JPH07128050A - スキャナシステム - Google Patents

スキャナシステム

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Publication number
JPH07128050A
JPH07128050A JP27229293A JP27229293A JPH07128050A JP H07128050 A JPH07128050 A JP H07128050A JP 27229293 A JP27229293 A JP 27229293A JP 27229293 A JP27229293 A JP 27229293A JP H07128050 A JPH07128050 A JP H07128050A
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JP
Japan
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scanner
control signal
signal
control
scanning
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JP27229293A
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Inventor
Nobuaki Sakai
信明 酒井
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高速走査と高精度走査を両立させたスキャナシ
ステムを得ることにある。 【構成】探針、或いは試料を保持するステージ12を所
定の方向に走査させるためのものであって、少なくとも
圧電体と複数の駆動電極で構成される圧電体スキャナ1
1と、この11の変位量を求め、変位信号として出力す
るスキャナ変位センサ13と、11の所望とする状態を
示す基準信号を発生させる基準信号発生器14と、前記
変位信号および基準信号に基づき、11を所望とする状
態に変位させるための第1の制御信号を生成し出力する
コントローラ15と、前記第1の制御信号のノイズを取
り除き、第2の制御信号として出力するフィルター回路
19と、前記第2の制御信号を一時的に記憶するメモリ
回路22と、前記第1および第2の制御信号のどちらか
一方を選択し、11の複数の駆動電極に駆動信号として
印加するスイッチ17を具備したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば走査トンネル顕
微鏡(STM)や原子間力顕微鏡(AFM)などの走査
型プローブ顕微鏡に適用され、探針や試料などを走査さ
せるスキャナシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば特開昭60−130302号公報
における「サンプル表面の像を形成する方法及び装置」
のように、走査トンネル顕微鏡(STM)や原子間力顕
微鏡(AFM)など、簡単な構成で原子サイズレベルの
高い縦横方向分解能を有する走査型プローブ顕微鏡が提
案されている。
【0003】一般に走査型プローブ顕微鏡で、その走査
手段には移動量を高精度に制御できる圧電体スキャナを
用いている。圧電体スキャナは、基本的に圧電体とその
表面に設けた電極とで構成され、電極に印加する電圧を
制御することによりnmオーダーで変位を制御すること
ができる。
【0004】ところで、PZTなどの圧電体は、電圧駆
動を行ったときの変位にヒステリシスやクリープ等の現
象を示すことが良く知られている。従って、圧電体スキ
ャナを用いてステージ(探針や試料)を走査させた場
合、ステージの移動特性は非線形性(例えば、圧電体ス
キャナに図17のような電圧を印加すると、圧電体の変
位は図18のようになる。)を示し、走査型プローブ顕
微鏡においては、この非線形性が測定像の歪みとして現
れる。そのため、このような非線形性のような不具合を
除去する手段として、圧電体スキャナをフィードバック
制御するスキャナシステムが提案されており、歪みのな
い測定像を得ることが可能となっている。
【0005】図16は、このスキャナシステムを説明す
るためのブロック図である。1はチューブ型の圧電体ス
キャナ(以下、スキャナと称する)であり、その自由端
に試料、或いは探針を保持するステージ(図示せず)が
設けられている。
【0006】3はスキャナ1のX方向(走査方向)およ
びY方向(走査方向)の現在の変位状態を求めるセンサ
であり、その現在の変位状態を示す変位信号Xd,Yd
を制御回路5に供給する。
【0007】制御回路5は、XY基準信号発生器4で発
生されるX方向およびY方向の基準信号Xb,Ybに対
して所定の処理(後述するフィードバック制御のための
処理)を行い、X方向およびY方向のそれぞれの制御信
号Xc,Ycを生成する。この制御信号Xc,Ycは、
スキャナを所望の状態に補正するための信号として、駆
動回路2へと供給される。駆動回路2は供給された制御
信号Xc,Ycにて指示される状態にスキャナ1を変位
させるべく、駆動信号X,Yを与えてスキャナ1に対し
て電圧印加を行う。
【0008】次に以上のように構成されたスキャナシス
テムの動作を説明する。まず、駆動回路2が制御回路5
から出力される制御信号Xc,Ycに基づいてスキャナ
1に電圧印加を行うと、その電圧印加の状態に応じた変
位がスキャナ1に生じる。
【0009】一方、センサ3は、スキャナ1のX方向お
よびY方向の変位状態をそれぞれ変位信号Xd,Ydに
変換し、制御回路5に与える。制御回路5では、XY基
準信号発生器4から出力される基準信号Xb,Ybに基
づき、スキャナ1を所定状態に変位させるべくX方向お
よびY方向のそれぞれの制御信号Xc,Ycを生成して
いるが、この状態でセンサ3から供給される変位信号X
d,Ydを監視し、現在所望とするスキャナ1の状態と
変位信号Xd,Ydが示す実際のスキャナ1の状態のと
の偏差を求める。所望とするスキャナ1の状態と実際の
スキャナ1の状態との間には、スキャナ1を構成する圧
電体に生じるヒステリシスやクリープ等によって偏差が
生じるので、制御回路5ではこの偏差を求めるのであ
る。
【0010】そして、制御回路5は、この偏差を補償す
るように制御信号を変化させる。すなわち、センサ3に
て示される実際のスキャナ1の状態が所望とする状態と
なるようにフィードバック制御を行う。かくして非線形
性を除去した圧電体スキャナ1の走査が可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図16のよ
うなスキャナシステムは、一般的なスキャナシステム
(フィードバック制御をしないスキャナシステム、例え
ば図16のXY基準信号発生器4と、駆動回路2と、ス
キャナ1から構成されるスキャナシステム)と比べて構
成要素が多いため、電気的ノイズや振動等の影響を受け
やすくなる。特に、センサの電気的ノイズや振動が原因
で発生する電気的ノイズは比較的大きく、さらにこれら
のノイズがスキャナ1の駆動回路2により数倍から数十
倍に増幅されてスキャナ1に印加されるため、スキャナ
1の安定した動作が得られない。
【0012】そこで、これらのノイズを除去するため
に、フィルター回路を設けることが考えられる、ところ
が、この場合には、このフィルター回路の時定数の影響
でフィードバック制御が不安定となり、これを解決する
には走査速度を下げなければならず測定時間が大幅に延
びてしまうという問題が生じる。このようなスキャナシ
ステム、即ち高速走査と高精度走査が両立できないスキ
ャナシステムは、短時間に高精度の位置制御が要求され
る走査型プローブ顕微鏡にとっては極めて好ましくな
い。本発明はそのような問題を解決するためなされたも
ので、高速走査と高精度走査を両立させることができる
スキャナシステムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1に対応する発明は、探針、或いは試料を
保持するステージと、このステージを所定の方向に走査
させるための圧電体スキャナと、この圧電体スキャナの
変位信号を出力するスキャナ変位センサと、前記圧電体
スキャナの所望とする状態を示す基準信号を発生させる
基準信号発生手段と、前記変位信号および基準信号に基
づき、前記圧電体スキャナを所望とする状態に変位させ
るための第1の制御信号を生成し、出力する制御手段
と、前記第1の制御信号のノイズを取り除き、第2の制
御信号として出力するフィルター手段と、前記第2の制
御信号を記憶するメモリ手段と、前記第1および第2の
制御信号の一方を選択し、前記圧電体スキャナに駆動信
号として印加する駆動信号選択手段とを具備したスキャ
ナシステムである。
【0014】
【作用】請求項1に対応する発明によれば、第1の走査
(予備走査)ではフィードバック制御を行いスキャナの
非直線性を補正しながら走査を行うとともにそのときに
スキャナに印加されている走査信号をノイズを削除した
状態でメモリ手段に記録し、第2の走査(本走査)では
メモリ手段に記録されている走査信号を用いて走査する
ことにより、高速走査を可能とした精度の高いスキャナ
システムとなる。
【0015】
【実施例】以下、本発明のスキャナシステムの実施例に
ついて、図面を参照して説明する。図1は本発明の第1
実施例の概略構成を示すブロック図であり、11はチュ
ーブ型の圧電体スキャナ(以下、スキャナと称する)で
ある。このスキャナ11は、その自由端には試料、或い
は探針を保持するステージ12が設けられている。
【0016】13はスキャナ11のX方向およびY方向
(走査方向)の変位状態を求めるセンサであり、これら
の変位状態を示すX方向およびY方向のそれぞれの変位
信号(以下、X変位信号108XおよびY変位信号10
8Yと称する)を制御回路16に供給する。
【0017】14は、コントローラ15から出力される
動作指示信号101に従って、スキャナ11の所望とす
る動作を示すX基準信号109X、Y基準信号109Y
を発生させるXY基準信号発生器であり、これらの基準
信号109X,109Yを制御回路16に供給する。
【0018】制御回路16は、XY基準信号発生器14
から供給されるX基準信号109XおよびY基準信号1
09Yに対して所定の処理(後述するフィードバック制
御のための処理)を行い、X方向およびY方向のそれぞ
れの制御信号(以下、X制御信号aおよびY制御信号a
と称する)を生成する。このX制御信号aおよびY制御
信号aはフィルター回路19に供給される。また、制御
回路16は、コントローラ15から動作停止信号107
が出力されると動作を停止する。
【0019】フィルター回路19は、制御回路16から
出力されるX制御信号aおよびY制御信号aの電気的ノ
イズを除去するためのものである。ノイズ除去されたX
制御信号aおよびノイズ除去されたY制御信号a(以
下、ノイズ除去されたX制御信号aおよびノイズ除去さ
れたY制御信号aを、それぞれX制御信号bおよびY制
御信号bと称する)はA/D変換器20およびスイッチ
17のA端子に供給される。
【0020】A/D変換器20はアナログ−デジタル変
換器であり、コントローラ15からAD変換タイミング
信号103が出力されると、フィルター回路19から出
力されるX制御信号bおよびY制御信号bをデジタルデ
ータに変換してメモリ回路22に供給する。
【0021】メモリ回路22は、コントローラ15から
ADタイミング信号103に同期させて出力される書込
みタイミング信号104に従ってA/D20から出力さ
れるX制御信号bのデジタルデータおよびY制御信号b
のデジタルデータを一時的に記録し、またコントローラ
15から出力される読み出しタイミング信号105に従
って、記録したX制御信号bのデジタルデータおよびY
制御信号bのデジタルデータをD/A変換器21に供給
する。
【0022】D/A変換器21は、デジタル−アナログ
変換器であり、コントローラ15から読み出しタイミン
グ信号105に同期させて出力されるDA変換タイミン
グ信号106に従って、メモリ回路22から出力される
X制御信号bのデジタルデータおよびY制御信号bのデ
ジタルデータをそれぞれアナログ信号にしてスイッチ1
7のB端子へ供給する。
【0023】ところで、これらのアナログ信号は、AD
変換タイミング信号103の速度(変換速度)とDA変
換タイミング信号106の速度(変換速度)が等しいと
きX制御信号bおよびY制御信号bと一致するが、AD
変換タイミング信号103の速度とDA変換タイミング
信号106の速度の異なるとき、X制御信号bおよびY
制御信号bとは周期が異なった信号となる。言い替えれ
ば、AD変換タイミング信号103、或はDA変換タイ
ミング信号106の速度を変更することで、X制御信号
bおよびY制御信号bの周期を変えた信号、即ちX制御
信号bおよびY制御信号bの速度を変えた信号を作り出
すことができる。
【0024】そこで、これらのアナログ信号を、X制御
信号bおよびY制御信号bと区別するためにX制御信号
cおよびY制御信号cと呼ぶことにする。スイッチ17
は、コントローラ15から出力されるスイッチ切り替え
信号102に従って、フィルター回路19から出力され
るX制御信号bおよびY制御信号b(A端子)と、D/
A変換器21から出力されるX制御信号cおよびY制御
信号c(B端子)のどちらか一方を選択して駆動回路1
8へ供給する。
【0025】駆動回路18は、X制御信号bおよびY制
御信号b、またはX制御信号cおよびY制御信号cのど
ちらか一方にて指示される状態にスキャナ11を変位さ
せるべく、スキャナ11への電圧印加を行う。
【0026】次に以上のように構成されたスキャナシス
テムの動作を、従来のスキャナシステムと比較して説明
する。測定における所望の走査(本走査)を例えば、図
2で示されるような走査、即ちX方向の走査ライン数が
256本、Y方向の走査ライン数が1本の走査であると
する。さらにこの本走査を測定時間T0 内で終了させた
いとする。まず、この本走査を従来のスキャナシステ
ム、例えば図16で示されるスキャナシステムで行う場
合を説明しよう。
【0027】図16のスキャナシステムにおいて、まず
XY基準信号発生器4はX基準信号およびY基準信号を
発生させる。これらのX基準信号およびY基準信号はそ
れぞれ図3および図4で示される信号となる。そしてこ
れらのX基準信号およびY基準信号に基づいて、制御回
路5ではX制御信号およびY制御信号を生成する。これ
らのX制御信号およびY制御信号はそれぞれ図5および
図6で示される信号となる。
【0028】ところが、これらのX制御信号およびY制
御信号は図5および図6で示される通りノイズを含んだ
信号となっているためスキャナ1の安定した動作は望め
ない。そこで、このノイズを除去するために、制御回路
5と駆動回路2の間にフィルター回路を設けた場合を考
える。この場合は、このフィルター回路の時定数の影響
でフィードバック制御が不安定になるという問題が生じ
る。また、フィードバック制御を安定させるために走査
速度を下げると測定時間T0 を越えてしまうという問題
が生じる。このように、従来のスキャナシステムでは測
定時間T0 内に高精度走査ができないことになる。
【0029】次に、上述した本走査を第1実施例のスキ
ャナシステムで行う場合を説明する。第1実施例のスキ
ャナシステムでは本走査の前に予備走査を行う。この予
備走査では走査ライン数はX方向およびY方向に各1本
でよい。またこの予備走査ではフィードバック制御を安
定に行うために、X方向の走査速度を本走査におけるX
方向の走査速度よりも遅くする。つまり、走査ライン数
がX方向およびY方向に各1本の予備走査の走査時間を
T1 とおくと、少なくとも T1 >T0 /256 なる関係が成り立つよう速度を設定する。
【0030】以上のような予備走査を行うために、まず
コントローラ15は、スイッチ17にA端子を選択する
よう指示を出し、次にXY基準信号発生器14に予備走
査における基準信号を発生させるよう指示を与える。X
Y基準信号発生器14はその指示に従い図7および図8
で示されるようなX基準信号およびY基準信号を発生さ
せる。そしてそれを制御回路16に供給する。
【0031】一方、センサ13は、スキャナ11のX方
向およびY方向の変位状態をX変位信号およびY変位信
号に変換し、制御回路16に与える。制御回路16で
は、センサ13から供給されるX変位信号108Xおよ
びY変位信号108Yを監視し、XY基準信号発生器1
4から供給されるX基準信号109XおよびY基準信号
109Yが示す現在所望とするスキャナ11の状態とX
変位信号108XおよびY変位信号108Yが示す実際
のスキャナ11の状態との偏差を求める。所望とするス
キャナ11の状態と、実際のスキャナ11の状態との間
には、スキャナ11を構成する圧電体に生じるヒステリ
シスやクリープ等によって偏差が生じるので、制御回路
16ではこの偏差を求めるのである。
【0032】そして制御回路16は、この偏差を補償す
るようにX基準信号およびY基準信号を変化させてX制
御信号aおよびY制御信号aを生成し、それをフィルタ
ー回路19に出力する。
【0033】フィルター回路19ではX制御信号aおよ
びY制御信号aのノイズを除去し、X制御信号bおよび
Y制御信号bとしてスイッチ17のA端子へ出力する。
これらのX制御信号bおよびY制御信号bはそれぞれ図
9および図10で示されるような信号となる。
【0034】スイッチ17ではA端子を選択しているた
め、供給されるX制御信号bおよびY制御信号bをその
まま駆動回路18に出力する。そして駆動回路18は、
X制御信号bおよびY制御信号bに基づいてスキャナ1
1への電圧印加を行なう。すなわち、センサ13にて示
される実際のスキャナ11の状態が所望とする状態に補
正されるようにフィードバック制御を行う。
【0035】一方、以上の動作を行ないながら、次の動
作を行なう。まず、フィルター回路19から出力される
ノイズ除去されたX制御信号aおよびY制御信号a、即
ちX制御信号bおよびY制御信号bをスイッチ17のA
端子に供給するとともにA/D変換器20に供給する。
そして変換器A/D20では、コントローラ15から出
力されるAD変換タイミング信号103に従って、X制
御信号bおよびY制御信号bをデジタルデータに変換
し、メモリ回路22に供給する。そしてメモリ回路22
では、コントローラ15からAD変換タイミング信号1
03に同期させて出力される書込みタイミング信号10
4に従って、X制御信号bのデジタルデータおよびY制
御信号bのデジタルデータを記録する。
【0036】そして、X方向およびY方向に各1本づつ
走査し、それらの走査におけるX制御信号bおよびY制
御信号bのデジタルデータがすべてメモリ回路22に記
録されれば予備走査は終了である。
【0037】次に本走査を行う。まずコントローラ15
は、スイッチ17にB端子を選択するよう指示を出し、
次にXY基準信号発生器14および制御回路16に機能
を停止するよう指示を与える。そしてコントローラ15
は読み出しタイミング信号105をメモリ回路22に与
え、メモリ回路22に記録されているX制御信号bおよ
びY制御信号bのデジタルデータを出力させる。このと
きの出力速度、即ちメモリ回路22からの読み出し速度
はX制御信号bのデジタルデータとY制御信号bのデジ
タルデータで異なっており、X制御信号bのデジタルデ
ータの読み出し速度はメモリ回路22へ記録したときの
書込み速度よりも速くなるように、そしてY制御信号b
のデジタルデータの読み出し速度は書き込み速度よりも
遅くなるようにする。具体的には、メモリ回路22に記
録されているX制御信号bのデジタルデータをすべて読
み出す時間がT0 /256となるように、そしてメモリ
回路22に記録されているY制御信号bのデジタルデー
タをすべて読み出す時間がT0 となるようにそれぞれ読
み出しタイミング信号105を与えてやる。
【0038】以下、X制御信号bのデジタルデータに対
する読み出しタイミング信号105をX読み出しタイミ
ング信号、Y制御信号bのデジタルデータに対する読み
出しタイミング信号105をY読み出しタイミング信号
と呼ぶ。そしてX制御信号bのデジタルデータをすべて
読み出す作業を256回繰り返す。
【0039】そして以上の動作を行いつつ、コントロー
ラ15はD/A変換器21にDA変換タイミング信号1
06を与え、D/A変換器21に供給されるX制御信号
bのデジタルデータとY制御信号bのデジタルデータを
それぞれアナログ信号に変換させる。このときの変換速
度はX制御信号bのデジタルデータとY制御信号bのデ
ジタルデータで異なっており、それぞれX読み出しタイ
ミング信号およびY読み出しタイミング信号に同期した
変換速度となっている。そしてこれらのアナログ信号
(X制御信号cおよびY制御信号c)をスイッチ17の
B端子に供給する。図11および図12はこうして出力
されたアナログ信号であり、それぞれX制御信号cおよ
びY制御信号cを示す。
【0040】ところで、これらのX制御信号cおよびY
制御信号cは図11および図12で示される通りノイズ
のないクリーンな信号となっている。スイッチ17では
B端子を選択するよう指示されているため、供給される
X制御信号cおよびY制御信号cをそのまま駆動回路1
8に出力する。そして駆動回路18は、X制御信号cお
よびY制御信号cに基づいてスキャナ11への電圧印加
を行なう。
【0041】このように以上述べた第1実施例のスキャ
ナシステムでは、測定時間T0 内に高精度走査を行うこ
とができる。即ち、本実施例のスキャナシステムでは高
速走査と高精度走査の両立が可能となっている。これ
は、高精度の位置制御を短時間に行うことが要求される
走査プローブ顕微鏡に非常に有益であり、測定精度の向
上および測定時間の短縮に効果がある。
【0042】第1実施例では、予備走査における走査ラ
イン数をX方向およびY方向とともに1本としたが、複
数本にすることでより高精度な走査が可能となる。また
第1実施例では、予備走査におけるX方向の走査および
Y方向の走査を同時に行ったが、個別に行っても同様の
効果を得ることができる。
【0043】また第1実施例では、フィルター回路19
がフィードバックループに挿入されていたものを、図1
3のようにフィルター回路19をフィードバックループ
から切り放しても同様の効果を得ることができる。
【0044】続いて、本発明の第2実施例について図1
4を参照して説明する。前述した第1実施例のスキャナ
システムは、予備走査と本走査の走査速度が異なるとい
う特徴を持っている。ところでこれらの走査速度が大き
く異なる場合、予備走査と本走査のスキャナの特性に違
いが生じる可能性がある。そのため、この第2実施例で
は、フィルター回路19を設けず、この代わりにデジタ
ルフィルター23を設けている。そして、本走査と同じ
走査速度で予備走査を行い、そのときのノイズを含んだ
走査信号(第1実施例でいうところのX制御信号aおよ
びY制御信号a)をメモリ回路22aに記録する。予備
走査が完了すると、メモリ回路22aに記録されている
ノイズを含んだ走査信号をデジタルフィルター23に供
給する。そこで、コントローラ15により指示されるフ
ィルター処理により走査信号のノイズを除去し、メモリ
回路22bに供給する。そして、メモリ回路22bに記
録されている信号を用いて本走査を行う。このようにし
て本実施例2のスキャナシステムでは予備走査を本走査
と同じ走査速度で行うことができ、予備走査と本走査の
スキャナの特性に違いが生じるという問題を解決するこ
とができる。
【0045】また第2実施例では、図15のように構成
し、図14におけるXY基準信号発生器14、制御回路
16、スイッチ17、デジタルフィルター23の動作を
ソフトウェアで行っても同様の効果を得ることができ
る。前述の実施例では、スキャナ11としてチューブ型
の圧電体スキャナを例にあげたが、これに限らずトライ
ポッド型であってもよい。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、高速走査と高精度走査
を両立させたスキャナシステムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスキャナシステムの第1実施例の
概略構成を示すブロック図。
【図2】図1の実施例の動作を説明するための走査本数
と測定時間の関係を示す図。
【図3】図16のXY基準信号発生器4から出力される
X基準信号を示す図。
【図4】図16のXY基準信号発生器4から出力される
Y基準信号を示す図。
【図5】図16の制御回路5で生成されるX制御信号を
示す図。
【図6】図16の制御回路5で生成されるY制御信号を
示す図。
【図7】図1のXY基準信号発生器14から出力される
X基準信号を示す図。
【図8】図1のXY基準信号発生器14から出力される
Y基準信号を示す図。
【図9】図1の制御回路16で生成されるX制御信号を
示す図。
【図10】図1の制御回路16で生成されるY制御信号
を示す図。
【図11】図1のD/A変換器21からスイッチ17に
与えられるX制御信号を示す図。
【図12】図1のD/A変換器21からスイッチ17に
与えられるY制御信号を示す図。
【図13】図1の実施例の変形例の概略構成を示すブロ
ック図。
【図14】本発明によるスキャナシステムの第2実施例
の概略構成を示すブロック図。
【図15】本発明によるスキャナシステムの第3実施例
の概略構成を示すブロック図。
【図16】従来のスキャナシステムの1例の概略構成を
示すブロック図。
【図17】図16のスキャナ1に印加される電圧波形を
示す図。
【図18】図16のスキャナ1に電圧を印加したときの
圧電体の変位を示す図。
【符号の説明】
11…チューブ型スキャナ、12…ステージ、13…セ
ンサ、14…XY基準信号発生器、15…コントロー
ラ、16…制御回路、17…スイッチ、18…駆動回
路、19…フィルター回路、20…A/D変換器、21
…D/A変換器、22,22a,22b…メモリ回路、
23…デジタルフィルター。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 探針、或いは試料を保持するステージ
    と、 このステージを所定の方向に走査させるための圧電体ス
    キャナと、 この圧電体スキャナの変位信号を出力するスキャナ変位
    センサと、 前記圧電体スキャナの所望とする状態を示す基準信号を
    発生させる基準信号発生手段と、 前記変位信号および基準信号に基づき、前記圧電体スキ
    ャナを所望とする状態に変位させるための第1の制御信
    号を生成し、出力する制御手段と、 前記第1の制御信号のノイズを取り除き、第2の制御信
    号として出力するフィルター手段と、 前記第2の制御信号を記憶するメモリ手段と、 前記第1および第2の制御信号の一方を選択し、前記圧
    電体スキャナに駆動信号として印加する駆動信号選択手
    段と、 を具備し、前記駆動信号選択手段により選択された第1
    または第2の制御信号に従って前記圧電体スキャナを駆
    動することを特徴とするスキャナシステム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003014605A (ja) * 2001-06-29 2003-01-15 Olympus Optical Co Ltd 走査型プローブ顕微鏡
JP2010527002A (ja) * 2007-05-07 2010-08-05 ビーコ インストルメンツ インコーポレイテッド クローズドループコントローラを備える高速走査型プローブ顕微鏡とその操作方法

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