JP3039725B2 - 情報処理装置 - Google Patents

情報処理装置

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JP3039725B2
JP3039725B2 JP4173330A JP17333092A JP3039725B2 JP 3039725 B2 JP3039725 B2 JP 3039725B2 JP 4173330 A JP4173330 A JP 4173330A JP 17333092 A JP17333092 A JP 17333092A JP 3039725 B2 JP3039725 B2 JP 3039725B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報処理装置に関し、
特に走査型トンネル電子顕微鏡の技術を用いて記録媒体
から情報の再生を行なう情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】メモリ材料技術は、コンピュータおよび
その周辺機器、ビデオディスク、デジタルオーディオデ
ィスクなどのエレクトロニクス産業の分野においてその
中核をなすものであり、近年、メモリ材料の開発が極め
て活発に行なわれている。メモリとしては、従来、磁性
体や半導体を素材とした磁気メモリや半導体メモリが主
流であったが、レーザ技術の発展に伴い、有機色素やフ
ォトポリマーなどの有機薄膜を用いた光メモリが登場し
てきている。光メモリは、安価で高記録密度の記録媒体
である。
【0003】一方、導体の表面原子の電子構造を直接観
察できる走査型トンネル電子顕微鏡(Scanning Tunneli
ng Microscope、以下、STMと略す。)が開発され
[G.ビニッヒ(G. Binnig)ら、Phys. Rev. Lett., 4
9, 57(1982)]、単結晶あるいは非晶質などを問わず、
実空間像を高い分解能で測定できるようなった。さらに
STMは、試料に対して電流による損傷を与えることな
く低電力で観測でき、大気中でも動作するという利点も
有し、広範囲な応用が期待されている。
【0004】STMは、金属の探針(プローブ電極)と
試料である導電性物質との間に電圧を印加して両者を1
nm程度の距離まで近付けると、両者間にトンネル電流
が流れることを利用している。この電流は両者の距離の
変化に対して指数関数的に応答するため、STMは表面
状態に非常に鋭敏である。また、トンネル電流を一定に
保つように探針を走査することにより、実空間における
全電子雲に関する種々の情報も読み取ることができる。
この際、面内方向の分解能は0.1nm程度となる。し
たがって、STMの原理を応用すれば、十分に原子オー
ダー(サブ・ナノメートル)での高密度記録および再生
を行なうことが可能となる。
【0005】例えば、記録層として、電圧対電流のスイ
ッチング特性にメモリ効果を有する材料、例えば共役π
電子系有機化合物やカルコゲン化合物などの薄膜層を用
い、記録、再生をSTMを用いて行なう方法が提案され
ている(特開昭63−161552号公報、特開昭63
−161553号公報)。すなわちこれらの記録層は、
しきい値を越える電圧を印加することにより、印加時の
極性によって、2つの異なる状態間を遷移させることが
でき、これらの状態は電圧を印加しないときには安定に
存続する。そして、記録層の表面と探針との距離を一定
にしたときのトンネル電流値の相違で、どちらの状態に
あるかを検出できる。トンネル電流検出用の探針を用い
て記録層にしきい値を越える電圧を印加することができ
るから、結局、STMの面内分解能に見合う記録密度で
情報の2値記録と再生が行なえることなる。この方法に
よれば、記録ビットのサイズを10nmとすれば、10
12ビット/cm2ものの大容量記録および再生が可能と
なる。
【0006】STMの原理を利用した情報処理装置で
は、一般のSTMと同様に、プローブ電極によって記録
層(試料)の表面をxy方向(記録層の面内方向)に相
対的に走査する。この走査運動は、記録層の表面に平行
な平面内での往復運動であり、通常の場合、プローブ電
極走査用のアクチュエータに三角波を加えることによっ
て実現されている。しかし、三角波を印加する場合に
は、プローブの動きが反転するときにアクチュエータに
急激な力が加わることとなるので、アクチュエータのひ
び割れがおきたり、システムの共振を引き起こし寄生振
動となってノイズを増加させるなどの問題が生じてい
る。特開平2−142048号公報には、アクチュエー
タの反転動作が滑らかになるように、アクチュエータに
加える走査信号が折り返し時に角部のない信号となって
いるSTMが開示されている。
【0007】図6は、折り返し時に角部のない信号がア
クチュエータに与えられるSTMの構成例を示すブロッ
ク図である。このSTMは、コントローラ601によっ
て全体の動きが制御されている。プローブ電極(不図
示)は、xyzの各方向に、それぞれx方向駆動器61
3、y方向駆動器614、z方向駆動器615によって
駆動される。
【0008】クロック発生器602、クロック発生器6
02からのクロックを分周するx方向カウンタ603、
x方向カウンタ603の出力側に設けられたルックアッ
プテーブル(LUT)604、ルックアップテーブル6
04の出力が入力するx方向D/A変換器106、x方
向D/A変換器606の出力に応じてx方向駆動器61
3に駆動信号を出力するx方向駆動アンプ607が設け
られている。x方向カウンタ603からは、所定のビッ
ト幅で値が単調に増加し、最大値に達したのちは0の戻
って値が再び単調増加する(鋸歯状の)デジタル信号が
出力される。ルックアップテーブル604は、鋸歯波状
に値が変化するデジタル信号を値が滑らかに変化するデ
ジタル信号に変換するためのものである。ルックアップ
テーブル604は、デジタル信号が入力すると、入力値
に対応するデジタル値を所定のビット幅で出力する。こ
こで入力と出力との関係を適宜設定することにより、鋸
歯波状に値が変化する信号が入力したときに、角部がな
いように値が変化する信号(例えば正弦波状に値が変化
する信号)を出力できるようになる。このようなルック
アップテーブル604としては、例えばROM(読み出
し専用メモリ)からなるものがあり、ROMの各アドレ
スに対応して適宜にデータを書き込まれてあり、入力信
号がアドレスとして与えられるものがある。このルック
アップテーブル604の出力は、D/A変換された後
に、プローブ電極のx方向の駆動のために用いられる。
ルックアップテーブル604を設けたことにより、x方
向の走査に伴う往復運動に際して、折り返し時にアクチ
ュエータに過大な衝撃が加わることが防がれる。
【0009】同様に、プローブ電極のy方向への駆動の
ために、クロック発生器602からのクロックを分周す
るy方向カウンタ605、y方向カウンタ605の出力
が入力するy方向D/A変換器608、y方向D/A変
換器608の出力が入力するy方向駆動アンプ609が
設けられている。y方向については、ルックアップテー
ブルが設けられていないが、これはy方向の走査速度が
x方向に比べてけた違いに小さいため、折り返し時にア
クチュエータに加わる衝撃が問題とならないからであ
る。y方向については、鋸歯波状に値が変化するデジタ
ル信号に基づいてプローブ電極が駆動されることにな
る。
【0010】さらに、このSTMには、z方向制御装置
612が設けられ、トンネル電流が一定になるように、
z方向駆動器615を制御している。トンネル電流の情
報には、プローブ電極と試料との距離の情報が含まれて
いるので、z方向制御装置612で検出されたトンネル
電流値をA/D変換するA/D変換器611が設けられ
ている。また、トンネル電流値の変化をxy方向の座標
に応じて記憶するためのフレームメモリ610、画像デ
ータを表示するモニタCRT618、フレームメモリ6
10の記憶内容を画像としてモニタCRT618に表示
するための表示用D/A変換器617、クロック発生器
602からのクロックに基づいてフレームメモリ610
にアドレスを与えるためのアドレスカウンタ616が設
けられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、一定の
基準クロック信号に同期してルックアップテーブルに書
き込まれているデータを読出し、プローブ電極の走査の
ための信号(走査波形)とする場合には、この信号電圧
の単位時間当りの増減量は、一定ではない。このため、
基準クロック信号に同期してデータの読み書きを行なう
と、記録媒体上での記録密度が一様ではなくなり、記録
媒体の利用効率が低下してしまうという問題点がある。
また、ルックアップテーブルの出力デジタル信号の特定
のビットの変化をトリガに用いてデータの読み書きを行
なった場合でも、プローブ電極を走査するために一般に
使用される圧電アクチュエータがヒステリシス特性を有
することから、印加電圧の変化量が一定値に達するごと
に読み書きのタイミング信号を発生させても、実際のプ
ローブ電極の動きに関しては等間隔ではなくなり、記録
密度が一様ではなくなってしまうという問題点がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】 本発明は、上記問題を解
決するためになされたものであり、その目的は、走査波
形の種類や走査機構のヒステリシス特性に影響されるこ
となく、常に記録媒体上での記録密度を一様とでき、デ
ータの読み書きを正確に行える情報処理装置を提供する
ことである。 そして、上記目的は、記録媒体に対向する
プローブ電極と、前記記録媒体と前記プローブ電極を相
対的に移動させる移動手段と、前記プローブ電極が前記
記録媒体上を往復走査し、かつ前記往復走査における反
転動作が滑らかになる駆動信号を出力する手段と、前記
移動手段の一定走査量ごとにトリガ信号を発生する手段
と、前記トリガ信号に基づいて、記録及び/又は再生を
実行する手段と、を備えることを特徴とする情報処理装
置、により達成される。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の一実施例の情報処理装置の
構成を示すブロック図である。
【0018】この情報処理装置は、STMの原理によっ
てデータの記録と再生を行なうものであり、CPU(中
央処理装置)1と、予めトラック溝26が刻まれている
記録媒体25と、円筒形のアクチュエータ28とを有し
ている。アクチュエータ28には、先端が極めて尖って
いるプローブ電極27が記録媒体25に対向するように
取り付けられている。アクチュエータ28は、プローブ
電極27の先端をxyzの各方向に微動させるためのも
のであり、例えば、圧電型のものであって各方向にそれ
ぞれ2μmずつプローブ電極27の先端を移動させるこ
とができる。ここで、xおよびy方向は記録媒体25の
面内方向、z方向は記録媒体25の表面に垂直な方向と
する。記録媒体25には、記録時および再生時にプロー
ブ電極27と記録媒体25との間にパルス電圧を印加し
(記録時)あるいはバイアス電圧を印加する(再生時)
ための波形発生器21が、バッファアンプ24を介して
接続されている。
【0019】クロック発生器2が設けられ、このクロッ
ク発生器2からのクロックは、分周器3とx方向のアッ
プダウンカウンタ4に入力する。分周器3の出力は、y
方向のアップダウンカウンタ5に入力する。これら各ア
ップダウンカウンタ4,5は、それぞれ、CPU1から
のx方向アップダウン信号41、y方向アップダウン信
号42によって、アップカウント動作とダウンカウント
動作のいずれかを行なうようになっている。x方向とy
方向の各アップダウンカウンタ4,5の出力は、それぞ
れx方向とy方向の駆動波形ルックアップテーブル6,
7に入力する。x方向の駆動波形ルックアップテーブル
6の出力は、x方向のヒステリシスルックアップテーブ
ル10とD/A変換器8に入力し、このD/A変換器8
の出力は、バッファアンプ12を介してアクチュエータ
28のx方向の駆動端子に接続されている。同様に、y
方向の駆動波形ルックアップテーブル7の出力は、y方
向のヒステリシスルックアップテーブル11とD/A変
換器9に入力し、このD/A変換器9の出力は、バッフ
ァアンプ13を介してアクチュエータ28のy方向の駆
動端子に接続されている。また、各ヒステリシスルック
アップテーブル10,11には、当該ヒステリシスルッ
クアップテーブル10,11の出力の最下位ビットが入
力するフリップフロップ回路16,17がそれぞれ設け
られ、これらフリップフロップ回路16,17の出力
は、アンド回路18に入力している。
【0020】プローブ電極27にはトンネル電流検出用
の電流アンプ23が接続され、電流アンプ23の出力
は、アンド回路18の出力によって制御されるサンプル
/ホールド回路29と、読み出し電圧データをデジタル
信号に変換するA/D変換器22とに入力する。サンプ
ル/ホールド回路29の出力は、誤差増幅器30、低域
通過フィルタ31、バッファアンプ32を経て、アクチ
ュエータ28のz方向の駆動端子に入力しており、これ
によりz方向の制御のためフィードバックループが形成
されたことになる。A/D変換器22の出力は入出力バ
ッファ19に入力する。入出力バッファ19は、CPU
1からの書き込み用のデータを一時的に貯えアンド回路
18からの信号に同期して波形発生器21に順次出力
し、さらに、アンド回路18からの信号に同期してA/
D変換器22からのデータを順次取り込み、読み出され
たデータとしてCPU1に出力するものである。さら
に、アンド回路18からの信号によって所定の時間幅の
パルスを発生するパルス発生器20が設けられ、このパ
ルスはA/D変換器22でのサンプリングと波形発生器
21での波形発生のタイミングに使用されるようになっ
ている。
【0021】CPU1からは、x方向のカウントのアッ
プダウンを制御するためのx方向アップダウン信号4
1、y方向のカウントのアップダウンを制御するための
y方向アップダウン信号42、記録/再生切り替え信号
43が出力され、入出力バッファ19との間にデータ入
出力のためのデータバス44が設けられている。各アッ
プダウン信号41,42は、それぞれ所定の時間間隔
で、アップカウントを指示する信号とダウンカウントを
指示する信号とに切り替わる。
【0022】次に、各ルックアップテーブル6,7,1
0,11について説明する。各駆動波形ルックアップテ
ーブル6,7は、それぞれx方向、y方向の走査波形を
保持して入力値に応じて出力するものである。すなわ
ち、プローブ電極27の往復走査に際して、折り返し点
近傍でのプローブ電極27の動きが滑らかになるよう
に、入力値Qを変換して出力する。例えば、入力値Qの
下限値と上限値をそれぞれLとHで表わすとき、Aを適
当な定数として、
【0023】
【数1】 で表わされるようなデジタル値Sを出力する。後述する
ように、入力値QはLとHの間で三角波状に変化する
が、下限値Lおよび上限値Hの近傍では出力値Sの変化
が入力値Qの変化に比べて緩やかであるため、プローブ
電極27の走査の動きは滑らかなものとなる。上記の式
(1)で表わされるような関係があるとき、三角波状の信
号の入力に対応して、正弦波状の信号でプローブ電極2
7が走査されることになる。
【0024】各ヒステリシスルックアップテーブル1
0,11は、プローブ電極27の走査方向が往方向なの
か復方向なのかに応じたアクチュエータ28のヒステリ
シス値を保持するものであり、各駆動波形ルックアップ
テーブル6,7の出力であるデジタル値が入力する。こ
のデジタル値は、プローブ電極27の走査のためにアク
チュエータ28に印加される電圧に対応している。ヒス
テリシスルックアップテーブル10,11は、CPU1
から各アップダウン信号41,42(走査方向が往方向
なのか復方向なのかを示している)に応じて、アクチュ
エータ28への印加電圧とヒステリシスカーブとによっ
て定まるプローブ電極28の現実の位置を示すデータ
を、デジタル値として出力するようになっている。各ヒ
ステリシスルックアップテーブル10,11には、往方
向の走査に対応して図3(a)に示すようなデータが格納
され、復方向の走査に対応して図3(b)に示すようなデ
ータが格納されている。本実施例では、ヒステリシスル
ックアップ10,11は、それぞれ7ビットの出力分解
能を有する。もちろん、ヒステリシスルックアップテー
ブル10,11の入力側のビット幅は、7ビットよりも
大きい。結局、ヒステリシスルックアップテーブル1
0,11の出力値は、それぞれ、アクチュエータ28へ
の走査波形やアクチュエータ28のヒステリシス特性に
よらず、プローブ電極27がx方向あるいはy方向に現
実に一定の量だけ移動するごとに、変化することにな
る。
【0025】次に、本発明の動作について説明する。ま
ず、記録媒体25の表面とプローブ電極27との間の距
離の制御、すなわちz方向の制御について説明する。
【0026】記録媒体25とプローブ電極27の先端と
を対向させ、両者間に100mV程度の電圧を印加した
ときに2nA程度のトンネル電流が流れるように、トン
ネル電流値の初期設定を行なっておく。トンネル電流の
距離依存性により、この初期設定は、記録媒体25とプ
ローブ電極27との距離の初期設定に相当する。
【0027】プローブ電極27で検出されたトンネル電
流は、電流アンプ23で電圧に変換され、サンプル/ホ
ールド回路29を経て誤差増幅器30に入力する。誤差
増幅器30では、トンネル電流の初期設定値に対応する
オフセット電圧とサンプル/ホールド回路29の出力と
の差に応じた出力がなされ、この出力は低域通過フィル
タ31とバッファアンプ32を介してアクチュエータ2
8のz方向の駆動端子に入力する。結局、フィードバッ
ク制御が行なわれていることになり、外乱があったとし
ても、記録媒体25とプローブ電極27の先端との間隔
は、初期設定で定められた一定値に維持される。ここ
で、低域通過フィルタ31が挿入されているのは、記録
されたデータの読み出しによる信号(高周波成分が主で
ある)の影響を排し、記録媒体25の傾きなどに追従で
きるようにするためである。
【0028】次に、プローブ電極28のx方向およびy
方向の走査について説明する。
【0029】クロック発生器2からの基準クロックは、
x方向およびy方向のアップダウンカウンタ4,5でカ
ウントされる。これらアップダウンカウンタ4,5に
は、CPU1からそれぞれ所定の時間間隔で状態が変化
するアップダウン信号41,42が入力しているから、
各アップダウンカウンタ4,5からは、値が三角波状に
変化するデジタル信号が出力されることになる。ここ
で、分周器3が設けられていることにより、値の変化の
周期は、y方向の方が分周比の分だけ長いことになる。
各アップダウンカウンタ4,5からのデジタル信号は、
それぞれ、駆動波形ルックアップテーブル6,7に入力
し、値が滑らかに変化するデジタル信号に変換され、続
いてD/A変換器8,9でアナログ信号に変換され、バ
ッファアンプ12,13を介してアクチュエータ28の
x方向およびy方向の駆動に用いられる。駆動波形ルッ
クアップテーブル6,7を介していることにより、アク
チュエータ28に与えられる走査波形は、x方向、y方
向とも、折り返しに伴う角部のない、滑らかに変化する
ものとなっている。なお、y方向の走査速度は分周器3
の分周比の分だけx方向の走査速度よりも小さく、その
結果、プローブ電極27は、x方向に往復運動を行ない
ながら、x方向の動きに比べはるかにゆっくりした動き
でy方向に往復運動することになり、記録媒体25の所
定の記録領域の全体を走査することになる。
【0030】駆動波形ルックアップテーブル6,7の出
力は、それぞれヒステリシスルックアップテーブル1
0,11にも入力している。上述のように各ヒステリシ
スルックアップ10,11からは、x方向とy方向のそ
れぞれについて、プローブ電極27の現実の位置を表わ
すデータが出力され、この出力の最下位ビットがそれぞ
れフリップフロップ回路16,17に入力し、アンド回
路18によってこれらフリップフロップ回路16,17
の出力の論理積が取られている。したがって、プローブ
電極17のx方向への走査量の所定値ごとに、アンド回
路18から信号が出力されることになる。この場合、x
方向の走査を行なう度に信号が出力されるのではなく、
y方向への走査量に応じて、例えば2回のx方向の走査
を行なうごとにそのうちの1回の走査中にのみ信号が出
力されることになる。その結果、記録媒体25の所定の
記録領域内において、格子状に配置された点のそれぞれ
にプローブ電極17が達したときに、アンド回路18か
ら信号が出力されることになる。この格子状配置の点
は、xyの各方向ごとにそれぞれ所定の値で等間隔に配
置されている。
【0031】実例として説明すれば、分周器3での分周
比を適宜に設定することにより、プローブ電極27がx
方向に往方向の走査をしているときに、その走査による
移動量の一定値ごとに、アンド回路18から信号が出力
される。本実施例ではヒステリシスルックアップテーブ
ル10,11の出力分解能を7ビットとしているので、
往方向の走査時に127回の割合で記録領域を均等な密
度でカバーする信号が出力される。このときは、復方向
の走査時には信号は出力されない。
【0032】次に、データの書き込み動作について説明
する。
【0033】プローブ電極27をx方向およびy方向に
走査させながら、記録/再生切り替え信号43を記録状
態とし、CPU1からデータバス44を介して記録すべ
き一群のデータを入出力バッファ19に送出する。この
データは、入出力バッファ19に一時的に保持される。
プローブ電極27が記録媒体25上の記録領域の記録点
(上述の格子状に配置されている点)に達するごとにア
ンド回路18からの信号がパルス発生器20と入出力バ
ッファ19に送られ、その信号によって入出力バッファ
19の入出力アドレスはインクリメントされる。入出力
バッファ19は、その入出力アドレスに応じて、保持し
ているデータを波形発生器21に送出する。一方、パル
ス発生器20からは、書き込みトリガ信号が波形発生器
21に送出される。書き込みトリガ信号を受け付けた波
形発生器21は、入出力バッファ19からの2値のデー
タが"0"であるときには、図3の消去電圧波形で表わさ
れる電圧をバッファアンプ24を介して記録媒体25と
プローブ電極27との間に印加し、2値データが"1"で
あるときには、図4の記録電圧波形で表わされる電圧を
記録媒体25とプローブ電極27との間に印加する。こ
れら消去電圧波形、記録電圧波形は、それぞれ記録媒体
25の特定の記録点に、"0"および"1"からなる2値の
データのいずれかを書き込むためのものである。その結
果、プローブ電極27の走査を続行することにより、入
出力バッファ19に貯えられた一群のデータが記録媒体
25上に連続的に記録されることになる。なお、実際に
記録媒体25にデータの書き込みが行なわれているタイ
ミングでは、アンド回路18からの信号によってサンプ
ル/ホールド回路29はホールド状態となっており、デ
ータ書き込みのための信号が誤差増幅器30に加わらな
いようになっている。このため、データの書き込みによ
って、プローブ電極27のz方向のフィードバック制御
が乱されたり、プローブ電極27が記録媒体25に衝突
したりすることは防がれる。
【0034】続いて、データの読み出し動作について説
明する。
【0035】CPU1からの記録/再生切り替え信号4
3は再生状態となっており、このことによって波形発生
器21から、記録媒体25に記録されたデータの保持特
性に影響を与えない程度の約100mVの電圧が、記録
媒体25とプローブ電極27との間に定常的に印加され
る。プローブ電極27をx方向およびy方向に走査する
と、上述と同様にして、記録媒体25上の記録領域内の
記録点にプローブ電極27が達するごとに、アンド回路
18から信号が出力される。この信号に呼応してパルス
発生器20は読み出しトリガ信号を生成し、A/D変換
器22に送出する。A/D変換器22は、この読み出し
トリガ信号に同期して、電流アンプ23の出力のA/D
変換を行ない、その結果を入出力バッファ19に伝達す
る。入出力バッファ19は、A/D変換器22からの出
力を順次蓄積し、プローブ電極27のx方向の1回の走
査ごとに、蓄積したデータを一括してCPU1に送信す
る。これによって、CPU1は、記録媒体25中のデー
タを取得できる。
【0036】本実施例では、ヒステリシスルックアップ
テーブル10,11を設けたことにより、プローブ電極
27の走査方向、アクチュエータ28のヒステリシス特
性、データの書き込み時であるか読み出し時であるかな
どによらず、一様な密度で記録媒体25上に記録点が設
定され、書き込み時の記録点と読み出し時の記録点の位
置は完全に一致する。
【0037】次に、本発明の別の実施例について図5を
用いて説明する。
【0038】この実施例の情報処理装置は、上述の実施
例の情報処理装置(図1)のヒステリシスルックアップ
テーブル10,11とフリップフロップ回路16,17と
を位置パルス発生回路51,52で置換した構成となっ
ている。この位置パルス発生回路51,52は、プロー
ブ電極27のx方向およびy方向の走査のために、それ
ぞれ設けられている。すなわち、x方向の位置パルス発
生回路51には、x方向の駆動波形ルックアップテーブ
ル6の出力とx方向のアップダウン信号41が入力す
る。同様に、y方向の位置パルス発生回路51には、y
方向の駆動波形ルックアップテーブル7の出力とy方向
のアップダウン信号42が入力する。各位置パルス発生
回路51,52の出力は、上述の実施例と同様に、アン
ド回路18に入力する。
【0039】各位置パルス発生回路51,52は、プロ
ーブ電極27の走査方向が往方向なのか復方向なのかに
応じたアクチュエータ28のヒステリシス特性を記憶
し、入力値と記憶されているヒステリシス特性とに基づ
いて、プローブ電極27が現実に所定量を走査するごと
に位置パルス信号を生成するものである。この位置パル
ス信号は、記録媒体25上の記録ピットをプローブ電極
27が横切る時間に相当する時間幅を有する信号であ
る。ここでいう記録ピットとは、1単位の2値記録が行
なわれるエリアのことであり、記録媒体25の記録領域
に均等な密度で相互に分離して格子状に配置されてい
る。
【0040】次に、本実施例の情報処理装置の動作を説
明する。x方向およびy方向へのプローブ電極27の走
査およびz方向についての制御は、上述の実施例と同様
である。本実施例では、アンド回路18は、x方向とy
方向の位置パルス信号との論理積を求める。したがっ
て、アンド回路18からは、プローブ電極27が各記録
ピットのいずれかに対向しているタイミングで、信号が
出力されることになる。その結果、プローブ電極27が
記録ピットに対向しているタイミングで、書き込みトリ
ガ信号と読み出しトリガ信号が生成されることになる。
記録媒体へのデータの書き込みと読み出しは、上述の実
施例と同様に、書き込みトリガ信号と読み出しトリガ信
号に同期して行なわれる。各記録ピットは、均等に配列
されているので、結局、情報媒体25への均等な密度で
の情報の書き込みが可能となる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、移動手
段の一定走査量ごとにトリガ信号を発生し、そのトリガ
信号に基づいて記録及び/又は再生を実行しているた
め、移動手段への走査波形や移動手段のヒステリシス特
に影響されることなく、記録媒体上に等間隔かつ正
記録情報を書き込むことができる。したがって本発
明は、記録媒体の利用効率が高められ、信頼性が向上す
るという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の情報処理装置の構成を
示すブロック図である。
【図2】(a)は往方向の走査に対応してヒステリシスル
ックアップテーブルに格納されるデータを示す特性図で
あり、(b)は復方向の走査に対応してヒステリシスルッ
クアップテーブルに格納されるデータを示す特性図であ
る。
【図3】プローブ電極に印加される消去電圧波形を示す
波形図である。
【図4】プローブ電極に印加される記録電圧波形を示す
波形図である。
【図5】本発明の第2の実施例の情報処理装置の構成を
示すブロック図である。
【図6】従来の情報処理装置の構成例を示すブロック図
である。
【符号の説明】
1 CPU 2 クロック発生器 3 分周器 4,5 アップダウンカウンタ 6,7 駆動波形ルックアップテーブル 8,9 D/A変換器 10,11 ヒステリシスルックアップテーブル 16,17 フリップフロップ回路 18 アンド回路 19 入出力バッファ 20 パルス発生器 21 波形発生器 22 A/D変換器 23 電流アンプ 25 記録媒体 26 トラック溝 27 プローブ電極 28 アクチュエータ 29 サンプル/ホールド回路 30 誤差増幅器 31 低域通過フィルタ 41,42 アップダウン信号 43 記録/再生切り替え信号 44 データバス 50,51 位置パルス発生回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畑中 勝則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 審査官 広岡 浩平 (56)参考文献 特開 平4−129044(JP,A) 特開 平5−342648(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 9/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 録媒体に対向するプローブ電極と、 前記記録媒体と前記プローブ電極を相対的に移動させ
    動手段と、 前記プローブ電極が前記記録媒体上を往復走査し、かつ
    前記往復走査における反転動作が滑らかになる駆動信号
    を出力する手段と、前記移動手段の一定走査量ごとにトリガ信号を発生する
    手段と、 前記トリガ信号に基づいて、記録及び/又は再生を実行
    する手段と、備えることを特徴とする情報処理装置。
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