから数百ナノメートルといった非常に小さい走査サイズでは、反転ベースの反復制御アルゴリズムの適合型手順は、計算の発散を回避すべく、無視されうる。本発明の様々な添加、修正、再構成が、内在する発明の概念の精神および範囲から外れることなく、実行されうる。

Claims (14)

  1. 計測器(10)を操作する計測器操作方法であって、前記計測器操作方法は、
    走査周波数においてアクチュエータ(110)を用いることによって、プローブ(14)と試料(22)の間の相対的動作を生成する動作生成ステップと;
    位置センサ(103)を用いて、前記アクチュエータ(110)の動作を検出する検出ステップであって、前記位置センサ(103)は、検出した前記動作のノイズである検出動作ノイズを引き起こすことと;
    フィードバックループとフィードフォワードアルゴリズム部(120)を用いて、前記アクチュエータ(110)の位置であるアクチュエータ位置を制御する制御ステップと
    を備え、
    前記制御ステップは、
    a)前記走査周波数よりも低いバンド幅で前記フィードバックループを動作させることと;
    b)前記フィードフォワードアルゴリズム部(120)を動作させることによって、前記検出ステップに対応する閾値エラーを低減することと
    を有し、
    前記a)と前記b)とによって、前記走査周波数の7倍のノイズバンド幅における前記検出動作ノイズと比較すると、前記アクチュエータ位置でのノイズであるアクチュエータ位置ノイズを減衰させることを特徴とする、計測器操作方法。
  2. 前記フィードフォワードアルゴリズム部(120)は、反転ベースの制御アルゴリズムを有する、
    請求項1記載の計測器操作方法。
  3. 前記走査周波数は、前記アクチュエータ(110)の基本共鳴周波数の少なくとも1/100である、
    請求項1記載の計測器操作方法。
  4. 前記制御ステップは、前記走査周波数の7倍に等しいノイズバンド幅内において、前記アクチュエータ位置ノイズを1オングストロームの二乗平均平方根未満に減衰させる、
    請求項1記載の計測器操作方法。
  5. 計測器(10)を操作する計測器操作方法であって、前記計測器操作方法は、
    走査サイズに渡って走査周波数において、アクチュエータ(110)を用いることによってプローブ(14)と試料(22)の間の相対的動作を生成する動作生成ステップと;
    位置センサ(103)を用いることによって、前記アクチュエータ(110)の動作を検出する検出ステップと;
    前記走査周波数よりも低いバンド幅で動作するフィードバックループと、適合型フィードフォワードアルゴリズム部(120)とを用いることによって、前記動作生成ステップを制御する制御ステップと
    を備え、
    前記制御ステップは、参照信号に追従することによって、前記参照信号と比較すると前記走査サイズの1%未満である前記相対的動作の位置エラーを実現し、且つ前記走査周波数の少なくとも7倍に等しいノイズバンド幅に渡って、位置ノイズを1オングストロームよりも小さくなるように実現することを特徴とする、計測器操作方法。
  6. 前記適合型フィードフォワードアルゴリズム部(120)は、前記位置エラーに応答して前記アクチュエータ(110)の伝達関数を見積り、且つ前記伝達関数の少なくとも一部に基づき前記動作生成ステップを調整する、
    請求項記載の計測器操作方法。
  7. 前記走査周波数は10ヘルツよりも大きい、
    請求項記載の計測器操作方法。
  8. 前記フィードフォワードアルゴリズム部(120)は、反転ベースの制御アルゴリズムを使用し、且つ前記アクチュエータ(110)の非線形性および前記アクチュエータ(110)のダイナミクスの少なくとも一つを補償する制御信号に寄与する補正を反復して生成する、
    請求項記載の計測器操作方法。
  9. 前記位置エラーは、積分位置エラーである、
    請求項記載の計測器操作方法。
  10. 走査型プローブ顕微鏡(10)であって、
    走査周波数においてプローブ(14)と試料(22)の間の相対的動作を生成するアクチュエータ(110)と;
    前記アクチュエータ(110)の動作を検出する位置センサ(103)であって、前記位置センサ(103)は、検出した前記動作のノイズである検出動作ノイズを引き起こすことと;
    検出した前記アクチュエータ(110)の動作に基づき、前記アクチュエータ(110)の位置であるアクチュエータ位置を制御する位置制御信号を生成するフィードバックコントローラ(106)と
    を備える走査型プローブ顕微鏡(10)であって、
    前記フィードバックコントローラ(106)は、低バンド幅のフィードバックループと、適合型フィードフォワードアルゴリズム部(120)とを用いることによって、前記検出動作ノイズと比較すると、前記アクチュエータ位置でのノイズを減衰させ、
    前記フィードバックコントローラ(106)は、前記アクチュエータ位置でのノイズを、前記走査周波数の7倍のノイズバンド幅に渡って1オングストロームの二乗平均平方根未満に減衰させることを特徴とする、走査型プローブ顕微鏡。
  11. 前記走査周波数は、前記アクチュエータ(110)の基本共鳴周波数の少なくとも1/100である、
    請求項10記載の走査型プローブ顕微鏡。
  12. 計測器(10)を操作する計測器操作方法であって、前記計測器操作方法は、
    走査サイズに渡って走査周波数において、アクチュエータ(110)を用いてプローブ(14)と試料(22)の間の相対的動作を生成する動作生成ステップと;
    位置センサ(103)を用いることによって、前記アクチュエータ(110)の動作を検出する検出ステップであって、前記位置センサ(103)は、検出した前記動作のノイズである検出動作ノイズを引き起こすことと;
    フィードバックループと適合型フィードフォワードアルゴリズム部(120)を用いて、前記アクチュエータ(110)の位置であるアクチュエータ位置を制御することによって、前記フィードバックループに関連する閾値を連続して更新する更新ステップと
    を備え、
    前記更新ステップは、
    a)前記走査周波数よりも低いバンド幅で前記フィードバックループを動作させることと;
    b)前記フィードフォワードアルゴリズム部(120)を動作させることによって、前記検出ステップに対応する閾値エラーを低減することと
    を有し、
    前記a)と前記b)とによって、前記走査周波数の7倍のノイズバンド幅における前記検出動作ノイズと比較すると、前記アクチュエータ位置でのノイズを減衰させ、
    前記適合型フィードフォワードアルゴリズム部(120)は、前記検出動作に応答して前記動作生成ステップを繰返し更新することを特徴とする、計測器操作方法。
  13. 前記適合型フィードフォワードアルゴリズム部(120)は、前記動作生成ステップの補正を反復して判定する、
    請求項12記載の計測器操作方法。
  14. 前記動作生成ステップは、三角波である参照信号を使用することを含む、
    請求項12記載の計測器操作方法。
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